2023/07/22

初冬の険しい山道で新たに見つけたタヌキの溜め糞場

 

2022年12月上旬・午前11:30頃・くもり 

初雪が降った翌日に長靴を履いて里山に登りました。 
この日は地図にも載っていない新しいルートを開拓します。 
ふくらはぎが攣りそうになりながら急峻な山道を息せき切って登っていると、ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞場pを新たに見つけました。 
山道(尾根道の枝)の地面には広葉樹の落ち葉やスギ落枝が散乱しています。 
その落葉の上に新鮮な糞塊が大量に残されていました。 
これまで私が見てきた溜め糞の中でも最大クラスです。 

気温の低い冬はもう糞虫などの活動が無いので獣糞は分解されなくなり、溜め糞は溜まる一方です。 
寒くてハエすらも一匹も来ていませんでした。 
平坦な場所ではタヌキの溜め糞はこんもりとした山状の糞塊になります。 
一方ここでは細い山道に沿ってかなり広範囲に溜め糞が形成されているのは、地形(急坂)のせいと思われます。 
タヌキも急斜面の山道で排便姿勢を保つのが大変なのでしょう。 
イヌは排便の際に南北方向を向くらしいのですが、好みの方角を向くよりも排便中にバランスを崩して急斜面から転げ落ちないようにすることが大事です。 

本当にタヌキが排便に通っていることを証明するために当然トレイルカメラで監視したいところですが、どうにも設置しにくい場所なので後回しになっています。 
地面には前日に降った初雪が所々にうっすらと残っています。 
周囲のスギ植林地の枝葉がうっすらと雪化粧しています。
山道をもう少し登ると雑木林に移行します。 

根雪が積もってもタヌキは険しい雪山の溜め糞場pに通ってくるのでしょうか?
こんな急斜面では雪崩が多発しそうです。
ちなみに、ホンドタヌキはエゾタヌキと違って冬ごもりをしません。
 

翔べ!ダイサギ(野鳥)

 

2022年10月下旬・午後15:00頃・晴れ 

古寺卍本堂のトタン葺きの屋根の天辺(大棟)にダイサギArdea alba)が単独で佇んでいました。 
逆光ですけど、白鷺の美しいシルエットが絵になります。 
周囲の秋空を多数のトンボが飛び交ってるのに、ダイサギは獲物としてみなしません。 

私がカメラを向けた途端にダイサギは警戒し、川の方へ飛び去りました。 
うまく流し撮りできたので、飛び立つ瞬間から1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:34〜) 
両足で大棟を蹴り出すと、力強く羽ばたいて逃げていきます。
今回は飛びながら鳴いたり脱糞したりすることはありませんでした。

2023/07/21

オニグルミを運ぶ野ネズミがフクロウに襲われ危機一髪【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年12月上旬 

オニグルミ堅果の給餌は6回目になります。 
今回はカラマツ大木の根元の右側に、果皮を剥いたクルミ40個を山盛りに並べて置きました。 
餌場を左から右に移動したのは、少しでも監視カメラに近づけて、野ネズミがクルミを選ぶ行動の詳細を観察するのが目的です。 
右側の餌場Rは狭いので、なるべく小さなクルミを選んで山積みにしました。 

その日の晩に夜行性の野ネズミ(ノネズミ)が早速現れて、いつものようにせっせと餌場通いを始めました。 
貯食のためにクルミを1個ずつ持ち去っていると、大事件が勃発しました。 


シーン1:午後22:43・気温11℃ 
野ネズミが給餌場Rでオニグルミ堅果を選んでいると、どこからともなくキョヨヨヨ♪と奇妙な鳴き声がしました。 
木の枝が風に揺れて軋む音なのでしょうか? 
途端に野ネズミはパッと画面右を向いて警戒しました。 
そのまま物音を立てないようにフリーズしています。 
やがて野ネズミは警戒を解くと、1個のクルミを咥えて右斜面を駆け上がりました。 
それと同時に再び謎の音声が録音されていました。 
(カメラを固定したシナノキの幹を樹液が流れる音?? 風に揺れる枝と枝が擦れる音?) 


