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2025/01/15

クロホウジャク2頭がホトトギスの花序で競い合うように停飛吸蜜【蛾:ハイスピード動画】

 




2023年11月上旬・午後15:35頃・晴れ 

堤防路の花壇に咲いたホトトギスの群落でクロホウジャクMacroglossum saga)の吸蜜ホバリングを240-fpsのハイスピード動画で撮影していると、2頭が同じ花序でニアミスしました。 
お互いの激しい羽ばたきによる乱気流に巻き込まれないかと心配しましたが、全く平気で、競い合うように別の花で吸蜜していました。 

この花壇では多数のホトトギスの花が咲き乱れているためか、蜜源植物を巡る縄張り争いや占有行動は見られませんでした。 
ニアミスしても求愛・交尾行動を始めなかったということは、この2頭は同性なのでしょうか。
(私は外見でクロホウジャクの性別を見分けられません)

一方が先に飛び去ると、残った個体もすかさず反転して離れて行きました。 
衝突回避行動が実に見事です。
同様のニアミス・シーンがもう一度撮れていました。 

ホトトギスの蜜腺は、花の根元に小さく膨らんだきょの内部にあるのですが、クロホウジャクは停飛して羽ばたきながら細長い口吻を花筒の奥にある距の中に上手く差し込めずに苦労するときがあります。
見ている方も感情移入して苛々してしまいます。 

1頭になってからも吸蜜ホバリング行動を撮り続けると、伸ばした口吻を引き抜く際に透明な蜜の滴が口吻の途中に付着していました。(@1:35〜) 
口吻の先端ではなく途中に滴が付いていた理由が説明できず、ちょっと不思議です。 
花蜜ではなく、水滴が付着しただけかもしれません。 
その滴はすぐに振り落としたようです。

ハイスピード動画で何でもとりあえず撮ってみると、予期せぬシーンがたまたま撮れていることがあり、それが楽しみになります。 


2025/01/11

ヒャクニチソウの花蜜を吸いながら排尿するオオタバコガ【蛾:FHD動画&ハイスピード動画】

 



2023年10月中旬・午後15:30・晴れ 

ヒャクニチソウ(百日草)の色とりどりの品種が咲き乱れる花壇に私が戻ってくると、オオタバコガHelicoverpa armigera armigera)がまた訪花していました。 
本種は訪花中も翅を小刻みに震わせ続けて飛び立つための準備運動(アイドリング)をしています。 
その翅をよく見ると、この個体は右の翅頂が欠けていて、30分前に観察したオオタバコガ♀とは別個体であることが分かりました。 

吸蜜後にクルクルと丸めて縮めた口吻が、オレンジ色の花粉にまみれていました。 
次の花に移動する前に身繕いして、顔や触角に付いた花粉を落としています。 
舌状花の花弁が散った後の筒状花でもオオタバコガは貪欲に吸蜜していました。 

オオタバコガが訪花中に240-fpsのハイスピード動画に切り替えたら(@1:14〜)、面白いシーンがたまたま撮れていました。 
吸蜜しながら腹端から透明な液体を1滴排泄したのです。(@1:25〜) 
本種の排尿シーン(おしっこ)は初見です。 
花蜜を大量に吸い、余分な水分を排泄して飛ぶために体重を軽量化したのでしょう。

 

2025/01/07

靴底の泥を舐めに来たウラギンシジミ♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年9月下旬・午後14:10頃・晴れ 

里山の雑木林を抜ける山道を私が下っていると、前方の地面(?)から飛び立った蝶が私の足元にまとわりつきました。 
履いていた長靴の底に横から止まったので、驚きました。 
窮屈な体勢で見下ろしながら、動画を撮り始めました。 

蝶の正体は翅裏が銀白色のウラギンシジミ♂(Curetis acuta paracuta)でした。 
靴底に付いていた泥を口吻の先で舐めてミネラル摂取しています。 
ウラギンシジミは人懐っこく(無防備に)近寄ってくる習性があります。
関連記事(3、4年前の撮影)▶  

私がバランスを崩して足を動かしてしまったので、ウラギンシジミ♂は飛んで逃げてしまいました。 
少し飛んだだけで、道端に自生するクリ幼木の葉に止まりました。 
もしかすると、この山道でウラギンシジミ♂は縄張りを張って♀を待ち構えていたのかもしれません。 

