2011/03/26
オオカマキリ♂の尻振りディスプレー
2006年9月中旬
飼育中のオオカマキリ♂(Tenodera aridifolia)。
尾部をぐにーと左右に曲げる謎の行動がよく見られました。
カマキリの掲示板で質問したところ、これは一部の♂が交尾前に示す求愛ディスプレーなのだそうです。
しかし単独飼育の個体なので、近くに♀は居ません。
欲求不満なのだろうか。
足に糸が絡まったドバト【冬の野鳥】
2007年1月上旬
公園で歩き方がおかしい鳩がいました。
カワラバト(Columba livia;=ドバト)
良く見たら黄色い糸(釣り糸?)が右足に巻き付いています。
足先が壊死しているようで痛々しい。
巣材を集めるキイロスズメバチ♀
2006年6月中旬
キイロスズメバチ(Vespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が野ざらしの廃材を頑丈な大顎でガリガリ噛っていました。
唾液と混ぜたパルプを巣に持ち帰り建築材料にするのだろう。
当時は未だスズメバチが怖くて腰が引けており、ピンぼけの動画です。
フトスジモンヒトリ(蛾)幼虫の遁走
ゼリーを舐めるシロスジカミキリ
2006年9月下旬
グレープ味の蒟蒻ゼリーを与えてみました。
複眼が触角の生え際を取り囲むように分布しているのが面白いですね。
【追記】
シロスジカミキリ(Batocera lineolata)の成虫は雑木林で若い枝や葉柄などを食べるそうです。
樹液には来ないらしい。
知らなかったなぁ...。
この映像では単に水分を補給していたのでしょう。
シロスジカミキリは体長4〜5cmになり、カミキリムシ科で日本最大らしい。(『カラー自然シリーズ38:カミキリムシ』p2より)
成虫の大きさは幼虫の時の栄養状態によってかなり違ってくるが、ふつう♀>♂。
♂の触角は体の約1.4倍ある。
♀の触角の長さは体とほぼ同じ。(同書p10より)
成虫がクヌギなどの若い枝の樹皮を食べるのは、主に生殖器官の発達を促すため。
カミキリムシの食痕は種特異性があり、食痕によって種類を見分けられる。(『カラー自然シリーズ38:カミキリムシ』p4より)
オオカマキリの孵化#4:一齢幼虫
2006年11月下旬
カマキリは不完全変態の昆虫なので、脱皮が済んだオオカマキリ(Tenodera aridifolia)一齢幼虫の体つきは華奢で翅が無い点を除けば成虫と変わりません。
前脚の鎌で顔や触角を拭う行動も既に見られました。
(シリーズ完)
オオカマキリの孵化#3:前幼虫の脱皮【三倍速映像】
2006年11月下旬
孵化したオオカマキリ(Tenodera aridifolia)前幼虫は頭を下にぶら下がったまま脱皮して一齢幼虫となります。
体をくねらせながら伸ばし、長い触角を抜くと、ようやく手足を動かせるようになります。
新しい外皮(クチクラ)が固まれば起き上がり、脱皮殻から尾端を引き抜いて歩き去ります。
ノンストップで撮影した映像で追跡観察すると、各個体が脱皮に要する時間は15分前後でした。
(「オオカマキリの孵化#4一齢幼虫」につづく)
【追記】
『ファーブル写真昆虫記11:おいのりする虫 カマキリ』を読んでいたら、驚きの事実を知りました。
卵のうの外にでた前幼虫は、脱皮をして幼虫になるとき、おしりから糸をだして、卵のうにぶらさがります。ちょっとだけ見ると、クモの糸のようです。しかし、この糸は、前幼虫の体の一部分で、クモの糸のようにおしりの糸いぼからつくりだされたものではありません。卵のうのなかで発生する途中、おしりの先だったところが、ほそながくのびて、糸のようになったものです。(p45より引用)
オオカマキリの孵化#2:前幼虫
2006年11月下旬
室内飼育でオオカマキリ(Tenodera aridifolia)の卵鞘が季節外れに孵化しました。
