2014/08/09
ヤエウツギを訪花するジョウカイボン
2014年6月下旬
道端に植栽されたヤエウツギ(=サラサウツギ)でジョウカイボン(Athemus suturellus suturellus)が訪花していました。
肉食性のジョウカイボンが、頭を花に突っ込んで花蜜や花粉を食べているのは珍しいと思い撮りました。
ヒレハリソウの花で盗蜜するコマルハナバチ♂【ハイスピード動画&HD動画】
2014年6月中旬
山麓林縁の草地に咲いたヒレハリソウ(=コンフリー)の群落でレモン色の小さなコマルハナバチ♂(Bombus ardens ardens)が多数訪花していました。
花から花へ忙しなく飛び回る様子(複数個体)を240-fpsのハイスピード動画で撮影してみました。
訪花シーンをスローモーションでよく見ると、花筒の外から根元に穴を開け吸蜜するという穿孔盗蜜を毎回行っています。
したがって、ヒレハリソウの受粉には寄与していません。
コマルハナバチは体が小さいので花筒に潜り込めそうな気もするのですけど、舌が短くて正当訪花では奥の蜜腺まで届かないのでしょう。
盗蜜で雄しべに触れないことと、そもそも雄蜂は幼虫のために花粉を集めないので、後脚の花粉籠が空荷なのは当然です。
前回は同じヒレハリソウの群落でコマルハナバチ♀もせっせと盗蜜していました。
▼関連記事
ヒレハリソウの花で盗蜜するコマルハナバチ♀
雄蜂による盗蜜行動を見たのはこれが初めてです。
『日本産マルハナバチ図鑑』p61でコマルハナバチ♂の主な訪花植物リストにコンフリーが含まれていましたが、雄蜂による盗蜜行動の記述はありません。一方、北海道に分布する近縁亜種の
エゾコマルハナバチ♂は各種の花でエゾオオマルハナバチ♀が開けた盗蜜穴を利用して吸蜜するケースがしばしば見られる。(同図鑑p65より)
確かにこの日は同じ群落でオオマルハナバチ♀も盗蜜していました。
▼関連記事
ヒレハリソウの花で盗蜜するオオマルハナバチ♀
最後に、たまたま並んで吸蜜していたトラマルハナバチ♀と比べてみましょう。(@7:34〜8:22)
体格差も歴然としていますが、トラマルハナバチ(ナガマルハナバチ亜属)はヒレハリソウに正当訪花して長い舌を花筒の奥に差し込み吸蜜しています。
中舌の長さは、同一のカーストを比較すればナガマルハナバチ亜属で顕著に長く、ユーラシアマルハナバチ亜属、コマルハナバチ亜属、オオマルハナバチ亜属と徐々に短くなる。(『同図鑑』p166より)
コマルハナバチ♂の盗蜜シーンを通常のHD動画でも撮ってみました。
複数個体を撮影。
撮影の合間に1匹だけ採集しました。
以下に標本写真を掲載。
どうせならついでに、「雄蜂は毒針を持たず捕まえても刺してこない」ことを実演して動画に撮ればよかったですね。
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訪花
2014/08/08
柳の葉で交尾するナミテントウ
2014年6月下旬
湿地帯に生えた柳(種名不詳)の葉でナミテントウ(Harmonia axyridis)が交尾していました。
本種は鞘翅の斑紋に多型を示しますが、黒色型二つ紋型の♀と紅色型十九紋型の♂という異色のカップルでした。
体長は♀>♂。
♂を背負った♀は葉の上をウロウロと歩き回ります。
例によって♀は色気よりも食い気で、餌となるアブラムシのコロニーを探しているのでしょう。
コガタスズメバチ♀の探餌飛行
2014年6月中旬
堤防に咲いたウツギの群落でスズメバチが飛び回っています。
獲物となる昆虫を探し求めているのでしょう。
ウツギの花で吸蜜するシーンは見たことがありません。
動きが速いため肉眼ではキイロスズメバチかコガタスズメバチか迷いました。
全編1/2倍速のスロー再生にしてみるとコガタスズメバチ♀(Vespa analis)でした。
映像の前後半で別個体を撮影。
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飛翔
2014/08/07
卵嚢を守り♂を牽制するイエユウレイグモ♀(蜘蛛:微速度撮影)
2014年6月中旬・室温25〜26℃
▼前回の記事
イエユウレイグモ(蜘蛛)の交接から卵嚢ガードの再開まで【10倍速映像】
交接を観察してから11日後の午後。
屋内の天井隅に張られたイエユウレイグモ♀(Pholcus phalangioides)の不規則網に触肢の発達した成体♂がまた訪れていることに気づきました。
前回交接に成功した♂と同一個体なのか別個体なのか分かりません。
また求愛行動が見られるかと期待して、10倍速のタイムラプス動画で録画開始。
今回♂の行動は草食系というか不活発で、どうも求愛行動とは違うようです。(倦怠期のカップル?)
