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ヤマキヒゲナガ♂の群飛とレック形成【蛾:FHD動画&ハイスピード動画】
小型。♂の触角は前翅長の3倍以上と非常に長い。♀の触角は♂の半分以下と短く、基半部に黒い毛が生え太く見える種が多い。♂は昼間長い触角をたなびかせて競い合うように群飛する。 (p15より引用)『日本動物大百科9昆虫II』によれば、
ヒゲナガガ科には群飛する種と群飛しない種がいる。(中略)クロハネシロヒゲナガは、日中、草地を低くとびかうのが見られ、多数の♂が同じ場所で白い触角を目立たせて飛翔することもあるが、これらの♂は互いにまったく無関心で干渉がないように見える。 群飛をするホソオビヒゲナガでは、♂がからみあって上下するような飛翔をする。樹上のかなり高い位置で群飛することもあり、カ類の群飛と見まちがえることもある。(p71より引用)
ヒゲナガガ類の♂では極端に長くなっていて、前翅長の2〜3倍の長さがある。これは群飛のときバランスをとるのに役立つのかもしれない。(p25より引用)ヒゲナガガ科の♂は多数が集まって求愛のためのレックを形成し、群飛で♀を誘引して飛びながら交尾するのだそうです。
資源とは特に関係の無い場所に集まった雄が、そこで小さな縄張りを作り、求愛のディスプレイを行う。 このような行動をする雄たちをレック (lek) という。レックが求愛のディスプレイで自分をアピールし、雌を呼び寄せて交尾をするというのがレック型一夫多妻である。ヤマキヒゲナガ幼虫の食草が何なのか、解明されていないそうです。
ヤマキヒゲナガ♂の群飛行動と配偶システムに関する考察
Ⅰ. 観察概要
日時・場所:2024年5月下旬・山形県の里山(草木に覆われた山腹の急斜面)
気象条件:曇天・無風状態
行動特徴:
少なくとも4頭の♂が同一空間で緩やかな群飛
飛翔個体に加え、シダ植物と広葉樹幼木(推定:ニワトコ・オシダ?)に静止する♂が混在
オス同士の闘争行動は確認されず
メスおよび交尾行動は未観察
Ⅱ. 行動生態学的解釈
1. 群飛の機能仮説
レック型配偶システム:
オスが特定の微気象条件(風速・日照)下で集団飛翔し、メスの訪問を待機1
ヒロオビヒゲナガ(N. raddei)の日没前スウォーム行動との類似性
待機戦略の多様性:
飛翔個体:視覚的アピールによるメス誘引
静止個体:エネルギー節約型の待機戦略
2. 触角の形態と機能
オス触角の特徴:
体長の3倍に達する糸状触角(全長約15mm)
表面積は♀触角(毛密生)の1/5以下
機能仮説:
フェロモン検知:未検証(従来説の再考必要)
飛翔安定装置:長い触角が「生物学的スタビライザー」として機能6
視覚シグナル:光反射による個体間通信
3. フェロモンシステムの特殊性
従来説との矛盾:
ヒゲナガガ科では♀発信型フェロモンが主流とされる
本種では♂がフェロモンを放出している可能性
二重機能仮説:
オスフェロモンが同性を集合させ(集合フェロモン)、同時に♀を誘引
Ⅲ. 未解決問題と研究課題
1. 行動メカニズム
群飛形成の誘引要因(化学的/視覚的/地形的)
静止個体と飛翔個体の役割分業
メスの出現パターンと時間帯依存性
2. 生理学的課題
触角切除実験による飛翔安定性の定量評価
分泌物質のGC-MS分析によるフェロモン同定
触角感覚器の走査型電子顕微鏡観察
3. 進化的意義
小型化(体長5-7mm)と触角長大化の相関
レイノルズ数(慣性力と粘性力の比)低下環境(体長比Re≈100)での飛翔制御適応
種特異的フェロモンシステムの分子基盤
Ⅳ. 今後の観察指針
時間帯別行動記録:日出~日没まで1時間毎の個体数変動
環境要因記録:
気温・湿度・風速の連続測定
植物フェノロジー(開花・新芽展開)との関連
標識再捕法:
蛍光粉末による個体追跡
行動圏と移動距離の推定
総括
本観察はヒゲナガガ科の配偶システム解明において以下を示唆:
従来の「♀発信型フェロモン」モデルに当てはまらない可能性
触角の多機能性(感覚・飛翔制御・視覚信号)の共存
レック行動の多様性(闘争なき集団形成)
- https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9939265/
- https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kenmin/ao-kendo/files/H24dmns-1.pdf
- https://www.city.hiroshima.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/011/855/45554.pdf
- https://hs-gakko.org/wp-content/uploads/2024/03/ikimono.pdf
- http://www.esj.ne.jp/meeting/51/pdf/book/jes51p2.pdf
- interests.insect_physiology
- http://www.jpmoth.org/Adelidae/Adelinae/Nemophora_japonica.html
- https://company.jr-central.co.jp/chuoshinkansen/assessment/document1408/kanagawa/_pdf/eis2_kanagawah14.pdf
- https://www.city.minokamo.lg.jp/uploaded/attachment/2441.pdf
- https://www.city.nobeoka.miyazaki.jp/uploaded/attachment/8659.pdf
- https://www.ars.usda.gov/ARSUserFiles/20200500/Pubs%202020/HullFonagy%202019.pdf
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ヒゲナガガ類の♂では極端に長くなっていて、前翅長の2〜3倍の長さがある。これは群飛のときバランスをとるのに役立つのかもしれない。(p25より引用)とのことですが、私はヒゲナガガ類の群飛をまだ一度も見たことがありません。
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参考ブログ:牛舎に集まる様々な蜂たちを見てみよう!!
MATTILA, Heather R., et al. Honey bees (Apis cerana) use animal feces as a tool to defend colonies against group attack by giant hornets (Vespa soror). PLoS One, 2020, 15.12: e0242668. (全文にフリーアクセス可)
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(ミヤマセセリの♀は)前翅表の中央部に白帯が現れ、(中略)前翅裏にある翅頂部近くの黄橙部は♂よりも広く顕著(フィールドガイド『日本のチョウ』p284より引用)ミヤマセセリは幼虫で越冬するらしく、この個体は春になって羽化したばかりの成虫♀ということになります。