2014/07/05

ヒメジョオンの花蜜を吸う2頭のウラギンヒョウモン♂



2014年6月上旬

農道脇に咲いたヒメジョオンの群落で2頭のウラギンヒョウモン♂(Fabriciana adippe)が花蜜を吸っていました。
ライバルの♂同士なのに、互いに激しい縄張り防衛行動などをしないのが少し意外でした。
むしろ互いに近くの花で吸蜜したがる印象を受けました。
♀だと誤認して花に近づくも、「あ、違う!♂だった!」とすぐに気づくのかな?
この時期に未だ♀を全く見かけないということは、雄性先熟なのでしょうか?



シャガの花で食事するコアオハナムグリ赤銅型



2014年6月上旬

神社の境内に咲いたシャガの花にコアオハナムグリGametis jucunda)が潜り込んでいました。
よく見る緑色型ではなく、赤銅型の個体です。
蜜や花粉を食べるはずですが、映像では歩き回りながら花弁を舐めているようです。
体は白い花粉で汚れています。



2014/07/04

ヒメギス♀幼虫の脱皮【10倍速映像】



2014年6月上旬

低山の草むらでススキの葉裏に止まり脱皮中のヒメギスEobiana engelhardti subtropica幼虫を発見。
刺激しないよう少し離れた位置に三脚を慌てて立て、ジオラマモードで10倍速の微速度撮影を行いました。
撮影アングルの調節などでタイムロス。
褐色の幼虫が抜け殻から長い触角を抜こうとしています。
前胸後端部にある白線と抜け殻が黒いことからヒメギスだろうと予想しました。
未だ翅が無いので、成虫ではありません。
齢数は不明ですが、腹端に産卵管があるので幼虫後期の♀でした。

ようやく抜け殻から長い触角が抜けました。
しばらく抜け殻からぶら下がって休んでいます。
やがて腹筋で起き上がり、次は抜け殻から腹端を抜き始めます。
腹端が抜けるとススキの葉裏にしがみつき抜け殻の横で休息。
体が固まり葉表に移動したところで撮影終了。
次に機会があれば、脱皮の初めから観察してみたいものです。

ところで撮影中に辺りを探索すると、すぐ近くのススキの葉でも別個体のヒメギスが脱皮していました(映像なし)。
たまたま脱皮に適した時間帯だったのか、脱皮の同調を興味深く思いました。



脱皮殻と一緒に幼虫を捕獲して持ち帰りました。
翌日まで放っておいたら、容器内で抜け殻を完食していました。
虫の抜け殻をコレクションしているのですけど、これは痛恨のミス…。
幼虫の体が黒くなり、確かにヒメギスの幼虫だと確認できました。



初期巣に離着陸するフタモンアシナガバチ創設女王【ハイスピード動画】



2014年5月下旬
▼前回の記事
階段下で初期巣を増築するフタモンアシナガバチ創設女王

巣作りが一段落したフタモンアシナガバチPolistes chinensis antennalis)創設女王が巣を離着陸する様子を240-fpsのハイスピード動画で撮影してみました。
飛んで出巣するまでかなり粘って長撮りを繰り返しました。
巣にアリ避け物質を塗布するのが外出の前兆だと思っていたのですけど、今回はなぜか見られませんでした。
出かけた女王蜂はすぐに戻って来ました。
空荷で帰巣した蜂は身繕い(化粧)してから育房の点検を始めました。

階段という無機質で人工的な繰り返し構造の環境で、蜂が自分の巣の位置をどのように記憶するのか興味があります。
いかにも迷子になって二巣並行営巣を始めそうな環境です。

▼関連記事
二巣並行営巣を始めたキアシナガバチ創設女王
キアシナガバチ創設女王による二巣並行営巣の謎
たとえばコンクリート階段にところどころ生えたツルマンネングサの黄色い群落を目印としているかもしれません。
このツルマンネングサを除去したり移植したりすればアシナガバチの帰巣能力に影響するでしょうか?



2014/07/03

キアシナガバチ創設女王の巣材集め



2014年6月上旬

農道と原っぱの境界を示す木の杭でアシナガバチが巣材を集めに来ていました。
大顎で少しずつ削り取った木の繊維を丸め、大顎の下にパルプの玉をはさんで巣へ持ち帰りました。

巣材集めの行動を側面からばっちり撮れたのは良かったのですけど、同定に必要な背面が最後まで撮れずもどかしいところです。
前伸腹節に縦の黄紋があればキアシナガバチ、無ければセグロアシナガバチとなります。
おそらくキアシナガバチPolistes rothneyi)の創設女王だと思うのですがどうでしょう?

