2018/06/30

巣材として羽毛を集めるスズメ(野鳥)



2018年4月中旬

住宅地の火事で焼け落ちた廃屋にスズメPasser montanus)が来ていました。
てっきりスズメが火事現場跡の木炭を食べているのかと思った私はカメラを手にいそいそと近づきました。

▼関連記事
木炭を採食し幼鳥に巣外給餌するハシボソガラス(野鳥)
木炭を採食するカワラヒワ(野鳥)

すると警戒したスズメは、焼け爛れたトタン屋根に飛び乗って避難。(映像はここから)
慌てたせいでスズメは嘴に咥えていた羽毛を落としてしまいました。
すぐに取り戻そうとしたものの失敗。
1枚の羽毛だけ上手いこと舞い戻ってきたのを拾い直しました。
産座用の巣材として運ぶ途中なのでしょう。
最後は羽毛を咥えて飛び去りましたが、巣の位置は突き止められませんでした。

もしかすると火事現場跡に野鳥の焼死体(焼き鳥)が転がっていて、そこから羽毛を毟り取っていたのでしょうか?
とても気になりますけど、焼け跡に勝手に踏み込んだりすると火事場泥棒と誤解されますから、私も立ち去りました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2018/06/29

室内越冬中のオニグモ(蜘蛛)と寄生蜂の繭



2018年2月下旬
▼前回の記事
室内で越冬するオニグモの擬死落下(蜘蛛)

室内で越冬しているオニグモAraneus ventricosus)亜成体?がしばらく行方不明だったのですが、約2週間(13日)ぶりに再会しました。

南壁の天井隅で歩脚を縮こませて寝ていました。
腹面をこちらに向けていたので、クモとはなかなか気づきませんでした。

夜にハンディカムを近づけてそっと息を吹きかけると、オニグモは目覚めて方向転換しました。
背景の天井が白いので、辺りに張り巡らせた糸がほとんど見えません。
採寸代わりに私の指を並べて置いたら走って逃げました。

オニグモは飲まず食わずでひたすら春が来るまで休眠するのでしょう。
野外に比べて遥かに暖かい室内ではむしろ体力を消耗してしまいそうな気がします。


それより気になったのは、オニグモの近くで薄黄色の紡錘形の繭が不規則網に吊るされていたことです。
これは室内でよく不規則網を張っているオオヒメグモに寄生するマダラコブクモヒメバチの空繭ですかね?
『繭ハンドブック』p94によると、マダラコブクモヒメバチの繭の色や大きさは様々らしい。


それとも、このオニグモを寄主とする別種の寄生蜂の繭なのかな?
(寄主を食い殺すはずでは?)
この空繭がいつから天井隅にあったのか、全く気づきませんでした。(かなり古い空繭かもしれません)


つづく→室内で冬越し中のオニグモ(蜘蛛)がカーテンレールを徘徊【暗視映像】


白梅の花蜜を舐めるヒヨドリ(野鳥)



2018年4月中旬

民家の庭に植栽されたウメ(白梅)の木が満開に咲いていました。
今年もヒヨドリHypsipetes amaurotis)が吸蜜しにやってきまし。
嘴には未だほとんど花粉が付着していませんが、下顎が黄色い花粉で汚れているのを確認できました。
ヒヨドリが次の花で吸蜜すると、この花粉が次の花の雌しべに触れて、受粉が成立します。
昆虫が少ない早春に咲くウメは甘い花蜜を報酬として鳥類に受粉を助けてもらう鳥媒花なのです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ヒヨドリ(野鳥)@白梅+訪花吸蜜

2018/06/28

ノブドウの花で吸蜜するヒメスズメバチ♀



2015年8月中旬

農道脇に繁茂するノブドウのマント群落でヒメスズメバチVespa ducalis)のワーカー♀が訪花していました。
一緒に咲いていたボタンヅルの白い花には見向きもせずに、専らノブドウの花蜜を舐めて回ります。
花の手前で見事なホバリング(停空飛翔)を披露してくれました。


ヒメスズメバチ♀@ノブドウ訪花吸蜜

前年と同じ高圧線鉄塔の巣で抱卵を始めたハシボソガラス(野鳥)



2018年3月下旬
▼関連記事のまとめ
ハシボソガラス(野鳥)の営巣観察:2017年

高圧線の鉄塔#19のてっぺん近くで今年もハシボソガラスCorvus corone)が営巣していました。
巣材の小枝を搬入して巣を作り直すところから観察したかったのですが、油断していたらいつの間にか巣が完成していました。