子持ちの♀が次の交接を許してくれるまで(卵嚢から幼体が孵化するまで?)健気にひたすら待っているのでしょうか。
それとも実は交接を済ませており、♀の網にライバル♂が侵入しないように交接後ガードしているのかもしれません。
卵嚢を口に咥えて持ち歩き保護している♀が網から♂を追い出そうとしている意図をなんとなく感じられるものの、激しい闘争は見られませんでした。
冷たくされて♂は♀に近づけませんが、網から出て行こうとしません。
♀は糸を張りながら動き回り不規則網を補修している可能性もありそうです。
しかし背景が白いため、網や糸が全く見えず真相は不明です。
写真や動画では2匹のクモ同士の奥行きを含めた空間的な位置関係を伝え難いです。
3Dカメラが欲しいと初めて思いました。
微速度撮影の途中で脚立に登り、♀♂ペアを接写してみました。
卵塊が白黒斑になっているのは、発生中の胚が透けて見えているのかな?
幼体の孵化が楽しみです。
定点観察を続けていると日によって♂が行方不明になるので、同一個体の♂が通い婚しているのか確認したくなりました。
そこで♀の不規則網に居座る♂に個体識別のマーキングを施すことにしました。
初めは網にぶら下がっている♂に直接マーキングを試みました。
しかし警戒して逃げられたので、仕方なく捕獲作戦に切り替えました。
透明カップで一時捕獲した♂を炭酸ガスで麻酔し、水色の油性ペンで腹背にマーキングしました。
このとき手元が狂い、うっかり歩脚にもインクが付いてしまいました。
麻酔から完全に醒める前に不規則網にそっと戻してやりました。
♀にも別の色で標識すれば良かったのですが、捕獲・麻酔・標識という一連の操作で身の危険を感じた♀が卵嚢を捨てたり網から逃去したりする可能性をおそれて、思いとどまりました。
(案ずるより産むが易しで、♀はそれほど神経質ではなく実はマーキングしても平気なのかもしれません。)
翌朝に様子を見に行くと、マーキングした♂水色が依然として♀の網に同居していました。
卵嚢を咥えた♀が居候♂を追いだそうとしています。
母は強し。
網に獲物がかかったらどちらが捕食するのか、興味があります。
つづく
2014/08/06
キショウブの花で休むクロヒカゲ
2014年6月中旬
里山の登り口の横にある草むらに咲いたキショウブの花にクロヒカゲ(Lethe diana)が止まっていました。
口吻が伸びていないことから、吸蜜ではなく翅を閉じて休んでいるだけでした。
本種は雑木林の樹液を吸う蝶なので、花蜜を吸わないのも納得です。
ところが飛び立っても何故かしばらくするとまた同じ花に舞い戻ってきました。
こんな目立つ場所に居座っていたら外敵に見つかり易いと思うのですが、危険を冒すだけの理由が何かあるのでしょうか。
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訪花
ウツギを訪花するウツギヒメハナバチ♀の羽ばたき【ハイスピード動画】
2014年6月中旬
堤防に咲いたウツギの群落で多数のウツギヒメハナバチ♀(Andrena prostomias)が採餌のため訪花していました。
花から花へ飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮影してみました。
複数個体を撮影。
ウツギに訪花しているから全てウツギヒメハナバチ、と思うのは危険です。
同所性同胞種であるコガタウツギヒメハナバチも訪花しているのでしょうか?
