2025/04/10

死んだ個体の営巣地に通いスクワットマーキングで縄張り宣言するニホンアナグマ♀【トレイルカメラ】

 




2024年4月下旬〜5月上旬 

平地の二次林で死んだニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地(セット)の監視を続けていると、遂に♀のアナグマが現れました。 


シーン1:4/29・午後15:27・くもり・気温25℃(@0:00〜) 
獣道を右奥から来たアナグマ♀が、巣口Lの匂いを嗅いでいました。 
少し左に歩いて、巣口Rの手前でちょっと座り込みました。 

毛皮が焦げ茶色の個体でした。 
腹面に乳首は見えません。 
左の首筋にある小さな白斑は交尾痕なのかな? 


シーン2:4/29・午後15:27・くもり・気温26℃(@0:14〜) 
別アングルに設置した監視カメラでも撮れていました。 
巣口LRの中間地点で座り込んでから、右奥の林内へ向かいました。 獣道で立ち止まると、尻を擦りつけてスクワットマーキングしました。 
匂い付けのシーンを1.5倍に拡大した上でリプレイ。 
奥の林床に座り込んで痒い体を頻りに掻いていますが、オニグルミ立木の陰になってよく見えません。 


シーン3:5/1・午前10:02・くもり・気温13℃(@1:14〜) 
2日後も明るい昼間にアナグマ♀がやって来ました。 
身を翻して右奥の林内へ入ると、獣道の途中で(いつもの地点で)スクワットマーキングしました。 
獣道を引き返してから、セットの手前の林縁で再びスクワットマーキング。 

通りすがりに巣口Lのアクセストレンチの匂いを嗅いで行きました。 


シーン4:5/1・午前10:17・くもり・気温13℃(@2:02〜)
 15分後に同一個体が小走りでセットに戻ってきたようです。 


シーン5:5/1・午前10:17・くもり・気温13℃(@2:15〜)
林内の獣道でスクワットマーキングして行きました。 


【考察】 
この営巣地で越冬していたアナグマ個体が早春に死んで以来、今年の繁殖期にここで出産・育児をしたアナグマ♀個体はいません。 
♂個体が交尾相手を探し求めて春に何度も出没しているのですが(夜這い♂)、♀が現れたのはこれが初めてです。 

このアナグマ♀が幼獣を連れてここに引っ越してくるつもりなら、巣穴に潜り込んで内検したり巣材を搬入したりするはずです。 
しかし、巣穴Lの奥にはホンドタヌキの腐乱死骸があるのではないかと私は疑っていて、その処分(事故物件の特殊清掃)をどうするのかが大問題です。 
アナグマ♀は縄張り内に複数の巣穴を持っているらしいのですが、巣内で寄生虫の蔓延を防ぐために、同じ巣穴で毎年続けて出産・育児をしないようにしているのだとしたら、とても興味深いです。(連作障害を避けてローテーション) 


つづく→

春にヒマラヤユキノシタの花蜜を吸う越冬明けのキタテハ秋型

 

2024年4月中旬・午前11:05:頃・晴れ 

民家の花壇に咲いたヒマラヤユキノシタキタテハPolygonia c-aureum)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。
越冬明けの秋型なのに、翅に損傷がないきれいな個体でした。 
翅を広げたまま吸蜜していましたが、春の日差しで暑くなったら閉じました。 
私が回り込んで翅裏も撮ろうとしたら、キタテハは飛び去りました。

2025/04/09

トレイルカメラに興味津々のヤマガラ【野鳥:トレイルカメラ】

 

2024年4月下旬・午後17:44・くもり・気温22℃

平地の二次林に設置した自動センサーカメラで死んだニホンアナグマの巣穴Lを監視していると、夕方にヤマガラSittiparus varius)が写りました。 

初めは画面の左端で鳥の黒い尾羽の先だけが動いていました。 
全身が見えずカラスかと思ったのですが、後にヤマガラと分かりました。 (ヤマガラの尾羽も黒いらしい。) 
しばらくすると、至近距離でガリガリ♪と引っ掻くような物音が聞こえるようになりました。 
さっきの鳥がトレイルカメラに気づき、その上に乗ったり嘴でつついたりしているようです。 
最後にトレイルカメラの手前で短くホバリング(停空飛翔)してレンズを直接覗き込んでから、飛び去りました。 
ヤマガラの偵察停飛を1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:39〜) 
トレイルカメラのレンズやセンサー、赤外線LEDなどの心臓部をヤマガラに壊されずに済んで助かりました。 

実は、このトレイルカメラを灌木の幹に固定したベルトにミノムシ(蓑虫)が付着していたり、長期間設置してあるカメラ裏面と幹が接した隙間にクモが住居網を張って中に潜んでいたりするので、ヤマガラはそのような虫を捕食していたのかもしれません。 


