2016年6月上旬
山間部の道端に生えたクリの灌木で、ツノアオカメムシ(Pentatoma japonica)の幼虫が、葉に付着した鳥の糞から吸汁していました。
無翅で腹背が剥き出しなので、未だ幼虫なのでしょう。
レンズを近づけようと手前の葉にゴソゴソしてたら、警戒したカメムシは葉裏に避難してしまいました。
写真撮影はストロボの使い方やピント合わせなど色々と雑になってしまいました。(動画の方が上手く撮れています。)
疲労困憊していた上に夕暮れ時で下山を急いでいたせいです。
いつもお世話になっている「不明幼虫の問い合わせのための画像掲示板」に投稿したところ、akaitoriさんより「ツノアオカメムシに似て見える」との回答を頂きました。
実は糞を吸うカメムシを見つけたのは、これが3例目です。
▼関連記事
・鳥の糞を吸汁するセアカツノカメムシ♀
・獣糞を吸汁するハラビロヘリカメムシ
2015年6月上旬
路上でハシボソガラス(Corvus corone)が半分に割れたクルミの実(おそらくオニグルミの堅果)を啄んでいます。
硬い殻を割る行動は見ていないのですが、おそらく空中から何度も舗装路に投げ落として落下の衝撃で割ったのでしょう。
残念ながら車が通りかかり、カラスは飛んで逃げたので、採食シーンを最後まで見届けられませんでした。
交差点などでわざと車のタイヤに轢かれる位置に胡桃の実を置いて効率的に割らせる賢いカラスが国内で知られています。
今回も車が徐行してくれたのですが、このカラスはそこまで知恵が回らず、クルミを咥えて飛び去りました。
当地のカラスがクルミ割りで発揮する知能レベルは、投げ落とし行動で止まっているようです。
その萌芽行動(交差点でのクルミ割り)を一度だけ観察しています。
ここは田舎過ぎて車の交通量が少ないので、カラスが車を利用する行動が発達しにくいのではないかと私は推理しています。
ところでこの個体は、額がでっぱっている点はハシブトガラスっぽいのに、嘴が細いです。(これでもハシブトガラスですか?)
ときどきこうした同定に迷う個体を見かけるのですけど、雑種の可能性もあるのですかね?
【追記】
松原始『カラスの教科書』を読んでいたら、私の疑問に対する答えが書いてあり解決しました。(p33~34より引用)
(ハシブトガラスの)「額」に相当する部分が盛り上がっているのが外見上の特徴だが、実は羽毛を立てているだけで骨は平らである。(ハシボソガラスの)「額」もぺたんと平らだが、怒ると羽毛を逆立てることがあり、この時は頭がまん丸に見える。
2016年6月上旬
▼前回の記事
ハルジオンを訪花するアオバセセリの羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】
山間部の道端に咲いたハルジオンでアオバセセリ(Choaspes benjaminii japonica)の訪花シーンを撮っていたらもう一頭が背後から飛来し、熱烈な求愛を始めました。
ホバリング(停空飛翔)しているのが♀で、その周囲をぐるぐると縦に高速回転しているのが♂なのでしょう。
そのまま2頭は上昇し、雑木林の梢に消えました。
アオバセセリが求愛する卍巴飛行を初めて観察して感動しました。
次回はハイスピード動画で撮ってみたいものです。
2016年6月上旬
民家の駐車場のすぐ横の砂利道でハクセキレイ♀(Motacilla alba lugens)が居ました。
通りすがりに近くからカメラを向けて撮り始めても、なぜか逃げずにじっとしています。
自身の保護色に自信があるのかな?
ときどき街中でこうした人馴れした(ヒトをあまり恐れない)個体を見かけるのですけど、まさか誰かに餌付けされているのでしょうか?
もしかすると巣立ったばかりの幼鳥なのですかね?
最後にようやく飛び去りました。
2016年6月上旬
道端に咲いたフランスギクの群落でコアオハナムグリ(Gametis jucunda)が訪花していました。
花蜜や花粉を食べているようです。
風で花が揺れて撮りにくい…。
最後に翅を広げて花から飛び立ちました。
ハナムグリの仲間は前翅(鞘翅)を閉じたまま後翅だけを器用に広げて羽ばたきます。
2016年6月上旬
山間部の道端のスギ林でコガラ(Poecile montanus)が枝から枝へ忙しなく飛び回り、採食していました。
撮れたのは1羽だけですが、群れの仲間と鳴き交わしているようです。
2016年6月上旬
山間部の道端に咲いたハルジオンの群落でアオバセセリ(Choaspes benjaminii japonica)が訪花していました。
花から花へ飛び回り、吸蜜しています。
この組み合わせの訪花シーンは4年前にも同じ地域で撮影済みです。
▼関連記事
アオバセセリがハルジオンで訪花吸蜜
今回は花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:51〜)
スローモーションで見ると飛翔中に2、3回羽ばたいてから空中で翅を閉じて羽ばたきを止める瞬間があり、独特のリズムで飛んでいることが分かります。(セセリチョウの特徴で省エネ飛行?)