採集しても個体数に影響を与えなさそうなので、この日も1匹だけ採集しました。
体長からコガタウツギヒメハナバチではなくウツギヒメハナバチだろうと推定しました。
サンプリング数として不十分なので、映像にコガタウツギヒメハナバチが混じって登場している可能性も否定できません。(私には未だ形態で見分けられないのです。)
ウツギヒメハナバチとコガタウツギヒメハナバチでは同種のウツギ間でも、前者が大型の花を、後者が小型の花を分割利用することが示唆されている。(『但馬・楽音寺のウツギヒメハナバチ:その生態と保護』p36より)
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訪花
2014/08/05
キアシナガバチ♀の探索飛行と肉団子作り
2014年6月中旬
堤防に咲いたウツギの花でキアシナガバチ♀(Polistes rothneyi)が飛び回っていました。
時期的に未だワーカーではなく、単独営巣期の創設女王かな?
花蜜目当てに訪花するのではなく、獲物を探す探索飛行のようです。
茂みで芋虫を狩る瞬間は撮り損ねましたが、大顎で肉を噛み裂いて団子にすると巣に持ち帰りました。
映像の前後半で別個体を同じ日に撮影。
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栗の花とコアオハナムグリ
ウツギの花で採餌するクマバチ♀
2014年6月中旬
堤防に咲いたウツギの花でキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が採餌していました。
後脚の花粉籠は空荷でした。
複数個体を撮影。
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訪花
2014/08/04
ヒメシジミの婚活(♀1♂3)
2014年6月中旬
ヒメシジミ(Plebejus argus micrargus)は数の多い普通種で性別を容易に見分けられるので、求愛行動の観察に適しています。
(翅表が褐色なのは♀、青色は♂。)
▼関連記事(♀1♂1の場合)
ヒメシジミ♂の求愛と♀の拒絶
ウツギの花に止まったヒメシジミの♀♂ペアが顔を突き合わせるようにお見合いしています。
♂aは♀を中心に歩いて回り込んだり飛び回ったりして求愛しています。
♀は交尾拒否の意向らしく、隣の花へ飛んで逃げています。
近くに居た別の♂b,cも飛来して参戦。
♂同士が闘争している間、♀は花の上で知らん顔で花の下に潜り込みました。
モテ期の♀は今回気に入る♂が居なかったのか(選り好み)、それとも交尾済みのヒメシジミ♀は二度と交尾しないのでしょうか?
あるいは♀が未だ性成熟していないのかな?
♀を見失った3頭の♂は激しく乱舞を続けています。
ヒメシジミ♂の求愛が成就して♀と交尾に至る例を未だ見たことがないんですよね…。
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チョウ・ガ(鱗翅目),
配偶行動
2014/08/03
ヒレハリソウの花で盗蜜するオオマルハナバチ♀
2014年6月中旬
里山の麓に咲いたヒレハリソウ(=コンフリー)の群落でオオマルハナバチ(Bombus hypocrita)のワーカー♀が忙しなく訪花していました。
他のマルハナバチ類に比べて、この群落に訪花するオオマルハナバチの個体数は少ない印象を受けました。
採餌の様子をよく観察すると、正当訪花ではなく常に花筒の外から根元を噛んで穴を開け蜜腺を直接吸う穿孔盗蜜を行っていました。
この採餌法は正当訪花と異なり受粉に全く関与しない(雄しべ・雌しべに触れない)ため、後脚の花粉籠は空荷です。
(映像の前後半で別個体かもしれません。)
オオマルハナバチは舌が短く盗蜜の常習犯であることで知られます。
これまで私がコンフリーの花で実際に穿孔盗蜜を観察できたのはクロマルハナバチ♀、コマルハナバチ♀に次いで3種類目になります。
中舌の長さは、同一のカーストを比較すればナガマルハナバチ亜属で顕著に長く、ユーラシアマルハナバチ亜属、コマルハナバチ亜属、オオマルハナバチ亜属と徐々に短くなる。(『日本産マルハナバチ図鑑』p166より)
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飛べ!ヒメジャノメ【ハイスピード動画】
2014年6月中旬
里山の草むらでヒメジャノメ(Mycalesis gotama fulginia)が翅を半開きにして、夕日を浴びていました。
飛び立つ瞬間を240-fpsのハイスピード動画で撮影してみました。
すぐに同じ場所に舞い戻るので、繰り返し撮ることができました。
映像の前後半で別個体。
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飛翔
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