カマキリは前幼虫と呼ばれる状態で卵鞘を突き破って出て来ます(映像では出始めの例を矢印で示しました)。
黒く大きな複眼が目立ちます。
脱出し易いように流線型の体形で頭部が尖っています(卵歯)。
全身が薄い皮に包まれていて脚がまだ使えません。
芋虫のように卵鞘を這い下り、細い糸で尾端を固定してぶら下がると直ちに脱皮を始めます。
(「オオカマキリの孵化#3:前幼虫の脱皮@3倍速」へつづく)
【追記】
『ゲッチョ先生の卵探検記』p189-190より『動物系統分類学』を孫引きすると、
フ化直後に現れる幼虫は、蠕虫型幼虫と呼ぶ。頭頂は堅い革質の頭頂帽となっていおり、房室壁を破るのに有効である。卵鞘の外に出た蠕虫(ぜんちゅう)型幼虫のお尻には糸(孵化糸)がついていて、これで卵鞘からぶら下がる。
オオカマキリの孵化#1:概観
2006年11月下旬
飼育中のオオカマキリ♀(Tenodera aridifolia)が卓上電気スタンドに卵鞘を産み付けました。
野外で採集してから単独飼育11日目に産卵したので、未受精卵ではないかと油断していました。
自然状態では卵で越冬しますが、室内は暖かいため産卵から44日後、幼虫が続々と孵化して机上は大惨事に(バイオハザード!)。
この時の室温は19℃。
3日前(産卵41日後)から五月雨式に孵化が始まり、この日ピークを迎えました。
母親は捕獲前に交尾済みだったことになります。
(「オオカマキリの孵化#2:前幼虫」へつづく)
野生ニホンザルの花見
2006年5月上旬。
峠の道端に咲いた桜の樹上でニホンザル(Macaca fuscata)の群れが花見をしていました。
木の下に落ちていた食痕を見ると、どうやら猿の群れは桜の花弁や蜜を食べていた模様。
ムクドリ(野鳥)の行水
2008年5月上旬
中洲でムクドリ(Sturnus cineraceus)の群れが水浴びしていました。
まだ川の水は冷たそう...。
今回デジカメの固定に初めて一脚を使ってみました。
なるほど確かにちょっと便利かも。
ヒメギフチョウの産卵
2008年4月下旬
幼虫の食草となるウスバサイシンの葉裏に6個産卵していました。
実は「春の女神」ヒメギフチョウ(Luehdorfia puziloi inexpecta)を撮ったのはこれが初めて。
嬉しい出会いでした。
【追記】
『科学のアルバム:ギフチョウ』p24によると、
ヒメギフチョウはウスバサイシンの若葉の縁に前脚をひっかけて、ぶらさがるような姿勢で産卵する。本種の交尾後付属物は、ギフチョウと違って、棒状に突き出ているため、このような姿勢で産卵する。
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産卵
電線で鳴くカワラヒワ(野鳥)♪
2008年4月下旬
カワラヒワ(Carduelis sinica)。
電線に並んで楽しげに鳴いてました。
図鑑によるとカワラヒワの地鳴きは「♪キリリコロロ」と表されます。
新しいデジカメ(Canon PowerShotS5IS)で色々と練習中。
脱皮するアシナガグモ(蜘蛛)幼体
2007年8月中旬
卓上電気スタンドに夜な夜な水平円網を張って自活しているアシナガグモ幼体の観察記録です。
前日から網も張らず餌も捕らずに電気スタンドの柱に終日へばり付いて休んでいたので、脱皮間近の予感がありました。
朝気付いたらこの状態で抜け殻にぶら下がっていました。
慌てて三脚の準備をしていたら、最後に抜け出す瞬間を見逃してしまいました...(不覚)。
エサキモンキツノカメムシの交尾
2007年8月上旬
小楯板に黄色のハートマークが描かれて愛らしいカメムシです。
エサキモンキツノカメムシ(Sastragala esakii)
夜の灯火下で4~5匹採集したら容器内でカップルが成立したようで、朝から交尾中のペアが居ました。
小柄な個体が♂なのかな?