翅を広げて日光浴しています。 
翅表が鮮やかなオレンジ色なので、♂と分かりました。 
私はまだウラギンシジミの♀を見たことがありません。 

ウラギンシジミ♂が飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:45〜) 
下山を急いでいた私は、蝶が自発的に飛び立つまで待てず、今回は物を投げつけて飛び立たせました。 
ウラギンシジミ♂は、頭上に物体の影が近づいただけで敏感に素早く飛び去っていました。 


余談ですが、生物調査で野外を歩く際には、長靴が結局一番便利なことが分かってきます。 
特に、雨上がりで下草が濡れていたり、地面が泥濘になったり、薮漕ぎを迫られたりしたときに、その威力を発揮します。 
高価で高性能な登山靴(トレッキングシューズ)はもちろん素晴らしいのですが、1年間で靴底が磨り減って履きつぶすことを考えると、気楽に買い換えられる長靴のコストパフォーマンスが際立ってきます。 
どうせ山中で他のヒトと出会うことは滅多にありませんから、足元のお洒落を気にしても仕方がありません。
ゴム長靴は靴底が摩耗するよりも先に、どこかゴムが破けて水漏れし、駄目になることが多いです。

2025/01/03

ママコナの花で吸蜜中のミドリヒョウモン♀を追い払うアリ【ハイスピード動画】

 



2023年8月下旬・午前11:05頃・晴れ 

低山の尾根道に咲いたママコナの群落でミドリヒョウモン♀(Argynnis paphia)の吸蜜シーンを240-fpsのハイスピード動画で撮ってみたら、ちょっと面白い事件が起きていました。 
近づいてきたクロアリ(種名不詳)のワーカー♀がミドリヒョウモン♀の足(右中脚跗節)に噛み付いて、ママコナの花から追い払ったのです。
蜜源植物を防衛する占有行動でしょうか。
アリに足先を噛まれたミドリヒョウモン♀は、驚いて飛び去りました。

2024/12/27

シロバナヤマフジの花蜜を吸い藤棚を飛び回るクマバチ♂【ハイスピード動画】

 


2023年5月上旬・午後15:20頃・晴れ


民家の藤棚に咲いたシロバナヤマフジ(シラフジ、白藤)の群落でキムネクマバチXylocopa appendiculata circumvolans)の雄蜂♂が訪花していました。 
240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。 
マメ科シロバナヤマフジの蝶形花で正当訪花を繰り返し、吸蜜しています。 
訪花の合間に飛んだ際に、顔の頭楯が白く、複眼が大きく発達していることから、雄蜂♂と分かりました。 

栄養補給を済ませた雄蜂♂は蜜源植物の近くでホバリング(停空飛翔)して空中に縄張りを構え、交尾相手の♀を待ち構えます。 
そこまでは本に書いてある通りで、理屈として分かるのですが、同じ藤棚でクマバチ♀も忙しなく訪花していたのに、なぜか求愛・交尾行動は一度も見られませんでした。 


空中で停飛(ホバリング)している雄蜂♂は、早い者勝ちで♀を獲得するために、周囲で動く物に対しては反射的に何でも飛びつく習性があるぐらいです。
したがって、藤棚で訪花を繰り返しているクマバチ♀の存在に気付いていないはずがありません。


クマバチは同種の仲間を個体識別したうえで「この♀は脈なしだ(以前に交尾拒否された?)」という判断を雄蜂♂が下しているとしか思えません。

 ※ 動画編集時に逆光補正処理を施してあります。 


関連記事(同所で7年前の撮影)▶ 白藤の花蜜を吸うクマバチ♂



【追記】
ときどき復習しないと私も忘れそうになるのですが、クマバチはミツバチ科に属しているものの、ミツバチのような真社会性ハチではなく亜社会性のハチです。
つまりクマバチの♀は女王蜂と働き蜂のようなカーストに分かれておらず、単独または少数の♀が共同で採餌と育児を行います。
したがって、交尾の様式も異なります。
ミツバチのように新女王蜂と雄蜂♂が結婚飛行で交尾するのではなく、ホバリングで縄張りを占有するクマバチ♂は同種の♀であれば誰でも交尾可能ということになります。
また、クマバチの雄蜂♂は♀と交尾してもミツバチ♂のように即死することはなく、何度でも交尾可能なのだそうです。
しかし、クマバチ♀の交尾拒否行動については、あまりよく分かっていないらしい。
キムネクマバチの♀が雄蜂♂を誘引する物質(性フェロモン)を分泌していることは、行動観察などから確認されています。
クマバチ属の一部の種では、♀が分泌する性フェロモンの成分が特定されていて、主に炭化水素やエステルといった化合物の混合物で構成されていたそうです。
しかし、日本産のキムネクマバチでは♀の性フェロモンの実態は化学的に同定されていないらしい。
そうと分かれば、訪花中のクマバチ♀に対して雄蜂♂が求愛しない理由も簡単に説明できそうです。
(交尾する気がない♀は、性フェロモンを分泌していない。交尾する♂を♀が選り好みしている?)


