2023/05/20

給餌場のドングリが無くなったらすぐに通常の探餌徘徊モードに戻る野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年10月下旬

私のミスで動画を公開する順番を間違えてしまいましたが、2回目に給餌したドングリを野ネズミ(ノネズミ)が全て運び去った後の話です。 

シーン1:10/20・午後19:08 
昼間は巣穴で寝て休んだ野ネズミが、夜になると再びやって来ました。 
給餌場(カラマツの根本)にはもはや立ち寄らず、その左下エリアの斜面をウロチョロしてから消えました。 


シーン2:10/21・午前3:34・(@0:09〜) 
右の斜面で餌を探し歩いています。 
一旦カラマツの背後に回り込んでから、しばらくすると再び右斜面に戻って来ました。 
最後は右上に走り去りました。 


シーン3:10/22・午後22:20・(@0:45〜) 
画面の右から登場し、右斜面で探餌徘徊しています。 
シシガシラというシダ植物が生い茂る斜面で長々と立ち止まっていたのは、ただの休息でしょうか。
ひょっとすると拾った堅果(ドングリなど)を貯食したのかもしれません。 
最後は右上に走り去りました。 


シーン4:10/22・午後23:12・小雨(@1:41〜) 
左斜面を徘徊していた野ネズミがカラマツの木の背後を通って右斜面へ移動しました。 
小雨が降り出したようです。 


シーン5:10/22・午後23:16・(@2:32〜)
左下にさっと走り去りました。 


シーン6:10/23・午前3:38・(@2:38〜) 
右斜面の暗がりで探餌徘徊。 


シーン7:10/23・午前4:28・雨(@2:50〜) 
雨が降る中、右斜面のウロチョロしてから右上に走り去りました。 


シーン7:10/24・午前2:43・雨(@2:58〜) 
翌日は未明になって初めて登場しました。 
左斜面を徘徊してからカラマツの木の背後を回り込んで右斜面に移動。 



初めて(1回目)給餌したときは、ドングリを自分で全て運び去った後も未練がましく何度も餌場に戻ってきてはドングリがもう無いことを確認していました。 


2回目の給餌では学習して、そのような無駄な行動はしなくなりました。 
餌場が空っぽになったら直ちに通常の探餌徘徊モードに切り替わりました。 


※ 暗視動画が暗い場合は、動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 


ニンジンの実に群がり吸汁するアカスジカメムシ

 

2022年10月下旬・午後15:30頃・くもり 

山麓の家庭菜園でニンジン(人参)の白い花が咲き終わって多数の果実がついていました。 
そこでアカスジカメムシGraphosoma rubrolineatum)が吸汁していました。 
隣にはニンジンの花が未だ咲いている株もあるのに、果実にばかり集まっている(訪花しない)ということは、花蜜には興味がないのでしょう。 
アカスジカメムシはセリ科植物を好むので、ニンジン畑の害虫とされています。 
複数個体を見かけましたが、集合するというよりも、複数の株に分散して(互いに離れて)吸汁していました。 

この畑はニホンザルやイノシシなどの害獣対策で電気柵が張り巡らされています。 
撮影に夢中になった私はうっかり身を乗り出して電気柵の電線に触れそうになり、焦りました。

2023/05/19

明け方にスギ林道の下草を食べ歩くニホンカモシカ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年10月下旬・午前5:05・気温9℃ (日の出時刻は午前5:58) 

自動撮影カメラで見張っている杉林道で明け方の暗い時間にニホンカモシカCapricornis crispus)が右からやって来ました。 
この地点でカモシカの採食シーンが撮れたのは初めてです。 
画面の右端でムシャムシャ食べているメニューは何でしょう? 
(トリアシショウマの葉? ヌスビトハギの葉? コシアブラ幼木の葉?) 