何度も交尾を繰り返したようですが、この日は忙しくて求愛から交尾終了まで一部始終をじっくり見届ける余裕がありませんでした。
本種の♀は幼虫が孵化するまで産んだ卵を守り続ける習性が有名です。
未見なのでこのまま飼育してみようかと思ったのですが、ネットで調べたら年一化で遅くとも7月には産卵を済ませているとのこと(残念)。
このペアはおそらく成熟したばかりの個体で、交尾後も産卵せず成虫のまま越冬するのでしょう。
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配偶行動
エゾゼミ♀を拾った
2007年8月上旬
夜の公衆トイレでお休み中の個体を拾いました。
前胸背を取り巻く黄色の線が両側で途切れないのがエゾゼミ(Lyristes japonicus)の特徴です。
腹弁が無く、鳴くに鳴けないので♀。
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ゴマダラカミキリの髪切り/紙切り実演
2007年8月上旬
カミキリムシを手で掴むとキーキー鳴いて威嚇します。
おまけにこのゴマダラカミキリ(Anoplophora malasiaca)は口から泡を吹きました。
初めて見る現象です。
童心に返って、名前の由来となった噛み切り実験をやってみました。
コバネヒメギス♂飼育三態
2007年8月上旬
コバネヒメギス♂の飼育記録
黒い体で胸の側面に斜めに走る白い線がヒメギスの特徴です。
飼育容器内に霧吹きすると喜んで水を飲んでくれました。
しかし、この季節はあっという間にカビが生えるのですぐに止めました。
水分補給はリンゴを与えるだけで済むようです。
腹面が黄色いのがコバネヒメギス(Chizuella bonneti)の特徴らしい。
腹筋が見事に割れています♪
気門から腹式呼吸しているのでしょう。
これぞ虫の息。
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飲水,
化粧
2011/03/25
ゴマダラカミキリ♂の飛び立ち
2007年8月上旬
ゴマダラカミキリ♂(Anoplophora malasiaca)がブーンという重低音の羽音とともに照明に向かって飛び立ちます。
観察を繰り返すと離陸直前の兆候が何となく分かるようになりました。
触角を振り立てて辺りの様子を確認し、立ち止まってモジモジします(足場を確認)。
次に前翅をパカッと持ち上げ折り畳まれた後翅を広げます。
スローモーションで見ると後翅の翅先は一部畳まれたまま。
残りは羽ばたきながら振り出すようにして広げるのでしょう。
カミキリムシの本で飛行中の瞬間を切り取った写真を見ると後翅は先端まで完全に広がっています。
いつか私も本格的に飛翔シーンをハイスピードカメラで撮影してみたいものです。
リンゴを食べるコバネヒメギス♂
2007年8月上旬
コバネヒメギス♂(Metrioptera bonneti)の飼育記録
あちこちで調べたキリギリス科の飼育法を参考に、日替わりメニューを与えてみました。
キュウリ、タマネギ、リンゴ、ナシ、鰹節の中でリンゴが一番人気でした。
特に芯の種を好んで齧ります。
栄養が豊富なのかな?
♀はまた嗜好が異なるのかもしれません。
キリギリスの仲間で肉食性の強い種は脚に生える棘が多いのですが、本種はそれ程でもありません。
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バッタ・キリギリス(直翅目),
食事
触角を磨くゴマダラカミキリ
2007年8月上旬
公園で採集したゴマダラカミキリ(Anoplophora malasiaca;体長32mm)。
右の触角が途中から欠損しています。
触角が長いので♂と思うのですが、どうでしょう?
触角を同側の前脚・中脚で挟みしごくようにして綺麗にします。
アンテナ感度良好!
コバネヒメギス♂の鳴き声♪
2007年8月上旬 室温26℃
コバネヒメギスの飼育記録
公衆トイレの洗面台で夜ひっそりと鳴いていたコバネヒメギス♂(Metrioptera bonneti)を採集して飼い始めました。
決してメロディアスではないですけど風情があります。
実際はこの録音よりずっと高周波成分が多く、♪チッチッチッチッもしくは♪チリッチリッチリッチリッという感じです。
ヘッドフォンを使わないと聞き取れないかもしれません。
今回の録音スペック(PCM 16kHz mono 128Kbps)ではサンプリングレートが低過ぎるのだろうか。
それともMP3圧縮のせいだろうか。
【追記】
『なく虫ずかん』ではチチッチチッチチッ♪という「聞きなし」が記されていました。
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鳴き声
ノコギリカミキリ♂の紙切り
2007年8月上旬
ノコギリカミキリ♂(Prionus insularis)
何度か翅を開くものの何故か飛び立てません。
仰向けの状態から起き上がるときは脚だけでなく長い触角も使います。