シーン2:午後22:54・気温10℃(@0:50〜) 
少し間隔が開きましたが、10分後に野ネズミが餌場Rに戻って来ていました。 
選んだクルミを持ち去ろうと、カラマツの根元を右に回り込んでから右斜面を駆け上がる途中で立ち止まると…。 
左上からフクロウStrix uralensis)が音もなく急降下し、野ネズミに奇襲しました。 
斜面の下草にバサッと舞い降りたフクロウは、辺りをキョロキョロ見回してから左上に飛び上がりました。 
飛び去った後もキョヨヨヨ♪と謎の鳴き声が聞こえました。 
どうやらフクロウの鳴き声だったようです。 
フクロウがこんな鳴き声を発するとは知りませんでした。 
調べてみると、この鳴き声はフクロウ雛の餌乞い♪(参考サイト:さえずりナビ)と似ています。 
今回聞こえたのは、親鳥に給餌をねだる鳴き声の名残りなのかな? 
狩りの未熟な若鳥なのかもしれません。(素人の勝手な想像です) 
それにしても、シーン1でフクロウが鳴いた理由が全く分かりません。
鳴き声で獲物に気づかれたら、警戒されたり逃げられたりしてしまい、狩りは台無しになるはずです。
このカラマツや周囲の樹木にフクロウが営巣できそうな樹洞はありません。

襲撃の瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイし、狩りの成否を確かめてみましょう。(@2:02〜) 
優れた聴覚を持つフクロウは暗闇で獲物が立てる微かな物音だけを頼りに定位して襲いかかります。 

映像でフクロウが意外に小さく見えるのは、遠近感の問題ですかね? 
夏鳥のアオバズクは除外できます。 
耳がないので、トラフズクでもありません。 
今回調べて初めて知ったのですが、フクロウは留鳥で冬季も見られるのだそうです。 

スロー再生すると、野ネズミは紙一重でフクロウの攻撃を交わし、カラマツの背後を通り左斜面の草むらに素早く逃げ込んでいました。 
私が給餌を続けたおかげで野ネズミの栄養状態が良くなり、反射神経や注意力に優れていたのかもしれません。 
フクロウによる狩りは狙いがわずかに外れて失敗に終わりました。
したがって、襲撃後の謎の鳴き声は野ネズミの断末魔ではありません。 
襲撃後にカラマツの背後に生えた羊歯(ゼンマイ?)が右に大きく揺れ動いたのは(@1:45〜)、逃げた野ネズミに再び襲いかかったのでしょうか? 
しかしフクロウはもっと急角度で飛び上がったので、無関係の風揺れと考えられます。 

この野ネズミ個体は、オニグルミ堅果を貯食する場所を毎回ランダムに変えるのではなく、毎回ほぼ同じルートでクルミを運んでいました。 
明らかに油断していたことになります。
捕食者による襲撃リスクを減らすためにも、運搬ルートを頻繁に変えないといけません。


※ 動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 

今年は里山でフクロウが野ネズミを狩る成功例と失敗例がトレイルカメラで撮れて、非常に興奮しました。
自動センサーカメラ(トレイルカメラ)という文明の利器に感謝。



それにしても、野生動物に給餌することの是非について、改めて考えさせられました。
人工的な給餌は特定の種類の野生動物に対する依怙贔屓となり、生態系のバランスを崩すことになりますが、自然界は一人勝ちを許しません。
遅かれ早かれライバル種が必ず現れて、豊富な餌をめぐる競争や縄張り争いになります。
その上、餌場に誘引された獲物を狙って、今回のように捕食者が登場します。
そうした自然界の連鎖反応や弱肉強食の真剣勝負を観察できるのもトレイルカメラの醍醐味です。


餌場に繰り返し現れる常連客に愛着が湧いて名前(愛称)を付けたりするタイプのヒトは、天敵に捕殺されるシーンがトレイルカメラに記録されていたら、精神的に強いショックを受けたり罪悪感に苛まれるかもしれません。
そうなったとしても給餌が招いた結果なので、予め覚悟しないといけません。


初雪で凍死したジョロウグモ♀の遺作(蜘蛛)

 

2022年12月上旬・午前11:40頃・晴れ 

初雪が降った翌日に里山で急坂の山道を登ると、道端の枝間に張られたジョロウグモ♀(Nephila clavata)の垂直円網に霜が付着して真っ白に光っていました。 
網の主であるジョロウグモ♀は中央のこしきに占座したまま、だらりと力なくぶら下がっていました。 
私が指で触れても全くの無反応です。 
前日の初雪で凍死したようです。 
初冬になるともう網にかかる獲物がほとんどいませんから、卵嚢を産めるだけ産んで天寿を全うしたのでしょう。 

