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2026/01/16

キツリフネの花で採餌するトラマルハナバチ♀の羽ばたき【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年10月上旬・午後13:15頃・くもり 

山麓の道端に咲いたキツリフネの大群落でトラマルハナバチBombus diversus diversus)のワーカー♀が花から花へと忙しなく飛び回っていました。 
正当訪花を繰り返し、長い舌(口吻)をきょの奥まで伸ばして吸蜜しています。 
キツリフネの花筒は、トラマルハナバチが潜り込むには丁度よい太さになっています。 
吸蜜後に花筒の外に出てきた蜂が身繕いしています。 
中脚で胸背の毛を拭って、付着した花粉を集めます。 
ちなみに、この個体は胸背の毛が円形脱毛症のように剥げていました。 
おそらく巣穴や花筒に繰り返し潜り込む際に擦れて毛が抜け落ちてしまったのでしょう。 
頭部は前脚で拭いました。 
身繕いの途中で花から飛び立ちました。 
まとめた花粉を後脚の花粉籠に移す作業は、次の花へ向かうホバリング中に行うようです。 
すでに薄いオレンジ色(黄色)の花粉団子を後脚の花粉籠に付けて運んでいます。 

キツリフネに訪花するトラマルハナバチ♀の採餌行動を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:27〜) 
キツリフネの群落で次に訪れる花を予想して待ち構えていたら、飛来した蜂が花に着陸するシーンも撮れました。 
やがて狭い花筒から外に出てきたトラマルハナバチ♀が、花弁にしがみつきながら身繕いして、体毛に付着した花粉を後脚の花粉籠にまとめています。 
やがて羽ばたき始めると、次の花へと飛び去りました。
口吻をだらんと伸ばしたまま次の花へ飛び去ります。 

キツリフネの花筒に潜り込んだトラマルハナバチ♀の後ろ姿を撮ったスーパースローを注意深く見ると、細長く湾曲したきょの中で伸縮する黒い口吻の動きがたまたま写っていました(@1:37〜) 
この花はきょの途中がなぜか小さく破れていて、その窓から中が見えるようになっていたのです。 
その穴はおそらく盗蜜者が開けた盗蜜痕と思われます。 
キツリフネの花で穿孔盗蜜する昆虫を私はまだ実際に見たことがありません。 
ツリフネソウと同じだとすれば、クマバチなどが怪しい容疑者となります。

欲を言うと、トラマルハナバチ♀の訪花行動を真横から撮った際に、距に差し込む口吻が薄い花弁を透かして見えれば最高でした。 


関連記事(11年前の撮影)▶ キツリフネを訪花するトラマルハナバチ♀ 


【考察】 
加藤真『夜の送粉共生系』を読むと、非常に興味深い記述がありました。
スマトラはツリフネソウ属Impatiensがいちじるしい適応放散をとげている場所である。そこでは黄色の花をつけるツリフネソウ類はおもに長舌のハナバチによって昼間に送粉され、赤紫色のツリフネソウは薄暮活動性のスズメガによって送粉されていた。 (『花の自然史:美しさの進化学』p84より引用)
日本でも同じ傾向があるでしょうか? 
キツリフネとツリフネソウの送粉者を少しずつ動画で撮り溜めていきます。
実はここのキツリフネ群落では、長舌のトラマルハナバチだけでなくスズメガの仲間も同じ日に訪花していました。(映像公開予定)

2026/01/15

ツリフネソウ種子の爆発的自動散布【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年9月下旬・午後15:00頃・くもり 

河畔林にツリフネソウの群落が点在していました。 
赤紫色の花がまだ咲いていて、実が熟しつつあるようです。 

前からやってみたかった、種子散布の実演をしてみました。 
右手で蒴果を摘んだらパチンと弾け、黒くて丸い種子が勢い良く飛散しました。 
裂けた果皮がクルクルと丸まります。 
このような種子散布の方法を自動散布と呼びます。
ヒトが刺激することで飛散するのだから動物散布ではないか!と突っ込まれそうですが、ツリフネソウの蒴果が充分に熟して乾燥すると、触れなくても自然に破裂するのだそうです。
実演を何度か繰り返すと、今にも弾けそうな熟果をほぼ見分けられるようになりました。 

ツリフネソウの種子が高速で弾け飛ぶ様子を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:45〜) 
なぜか弾けなかった蒴果を強引に裂いて、中から黒い(焦げ茶色)種子を取り出して見せました。 
中の種子が少し未熟で黄緑色のこともあります。 

後半はNG集です。(@3:41〜) 
ツリフネソウの蒴果が未熟だと、指で強く押し潰しても破裂しません。 


※ ツリフネソウの種子が弾け飛ぶ音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


この日はピンセットを持参してなかったので、指で直接挟みました。
「ピンセットよりも指の方が蒴果に広い面で圧力をかけやすい」という利点もありますが、肝心の蒴果が指で隠れてしまい、実演動画を撮影する上では問題になります。 


スーパースローの動画を撮れたことに満足してしまい、せっかく得られたツリフネソウの種子を採集するのを忘れてしまいました。 


このときはピンセットを使ってスマートな実演動画になったのですが、正直に言うと指で押し潰す方が容易でした。


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2026/01/12

キツリフネの花粉を舐めるホソヒラタアブ♂のホバリング【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年10月上旬・午後13:05頃・くもり 

山麓の道端に咲いたキツリフネの大群落でホソヒラタアブ♂(Episyrphus balteatus)が訪花していました。 
左右の複眼が中央で接しているので、性別は♂のようです。 
前年と同じく、花の手前で長々とホバリング(停空飛翔)しています。 
ようやく花弁に着地すると、開口部の入口で雄しべの花粉を舐め始めました。 

ホソヒラタアブ♂のホバリング訪花を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:17〜) 
キツリフネの花の手前で長々と停飛しています。 

手前に大きく広がっている花弁に着地すると、羽ばたきを止めて開口部まで歩いて前進します。 
口吻を伸縮させて、雄しべの葯から花粉を舐め取ります。 
食餌を終えるとキツリフネの花から飛び立ち、ホバリングであちこち偵察してから、次の花へ飛び去りました。