口元に紙を差し出すと名前の通り鋭い大顎でなんなく噛み切りました。
交接後カバキコマチグモ♀(蜘蛛)の住居網作り
2007年7月下旬
カバキコマチグモ(Cheiracanthium japonicum)の交接後に腹部の外雌器を観察するため♀を透明ビニール袋に入れたら、そのまま中で住居網を張り始めました。
5倍速の早回しでお届けします。
自然界ではススキなどの葉を巻いて住居を作るので、狭い場所を好むようです(広場恐怖症?)。
白い糸が見易いよう初めから黒い背景にして撮れば良かったですね...。
この若妻は左の第一脚および右の第一、二脚と計3本も根元から欠損しており痛々しい。
旦那に乱暴されたのかと心配しました。
寝室を現場検証すると残された抜け殻も同様に歩脚を欠いていたので、若い時期に何か事故に遭ったのだろう(自切?)。
幼体期のクモなら脱皮する度に少しずつ再生するらしいが成体では再生能を失うとのこと。
5本足でも問題なく住居網(産室?)を張り巡らしました。
カバキコマチグモ(蜘蛛)の交接
2007年7月下旬
ススキの葉をチマキ状に緩く巻いた住居が並んでいるのを見つけました。
一つにはカバキコマチグモ♂(Cheiracanthium japonicum)が待機している姿が透けて見えました。
ピンと来て葉巻住居ごと切り取って持ち帰ると、2日後に交接が見られました。
残念ながら前半は見逃してしまいました。
カバキコマチグモは雄性先熟です。
♀が成体になるや否や♂は脱皮室の仕切りを噛み破り、♀の前方から♀の体の下に反転して仰向きにもぐり込み、胸板を接する体勢で交接するらしい。
(参考:『クモ生理生態事典』)
交接が済むと♂は移精器官の触肢を口で掃除して♀から離れました。
交接直後の♀を捕らえて外雌器を観察してみましたが、私の目にははっきりした交接プラグは認められませんでした。
脱皮室には♀の抜け殻が残されていました。
飛ぶヨツスジハナカミキリ
2007年7月下旬
ヨツスジハナカミキリ(Leptura ochraceofasciata ochraceofasciata)が身繕いしてからおもむろに飛び立ちました。
交尾中のペアを一時的に連れて帰ったら性別が分からなくなってしまいました。
見分け方があるのでしょうか?
ハラビロアシナガグモ?(蜘蛛)幼体の脱皮
2007年7月下旬
前の記事に登場した他人の網でガガンボを盗み食いしていた個体です。
同定用の写真を後でジックリ撮ろうとフィルムケースに採集して持ち帰ったら容器内で脱皮していました。
歩脚が脱げなくて暴れるので、見かねて脱皮殻をピンセットで押さえてやりました(映像なし)。
ようやく抜けたものの脚が折れ曲がってしまいました。
体が固まるまで不用意に触れてはいけないと学習しました。
自然条件では予め自分の体をしっかり糸で固定してから重力を利用しつつ脱皮するものと思われます。
触肢の膨らみから亜成体♂で、ハラビロアシナガグモ(Tetragnatha extensa)かもしれないと闇クモ画像掲示板にて教えて頂きました。
他人の網でガガンボを盗み食いする居候クモ(蜘蛛)
2007年7月下旬
ナガコガネグモ♂(Argiope bruennichi)の垂直円網に侵入して、かかったガガンボを盗み食いする居候クモ幼体。
アシナガグモの張る水平円網は粘着力が弱いので、こんな大物は自分で捕まえられません。
採集して持ち帰ったら脱皮して亜成体♂になり、ハラビロアシナガグモ(Tetragnatha extensa)かもしれないと教えてもらいました。
(つづく)
ベニスズメ(蛾)の飛び立ち
2007年7月下旬
夜の灯火下に止まっていたベニスズメ(Deilephila elpenor lewisii;前翅長32mm)。
準備運動で体を温めてからでないと飛び立てません。
前年は写真を撮り損ねたので、嬉しい出会いでした♪
動画編集時に明るく補正してあります。
【追記】
沢近十九一『やみを飛ぶ動物たち (動物のふしぎな世界 8)』によると、
・(夜のガが)飛ぶためには、はねをうごかす筋肉の温度が、30度をこえていなければなりません。(中略)ガは、はねをふるわせて、体温をあげてから、飛びたつのです。
・飛行中の体温をはかってみると、35度から40度で、一定しています。ガのからだは、はねをふるわせていると、体温があがるように、できていますが、ぎゃくに、はねをはげしくうごかしても、体温があがりすぎないようなしくみにも、なっているのです。(p10より引用)
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チョウ・ガ(鱗翅目),
体温調節,
飛翔,
夜の生活
ミミズの死骸を食べるオオヒラタシデムシ幼虫
2007年7月下旬
フナムシや三葉虫を連想する不思議な外見の生物です。
道端で干からびかけたミミズの死骸を齧っていました。
暑い日差しの下で腐臭に耐えながら接写しました。
ダンゴムシほど上手でないものの、触ると丸まって防御姿勢を取ります。