今回は珍しく道端のスギ落枝も素通りして(眼下腺マーキングしないで)左に歩き去りました。 



雨夜の山林でカエルと野ネズミがニアミスすると…【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年10月下旬・午前5:20頃・小雨 (日の出時刻は午前5:59) 

冒頭のシーンは明るい昼間に撮った現場の様子です。 
カラマツの木の根本にドングリ(ミズナラの堅果)を山盛りに給餌しました。 

小雨が降る未明に野ネズミ(ノネズミ)が餌場に通い、ドングリを1個ずつ咥えて持ち去ります。
それまで全く気づかなかったのですが、画面右下の斜面にいつの間にか小さなカエル(種名不詳)が居ました。(赤丸に注目) 
そのカエルが斜面の上に向かって2回連続して跳びました。 
少し休んでから斜面をノソノソと歩いて登り、カラマツに近づきます。 
小雨がポツポツ降っているので活発なようです。 

次にトレイルカメラが起動すると(@0:54〜)、餌場に戻って来ていた野ネズミが次に運ぶドングリを選んでいました。 
野ネズミが給餌場に戻る途中でカエルとニアミスしたら捕食するかどうか、興味があったのですが、ドングリに夢中の野ネズミは地面のカエルを素通りして(飛び越えた?)まっしぐらに餌場に戻ったようです。 
野ネズミがドングリを持ち去り餌場から居なくなると、それまでじっとしていたカエルは再び斜面をゆっくり歩いて登り始め、方向転換して右向きになりました。 

次にトレイルカメラが起動すると(@1:42〜)、野ネズミが餌場でドングリを選び、どこかに運んで貯食します。
次に野ネズミはカエルとは逆の左から給餌場に戻り、結局カエルとニアミスしませんでした。 
右を向いて静止しているカエルが瞬きしました。 

カエルが林床でおとなしくじっとしていれば、野ネズミは気づかないのかもしれません。 
野ネズミがカエルを捕食することがあるのかどうか、飼育下で与えてみれば実験することはできそうです。
変温動物のカエルが単独で動き回っても、本来ならカメラのセンサーに動体検知されません。 
今回は恒温動物の野ネズミが忙しなく餌場と行き来してくれたおかげでカメラが起動し、たまたま夜のカエルの活動を記録してくれました。

関連記事(2週間前の撮影)▶ 夜の林床で虫に跳びついて捕食するカエル【トレイルカメラ:暗視映像】

※ カエルに動きのない退屈なシーンは5倍速で早送りしてあります。


 

2023/05/18

秋の夜にスギ林道を出歩く冬眠前のニホンアナグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年10月下旬・午後21:04・気温6℃ 

里山のスギ林道を見張っているトレイルカメラにニホンアナグマMeles anakuma)が久しぶりに写りました。 
林道を右からノソノソと登場し、画面下の死角に消えました。 
林道脇の法面にある獣道を登って行ったのかもしれません。 
今回は溜め糞場sで排便したりスクワットマーキングしたりするどころか、匂いも嗅がずに素通りしました。 

溜め糞場sに設置したトレイルカメラに今季(2022年度)アナグマが写ったのは、これが最後になりました。 
監視カメラの存在を嫌って、別の溜め糞場を使うようになったのかな? 
これを検証するには、森の中に設置するトレイルカメラの数をもっと増やさないといけません。
未だ秋なのに、アナグマは早くも冬眠に入ったのでしょうか?
気温が10℃を切ると、アナグマの餌となるミミズや虫がなかなか取れなくなるのかもしれません。
 
セットと呼ばれるアナグマの巣穴群を見つけるのが次の課題です。 
冬も活動するのであれば、雪面に残った足跡を追跡して巣穴を突き止められるかもしれませんが、冬眠する動物に対してその手は使えません。 

セイタカアワダチソウの花蜜を吸うクロマルハナバチの雄蜂♂

 

2022年10月下旬・午後13:45頃・晴れ 

川辺りに咲いたセイタカアワダチソウの群落でクロマルハナバチBombus ignitus)の雄蜂♂が訪花していました。 
この組み合わせは、意外にも初見です。 
(ワーカー♀の訪花シーンも撮ってませんでした。)
花穂を歩き回りながら吸蜜しています。 

奥の河畔林は晴れているものの、林縁には日が射していませんでした。

2023/05/17

アルビノの子猿と互いに毛繕いするニホンザル♀

 

2022年10月下旬・午後16:30頃・くもり 

夕方の山麓で野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れと遭遇しました。 
スギ植林地の林縁に真っ白なアルビノの子猿が居ました。 
スギの樹皮を齧ったり剥いだりして、採食の真似事(独り遊び)をしていました。 

