2018/11/10

オビガ(蛾)成虫♂aの羽化【60倍速映像】



2018年8月下旬・午後20:14〜22:09・室温26℃

オビガ(蛾)の飼育記録2018年#5


オビガApha aequalis)の終齢幼虫aが飼育下で繭を紡いでから36日後(蛹化日は不明)の夜、遂に成虫の羽化が始まりました。
外は久しぶりの雨が降り続き、涼しい日でした。
気温の低下で夏から秋になったのを感じて羽化するのですかね?
オビガ成虫が繭からどうやって脱出するのか、興味がありました。
カイコのように繭の絹糸を消化酵素(コクナーゼ)で溶かしながら脱出するのか、それとも出口を押し破るだけなのかな?
しかし私が気づいたときには、既に新成虫が繭から抜け出た後でした。
プラスチック容器の壁面を登ろうとして滑り、ひっくり返ってもがいていました。
止まり木として割り箸を急いで差し出してやると、素直に登り始めました。
翅が未だ縮んだ状態で胴体よりも短く、全身がやや湿っているように見えました。

割箸の天辺に落ち着くと早速、しわくちゃの翅を伸ばし始めました。
ハンディカムで慌てて撮った前半パートは6倍速の早回し映像でご覧下さい。

後半は三脚を立てて撮った翅伸展の様子を60倍速の早回し映像でご覧下さい。(@0:39〜)
翅が伸び切ると翅を小刻みに震わせ、軽く羽ばたくようになりました。
やがてしっかり閉じた状態で乾かします。
自然界でオビガの翅裏を見ることはまず無いので、珍しい光景でした。
最後に翅を広げ、見慣れた姿勢で静止しました。
チョウの羽化では翅伸展しながらゼンマイ状の口吻をくるくると曲げ伸ばして1本の管状に繋げるのですが、オビガは口吻の動きがありませんでした。
顔を接写すると、成虫の口吻は退化しているようです。
この個体はなぜか羽化液(蛹便)を排泄しませんでした。

触角が羽毛状で翅表の色が濃いので、どうやら♂のようです。
オビガも他の多くの昆虫類と同じく雄性先熟なのでしょうか?

触角の櫛歯は♂の方が少し長い. (中略)色彩の濃淡には変異があるが, ♀は一般に淡色で大きいことが多い. (Digital Moths of Japanデータベースのオビガの項目より引用)


つづく→#6:暗くすると元気に飛ぶ夜行性のオビガ♂(蛾)


オビガ(蛾)成虫♂a:背面@割箸+羽化直後
オビガ(蛾)成虫♂a:側面@割箸+羽化直後
オビガ(蛾)成虫♂a:腹面@割箸+羽化直後
オビガ(蛾)成虫♂a:顔@割箸+羽化直後
オビガ(蛾)成虫♂a:左触角@割箸+羽化直後

親鳥に巣外給餌してもらい食後に脱糞するチゴハヤブサ幼鳥(野鳥)



2018年8月中旬
▼前回の記事
獲物を捕食するチゴハヤブサ(野鳥)

前回初めて見つけてから12日後、ようやくチゴハヤブサFalco subbuteo)と再会できました。
今回は逆光のアングルになってしまいましたが、家族群の行動を観察することができました。
お気に入りの止まり木となっているヒノキの大木の枯れた梢をチェックすると、幼鳥(巣立ち雛)と思われる2羽が止まっていました。
ヒノキのてっぺんが枯れて風化しており、なかなかフォトジェニックで味わい深い止まり木です。

羽ばたきと滑翔を繰り返しながら辺りを飛び回っていた親鳥が、ようやく止まり木に戻ってきました。
狩りに成功したようです。
空腹で待っていた幼鳥a(巣立ち雛)が餌をねだり、親鳥から給餌してもらいました。
遠くて餌乞いの鳴き声は聞き取れず、獲物の正体も不明です。
細長い小枝のように見えたので、もしかするとナナフシまたはヤンマの仲間かな?
一段上の横枝に止まっているもう一羽の幼鳥bは、その間もおとなしく待っていました。