複数個体を撮影。
花上で羽ばたきが激しくなったときに体から落ちる白い粉はハルジオンの花粉ですかね?
アオバセセリの鱗粉は白くないと思うのですけど。
つづく→求愛飛翔
2016年6月上旬
平地の水田、畑および溜池に囲まれたスギ林(林縁は雑木林)でハシボソガラス(Corvus corone)の群れ(計3羽?)が激しく鳴き騒いでいました。
兄弟喧嘩なのか、林床で何か獲物を奪い合っているのか、争いの原因は不明です。
途中からもう一羽が加勢しに左から飛来しました。
実はこの近くにハシボソガラスが営巣しているので(動画を公開予定)、襲われた幼鳥を守ろうと親鳥が駆けつけたのかと想像したりしました。
あまりに動きが激しくて、成鳥/幼鳥を見分けられませんでした。
すぐに別れて各自が樹上に落ち着きました。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
2016年6月上旬
畑の農道脇に咲いたノイバラの群落でクロマルハナバチ(Bombus ignitus)のワーカー♀が訪花していました。
目が回りそうなぐらい忙しなく飛び回る上に、茂みの奥の日陰で採餌する傾向があるため、きわめて撮りにくかったです。
花粉籠の状態も見分けられませんでした。
おそらく日向の花は既に採餌し尽くした後なのでしょう。
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ノイバラの花 |
2016年5月下旬・くもり・午後18:39〜18:43
前年(2015年)にスズメ(Passer montanus)の集団塒を見つけて、塒入りを家屋の外から撮影できました。
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スズメ(野鳥)の塒入り:雀のお宿はイワガラミの中
今年はその逆アングルの塒側(室内)から撮影したいと思っていました。
壁面緑化のイワガラミが3階の窓の下まで蔓を伸ばし、北壁に生い茂っています。
そろそろ花が咲きそうな時期です。
夕刻にスズメの鳴き声がうるさいので室内からそっと窓際に近づいてイワガラミの茂みをガラス越しに覗いてみると、窓枠のすぐ下の蔓に並んで止まった3羽が押し合いへし合い暴れていました。
3羽ともに頬の黒班が薄く嘴の端が黄色い幼鳥でした。
喧しく鳴きながら押しくら饅頭しています。
巣立ったばかりの幼鳥だからヒトをあまり恐れないのかな?
一方、窓の外では庭木のアケボノスギの横枝に止まっていた成鳥(頬が黒色)が壁面のイワガラミの茂みに飛び込む瞬間が撮れました。
アケボノスギの大木に就塒前集合しているというよりも、スズメの数が少ないので各自のタイミングで塒入りしています。
室内で撮影する私の存在に気づくと慌てて警戒声を発しながら飛んで逃げました。
本格的に撮るのならブラインドを張って隠れるべきですね。
前年に観察したような集団塒と呼べるほど大きな規模ではありませんが、家族群の塒入りだと思います。
午後18:51になるとスズメの鳴き声が静かになったので、就塒が完了したようです。
奇しくもそれは、日の入り時刻にぴったりでした。
※ 汚れた窓ガラス越しに撮った不鮮明な映像なので、動画編集時に自動色調補正を施しています。
スズメの群れはそのまま夜を過ごすのかと思いきや、深夜(23:43)に赤外線の暗視カメラを使って再び窓の外を探してもスズメは居なくなっていました。
いつの間にか塒の場所を少し変えたようです。
今年はどうもスズメの集団塒は近所の別な樹上に形成しているようで、その後イワガラミの茂みはほとんど利用してくれなくなりました。
2016年6月上旬
農村の道端に咲いたハルジオンの群落でマドガ(Thyris usitata)が花に群がっていました。
同じ株に咲いた別々の頭花で3頭が一心不乱に集団吸蜜しています。
映像後半では、隣の株で2頭が集団吸蜜しています。
1頭が途中から吸蜜する花を移動して来てもマドガ同士で蜜源をめぐる争いにはならず、あっさり譲って横に移動しました。
マドガの集団吸蜜もそれほど珍しくはありませんが、求愛や交尾行動に発展する様子を一度も見たことがないのは不思議です。
昼行性と言われていますけど、たとえば暗くなってから配偶行動をするのでしょうか?
羽化直後に交尾するのかな?
そもそも、私にはマドガの性別を見分けられないのが残念です。※
※【追記】
2016年6月上旬
山麓の道端の茂みでアカガネサルハムシ(Acrothinium gaschkevitchii gaschkevitchii)♀♂が交尾していました。
♀の背後からマウントした♂がときどき体を左右に激しく揺する行動が気になりました。
交尾器の結合部が見えないのが残念。
ライバル♂の精子を掻き出そうとしているのか?と想像しました。(精子競争)
それとも挿入角度を調節しているのでしょうか?
