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2026/01/20

ホンドタヌキがアナグマの巣穴を覗き込んだ直後に中から続々と脱出するカマドウマ幼虫の群れ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年10月下旬・午前4:55頃・気温9℃・日の出時刻は午前5:59 

平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)に設置した自動撮影カメラに野生動物が写ったのは1週間ぶりです。 
雨が降る未明に単独のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)がやって来ました。
アナグマの巣口Lの匂いを嗅いだだけで、中には侵入せずにあっさり帰りました。 

タヌキが立ち去った直後から、巣口Lから無数の虫が外に続々と脱出してきました。 
おそらく中に潜んでいた穴居性のマダラカマドウマDiestrammena japanica)の幼虫と思われます。 

関連記事(同所同時期の撮影)▶ ニホンアナグマの巣穴に潜むカマドウマの群れを直接撮影してみる【暗視映像】 


カマドウマは夜行性のはずですが、雨が降る日は自発的に外出することはないのでしょう。 
しかし外からの振動を危険と感じて、雨天でも脱出行動しました。 

一方タヌキは雨夜の暗闇で虫の存在に気づいておらず、獲物として捕食しませんでした。 

1.5倍に拡大した上で5倍速の早回し映像でリプレイ。(@0:20〜) カマドウマの脱出行動は、早送りにしないと分かりにくいのです。 


余談ですが、画面の右端手前でぶらぶら揺れているのは、クモの粘球(またはクモの本体?)でしょう。 
トレイルカメラの照射する赤外線を至近距離から反射して、眩しく光っています。 


2026/01/18

ニホンアナグマの巣穴に潜むカマドウマの群れを直接撮影してみる【暗視映像】

 

2024年10月下旬〜11月上旬

地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)をトレイルカメラを使って長期間の定点観察をしています。 
独立した2つの巣穴L、Rの入口付近に(秋になると?)現れる小さな徘徊性昆虫の正体がずっと気になっています。 
アナグマの巣穴に居候している謎の虫は、夜になると活動が活発になるようです(夜行性)。 

アナグマ以外の野生動物(タヌキなど)がここに通って来るのは、居住空間をアナグマから乗っ取るのが目的ではなく、穴居性の虫を捕食するためだということが分かってきました。 
アナグマや他の野生動物が巣穴に入ると、その虫の大群が入れ替わるように巣穴からピョンピョン跳んで脱出するのです。 


シーン1:10月下旬・晴れ(@0:00〜) 
暗いトンネルの内部を観察できる内視鏡(スネークカメラ)を持ってないので、手持ちの撮影機材でなんとか方法を考えました。 
赤外線の暗視映像が撮れるハンディカムを伸ばした一脚に取り付けて、巣穴の奥に差し込むことにしました。 
このアイディアの実行になかなか踏み切れなかったのは、もしもアナグマが巣内に居た場合、怖がってこの営巣地から逃去してしまうのではないかと恐れたからです。 
現場入りしてトレイルカメラの電池を交換するときも、巣穴の入口に私の足跡や匂いを付けないように、必要以上には決して近寄りませんでした。 
しかし、どうしても巣内に居候する謎の虫の正体を確かめたくて(好奇心に負けて)、決行することにしました。 

直前に監視カメラをチェックして、おそらくアナグマは留守だろうと確かめました。 
作業中にハンディカムの液晶モニターは見れませんから、手探りで(勘で)一脚を突っ込み、撮れた動画をその場で再生して確かめます。 
確かに留守だったようで、ハンディカムを突っ込んでも巣内のアナグマが怒ってカメラに噛み付いたり、外に飛び出して来たりすることはありませんでした。 


まず初めに、巣穴Rを調べます。 
巣口Rから斜め下にトンネルが伸びてから、向きが変わっているようです。 
途中ですぐにハンディカムを付けた一脚が引っかかってしまい、奥まで撮れませんでした。 
真っ直ぐで剛性のある一脚は、柔軟に曲げることが出来ないのです。 
坑道には落枝が散乱していました。 
やや下向きに固定したハンディカムでトンネルの床面を撮っても、虫は写っていませんでした。 

次に、別の巣穴Lを調べてみましょう。 
入口Lには落ち葉が散乱しています。 
ハンディカムを暗視モードに切り替えてから、巣穴Lの奥に突っ込んでも、羽アリ?が1匹写っていただけでした。 
巣穴Lは入口から斜めに降りた後は南に向かってまっすぐ伸びているようですが、奥までハンディカムが届きませんでした。 



シーン2:11月上旬・晴れ(@3:52〜) 
2週間後に、同じ作戦で再挑戦してみました。 
謎の穴居性昆虫はおそらくカマドウマだろうと予想しているのですが、前回は時期が少し早かったのかもしれません。 
しかし、トレイルカメラに撮れた映像では、アナグマやタヌキが巣穴に潜り込むと、それと入れ替わるようにカマドウマ?の群れが中からワラワラと外に逃げ出して来る様子が何度も写っていました。 
謎の穴居性昆虫はトンネルの床面ではなく天井面に居るのだとしたら、前回は撮影アングルの問題で写っていないだけかもしれません。 
これ以上先延ばしにすると、謎の虫が連日のように野生動物に捕食されて全滅するかもしれません。 