給餌を済ませた親鳥はすぐに左へ飛び去ると、近くの針葉樹の梢に止まっていた野鳥に高速でアタックしました。
獲物とみなして襲いかかったのか、縄張りから追い出す威嚇の攻撃なのでしょう。
襲われた鳥(カラス?)は慌てて逃げ出しました。

止まり木で留守番している2羽の幼鳥にレンズを向け直すと、幼鳥a(下の枝の個体)がポトリと食後の脱糞をしました(@0:49)。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→チゴハヤブサ幼鳥にヤンマを給餌する親鳥(野鳥)


2018/11/09

ニホンミツバチの巣がある樹洞を深夜に観察【暗視映像】



2018年8月中旬・午前3:51〜3:54・気温24℃

クリ(栗)の樹洞にニホンミツバチApis cerana japonica)が自然営巣しているのを見つけました。

▼前回の記事
クリの樹洞に営巣したニホンミツバチ♀

ミツバチは昼行性なので、暗い夜は巣内でおとなしく寝ているはずです。
夜の暗闇では飛ばない(飛べない)はずです。
私は防護服を持っていないので昼間は巣にあまり近づけないのですが、夜なら安全でしょう。
実際、夜中に様子を見に行くと、栗の木の周囲は静まり返っていました。

気休めで上下カッパを着ました。
暑くても短時間の我慢です。
栗の木にそっと近づき、昆虫には見えない(見えにくい)とされる赤色LEDマグライトで幹の根元付近を照らしたら、樹洞はあっさり見つかりました。

赤外線の暗視カメラで撮ると、縦の裂け目のような樹洞が巣口となっていました。
門衛らしきワーカー♀が巣口を歩き回っています。
赤外線投光器の光も樹洞の奥までなかなか届かず、もどかしい状況です。

次に思い切って白色LED点灯してみても、ニホンミツバチ♀はすぐには襲ってきませんでした。
光に警戒して次第に活発になり、右往左往するようになりました。
しかし、スズメバチに襲われたときのような振身行動は見られませんでした。
ハンディカムを90°回して樹洞の裂け目の奥を撮影してみます。
奥には蜂がびっしりと面状に群がっていたものの、巣盤は見えませんでした。

最後にストロボを焚いた写真を2枚だけ撮りました。
このとき1匹の蜂が光に向かって飛び出してきて(走光性)、私の左手に乗ったので慌てて振り払い、退散しました。(刺されずに済みました。)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
カッパの衣擦れがガサガサして余りにも耳障りなので、音声をカットしました。


つづく→樹洞に帰巣するニホンミツバチ♀を空中で待ち伏せるキイロスズメバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】


ニホンミツバチ♀群れ@巣:クリ樹洞
ニホンミツバチ♀群れ@巣:クリ樹洞

川の護岸で脱糞するセグロセキレイ♂(野鳥)



2018年8月中旬

街中を流れる川のコンクリート護岸上でセグロセキレイ♂(Motacilla grandis)が右に左に歩いていました。
脚を少し屈むと少量の白い糞を排泄しました。
次にその場で身震い。
最後は下流へ鳴きながら飛び立ちました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


セグロセキレイ♂(野鳥)@川護岸

2018/11/08

セイヨウニンジンボクの花で盗蜜するクマバチ♂【ハイスピード動画】



2018年7月下旬

庭に植栽されたセイヨウニンジンボクの灌木でキムネクマバチ♂(Xylocopa appendiculata circumvolans)が訪花していました。
吸蜜後に次の花へ飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


▼関連記事
訪花中のクマバチ♂を襲うトモンハナバチ♂【ハイスピード動画】



【追記】
翌年の撮影で、クマバチ♀もセイヨウニンジンボクで穿孔盗蜜していることが判明しました。

▼関連記事 
セイヨウニンジンボクの花で穿孔盗蜜するクマバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】