捕虫網を構成する糸の1本1本が白い霜をまとい、馬蹄形垂直円網の構造が見事に可視化されています。 
クモの網の構造を観察するために霧吹きで水滴を噴霧するテクニックがあるのですが、自然な霜の美しさには叶いません。 
あえて逆光で撮ってもフォトジェニックです。 
美しい芸術作品に昇華されました。 
暖かな日差しに照らされて気温が上がると、網に付着した霜はじきに溶けてしまうでしょう。 
ギリギリのタイミングで「ある女郎蜘蛛の死」を劇的(フォトジェニック)に撮れたことになります。 

ジョロウグモの網が微風で揺れていて、霜が付いても網全体の柔軟性は保たれていることが分かります。 
極寒の条件ではクモの網全体が凍結して脆くなり、パリパリと壊れたりするのでしょうか? 
(例えば液体窒素に漬けるとどうなる?)
霜によって横糸の粘着性は失われているかと思いきや、アカマツなどの落ち葉が少し網に付着していました。 

この後、野鳥がジョロウグモ♀の死骸を見つけて捕食するのでしょうか? 
トレイルカメラを設置すれば決定的瞬間が撮れたかもしれません。 
ちなみに、この日下山すると平地でもジョロウグモ♀が円網で凍死していました。(映像なし) 


2023/07/20

河畔林のタヌキ溜め糞場を気にしつつも避けるホンドギツネ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年12月上旬・午後22:35頃 

初冬の晩遅くに河畔林をうろつくホンドギツネVulpes vulpes japonica)が久しぶりにトレイルカメラに写りました。 
なぜか落葉灌木(ノイバラ?マユミ?)の枝先の匂いを嗅いでいます。 
ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が残した溜め糞場rvには近寄らず、右へ立ち去りました。 
タヌキの糞便臭によって、まるで結界が張られているようです。
トレイルカメラの存在に気付いている様子はありません。

つづく→

落葉したカキノキ樹上に現れたコガタスズメバチの古巣

 

2022年12月上旬・午後15:00頃・晴れ 

山麓の農村部で民家の庭に植栽されたカキノキが完全に落葉し、枝に残った熟柿が夕日に照らされていました。 
細い枝に吊り下げられたコガタスズメバチVespa analis insularis)の丸い巣が風に揺れています。 
巣口が外皮側面のどこにあるのか、このアングルでは見えませんが、もはや蜂の出入りは全くありませんでした。 
最低気温が氷点下に下がる初冬ですから、コロニーが解散した後の古巣なのでしょう。
ワーカー♀と雄蜂♂は寒さで死滅し、交尾を済ませた新女王だけが巣を離れて安全な場所で来春まで越冬します。

隣の民家のちょうど2階ぐらいの高さに営巣していました。
夏の間に何度も横を通りかかったはずなのに、落葉するまでコガタスズメバチのコロニーの存在に全く気づかなかったのは迂闊でした。 
巣の外皮の上部にはカキノキの枯れ葉が何枚か付着したまま一体化しています。 
真下から古巣を見上げて底部にズームインすると、外皮が少し壊れた隙間から巣盤がちらっと見えました。 

成長し切った巣のはずですが、当地のコガタスズメバチの巣はあまり大きく育たないようです。 
その理由として考えられるのは、 
(1)獲物となる昆虫の数が最近かなり減っている。(農薬・殺虫剤の乱用と急激な温暖化の進行) 
(2)雪国なので、越冬明けの創設女王が営巣を始める時期が遅い。

2023/07/19

給餌場からクリの堅果を持ち去り貯食する野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年11月下旬

野ネズミ(ノネズミ)クリ(栗) の実を給餌してみました。


シーン0:11/28 
明るい昼間に撮った現場の状況です。 
山林の斜面に立つカラマツの根元に、果皮なしのオニグルミ堅果40個を左に、クリ堅果11個を右に分けて、置いてみました。 
野ネズミ(ノネズミ)はクルミとクリのどちらが好みなのでしょう? 
用意したクリは大小様々で、しかも虫食い穴だらけでした。 
クリシギゾウムシ幼虫の仕業?) 
逆に、クルミ堅果を食害する昆虫を私は知りません。
クルミはひたすら殻を頑丈にするよう進化して、種子食性昆虫との熾烈な軍拡競争に打ち勝ったのでしょうか?