そこで今回はハンディカムをポールに固定する際に水平よりも少し上を向けて、坑道(トンネル)の天井部を狙って撮ることにしました。 
前回は一脚がやや太すぎたので、それよりも細いスキーのストックを使ってみたら、だいぶスムーズにカメラを出し入れできました。 
スキーのストックは細くても十分な剛性があります。

まずは、巣穴Rの内部を調べます。 
すると予想通り、カマドウマの群れがトンネルの天井部に逆さまになって蠢いていました。 
白黒の暗視映像ですが、どうやらマダラカマドウマDiestrammena japanica)のようです。 
大小様々の個体が集結しています。 
腹端に産卵管を持つ♀成体も混じっていました。 
小さい個体は幼虫なのでしょう。 

ハンディカムを盲滅法に動かしているので、映像が見にくいのは仕方がありません。 
見やすくするために、1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 

次は、もう一つの巣穴Lの中を覗いてみましょう。 
巣口Lには落ち葉が大量に溜まっています。 
ハンディカムを差し込むと、トンネルの天井部に逆さまに止まって居たカマドウマが奥に逃げて行きます。 
撮れた映像を見比べる限り、巣穴Rよりも巣穴Lの方がカマドウマの生息数が多いようです。

巣穴に突っ込んだポールを引き出してハンディカムを回収すると、ボディもレンズも土で汚れていました。 
撮影機材の角でトンネル内部を擦ってしまったようです。 
こういう過酷な撮影環境では、GoProなど小さなアクションカメラの方が適していそうですが、予算不足で持っていません。 


※ 動画編集時に暗視映像をモノクロに加工しています。 

撮影直後にカマドウマが1匹だけ巣外に跳び出してきました。
しかし、私がもたついている間に逃げられてしまい、証拠の写真や動画を自然光下で撮ることができませんでした。 


【考察】 
試行錯誤で悪戦苦闘した結果、前年からの謎が解けてスッキリしました。 
百聞は一見に如かず、案ずるより産むが易し、という諺の通りでした。 

夜行性のカマドウマは、隠れ家としてアナグマの巣穴を昼間に利用しているだけなのでしょうか?
アナグマは寝床として大量の植物(落ち葉だけでなく緑の生葉も含む)を巣内に持ち込みます。
古くなった巣材は巣穴の外に捨てられますが、巣穴の中には腐葉土になりかけた落ち葉が大量に溜め込まれているのです。
カマドウマは雑食性ですから、そのような有機物(リター)そのものを食べたり、そこに集まる土壌生物を捕食したりして成長するのかもしれません。

ちなみに、巣穴Lの横に生えたミズキ灌木の幹に粘着トラップを設置したところ、マダラカマドウマの触角や自切した脚が大量に付着していました。
つまり、カマドウマは木登りもするのです。

関連記事()▶ 


トレイルカメラの記録によると、野ネズミがアナグマの巣穴に居候していた時期もあったのですが、今回の撮影では野ネズミについての手がかりを得られませんでした。 

アナグマの巣穴の内部を非破壊でもっと詳しく調べるには、ファイバースコープ(スネークカメラ、内視鏡)を導入すべきでしょうか?
売られているファイバースコープの多くは、細いパイプの中を調べることを想定して作られています。 
アナグマの巣穴はファイバースコープの太さに対してだいぶ広いのが問題になります。 
入口から送り込むファイバースコープにある程度の剛性がないと、フニャフニャでは曲がりくねったトンネルの奥まで差し込めないはずです。 
リアルタイムで画面を見ながら挿入する向きを手元で細かく操作できる高級品のファイバースコープが必要になりそうです。 

写真家の福田幸広氏による名著『アナグマはクマではありません』を読むと、ラジコンのキャタピラ車にCCDカメラを取り付けて巣穴の奥を撮影してみたいという構想が確かあとがきに書いてありました。 
私の予想では、おそらく筆者はファイバースコープを使っても上手く撮れなかったのでしょう。 
ラジコンカーの作戦が成功したのかどうか、気になります。(首を長くして続編をお待ちしています。) 


秋になると様々な野生動物(タヌキ、キツネ、テン、ハクビシン、イタチ、野ネズミなど)がアナグマの巣穴(空き巣)に足繁く通ってくるのは、穴居性のカマドウマを獲物として捕食するためだったようです。
カマドウマは、何か対捕食者戦略を進化させていないのでしょうか? 
群れを作り、ピョンピョン跳んで逃げ惑うだけなのかな? 
カマドウマの長い後脚は、強い跳躍力を得るためだけでなく、捕食者が噛みつきにくいように嵩張り、口に刺さるように棘を生やしているのだそうです。 

Gemini AIによれば、 
カマドウマの脚には鋭いトゲ(棘)がたくさん生えており、特に後脚の脛節(細長い部分)に集中していて、これで跳躍したり、捕食時に獲物を捕らえたり、外敵から身を守ったりするのに役立っています