過去の記事を遡ってこの映像を見直したところ、雄蜂♂もやはり盗蜜していました。
当時はてっきり普通の正当訪花による吸蜜だと思い込んでいたのですが、盗蜜と訂正しておきます。
唇形花の根元を外側から噛み、その穴に舌を差し込んで吸蜜しています。

獲物を捕食するチゴハヤブサ(野鳥)



2018年8月上旬

カラスが鳴き騒いでいると思ったら、水辺の森に小型の猛禽類が飛び込んで、すぐにまた飛び立ちました。
咄嗟に流し撮りした映像を、まずは1/5倍速のスローモーションでご覧下さい。
チゴハヤブサFalco subbuteo)の成鳥でした。
下腹と脛毛が赤褐色なのが成鳥の特徴らしいです。
てっきりカラスに虐められて(モビング)逃げてきたのかと現場では思いました。
しかしチゴハヤブサの食性を図鑑などで調べると、おそらく樹上で昆虫(または小鳥)の狩りに成功したのでしょう。

近くに聳え立つヒノキの高木の最上部が枯れていて、チゴハヤブサはその横枝に止まりました。
ここがお気に入りの止まり木なのだと、後々分かってきます。
何か小さな獲物(昆虫?)の翅を毟って食べ始めました。
残念ながら望遠レンズを装着するのが間に合わず、獲物の正体は不明です。

しばらくするとチゴハヤブサは止まり木を離れ、辺りを高速で飛び回り始めました。
羽ばたきと滑翔を繰り返しています。
鳴き声は聞き取れませんでした。

チゴハヤブサを撮れたのはもちろん初めてで、とても興奮しました。
実は数年前から見慣れない謎の小型猛禽類が飛ぶのを極稀に目撃していて、気になっていたのです。
ついに手がかりを掴みました。(ブレイクスルー)
近くで営巣しているのでしょうか?

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


つづく→親鳥に巣外給餌してもらい食後に脱糞するチゴハヤブサ幼鳥(野鳥)


2018/11/07

深夜も円陣を組んでコナラの樹液を吸汁するムネアカオオアリ♀【暗視映像】



2018年8月中旬・午前4:45

里山で定点観察しているコナラの樹液酒場に夜明け前に来てみると、常連客のムネアカオオアリCamponotus obscuripes)ワーカー♀が計13匹も居ました。

まず赤外線の暗視カメラで撮影すると、いつものように円陣を組んで樹液を舐めていました。
お気に入りの樹液スポットを昼も夜も占領して、入れ代わり立ち代わりひたすら樹液を吸汁しているようです。
暗視映像でもムネアカオオアリの体色はツートンカラーになっていました。

次に白色LEDを点灯すると、眩しい光のせいか、小競り合いの喧嘩が勃発しました。
喧嘩の原因の一部は、微小アリ(種名不詳)のせいかもしれません。
腹部の節間膜が伸びているのは、満腹の証拠です。

ちなみに、日の出時刻は午前4:51。
動画には写っていませんが、東の空が白白と明け始め、木々の隙間から朝焼けが少し見えるようになりました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。




柿の木に来たジョウビタキ♂(冬の野鳥)



2018年1月上旬

川沿いの民家の庭のカキノキジョウビタキ♂(Phoenicurus auroreus)が落葉した枝に止まっていました。
尾羽を震わせています。
聞こえてくるのは大声で鳴くカラスやヒヨドリだけで、川の対岸からはジョウビタキ♂の鳴き声を聞き取れませんでした。
後半は枝から枝へ飛び回ったり、下の雪面に飛び降りたり、ブロック塀に乗ったりと忙しなく動き回ります。
枝にわずかに残っている熟柿を食べるかと期待したのですが、対岸の私を警戒してか残念ながら逃げてしまいました。