以上、この追記部分は、AIのGeminiに質問しまくった回答を自分なりにまとめました。
ダブルチェックしても情報の出所が不明な点(肝心の性フェロモンについて)もあり、AIに特有の知ったかぶり(ハルシネーション)なのかもしれませんが、一応ここにまとめておきます。

2024/12/23

イモカタバミの花で採餌し飛び回るハキリバチの一種♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年10月中旬・午後15:15頃・晴れ 

民家の軒下の花壇に咲いたイモカタバミの群落でが訪花していました。 
正当訪花を繰り返して吸蜜しています。 
腹面のスコパが橙色の花粉で汚れています。 
採餌の合間に身繕いして、体に付着した花粉をスコパに移しています。

イモカタバミの花から飛び立つ瞬間の羽ばたきを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:56〜) 


関連記事(4か月前、4年前の撮影)▶  

2024/12/19

アジサイの花で採餌して飛び回るクロマルハナバチ♀の群れ【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年7月中旬・午前10:00頃・くもり 

道端の花壇に咲いたアジサイ(紫陽花)の群落でクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が訪花していました。 
この組み合わせは意外にも初見です。 

関連記事(7、11年前の撮影)▶  


アジサイの花序を歩き回るクロマルハナバチ♀の体表には白い花粉が付着しており、後脚の花粉籠に薄茶色の花粉団子を大量に付けて運んでいる個体もいます。 
振動集粉するかと期待したのですが、耳を澄ましてもその羽音は聞き取れませんでした。 
アジサイの花をよく見ると、雄しべの葯には花粉がほとんど枯渇していました。 
もう既にハナバチたちがほとんど集粉し尽くした後なのでしょう。 

紫陽花の花から蜂が飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:10〜) 
集粉してから飛び立つと、腹面の体毛に付着した花粉を足で掻き落とし、空中で両脚を擦り合わせて花粉籠に移します。 

2匹のクロマルハナバチ♀がアジサイの花序でニアミスするシーンもたまたま撮れていました。
先客が飛んで逃げたものの、舞い戻ってきてライバルを追い払いました。 
同じコロニーから来た仲間ではないのかな?

複数個体を撮影。 
小さなミツバチ?も訪花していたようですが、撮り損ねました。

2024/12/13

ヒャクニチソウの花蜜を吸い飛び回るイチモンジセセリ【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年9月上旬・午後12:10頃・晴れ 

郊外で民家の裏庭の花壇に咲いた色とりどりのヒャクニチソウ(百日草)の群落でイチモンジセセリ♀♂(Parnara guttata)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
イチモンジセセリはいつものように翅をしっかり閉じたまま、口吻を伸ばして吸蜜しています。 

ヒャクニチソウの花から次の花へ飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:09〜) 
この花壇には、ピンク系統だけでも様々な色の花弁のヒャクニチソウが咲いていました。

2024/12/09

ヤブツルアズキの花蜜を吸い飛び回るウラナミシジミ【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年9月中旬・午後16:00頃・晴れ 

郊外にある民家の裏庭で、草ぼうぼうの花壇(家庭菜園?)にマメ科植物が黄色い蝶形花(左右非対称)を咲かせていました。
その群落にウラナミシジミ♀♂(Lampides boeticus)が群がっていました。 
花から花へ忙しなく飛び回り、口吻を伸ばして吸蜜しています。 
訪花中は翅を半開きにするか、閉じていました。 
横の車道を車が走ると、すぐに飛んで逃げてしまいます。 