虫我像掲示板にて質問したところ、「ヒラタシデムシの仲間の幼虫であることは確実で、オオヒラタシデムシ(Necrophila japonica)の幼虫である可能性が高い」と教えてもらいました。
こうした死体掃除屋も自然界ではとても大切な存在です。
泥団子を作るヒメベッコウの一種♀
2007年7月下旬
エントツドロバチが巣材集めに通って来る横で小柄な(体長約1cm)黒いハチも土を集めていました。
気のせいかもしれませんが、エントツドロバチよりも日陰の土を好むような印象を受けました。
動画を3度撮ってから次に飛来した個体を採集しました。
同一個体かどうか自信ありませんが...。
「ヒゲおやじの投稿掲示板」で写真を見てもらったところ、ヒメクモバチ(旧名ヒメベッコウ)の一種であると教えて頂きました。
「類似種が多く、専門家でも同定が困難」とのことでした。泥壷の育房を作りクモを狩るそうです。
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ハチ・アリ(膜翅目),
造巣
リョウブの蕾を食べるキドクガ(蛾)幼虫
2007年7月下旬
以前お伝えした交尾中のヨツスジハナカミキリの隣で発見した毛虫です。
夕方で暗くなってきたので現場での撮影は諦めて持ち帰りました。
蕾を食べる毛虫は初めて見ました。
花粉や蜜などを含み葉よりも栄養価が高いのでしょうか。
リョウブの葉の方は与えても口を付けませんでした。
現場では白い花の樹種が分かりませんでした。
毛虫の方はカラフルな模様と頭部の黒い毛束からキドクガ(Euproctis' piperita)の幼虫とすぐ判明。
その食餌植物(食草)リストから花や葉などの特徴が一致するものとしてリョウブと分かりました。
こうした自然観察のちょっとした謎解きは楽しいものです。
植物と虫の結びつきが強い場合は、片方の名前が分かればもう一方を調べる上で重要な手がかりになります。
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チョウ・ガ(鱗翅目),
食事
網を取り壊すアシナガグモ(蜘蛛)幼体
2007年7月中旬
餌を捕る円網は毎日張り替えます。
取り壊しながら古い糸は丸めて食べてしまいます(体外消化)。
口元で綿菓子のように溶けてしまうようです。
網に残る食べ滓は取り外して落とします。
ぽいっ!
巣材の泥団子を集めるエントツドロバチ
2007年7月下旬
神社の境内で巣材集めに飛来するエントツドロバチ(オオカバフスジドロバチ)♀(Orancistrocerus drewseni)を観察しました。
同一個体かと思ったら、少なくとも二匹が通って来ていました。
大体同じ場所を掘るようです。
乾いた土に水を吐き戻して湿らせ、大顎と前脚だけで泥団子を丸め巣に運びます。
掘り始めたら至近距離に迫るカメラのレンズも気にしないようです。
しかし作業前にこちらが不用意に動くと飛んで逃げ、しばらく戻りません。
泥団子を咥えて飛び去るハチの後を何度も追いかけたものの、建築中の巣の位置は突き止められませんでした。
それにしてもすごい顎の力ですね。
シーズン終了時には摩耗していそうな気がします。
ドロバチは歯が命!
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ハチ・アリ(膜翅目),
造巣
2011/03/24
水平円網で獲物を狩るアシナガグモ幼体#2
2007年7月中旬
卓上電気スタンドの直下に円網を張っているアシナガグモ幼体の狩りを横から撮ってみました。
専ら小さな獲物を相手にしているせいか、走り寄って捕らえても(seizing)、糸でラッピングすることなく網から引き離し(pulling out)、直ちに中央部(こしき)に持ち帰ってから食べます(Seize-Pull out戦略)。
命綱として常にしおり糸で体を固定しているので、戻るのは簡単です。
獲物ごとぶら下がってしゅるっと戻るのが面白く、見ていて飽きません。
網に掛かった虫は暴れるとクモに気付かれてしまうので動きを止めじっとしています(freezing)。
これに対抗してクモは縦糸を脚で弾いて(plucking)付着物の存在・位置を感知します。
このとき獲物が落ちて逃がしてしまうことも多いようです。
狩りの観察記録#3に続く。
水平円網で獲物を狩るアシナガグモ(蜘蛛)幼体#1
2007年7月中旬
卓上蛍光灯の直下に造網して夜な夜なライトトラップに励むアシナガグモ幼体(体長3mm)。
アシナガグモ類の張る網は水平円網のはずですが、これは垂直に近い斜め。
クモは網中心部で辛抱強く待ち構え、振動を感知するや素早く走り寄ります。
捕獲した獲物を定位置に持ち帰って食べます。
狩りの成功率は意外に高くありません。
逃げられることも多いです(一例を10%スローモーションでリプレイ)。
飛んで灯に入る夏の虫。
(網の横から見た動画#2につづく)
ヨツスジハナカミキリの交尾
2007年7月下旬
リョウブの花で交尾中のカップルを発見。
♂の交尾器が凄いことになっていてびっくり!
