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2025/10/25

人里離れたナイトプールに通う夏のニホンイノシシ【トレイルカメラ:暗視映像】

 


2024年8月上旬〜中旬 

シーン0:8/1・午前11:47・晴れ・気温35℃(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山林の中に少し開けた湿地帯があります。 
湧き水や雨水が溜まった水溜りを野生動物や野鳥が水場として利用しに来るので、自動撮影カメラで見張っています。 

ニホンイノシシ♀♂(Sus scrofa leucomystax)が単独で登場したシーンをまとめてみました。 


シーン1:8/9・午後23:25・気温23℃(@0:04〜) 
深夜に右から泥濘を横切ってイノシシ♂がやって来ました。 
口元の牙が目立つので♂のようですが、真横から見ても陰茎はよく見えません。 

水溜りSでまずは上澄みの泥水を飲みました。 
顔を上げると、顎から水が滴り落ちています。 
ときどき耳をピクピク動かしたり尻尾を左右に振ったりして、吸血性の昆虫を追い払っています。 

水溜りの中でしばらくじっと佇んで、左を凝視しています。 
ようやく警戒を解くと、鼻面で水底の泥を左右に掘り起こしながら左へ移動。 


シーン2:8/9・午後23:27(@1:29〜)
続きの映像です。 
イノシシ♂は水溜りSの泥を深く掘り起こしてから、その中に身を浸しました。 
画面の左外に見切れてしまったのが残念です。 
気持ち良さそうな鼻息やヌタ打ちの音が聞こえます。 

やがて立ち上がると、身震いしてから左に立ち去ったようです。 
すぐにまた左から回り込んで対岸に現れました。 
横から見ると、泥水で濡れているのは体の下半分だけで、上半分の毛皮は乾いたままです。 
もしヌタ打ち(泥浴び)行動を見ていなければ、体表に斑な模様があって、皮膚病の疥癬個体のように見えるかもしれません。 

イノシシ♂は右奥にある水溜まりNの横を通って、右に立ち去りました。 
このとき別アングルで設置した監視カメラが起動しなかったのが不思議です。 
イノシシの体表が泥水で濡れて体温が下がり、センサーが反応しなかったのかな? 


シーン3:8/12・午後19:59・気温24℃(@3:02〜) 
3日後の晩にイノシシが右から登場。 
牙が小さいので♀のようですが、性別判定にまだ自信がありません。 
梅雨が開けて雨が降らなかったせいで、水溜まりSが干上がり、だいぶ小さくなっていました。 

イノシシはまず泥水の上澄みを啜って飲んでから、顔を上げて風の匂いを頻りに嗅いでいます。 
次は鼻面で水底の泥を掘り起こし始めました。 
ところが、今回はなぜかヌタ打ちしないで、踵を返して右に立ち去ってしまいました。 
右奥の水溜まりNにも立ち寄りませんでした。 
何かに警戒したのでしょうか? 


シーン4:8/13・午前1:59・気温23℃(@4:12〜) 
日付が変わった深夜に、イノシシがまた右からやって来ました。 
左脇腹にある引っかき傷から、6時間前の同一個体が戻って来たと分かりました。 

水溜りSで水を飲んでから、左下手前に立ち去りました。 
今回もなぜか泥浴びをしませんでした。 

股間に見える膨らみが睾丸だとすると、牙が小さいので若い♂なのかもしれません。
(陰茎はよく見えません。)


シーン5:8/15・午前0:48・気温24℃(@5:54〜)
2日後の深夜、水溜りSの対岸にイノシシが左から登場しました。 
泥濘を鼻面で掘り返してから、掘った穴に半身を浸しました。 

やがて前脚だけ立ち上がると、座った姿勢で軽く身震いしました。
尻を前後に動かして泥濘に擦り付けているように見えますが、後脚が泥の深みにはまって抜けなくなったのかもしれません。 
無事に後脚も立ち上がると、方向転換して奥の泥濘を鼻面で掘り起こし、深くなった穴に再び身を浸しました。 

対岸に勢い良く上陸すると、右に立ち去りました。 


シーン6:8/19・午前11:11・晴れ・気温32℃(@7:42〜)
最後に日中の様子を示して終わります。


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声やヌタ打ちの音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
ニホンイノシシの個体識別ができていないので、計何頭が登場したのは不明です。 
監視カメラの画角をもっと左に向けておくべきでしたね。 