関連記事(半年前の撮影)▶  


つづく→

カモシカの溜め糞場を春の夜にうろつくホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年4月中旬 

シーン1:4/14・午前10:22・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の状況です。 
里山の雑木林にあるニホンカモシカCapricornis crispus)の溜め糞場sr2を自動センサーカメラで見張っています。 
画面の左下から右上に向かって斜面を登りながら獣道が通っているのですが、溜め糞場sr2付近は勾配が一旦ほぼ平坦になっています。


シーン2:4/17・午後18:55・(@0:04〜) 
監視カメラの起動が遅れたようです。 
単独行動のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が画面の左端に来ていて、林床の匂いを嗅いでから左へ(獣道を谷側へ)立ち去りました。 

厳冬期にはタヌキの飢えた個体が雪山のカモシカの溜め糞場sr1で食糞していたのですが、今回は特に興味を示さず通り過ぎました。 
春になるともう他に餌が取れるのでしょう。 

関連記事(2〜3ヶ月前の撮影)▶  



つづく→

2025/04/08

花が咲いたボケの枝先で巣作りに適した場所を探すセグロアシナガバチ創設女王

 

2024年4月中旬・午後14:30頃・晴れ 

道端で赤い花が咲き始めたボケ(木瓜)の灌木にセグロアシナガバチ♀(Polistes jokahamae)が訪花していました。 
この時期はワーカー♀ではなく、越冬から目覚めた創設女王ですね。 
吸蜜していたようですが、しっかり接写する前に化粧(身繕い)してから飛び立ってしまいました。 

女王蜂は少し飛んだだけで、その後は緑の若葉が芽吹いたボケの枝先を丹念に調べていました。 
ボケの枝葉にはまだイモムシ類が居ないので、獲物を探索する狩りモードではなさそうです。 
どうやら女王蜂が初期巣を作り始める場所を探しているのだと分かりました。 
クロアリ(種名不詳)が往来する枝先は嫌がってすぐに離れます。 
アシナガバチにとって最大の天敵はアリだからです。 

別の枝先では緑色のクモとニアミスしたのですが、クモの方がセグロアシナガバチ♀を怖がって葉裏に隠れてしまいました。 
クモの正体は初めハナグモかと思ったのですが、おそらくサツマノミダマシNeoscona scylloides)のようです。 
造網性のクモですから、徘徊性のクモのように獲物を待ち伏せしていた訳ではありません。 




電柱の天辺から飛び立つサシバ♂(野鳥)

 

2024年4月下旬・午後14:40頃・くもり 

山間部の農村でコンクリート製電柱の天辺に見慣れない猛禽が止まって周囲をキョロキョロ見渡していました。 
カメラでズームインしてみると、その正体は夏鳥のサシバ♂(Butastur indicus)でした。 
そこには鳥がよく止まるらしく、電柱の天辺は鳥の糞で白く汚れています。 
強風で頭部の羽毛が逆立って、まるで冠羽のように見えます。
(サシバに冠羽はありません) 

カメラを構える私に気づいたのか、サシバ♂はその場で回れ左すると、飛び去りました。 
鳥は離陸直前に軽量化のために脱糞することが多いのですが、この個体はしませんでした。 
電柱からサシバ♂が飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ(@0:25〜)。 

そのまま左に旋回して見失ったものの、立ち去りかけた私が振り返って空を見上げると、上空をサシバが飛び回っていました。 
羽ばたきと短い滑翔を交互に繰り返して、高度を上げています。 
最後に別個体が一緒に写ったのに、撮影中の私は気づかずに録画を打ち切ってしまいました。 
♀♂つがいが一緒に飛び回っているのでしょう。 
営巣地がどこにあるのか、突き止めたいものです。 

「キンミー♪と甲高く鳴きながら飛び去った」と野帳には記してあるのですが、風切り音のせいか動画では聞き取れません。 


サシバの雌雄判別法を忘れていたので、Perplexity AIに相談してみました。

サシバの性別を見分けるには、以下の特徴に注目します:
外見的特徴
顔の特徴
オス:顔が灰色がかっている12

メス:顔の灰色が少なく、白い眉斑がより明瞭123


胸部の特徴
オス:胸の白色が少ない傾向1

メス:胸の白色が多く、淡い茶色の横じまがある12


全体的な色合い
オス:体全体が濃い色をしている1

メス:オスより茶色みが強い1


尾羽の特徴
オス:尾羽の黒い帯(横斑)が太く、淡色帯の数が少ない14

メス:尾羽の帯が細い傾向にある1


春(4月下旬)の個体の識別
春は繁殖期に当たるため、性別の特徴がより顕著になります。特に注目すべき点は:
顔の灰色み:オスの方が強い

眉斑の明瞭さ:メスの方がはっきりしている

胸の白色の量:メスの方が多い

ただし、個体差や光の当たり方によって判断が難しい場合もあります。複数の特徴を総合的に観察することが重要です13。


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2025/04/07

交尾相手♀を探しに来たニホンアナグマ♂が空き巣周辺で念入りにスクワットマーキングして帰る【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年4月中旬 