【考察】
キツリフネの花の手前でホソヒラタアブが長々とホバリングするのはなぜでしょう?
カロリー消費の激しいホバリング(停空飛翔)を続けるからには、何か理由があるはずです。
キツリフネの黄色い花弁には赤い斑点が散りばめられていて、訪花昆虫に開口部を教えています。 
その蜜標をしっかり見定めてから着陸するのかな? 
クモなどの捕食者が花に潜んでいないか、安全を確認しているのかもしれません。

ツリフネソウの仲間は送粉者(スズメガ類や長舌種のマルハナバチ)だけに報酬の花蜜を提供できるように、蜜腺は螺旋状に湾曲したきょの先端に隠されています。 
ホソヒラタアブは体が小さいのでキツリフネの花筒の奥まで潜り込むことはできるはずですが、おそらく口吻が短すぎて蜜腺まで届かないのでしょう。 
つまり、ホソヒラタアブがキツリフネに訪花するのは花粉が目当てであり、花蜜は初めから諦めているようです。 

前年はホソヒラタアブがキツリフネの花で吸蜜するかどうか見届けられなかったので、1年越しの宿題が解決してスッキリしました。

関連記事(同地で1年前の撮影)▶ キツリフネの花の横でホバリングするホソヒラタアブ 



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2026/01/08

交尾したまま飛ぶツマグロヒョウモン♀♂【FHD動画&ハイスピード動画】連結飛翔

 

2024年10月上旬・午後12:10頃・くもり 

稲刈りが済んだ田んぼの農道で、ツマグロヒョウモン♀♂(Argyreus hyperbius)が交尾していました。 
腹端の交尾器を連結した状態で反対向きに交尾しています。 
その場で翅をゆっくり羽ばたいています。 
交尾中の♀♂ペアは初見です。 



飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画に切り替えました。(@0:55〜) 
チョウは一旦交尾を始めると、危険が迫っても連結したままで飛び去ります。 
本種は翅の斑紋に性的二型があり、翅表の翅頂付近に目立つ白帯があるのが♀です。
今回のツマグロヒョウモンのペアでは、♀Lが先に反応して飛び立ち、♂Rを引きずるように飛び去りました。 
このような連結飛翔を「←♀+♂」と表記します。 
♀に連行される♂は空気抵抗を少しでも小さくするために、翅を閉じています。 
もしも逆向きにつながった♀♂ペアが各自バラバラに羽ばたいたら、連結部が千切れてしまうはずです。

急いで高画質のFHD動画モードに切り替え、飛び去る♀♂ペアを撮影しました。 
少し飛んだだけで農道に着地したのですが、私が動画を撮りながら近づいたら、再び連結したまま飛び去りました。 
あまりにも手ぶれが酷い動画になってしまったので、この部分だけ1/2倍速のスローモーションにしました。(@1:07〜) 
2回目の飛び立ちも、♀が主導権を握る「←♀+♂」タイプでした。

ツマグロヒョウモン♀♂は横の刈田に着陸すると、ようやく落ち着いて交尾を続けています。(@1:40〜) 
♀♂共に、その場で翅を軽く開閉していて、その場で方向転換しました。 

♂の翅を注意深く観察すると、後翅に左右対称の損傷がありました。 
これは天敵の鳥に襲われかけたビークマークです。 
命拾いした後で♀と無事に交尾できたラッキーな♂個体であることが分かります。 
一方、♀の翅は無傷できれいな状態でした。 

交尾中も翅の開閉を続けているのは、何か危険が迫ったらいつでも飛んで逃げられるように、準備運動しているのかもしれません。 


【考察】 
チョウの連結飛翔は、個人的にしつこく追求しているテーマの一つです。
チョウの種類によって「←♀+♂」「←♂+♀」飛び方のタイプが違うという説があるので、ハイスピード動画でコツコツ撮り溜めています。

保育社『原色日本昆虫生態図鑑IIIチョウ編』(1972)という古い図鑑には次のような記述があります。
交尾しながら飛ぶときに♂が飛ぶか、♀が飛ぶかは種によって一定していて、属や科についても通則がある。(中略)Donzel (1837)は「交尾中の飛翔形式は一つの属のすべての種類について一定しており、従って属の限界を決定する重要な特徴となり得る」と強調しており、後世これはDonzel説と言われている。 (p88〜89より引用)
現代でもこのDonzel説は科学的に正しいと考えられているのでしょうか?
チョウに関する本で、最近このトピックを扱わなくなったということは、否定されたのかな?
ChatGPTに質問してみると、かなり否定的な見解でした。
こんなマニアックな話題にもしっかり回答してくれる最近のAIは恐るべしですね。

要点だけ先にまとめます。

  • **Donzel説(交尾中の飛翔様式が属や科で一定し、分類形質になり得る)**は、
    現代では基本的に支持されていません

  • 現在の鱗翅目分類・系統学では、分類形質として扱われていないのが実情です。

  • 最近の本でこの話題がほとんど出てこないのは、研究史的価値はあるが、実証的裏付けに乏しいと判断されているためです。

以下、理由を整理します。


1. Donzel説が生まれた背景(19世紀)

Donzel(1837)の主張は、

  • 当時は

    • 形態形質が限られていた

    • 行動も「種に固有で安定したもの」と考えられがちだった

  • 交尾中に

    • ♂が牽引する

    • ♀が主に飛翔する
      という違いが目立ちやすく、繰り返し観察されるため、

→「これは属レベルで固定した形質ではないか」と解釈された

という、自然史的帰納に基づく説でした。


2. 現代的な評価:なぜ支持されないか

(1) 行動形質は可塑性が高い

その後の観察・実験研究により、

  • 交尾飛翔の主導個体は

    • 個体サイズ

    • 性比

    • 攪乱(捕食者・人為的刺激)

    • 飛翔時点(交尾初期か後期か)
      によって変化し得る

ことが分かってきました。

👉 「常に一定」という前提が崩れた


(2) 系統と一致しない(ホモプラシー)

近代以降の系統研究(形態+分子)では、

  • 交尾中飛翔様式は

    • 近縁種間でも異なることがある

    • 離れた系統で似た様式が独立に現れる

収斂(ホモプラシー)が強い行動形質と理解されています。

これは分類形質としては致命的です。


(3) 分類学の主軸が変わった

20世紀後半以降:

  • Genitalia(交尾器)

  • 翅脈

  • 幼虫形態

  • 分子系統(DNA)

が分類の中核となり、

👉 一時的・状況依存的な行動形質は切り捨てられた

という流れがあります。


3. なぜ最近の本で扱われないのか

あなたの感じている通りで、

  • 現代のチョウの生態・行動学の本では

    • 交尾中飛翔は「逸話的事実」

    • または「逃避行動の一形態」
      として触れられる程度

  • 分類学的意義には触れられないか、完全に省略される

理由は単純で、

分類に使えないことが分かってしまったため

です。


4. 現在の位置づけ(総括)

Donzel説は現在では:

  • ❌ 分類学的通則 → 否定的

  • ⭕ 行動進化・性行動の歴史的仮説 → 研究史的価値あり

  • ⭕ 種ごとの傾向を記述する補助情報 → 限定的に有用

という位置づけです。


結論

Donzel説は
「当時としては鋭い観察に基づく仮説だったが、
現代の科学的基準では支持されていない」

と評価するのが最も妥当です。

古い図鑑がこの説を紹介しているのは、
1970年代当時でもすでにやや古典的だが完全には否定されていなかった名残と考えてよいでしょう。


私もこれまで連結飛翔の事例を撮り溜めながら考察を続け、最近ではDonzel説に対して懐疑的になっていました。
素人ながらあと一歩のところまで来ていたことになります。

前年の個人的考察を再掲します。
その定説はどうも眉唾のような気がしてきました。 
交尾中の♀♂ペアはとても無防備なので、互いに逆を向いて見張りを分担し、360°油断なく見張っているはずです。 
物を投げつけたり敵が襲ってきたりした場合、それを先に見つけた個体が性別に関係なく逃避行動を開始するのが自然ではないでしょうか? 
主導権を握って羽ばたく個体が離陸直後に切り替わる♀♂ペアを私は今まで一度も見たことがありません。 
つまり、試行回数(観察サンプル数)を充分に増やせば、連結飛翔のタイプはチョウの種類に関係なく半々の確率に落ち着くのではないかと私は予想しています。
スローモーションで動画が手軽に撮れる時代が来る前に、昔の先人たちが少ないサンプル数の直接観察から早まった結論に達したのではないか?と私は密かに疑っています。
物を投げつけて交尾ペアを飛び立たせた場合は、どちらの方向からどこを目がけて物を投げたのか(♀♂どちらが先に危険に気づくか)も、記録しておく必要がありそうです。 
交尾中の♀♂ペアが自発的に飛んだ場合でも、上空を別のお邪魔虫や鳥がどの方向から飛来したのか、などの条件によって連結飛翔の結果が影響されそうです。 

生物観察や撮影のアイディアを得られるので、古い本を読むのも私は好きです。
昔の時代の方が観察結果を丁寧に記述してあったりしますから、古い解釈を鵜呑みにさえしなければ、温故知新でそれなりに価値があると思います。

2026/01/02

カメバヒキオコシの花蜜を吸うクロホウジャク(蛾)のホバリング【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年10月上旬・午後13:50頃・くもり 

峠道の道端に咲いたカメバヒキオコシの群落でクロホウジャクMacroglossum saga)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 

停空飛翔(ホバリング)しながら薄紫の花から花へと忙しなく訪れて吸蜜しています。 
残像により翅の斑紋が見えるぐらい猛烈な勢いで羽ばたき続けていますが、羽音は聞き取れませんでした。 

クロホウジャクの吸蜜ホバリングを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:13〜) 
停飛しながら、長い口吻の先をカメバヒキオコシの小さな花筒に器用に差し込んでいます。 


関連記事(4、13年前の撮影)▶ 

2025/12/24

生ゴミに集まるコウカアブ♂の群飛【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年9月下旬・午前10:05頃・晴れ 

山麓の農村部で道端に開放型のコンポスト(堆肥)があり、そこにハエ類が群がっていました。 
民家の裏庭の片隅に枯れ草を積み上げ、その上に家庭の台所から出た生ゴミがまとめて捨てられていたのです。 
コンポスト容器を使わず、剥き出しのままです。 
隣にある家庭菜園は、野生動物が侵入しないように電気柵で囲われていました。(害獣対策) 

キンバエLucilia caesar)やニクバエの仲間が生ゴミに来て吸汁しているのは別に普通です。 
それよりも、低空でブンブン飛び回っている多数の黒い昆虫が気になりました。 
おそらくコウカアブ♂(Ptecticus tenebrifer)だと思います。 
他に候補となる種類もいるのですが、動画撮影を優先した私は、同定用の写真を撮るのを忘れてしまいました。 

コウカアブ?の群れは低空で激しく飛び回るものの、いつまで経っても生ゴミには決して着陸しませんでした。 
この行動はおそらく♂の群飛で、生ゴミに吸汁・産卵しに来る♀と交尾しようと待ち伏せしているのだろうと想像しました。 
だとしても、ユスリカの蚊柱とは違い、この状態を「レックを形成している」とは言えません。 
レックの定義をwikipediaで確認してみましょう。
資源とは特に関係の無い場所に集まった雄が、そこで小さな縄張りを作り、求愛のディスプレイを行う。このような行動をする雄たちをレック (lek) という。
生ゴミはコウカアブにとって食料および産卵場所として価値の高い資源だからです。 


関連記事(2ヶ月前、1、4年前の撮影@林内の堆肥)▶  


生ゴミの野菜屑をよく見ると、腐りかけのニンジン(人参)バナナの皮、萎びたナス(茄子)などが含まれていました。 
黄色くて表面がブツブツしている謎の野菜が気になりました。 
トウモロコシにしては変だな?と首をひねりながら撮ったのですが、熟して開裂したゴーヤ(別名ツルレイシ)の果実だと後になって知りました。 
ゴーヤと言えば、果皮が緑色の状態しか当時は知りませんでした。 
生ゴミ(野菜くず)の中でゴーヤの熟果だけがハエ類に人気がなく、滅多に留まらなかったのが不思議です。
しかし黄色くなって捨てられたゴーヤを裏返せば、熟した果肉の内側にウジ虫が湧いているのかもしれません。 