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2025/12/31

トレイルカメラのザトウムシ対策で粘着トラップを試してみる(その4)マダラカマドウマやツノアオカメムシなども捕捉


前回の記事:▶ トレイルカメラのザトウムシ対策で粘着トラップを試してみる(その3)ザトウムシの歩脚を捕獲 


2024年10月上旬 

平地の二次林でニホンアナグマの営巣地(セット)を監視する2台のトレイルカメラに夜な夜な写り込んで撮影の邪魔をするザトウムシが近づけないように、自家製の粘着トラップを試しに設置しています。 

ミズキ灌木の幹で監視カメラWの上下に巻いた粘着テープ(ガムテープ)に、今回は過去最多の虫が付着していました。 
この期間は雨が少なくて、テープの粘着性が落ちなかったのかもしれません。


新顔の虫としてまず気になったのは、マダラカマドウマDiestrammena japanica)です。 
地面から登って来たカマドウマが、粘着テープに捕らえられて動けなくなった脚を自切して、なんとか逃げのびたようです。 
自切した脚だけでなく、長い触角も粘着テープにへばり付いていました。 
本種は樹液酒場でも見られるため、ミズキの樹液を吸汁しに木登りしていたのかもしれません。 

関連記事(10年前の撮影)▶ 夜にミズナラの樹液を吸うマダラカマドウマ♀ 

以前このミズキ灌木の幹に尖ったドライバーをうっかり刺してしまったとき、傷口から透明なサラサラした液体が溢れるように流れ落ち、さすが水木の名前通りだと感心しました。

アナグマが掘った2つの巣穴L、Rには穴居性のカマドウマが群れで居候していることが後に明らかになります。(映像公開予定)
もしかすると、そこで育ったカマドウマの一部が巣穴の横に生えているミズキの木に登って来たのかもしれません。


本命のザトウムシ(種名不詳)は、自切した歩脚を粘着トラップに残して逃げた個体もいれば、全身がへばりついて逃げられなかった個体もいました。
ザトウムシは上のテープにも下のテープにも付着しており、(常識的な予想に反して)樹冠から降りてきた個体も多いことを示唆しています。
あるいは別の解釈として、地面から幹を登ってきたザトウムシが下側の粘着トラップを歩脚の自切でなんとか突破できたものの、次に待ち構えていた上側の粘着トラップからは逃れられなかったのかもしれません。
どちらの解釈が正しいか確かめるには、ライブカメラで粘着トラップをひたすら監視するか、飼育下で実験するしかなさそうです。

そもそも、どうしてザトウムシがトレイルカメラに集まって居座るのか、謎のままです。
通常光の照明なら夜に虫が走光性で引き寄せられますから、その獲物を狙って肉食性のクモも集まって来るのは納得できます。
しかしトレイルカメラは夜に可視光ではなく赤外線を照射するだけです。
動画撮影の度に発熱するカメラの、ほのかな暖かさが好きなのかな?
 
前回(シリーズその1)と同じく、 ヒメマダラエダシャクAbraxas niphonibia)らしき蛾の幼虫も1匹だけ下側の粘着テープに捕らえられ死んでいました。
イラガMonema flavescens)の古い繭もミズキ灌木の幹に付着したまま残っていましたが、今回の本題とは関係ありません。 


別の監視カメラNを固定した落葉性灌木(樹種不明)の幹に巻いた粘着テープを調べてみると、少数の虫しか付着していませんでした。 
上側のテープにはオオナミザトウムシNelima genufusca)?が1匹だけ丸ごとへばり付いていました。
やはり樹冠から幹を伝って下に降りてきたのでしょうか。
この灌木には木質の蔓(種名不詳)が巻き付いていて、徘徊性の虫が粘着トラップを回避できる迂回ルートになっている可能性があります。
 
下側の粘着テープにはツノアオカメムシが1匹、付着していました。 
背中に寄生バエの白い卵が産み付けられています。
このツノアオカメムシについては、指で触れてみて死んでいることを確認しました。
下側の粘着テープの反対側に回り込むと、種名不詳のカメムシが1匹、付着したまま死んでいました。 
死骸の体は捕食者(おそらく鳥またはアリ?)に食べられていて損傷が激しく、私にはカメムシの種類を同定できませんでした。
こうして写真を並べて見ると、なかなか悪趣味な昆虫採集ですね。
それでも地道に記録を残すことで、少しでも罪滅ぼしになるかもしれません。 
トレイルカメラでは原理的に恒温動物(温血動物)の活動しか記録されません。
粘着トラップによって、トレイルカメラでは見落としてしまう、この森の昆虫相が少しだけ垣間見えてきます。

トレイルカメラの保守作業を終えると、粘着トラップを上下とも交換して(ガムテープを裏返し粘着面を上にして幹に巻き直し)帰りました。 


つづく→ 


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2025/12/22

アリの好き嫌い:ヒミズの死骸を避けコオロギの死骸に群がるアリの謎

 