山中の池や水たまりは、長年放置しておくと湿性遷移が進んで次第に浅くなり、最後には土で埋もれてしまうはずです。

イノシシが「ヌタ場」として利用する池は、イノシシが定期的に底の泥を深く掘り返しています(浚渫しゅんせつ)、地形改変)。

この場合、水場を保守(湿地の保全)するイノシシは生態系エンジニアの役割を果たしていると言えます。

日本でこのような生態系サービスを担う野生動物は、イノシシ以外にいません。

例えば池でときどき水浴するクマも、底を掘り返して積極的に深くする地形改変は行いません。

イタチやアライグマなど、止水域でよく獲物を捕食する中型哺乳類もいますが、彼らは池の保守管理(浚渫などの地形改変)を行いません。


里に降りてきたイノシシは農作物を食い荒らしたり農地を掘り返したりする害獣であり、対策が必要なことは重々承知しています。

しかし、イノシシを駆除して完全に絶滅させてしまうと、山林の水場が維持できなくなるおそれがあり、水場周辺(ビオトープ)の生物多様性が低下するでしょう。


つづく→

2025/10/21

アナグマの営巣地を昼夜うろつくホンドタヌキの家族:7月下旬〜8月上旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年7月下旬〜8月上旬

シーン0:7/22(@0:00〜) 
ニホンアナグマMeles anakuma)家族の営巣地(セット)がある平地の二次林を無人センサーカメラで見張っています。 
ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の登場シーンをまとめてみました。 


シーン1:7/26(@0:07〜) 
薄明薄暮で暗いのに、赤外線の暗視モードで起動しないことが時々あります。 
ほとんど真っ暗な動画素材を自動色調補正で無理やり加工すると、モザイクだらけの粗い映像ですが、なんとかタヌキの行動は見えるようになります。 

シーン2:7/27(@1:30〜) 

シーン3:7/28(@3:33〜) 
終日雨が降っています。
ときどきタヌキがクゥーン♪と鳴く声が聞こえます。 

シーン4:7/29(@14:09〜) 
シーン5:7/30(@14:53〜) 
シーン6:7/31(@15:38〜) 
シーン7:8/2(@16:38〜) 
シーン8:8/4(@16:53〜) 
シーン9:8/5(@18:35〜)
シーン10:8/6(@19:40〜) 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察?】
タヌキの個体識別も性別判定もできていないのですが、同時に最大で5頭のタヌキが登場しました。 
当歳仔と思われる幼獣4頭を親タヌキが引率しているようです。

隣接する休耕地にタヌキの営巣地があるので、そこに暮らすホンドタヌキの家族が餌を探し回るついでに、入れ代わり立ち代わりアナグマの営巣地に立ち寄っているのだろうと想像しています。

ときどきアナグマの巣穴にこっそり忍び込んで内検しています。   
アナグマとのニアミスシーンは撮れていません。 
巣穴の主であるニホンアナグマの家族が留守中を見計らってタヌキがやって来るのかな? 


つづく→

2025/10/20

ニホンアナグマ母子家族(幼獣3頭)の暮らし:7月下旬〜8月上旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年7月下旬〜8月上旬 

平地の二次林でニホンアナグマ♀♂(Meles anakuma)の営巣地(セット)を2台のトレイルカメラで見張っています。 
 この時期に撮れた、母親♀と当歳仔(幼獣)3頭の暮らしぶりをまとめました。 

特筆すべき行動は個別の記事で紹介済みなので、今回の動画はその残り物になります。 


シーン0:7/22(@0:00〜) 
シーン1:7/23(@0:07〜) 
シーン2:7/27(@1:40〜) 
シーン3:7/28(@3:20〜) 
シーン4:7/30(@9:46〜) 
シーン5:8/2(@15:45〜) 
シーン6:8/3(@20:27〜) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


明るい昼間に見る体色(毛皮の色)は基本的に、母親♀が焦げ茶色で、幼獣は薄いクリーム色です。 
幼獣は成長とともに少しずつ換毛しているのか、茶色が少しずつ濃くなってきました。 
泥で汚れた幼獣個体は、成獣と間違いそうになります。 

離乳してだいぶ経つので、母親の乳房があまり目立たなくなってきたような気がします。 
夜の暗視映像で見ると、赤外線を反射する左右の目の大きさが母親♀だけ違う(右目<左目)ことで見分けられます。 

相変わらず幼獣は昼も夜も遊びに明け暮れています。 
取っ組み合いや追いかけっこをして遊んでいます。 
幼獣同士で遊ぶだけでは飽き足らず、母親♀に突っかかって行って挑発し、遊びに誘うことが増えました。 


つづく→

2025/10/14

ニホンアナグマ幼獣同士の格闘遊びに母親♀も参戦【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年7月下旬 