コウカアブ♂?の高速群飛を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:44〜) 
秋晴れで陽射しが強いので、絶好のハイスピード動画撮影日和です。 
コウカアブ♂?は低空で素早く飛び回るだけでなく、空中でホバリング(停飛、停空飛翔)しながら方向転換したり、小回りがききます。 
高速で飛びながらときどき空中で互いに衝突していました。 
おそらく♂が交尾相手の♀を待ち伏せしている探雌飛翔なのでしょう。 
生ゴミの上空に縄張りを張ってライバル♂を追い払っているのかもしれませんが(縄張り占有飛翔)、ライバルの数が多過ぎます。 
キンバエやニクバエなど他種のハエを生ゴミから追い払うことは滅多にありませんでした。(@4:34〜4:40) 
※ コウカアブ♂が積極的に追い払ったのではなく、ハエが近寄ってきたコウカアブ♂を警戒して逃げただけのように見えます。
高速で飛び回っているので、対向する相手を避けきれずに正面衝突してしまうだけかもしれません。 

後半は、やや引きの絵(広角)でハイスピード動画を撮りました。(@4:51〜)

ときどき赤トンボ(種名不詳)が飛来したものの、生ゴミ付近には着陸しないで飛び去りました。(@6:30〜6:50) 
トンボが空中でハエやコウカアブを狩って捕食するかと期待したのですが、ハエ類の方が飛翔能力が高く、逃げられてしまうのでしょう。 


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2025/12/18

ヒャクニチソウ(オレンジ)の花蜜を吸い飛び回るツマグロヒョウモン♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年9月下旬・午後15:15頃・くもり 

住宅地の道端の花壇に咲いたヒャクニチソウ(百日草)の小群落にツマグロヒョウモン♂(Argyreus hyperbius)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
園芸植物にはとんと疎いのですが、花弁がオレンジ色をしたヒャクニチソウの品種の中でも、 ‘Profusion Orange’のようです。 
Z. elegansZ. angustifolia の種間交配に由来する園芸品種らしい。)

ツマグロヒョウモン♂は開いた翅を軽く開閉しながら口吻を伸ばして吸蜜しています。 
この個体は、左後翅の前縁角から前縁にかけて破損していました。 
左右非対称の破損なので、鳥に襲われた典型的なビークマークではありません。 
おそらく茂みに翅を引っ掛けて破れてしまったのでしょう。 

実はこの花壇には様々な花色のヒャクニチソウの品種がパッチ状に並んで咲いていました。 
しかしツマグロヒョウモン♂には好みの花色があるようで、花弁がオレンジ色の品種 ‘Profusion Orange’ を好んで訪花していました。 
両隣に咲いた、薄い桃色や黄色(八重咲き)の品種には見向きもしませんでした。 

花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:55〜) 
正面を向いて吸蜜していたツマグロヒョウモン♂が慌てて飛び去りました。 
自発的に飛んだのではなく、私が物を投げつけて強引に飛びたたせたように見えますが、もはや覚えていません。 (野帳に記録しておくべきでした。)

その後で2頭のツマグロヒョウモンがニアミスして空中戦(求愛飛翔?)になったのですが、しかも2回あったのに2回とも撮り損ねてしまいました。 
最後は蜜源植物のヒャクニチソウ花壇から少し離れ、道端のコンクリート土留めに並んで留まりました。

記事を書く際の細々とした疑問を調べるために、ChatGPTのお世話になりました。

2025/12/17

池を泳いで渡るシマヘビは舌をチロチロと出し入れしながら水面を舐めている【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年9月中旬・午後12:40頃・くもり・気温27℃ 

里山で急坂コースの山道を登って小さな池に辿り着きました。 
息を整えながら、水面の上を飛び回るトンボの縄張り争いを眺めていると、池を泳ぐシマヘビElaphe quadrivirgata)に気づきました。 
シマヘビが泳ぐシーンは初見です。 

動画を撮り始めた私を警戒しているのか、シマヘビは池の水面に浮いて静止しています。 
口元を見ると、先の割れた舌を高速で出し入れしていました。 

池に浮かぶシマヘビの高速ベロを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみましょう。(@0:59〜4:24) 
波ひとつない水面に、鎌首をもたげたヘビの頭部が逆さまに写っています。 
先端が二股に割れた舌の表側は白っぽく、裏側は赤黒いようです。
細長い舌を上下にヒラヒラと動かしながら伸縮させ、鋤鼻器(ヤコブソン器官)に風の匂いを送り込んでいます。 
スーパースローで見て初めて分かったのですが、引っ込める際に舌先を水面に軽く触れていて、その度に波紋が広がっていました。 
最近撮影したヤマカガシと同じでした。

近くの水面に浮いていたアメンボが、マヘビの立てる波紋に警戒して逃げ出しました。 
舌を出し入れする頻度が高くなると、蛇行を始める前兆です。 
予想通り、水面を蛇行しながら泳いで前進を始めました。  
泳ぎながらも舌の出し入れを続けていて、水質検査もしているようです。(水面も舐めている) 

高画質のFHD動画に戻して蛇行遊泳シーンの撮影を続けます。(@4:25〜) 
急にシマヘビが水面を泳いで岸辺に突進したのでカエルでも狩るのかと期待したものの、カエルはとっくに逃げてしまったようです。 
岸辺に生えた抽水植物(種名不詳)の葉の下に顔を隠してシマヘビは安心したようですが、「頭隠して尻隠さず」の状態です。 
どうやら私を警戒して逃げたのかもしれません。 
シマヘビの顔が見えるように私が動画を撮りながらゆっくり横にずれると、シマヘビはまた少し前進して葉陰に顔を隠しました。 
慎重でなかなか上陸してくれません。 

舌をチロチロと高速で出し入れして周囲の状況を絶えず探りながら、慎重にゆっくり上陸します。 
水際の泥濘や落ち葉の上を這い回り、池の畔を少し登りました。 
静止したシマヘビは、舌の出し入れを止めてしまいました。 