やがて白猿は左に座っていた母親の元に駆け寄りました。 
母親♀の胸に長くて赤い乳首が目立ちますが、子猿は吸いつこうとしません。 
もう乳離れしているようです。 
土手に生えたイヌタデの群落が邪魔で、ニホンザル母子の姿がよく見えません。
猿を怖がらせないように私がゆっくり横にずれて、なんとか撮影アングルを確保しました。 
母親の毛皮の色は表現型として正常です。
アルビノという形質がメンデルの法則に従うと仮定すると潜性遺伝(昔の用語では劣性遺伝)で、母親は毛皮の色を支配する遺伝子座がヘテロなのでしょう。

アルビノの子ザルは口をモグモグさせながら、左手で左脚を掻き、目の前の下草を採食しました。 
私の背後(山側)から木の枝がバキッと折れる音とガガガ♪とサルが威嚇する鳴き声が聞こえました。 
別個体のニホンザルがおそらく私に対して威嚇しているようですけど、振り返らずにアルビノの撮影を優先します。 
その騒ぎに反応して母子が顔を上げました。 
母親に比べて、白猿の瞳の色が明らかに薄いです。 
したがって、白変種ではなく真正のアルビノのようです。 

しばらくすると、母猿がアルビノの子猿に対して毛繕いを始めました。(対他毛繕い@1:42〜) 
子猿の後頭部や背中の白い毛を掻き分けて、甲斐甲斐しく蚤取りしてあげています。 
純白の毛皮に紛れたノミを見つけるのは非常に難しいのではないでしょうか? 
アルビノ個体の抱えるデメリットの一つかもしれません。 
子猿も振り返って、拙い手つきで母親の毛繕いを始めました。(相互毛繕い) 

母猿が自分の腕に付着したひっつき虫に気づき、自分で取り除いて食べました。(@2:15〜) 
ひっつき虫を捨てるのではなく食べたというのが重要なポイントです。
ニホンザルは頻繁に毛繕いするので、せっかく毛皮に付着しても「ひっつき虫」が種子散布に成功する率はかなり低そうです。 

ざらついた粗い画質の動画ですが、とにかく非常に暗くて、私のカメラでは撮影の限界でした。
薄暗くても白猿は非常によく目立ちます。 
捕食者が居る環境だと目立つアルビノはかなり不利なはずです。
しかし結構な頻度で白猿を見かけるということは、現代日本の山林にニホンザルの捕食者は不在なのでしょう(捕食圧が低い)。 
それとも、この辺りの個体群の血が濃くなっているせいで潜性遺伝のアルビノが生まれやすくなっているのでしょうか?(近親交配)
ヒトはなぜかアルビノを神秘的に思う(畏敬する)奇妙な習性があるので、狩猟でニホンザルを害獣駆除する際も白猿は見逃してもらえるようです。(アルビノに対して狩猟圧も低い) 
逆に冬になれば、雪国のアルビノは完璧な保護色となります。
しかし晴れると雪に反射した強い紫外線によって、瞳の色素が薄いアルビノは特に目を痛めやすいはずです。(雪目、雪盲、雪眼炎)

この杉林はニホンザルの集団ねぐらであることが後に判明します。(動画公開予定)

夜の山林でカラマツの木を登るコアオマイマイカブリ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年10月下旬・午前4:10頃 

山林のカラマツの根本に置いたドングリを野ネズミ(ノネズミ)が貯食のために持ち去る様子を無人カメラで撮影していると、未明に意外な珍客が現れました。 
暗視動画の冒頭で、野ネズミが餌場からミズナラの堅果を咥えて右に持ち去りました。 
トレイルカメラのセンサーが熱源を動体検知してから1分間録画するように設定しているのですが、 野ネズミが居なくなってからマイマイカブリ登場までの空白期間は、5倍速の早回しに加工しました。 

やがて画面右下から大型の甲虫が登場しました。 (@0:13〜)
雑木林の斜面を歩いて斜めに登り、カラマツの木へ向かっています。 
この独特のシルエットは間違いなくマイマイカブリです。 
山形県南部に生息するマイマイカブリは、コアオマイマイカブリDamaster blaptoides babaianus)という亜種なのだそうです。 