ジョウビタキ♂(野鳥)@カキノキ樹上
ジョウビタキ♂(野鳥)@カキノキ樹上

熟柿@カキノキ

2018/11/06

オビガ(蛾)繭cの採集



2018年7月下旬

オビガ(蛾)の飼育記録2018年#4



▼前回の記事
繭を紡ぐオビガ(蛾)終齢幼虫d【100倍速映像】

私は動画撮影が目的なので、オビガApha aequalis)の幼虫を飼育容器に閉じ込めるのではなく、水差しにした食草を卓上に置いて幼虫を放つだけの開放的な状態で飼っています。
(下に落ちた糞を受け止めるために全体を大き目の箱に入れて置きます。)
外出時や就寝時には全体に網掛けしておいて、脱走を防ぎます。
ある朝、ナイロンメッシュを外したら、既に幾つか営繭していました。

飼育容器のプラスチック壁面とメッシュの境界に営繭した個体cに注目。
繭cをピンセットで剥がして採集する様子を動画に撮りました。
繭は薄くて中が透けて見えます。
営繭途中の幼虫なのか、前蛹なのか、はっきりしません。
毛虫時代の長毛はもう抜け落ちているようです。
繭に付着している黒い糞を取り除いていたら、繭内で威嚇するように暴れました。

成虫が羽化するまで繭を室温で保管します。

つづく→#5:オビガ(蛾)成虫♂aの羽化【60倍速映像】



ドバト♀♂の求愛・交尾(野鳥)



2018年8月中旬・午後17:38〜17:42

市街地の某施設の屋上で2羽のカワラバト(=ドバト;Columba livia)が並んで奇妙なダンスをしていました。
やがて熱烈なキス(口づけ)を始めたので、求愛中の♀♂つがいと分かりました。
ドバトの前戯はなかなか官能的ですね。
求愛中のキスは♂の嘴の中に♀が嘴を入れるらしいので、もしかすると求愛給餌の一種かもしれない、と思いつきました。
鳩は雛に給餌する際に、ピジョンミルクを吐き戻して口移しするからです。

【参考】:

キジバトの求愛は、♀のそばで♂がクークー鳴くクーイングの後、♂の嘴の中に♀が嘴を入れるビリングを行います。(『しぜんのせかい11:きじばと』p14-15より引用)


熱いキスを交わしながら♀♂カップルは首を上下に動かしています。
一旦離れると♂は鳩胸を誇示し、頭を下げて羽繕い。
すると♀が再びキスをせがみます。
鳩胸の効果で、見た目の体格は♂>♀でした。
熱いキスを繰り返して盛り上がると、♂が♀の背後から飛び乗りました。
マウントしながら♂が羽ばたき、交尾が無事に成立しました。
交尾が終わると♀Lは♂Rから少し離れ、自分で羽繕いを始めました。
後戯で仲睦まじく相互羽繕いするのかと思ったのですが、私の予想は外れました。
♀だけが羽繕いするのも、ドバト特有の儀式的な求愛行動の一環なのでしょうか?
♂が鳩胸を強調しなくなると、つがいの体格差は素人目には分からなくなりました。
夕日を浴びた事後のカップルが艶めかしいですね。
交通量の多い大通りに面しているので様々な騒音がうるさく、一連の配偶行動中のドバト♀♂ペアの鳴き声は聞き取れませんでした。

野鳥の求愛・交尾行動の一部始終をしっかり観察できたのはこれが初めてで、ようやく悲願達成です。
▼関連記事(3年前の撮影)
キジバト(野鳥)の交尾と三角関係

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2018/11/05

朝寝坊のツマグロヒョウモン♀



2018年8月中旬・午前7:10

用水路沿いの農道脇に生えたオニグルミの幼木の葉裏にツマグロヒョウモン♀(Argyreus hyperbius)がぶら下がっていました。
翅をしっかり閉じて静止しており、どうやら未だ寝ているようです。
クルミはツマグロヒョウモン幼虫の食草ではないので、産卵目的で止まっていたのではありません。
後翅に左右対称の破損部があるのは、鳥に襲われかけたビークマークなのでしょう。