ちなみに、交尾中の尻振り行動はナミテントウでも観察したことがあります。
そしてナミテントウの場合では研究の結果、交尾中の♂の体の振動はおそらく精子を送り込む運動であると考えられているそうです。
同時にアカガネサルハムシ♂が長い触角で♀の腹背(肩の辺り)を激しく叩いているのは、求愛行動の一種なのか、♀にじっとしているよう宥めの信号を送っているのかな?
更に♂はときどき後脚も激しく動かしています(側面からも接写したかった…)。
ところが、静止していた♀が♂を背負ったまま歩き出しました。
複数ペアを撮影した後に、1ペアを採集しました。
以下は標本写真。(掲載予定)
2013年4月上旬
杉を植林された山で林床の残雪を踏みしめて歩いたニホンカモシカ(Capricornis crispus)の足跡を追いかけてみました。
急斜面をトラバースして雑木林の方へ登って行ったようです。
2016年6月上旬
山麓の舗装路でヒオドシチョウ(Nymphalis xanthomelas japonica)の幼虫をクロヤマアリ(Formica japonica)のワーカー♀が群れで攻撃していました。
死骸ではなく未だ生きている毛虫を襲っています。
ヒオドシチョウ幼虫に特有の棘状の突起ではアリの攻撃に対して自衛できないことが分かりました。※
それでも身を攀じって暴れ、必死で抵抗しています。
その棘の先端を多数のアリが咥え、後ろ向きで一斉に引きずり、巣に運搬しています。
幼虫の頭楯を引っ張っているアリは、どこに噛み付いているのでしょう?
多数の蟻が興奮したように周囲を走り回っています。
おそらく仲間を呼び寄せる集合フェロモンを発しているのでしょう。
ヒオドシチョウ幼虫は大勢のアリを引きずって徘徊を始めるも、振り払えずにまた捕まりました。
天敵に襲われたヒオドシチョウの幼虫は口から嫌な味のする液体を吐くことが知られています。
ヒオドシチョウでも体前半部を持ち上げ、激しく震わせ、口から緑色の液を出す。(『日本動物大百科9昆虫II』p48より)
ところが、この個体は何故か吐き戻していません。
もう既に吐き尽くしてしまったのでしょうか?(蟻には効果なし?)
最後は採寸のために定規を並べて置きました。
※ ちなみに、ヒオドシチョウ幼虫の背中に生えた恐ろしげなトゲトゲは見掛け倒しで、ヒトが手で触れても痛くありません。
一方、マイマイガの幼虫(毛虫)はアリに襲われそうになっても長い毛で身を守れました。
▼関連記事
マイマイガ(蛾)幼虫の毛の防護効果:ムネアカオオアリ♀を撃退
2016年5月下旬
ホシカレハの飼育記録#6
▼前回の記事
ホシカレハ♀(蛾)羽化後の初飛行【HD動画&ハイスピード動画】
羽化したホシカレハ♀(Gastropacha populifolia angustipennis)を室内で放し飼いにしていました。
本種は口吻が退化しているので、成虫に給餌は不要です。
明るい昼間は全く動かないのに、夜は室内を消灯した途端に激しい羽音を立てて闇雲に飛び回り始めることに気づきました。
どうやら夜行性のようです。
赤外線の暗視カメラで準備運動と飛翔シーンを撮ってみました。
のべ3日間にわたって撮影した映像をまとめてあります。
やがて昼間は窓の網戸に止まるようになりました。
これでようやく方眼紙の代わりに採寸できました。(網目の1マスは約1.4mm)
連日連夜、暗闇の室内で激しく飛び回っては壁や天井にガンガンぶつかるため、翅先がかなり傷んでしまいました。
止まっている時に腹端が翅で隠れているため、性フェロモンを放出するコーリング行動をしているのかどうか分かりませんでした。
網戸の外に多数のホシカレハ♂が誘引されて乱舞するシーンが見れるのではないかと期待したのですが、『ファーブル昆虫記』に出てくる有名な「オオクジャクヤママユの夜」のようなことは残念ながら起こりませんでした。
2012年5月上旬
山村の畑でキジバト(Streptopelia orientalis)が採食していました。
見事な保護色ですね。
畑の畝を越えて行き、見えなくなりました。
実はもう一羽いることに撮影中は気づきませんでした。
更に近づいて撮ろうとしたら、二羽連れ立って飛んで逃げました。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
2016年6月上旬
畑の農道沿いに咲いたノイバラの群落でキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が訪花していました。
後脚の花粉籠に橙色の花粉団子を付けています。
とにかく忙しなく飛び回り、撮る方も目が回りそうです。