鉄塔の周囲を回りながら色んなアングルで巣の写真を撮っていたら、最後に親鳥がひょっこり巣から頭を出しました。
おそらく抱卵中の♀なのでしょう。
巣に座り込んだ親鳥(♀?)が辺りをキョロキョロ見回しています。

鉄塔直下の小さな田んぼは未だ一面に残雪で覆われていました。
雛が孵化する頃に餌となる昆虫が発生している必要があります。
抱卵するには早過ぎるのではないかと少し心配になるのですが、今年は春の訪れが早いようです。
ただし、このつがい)#19は去年も育雛が他のつがいより早く終了したので、早期型の繁殖戦略のつがいなのかもしれません。

カラスは必ずしも毎年同じ営巣地を使う訳ではないようです。
例えば、2つ隣に立つ鉄塔#21では今季、
縄張り内で親鳥を目撃しているものの、ハシボソガラスは営巣しませんでした。
鉄塔#21は私が昨年かなりしつこく定点観察に通ったので、親鳥のつがいが嫌がって今年は場所を変えたのかもしれません。
昨年の古巣#21は完全に無くなっていました。



つづく→高圧線鉄塔の巣で羽繕い、羽ばたき練習するハシボソガラスの雛鳥(野鳥)

ハシボソガラス(野鳥)巣@高圧線鉄塔#19
ハシボソガラス(野鳥)@巣:高圧線鉄塔#19+抱卵

2018/06/27

エゴノキの花で採餌するヒゲナガハナバチの仲間♀?



2017年6月上旬

農業用水路沿いで満開に咲いたエゴノキで、ちょっと見慣れないハナバチの仲間が何匹も訪花していました。

後脚の花粉籠に橙色の花粉団子を付けています。
花の手前で見事なホバリング(停空飛翔)を披露してくれましたが、その際に長い舌が見えました。
吸蜜後、花にぶら下がりつつ身繕いしている個体がいました。

胸背に白い花粉の塊が付着している個体もいました。
エゴノキの花粉とは違うようですが、その植物の正体が気になります。

ハチを採集できなかったので名前ははっきり分かりませんでした。
なんとなくハイイロヒゲナガハナバチ♀などの仲間ではないかと思います。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



熟柿をついばむ雪国のスズメとメジロ(冬の野鳥)



2017年12月中旬

雪で覆われた空き地の中央に一本だけぽつんと立つカキノキに多数の熟した果実がなっています。
寒風に晒され果肉の渋が抜けたようで、見るからに甘そうです。

スズメPasser montanus)とメジロZosterops japonicus)が熟柿を採食しに来ていました。
メジロは警戒心が強いようで、常に幹の陰に隠れながら盗み食いしていました。
樹形が美しい柿の木で、なかなか絵になる冬の光景でした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
実際はどんよりした曇り空で薄暗い夕方でした。


関連記事(6年後の撮影)▶ メジロの群れが熟柿を食べ脱糞(冬の野鳥)




2018/06/26

ツリフネソウに訪花するクロホウジャク?(蛾)の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2017年8月下旬・午後17:00頃

山麓の湿地帯に咲いたツリフネソウの群落で夕方近くにスズメガの一種が複数個体(少なくとも2頭以上)訪花していました。
花から花へとにかく忙しなく飛び回り、ホバリング(停空飛翔)しながら、ゼンマイのように巻かれた長い口吻を距の奥に差し込んで吸蜜しています。

後半は240-fpsのハイスピード動画に切り替えて、この激しい羽ばたきを撮ってみました。(@0:13〜)
1/8倍速のスーパースロー映像で見ても羽ばたきが速過ぎて、翅の斑紋などの特徴が見分けられません。

蛾を同定するためにストロボを焚いて翅の動きを止めた写真を撮りたかったのですが、やや遠くてストロボの光が届かないかな?と躊躇していたら蛾は逃げてしまいました。
近づくには長靴を履いてぬかるんだ湿地帯に踏み込まないといけないのですけど、この日は普通の靴でした。
おそらくクロホウジャクMacroglossum saga)ではないかと思うものの、定かではありません。
私の撮影スタイルは行動を記録するための動画中心なので、どのぐらい粘って動画を撮ったら写真に切り替えるか、という咄嗟の判断が遅れると虫に逃げられ悔しい思いをすることが多いのです。

同じ場所で後日、同じ被写体の撮影に再チャレンジしました。
同定用の写真とHD動画は撮れたものの、今度はハイスピード動画を撮る前に逃げられてしまいました。
どれか一つ撮るなら比較的容易いのですが、三つ全て撮るのはなかなか難しいのです。