1分半後にカメラが再び起動すると、野ネズミは次のドングリを口に咥えて斜面の下に運んで行くところでした。
さっきのコアオマイマイカブリはどこに行ったのかと思いきや、なんとカラマツの幹をよじ登っていました!(赤丸にご注目 @0:37〜)

コアオマイマイカブリは獲物となるカタツムリを探してカラマツの木に登ったのでしょうか?
「木に縁りて魚を求む」とは「わざわざ木に登って魚を捕ろうとするような愚かなことは避けよ」と戒める故事ですが、陸貝(カタツムリ)は樹上にも居そうですね。
それとも、暗闇で野ネズミと鉢合わせして、慌てて樹上に避難したのかな?
コアオマイマイカブリと野ネズミがニアミスした瞬間が動画に撮れてなくて残念でした。
野ネズミはマイマイカブリを見つけたら、その場で捕食するでしょうか? 
マイマイカブリは自衛用の化学兵器を内蔵しているらしいので、野ネズミが噛み付こうとしても撃退したはずです。   
(マイマイカブリは)危険を感じると尾部からメタクリル酸とエタクリル酸を主成分とし、強い酸臭のある液体を噴射する。(wikipediaより引用)

今回、野ネズミは給餌場(宝の山!)からドングリを1個ずつ運び出して貯食するのに夢中でした。
栄養価の高いドングリを運搬中にマイマイカブリと出会っても、構わず見逃した可能性が高そうです。
マイマイカブリを野ネズミが捕食するかどうか、飼育下で与えてみる実験は(やろうと思えば)できそうです。


変温動物のコアオマイマイカブリがいくら動き回っても本来トレイルカメラは起動しません。 
恒温動物の野ネズミがたまたま貯食活動に励んでくれていたおかげで、今回の動画が記録されました。

関連記事(2ヶ月前の撮影)▶ コアオマイマイカブリの幼虫を見つけた!

実は、現場付近の林床で本種の幼虫を見つけています。 
本気になって探せば、意外にマイマイカブリの生息密度が高いのかもしれません。 
ということは、獲物となるカタツムリが多い豊かな自然環境なのでしょう。 

2023/05/16

山林の小径を夜に通って溜め糞場で排便するホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年10月下旬〜11月上旬

山林の斜面をトラバースする細い山道に溜め糞場dが以前からあります。
通りかかる度に定点観察すると、どうもこの溜め糞場dは小規模で、なかなか持続しません(すぐに消失する)。
この山道は、谷側のスギ植林地と山側の雑木林のちょうど境界になっています。 
溜め糞場を見下ろすように斜面の山側にトレイルカメラを設定して、何者が通ってきているのか監視してみましょう。 

シーン1:10/31・午後19:50 
丸々と太ったホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が右から登場しました。 
溜め糞場dの匂いを嗅いでから左を向いて跨がったものの、短時間過ぎて脱糞したようには見えません。 
(排尿マーキングした可能性は?) 
道端に転がっている丸太の匂いを嗅いでから、ゆっくりと左に立ち去りました。 


シーン2:11/3・午後21:05 (@0:29〜) 
4日ぶりにタヌキが登場。
同一個体かどうか不明です。
林道を右から来て、溜め糞の匂いを嗅いでいました。 
後ろ向きで排便したものの、フサフサした尻尾で肛門が隠れてしまい、糞の状態をしっかり確認できませんでした。 
用を足すとノソノソと左に歩いて行きました。 


残された溜め糞が下痢便の状態だと、どの野生動物の糞か素人には見分けるのが困難です。 
自動撮影カメラのおかげで、溜め糞場dはタヌキの仕業と確かめることができました。 
スギ林道の溜め糞場sと異なり、この地点ではカメラの設置期間中にアナグマは一度も現れていません。 

ヘリアンサス「レモンクイーン」の花蜜を吸うイチモンジセセリ

 

2022年8月中旬・午後14:30頃・晴れ 

山麓の農村部で民家の裏庭でヘリアンサス「レモンクイーン」が背高く繁茂し薄い黄色の花を咲かせていました。
その群落でイチモンジセセリParnara guttata)が訪花していました。 
翅を閉じて吸蜜しています。 
少し飛んで隣の頭花に移動しました。 