シーン0:4/10・午後14:06・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:4/10・午後14:26・晴れ(@0:03〜) 
明るい時間帯にたまたま撮れた現場の状況です。 
ニホンアナグマMeles anakuma)の死後も、二次林にある営巣地(セット)を2台の自動センサーカメラで見張り続けています。 
春になり、落葉樹に新緑の若葉が開き始めました。 


シーン1:4/16・午後23:36・気温9℃(@0:07〜) 
監視カメラの起動が遅れ、獣道を左へ立ち去るアナグマの下半身だけが写っていました。 


シーン2:4/16・午後23:36・気温10℃(@0:14〜) 
別アングルに設置したトレイルカメラで、ニホンアナグ♂の雄姿がしっかり撮れていました。 
発情期の♂が7日ぶりに♀の巣穴を探して遠征してきたようです。 
立ち止まると尻を地面に擦りつけ、縄張り宣言の匂い付けをしました(スクワットマーキング)。 
歩きながら、巣口Rの縁、アクセストレンチ、落枝、林内の獣道とあちこちでスクワットマーキングを繰り返しています。
巣穴の中に侵入してアナグマ♀の存在(あるいは不在)を確かめることはなく、紳士的に立ち去りました。
巣口Lではなく巣口R付近に重点的にマーキングした点が興味深いです。

約6時間前までセットで長居していたネコ(キジトラ白足袋)の残り香に対抗して、アナグマ♂がマーキングしたのかな? 



※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


化粧してから落ち葉の下に隠れて休むオオマルハナバチ創設女王

 

2024年4月中旬・午後12:35頃・晴れ 

里山で稜線上の山道を縦走していると、オオマルハナバチ♀(Bombus hypocrita)を見つけました。 
この時期だとワーカー♀ではなく、越冬から目覚めた創設女王が独りで営巣適地を探索しているのです。 

枯葉の上に乗った女王蜂は、長い口吻を出し入れしながら身繕いを始めました。 
後脚にある空荷の花粉籠がよく見えます。 
手前の落枝が撮影の邪魔(目障り)なので、私が動画を撮りながら横に少しずれようとしたら、落ち葉を踏む音に警戒した蜂は落ち葉の下に潜り込んでしまいました。 
そこが営巣地の入口なのかと思ったのですが、オオマルハナバチ女王の静止した脚の先端だけ覗いて見えているので、ただ隠れただけのようです。 




山登りで標高が上がると、平地性のクロマルハナバチから山地性のオオマルハナバチへと優占種が見事に(図鑑に書いてある通りに)交代する様子が分かります。 
両種が混棲するエリアもあります。

2025/04/06

秋風で舞い散るイチョウの黄葉

 

2022年11月上旬・午後13:20頃・晴れ 

川の堤防路にそびえ立つイチョウの大木が見事に黄葉していました。 
背後の青空には秋らしい絹雲が広がっています。 

秋風が吹くと、イチョウの黄葉がハラハラと舞い散ります。 
ドラマチックな桜吹雪ならぬ銀杏吹雪を動画で記録したかったのですが、カメラを向けたら強い風が止んでしまいました。 
イチョウにズームインしてみると、まだ黄緑色の葉もところどころ残っています。 
幹に巻き付いたツタの葉も色づき始めていて、イチョウ大木の左右に並ぶ桜(ソメイヨシノ)は紅葉していました。 

周囲の地面は黄色い落葉が美しく敷き詰められていました。 
当然ながら、母樹に近い土手の上部ほど黄色い落ち葉の密度が高くなっています。 


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ホンドギツネが巣口の匂いを嗅いだだけで逃げ出した奥には死骸が埋まっている?【トレイルカメラ】

 



2024年4月中旬・午後17:40頃・くもり・気温10℃・(日の入り時刻は午後18:22) 

アナグマの死後も平地の二次林で旧営巣地(セット)を自動撮影カメラで見張っていると、夕方にホンドギツネVulpes vulpes japonica)がやって来ました。 
前回の登場から12日ぶりで、尻尾がフサフサした健常個体でした。 
巣口Rの匂いを念入りに嗅いでから、足早に左の巣口Lへ向かいました。 
次に巣口Lを見下ろして匂いを嗅ぐと、慌てて右へ走り去りました。 

巣穴Lに住み着いた野生動物は居ないので、巣内の家主に威嚇された訳ではありません。 
下半身の麻痺した「いざりタヌキ」が巣穴Lの奥で餓死しているのではないか?と私は疑っています。 
その死臭を嗅覚の鋭いキツネが嗅ぎつけて、逃げ出したのでしょうか? 
キツネは新鮮な死骸なら食べるらしいのですが、腐敗の進行した死骸を忌避するのだそうです。 

私の嗅覚では、この営巣地で死臭を感じません。
巣口Lにハエが飛び回っている訳でもありませんでした。
死骸の有無を確かめるには発掘調査をする必要があるのですが、何年も使われてきた巣穴を壊したくありません。


つづく→

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