シーン0:7/22・午後13:13・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:7/22・午後13:53・晴れ(@0:04〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の状況です。 
平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の母子が暮らす営巣地(セット)を自動撮影カメラで見張っています。 


シーン1:7/30・午後18:26・気温27℃(@0:07〜)日の入り時刻は午後18:53。
日没前の薄暗い営巣地で、左下の巣口Rから母親♀(右目<左目)が登場しました。(@0:38〜) 
1頭の幼獣が母親♀にまとわりつき挑発すると、珍しく母親♀が幼獣につきあってやり、レスリングのような格闘遊びを始めました。
別個体の幼獣も参戦して、三つ巴の取っ組み合いになりました。 


シーン2:7/30・午後18:27(1:07〜) 
別アングルに設置した監視カメラでも撮れていました。 


シーン3:7/30・午後18:28(1:31〜)
 もうかなり暗いのに、フルカラーで録画されたので、自動色調補正しました。 
画質がひどく粗いですが、何が起きているのかは辛うじて分かるようになりました。 

母親♀が獣道で自分の毛繕いをしています。 
幼獣2頭が巣口L付近で格闘遊びをしていると、途中から別の幼獣も左から参戦しました。 
1頭の幼獣が母親♀を挑発しました。 
初め母親♀はなだめるように対他毛繕いしていましたが、幼獣があまりにもしつこいので遂に反撃したようです。 


シーン4:7/30・午後18:30(2:31〜)
母親♀は幼獣を相手に手加減してやっているのか、体格差があるのにレスリングでは互角の勝負に見えます。 
途中から他の幼獣たちも格闘遊びに参戦して、幼獣同士の三つ巴争いになりました。 
レスリングから解放された母親♀は仰向けになって自分の毛繕いをしています。 


シーン5:7/30・午後18:31(3:31〜) 
アナグマ母子は2組に別れて格闘遊びを続けています。 
ときどき軽く吠えるような鳴き声がかすかに聞こえます。 
途中で母親♀が離脱し、独りで左へ向かいました。 その背後から幼獣が駆け寄って飛びつき、格闘遊びが再開。 


シーン6:7/30・午後18:31(4:31〜) 
別アングルの監視映像に切り替えます。 
途中で格闘遊びから離脱した母親が独りで右へ向かい、巣口Rを見下ろしていると、その背後から幼獣が駆け寄って飛びつき、格闘遊びが再び勃発しました。 
ヒグラシ♂♪が鳴いています。 


シーン7:7/30・午後18:32(5:31〜) 
ようやく赤外線の暗視映像に切り替わり、きれいに録画されていました。 


シーン8:7/30・午後18:32(6:31〜) 
監視カメラが次に起動したときには、またもや暗過ぎるフルカラー映像に戻っていました。 
薄明薄暮で周囲の環境の照度が赤外線LEDを点灯するかどうかのちょうど閾値だと、このように暗視映像と交互に切り替わってしまうのです。 
私としては赤外線の暗視モードに早く切り替わってほしいのですが、トレイルカメラの仕様なので仕方がありません。 

2組に分かれて2つの巣口L、Rで格闘遊びが繰り広げられています。


シーン9:7/30・午後18:35(7:31〜)
幼獣2頭が格闘遊びをしながら、巣穴Rに出入りしています。 


シーン10:7/30・午後18:37(8:31〜) 
林縁で母子が格闘遊びをしたり、木登りに挑戦したりしています。
別の1組も出巣Rして格闘遊びを再開しました。 


シーン11:7/30・午後18:38(9:31〜) 
今度は母子が格闘遊びしながら巣穴Rに入りました。 
中で一休みしているのでしょうか。 


シーン12:7/30・午後18:39(10:31〜) 
別アングルの映像に切り替えます。 
格闘遊びだけでなく、ときどき追いかけっこしながら営巣地を元気に走り回っています。 


シーン13:7/30・午後18:39(11:11〜)
別アングルの映像に切り替えます。 


シーン14:7/30・午後18:51(11:55〜)
途中から母親♀と幼獣1頭が左へ立ち去りました。 
しばらくして左から戻ってきても、幼獣が母親♀を頻りに挑発し、つきまとっています。 

残った幼獣2頭はミズキの木の下でひたすら格闘遊びを繰り広げています。 


シーン15:7/30・午後18:51(12:55〜)
別アングルの映像に切り替えます。 
母親♀が獣道で立ち止まり、自分の体を掻いてからゴロンと横転しました。 
近くに居た幼獣を寝技の格闘遊びに誘い込み、幼獣を抑え込みました。 
手加減した甘噛みだと思いますが、幼獣の鼻面に噛み付いています。 
音量を上げると、ときどき幼獣の唸り声や悲鳴?が聞こえます。 
もしかして、母子の格闘遊びが子別れ行動にエスカレートするのでしょうか? 