ツマグロキンバエ?も訪花していました。 
ミンミンゼミ♂がやかましく鳴いています♪

2023/05/15

杉林道を歩くニホンカモシカの記録:2022年10月中旬〜下旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年10月中旬〜下旬 

里山のスギ林道に設置した自動撮影カメラに写ったニホンカモシカCapricornis crispus)の記録です。 
未だしっかり個体識別できていませんが、どうも複数個体が同じ林道をパトロールしているようです。 


シーン1:10/12・午後19:14・気温12℃ 
林道を左から来たカモシカが、道端から突き出たスギ落枝の先端に顔をゴシゴシと擦りつけていました。 
眼下腺による匂い付けが済むと、右へゆっくり歩き去りました。 


シーン2:10/13・午後17:55・気温13℃ (@0:14〜) 
翌日、日が暮れて真っ暗になった林道を右からやって来ました。 
ちなみに、日の入り時刻は午後17:08。 
起動したカメラに気づいて警戒し、左前脚を上げたままカメラ目線でフリーズしています。 
警戒を解くと、そのまま左へ立ち去りました。 


シーン3:10/15・午後20:41・気温13℃ (@0:25〜) 
2日後の晩に林道を右から登場。 スギ落枝の先端部の匂いを嗅いでから眼下腺マーキングして行きました。 


シーン4:10/15・午後16:23・気温16℃ (@1:23〜) 
翌日の夕方に林道を右から歩いてきました。 
スギ落枝に眼下腺マーキングしてから、左へ立ち去りました。 
左の下腹部エリアの毛が白いですけど、個体識別に使えるかどうか分かりません。 


シーン5:10/15・午後20:57・気温14℃ (@1:51〜) 
4時間半後の晩に、カモシカが林道を左からやって来ました。 
眼下腺マーキングをしないで右へ素通りしました。 
この日は3回もニホンカモシカが通りました。


シーン6:10/16・午後15:33・気温17℃ (@2:00〜) 
翌日の午後、左から来たカモシカが匂い付けしないで右へ素通り。 


シーン7:10/16・午後17:42・気温16℃ (@2:14〜) 
約2時間後、日が暮れて真っ暗になってから林道を右から登場。 
ちなみに日の入り時刻は午後17:04。 
道端のスギ落枝に眼下腺マーキングして行きました。 
左下腹部が白い個体です。 


シーン8:10/19・午前2:47・気温7℃ (@2:31〜) 
林道脇に固定した監視カメラを少しずらして、カモシカがマーキングするスギ落枝が画角内にしっかり収まるようにしました。 
そうすると今度は溜め糞場sで排便する動物たち(タヌキとアナグマ)が画角に収まらなくなってしまうのですけど、しばらくはカモシカの撮影を優先します。

前回から3日後の深夜、左から登場したカモシカが、スギ落枝に対して念入りに眼下腺マーキングしていました。 
角が細くて右肩に黒斑がある個体です。 

頭を下げて林道上に残る溜め糞場sの匂いを嗅いでから、スギの幹や根元の下草を念入りに嗅ぎ回っています。 
ヒトによる立ち小便の痕跡を気にしているのかな? 
フレーメン反応は示しませんでした。 

踵を返すと林道を手前に渡り、ちらっとカメラ目線になりました。 
最後は林道脇の法面(斜面の獣道)を登って行ったようです。 


シーン9:10/19・午後19:36・気温8℃ (@4:11〜) 
16時間45分後、同じ日の晩に林道を右から登場。 
スギ幹の根元を嗅いでから、スギ落枝に眼下腺で匂い付け。 
ゆっくりと左に立ち去りました。 


シーン10:10/23・午後17:05・気温12℃・小雨 (@5:11〜)
4日後、ニホンカモシカが林道を右からやって来ました。 
いつものように、通りすがりに道端のスギ落枝に眼下腺マーキングして行きました。 
毛皮が雨で濡れると、毛並みがいつもとは違って見えます。 
左の下腹部が白い個体でした。 

 

↑【おまけの動画】 
同じ1本の動画にまとめようとしたのですが、なぜかファイル形式が微妙に違っていて連結できませんでした。 
続きをブログ限定で公開しておきます。 


シーン11:10/24・午前10:16・気温9℃ 
翌日の午前中に林道を右から登場したカモシカが、通りすがりにいつものようにスギ落枝に眼下腺マーキング。 
左に立ち去りました。