シーン1:11/29・午後23:16・雨(@0:04〜) 
(画面に表示される気温のデータは全て異常な高温で、信頼できません。) 
左の給餌場からオニグルミ堅果を全て持ち去った後、今度は右側の餌場でクリの堅果を選ぶようになりました。
クリ1個を口に咥えると、左に持ち去りました。 
左の斜面に生えた常緑のシシガシラの茂みの下に隠れた野ネズミの白く光る眼が同じ場所で微妙に動いています。(赤丸@0:15〜) 
雨宿りしながらクリの実を食べているのか、それとも地面に埋めて隠しているのでしょうか(貯食)? 
その位置に野ネズミの巣穴または隠れ家があるのかもしれません。 


シーン2:11/29・午後23:43・雨(@2:05〜) 
なぜか右下から餌場(右)に戻ってきました。 
カラマツの根際に埋もれかけていたクリの堅果を掘り出すと、口に咥えて右斜面を駆け上がりました。 
貯食する場所を変えるようです。 


シーン3:11/29・午後23:51・雨(@2:27〜) 
右側の餌場に来ていた野ネズミがクリを選ぶと、今度は左に持ち去りました。 


シーン4:11/30・午前0:00・雨(@2:36〜) 
日付が変わった深夜、右側の給餌場で選んだクリを持って斜面を下に駆け下りました。 
オニグルミ堅果の場合は、表面にこびりついた果皮を齧り取ってから餌場から持ち去りました。 
一方クリ堅果の場合は、その場で果皮を剥かずにそのまま持ち去るようです。 


シーン5:11/30・午前0:38(@2:43〜) 
雨が止みました。 右側の餌場Rからクリを下に持ち去りました。 
しばらくすると(1分40秒後)、同一個体の野ネズミが右下から餌場Rにピョンピョン跳ぶように戻って来ました。 
そこで録画が終わってしまい、残念ながら尻切れトンボ。


シーン6:11/30・午前2:59(@2:36〜) 
餌場Rに戻ってきた野ネズミが暗闇で未練がましくクリを探しています。 
カラマツの根っこの隙間に埋もれていた最後のクリを苦労して(後述)ようやく掘り出しました。 
飛び跳ねて喜んでいます。 
動物の行動を記述する際に安易な擬人化は避けたいところですが、どう見ても喜んでいるようです。 
最後のクリを持って、斜面の下に運んで行きます。 


シーン7:11/30・午前0:40(@3:12〜) 
時間を少し遡ります。 
説明しやすいように(演出の都合上)、動画の順番を入れ替えました。 
野ネズミが右斜面やカラマツ幹の背後をウロチョロしています。 
餌場Rを素通りして探餌徘徊しているということは、もう餌場Rのクリは全て無くなったのかな? 
餌場に通っている野ネズミとは別個体なのかもしれませんが、私には見分けられません。  


シーン8:11/30・午前2:19(@4:04〜) 
久しぶりに右の給餌場Rに戻ってきた野ネズミがクリを探すものの、暗闇で見つけられなかったようです。 
次は左の餌場Lに移動してクルミを探索。 
オニグルミの果皮を齧り捨てた窪地を丹念に探索して、お宝がもう残っていないかどうか調べています。 


シーン9:11/30・午前2:34(@4:33〜) 
カラマツの右を回り込んで餌場Rに到着した野ネズミは、残りのクリを見つけられません。 
餌場Lもくまなくチェックしてから、探索の範囲を周囲に広げます。 
右斜面に転がっていた落枝を伝って右へ移動しました。 


シーン10:11/30・午前2:55(@5:05〜) 
未練がましく餌場Rで残り物を探しています。 
急に大跳躍して斜面を飛び降りました。(@5:33〜) 
地中に埋もれた(根っこに挟まれた)クリが取り出せない苛立ちの現れなのでしょうか? 
諦めて餌場Lを経由してから斜面の下に消えました。 

この数分後にシーン6を再掲。 

※ 暗視映像が暗い場合は、動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 


3日後の12月上旬に現場検証すると、給餌場のすぐ下の斜面に食べかけのクリ堅果が1個だけ転がっていました。

食べ残し(食痕)




クリ堅果を給餌する実験は1回しか試せていません。 
ドングリ、クルミに続いてクリでもやってみようと思い立ったときには時期的に遅かったです。
給餌するためのクリを拾い集めるのが大変でした。
(ライバルが多くて、落果をすぐ誰かに拾われてしまいます。) 
ヒトの食用に品種改良されたクリは堅果の粒が立派(大き)過ぎて、野ネズミは運べないのではないかと予想しています。

野ネズミはクリよりもオニグルミ堅果を優先して貯食のために運んでいました。 
虫食いだらけのクリだったことが影響したでしょうか? 
おそらくクルミの方が冬に長期間の貯蔵ができるので、野ネズミにとって価値が高いのでしょう。 
それとも栄養価を比べると、クリよりもクルミの方が脂肪が多くて高評価なのかもしれません。 
野ネズミの堅果選好性を厳密に調べるのなら、クルミとクリをごちゃ混ぜにして同じ餌場に山盛りに置くという追試が必要ですね。 
野ネズミが選んだ堅果の種類を暗視映像で見分けられるのか?という技術的な困難がありそうです。
(タンニンにまみれたオニグルミ堅果は真っ黒に写るので見分けられそう?) 