このマメ科植物の名前を私は知りませんでした。 
まず、この群落が雑草なのか栽培品種なのか、分かりづらい状況なのです。 
インゲンのような細長い豆果が実っていますが、インゲンほど立派ではありません。 
茎が自立しておらず、蔓性であることに気づきました。 
蔓の若い先端付近は緑ではなく、赤みを帯びています。 
「9月に黄色い花を咲かせ、細長い実をつけ、蔓性であるマメ科植物」という条件でAIのGeminiに相談すると、ヤブツルアズキだろうと候補を教えてもらえました。 
ノアズキの可能性は、豆果の形状が違うので除外できます。 
アズキの原種であるヤブツルアズキの豆は食用できるらしいのですが、家庭菜園にわざわざ雑草のヤブツルアズキを植えて栽培しているのでしょうか? 
昔はアズキを栽培していた畑を放置していたら、先祖返り(野生化)して蔓性に戻ったのかな?
アズキとヤブツルアズキは同種の変種扱いなので、交雑できるらしい。
アズキはふつう蔓なしだが、半蔓性のものもあり、原種は蔓性だったと推測される。(中略)ヤブツルアズキは、アズキの原種とも、アズキの栽培種が逃げ出して野生化したともいわれる。 (POINT図鑑『フェンスの植物: はい回る蔓たち』p158より引用)

ヤブツルアズキ:3出複葉+蔓
ヤブツルアズキ:3出複葉+蔓
ちなみに、ウラナミシジミは隣に咲いていたキク科のガーベラ?には全く訪花しませんでした。 
ウラナミシジミ幼虫の食草はマメ科植物ですから、成虫はやはりマメ科のヤブツルアズキに好んで訪花するのでしょう。 
産卵に来る♀を♂が待ち伏せしているのかもしれません。(動画公開予定) 

ウラナミシジミがヤブツルアズキの蝶形花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:05〜1:30) 
翅の破損状態に注目すると、複数個体を撮影していたようです。 
例えばサムネイルの個体は♂ですが、性別を見分けられない個体も登場します。 
ウラナミシジミの性別を見分けるには、翅表の斑紋をじっくり検討する必要があります。 
晴れて気温が高いせいか、あるいは求愛行動に必死なせいか、ウラナミシジミの羽ばたくスピードが速すぎて、スーパースローでも翅表がしっかり見えないのです。 
日差しが強すぎると、翅の角度によっては翅裏の斑紋が翅表に透けてしまうこともあって混乱します。 


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2024/12/05

ヒャクニチソウの花蜜を吸い飛び回るキタテハ秋型【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年10月中旬・午後15:00頃・晴れ 

街なかの花壇に咲いたヒャクニチソウ(百日草)の群落で秋型のキタテハPolygonia c-aureum)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
吸蜜中は翅をしっかり閉じていることが多いですけど、たまに開閉しています。 
秋晴れの陽射しが強くてキタテハも暑いのでしょう。 

ヒャクニチソウでも舌状花の花弁が色とりどりの品種が同じ花壇に咲き乱れていましたが、今回の撮影中にキタテハは黄色、緋色、白赤二色花を選んで訪花していました。 
真面目に調べたら、好みの花色がありそうです。 

たまに舌状花の花弁の表面を舐めているのは、こぼれ落ちた花粉を舐めているのでしょうか? 
口吻の先端で筒状花の蜜腺の在処を探っているだけのようには見えません。 




キタテハ秋型がヒャクニチソウの花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@3:13〜) 

翅表の斑紋にある鱗粉の細かな擦過傷に注目すると、複数個体(少なくとも2頭以上)が登場していたことが分かりました。
翅裏には白いコンマ紋が目立ちます。 







2024/11/30

アキノノゲシの花蜜を吸い飛び回るモンシロチョウ夏型♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年9月下旬・午前10:05頃・晴れ 

山麓の農村部で道端に咲いたアキノノゲシの群落に夏型のモンシロチョウ♀(Pieris rapae)が訪花していました。 
こんなありふれた普通種同士の組み合わせなのに、意外にも初見でした。 
翅をしっかり閉じたまま、口吻を伸ばして吸蜜しています。 

モンシロチョウがアキノノゲシの花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:22〜) 
翅裏の黄色みが強いことと、羽ばたく瞬間に見せてくれた翅表の斑紋から、夏型♀のようです。 

ところで、訪花中のモンシロチョウ♀の周囲を飛び回る謎の微小な黒い虫の正体が気になります。 
コマユバチ科などのモンシロチョウを寄主とする寄生蜂なら面白いのですけど、有翅のアブラムシですかね? 