【考察】 
この水場は浅い水溜りではなく、深い池です。 
鎌首をもたげたシマヘビの上半身は水面より上に浮いていましたが、尻尾付近の下半身は水没していました。 
ということは、肺や消化管を浮き袋としているのでしょうか? 
まさか上半身よりも下半身の方が重い(比重が大きい)はずはありません。
Perplexity AIに質問すると、否定的な見解でした。

陸棲のヘビであるシマヘビやヤマカガシは、肺に入った空気を浮き袋のように使って水中の浮力を得ているわけではありません。これらのヘビは肺呼吸を行い、空気を鼻や口から取り入れているので、泳ぐときに鼻や口を水面に出して呼吸しますが、肺の空気を利用して体を浮かせているわけではないのです。

ヘビの肺は呼吸のための器官であって、魚やウミヘビのような特別な浮き袋機能はありません。陸棲ヘビは泳ぐ際に体の一部が水面に浮くことはありますが、それは肺の空気の浮力というよりも体の形状や泳ぎ方によるものです。下半身が水没しても泳ぐのに問題はなく、呼吸のために時々鼻先を水面に出します。

このため、シマヘビやヤマカガシなどの陸棲ヘビが深い池で泳ぐ際、上半身が水面に浮くのは肺の空気による浮き袋効果ではなく、水中での体のポジションや泳ぎ方によるものと考えられます。肺はあくまで呼吸器官で、浮力調整を目的にはしていません。

まとめると、陸棲のヘビは肺の空気を浮き袋のようには使わず、泳ぐ際は肺呼吸を保ちながら水面に鼻を出すことで呼吸を行います。浮力は主に体形や筋肉の動き、水の抵抗によって調整されています.wikipediayoutube


陸生ヘビが水中で泳いだり浮いている際に、下半身が沈みやすい理由は単に重量や比重の違いだけでは説明されません。ヘビ全体の比重はほぼ水に近いものの、体の構造や体表の形状、筋肉の使い方が影響します。


ヘビの体は円筒形で柔軟性が高く、泳ぐ時は体を波打たせて推進力を作ります。上半身が水面にあるのは呼吸のために鼻や口を水面に出しやすくするための姿勢維持や、筋肉の働きによって姿勢が保たれているからです。一方、下半身は水中に沈んでいても筋肉の動きや水の抵抗で問題なく泳げます。


また、肺は比較的大きな空洞ですが、ヘビの体全体に対しては肺の容積はそれほど大きくないため、肺の空気が浮き袋として体の浮力を大きく支えるわけではありません。体の各部の重さの差よりも、筋肉と体の動き、および水と接する表面積の違いが浮き沈みの感覚により影響するのです。


したがって、下半身だけが水中に沈むのは比重差より体の形態と行動の結果であり、陸生ヘビの肺は浮き袋のような役割は持たないものの、水面に上半身を保つ姿勢制御を筋肉などで行っていると考えられます。比重の違い説は現実のヘビの泳ぎ方とは食い違います。 


ヘビが水面に浮いているときに鎌首をもたげて頭部を水面より上に保つ姿勢は、確かに身体のバランスに影響を与えます。この姿勢により、ヘビの頭部付近が高くなり見た目上は上半身が水面に浮いているように見えますが、それと反対側の下半身は自然と水中に沈みやすくなります。

これはヘビの体が柔軟で長いため、重心と姿勢の関係でこうした浮沈みの差が生まれるためです。頭部を高く持ち上げ呼吸を確保しながら、下半身は水底に近い深さでしっかりと水圧の支持を受ける形でバランスを取っていると考えられます。

したがって、ヘビの水面に浮く姿勢は肺の浮き袋効果とは別に、体の姿勢制御と筋肉の働きで決まるもので、鎌首をもたげる姿勢が水中での浮き沈みに大きな影響を与えているのです。このため、浮いているときに下半身だけ沈むのは自然な現象と言えます。

結論として、シマヘビやヤマカガシのような陸生ヘビが泳ぐとき、鎌首の姿勢保持によって頭部が水面に優先的に浮き、反対側の下半身が水中に沈むのは身体のバランスを保つための合理的な動きであり、肺の空気量だけによる浮力差では説明できません.herpetology.raindropyoutube

ところで、ヘビの先端が二股に別れていることに生態的に重要な意味や役割があることをご存知でしょうか。


ヘビの舌が二股になっているのは、きわめて典型的な「適応形質」で、主に化学感覚(嗅覚+味覚に相当)の空間分解能を高めるためと考えられています。ki-nokon+1

二股の舌とヤコプソン器官

ヘビは舌で空気中や地表の化学物質(匂い分子・フェロモンなど)を集め、それを口蓋にあるヤコプソン(鋤鼻)器官に運んで感知します。allabout+1
ヤコプソン器官は左右一対で、舌先の左右それぞれが対応する孔に差し込まれるため、二股構造はこの「左右別々にサンプルを運ぶ」仕組みに適合した形態と解釈されています。reddit+1

方位検出と「においのステレオ」

二股になっていることで、舌先の左右で僅かに異なる場所の化学情報を同時に採取できます。getnews+1
その結果、左右の濃度差や到達タイミングの差を比較し、におい源の方向を推定できるとされ、「におい版ステレオ視・ステレオ聴覚」のような役割を果たしていると考えられています。youtubeallabout

探索効率と行動上の利点

二股構造により、一本の舌より広い範囲から効率的に化学物質を拾えるため、獲物・天敵・配偶相手などの存在や位置をより精密に把握できます。fujisan+1
視覚や聴覚が制約される夜間や地表近く・隠蔽環境での探索において、こうした高分解能の化学定位能力が大きな適応的利益をもたらすと考えられています。youtubeallabout

2025/12/05

水溜りを泳ぐヤマカガシが舌を出し入れして水面を舐めるとき舐めないとき【FHD動画&ハイスピード動画】

 