蜂が飛び去った後にようやく回り込んで杭の状態を調べると、角材表面の繊維が毛羽立った状態でした。


心眼では前伸腹節に縦の黄紋があるように見える

アトギンボシハマキモドキ?(蛾)の飛び立ち



2014年6月上旬

低山の草ぼうぼうの山腹で、とても綺麗な小蛾がヨモギの葉に乗って歩いていました。
腹端に毛束(ヘアペンシル?)が見えます。
最後は飛び立ち、草むらで見失ってしまいました。
未採集、未採寸。


「新・蛾像掲示板」に投稿したところ、ハマキモドキガ科のアトギンボシハマキモドキProchoreutis delicata)またはその近縁種だろうとご教示頂きました。
Prochoreutis sp.としておいた方が無難かもしれません。


2014/07/02

オドリコソウの花蜜を吸うトラマルハナバチ♀



2014年6月上旬

雑草の生い茂った里山の山腹でトラマルハナバチ♀(Bombus diversus diversus)と思われる蜂※が忙しなく飛び回り、オドリコソウの白い花で採餌していました。
後脚の花粉籠は空荷ですが、頭を花の奥に突っ込んで(正当訪花)花蜜を吸っています。
同一個体を追いかけて撮影。

※ トラマルハナバチにしては毛の褐色が薄い気がしますけど、違う種類ですかね?

『昆虫の集まる花ハンドブック』p11によると、オドリコソウは

花の底に蜜があり、笠の下には雄しべ雌しべがある。花の形にピタリと合うのはマルハナバチ類で、蜜を吸うために入り込むと背が雄しべ雌しべに触れ、花粉に白く染まった状態で出てくる。




【個人的な覚書】
Newton special issue『植物の世界 第2号:ナチュラルヒストリーへの招待』p118-120より引用
オオマルハナバチはこの花(=オドリコソウ:しぐま註)を盗蜜者として訪れ、花冠筒部の前部に穴をあける。その際、腹部や背部が花冠の上唇の中に入り雌しべと雄しべの先にふれるのである。その行動は盗蜜に似ているが、実際にはオオマルハナバチはポリネーターの役割を果たすことになる。 オドリコソウの花は、盗蜜者をポリネーターとして利用できるような形態をもつにいたったのであるとも解釈できよう。



▼関連記事(6年後に撮影)
オドリコソウの花で盗蜜するクロマルハナバチ創設女王【HD動画&ハイスピード動画】




汗を舐めるヒメジャノメ♂



2014年6月上旬

里山で別の虫を撮影するためザックを地面に下ろすと、ジャノメチョウの仲間が飛んで来て止まりました。
ヒメジャノメ♂(Mycalesis gotama fulginia)が口吻を伸ばして汗の染み込んだベルトを吸い始めました。
後翅裏面の第3室の眼状紋がそのすぐ前の第4室の紋より小さいのでコジャノメではなくヒメジャノメと判明。
(参考:図鑑『里の蝶 基本50』p70)

翅を閉じて(立てて)止まりますが、ときどき全開にします。
このとき腹端をやや上げるときがあります。
後翅表の前縁に白っぽい毛束(♂の性標)が見えます。
後半はザックベルトの裏面に回り込み、隠れながら吸汁を続けます。
本種は樹液や腐った果実を好むらしいので、しぐま汁に来るのも納得です。



2014/07/01

階段下で初期巣を増築するフタモンアシナガバチ創設女王



2014年5月下旬

堤防のコンクリート階段でフタモンアシナガバチPolistes chinensis antennalis)の初期巣を見つけました。
雨が当たらないようオーバーハングの下面に営巣しています。
ちょうど創設女王が巣盤外側の育房を増築しているところでした。
巣材のパルプ団子を使い切ると、身繕いしてから育房を点検して回ります。

ところで、階段一帯に多数徘徊している微小の赤いダニが気になりました。
女王蜂もこのアカダニに気づいているようですが、特に攻撃したり追い払ったりする行動は示しませんでした。
敵視する相手としては小さ過ぎるのかもしれません。
アシナガバチの巣柄には天敵のアリが忌避する黒いタール状の物質が塗布されていますが、黒光りするアリ避け物質はアカダニに対しても有効なのかな?

手鏡を使わないと、初期巣の育房数や卵の状態を確認できません。
今回は急いでいたこともあり、横着して調べていません。



▼つづく
初期巣に離着陸するフタモンアシナガバチ創設女王【ハイスピード動画】

タニウツギの花蜜を吸うセダカコガシラアブ♂【HD動画&ハイスピード動画】



2014年5月下旬

山道に咲いたタニウツギの花に小さな虻が潜り込んで吸蜜していました。
セダカコガシラアブ♂(Oligoneura nigroaenea)だと思います。
花から出てくる一瞬を捉えるために、240-fpsのハイスピード動画で撮影してみました。

後ろ向きに花から出てくる際に、長い口吻が一瞬だけ見えました。
花筒の長いタニウツギでも口吻を伸ばして正当訪花で吸蜜できるようです。
花筒の入り口よりもタニウツギの雄しべ、雌しべは長く突き出しています。
したがって、受粉を助けるにはこのアブは小さ過ぎる気がします。

映像後半は更に1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
それでも飛び立つ際の羽ばたきは速過ぎてよく見えません。
特徴的な盛り上がった胸部の中には飛翔筋が顕著に発達しているのかな?