2024/11/18

羽ばたきながらヒャクニチソウの花で吸蜜・産卵するオオタバコガ♀(蛾)【FHD動画&ハイスピード動画】

 


2023年10月中旬・午後15:00頃・晴れ 

街なかの花壇に咲いたヒャクニチソウ(百日草)の群落でオオタバコガ♀(Helicoverpa armigera armigera)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
左前翅の翅頂が欠けた同一個体を撮り続けました。 

花弁が色とりどりの品種が咲いている中で、赤、白、黄色の花で吸蜜しました。 
筒状花から口吻を引き抜くと、オレンジ色の花粉が付着しています。 
次の花へと移動する前に、触角を前脚でぐいっと拭うことがありました。(身繕い) 
隣接する花に移動するときには、省エネのためにわざわざ飛ばずに歩いて行きました。 

くらべてわかる蛾 1704種』という図鑑でオオタバコガを調べると、
♀は(翅表が:しぐま註)橙褐色 
食草:イネ科、キク科、ウリ科、ナス科、バラ科など広食性 (p115より引用)

農薬メーカー?シンジェンタジャパンのサイトでは、次のように書いてありました。

前翅は雄は黄色味を帯び、雌は赤味を帯びる。 


この記述に従えば今回の個体は♂ということになるのですが、後に産卵したので♀と判明しました。
翅色の個体変異なのか、それとも強い日差しで翅の色が白飛びしてしまったのかな? 

訪花中も葉に止まっているときも、ほぼ休みなく翅を小刻みに震わせています。 
足を着地していますから、ホバリング(停空飛翔)ではなくて、いつでも飛び立てるように飛翔筋を震わせて体温を上げる準備運動(アイドリング)をしているのでしょう。 
暖かい日向ですから気温が低い訳ではないのですが、本種は寒がりなのか、特有の習性のようです。 
もしかして、捕食圧の高い地域なのでしょうか? 



オオタバコガがヒャクニチソウの花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:08〜) 
撮影中は気づかなかったのですが、黄色い花の品種のヒャクニチソウで花蜜を吸いながら、腹端を前方に屈曲させて筒状花の側面に付けました。(@1:13〜) 
元の姿勢に戻るときに産卵管を伸ばしていたことから、産卵行動と判明しました。 
つまり、この個体は♀でした。 
準備運動していた羽ばたきが力強くなると、次の花に飛び去りました。 
前後の動画をじっくり見直しても、産卵していたのはこのときだけでした。 

オオタバコガ♀の産卵行動を観察できたのは、これが2例目です。 
関連記事(3年前の撮影)▶ ナスの葉に産卵するオオタバコガ♀(蛾) 

オオタバコガの産卵習性についてネット検索すると、石川県の病害虫防除室が公開しているPDF資料『オオタバコガ - 石川県 防除室だよりvol12』 がヒットしました。
雌は夜間に葉裏や新芽、花蕾付近等に1粒ずつ、一晩で200~300 粒、期間中に2000粒程産卵します。
卵を何個もまとめて産み付けるのではなく、1個ずつしか産まないというのは、私が観察した通りです。 
今回は花に産卵したので驚いたのですけど、オオタバコガ♀では珍しくないことを知りました。
撮れた写真や映像を改めて見直すと、ヒャクニチソウの群落で虫食い跡のある葉や花弁があちこちに見つかります。 
卵から孵化したオオタバコガ幼虫による食痕とは限りませんが、可能性はあります。 


2024/11/14

ヒャクニチソウの花蜜を吸い飛び回るモンシロチョウ♀夏型【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年10月中旬・午後15:00頃・晴れ 

街なかで道端の花壇に咲いたヒャクニチソウ(百日草)の群落でモンシロチョウ♀(Pieris rapae)夏型が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
秋晴れの陽射しを浴びたモンシロチョウ♀は、翅を半開きにしたままヒャクニチソウの花蜜を吸っていました。 

同じヒャクニチソウでも舌状花の花弁が色とりどりの品種が同じ花壇に咲き乱れています。 
私が見た限り、このモンシロチョウ♀個体は黄色または白(花弁の根元が赤)の花を選んで次々に吸蜜していました。 
花弁が真っ白な品種の花よりも、白い花弁で根元が蜜標のように赤い品種の花を好んで訪れていました。 
どうやらモンシロチョウは花の色に好みがあるようです。(赤色は認識しにくい?) 
品種改良の結果、花弁の色が違う品種では分泌する花蜜の量が異なる可能性も考えられます。