2024年9月上旬・午前10:50頃および午後15:20頃・晴れ 

平地の田んぼと線路に挟まれた農道(砂利道)でヒミズUrotrichus talpoides)の新鮮な死骸を発見。 
仰向けにひっくり返って死んでいました。 
アズマモグラなら、穴掘り用の前脚がもっと筋骨隆々としているはずです。 
口から白い歯が覗いて見えます。 
腹面を見ても、外性器がどこにあるのか分からず、性別不明です。 
素人目には目立った外傷はなく、死因は不明です。 
痩せているようには見えませんが、ミミズが取れずに餓死したのでしょうか? 
水田に散布した農薬が生物濃縮されて中毒死した可能性なども疑ってしまいます。 

死後間もないようで、腐臭などはしませんでした。 
まだハエも来ていません。 
裏表の写真だけ撮って通り過ぎました。

 

4時間半後に現場へ戻ってくると、ヒミズの死骸はそのまま放置されていました。 
カラスやトビなどのスカベンジャーが死骸を持ち去らないのが不思議です。 

その代わり、微小なクロアリ(種名不詳)が集まっていました。 
砂利道を往来する自転車に踏まれたのか、それとも死骸の腐敗が進んだのか、死んだヒミズの肛門から体液が滲み出しています。 
それを目当てにアリが誘引されたのかと思いきや、よく見るとエンマコオロギ♀(Teleogryllus emma)の死骸に群がっていることが分かりました。 
コオロギの腹端に先割れした産卵管があるので、♀と分かります。 
ヒミズの死骸にアリは決して登ろうとしないのが、興味深く思いました。






【考察】 
午前中に見たときにはコオロギの死骸はありませんでした(気づかなかった)。 
ヒミズの死骸に誘引されたエンマコオロギ♀が、アリの群れに襲われたのでしょうか? 
いつものように、Perplexity AIに相談してみましょう。 

Q: コオロギが小動物(ネズミやモグラなど)の死骸を食べに来ることはあるか?

一般的な行動としては、コオロギがネズミやモグラなどの死骸を積極的に食べに来ることは稀と考えた方が妥当です。

コオロギの基本的な食性

多くのコオロギ類は雑食~腐食性ですが、主体は以下のような餌です。

  • 枯葉・朽木・落ちた草本などの植物質

  • 他の昆虫の死骸や、脱皮殻、糞など動物性だが「小片」の有機物

この「動物質」には、すでに砕けている虫の死骸などは含まれますが、ネズミやモグラのような「毛の生えた脊椎動物の死骸を積極的に齧る」行動は、少なくとも典型例ではありません。

小型脊椎動物の死骸とコオロギ

とはいえ、条件によっては次のようなことはあり得ます。

  • 死骸の表面にうっすら付いた体液・軟部組織を舐める・ついばむ程度の利用

  • すでにアリやハエが分解を進め、筋肉が露出し柔らかくなっている部分をつまむ

ただし、こうした行動は「死骸にコオロギが群がる」というレベルには通常ならず、アリ・ハエ・ダニなど専業スカベンジャーの周辺に便乗的に現れる程度と思っておくのが安全です。

ヒミズやモグラの場合に特に起こりにくい理由

質問の文脈に沿うと、ヒミズやモグラなど食虫性哺乳類の死骸は、

  • 強い体臭・分泌物のために、哺乳類・鳥類のスカベンジャーですら敬遠されやすい

  • 昆虫側にも嗜好性が低い可能性が高く、昆虫スカベンジャーの「人気死骸」ではない

そのため、「コオロギがわざわざ食べに来る」状況は、ネズミや鳥の死骸に比べてもさらに起こりにくいと考えられます。

実務的なまとめ

  • コオロギは雑食で、小さな動物片(昆虫の死骸など)は普通に食べる。

  • しかし、ネズミ・モグラのような小型哺乳類の死骸に群がるほど積極的なスカベンジャーではない。

  • 特にヒミズ・モグラの死骸については、嗅覚的な要因から「コオロギが好んで利用する餌」とは考えにくい。

したがって、「理論的にはごく一部を齧ることはあり得るが、現場で観察されるような行動としてはかなり例外的」というイメージが近いと思われます。


アリがヒミズの死骸を明らかに避けてコオロギの死骸に群がっていたことについて、Perplexity AIの見解は、

ヒミズ(ミズラモグラ)の死骸にスカベンジャーが付きにくいという印象は、必ずしも気のせいとは言い切れませんが、「忌避物質がある」とまでは現時点では証明されていません。hp-ez

ヒミズに既知の「毒」「忌避物質」はあるか

ヒミズ(Urotrichus talpoides)はモグラ科で、日本の土壌性小型哺乳類としてよく研究されていますが、生体・死体の皮膚分泌物に関して「捕食者やスカベンジャーを明確に忌避させる毒物質」を示した報告は見当たりません。wildlife+1
一方で、モグラ類は肉食性・高代謝で体臭が強く、体表や肛門周辺分泌物の匂いがきついことが指摘されており、これが少なくとも鳥類などの一部捕食者には不人気な餌になっている可能性があります(ただし定量的な哺乳類・鳥類の選好実験はほぼありません)。hp-ez

