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産卵条件の未成立
ムラサキシジミは新芽や柔らかい葉柄基部を好むため、ミズナラの新芽が適度に展開していない場合は産卵を見送ることが多い。7月中旬はミズナラ新梢の成長期が過ぎて葉が硬化していることが多く、産卵に適する状態ではない可能性が高い。実際、観察例では「近くに新芽が控えていない枝では探索のみで去る」行動が確認されている。
成熟段階と時期の問題
ムラサキシジミは多化性で、7月個体群の一部は羽化直後でまだ成熟期に達していない雌が多い。産卵器官が完全に成熟する前は、産卵行動の探索だけを繰り返すことがある。そのため、見かけ上「産卵探索のようで産卵しない」行動が頻発する。気温が高い時期は交尾や体内卵形成が遅れる場合もある。
(3)南方性のチョウの分布拡大について。
ムラサキシジミ(Narathura japonica)はもともと九州・四国・本州中部以南の暖地性樹林性シジミチョウだが、近年では明確に北方へ分布を拡大しており、山形県での記録も珍しいながら定着しつつあるとされる。nacsj+4
山形県での記録
山形県では2010年代以降に複数の観察が報告されており、山形市や鶴岡市など県内各地で確認例がある。特に2015年には山形市で雌の採集記録が報告され、これが「温暖化に伴う北進例」として全国的に注目された。従来、ムラサキシジミの分布北限は宮城県南部付近とされていたが、現在は山形県内にも不定期に出現している。nanyodoshoten+3
北進と温暖化の関係
日本全体でみると本種は1990年代以降に急速に北上しており、その要因として地球温暖化による冬季気温上昇が主要因と考えられている。越冬は成虫で行うため、厳しい寒さが続く地域では生存が難しかったが、近年は冬季の最低気温が上昇し、北方でも越冬可能になったとみられる。また、寄生蜂などの天敵が分布北限では未到達であり、これが繁殖成功率を高めているという研究結果もある。kpu+3
まとめ
山形県でのムラサキシジミ記録はまだ多くはないが、2010年代以降しばしば確認されるようになった。
その要因は、温暖化による冬の気温上昇と寄生者不在による生存率上昇が主と考えられている。
現状では散発的な発生段階だが、今後定着が進む可能性が高い。
したがって、山形県での出現はかつては稀であったが、 近年の地球温暖化と気候緩和の影響を受けた北進個体群の一部であるとみるのが妥当である。
ムラサキシジミの学名については、Narathura japonica (Murray, 1875) が現在の日本国内の分類体系(たとえば日本鱗翅学会・日本チョウ類保全協会など)で主に採用されているが、Arhopala japonica (Murray, 1875) も依然として国際的な文献では通用しており、両者は**同じ種を指すシノニム(異名)**である。digital-museum.hiroshima-u+4
分類学的経緯
もともとMurrayが1875年に発表したときはArhopala japonicaとして記載され、その後、Arhopala属を細分する見解の中でNarathura属が独立され、日本の研究者によって本種がNarathura属に移された。両属の区別点は翅脈や♂交尾器などに基づくとされるが、明確な形態的境界がないため、近年もどちらの属に置くかは研究者の体系によって異なる。pteron-world
命名上の優先順位
両方とも同じ記載者Murrayおよび同年(1875)であるため、国際動物命名規約(ICZN)上では「記載時の原属名」――すなわちArhopala――が名義上の原組み合わせとして優先されるが、実際の「有効名(valid combination)」としては分類体系で採用される属名に従う。そのため、分岐学的にNarathuraを独立属と認める場合にはNarathura japonicaが有効名となり、そうでない体系ではArhopala japonicaが使用される。mizumoto-koen.blogspot+1