シーン16:7/30・午後18:52(13:55〜)
獣道で母子の取っ組み合いが続いています。 
やがて幼獣が左に逃げ出しました。 
再び対峙すると、幼獣が母親♀に繰り返し突っかかります。 
母親♀も反撃し、取っ組み合ったまま巣口Lに転がり落ちました。


シーン17:7/30・午後18:53(14:54〜)
巣口Lで母子の格闘遊びが続いています。 
途中から、画面の左下で別の幼獣同士の取っ組み合いも写りました。 


シーン18:7/30・午後18:53(15:55〜) 
別アングルの映像に切り替えます。 
営巣地で2組に別れて取っ組み合いが続いています。 

途中からもう1台の監視カメラが反応して赤外線LEDが点灯し、いっそう明るく暗視動画が撮れるようになりました。


シーン19:7/30・午後18:55(16:54〜)
3頭の幼獣たちが取っ組み合いをしながら巣口Lに転がり落ち、母親♀の遊び相手が居なくなりました。 
やがて出巣Lした幼獣が母親♀に飛びかかり、格闘遊びが再開。 


シーン20:7/30・午後18:56(17:55〜)
巣外で4頭が乱闘しているときに、母親♀の対戦相手が別個体の幼獣へと自然に交代しました。 
母親♀は特定の幼獣とだけ遊んでやっているのではないことが分かりました。


シーン21:7/30・午後18:57(18:55〜)
疲れ知らずのアナグマは、2組で組んず解れつ格闘遊びを繰り広げています。 


シーン22:7/30・午後18:59(19:55〜) 
母親♀の他に、なぜか幼獣が2頭しか写っていません。 
アナグマの母子家族はようやく遊び疲れたのか、落ち着きを取り戻しました。
1頭の幼獣が手前へ走り去りました。 
(おそらく先に消えた兄弟姉妹と追いかけっこが始まったのでしょう。) 

巣口Rに座り込んだ母親♀に、最後まで残った幼獣が飛びかかり、格闘遊びに誘います。 
しかし母親♀は疲れたのかあまり乗り気ではなく、小走りで手前に立ち去りました。 
セットに取り残された幼獣個体も、しぶしぶ追いかけ、全員が居なくなりました。 


シーン23:7/30・午後18:59(20:55〜) 
別アングルの映像でも営巣地から獣道を通って立ち去るアナグマ家族の姿が撮れていました。 
30分以上も遊び続けて空腹になり、採餌に出かけたのか、あるいは水を飲みに行ったのかもしれません。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
ニホンアナグマの母親♀が幼獣と一緒に格闘遊び(取っ組み合い)や追いかけっこ遊び(鬼ごっこ)に参加するのは珍しいです。 (初見かも)
それまでは幼獣同士が2対2で取っ組み合いをしていたので、母親はその様子を見守るだけで済んでいました。 
4頭(偶数)だった幼獣が最近1頭減って(死亡?)3頭(奇数)になったので、1対1の格闘遊びをするには対戦相手が足りなくなり、母親♀も誘われるようになったのかもしれません。 


幼獣と一緒に真剣になって遊びの相手をしてやるアナグマの母親はとても子煩悩ですね。
幼獣相手の格闘遊びは一応、手加減しているようですが、ときどき鼻面に噛み付いたり背後から羽交い締めしたりしています。
もしかして、母子の格闘遊びが子別れ行動にエスカレートするのでしょうか? 
しかし後日になると通常通り、母親♀は幼獣の挑発(遊びへの誘い)を受け流すようになります(映像公開予定)。 


鳴きながら飛び去るサシバ(野鳥)

 

2024年7月中旬・午後14:15頃・くもり 

里山を下山中にキンミー♪という甲高い鳴き声が聞こえました。 
この特徴的な鳴き方をするのは、猛禽類のサシバButastur indicus)です。 
山麓の入山口まで降りてきて辺りが開けると、山林の上空を飛び去るサシバの姿を見ることができました。 

羽ばたきと滑翔を交互に繰り返しながらどんどん遠ざかり、キンミー♪という鳴き声も小さくなりました。 
今までの経験上、空を背景にした被写体にズームインすると、カメラのAFが被写体を見失いそうなので、引きの絵で撮りました。 