2024年9月上旬・午後12:30頃・晴れ 

山中の湿地帯にある水溜りでヤマカガシRhabdophis tigrinus)が細い体を浸し、鎌首をもたげて静止していました。 
先が二股に割れた黒い舌を素早く伸縮させています。 
ヘビが舌舐めずりをするようにチロチロと出し入れしているのは、口腔内にあるヤコブソン器官(鋤鼻器)に周囲の空気を取り込んで、周囲のかすかな匂いを敏感に嗅ぎ取るためです。 
ヘビも普段は我々ヒトと同様に鼻の穴で呼吸し、鼻腔の奥にある嗅上皮で空気の匂いを嗅いでいますが、獲物のかすかな残り香を嗅ぎ取るために特別な鋤鼻器を発達させたのです。 
(ヒトの鋤鼻器は退化しています。)


高速で出し入れする舌の動きを、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:37〜5:54) 
ヤマカガシが静止しているときには、出し入れする舌の先端は水面に触れていませんでした。 
このときヤコブソン器官で嗅ぎ取っているのは、周囲の空気中に漂う匂いの情報だけです。 
舌を出し入れする筋肉の動きだけで、水面に少し波紋が広がっています。 

しばらくすると、ヤマカガシが舌を出し入れする頻度が高くなり、しかも舌を長く伸ばすようになりました。 
これは蛇行を始める前兆です。 
下半身を左右にくねらせて前進を始めました。 
すると、長く伸ばした舌を引っ込める際に先端が水面にピタピタと軽く触れるようになりました。 
まるで水面に鞭を打っているようです。 
そのたびに水面に波紋が広がります。 
初めは正面を向いていたヤマカガシが左に移動し始めたので、側面からも舌の出し入れを撮ることができました。

蛇行する際は、持ち上げていた頭部を少し下げる(前傾姿勢)ので、舌先が水面に触れるのは仕方がない(不可抗力)のかもしれません。 
それとも、蛇行しながら意図的に水面を舐めて、空中だけでなく水中に漂う微量な匂い分子も鋤鼻器に取り込んでいるのかもしれません。
Perplexity AIに質問した回答がこちら。

水面や泥水に舌をピタピタと触れさせる「水中化学探索行動」と、空気中で舌を高速で出し入れする通常の化学探索行動は、機能や役割に違いがあります。

機能の違い

  • 水面や泥水に舌先を触れさせる行動は、液体中の溶存化学物質やその濃度分布をダイレクトに検知する機能があります。舌先に付着した水や泥水中の化学物質は、そのまま口腔内の鋤鼻器へ運ばれ、獲物や環境情報(微量な匂い・代謝物など)をピンポイントで感知できます。ivma+1

  • 通常の空気中の舌フリッキングは、空気中に漂う揮発性化学物質(匂い分子)を舌に集め、周囲の広い範囲の情報や個体間フェロモンなどを検知します。獲物や繁殖相手の探索、危険回避行動など広範な目的を持ちます。exoinfo+2

役割の違い

  • 水面(液体)への舌の接触は、カエルなどの水生獲物の痕跡(代謝物、分泌物、卵、粘液など)の探索や環境状態の把握に特化した役割を持ち、一種の「水生化学的ターゲット探索」と位置づけられます。

  • 空気中の舌フリッキングは、個体間コミュニケーション、広域の獲物探索、捕食者の検知などに寄与する「空中化学探索行動」といえます。

補足

どちらの行動も「鋤鼻器(ヤコブソン器官)」を使っており、環境に応じて液体/気体から最適な化学情報収集方法を選択していることが分かります。水中でも舌を出し入れする行動は、特に水生環境での餌探索に重要となります。city.kobe+1

つまり、水面や泥中への舌の接触は、液体に存在する化学物質の「局所的・直接的な検知」、空気中での舌フリッキングは「広域的・揮発性化学物質の検知」という機能分化があります。


ヘビが水を飲むシーンを私はまだ実際に観察したことがないのですが、イヌやネコのようにピチャピチャと舌を使って飲むのではなく、水面に口を付けて直接飲むのだそうです。 
つまり今回の高速ベロは、喉の乾きをいやす飲水行動ではありません。

ヘビは基本的に水容器や自然の水たまりの水を直接口に含んで飲む方法をとります。ヤマカガシも例外ではなく、水辺や水溜りなどで水を飲む際は、頭を水面近くに下ろし、舌を出し入れしながら水を口に含みます。この際、直接水に口をつけて飲むことが多いです。exoroom+1

自然界での水飲み行動においては、水たまりの水を利用したり、葉や石に溜まった水滴をなめたりすることもありますが、ヤマカガシは水場に来て実際に水を飲む習性があります。また、湿度を保つために水辺周辺で時間を過ごすことも多いです。exoroom


かなり穿った仮説として、近くのアメンボをおびき寄せてから捕食するために、わざと舌先で水面に触れて波紋を立てている可能性はあるでしょうか? 
しかしスーパースローの映像を見てもらうと分かるように、ヤマカガシのすぐ目の前の水面をアメンボが滑走してもヤマカガシは無視することが多いです。 
しかも、ヤマカガシが眼の前のアメンボに襲いかかろうとしても、いつもアメンボは波紋を敏感に察知して素早く逃げてしまいます。(例@3:41〜3:45) 

動画の後半は、ヤマカガシが水溜りで静止しながらも舌を高速で出し入れしている様子を再び高画質のFHD動画でご覧ください。 
蛇足かもしれませんが、せっかく長々と観察できた記録映像を捨てるのも惜しいので付け足しました。 
水溜りの中を蛇行で移動しながら舌を高速で出し入れする様子は、前回の記事で紹介しました。 




【考察】 
水面を舐めているヤマカガシが「泥水の味見をしている」と表現するのは誤解を招きます。

確かに、ヘビが水面を舐めている行動を「泥水の味見」と表現するのは誤解を招きやすいです。ヘビの舌には味覚受容器がほとんどなく、舌の主な役割は「鋤鼻器(ヤコブソン器官)」に匂い分子を運ぶことで化学情報を得ることにあります。つまり、ヘビが水面を舐めるのは「味を感じている」わけではなく、水や泥に含まれる化学物質を検出し、周囲環境や獲物の存在を把握するための「化学探索行動」です。

したがって、観察者としては「水面の化学的な情報をサンプリングしている」「水中や周囲の環境を匂いで調べている」と表現するのが正確であり、味覚的な「味見」とは区別して理解することが重要です。omnh