なぜスカベンジャーが付きにくく見えるか

ヒミズの死骸は多くが地表近くの土中トンネルや草かぶりの場所で見つかり、開けた場所の死骸に比べて「ハエなどが群がる典型的な死体」の見た目になりにくいと考えられます。hp-ez
また、細長く小型(体重十数グラム規模)の死骸は、アリ・ハエ幼虫・ダニなどの小型スカベンジャーが内部から分解してしまい、外見上「虫が群がっている」状態にならずに短時間で崩れていくこともあり得ます(小型脊椎動物の死骸分解では一般的なパターン)。vliz

カラスなど鳥が食べない理由の可能性

カラス類は雑食ですが、餌としての「経験と学習」による選び方が強く、普段ほとんど遭遇しないタイプの獣の死骸は匂いや質感で回避されやすいことが知られています。jstage.jst
モグラ類は主に地下で生活し、カラスが日常的に捕食・スカベンジング対象としている哺乳類(ネズミ類、ロードキルのタヌキ・キツネなど)と比べて遭遇頻度が低いため、「見慣れない臭くて細い獣」というカテゴリとして学習的に避けられていても不思議はありません。hp-ez

「化学防御動物」との比較から言えること

両生類や昆虫、ダンゴムシなどでは、皮膚・体表分泌物に明確な防御成分をもち、捕食者が実験的に強く忌避する例が多数知られています(カメムシ臭成分や有毒カエルの皮膚毒、ダンゴムシのキノリン誘導体など)。pmc.ncbi.nlm.nih+1
しかし、モグラ科やヒミズについてはそういった「化学防御物質」を同定した研究はほとんどなく、現時点では「明確な毒・忌避物質があるから誰も食べない」とまでは言えない段階です。wildlife+1

まとめとしての解釈

  • ヒミズに両生類や一部昆虫のような明確な毒分泌物が存在するという証拠はない。少なくとも日本語・英語の公開文献では報告されていない。wildlife+1

  • ただし、モグラ類特有の強い体臭や脂肪酸・分泌物が、鳥や哺乳類の一部には嗜好性の低い餌として働いている可能性はあり、ユーザーの「誰も食べない」という印象と矛盾はしない。これは、学習と嗜好の組み合わせで説明できる範囲にある。jstage.jst+1

  • 小型で地下性の哺乳類の死骸は、目立つ「ハエ塊」にはなりにくく、アリや微小スカベンジャーに内部から処理されることで、外見上「虫が集まっていない」ように見えるケースも多いと考えられる。vliz

したがって、「完全な気のせい」と切り捨てるよりは、「ヒミズ特有の匂い・生活場所・サイズの組み合わせが、スカベンジャーの見え方と選好を変えているが、毒・忌避物質として化学的に証明されたものはまだない」というのが現状の知見に近いと言えると思われます。wildlife+1


Q: ヒミズに特有の匂いとやらを私はまだ感じた記憶がありません。 


A: ヒミズやモグラの死骸が人間の嗅覚で無臭に感じられるのは一般的で、激しく腐乱する前の段階では強い腐敗臭が発生しにくい特性があります。omnh+1

モグラ類の体臭と人間の感覚差

モグラ科動物(ヒミズを含む)は皮膚腺や肛門腺から分泌される物質により独特の臭いを持ち、これが生体では捕食者(キツネなど)に敬遠される要因とされていますが、人間には微弱または無臭として検知されにくい場合が多いです。hiroshima-bot+1
この臭いは主に脂肪酸やタンパク質由来の揮発性化合物で、動物の嗅覚では強い忌避効果を発揮する一方、人間の鼻では土臭や無臭に近いニュアンスとして感じられることが観察されています。hp-ez+1

スカベンジャーへの影響

死骸段階でもこの分泌物が残存し、キツネやカラスなどのスカベンジャーが食べずに放置するパターンが報告されており、ネズミ類の死骸が速やかに消費されるのに対し、モグラ・ヒミズ死骸は残存しやすいです。naturelog.main+2
小型で地下由来の死骸は腐敗初期にハエなどが付きにくく、内部から微小分解が進むため、外見上無臭・無虫に見えやすい構造的要因も加わります。omnh

ユーザーの野外観察経験(山形近辺のトレイルカメラ使用)と一致する形で、モグラ類の死骸は人間目線で「無臭・スカベンジャー不人気」として残りやすいですが、これは化学防御的な分泌物の影響が主で、気のせいではありません。omnh


ヒミズが分泌する忌避物質の正体を化学的に同定できれば、アリ避けの忌避剤として応用できるかもしれません。 

(ヒミズは)体に独特のニオイがあるからか、捕食者にハンティングされても食べられないで放置されることが多いようだ。(p97より引用)
と書いてあります。

自分でも忘れかけていたのですが、当ブログを検索すると「ヒミズの死骸に集まるアリ」の事例を過去に何度も観察していました。

関連記事(4、6年前の撮影)▶ 

ヨツボシモンシデムシなど他の腐肉食性昆虫も、死んだヒミズに来ていました。

関連記事(6、16年前の撮影)▶ 

したがって、ヒミズの死骸はスカベンジャーに人気がないとは言い切れません。
ヒミズの体毛に虫除け物質が塗布してある(分泌している)のでは?という私の妄想も先走り過ぎということになります。