鳴き声で状況を判断すると、どうやらそれまでサシバはカラスにモビング(擬攻撃)を受けていたようです。 
すでにモビングの決着が着いたようで、逃げるサシバを追いかけるカラスの姿はなく、カラスの鳴き声が聞こえるだけでした。 
嗄れ声で鳴いたのでてっきりハシボソガラスCorvus corone)だろうと思ったのですが、警戒や威嚇の状況ではハシブトガラスCorvus macrorhynchos)も嗄れ声で鳴くことがあるそうです。 
平地ではなく山林の麓という現場の状況からすると、ハシブトガラスの可能性が高そうです。 

Perplexity AIに相談した回答がこちら。 

ハシブトガラスは普段「カーカー」と澄んだ声で鳴くとされますが、警戒時や威嚇時には嗄れた、濁った声に近い音を出すこともあるようです。具体的には、ハシブトガラスは通常の澄んだ声の他に、濁った声や少し嗄れた声で鳴くことがあり、とくに威嚇やモビングの際にはそのような声の変化が見られることがあります。一方、ハシボソガラスは基本的に濁ったしわがれ声で鳴くのが特徴です。

したがって、ハシブトガラスが天敵の猛禽類に対してモビングするような警戒時に、嗄れ声に近い鳴き声を出すことはあり得ます。この嗄れ声はハシボソガラスの声とは異なる性質で、濁った「あー?」のような濁音を含むが、声質はハシボソとは違う傾向です。

まとめると、

  • ハシブトガラスは普段澄んだ声で鳴く。

  • 警戒時や威嚇時には濁ったり嗄れたような声を出すことがある。

  • これはハシボソガラスの濁ったしわがれ声とは異なる。

  • モビング時などの警戒声でも嗄れ声に近い発声が見られる可能性がある。

以上のことから、ハシブトガラスが天敵へのモビング時に嗄れ声で鳴くことはありますが、普段より濁った声になる程度であり、基本的な声質はハシボソガラスと違うと理解されます.detail.chiebukuro.yahoo+4


モビングや警戒の状況下でも、ハシブトガラスとハシボソガラスの鳴き声の違いは聞き分けることが可能です。ただし、ハシブトガラスは通常澄んだ声で鳴きますが、警戒時や威嚇時に濁ったり嗄れた声を出すこともあり、その際はハシボソガラスと声が似ることがあります。そのため聞き慣れていないと鳴き声だけでは判別が難しい場合もあります。

聴き分けるコツとしては、ハシブトガラスの声は声量が大きく、音程変化やビブラート、濁音も出せる多彩さがあります。一方ハシボソガラスは基本的に濁ったしわがれ声で、鳴き方の特徴も異なります。羽の動きや鳴く時の姿勢(ハシボソは頭を上下に動かす、ハシブトは尾を内側に動かすなど)をセットで観察すると確実です。

したがって、モビングのような緊張状態でも、鳴き声をよく聴き分ければハシブトガラスかハシボソガラスかを判別できますが、単に声だけで判別するのはやや難しく、鳴き声の変化も含めて個体差や状況での声の変化を理解しておく必要があります.carasblog+2


私はまだ鳴き声だけからカラスの種類を判別できないのですが、今回サシバを追い払ったカラスはハシブトガラスですかね?

この里山でサシバの営巣木を長年探しているのですけど、なかなか見つけることができません。


【追記】
サシバの鳴き声にはバリエーションが乏しくて意図や感情を読み取れないと私は思っていたのですが、Perplexityの見解は違いました。

サシバ(Butastur indicus)の鳴き声には明確なバリエーションがあり、発声の内容や調子が状況や感情に応じて変化することが研究や観察から知られています。news.yahoo+2youtube

鳴き声の基本と代表的な型

サシバの代表的な鳴き声は、「ピックイー」または「キンミー」と聞き取られる透き通った声で、繁殖期(春から夏)には特に活発に発せられます。この声は縄張り宣言や配偶者への呼びかけに用いられると考えられています。global+1

バリエーションの内容

観察記録では、以下のような鳴き声の変化が確認されています。youtubetcp-ip+2

  • 通常の鳴き声:「ピックイー」と長めで澄んだ声。主に飛翔中や見晴らしのよい高所で発する。

  • 興奮声・警戒声:「ピックピックピッ」など短く連続する声。敵の接近や驚きへの反応とされる。

  • 親密(求愛)行動時の声:短音で控えめな鳴き声を伴い、相手にすり寄る行動と結びつくケースが奄美大島で確認された。nikkei+1

  • 地域差・個体差:聞きなしの印象には地域や個人差もあり、「ピックイー」より「キンミー」に聞こえると報告する例もある。tcp-ip

鳴き声の機能的意義

近年の研究では、サシバの鳴き声が単なる縄張り防衛だけでなく、他個体との社会的なコミュニケーション(たとえば親愛行動や協調行動)にも用いられている可能性が示唆されています。youtubenikkei