桜の樹上でニイニイゼミ♂が鳴く声♪

 

2022年7月中旬・午前11:00:頃・くもり 

郊外の道端にあるソメイヨシノの古木からニイニイゼミ♂(Platypleura kaempferi)の鳴き声がします。 
離れたところから動画を撮り始め、そのまま歩いて桜に近づいても珍しくニイニイゼミ♂は鳴き止みませんでした。 
それにしても、ニイニイゼミ♂の鳴き声は「ニイニイ♪」とは全く聞こえないので、「チイチイゼミ」に改名して欲しいです。

恥ずかしながら、私はまだ生きたニイニイゼミを見つけたことがありません。 
翅が褐色の斑模様ですから、木の幹に止まっていると迷彩効果が高いのでしょう。
それから鳴き声が単調で、どこで鳴いているのか方向が掴みにくいです。 
なんとか鳴いているニイニイゼミ♂を見つけて動画で記録するのが今後の宿題です。 



2023/07/18

スギ林道の溜め糞場に通うホンドタヌキ:2022年11月下旬〜12月上旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年11月下旬〜12月上旬 

ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が通ってくるスギ林道の溜め糞場sを自動センサーカメラで見張っています。
単独で現れたシーンをまとめてみました。


シーン0:11/22・午後14:49・気温12℃・(@0:00〜) 
明るい昼間に撮った現場の様子です。 
画面の中央に白いケカビの生えた溜め糞sが写っています。 


シーン1:11/22・午後21:57・気温5℃・(@0:04〜) 
タヌキが溜め糞場sに跨がり、カメラの方を向いて(頭は西向き)排便していました。 
用を足しながら、目の前の落ち葉に鼻面を突っ込んで餌を探しています。 
暗視映像を撮るための赤外線の光量が強過ぎて、画面が白飛び気味ですね。 
その後タヌキは手前の法面を登る獣道を辿って行ったようです。 


シーン2:11/23・午前4:40・気温2℃(最低気温を更新)・(@0:32〜) 
翌日の未明に林道を左から来たタヌキが溜め糞場sを素通りして右へ。 


シーン3:11/24・午前5:25・小雨・気温6℃・(@0:42〜) 
翌日の未明、小雨が降る溜め糞場で西向きで排便しました。 
毛皮が冷たい雨に濡れています。 
その後は左に立ち去りました。 


シーン4:11/24・午前5:43・小雨・気温6℃・(@1:10〜) 
17分後に同一個体?が左から戻って来たようです。 
林道の落ち葉に鼻面を突っ込んで匂いを嗅いでいます。 
溜め糞場sを素通りして右に立ち去りました。 


シーン5:11/24・午後21:27・気温5℃・(@1:23〜) 
同じ日の晩に(15時間45分後)、タヌキが右から左へ通過したものの、溜め糞場sを素通りしました。 


シーン6:11/25・午前1:58・気温5℃・(@1:31〜) 
日付が変わった未明に(4.5時間後)タヌキがまたやって来ました。 
同一個体が戻ってきたのか別個体なのか、不明です。 
左から右へ溜め糞場sを素通り。 


シーン7:11/25・午前11:06・気温12℃・(@1:40〜) 
久しぶりに明るい昼間に撮れた現場の様子です。 
林道上に落葉(ホオノキなど)が増えました。 


シーン8:11/27・午前1:27・小雨・気温7℃・(@1:44〜) 
深夜にタヌキがカメラ目線で(西向き)脱糞していました。 
雨で毛皮が濡れています。 
その後は珍しく対面に見えるスギ大木に向かったものの、斜面は下らず、林道を右へ立ち去りました。 
トレイルカメラの存在を警戒しているようです。 


シーン9:11/27・午前10:51・気温7℃・(@2:17〜) 
明るい昼間に撮れた映像です。 
溜め糞場sに新鮮な糞が追加されたばかりのはずですが、木漏れ日が眩し過ぎますね。 