今回のアリがヒミズの死骸を避けてコオロギの死骸に群がっていたことが不思議でした。
2種類の死骸が並んでいるのを見つけたアリが選択を迫られたら、解体して巣に持ち帰りやすいコオロギの死骸を優先するのは当然かもしれません。
あるいは、もしかすると、アリの種類によって餌の嗜好性に違いがあるのかもしれません。
今回私は問題の微小アリをマクロレンズで接写し忘れたので、種類を同定できませんでした。
体色は黒というよりも、少し赤っぽいですね。
こんな映像でもアリの種類を見分けられる人がいらっしゃいましたら、教えて下さい。


今回はヒミズの死骸を拾って持ち帰り、解剖したり骨格標本を作ったりする余力はありませんでした。
タヌキなどが通る獣道にヒミズの死骸を置き直してトレイルカメラで見張り、タヌキが食べるかどうか給餌実験してみるのも面白そうです。 


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2025/12/20

ニホンアナグマが潜り込んだ巣穴から外に逃げ出す虫の群れ(カマドウマ幼虫?)【トレイルカメラ:暗視映像】

 


2024年9月下旬〜10月上旬 

シーン0:9/24・午後13:16・晴れ・気温29℃(@0:00〜) 
シーン0:9/24・午後13:47・晴れ・気温30℃(@0:02〜) 
平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の家族が暮らしていた営巣地(セット)を2台の自動撮影カメラで定点観察を続けています。 
家族がどこかに転出した後、アナグマはたまにしか来なくなりました。


シーン1:9/28・午後12:37・くもり・気温25℃(@0:05〜) 
奥の獣道からやって来たと思われるアナグマが巣口Lを覗き込んでいました。 
このとき巣口Lで落ち葉が1枚だけ急に動いたのが不思議です。 
何か小動物(虫?)がアナグマの接近に驚いて逃げたのでしょう。 

アナグマは上半身だけ巣口Lに入り、中に溜まった落ち葉を掻き出してから、奥に潜り込みました。 
するとアナグマと入れ替わるように、中から小さな虫(夜行性のカマドウマ幼虫?)がわらわらと外に出てきました。 
動画を1.5倍に拡大した上で5倍速の早回し映像にすると分かりやすいです。 
アナグマはときどき巣穴を内見するついでに、こうした穴居性の虫を次々と捕食しているのかもしれません。 


シーン2:9/28・午後12:41・くもり・気温25℃(@0:43〜) 
いつの間にかアナグマが巣穴から外に出てきていました。 
ミズキの根元で地面の匂いを嗅いでから、痒い体を後足でボリボリ掻きました。 
巣口LRの中間地点を通って左へノソノソ歩き去りました。 


シーン3:9/30・午後13:16・くもり・気温24℃(@1:36〜) 
2日後の昼下がりに左から登場したアナグマが、右に回り込んでから巣穴Rに潜り込みました。 
アナグマと入れ替わるように、巣穴Rで居候していた小さな虫(夜行性のカマドウマ幼虫?)がわらわらと外に脱出してきました。 


シーン4:10/5・午後12:04・くもり・気温20℃(@2:08〜) 
5日後の昼時に、アナグマがセットをうろついています。 
今回アナグマは巣口Lに近寄らなかったので、巣口Lから虫が外に出てくることはありません。 
(つまりシーン4は、対照実験のような映像になっています。) 


シーン5:10/7・午後13:54・晴れ・気温24℃(@2:40〜) 
2日後もアナグマが昼過ぎに登場しました。 
巣口Rの横を通り過ぎ、もう一つの巣穴Lへ慎重に入りました。 
この後、巣口Lから虫が脱出したかどうか見届ける前に、1分間の録画が打ち切られてしまいました。 


シーン6:10/9・午後16:12・気温14℃(@3:39〜) 
2日後の薄暗い夕方(薄暮)にアナグマが現れました。 
今回は巣穴Lに入らず通り過ぎました。 


シーン7:10/9・午後17:25・雨天・気温14℃(@4:18〜)日の入り時刻は午後17:13。 
約70分後、日没後に暗くなったセットにアナグマがまた来ていました。 
雨が降る中、セットを横切り立ち去りました。 

今回アナグマは2つの巣穴LRに近寄りませんでした。 
しかし1.5倍に拡大した上で5倍速の早回し映像にすると、巣口Lからカマドウマ幼虫と思しき小さな虫が次々と外に飛び出してきました。 
雨が降っていても、夜行性のカマドウマが日没後に活動を始めたようです。
 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 雨音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


アナグマの個体識別ができていませんが、同一個体が何度も通っているのでしょうか?