ヒャクニチソウの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:57〜) 
花から花へ飛び回るだけでなく、羽ばたきながら歩いて移動することもありました。

2024/11/12

イモカタバミの花で採餌して飛び回るニホンミツバチ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年10月中旬・午後15:10頃・晴れ 

街なかの猫の額ほどの庭に咲いたイモカタバミの群落でニホンミツバチApis cerana japonica)のワーカー♀が訪花していました。 
意外にもこの組み合わせは初見です。 


ニホンミツバチ♀はイモカタバミに正当訪花を繰り返して吸蜜・集粉しています。 
後脚の花粉籠に付けて運んでいる橙色の花粉団子はまだ少量だけでした。 

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:24〜)

2024/11/04

ヤツデの花蜜を舐めて飛び回るオオハナアブ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年11月中旬・午後13:45頃・晴れ 

民家の裏庭に咲いたヤツデオオハナアブ♀(Phytomia zonata)が訪花していました。 
ヤツデの散形花序を歩き回りながら、口吻を伸縮させて花蜜や花粉を舐めています。 
左右の複眼が離れていることから、♀と分かります。 
もっと多数が集まっていたのですが、撮影できたのは2匹の♀です。 

今回のヤツデは両性花だったのに、オオハナアブ♀の体にヤツデの花粉が全く付着していませんでした。 
訪花昆虫が雄しべの葯から花粉を全て取り尽くした(食べ尽くした)後だったのでしょう。 

関連記事(6年前の撮影)▶ ヤツデの雄花で吸蜜するオオハナアブ♀


ヤツデの花序に離着陸する瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:06〜)
訪花中に別個体のオオハナアブが飛来して目の前でホバリング(停空飛翔)すると、平気なときもあれば、ラストシーンのように慌てて花から滑落するように逃げる(飛び去る)ときもあるのが興味深く思いました。
蜜源植物をめぐる占有行動があって体格差で勝負が決まる、という単純な話ではなさそうです。

 

2024/11/02

セイヨウタンポポの花蜜を吸い飛び回るキタキチョウ【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年10月中旬・午後14:30頃・晴れ

農村部の道端に咲いたセイヨウタンポポの群落でキタキチョウEurema mandarina)が訪花していました。 
翅をしっかり閉じて吸蜜しています。
共にありふれた普通種ですが、意外にもこの組み合わせは初見です。 
車が横の車道を通りかかるとキタキチョウは飛んで逃げるものの、タンポポの同じ頭花にすぐに舞い戻って来ます。

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:44〜)


【追記】
恥ずかしながら投稿時にはこの蝶をモンキチョウ♂だと思いこんでいました。
YouTubeのコメント欄でBeeChさんからキタキチョウの間違いだとご指摘を頂きまして、訂正しておきます。
陽射しが強くて翅裏全体が白飛びしたせいで、キタキチョウに特有の斑点が見えませんでした。
ハイスピード動画で翅表の斑紋も撮っておきながら、翅裏だけで判断してしまいました。
思い込みは怖いです。
キタキチョウとセイヨウタンポポの組み合わせは何度か撮っているのに、モンキチョウとの組み合わせはなぜか未だに撮れたことがありません。
たまたまなのか、それとも何か理由があるのか、不思議でなりません。

2024/10/19

ノジギク?の花を舐めて飛び回るオオハナアブ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年10月上旬・午前10:40頃・晴れ 

民家の花壇に咲いた見慣れない白菊の花に多数のオオハナアブPhytomia zonata)が群がっていました。 
1匹の♀に注目して訪花シーンの動画を撮りました。

口吻を伸縮させて花蜜や花粉を舐めています。 
少し飛んで白菊の花から花へと移動します。 
オオハナアブ♀の脚や口吻、腹部下面は黄色い花粉にまみれているので、送粉者として働いているようです。 

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:22〜) 
左手をかざして影を作ったら身の危険を察知したオオハナアブ♀は飛んで逃げたものの、やがて同じ花に舞い戻ってきました。