シーン10:11/27・午後18:41・気温2℃(最低気温のタイ記録)・(@2:20〜)
日が暮れた晩に、溜め糞sを素通りしてタヌキが林道を右から左へ。 
手前に来たということは、どうやら林道脇の法面の獣道を登って行ったようです。 


シーン11:11/27・午後21:23・気温2℃・(@2:27〜)
 2.5時間後に同一個体?が戻ってきたようです。 
左から右へ溜め糞場sを素通り。 


シーン12:11/27・午後21:51・気温2℃・(@2:36〜)
カメラの起動が遅れ、足早に右へ立ち去るタヌキの後ろ姿がチラッと写っただけでした。 


シーン13:11/28・午前7:39・気温3℃・(@2:43〜) 
明るい朝に撮れた映像です。 


シーン14:11/28・午後12:02・気温13℃・(@2:47〜) 
晴れた正午には気温がだいぶ上がります。 
カメラの設置アングルを少しずらしたので、溜め糞の位置を赤丸で示しました。 


シーン15:11/30・午前4:06・気温11℃・(@2:51〜) 
カメラの起動が遅れ、タヌキが溜め糞場sを左から右に通り過ぎた後ろ姿しか写っていません。 


シーン16:11/30・午後16:32・気温6℃・(@2:51〜) 
日の入り時刻は午後16:24ですが、山の東斜面はもっと早くから暗くなります。 
またもやカメラの起動が間に合わず、タヌキが溜め糞場を左から右にトコトコ通り過ぎた後でした。 


シーン17:12/1・午後16:55・気温0℃(最低気温を更新)・(@3:07〜) 
翌日も日が暮れた晩にタヌキが左から現れました。 
画面中央で立ち止まり、カメラ目線で少し警戒しています。 
そのまま右にトコトコ歩き去りました。 


シーン18:12/2・午後21:27・気温-2℃(最低気温を更新)・(@3:20〜) 
この日は午前中から初雪が少し降ったのですが、鬱蒼としたスギ林の林床には積雪がありません。 
気温が氷点下に下がった晩にもタヌキは元気にやって来ました。 
珍しく右から来たタヌキが溜め糞場sの匂いを嗅いだものの、排便しないで迂回。 
そのまま左へ立ち去りました。 


シーン19:12/2・午後21:46・気温-2℃・(@3:20〜) 
ペアの後続個体と思われるタヌキが19分後に登場。 
林道を右から来たタヌキが対面のスギの根本を左へ通り過ぎました。 
アナグマはもうとっくに冬ごもりに入ったので最近は溜め糞場sに全く現れません。
したがって、アナグマによるスクワットマーキングの残り香は無いはずです。 

この時期にタヌキの出没頻度が高くなったのは、溜め糞場sを共有していたニホンアナグマの活動が無くなって気兼ねなく溜め糞場に来れるようになったのかもしれません。 
2種間で糞便臭による(目に見えない熾烈な)縄張り争いがあったのでしょう。 

※ 暗視映像が暗い場合は、動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 



飛べ!チョウゲンボウ♂【野鳥:FHD動画&ハイスピード動画】

 



2022年11月下旬・午後13:00頃・晴れ 

郊外の住宅地でチョウゲンボウ♂(Falco tinnunculus)と再会しました。 
電柱の天辺に止まり、隣接する刈田をキョロキョロと見渡して獲物を探しています。 
青灰色の頭部から♂と分かります。 
コンクリート製電柱の縁が鳥の糞で白く汚れているので、様々な野鳥にとってお気に入りの止まり場なのでしょう。 
チョウゲンボウは首をぐるっと180°回して背後を振り返ることができます。 
たまに頷くように首を上下に動かして、遠くの対象物を凝視します。 

飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:20〜) 
秋晴れで青空が広がり、しかも順光なのでハイスピード動画日和です。 
ところが、なかなか飛び立ってくれません。 
この日は三脚を持っておらず、カメラを構える腕が疲れてきました。
私がしつこく長撮りしても、住宅地の車道を車が走ってもチョウゲンボウ♂は全く気にしません。 

ようやく前方に飛び降りてくれました。 
足で電柱を蹴ると、そのまま後方に揃えて空気抵抗を減らしています。 
数回羽ばたいてから滑空。 
手前に建つ民家が邪魔で、チョウゲンボウ♂をすぐに見失ってしまいました。 
獲物に襲いかかって狩りに成功したのかどうか、確かめられませんでした。