タヌキの溜め糞場で活動するヨツボシモンシデムシ

 

2022年10月下旬・午後14:45頃・くもり 

里山の斜面をトラバースする細い山道をときどき通りかかる度に、溜め糞場dを定点観察しています。 
この山道は、スギ植林地と雑木林のちょうど境界になっています。
ここは小規模な溜め糞で持続しない(すぐに消失する)のですが、この日は珍しく新鮮な下痢便が残されていました。 
下痢便の状態だと、どの野生動物の糞か見分けるのが困難です。 
よく下痢をするイメージがあるアナグマの糞でしょうか? 
この地点に後日トレイルカメラを設置して監視したところ、ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が排便に通っていることが確かめられました。

多数のベッコウバエ類やフンバエ類が溜め糞に群がっている他に、ヨツボシモンシデムシNicrophorus quadripunctatus)の鮮やかなオレンジ色が目を引きました。 
上翅(=鞘翅)後方の紋が翅端に達するので、マエモンシデムシではなくヨツボシモンシデムシと見分けられます。(参考:『くらべてわかる甲虫1062種』p33) 
てっきり屍肉食専門だとばかり思い込んでいたので、獣糞にも来るとは知りませんでした。 


別の溜め糞場で1年前に撮った写真にヨツボシモンシデムシがたまたま写っていました。 
死肉食性のヨツボシモンシデムシが獣糞に来ることが当時は半信半疑だったのですけど、今回ようやく決定的な証拠映像を撮ることができました。 

溜め糞の半分は水気の多い泥状の液状便(下痢便)でした。 
ヨツボシモンシデムシは水気の少ない側の糞塊に1匹だけ居ました。 
タヌキの黒い糞塊に頭を突っ込んでいるのですが、獣糞を食べているのか吸汁しているのか、肝心の口元がよく見えません。 
途中で糞塊から後退したら顔が見え、触角の先端も橙色でした。 
最後は糞塊の縁を歩いて回り込み、湿った部分の下にグイグイ潜り込み、身を隠しました。 

※ 鬱蒼とした山林のおそろしく暗い林床で撮った映像が編集時の自動色調補正で改善しました。 
その副作用として、ベッコウバエやヨツボシモンシデムシのオレンジ色がどぎつく強調されています。
15cm定規を溜め糞に並べて置く

2023/05/14

餌場に一晩中通ってドングリの山を持ち去る野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年10月下旬

シーン0:10/24 
明るい日中に撮った現場の様子です。 
カラマツの根元に浅く穴を掘り、給餌3回目は持参したミズナラの堅果47個を山盛りに積み上げました。 
(それ以上増やすと、ドングリの山が崩れて斜面にこぼれ落ちてしまいます。)
根元が強く湾曲したカラマツの幹の下の給餌場には、落ち葉が積もってドングリが隠れることもありませんし、雨が降ってもかからず地面は常に乾いています。 
ちなみに、シギゾウムシの老熟幼虫5匹がドングリから脱出していました。 


シーン1:10/30・午前3:59 (@0:03〜) 
給餌してから6日も経った未明、ようやく野ネズミ(ノネズミ)がドングリを見つけてくれました。 
幼根が伸びかけたドングリは、野ネズミにとってあまり魅力がないのかな?(良い匂いがしなくなる?) 
野ネズミはようやく1個のドングリを選んで口に咥えると、左へ持ち去りました。 


シーン2:10/30・午前4:00 (@0:21〜)
野ネズミは餌場でドングリを吟味すると、今度は右へ持って行きました。 
しばらくすると、右から餌場にまっしぐらに駆け戻って来ました。(@0:35〜) 
今度はドングリを斜面の下に持ち去りました。 
どこか林床に穴を掘ってドングリを隠しているはずですが、貯食にほとんど時間をかけていないこと、そして貯食場所を毎回変えていることが分かります。 


シーン3:10/30・午前4:06 (@0:53〜) 
どうやら野ネズミは学習して作業効率が良くなり、ドングリを吟味せずにとにかく夜が明ける前にスピード重視で次々と運ぶようになりました。 
その結果、トレイルカメラの起動が間に合わないことが増えました。 