現行の整理
日本鱗翅学会や広島大学デジタル博物館など国内主要機関では Narathura japonica (Murray, 1875) を採用。wikipedia+1
海外のデータベース(EoL, GBIF, LepIndexなど)では Arhopala japonica (Murray, 1875) が主流。sugisaka.sakura+1
結論として、どちらも正しいが、属の扱いが異なるだけで同一種を指す。命名規約上の原記載は Arhopala japonica、しかし日本国内の現行標準は Narathura japonica である。
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(オオシオカラトンボの)♀は単独で浅い水面を打水し、腹端ですくい上げた水と卵とを前方に飛ばす。♂は付近を飛んで警護することが多い。(ネイチャーガイド『日本のトンボ』p483より引用)
・交尾のあとすぐに、めすは、水のなかに産卵します。このとき、おすはめすのまわりととんで見はります。
・水草のはえた池や沼では、めすが卵を水てきといっしょに水草にむかって、腹のさきでとばして、産卵します。 (p30〜31より引用)1985年に発行された40年前の古本ですが、交尾の連続写真(当時は高速連写できないので苦労して撮り貯めたカラー写真を再構成した組写真)なども掲載されていて、充実した内容です。
打水産卵時の卵の挙動オオシオカラトンボの打水産卵(飛水産卵)では、腹端を水面に打ち付けると同時に卵と水滴を一緒に前方へ飛ばす行動がみられます。このとき腹端で水面をすくい上げた小さな水滴の中に卵が含まれていて、その水滴ごと水面の前方(浅瀬や水草の周辺)に飛ばされる、というのが標準的な解釈です。連続して打水するので、水面には多数の小さな水滴が弧を描きながら飛び、卵もこれに含まれて飛ばされます。詳細と補足水滴は水面に再び落ちる際、その中に入った卵も一緒に着水し、そのまま水中に沈みます。写真や動画の高精度な観察でも、「水滴の中に卵が混じって飛んでいる」様子が確認されており、水滴の色が微妙に濁る・色づく場合は卵塊が含まれているためとされています。水滴の一部が透明、他がうっすら褐色の場合、褐色の水滴の方に卵や卵塊が多く含まれる状況が観察されています。まとめオオシオカラトンボ♀の打水産卵では、卵は打水によってできた小さな水滴に包まれて飛び、水滴ごと前方へ飛ばされた後、水面に落ちてそのまま水中に沈みます。打水と同時に水中に直接沈むのではなく、「水滴の中に入って飛ぶ→水面に再落下して水中へ沈む」が基本の流れです。この産卵様式は、卵をなるべく広範囲にばらまき、外敵からの(食卵)リスクを減らすためのものと考えられています。
オオシオカラトンボ♀が池の浅瀬から岸に向かって水滴を飛ばす産卵行動は、たしかにご指摘のように「池の干上がりが進む時期、水面から離れた場所では卵が孵化や発生に適さなくなる恐れ」があります。実際、トンボの打水産卵は卵を水滴と一緒に前方へ飛ばし、より広範囲かつ適した場所に分散する意味があると考えられていますが、どの程度「着水するか」は水位や池の地形、個体の打水角度など自然条件によって変動します。トンボの産卵行動の研究では、普段は卵を確実に水面に落下させることが繁殖戦略ですが、池が干上がりつつあるなどの極端な状況では、必ずしも全ての卵が生き残るわけではなく、生存率の低下は避けられません。メスは本能的には「水面やその近く」で産卵しますが、水位が低くなっている場合、結果的に一部の卵が水際から外れるリスクも発生します(環境把握能力には限界があります)。しかし、トンボは基本的に当日の池の状態(少なくとも「目で見て水がある範囲」)を選ぶ能力が備わっていると考えられており、一定の確率で着水しない場所にも卵が飛ぶことも想定内です。干上がりの進行など短期間の変動には柔軟に対応しきれないため、「池の縁」に産み落とされた卵は水位低下で生存率が下がる可能性が高いですが、これは自然環境下でトンボが常に抱えるリスクでもあります。