2023/07/17

スギ林道をぶらつく右肩黒斑のニホンカモシカ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年11月下旬・午後16:56・気温7℃(日の入り時刻は午後16:25) 

里山のスギ林道で日没の30分後にニホンカモシカCapricornis crispus)が左からやって来ました。
トレイルカメラの前を横切ると、そのまま右に立ち去りました。 
右の肩に黒い斑紋がある個体です。

その前に道端から突き出たお気に入りのスギ落枝に眼下腺マーキングしたかもしれませんが、画角の外なので分かりません。 
この時期はタヌキの溜め糞sと野ネズミの巣穴に注目していたので、カメラをいつもより少し下向きに傾けていました。 



飛び回るウラギンシジミ♂

 

2022年10月上旬・午後14:30頃・晴れ 

山麓にて軒下の雪囲い用資材置場でウラギンシジミ♂(Curetis acuta paracuta)を発見。 
日当たりの良い角材の上に止まっていました。(日光浴?) 
撮影アングルが悪かったので私が動いたら、辺りを忙しなく飛び回り始めました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
ウラギンシジミ♂は翅の色が裏表でくっきり塗り分けられているので、高速で羽ばたくと紅白に点滅して見え、強烈な印象に残ります。

2023/07/16

給餌場からクリよりもオニグルミを優先して持ち去る野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年11月下旬

オニグルミの給餌は5回目になります。
今回は果皮なしの堅果40個を左に、クリ堅果11個を右に分けて、カラマツの根元に置いてみました。 
野ネズミ(ノネズミ)はクルミとクリのどちらが好みなのでしょう? 
翌日の晩遅くになってようやく野ネズミが給餌場に通い始めました。 





シーン1:11/29・午後20:22・雨・気温12℃ 
山林に冷たい雨が降っています。 
トレイルカメラの起動が遅れ、野ネズミが右斜面を斜めに駆け上がる後ろ姿が写っているだけでした。 
ときどき休むので、おそらく重いクルミを運んでるようです。 


シーン2:11/29・午後20:25・雨・(@0:15〜) 
(これ以降の気温データは異常値で信用できません。) 
左の餌場に来て、オニグルミ堅果を物色していました。 
口元でクルミをクルクルと回しながら表面にこびり付いた果皮の残りを歯で剥がしています。 
選んだクルミを持ってカラマツ右の斜面を元気に駆け上がりました。 


シーン3:11/29・午後20:31・雨・(@0:41〜) 
前回と同じく左の給餌場からクルミを持ち去り、右斜面を上に。 


シーン4:11/29・午後20:36・雨・(@1:07〜) 
監視カメラの起動が遅れ、野ネズミが休み休み右斜面を駆け上がる後ろ姿しか撮れていません。 


シーン5:11/29・午後20:41・雨・(@1:18〜)
またもや、カメラの起動が間に合いませんでした。 
野ネズミが右斜面を同じルートで走って登ります。 

低温のために乾電池の電圧が低下しているのでしょうか? 
冷たい雨に打たれた野ネズミの体が冷え切ってしまい、トレイルカメラのセンサーが感知しにくくなった可能性もありそうです。 ※
もしかすると野ネズミが、トレイルカメラの癖(録画時間2分間、5秒間の休止後に監視再開)を完全に学習したのかもしれません。 
つまり、天才ネズミの「アルジャーノン」が盗みの証拠映像がカメラに写らないように完璧な間隔を見計らって給餌場に通っているのではないか?と邪推したくなります。 

※ 設置直後に動作を確認するために私もトレイルカメラの前を横切るのですが、断熱性の高い冬用防寒着を着込んでいると素肌の露出が減り、起動しにくくなります。


シーン6:11/29・午後20:44・雨・(@1:25〜)
前回と同じ。 


シーン7:11/29・午後20:50・雨・(@1:34〜)
前回と同じ。 


シーン8:11/29・午後20:52・雨・(@1:43〜)
前回と同じ。 


シーン9:11/29・午後20:55・雨・(@1:51〜)
前回と同じ。 

赤外線LEDが点灯する暗視モードで連続して動画撮影をすると、トレイルカメラ自体が発熱します。 
それにしても、今回の温度上昇は異常です。 
まさか寒い冬季はトレイルカメラに内蔵されたヒーターが作動する仕様になっているなんて、聞いてません。 
なぜか今回は放熱の仕組みが上手く行ってないのかもしれません。 
カメラの内部に少し浸水して、ショートしているのではないかと心配になります。