画面の左上の暗がりの斜面で、野ネズミの白く光る眼が動いています。 
ドングリの貯食に手間取っているようです。 


シーン4:10/30・午前4:09 (@1:03〜) 
またもや監視カメラの起動が間に合わず、ドングリを咥えて右に運び去る様子が撮れただけでした。 


シーン5:10/30・午前4:12 (@1:11〜) 
カメラの起動が間に合わず、野ネズミはドングリを下に持ち去りました。 


シーン6:10/30・午前4:15 (@1:16〜) 
今回もカメラの起動が間に合わず、ドングリを下に搬出。 


シーン7:10/30・午前4:29 (@1:21〜) 
今回は左に搬出。 


シーン8:10/30・午前4:31 (@1:27〜) 
久しぶりに餌場に来ている野ネズミの姿が撮れました。 
選び出したドングリを咥えて左に運び去りました。 
途中でドングリをうっかり落としてしまいましたが、すぐに拾い直すと運搬再開。 


シーン9:10/30・午前4:34 (@1:40〜) 
またもやカメラの起動が間に合わず、野ネズミはドングリを下に持ち去りました。 


シーン10:10/30・午前4:40 (@1:45〜) 
カメラの起動が間に合わず、ドングリを下に搬出。 
どうも貯食する場所が斜面の下側に偏るようになりました。 
…と思いきや、ドングリを咥えたまま野ネズミが下から餌場に戻って来ました。 
餌場を素通りして左へ向かいます。 
安全な貯食場所を探し求めて、夜の林床を右往左往しています。 


シーン11:10/30・午前4:41 (@2:03〜) 
カメラの起動が間に合わず、ドングリを咥えて下に運び去りました。 
今回はドングリの尖った端を咥えて運んでいました。 


シーン12:10/30・午前4:50 (@2:11〜) 
カメラの起動が間に合わず、下に搬出。 
今度はドングリを横に咥えています。 
特にドングリを咥える向きに決まりはないようです。 


シーン13:10/30・午前4:52 (@2:18〜) 
ようやく給餌場でドングリを吟味する姿が撮れました。 
選んだドングリを1個咥えて下に持ち去ります。 
途中でドングリがうっかり口から滑って落としても、すぐに拾って運送業務に戻ります。 
どうやら小雨がポツポツと降っているようです。 


シーン14:10/30・午前4:55 (@2:34〜) 
野ネズミの動きが早過ぎて、またカメラの起動が間に合いません。
ドングリを咥えて斜面を下へ駆け下ります。 


シーン15:10/30・午前4:57 (@2:42〜) 
今回もカメラの起動が間に合わず、ドングリを下に搬出。 
すぐに野ネズミが空荷で下から餌場に戻って来ました。 
次は選んだドングリを右に運び去りました。 
途中で立ち止まると、ドングリを咥え直してから運びます。 


シーン16:10/30・午前5:01 (@3:08〜) 
右から給餌場に戻って来る様子が撮れていました。 
ドングリを選ぶと、今度も右に持ち去りました。 
右から餌場に戻ると、再度右に搬出。 
1分間の録画時間で餌場と貯食場所を2往復半もしたことになります。 
しかも貯食場所は毎回少しずつ変えているはずです。 
おそるべきスピードですが、貯食作業が雑になっているのではないかと心配です。 
餌場の近くに埋めているのでしょう。


シーン17:10/30・午前5:01 (@3:40〜) 
野ネズミが右から餌場に戻って来ました。 
ドングリを一つ選んで口に咥えると、右に運び去りました。 
すぐにまた右から餌場に戻り、次もドングリを右へ運搬。 


シーン18:10/30・午前5:03 (@4:18〜) 
餌場で吟味したドングリを左に持ち去りました。 
すぐに左から餌場に戻ってくると、次もドングリを左へ搬出。 


シーン19:10/30・午前5:05 (@4:42〜) 
給餌場で選んだドングリを左へ運搬。 
左から餌場に戻って来ると、次もドングリを持って左へ。 


シーン20:10/30・午前5:06 (@5:09〜) 
餌場でドングリを選び、すぐに左へ持ち去りました。 
忙しなく左から餌場に戻ってくると、次もドングリを左へ搬出。 