この菊は見慣れない種類で、園芸植物に疎い私は名前を知りませんでした。 
草丈がとても低いので、矮小化された園芸品種なのでしょうか? 
素人目にはノジギクの仲間かな?と思うものの、今回撮影したのは日本海側に属する山形県の内陸地方なので、ノジギクの自然分布域から全く外れています。
・本州(兵庫県以西)・四国・九州の瀬戸内海・太平洋沿岸近くの山野などに自生する(wikipedia:ノジギクより引用) 
・主に海岸の岩場に生えるが、少し内陸に入った道ばたや耕地周辺に生えていることもある。(山渓ハンディ図鑑11『日本の野菊』p24より引用)

それでも園芸植物としてノジギク(野路菊)が流通しているらしく、たまたま路地裏(道端の花壇)で見つけたこともあり、ここではノジギク?としておきます。 
草丈が低い(茎が短い)のは、海岸の岩場のような風の強い場所に適応進化したのでしょう。
もしも外来植物(海外から輸入された園芸品種の菊)だとしたら、私にはお手上げです。 




【アフィリエイト】 

2024/10/17

ニラの花蜜を吸い飛び回るミドリヒョウモン♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年10月上旬・午前11:30頃・晴れ 

郊外の道端に咲いたニラの群落でミドリヒョウモン♀(Argynnis paphia)が訪花していました。 
本種♀との組み合わせは初見です。 

関連記事(7年前の撮影)▶ ニラの花蜜を吸うミドリヒョウモン♂ 


羽ばたきながら口吻を伸ばして吸蜜しています。 
しばらくすると落ち着いて、翅をほぼ全開にしてくれました。 
左後翅の肛角付近が大きく破損した個体でした。 左右対称なので、鳥に襲われかけたビークマークなのでしょう。 

ニラの花から花へ忙しなく飛び回ります。 
 力強く羽ばたいて飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:48〜) 
ミドリヒョウモン♀と入れ替わるように、飛来したツチバチの一種♂が横切りました。


2024/10/13

ナギナタコウジュの花蜜を吸い飛び回るウラナミシジミ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年10月上旬・午後14:25頃・晴れ 

里山の峠道の傍らに咲いたナギナタコウジュの群落でウラナミシジミ♀(Lampides boeticus)が訪花していました。 
意外にも、この組み合わせを撮れたのは初めてです。 
翅をしっかり閉じて口吻を伸ばし、吸蜜していました。 

ウラナミシジミの後翅には尾状突起があるはずなのに、この個体は失っていました。 
左右対称の損傷なので、鳥につつかれたビークマーク(食痕)と思われます。 
鳥を騙す自己擬態の作戦が奏功して、命からがら生き延びたことになります。
後翅の後端には黒い斑点が2つあり、2つの斑点の間には細い尾状突起が突き出ている。この黒い斑点と尾状突起は複眼と触角に似ていて、頭部に似た模様をもつことで身体の方向や頭部の位置について敵の目をあざむいていると考えられている。(wikipedia:ウラナミシジミより引用)
ウラナミシジミの性別を知るには、翅表の斑紋を見る必要があります。 
ナギナタコウジュの花穂から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:22〜) 
素早く羽ばたいて次の花へ飛び去ったのですが、スーパースローで見えた翅表から♀と判明しました。

2024/10/05

ヤマハッカの花蜜を求めて飛び回るイチモンジセセリ【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年9月下旬・午前11:35頃・晴れ 

里山の山腹に咲いたヤマハッカの群落で複数のイチモンジセセリParnara guttata)が訪花していました。 
翅を閉じたまま口吻を伸ばして吸蜜しています。

イチモンジセセリがヤマハッカの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:54〜) 
素早い羽ばたきと滑空を交互に繰り返す飛翔のリズムが独特です。


減少率が顕著な鳥と蝶のリストが掲載されていて、私のフィールドでの体感にもほぼ合致していたのですが、その中にイチモンジセセリが含まれていたことに衝撃を受けました。
イチモンジセセリなんか、ごくごくありふれた普通種で、虫好きは誰も見向きもしない蝶だったのに、まさか希少種になる日が来るとは思いもよりませんでした。
生物多様性が急激に減少し、ますます単調で貧困な生態系になりつつある現状に危機感を覚えます。
今の子供が昆虫採集やバードウォッチングに目覚めても、(周りの大人が必死でお膳立てをしてあげないと)ちっとも面白くないだろうなーと同情してしまいます。
次世代の虫好きや鳥好きが育たないのも悪循環の一因です。

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