2025/07/12

キリギリスを捕食する前の解体処理に苦労するヒヨドリ【野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年6月中旬・午後15:00頃・晴れ・気温31℃ 

平地の二次林で死んだニホンアナグマの巣穴Lの横に生えたマルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)灌木にヒヨドリHypsipetes amaurotis)が留まっていました。 
嘴に何か黄緑色の獲物を咥えています。 
私は初め、芋虫(鱗翅目の幼虫)を狩ってきたのかと思ったのですが、1.5倍に拡大した上でリプレイすると(@1:01〜)、獲物の正体はキリギリスの仲間(ツユムシ? ヤブキリ?)のようです。 

ヒヨドリは必死で暴れるキリギリスを嘴で咥えながら足元の枝に叩きつけて動きを封じようとしていました。 
跳躍力が強いキリギリスは後脚で力強く蹴って抵抗するので、この後でヒヨドリは獲物を解体し、棘のある長い後脚を取り除くはずです。 
長くて棘だらけの後脚がかさばるために捕食者が一口で飲み込むのは難しく、キリギリスにも逃げるチャンスがわずかながら生まれます。 
実際ヒヨドリは途中で獲物をうっかり地面に落としてしまいましたが、すぐに拾い上げて、解体作業を続けます。 

最後まで見届ける前に、1分間の録画時間が終わってしまいました。 
このヒヨドリ個体が自分でキリギリスを捕食したかどうか不明です。 
しかし6月中旬という時期は、ヒヨドリの1〜2回目の繁殖期に当たります。 
解体して危険な部位(後脚)を取り除いたキリギリスを持ち帰って雛(または巣立ち雛)に給餌した可能性が高いでしょう。 
ヒヨドリは果実食の印象が強いですが、繁殖期には雛の成長に必要な動物質(主に昆虫)を多く捕食します。 


※ 今回は記事を書く前にChatGPTとブレインストーミングしました。 


つづく→ 


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2025/05/16

走って逃げ回るケラを掴まえてみる

 

2024年5月上旬・午後12:30頃・晴れ 

郊外の畑で農道をケラGryllotalpa orientalis)がなぜか走り回っていました。 
昼間の天敵に捕食されないように、枯れ草の茂みの中など、隠れる場所を探しているようです。 
とっさに通常マクロモードのカメラで接写を始めてしまったので、しゃがんだ際に太陽を背負った私の影が被写体に落ちてしまいました。
(逆側から回り込む余裕がありませんでした。) 
ケラの行く手に左手を差し伸べたら、私の手のひらにすんなり乗ってくれたので、手掴みであっさり捕獲できました。 

 順光になるように少し場所を移動してから、軽く握っていた手のひらをそっと開いてみます。
「手乗りケラ」は私の指を少し登ってから、下の舗装路に転げ落ちました。 
住宅地の舗装路を慌てて逃げ回り、側溝のコンクリート蓋を横切り、日向の砂利道を走り回ってから、最後は側溝の蓋の隙間に潜り込みました。 
地面に緊急避難用の穴を急いで掘って隠れるかと期待したのですが、ただ逃げ回るだけでした。 
明るい日向よりも日陰を好む、といった負の走光性もありませんでした。
ケラの逃走シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 (@1:06〜)
穴を掘る器官であるシャベル状の前脚も使って6本足で歩いていました。

側溝の蓋の細い隙間に身を隠しただけなら良いのですが、用水路に落水してしまったかもしれません。 
ケラは水中を泳げらしいので、溺れる心配はありません。 
しかし、岸に泳ぎ着いたところで、コンクリート三面張りの用水路はケラにとってかなり深く、外に這い出たり飛び去ったりするのは難しいでしょう。 
道端の側溝に閉じ込められたケラがひっそりと鳴いている声を夜の街なかで聞くことがよくあるのですが、その理由をひとつ説明する映像になったかもしれません。 

関連記事(7、8年前の撮影)▶  

ちなみに、ケラは多くの個体が成虫で越冬するのだそうです。
この個体は翅があるので成虫ですが、私には性別を見分けられません。
ケラは♀であっても産卵管は短くて目立たないらしく、性別を見分けるには翅脈を精査する必要があるそうです。
(♂は鳴くので、発音器官の翅脈が複雑。)
せっかくケラを捕獲したのなら、翅を広げてみれば良かったですね。
動画を一時停止した状態で、翅脈から性別判定できますかね?

参考サイト:おケラのギモン by 生きもの写真家安田守の自然観察な日々
翅脈の比較写真が雌雄で掲載されているのですが、どこに注目しているのか、素人目にはよく分かりませんでした。
イラストで図示するか、この翅脈だよ、と写真に書き込んでもらえると助かります。





いつかケラを飼育して、食事や水泳、飛翔、造巣、鳴くシーンなどを一気に撮影してみたいものです。 


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2025/04/05

晩秋の刈田で何度も虫を狩り捕食するチョウゲンボウ♀【野鳥:FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年11月中旬・午後13:20頃・晴れのち曇り 