▼関連記事
ツリフネソウの花で吸蜜ホバリングするクロホウジャク(蛾)

スズメガ類はツリフネソウに正当訪花するのですが、送粉者ではりません。
スズメガ類は細長い口吻を伸ばして手を汚さずに(雄しべの葯に全く触れずに)花蜜を効率的に吸えるので、花の受粉には全く寄与しません。
ツリフネソウにしてみれば、困った泥棒(盗蜜者)なのです。


田中肇『花と昆虫:不思議なだましあい発見記』によれば、

ツリフネソウの花をねらう泥棒は多く、花の正面から蜜や花粉をねらう昆虫もいる。(中略)スズメガ類はヘリコプターのように飛びながら花のまえの空中に静止し、3cm以上もある長い口を花の奥にさしこんで蜜を吸う。筒はその口よりは浅いので、ガの頭や体は雄しべや雌しべに触れない。もし口が触れることがあっても、細い口につく花粉はわずかだし、ついた花粉が針のように細い雌しべの先につく確率はたいへん低いと考えられる。このガも、ツリフネソウにくる泥棒なのだ。 (p140より引用)


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
実際はもう少し薄暗い条件でした。


トビが2羽で帆翔(野鳥)



2018年3月下旬

川の上空でトビMilvus migrans)が上昇気流に乗って青空にくるりと輪を描いていました。
途中からもう一羽が画面に登場します。
つがいなのかな?
未だ少し雪が残る堤防から撮ると風切り音がうるさくて、トビの鳴き声は聞き取れませんでした。


トビ(野鳥)@帆翔

2018/06/25

コロニー解散後のヒメスズメバチ営巣跡の調査




柳の根際に営巣したヒメスズメバチの記録#8



前回の記事#7

2017年10月下旬

約3週間(23日)ぶりの定点観察です。
大雨をもたらした台風の後、ようやく晴れました。(台風一過)
ヒメスズメバチVespa ducalis)のコロニーはさすがに解散しただろうと考え、古巣の発掘調査に出向きました。

営巣地は柳の根際に開いた穴の奥ですが、実は遊歩道の端にある側溝の暗渠になっています。
暗渠を覆うコンクリートの蓋の上に数cmの土が薄く堆積しているだけでした。
台風の大雨で水浸しになった直後のようで、泥だらけでした。

穴の奥の地面には巣の外被の破片が少し散乱しているだけで、古巣が全く見当たりません。
ビデオカメラで巣穴の奥を撮影すると、穴の入口近くの天井部にヒメスズメバチの巣の外被を吊り下げていたような痕跡がありました。
巣穴にハチはもう一匹も残っていないので、白色LEDの照明を点灯しても安全に落ち着いて撮影できます。
やはり秋に誰かが駆除したようです。

まずは持参した根堀を浸かって柳の根際を少しずつ崩していきます。
細い根を切ろうと力を入れてこじったら根堀がぐにゃりと曲がってしまいました。
太い木の根を切るために、ノコギリが欲しかったです。
スコップなども用意してきたのですが、ほとんどゴム手袋を装着した手だけで土を掻き出しました。

土を掘り出していると、丸々と太ったミミズが計5匹、穴の中で蠢いていました。
台風の大雨で浸水した後に地中から現れたのでしょう。
実は辺りの遊歩道にもミミズが何匹も這い出していました。
もしかするとヒメスズメバチの古巣の残骸を土壌生物などのスカベンジャーが食害してしまったのかもしれません。
しかしミミズは穴の天井部まで登れないはずです。

収穫が無くて残念でした。
最後は掘り出した土をしっかり埋め戻してから帰りました。

シリーズ完。



雪が残る田んぼで採食するムクドリの群れ(冬の野鳥)



2018年3月下旬

雪解けが始まった郊外の田んぼでムクドリSturnus cineraceus)の群れが散開して採食していました。
ときどき鳴き声♪が聞こえます。
餌はそこそこ豊富なようで、互いに近くで採食しても喧嘩にはなりません。

夕方の西日に照らされてなかなかフォトジェニックに撮れました。
最後は何かに驚いてムクドリの群れは一斉に飛んで逃げました。

実際は早春なのですが、残雪がらみの行動なので「冬の野鳥」とのラベルをタイトルに付けておきます。


ムクドリ(野鳥)群れ@残雪刈田+採食
ムクドリ(野鳥)群れ@残雪刈田+採食

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