ヘビの舌には味覚はほとんど発達していません。ヘビは丸呑みで食べる習性があり、舌にもヒトのような味蕾はほとんど存在しないか非常に少ないと考えられています。そのため、食物の味を詳細に感じ取る能力は弱く、主に嗅覚によって獲物や環境の情報を得ています。uenonorenkai+1

ヘビの味覚は舌ではなく、口内の一部や咽頭などにわずかにある可能性はありますが、味覚の感度や役割はヒトや他の哺乳類に比べて限定的です。その代わりに、ヘビは鋤鼻器(ヤコブソン器官)を通じて化学物質を検出し、行動決定に重要な情報を得ています。exoroom+1

ヘビのゲノムには味覚受容体の遺伝子が、多くの他の動物に比べて減少していることが研究で示されています。特に哺乳類が持つ甘味や苦味などの味覚受容体遺伝子の一部が、ヘビでは数が大幅に減少していたり(時には機能を失っている場合も)、特定の味覚受容体遺伝子が完全に欠損していることがあります。

これはヘビが丸呑みで食物を摂取し、味覚よりも嗅覚や触覚に頼る生活様式に適応した結果と考えられています。舌を使い鋤鼻器へ匂いを運ぶ嗅覚情報が重要な役割を果たしているため、味覚受容体の機能は比較的低下したと解釈されています。


ヘビのゲノムにおける味覚受容体遺伝子の減少は、一般的に「退化現象」と考えられています。ヘビは丸呑みで捕食し、味覚よりも嗅覚に大きく依存した感覚系に進化しているため、味覚受容体の遺伝子が機能的に不要になった結果、遺伝子が失われたり非機能化したと解釈されています。

一方で、爬虫類全般では必ずしも同一の傾向は見られません。例えばトカゲやワニなど他の爬虫類はヘビほど味覚受容体の遺伝子が減少しておらず、彼らはヘビとは異なる食性や捕食方法を持つため、味覚の重要性や遺伝子の保存度は高いままです。

したがって、味覚受容体遺伝子の減少はヘビに特有の適応的退化であり、爬虫類全体には当てはまらない進化的特性といえます。



高速ベロの他にもう一つ興味深いのは、水溜りを泳ぐヤマカガシの眼球が一度だけ左にキョロッと動いた(ように見えた)ことです。(@4:17〜) 
しかし、何度も見返すと、単にヘビが進む方向を変えた(頭部の向きを変えた)だけで、眼球が動いたように見えたのは私の錯覚(思い込み)かもしれません。 
Perplexity AIに質問すると、ヘビは基本的に眼球を動かすことはないらしい。

ヤマカガシが蛇行中に一度だけ眼球をキョロキョロ動かした行動は、ヘビの中でも一般的には珍しい動きとされています。ヘビは基本的に眼球を独立に動かすことは少なく、視野の調整は頭や体全体の動きで行うことが多いです。

しかし、ヤマカガシのような種類でも特に水中や湿地帯の環境で探索や警戒行動中に、眼球を動かして視界の細かい変化を確認しようとすることが稀に観察されます。このような動きは外界の動く物体や捕食対象の細部を精密に見極めるための補助的な機能と考えられ、珍しいものの異常ではありません。nacsj+1

したがって、キョロキョロと眼球を動かす行為は珍しいが、ヤマカガシが水中で細かく環境認識を行うための一環として自然な行動とも言えます。




2025/11/24

夏の暑い昼間に扇風行動で巣を冷やすモンスズメバチ♀の群れ【FHD動画&ハイスピード動画】

 


2024年8月下旬・午後12:30頃・気温32℃ 

破風板に営巣した(引っ越してきた)モンスズメバチVespa crabro flavofasciata)のコロニーを定点観察しようと、暑い昼下がりに来てみました。 
巣の周囲では多数の蜂が飛び回り、巣に出入りしていました。 
営巣地に白昼堂々近づく私に対して警戒していたのかもしれませんが、大顎をカチカチ鳴らして警告したり私に攻撃してきたりする個体はいませんでした。 

カメラで巣口にズームインしてみると、数匹(4〜6匹)のワーカー♀が巣口の縁に陣取って外向きに並び、各自がその場で猛烈に羽ばたき続けていました。 
これは、暑い夏に巣内の温度を冷やすための扇風行動で、気温が30℃以上になると発動します。 
私が立って撮影した地点の気温を測ると、32℃でした。 
「レーザーポインタ付きの非接触式赤外線放射温度計」を持ってくるのを忘れたので、モンスズメバチの巣口の温度を測ることはできませんでした。 
気温が高くなり過ぎると育房内の幼虫や蛹が正常に発生しなくなるので、巣内に外気を送風して冷やしているのです。 
扇風行動だけでは対処できないほどの酷暑になると、水を飲んできたワーカー♀が巣内で吐き戻して湿らせ、気化熱で効果的に冷却するのだそうです。 

身繕いしながら扇風している個体もいます。 
他の外役ワーカー♀たちは続々と巣から飛び去ったり、帰巣したりしています。 

240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:01〜) 
扇風行動の羽ばたきがスーパースローにするとよく見えるようになりました。 
帰巣する♀は獲物の肉団子や巣材のパルプを抱えておらず、空荷でした。 
もしかすると、外で水を飲んできて、巣を冷やすために運んできたのかもしれません。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


関連記事(10年前の撮影)▶  

モンスズメバチ♀群れ@巣口:破風板a+扇風行動
モンスズメバチ巣@破風板b

破風板の裏側がどうなっているのか調べたくても、屋根裏に勝手に登ることはできませんし、そもそも私はスズメバチの攻撃から身を守る防護服を持っていません。 
横から覗いて駄目元でストロボ写真を撮ってみたら、破風板の裏側からもモンスズメバチの巣の外皮の一部が見えていました。

巣内にいるモンスズメバチ成虫の腹部の縞模様が外皮の縁から覗いて見えます。



つづく→

2025/11/04

ヌスビトハギの葉を切り抜いて巣に空輸するハキリバチの一種♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年8月上旬・午後12:10〜12:45頃・晴れ 

里山で湿地帯に接したスギ植林地の林縁で、蜂の羽音が気になりました。 
下草のヌスビトハギの小群落には、葉をくり抜いた痕跡が多数残っています。 
これはハキリバチの仲間によるしわざです。 



