2011/02/28

キボシアシナガバチ創設女王が肉団子を咀嚼



2008年7月上旬

ナンブアザミの葉裏に営巣したキボシアシナガバチPolistes nipponensis女王eの観察記録。 


前半
巣房に顔を突っ込んでじっとしている女王の姿をよく見ます。
ただの休息なのか、巣房を点検・掃除しているのか、それとも幼虫と栄養交換(後述)しているのだろうか。
観察中ににわか雨が降ってきました。
木の葉に遮られて林床には雨粒は殆ど落ちてきません。
多少の雨は気にせずに蜂は外出するようです。 


<後半>
アシナガバチの幼虫は肉食なので、主に鱗翅目の幼虫を狩って肉団子にして与えます。
単独性カリバチの一括給食に対してアシナガバチ/スズメバチの逐次給食は社会性を獲得した重要なステップと考えられています。
幼虫には歯が無いので、成虫が肉をよく噛み砕いてから与える必要があります。
幼虫が若齢のうちは肉汁を吐き戻して与えるらしい。
女王自身はタンパク質を消化する酵素を持たないので固形の肉を食べられないらしい。
自分で花蜜を採餌する他、幼虫からのアミノ酸に富んだ液体状の吐き戻しをもらって(栄養交換)栄養補給します。 


ちなみに創設女王の胸部背中に個体識別のマーキング(銀色のアクリル塗料)を施してあります。

つづく→シリーズ#19


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