シーン10:11/29・午後21:00・雨・(@1:58〜)
前回と同じ。 


シーン11:11/29・午後21:07・雨・(@2:07〜)
前回と同じ。 


シーン12:11/29・午後21:10・雨・(@2:15〜)
前回と同じ。 


シーン13:11/29・午後21:13・雨・(@2:23〜)
前回と同じ。 
と思いきや、今回は貯食を手短に済ませたようです。 
野ネズミが右上から斜面を駆け下りるシーンが続けて撮れていました。 
左の給餌場に戻ると次のクルミを咥えて、今度は左下に運び去りました。 
クルミを隠す場所を変更するようです。 


シーン14:11/29・午後21:20・雨・(@2:54〜)
せっかく野ネズミが餌場に通うタイミングがずれたのに、またもやカメラの起動が遅れました。 
右斜面を同じルートで駆け上がります。 


シーン15:11/29・午後21:25・雨・(@3:02〜)
前回と同じかと思いきや、右斜面の途中で立ち止まりました。 
穴を掘って貯食しているのか、ただの休息なのか、やや遠くて見分けられません。 
うっかり落としたクルミを暗闇で探しているのかもしれません。

しばらくすると、カラマツの背後を通って左へ。 
野ネズミの白く光る眼が左斜面に移動してから1箇所に留まり、激しく点滅するようになりました。(赤丸内@3:36〜) 
隠れ家でオニグルミ堅果を食べているのかな? 


シーン16:11/29・午後21:28・雨・(@4:33〜)
またもやカメラの起動が遅れ、野ネズミが右下に走り去りました。 
一瞬なので、ここだけ1/3倍速のスローモーションに加工しました。 


シーン17:11/29・午後21:31・雨・(@4:40〜)
野ネズミが珍しく右の給餌場に来ていました。 
クリを物色中というよりも、クルミを運ぶ途中でたまたま立ち止まっただけのようです。 
左の餌場にクルミは未だ残っています。 
クルミを運んで右斜面を駆け上がりました。 


シーン18:11/29・午後21:50・雨・(@4:49〜)
ようやく野ネズミが左の餌場でクルミを物色するシーンが撮れていました。 
右斜面を駆け上がる途中でうっかり胡桃を落としてしまったようです。 
立ち止まって毛繕いしてからクルミを拾い上げ、右上に運び去りました。 


シーン19:11/29・午後21:58・雨・(@5:31〜) 
左の餌場でクルミを選んでいました。 
今度はクルミを持って左下へ。 


シーン20:11/29・午後22:30・雨・(@5:51〜) 
カメラの起動が遅れ、野ネズミが右斜面を駆け上がる後ろ姿しか写っていません。 


シーン21:11/29・午後22:36・雨・(@6:00〜) 
前回と同じ。 


シーン22:11/29・午後22:42・雨・(@6:07〜) 
雨がやや激しくなっています。 
前回と同じかと思いきや、しばらくすると左下から左の餌場に戻って来ました。 
同一個体がぐるっと大回りして戻ってきたのか、ひょっとすると別個体なのかもしれません。 
今度はクルミを右下に持ち去りました。 

これで左の給餌場からオニグルミ堅果を全て持ち去ったようです。 
40個のクルミを給餌したはずなのに、トレイルカメラが起動して野ネズミが写っていたのは40回ではなくほぼ半分の22回だけでした。
野ネズミはオニグルミ堅果を2個同時には運べません(1個ずつしか運べない)から、撮り漏らしがかなり多いことになります。
トレイルカメラが対応できないほど高頻度に素早く持ち去ったのでしょうか?(複数個体による飽和攻撃?)


この後、同一個体と思われる野ネズミが今度は右の給餌場からクリ堅果を持ち去るようになります。(映像公開予定) 
どうやらこの野ネズミ個体はクリよりもクルミの方が好きなようで、オニグルミを優先して貯食していました。
クルミ運搬経路の途中にクリの給餌場があったので、 野ネズミはクリの存在には気づいていたはずです。
私の予想ではおそらくクルミの方が冬に長期間の貯蔵ができるので、野ネズミにとって価値が高いのでしょう。 
それとも過去に味見して栄養価を比べた結果、クリよりもクルミの方が高評価なのかもしれません。

野ネズミの堅果選好性を厳密に調べるのなら、クルミとクリをごちゃ混ぜにして同じ餌場に山盛りに置くという追試が必要ですね。
野ネズミが選んだ堅果を映像で見分けられるのか?という技術的な問題がありそうです。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 


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