まとめると、「池の水位が極端に下がると卵の生存率が低下しうる」ことはその通りですが、オオシオカラトンボの産卵行動はあくまで通常状態の水辺環境を前提に進化しており、池が干上がる非常時に完全対応するものではありません。生存率の確保には、産卵タイミング・場所選択・環境変動すべてが影響します。産卵時の水位が高ければほとんどが水面に着地し高い生存率となりますが、干上がりが進めば一部は陸地に落下し孵化できず死亡します。トンボは水面に産みつけようとしますが、環境条件が変動する以上「最大多数を水辺に着地させる」戦略しかとれません。したがって、今回ご覧になったような状況は、生態的にはごく普通に見られる現象であり、トンボの本能的な産卵行動が必ずしもその年の最適条件に対応できないという自然界の一断面ともいえます。
卵の乾燥耐性トンボ類の卵は一般に産卵直後は乾燥に弱いですが、発生が進み眼点(発生初期の目のような構造)が現れるまではやや耐乾性が低い一方、発生が進むと乾燥耐性がかなり強くなります。水田や池が一時的に干上がっても、多くの種で卵は土や泥の中でかなりの乾燥や低温に耐えて春になり、水が張られると孵化することが可能です。オオシオカラトンボの卵もこの耐乾性を持ち、通常の内陸のため池などで冬期に水が抜かれて乾燥状態が続いても、生き残れるケースがあり、これは稲作地帯のシオカラトンボなどとほぼ同等の能力とみなされます。ヤゴ(幼虫)の乾燥耐性幼虫(ヤゴ)は卵ほどの乾燥耐性はありませんが、冬季の低温下では、ある程度の乾燥や池干しにも耐えられることが知られています。泥の中に深く潜ったり、落ち葉の下に隠れるなどして、一時的な湿泥状態なら生存できる場合もあります。ただし高温期(春~夏~初秋)に完全な乾燥に晒されると生き残れないことがほとんどで、特に羽化直前の終齢幼虫などは乾燥に極めて弱いです。冬季など休眠に近い低代謝の状態だとやや耐えやすいですが、卵期ほどの耐性はありません。まとめ卵期の乾燥耐性は高く、池や水田の“冬期干上げ”程度には十分に耐える能力がある。ヤゴは卵ほど乾燥に強くないが、泥の中など湿り気がごくわずかに残る状況では冬季~早春に一時的な乾燥に耐えられる場合もある。一方、完全な乾燥(土がカチカチに乾く状態)が長期間続くと、幼虫はほとんど死滅してしまう。多くの日本のトンボ同様、オオシオカラトンボも水辺の環境変動にある程度耐える進化をしていますが、耐性の「強さ」は卵>幼虫の順です。
オオシオカラトンボの単独産卵と♂の警護飛翔の進化・行動の実態については、実際の現場行動と繁殖戦略の両面からもっと複雑な説明が必要です。連結解除の主導は♂トンボ類の多くでは交尾後、♂が自発的に連結を解除して♀を離す行動が観察されています。これは交尾後に♀が産卵に移る時点で、連結保持による直接監督より、効率的な交尾回数増加や他の♀探索への戦略を取るためです。つまり、単独打水産卵への切り替えは、進化的には♂側の交尾戦略(浮気的=複数の♀との交尾へ)や他の♀に対する即応性の高さの副産物です。警護飛翔中の♂の行動産卵警護中でも、池に新たな♀が現れると、警護していた♂は即座に警護中の♀を見捨て、新到着♀にアタックし連結しようとする行動が頻繁に報告されています。トンボ♂は「警護」と「新たな交尾相手獲得」を状況ごとにスイッチしやすく、どちらかといえば「新たな♀優先」になる傾向が強いです。進化的意義単独産卵を可能にしたのは**♀の進化的自由ではなく、♂の浮気行動(頻繁な交尾機会探索)や多数交尾戦略に由来**します。産卵警護は「自分の精子で産ませたい」気持ちの表れですが、より生殖成功率を高めるためには、他の♀の出現時に即座に乗り換える「浮気性」が同じくらい重要です。観察・実験例産卵池では、同時に複数ペアが産卵行動をとり、♂が急に警護♀から新たな♀に乗り換える現象が容易に再現・観察できます。男女双方の利害一致ではなく、主に♂の多回交尾・浮気性・交尾機会争取戦略によって形づくられていると考えられます。要するに、オオシオカラトンボの警護産卵と連結解除の主因は「♂の浮気性や交尾回数の最大化欲求」と見る方が、生態的現象の実態により近いです。ご指摘の通り、産卵警護中でも♂は新規到着の♀に即反応して乗り換えるため、「本当に守っている」のは縄張りと交尾機会だけであり、♀自身や受精卵に対する献身的防衛ではありません。