ヒョウモンチョウの仲間にしては翅裏が見慣れない模様で、その正体を見極めるのに悩みました。
ここ北国で南方系のツマグロヒョウモンを見かけるのは珍しいのですが、酷暑の今季はこれで早くも2頭目です。
翅表の模様を確認するために、一時捕獲するか飛び立たせてハイスピード動画に撮るべきでしたね。
朝は先を急ぐ用事があって、余裕がありませんでした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ツマグロヒョウモン♀@オニグルミ葉裏+朝寝坊
ツマグロヒョウモン♀@オニグルミ葉裏+朝寝坊
ツマグロヒョウモン♀@オニグルミ葉裏+朝寝坊・全景

日没後のスギ樹上で脱糞、羽繕いするゴイサギ成鳥(野鳥)



2018年8月上旬。午後19:05〜19:08(日の入り時刻は18:44)

ゴイサギNycticorax nycticorax)の昼塒が気になって、2日後の晩に再び様子を見に来ました。
池を見下ろすスギ(杉)の大木に1羽のゴイサギ成鳥が止まっていました。
暗い林の中で白っぽい成鳥は逆に目立ちます。
逆に迷彩模様の幼鳥の姿は見つけられませんでした。(既に塒を離れた後なのかもしれません。)

足を屈めて白い糞を排泄しました。(@0:08)
多数のゴイサギが毎日集まるねぐらの下(木の葉や地面)が糞で汚れるのも納得です。
その後はのんびり身震い。
枝伝いに少し移動したのは、対岸から見上げている私を警戒して身を隠そうとしているのでしょう。

日が暮れてゴイサギが昼塒から飛び立つ瞬間を動画に記録したいのですが、暗視機能が無い普通のカメラでは限界でした。
辺りは刻々と暗くなります。
予め居場所が分かっているから撮れますけど、この状況でゴイサギの居場所を探し出すのは無理ですね。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
暗くて不鮮明な映像を無理やり明るく加工してあります。


ゴイサギ成鳥(野鳥)@日没後+昼塒:スギ樹上

2018/11/04

クズの葉に噛みついた姿勢で朝の化粧をするクズハキリバチ♀



2018年8月中旬・午前6:39〜6:46

川沿いの堤防に繁茂するクズの群落で早朝からクズハキリバチ♀(Megachile pseudomonticola)を見つけました。
クズの葉縁を大顎で噛んでいたので、すわ巣材集めか!と喜び勇んで動画を撮り始めました。
私は未だハキリバチ類の♀が巣材集めに葉を切り取る行動を一度も見たことがないのです。
ところが観察してみると、時間をたっぷり掛けて朝の化粧をしただけでした。
もしかすると、夜はクズの葉縁を噛んだ体勢で寝ていて、たった今目覚めたばかりなのでしょうか?
たとえ巣作りをしている段階でも、夜になると母蜂は巣で寝るとは限りません。(巣とねぐらは違う概念です。)
夜眠る際に植物を大顎で噛んで体を固定する蜂が幾つか知られています。
▼関連記事
大顎で植物を咥えた姿勢で眠るサトジガバチ♀

葉縁を大顎でしっかり噛みしめて体を固定し、両脚を擦り合わせています。
身繕いしながら頻繁に腹部をグイーンと背側に大きく曲げた謎の海老反り姿勢になります。
このときよく見えた腹部下面のスコパ(花粉刷毛)に花粉は付着していませんでした。

腹部背面(腹部第2背板後縁)に顕著な明色の毛帯が一瞬見えたので、クズハキリバチ♀と判明しました。
クズハキリバチ♀の腹部の刷毛は黒色だが前方は黄褐色とのことで、映像を見直すと確かにその通りでした。(『日本産ハナバチ図鑑』p319より)