満腹した虻は葉に止まって身繕いを始めました。
▼つづく

セダカコガシラアブ♂の身繕いおよび飛び立ち【ハイスピード動画】

図鑑『札幌の昆虫』p187でコガシラアブ科の興味深い生活史を初めて知りました。

孵化した幼虫は若いクモを探し、寄生する。クモの体内に入るとクモが最後の脱皮をするまで成長しない。

『クモの科学最前線』p77によると、
コガシラアブ科のすべての種がクモの内部寄生者であると考えられている。ただし、この科は捕食寄生性ではなく寄主クモを殺さない真の寄生者である。(生活史や寄生戦略の更に詳しい解説あり)



2014/06/30

餌場で小競り合いするヤマトゴキブリ♂♀



2014年5月下旬

餌の争奪戦というほど激しくはありませんが、ちょっとした小競り合いがありました。
古くなった(干からびた)マッシュポテトをヤマトゴキブリ♂(Periplaneta japonica)が食べていると、短翅の♀が近づいてきました。
枯れ葉を踏んだ♀の足音に驚いて♂が少し逃げました。
その隙に♀が割り込んで食事を開始。

♀が餌場から♂を追い払おうとするも、♂はうまく回り込んでようやく餌にありつくことができました。
その間、脚で蹴る軽い闘争行動(牽制)が見られました。
♀は餌場にさほど執着せず、あっさりと立ち去りました。

体長にはあまり性差がない(むしろ長翅の♂が大きく見える)のに、どうも♂は♀に遠慮しているようです。
カカア天下。



タニウツギの花蜜を吸うミヤマカラスアゲハ♂



2014年5月下旬

山道の脇に咲いたタニウツギの花でミヤマカラスアゲハ♂(Papilio maackii)が羽ばたきながら吸蜜していました。
残念ながらすぐに飛び去ってしまいました。
あまりにも一瞬の遭遇だったので、1/4倍速のスローモーションでリプレイ。


2014/06/29

イタヤハマキチョッキリ♀の揺籃作り:仕上げ【10倍速映像】



2014年5月下旬
▼前回の記事
交尾しながら揺籃を作るイタヤハマキチョッキリ

イタヤハマキチョッキリ♀(Byctiscus (Byctiscus) venustus)がカエデ(イロハモミジ?)の葉を巻いて揺籃を作る様子を微速度撮影(10倍速ジオラマモード)で記録してみました。
この日は風が弱くて助かりました。(撮影日和♪)

実はもうほとんど完成間近で、♀は最後の仕上げをしています。
葉柄に居た♂が揺籃に下りてきて♀と再び交尾を始めるも、すぐに別れました。
♀♂ペア2匹が枝をウロウロと登り下りしています。
やがて♂が葉柄のてっぺんから飛び去りました。
残った♀が揺籃の隣の葉に移り、予め折り曲げた葉柄を更に噛んで傷つけています。
ところが何故かこの葉での作業を中断し、揺籃に戻りました。
この葉は揺籃に届かないと悟り、巣材として使えないと諦めたのかもしれません。



♀は葉巻作業の仕上げを続けます。
ときどきクロアリが揺籃を徘徊しています。
揺籃が完成した後も、♀は枝をあちこち徘徊しています。
いつの間にか二匹目(♂?)が飛来し、揺籃に着陸しました。
しばらく徘徊するも飛び去りました。
残った♀は画面右端の枝で葉柄を噛んでいます(食事中?)。

揺籃完成後

揺籃の周囲にモミジの青葉が残っていないので、これ以上大きく包むことができません。
揺籃が完成したと判断し、撮影を終了しました。

次に機会があれば、揺籃作りを初めから微速度撮影してみたいものです。
右の枝に残っていた♀を揺籃ごと採集しました。
♂も左の枝に居た個体を採集しました。

採集した揺籃はすぐに干からびてしまい、残念ながら飼育に失敗しました…。
加湿するとすぐにカビが生えてしまいそうで、悩ましいところです。


揺籃@方眼紙
揺籃@方眼紙
♂標本:側面
♂標本:背面
♂標本:背面
♂標本:顔
♀標本:側面
♀標本:背面
♀標本:背面
♀標本:顔

ケナシヤブデマリの花蜜を吸うマドガ(蛾)



2014年5月下旬

里山に咲いたケナシヤブデマリの花でマドガThyris usitata)が吸蜜していました。
すると突然、獲物を狩りに来たキイロスズメバチ♀(Vespa simillima xanthoptera)が襲いかかりました。
マドガは素早く花の裏に隠れて難を逃れました。



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