♀は食事(花粉や蜜)に夢中でした。
産卵前の♀は花粉を食べないと体内にある卵が成熟しないハナカミキリもいるらしい。
ヨツスジハナカミキリ(Leptura ochraceofasciata ochraceofasciata)と教えてもらいました。
クロコガネの飛び立ち
2007年7月下旬
夜の灯火下で見つけたクロコガネ(Holotrichia kiotoensis)を持ち帰り、色んな動きを撮影してみました。
仰向けからの起き上がりは横回りでした。
飛び立ってもすぐに落ちてしまいます。
オオハエトリ♂(蜘蛛)の住居網作り
2007年7月中旬
入浴中に風呂場の天井から懸垂下降してきたオオハエトリ♂(Marpissa milleri)を捕獲しました(体長9.5mm)。
ガラスの小瓶に移したら草葉の陰に袋状住居を作り始めました。
後半は5倍速の早回し映像。
【追記】
5年後に同じテーマでHD動画を撮り直しました。
関連記事はこちら→「住居網を紡ぐオオハエトリ♂:5倍速映像」
アリグモ(蜘蛛)の擬態
2007年6月下旬
アリグモ(Myrmarachne japonica)の擬態はアリを油断させて捕食するための攻撃的擬態ではないそうです。
アリは視覚で騙されるほど目が良くないのでしょう。
試しに生餌のミクロ蛾と一緒にアリ(種類不明)をアリグモ♀の飼育容器に投入してみました。
数日飼っても力関係で劣るのかアリグモは決してアリを捕食せず逃げて回りました(映像なし)。
やはり攻撃的で恐れられているアリに似せることで外敵から身を守る作戦らしい。
「蟻の威を借る蜘蛛」
アリは獲物を噛み砕いて体内消化します。
対するアリグモは体外消化で腹部にはアリの分節を模した横縞が見えます。
第一脚をアリの触角のように振り立てます。
【追記】
『クモのはなしII:糸と織りなす不思議な世界への旅』p107(第14章:アリに似たクモ)によると、
アリグモ類は、日本での観察によると、ハエなどの双翅類の昆虫を食べていることが多く、アリを襲うことは知られていません。(中略)ほかの虫たちにきらわれているアリに似ることで、外敵、とくに狩人蜂から身を守っているというわけです。
【追記2】
鈴木紀之『すごい進化 - 「一見すると不合理」の謎を解く (中公新書)』によると、
(ヨーロッパに生息するアリに擬態したクモの)擬態はあくまで不完全で、アリの完全なコピーとはなっていません。いつも何匹かで歩き回っているアリとは異なり、アリに擬態したクモはよく葉の上に単独で餌を待ち伏せしていますが、こうした行動の差も「アリとは少し違う」という違和感の原因になっています。それゆえか、実験の結果、アリだけを食べるクモはアリに擬態したクモのことをエサとは認識せず、攻撃をしかけませんでした。アリだけを食べるクモは不完全な擬態を見抜き、クモであると正しく認識していたのです。では、クモだけを食べるクモはどうだったのでしょう。彼らは逆に、アリに擬態したクモのことを「こいつはアリかもしれない」と思い込み、攻撃をしかけませんでした。不完全ながらも擬態がうまく機能して、天敵をだますことに成功していたのです。 つまり、擬態が不完全だからこそ、アリを狙うクモとクモを狙うクモの双方に対して効果的だったのです。(p215〜216より引用)
スジアカハシリグモ(蜘蛛)幼体の飼育
2007年6月下旬
山中で見つけたスジアカハシリグモ幼体?を飼育してみたら脱皮後に様子が一変しました。
成体になり名前が確定するまで大事に育てます。
【追記】
8/7 再び脱皮。
闇クモ画像掲示板にて詳しい人に見てもらうと、やはりスジアカハシリグモ(Dolomedes saganus)の幼体らしいと教えてもらいました。
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