飛び立つと少し離れた別の葛の葉に止まり直しました。
クズの葉縁にかすかに噛み跡(歯型)が残っています。
二度三度と場所を変えても、ひたすら身だしなみを整えています。
毎回クズの葉縁を噛んだ体勢になります。
脚が6本もあるのに、それを全部使って身繕いするために、大顎で体を固定するのでしょう。
実際に、身繕い中にバランスを崩しかけても、葉縁を噛んで体を固定していたおかげで滑落を免れました。

後半になるとようやく噛んでいたクズの葉を離し、頭部や触角を前脚で拭い始めました。
長い口吻を伸ばし、前脚を舐めて唾液で湿らせながら顔を念入りに洗っているようです。

もしかするとダニなど吸血性の寄生虫に体外寄生されていて体が痒くてたまらないのか?と心配になったのですが、少なくとも映像で見る限りではクズハキリバチ♀の体表に微小な赤ダニなどは集って居ませんでした。



最後は川の対岸へ元気よく飛び去ったのですが、撮り損ねました。
私が採集しようと決断した途端に殺気を感じたのか、逃げられました。

今回もなぜか葉切り行動はしてくれませんでした。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


クズハキリバチ♀@クズ葉縁噛み+身繕い
クズハキリバチ♀@クズ葉縁噛み+身繕い:海老反り
クズハキリバチ♀@クズ葉縁噛み+身繕い:海老反り
クズハキリバチ♀@クズ葉縁噛み+身繕い:脚上げ
クズハキリバチ♀@クズ葉縁噛み+身繕い

日没後に塒から飛び去るゴイサギ幼鳥の群れ(野鳥)



2018年8月上旬・午後19:09〜19:19(日の入り時刻は18:45)

ゴイサギNycticorax nycticorax)の群れ(家族群)の昼塒を見つけた同じ日の日没後に現場の池を再訪すると、親鳥はどこかに居なくなっていました。
一方、池の中に突き刺さった落枝には数羽の幼鳥が未だ居残っていました。
静かにしていた昼間とは打って変わり、グェッ、グヮッ♪と盛んに鳴き交わしています。

決して美声ではありませんが、「夜ガラス」と俗に言われる不気味な鳴き声の正体がこれで分かりました。
木に登ったり羽ばたきの練習をしたりと活動的です。
オレンジ色の光は、横の車道を照らす外灯(ナトリウムランプ)です。

夜行性のゴイサギは暗くなると続々と昼塒を離れ、採餌場へと飛び立ちます。
それまで気づかなかったのですが、池の畔の森にもっとたくさんのゴイサギが潜んでいたようです。(集団塒)
てっきり群れの一部は昼塒にしている池に夜も留まって採餌するのでは?と予想していたのですけど、やがてゴイサギは一羽も居なくなりました。

ゴイサギが夜どこで採餌しているのか突き止めたくて、この夏の晩に何度か追跡してみたものの、残念ながら失敗しました。
大群で一団となってねぐらから採餌場へ飛んで行くのではなく、三々五々とバラバラに飛んでいくので、追跡が難しいのです。
川沿いを上流へ向かって調べたり別の溜池に目星をつけて行ってみても、夜の水辺にはカルガモしか見つけられませんでした。
川や池ではなく、夜の水田に散開して採食しているのかな?
ゴイサギにGPSを取り付けて夜通し追跡できたら面白いのになぁ…と夢想します。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
実際の現場はこれより遥かに暗く、私のカメラ(Panasonic FZ-300)の性能の限界ギリギリでした。
薄暗がりでのゴイサギ幼鳥の動きが見えやすいように動画編集で無理やり明るく加工してあります。
私の興味関心は生き物の自然な行動にあるので、強いサーチライトなどは使いたくありません。
このような薄暗い状況でも愛機(Panasonic FZ-300)で上手く撮れる「手持ちカメラ夜景モード」の存在を当時は知らず、いつもの「お任せモード」のままで撮りました。
赤外線の暗視カメラも別に持っているのですけど、赤外線投光機(補助照明)を用いても対岸には届かない距離のため、この状況では暗くて使い物になりません。


ゴイサギ幼鳥(野鳥)群れ@日没後:池畔:落枝

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