このように、サシバは状況に応じて複数の声質を使い分ける「音声レパートリー」を持つ猛禽類であり、鳴き声の調査は彼らの社会行動理解に重要な手がかりとなっています。

今回は状況からカラスに対する警戒声(alarm call)や遭難声(distress call)だと私は思ったのですけど、そうではなく、さえずりのような縄張り宣言だったようです。
「ピックイー」または「キンミー」と聞き取られる透き通った声で鳴くのは主に♂ですが、♀もそのように鳴くことがあるそうです。

7月中旬に山形県の山林上空で観察されたサシバは、まさに繁殖期の最終段階に相当します。サシバの日本での繁殖期は地域によって若干異なりますが、山形を含む東北地方では5月中旬から7月中旬が繁殖期とされ、6月下旬から7月上旬に雛が巣立つケースが多いことが報告されています。[1][2][3][4]

この時期、親鳥は巣立った幼鳥に給餌をしたり、雛の独立に向けて世話を続けているため、山林上空で観察される個体は営巣から巣外育雛期(巣立ち直後の幼鳥を含む)に該当します。つまり、7月中旬でもまだ繁殖活動の一環として観察されるのが一般的です。[3][5][4][1]

したがって、山形県の山林上空で7月中旬に見られたサシバは、繁殖期に該当する行動をとっている可能性が高いです。[2][5][4][1][3]

【アフィリエイト】

2025/10/08

トラツグミ♂が鳴く♪深夜にフクロウが山中の水溜まりで顔を洗う【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年7月下旬 

シーン0:7/23・午前11:14・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林の中に少し開けた湿地帯があり、湧き水が滲み出して浅い水溜りになっています。 
水場に来る生き物を自動撮影カメラで見張っています。 

翌日の深夜に2回登場したフクロウStrix uralensis)の暗視映像を以下にまとめました。 


シーン1:7/24・午前0:46・気温24℃(@0:03〜) 
水溜りSの中洲に降り立っていたフクロウが監視カメラをちらっと振り返りました。 
ジャブジャブと歩いて深みに入水すると、洗顔を開始。 
脚を泥水に浸したまま、周囲をキョロキョロ見渡し警戒しています。 
少し飛んで対岸に上陸したところで、2分間の録画が終わりました。 

この間、ヒィー、ヒィーと甲高い不気味な鳴き声が断続的に聞こえました。 
トラツグミ♂(Zoothera aurea)が山林のどこかで鳴いているようです。


(トラツグミの)さえずりは「ヒィー、ヒィー」「ヒョー、ヒョー」。地鳴きは「ガッ」。主に夜間に鳴くが、雨天や曇っている時には日中でも鳴いていることがある。(wikipedia:トラツグミより引用)

シーン2:7/24・午前3:49・気温24℃(@2:04〜) 
3時間後にもフクロウが水溜りSに来ていました。 
中洲に降り立ち左に歩いて入水すると、すぐに洗顔開始。 
中洲に上陸すると、足元の泥濘から嘴で何かを咥えてつまみ上げたものの、すぐに捨てました。(@2:52〜) 
少し飛んで右岸に上陸すると、方向転換してから右上に飛び去りました。 

今回もトラツグミ♂の鳴き声が断続的に聞こえています。 
後半はヨタカCaprimulgus indicus jotaka)もキョキョキョキョ…♪と鳴き始めたような気がしました(@3:10〜)。 
トレイルカメラ固有のノイズが耳鳴りのようにザ、ザ、ザ、ザ、…と絶え間なく混じっているので、そのせいですかね(幻聴)? 
ちなみに、トラツグミやヨタカがこの水場に来たことはまだ一度もありません。

関連記事(同所で1ヶ月前の撮影:ヨタカの鳴き声入り?)▶ 水浴びの好きなフクロウ【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】 


※ 行水の水音や鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

2回とも、フクロウは顔を洗っただけで、本格的な水浴行動はしませんでした。


2025/10/05

ニホンアナグマ母子家族(幼獣3頭)の暮らし:7月中旬〜下旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年7月中旬〜下旬 

ニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)がある平地の二次林を2台のトレイルカメラで見張っています。 
 この時期に撮れた、母親♀と当歳仔(幼獣)3頭の暮らしぶりをまとめてみました。 