シーン21:10/30・午前5:09 (@5:36〜) 
シシガシラの群落が生い茂る左の斜面を上から降りて来ました。 
餌場でドングリを選ぶと、今度は右へ運び去りました。 


シーン22:10/30・午前5:12 (@6:01〜) 
給餌場で選んだドングリを持って右へ。 


シーン23:10/30・午前5:14 (@6:10〜) 
餌場でドングリを選ぶと、今度はカラマツの木を右から背後に回り込んで斜面の上へ持ち去りました。 
その後も暗闇の右斜面を動く野ネズミの白い目が光ってチラっと見えました。 


シーン24:10/30・午前5:18 (@6:17〜) 
トレイルカメラの起動が間に合わず、前回と同じルートでドングリを素早く持ち去る野ネズミの姿が写っていました。 


シーン25:10/30・午前5:22 (@6:24〜) 
餌場でドングリを咥えると、今度はカラマツを左から回り込んでから斜面を上へと登って行きました。 


シーン26:10/30・午前5:24 (@6:37〜) 
餌場で選んだドングリを持って、左の斜面へ運んで行きました。 
やがて左から餌場に駆け戻ると、今度はドングリを左上に持ち去りました。 
未明の貯食活動はこれが最後でした。 
ちなみに、日の出時刻は午前5:59です。 


シーン27:10/30・午前17:56 (@7:08〜) 
明るい昼間に野ネズミが外を出歩くのは危険なので、どこかの巣穴で寝ています。 
日が暮れると給餌場にまた来てくれました。 
ちなみに、日の入り時刻は午後16:46。 
残っていたドングリを口に咥え、左に運び去りました。 

野ネズミが給餌場に通ってくれたのは、これが最後になりました。 
餌場でドングリの山を発見してから、わずか1日でほとんど全てを持ち去って貯食したことになります。 
その場でドングリを食べることはありませんでした。 
実は餌場にはドングリがまだ1個残っているのに、暗闇では見落としたのでしょうか。 


※ 映像が暗い場合は、動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 
餌場の状況ビフォー&アフター写真を追加する?


野ネズミを個体識別できていませんが、これほど頻繁に給餌場に通って来るということは、複数個体なのかもしれません。
例えば、♀♂番が交互に通っている可能性が考えられます。
それなら一度くらいは餌場で鉢合わせするシーンが監視カメラに撮れていてもおかしくありません。
実際、全く別の地点(河畔林)では野ネズミ同士が喧嘩していました。(映像公開予定
この地点(カラマツ木の下)では野ネズミ同士の鉢合わせが記録されていないということは、同一個体が繰り返し通ってきていると今のところは考えています。

トレイルカメラの録画時間を1分間からもっと延長すれば、撮り損ねが減るでしょうか?
試行錯誤する価値がありそうです。


【追記】
10/31に現場検証すると、給餌場にはドングリの食べかす(野ネズミが割った殻と幼根)が残されていました。






ヤマボウシの熟果を次々に舐めるキアシナガバチ♂

 

2022年10月下旬・午後15:25頃・晴れ 

河川敷の広場に植樹されたヤマボウシの生垣が紅葉し始め、熟した果実が赤く色づいていました。 
その熟果にキアシナガバチPolistes rothneyi)の雄蜂♂が来ていました。
顔色が白いかどうかしっかり正面から見せてくれませんでしたが、触角が長くてカールしているので、ワーカー♀ではなく雄蜂♂ですね。 

どうやらヤマボウシの甘い果汁を舐めているようですが、肝心の口元をどうしても見せてくれません。 
撮影後にヤマボウシの熟果を調べても、食痕や傷口は見当たりませんでした。 
肉眼では果皮から甘い果汁が滲み出しているようには見えないので、熟果の甘い芳香に誘引されただけかな?
スズメバチなら鋭い大顎で果肉を食害したかもしれません。 
キアシナガバチ♂はヤマボウシの果実や枝葉を渡り歩いたり少し飛んだりして、次の熟果へ向かいます。 

性フェロモンの原料など何かキアシナガバチ♂の繁殖行動に必須の化学物質をヤマボウシ熟果から摂取しているのだとしたら面白いのですけど、どうでしょうか? 
しかし、ニクバエも同じヤマボウシの熟果に誘引されていたので、やはり甘い汁を吸いに来たのではないかと考えています。




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