広い田んぼに隣接するグランド(球場)でネットの支柱の天辺にチョウゲンボウ♀(Falco tinnunculus)が止まっていました。 
ここはチョウゲンボウがお気に入りの止まり木で、毎年秋になるとよく見かけます。 
支柱の天辺は鳥の糞で白く汚れています。 
支柱の天辺で周囲を見渡して、稲刈りが終わった刈田に潜む獲物を眼光鋭く探しています。 
秋風でチョウゲンボウ♀の羽毛がなびいています。 

まるで頷くように、しきりに顔を上下に動かしている行動にも意味があります。 
眼球が固定されている猛禽類が広い視野を確保するためには、頭全体を動かす必要があります。 
このチョウゲンボウは、首をねじって背後も見張っています。 
また、猛禽は両眼視野が狭いので、頭を上下に動かすことで遠方の対象物への距離感や立体視を補完しているのだそうです。 

獲物を見つけたチョウゲンボウ♀は支柱から飛び立つと、刈田の上空で羽ばたきながら一点に留まり(ホバリング、停空飛翔)、狙いを定めてからスーッと急降下し、地上の獲物に襲いかかります。 
残念ながら、手前に生えたススキやアメリカセンダングサ、セイタカアワダチソウなどが邪魔で、チョウゲンボウ♀が獲物を狩る瞬間をどうしても撮れません。 

狩りの成否に関わらず、チョウゲンボウ♀は同じ止まり木(支柱天辺)に戻ってきます。 
舞い戻ってきて着陸するまで待ち構えて、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:41〜2:04) 
チョウゲンボウの性別は頭部の色で見分けられます。 
この個体は頭が茶色いので♀です。
尾羽根の下面に黒い横縞が目立つ点も♀の特徴です。 
スローモーションでしっかり確認できました。 

片足の鉤爪で小さな獲物と一緒に細長い藁(枯草)を運んでいました。 
獲物を掴んだ足には体重をかけず、反対側の足でふわりと着地し、翼を畳みました。 

チョウゲンボウが狩ってくる獲物は小さくて軽いので、片足で掴んで運びます。 
利き足がありそうな気がしたのですけど、何度も観察すると、左右の足を(交互にランダムで?)使っていました。 

支柱の天辺に持ち帰った獲物をチョウゲンボウ♀は早速食べ始めました。 
カメラのデジタルズームを最大にしても、少し遠くて獲物の正体をしっかり同定できませんでした。 
獲物は小動物(脊椎動物)ではなく、バッタやコオロギなど昆虫のようです。 
トンボを狩るときもあるのですが、今回の獲物はトンボには見えませんでした。 
チョウゲンボウは嘴を使って虫の翅を器用にむしり取ってから、ちびちびと食べました。 
他の種類の鳥とは違って、食後に汚れた嘴を掃除しないのが不思議に思いました。 

小宮輝之(監修)『鳥の食べもの&とり方・食べ方図鑑 おもしろふしぎ鳥類学の世界』でチョウゲンボウの食性を調べると、
大きく羽を広げ、ホバリングから急降下して昆虫やネズミなどの小動物を捕らえます。カマキリを捕獲! (p123より引用)
虫を1匹完食しても、満腹になりません。 
見晴らしの良い支柱の天辺で、チョウゲンボウは再び刈田に潜む次の獲物を探し始めます。 

支柱の天辺から飛び立つ直前に、脱糞した瞬間(@5:20〜)も動画に撮れていました。 
液状の白っぽい糞尿を後方に勢い良く噴出しています。 
今思いついたのですが、チョウゲンボウがよく止まっていた支柱の真下まで行ってペリットを採集できれば、未消化物に含まれる残渣から捕食した虫の種類を同定できるかもしれません。 
ただし、チョウゲンボウがペリットを吐き出すシーンを私はまだ観察したことが一度もありません。 
ペリットが無くても、チョウゲンボウが食前に毟り取った虫の翅などが支柱の下に散乱しているはずなので、アリなどに持ち去られる前に調べに行けばよかったですね。

やがて1羽のハシボソガラスCorvus corone)が飛来して、支柱の天辺に止まりました。 
お気に入りの止まり木を横取りされたチョウゲンボウ♀は、仕方なく隣に立つ支柱の天辺に移動して、そこで獲物を捕食するようになりました。 
別個体のカラスも加勢しに来たようで、嗄れた鳴き声が近くから聞こえます。 
カラスはとにかく猛禽類が大嫌いなので、縄張りからチョウゲンボウ♀を追い払うために集まってきたようです。 
晩秋はカラスの繁殖期ではありませんから、本格的なモビング(擬攻撃)にまでエスカレートすることはありませんでした。 
それでも地味に嫌がらせしたり心理的な圧力をかけたりしています。 
隣の空いた止まり木(コンクリート支柱)に移動したチョウゲンボウは、田んぼから少し離れたせいで獲物を探しにくくなったようです。 

最後にチョウゲンボウ♀はこの狩場から飛び去ってしまい、戻ってきませんでした。 
飛び去るチョウゲンボウをカラスの群れがしつこく追尾することはありませんでしたが、ハシボソガラスの地味な嫌がらせが奏功し、天敵を追い払えたことになります。 



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