シーン1:7/15(@0:00〜) 
初めは幼獣が2頭しか登場しなかったので、また更に1頭減ったのかと心配したのですが、やがて残りの幼獣1頭が外出から無事に帰巣しました。(@2:45〜) 
ひたすら格闘遊びを続ける2頭の兄弟姉妹に合流したので一安心。 


シーン2:7/16(@16:31〜) 
母親♀の同伴なしで、幼獣だけで夜の採餌に出かけたようです。 


シーン3:7/21・(@17:48〜) 
5日ぶりに母親♀と幼獣3頭が写り、生存確認ができました。 
トレイルカメラが電池切れだったという訳ではなくて、長らく留守にしていた家族が営巣地(セット)に戻ってきたようです。 
おそらく別宅(当歳仔を出産した巣穴)がどこかにあるのでしょう。 

これまで写っていたのは夜行性だったのですが、この日は夜だけでなく昼間にも活動していました。 
モノクロではなくフルカラーの映像でアナグマを見たいという人は、ここから(@20:37〜)ご覧ください。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


2025/10/01

幼獣が1頭減っても元気に暮らすニホンアナグマの母子家族:7月中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年7月中旬 

ニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)がある平地の二次林を無人センサーカメラで見張っています。


シーン1:7/13(@0:00〜) 
シーン2:7/14(@10:58〜) 

※ 動画の一部は画編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
特筆すべきは、今季産まれた幼獣(当歳仔)の数がいつの間にか4頭から3頭に減っていました。 
トレイルカメラの電池切れや記録メディアの容量切れで生じた観察の空白期間に一体何が起きたのか気になります。 
子別れするにはまだ早いと思うのですが、交通事故にでも遭ったのでしょうか? 
近所のアンズの木の下に設置した監視カメラでも、写っていたアナグマ幼獣は3頭でした。 


幼獣の1頭が行方不明になっても、残りの家族は別に悲しんでいる様子はありませんでした。
3頭の幼獣は相変わらず暇さえあれば無邪気に遊び回っています。 

動画の途中で幼獣がさらに減り(2頭だけになって)焦ったのですが、しばらくすると3頭に戻りました。 
おそらく1頭の幼獣が巣穴で寝ていたか、あるいは独りで採食のため外出していたようです。 



2025/09/27

ニホンアナグマ母子家族の日常生活:7月上旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年7月上旬

シーン1:7/2(@0:00〜) 
平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)を無人センサーカメラで見張っています。 
特筆すべき面白い行動はすでに個別の記事で紹介したので、今回は出涸らしです。 
残り物でも1時間40分間という長編映画になりました。 

林床に散開して採食するシーンや、4頭の幼獣がひたすら遊び回る様子、互いに毛繕いをする様子などが写っています。 
幼獣の遊びというのは、互いにくんずほぐれつの取っ組み合いをしたり、追いかけっこをしたり、木登りに挑戦しては転げ落ちたりしています。 
遊びながら、たまに鳴き声♪を発していました。 
見ていて微笑ましく、飽きることがありません。 
まだ幼獣が母親♀に甘えることもあり、そんな幼獣に母親♀は対他毛繕いをしてやります。 

林縁で株立ちしたミズキの根元付近の幹は、アナグマ幼獣たちのお気に入りの遊び場です。 
頻繁によじ登ろうとするために、株立ちしたミズキ幹の根元が毛皮で磨かれて黒光りしています。 
母親♀もこのミズキの木の下でよく寛いだり、幼獣の面倒を見たりしています。 


シーン2:7/3(@5:52〜) 
晩には(午後20:15〜)土砂降りの大雨が降っているのに、家族で元気に巣外で活動していました。 
さすがに幼獣達は雨宿りのため、巣内に一時避難しました。 
雨が小降りになると、再び巣外に出てきました。 


シーン3:7/4(@7:43〜) 

シーン4:7/5(@14:16〜) 
夜明け前に監視カメラが起動すると、まだ暗いのになぜか赤外線の暗視モードに切り替わりませんでした。 
仕方がないので、動画編集で自動色調補正を施すと、粗いモザイクの映像ですが、辛うじて母親♀がうろついている姿を確認することができました。 

ニホンアナグマは夜だけでなく、昼間も活動しています。 
この日の映像が一番見応えがあるかもしれません。 


シーン5:7/6(@54:17〜) 

シーン6:7/7(@1:22:58〜) 
夕方になると、林内でヒグラシ♂が物悲しげに鳴いています。 


シーン7:7/9・午前後・気温(@1:33:56〜) 
明け方になると、林内でヒグラシ♂が物悲しげに鳴き始めました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


2025/09/18

軒下の窓枠などに集まったツバメ幼鳥の群れ

 