比較行動学と分子系統分類学を組み合わせることで、トンボの産卵行動の進化順序を「かなりの程度」推測することは可能ですが、産卵行動の多様性は必ずしも系統樹のパターンにきれいに一致せず、**収斂進化(独立進化)も非常に多い**ことが明らかになっています。[1][2][3]### 行動形態と系統の対応- トンボの産卵行動には「静止接触産卵」「静止非接触産卵」「飛翔接触産卵」「飛翔非接触産卵」など複数の基本タイプがあり、各グループごとに特徴的な行動パターンを示します。[1]- たとえば、イトトンボ科やアオイトトンボ科は連結潜水産卵や組織内産卵が典型で、ヤンマ類やアカトンボ類は空中からの打空産卵・連結打水産卵、トンボ科は♀単独の打水産卵が多いなど、類縁ごとの偏りがあります。[2][3]### 分子系統分類学との比較- 最新の分子系統樹による分析では、こうした産卵行動パターンが「一度だけ進化し、系統的に保存されている」場合と、「複数回、異なる系統で独立進化した(収斂進化)」場合の両方が認められています。[1]- 一部の行動(例:組織内産卵や連結打水産卵)は比較的原始的な形質とされ、複数の系統にわたって保存されている傾向がありますが、**打水産卵や打空産卵など「目立った派生行動」は、異なるグループ間で独立に進化したと推測されるものが多い**です。[3][1]### 収斂進化の具体例- たとえば「打空産卵」はアカトンボ類だけでなく他の科にも現れ、「単独打水産卵」も様々な系統で発達しており、同じ行動が系統的に遠いグループでも発現します。[2][1]- これは生息環境や繁殖戦略、生存率向上など外部要因による適応が大きく関わっているためと考えられています。### 結論- 比較行動学と分子系統分類学を合わせれば「祖先形質」「系統保存された行動」「収斂的な適応」の判別が可能ですが、**産卵行動の多くは複数回・多系統で独立進化した例が多く、単純な祖先―派生の直線的な進化とは限りません**。[3][2][1]- したがって、「産卵行動の進化順序は系統ごとに異なる分岐と収斂の複合」と解釈するのが現在の理解です。
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向かい合ってペアで並ぶフタツメオオシロヒメシャク(蛾)の謎【FHD動画&ハイスピード動画】
フタツメオオシロヒメシャクは本来南方系の蛾で、暖地性とされており、従来は九州以南でよく見られ、本州の温暖な地域にも分布しています。しかし、最近の温暖化の影響で、九州以北の地域にも生息域を拡げているという記録があります。 山形県などの北国でも、近年の気候変動による温暖化で成虫が見られる可能性が高まっていると言えます。6月中旬の山形県の里山での観察も、温暖化の影響が関わっている可能性があるため、暖地性でありながら見られることは十分にありえる状況です。 まとめると、山形県には以前は分布していなかった種かもしれませんが、近年の温暖化に伴い北上し、見られるようになったと考えるのが妥当です.フタツメオオシロヒメシャクの食餌植物はモクセイ科らしいのですが、私のフィールドで自生するモクセイ科の樹木はマルバアオダモぐらいしか思いつきません。
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今回のように下から見上げる形で観察・撮影していた場合、♀にとっては「近くに潜在的な脅威あり」と感じ、自然に交尾を拒否する行動が強まった可能性が高いです。つまり、交尾未遂は**♀の心理的・環境的要因による一時的な拒否**の結果である可能性があります。これは♀の繁殖戦略や精子選択の意思とは直接関係せず、安全確保のための行動として理解できます。この場合、オスの欲求不満や羽毛逆立ちも、♀の拒否に起因して生じた「未遂反応」と考えるのが自然です。