私がその場でじっと待っていると案の定、ハキリバチ♀がヌスビトハギの群落に飛来しました。
ハキリバチ♀は、ハエのようなプーン♪というやや甲高い羽音を立てて飛び回ります。 
クマバチやオオスズメバチが発する重低音の羽音とは明らかに違います。 

ヌスビトハギの小葉に着陸すると羽ばたきを止めます。
鋭い大顎で小葉をチョキチョキと切り始めます。 
丸く切り抜く葉片に跨って丸めながら、切り落とす間際に再び羽ばたき始め、抱えて飛び去ります。

マメ科のヌスビトハギの葉は三出複葉です。 
3枚の小葉のうち、真ん中の柄が明瞭な小葉は頂小葉ちょうしょうようと呼ばれ、残りの2枚の小葉は側小葉そくしょうようと呼ぶのが一般的です。 
ハキリバチ♀は、ヌスビトハギの頂小葉でも側小葉でも特に選り好みしないで切り抜いているようです。 

1枚の小葉から複数の葉片がくり抜かれた跡も残っています。 
緑色の葉だけでなく、黄緑の若葉も切り抜くことがありました。 
葉片の形状は色々で、卵型だったり長楕円形だったり細長く切り抜かれたりしています。 
巣穴の育房に巣材を充填する作業の進捗具合によって、必要な葉片の形状を臨機応変に変えているのでしょう。 
切り取り線は小葉の中央にある主脈を越えたり越えなかったり、まちまちです。 
小葉のどこから切り取り始めるか(葉柄に対して遠位か近位か)についても、特に決まっていないようです。 

巣材の葉片を抱えて飛び去るハキリバチ♀を追いかけようとしても、すぐに見失ってしまいました。 
営巣地がどこにあるのか突き止められませんでしたが、ハキリバチの多くは借坑性ですから、林道脇の針葉樹(スギ?)大木の樹上の虫食い穴などに巣がありそうです。 
隙間や小孔に切り取ってきた葉片を詰め込んで育房を作り、花粉団子を貯食し、その上に産卵し、葉片で育房を仕切ると、また次の育房を作り始るのだそうです。 

関連記事(5年前の撮影)▶ 借坑性ハキリバチ♀の巣の観察:2019年 


おそらく同一個体と思われるハキリバチ♀が数分ごとにヌスビトハギの群落に戻ってきて、せっせと巣材を集めて帰ります。 
蜂が次に着地しそうな葉を狙って待ち構えても、なかなか予想が当たりません。 
私が毎回カメラを近づけて接写しても、ハキリバチ♀は警戒心が薄いのか、嫌がらずに作業を続けてくれました。

林床にはヌスビトハギの他に、フジ(藤、別名:ノダフジ)の葉などもたくさん生えていました。 
しかし、このハキリバチ♀が巣材として集めるのは、ヌスビトハギの葉片だけでした。  

ちなみに、周囲でジーー♪と単調にやかましく鳴き続けているのはエゾゼミ♂(Lyristes japonicus)です。 
ウグイス♂(Horornis diphone)がホーホケキョ♪とのどかにさえずる声も聞こえます。 

ハキリバチ♀がヌスビトハギの葉を切り抜いて持ち去る様子を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@3:40〜) 
切り抜き作業中の蜂を横から見ると、腹面のスコパは白い毛が密生しているものの、花粉は付着していません。 

ハキリバチ♀は毎回几帳面に小葉を丸く切り抜く訳ではないようです。 
かなり大雑把に切り取って、クシャクシャに丸めた葉片を持ち去ることもあり、興味深く思いました。 

葉片を抱えて飛び去るハキリバチ♀の姿を流し撮りできると、スーパースローで見応えがあります。 
葉片を完全に切り抜くと、それを抱えたまま蜂は落下します。 
激しく羽ばたいて空中で体勢を立て直すと、ホバリングしながら巣の方向を見定めて、まっすぐ帰巣します。 
おそらく太陽コンパスや周囲の景色から、記憶した巣の方角を読み取っているのでしょう。 
空荷で飛ぶよりも遅くなるのは、運んでいる葉片が重いのではなくて、空気抵抗が大きいせいでしょう。 

ヌスビトハギの茎の先端にはピンクの花序が咲きかけていました。
しかし、巣材集めに忙しいハキリバチ♀がヌスビトハギに訪花することは一度もありませんでした。 
幼虫が食べる餌を集めたり、母蜂自身が栄養補給(吸蜜)する蜜源植物は、また別の場所に咲いているのでしょう。 


2年前からの宿題だった、ヌスビトハギの葉から巣材を集めるハキリバチ♀を実際にじっくり観察できて大満足です。 
巣材集め行動の細かい点でクズハキリバチとの違いを見出せませんでした。 
関連記事(5年前の撮影)▶  


さて、この蜂の名前は何でしょうか?
素人目には特徴が乏しくて、ハキリバチの種類を見分けられません。 
黒い頭楯の両側に白い部分がある(白毛が密生)ことに気づきました。 
『日本産ハナバチ図鑑』と見比べると、ツルガハキリバチ♀(Megachile tsurugensis)が候補として見つかりましたが、顔色だけでは決め手になりません。 
ちなみに、ツルガハキリバチは「本州では最も個体数の多いハキリバチ」なのだそうです。(同図鑑p330より引用) 

例えばクズハキリバチやバラハキリバチなど、好んで葉を切り抜く植物が蜂の名前に付いている種類もいます。 
しかし、ハキリバチ♀が巣材として集める植物は、蜂の種類ごとに厳密には決まっている訳ではないそうです。 
ヌスビトハギの葉を専門にくり抜く「ヌスビトハギハキリバチ」なる和名の蜂は、今のところ知られていません。 

同定のためにハキリバチ♀を採集しようか迷ったのですが、動画撮影を優先していたら、そのうちパッタリと巣材集めに通って来なくなりました。 
育房作りが一段落したのか、それとも活発に働く時間帯が日周リズムで決まっているのかもしれません。


※ 動画の素材は撮影順ではなく、適当に入れ替えています。 
※ 蜂の羽音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→ 


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