2024年7月上旬・午後15:55頃・晴れ 

郊外の住宅地でツバメHirundo rustica)の群れがいました。 
2階建ての民家の軒下で、狭い窓枠や換気口キャップ、雨樋パイプなどの上に並んで留まっています。 
電柱からの引き込み線に留まっている個体も居ました。 

いずれも喉が黄色いので、近所の巣から巣立ったばかりの幼鳥です。 
(動画に写っている同じ民家の軒下にはツバメの巣はありませんでした。)
中には喉が赤く色づき始めた個体も混じっていました。 

いずれ親鳥が飛来して幼鳥に巣外給餌するだろうと期待してしばらく粘ったのですが、親ツバメは私を警戒して近づきませんでした。 
撮影後に私が歩いて横を通り過ぎようとしたら、ツバメの群れは一斉に飛んで逃げてしまいました。 

※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】
この8羽のツバメ幼鳥は同じ巣から巣立った兄弟姉妹なのでしょうか? 
Perplexity AIに相談してみた回答がこちらです。
・1つの巣から同時に8羽が巣立つことは極めてまれ。 
・観察された8羽は複数の巣(近隣で巣立った複数家族)の幼鳥が合流した群れである可能性が高いです。特に郊外の住宅地では、巣立ち直後~集団塒(ねぐら)への移動までの間、幼鳥が親とともに近くでまとまって過ごす時期があり、規模の大きい一時的な集団も見られます。 
・巣立ち雛や親兄弟を含む複数家族が集まる、小規模な群れが住宅地や電線、軒先などで形成されやすい時期。 
・7月以降はこうした集団行動が顕著となり、大集団は主にねぐらで夜を過ごす際に見られる。 
・ツバメの親鳥が巣外で給餌する際は「自分の子の鳴き声や行動の特徴」で見分けて餌を与えており、群れの中でも親子の関係は維持されます。ただし、他の幼鳥に間違って給餌するケースも一部では報告されていますが、基本的には自分の子を優先的に認識できるとされています。

2025/09/08

昼間にニホンアナグマの幼獣4頭だけで遊んで留守番【トレイルカメラ】

 



2024年6月下旬

シーン1:6/30・午前9:14〜午後14:59・くもり後雨 

ニホンアナグマMeles anakuma))の母子が暮らす営巣地(セット)を自動センサーカメラで見張っています。 
母親♀の姿が写っていないのに、昼間の営巣地で幼獣4匹だけが遊んでいる様子をまとめてみました。 

母親♀は独りで採食に出かけたのか、それとも疲れて巣内で寝ているのか、不明です。 

アナグマは基本的に夜行性だと言われているのに、幼獣は昼間でも巣外で活動するときがあるのです。 
幼獣たちだけで元気いっぱいに遊び回っていますが、巣穴からあまり離れることはありません。 
 疲れを知らない幼獣は、兄弟姉妹で取っ組み合いをしたり、追いかけっこをしたり、後足で立ち上がって木に登ろうとしたり、林床で餌を探したりしています。 


※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


2025/09/06

セットで暮らすニホンアナグマの家族:6/30昼間の諸活動【トレイルカメラ】

 


2024年6月下旬 

6/30・午前9:08〜午後16:42 

ニホンアナグマMeles anakuma)は一般的に夜行性と言われていますが、私が営巣地(セット)で定点観察している母子(母親♀と幼獣4頭)は昼間も元気です。 
この日の特筆すべき行動は個別の記事で紹介済みなので、今回は残り物の映像をまとめました。 
それでも家族団らんの様子は微笑ましいですね。 
午後から一時雨が降りました。 

私がちょっと面白いと思ったシーンは、
シーン1:6/30・午前9:11・晴れ気温24℃(@4:00〜) 
母親♀が獣道から巣穴Lにゆっくり戻ってくる途中で立ち止まり、後足を広げて排尿マーキングしたようです。 
この地点でやるのは初見です。 
頭をカメラに向けているため、残念ながら肛門や尿道が見えません。 
排泄中に1頭の幼獣が近寄り、母親♀の尻の匂いを嗅いで身震いしました。 

その後、巣口Lまで来た母親♀がカカッ♪と鋭く鳴きました。(@4:44〜) 
その鳴き声を聞いた途端に周囲で遊んでいた幼獣3頭が巣口Lに位相で殺到したので、警戒声なのかもしれません。 
しかし、警戒の対象が何だったのか、分かりません。 
母親♀が幼獣を試した避難訓練だったのでしょうか。 
カカッ♪と鳴いた同じシーンが別アングルに設置した監視カメラでも撮れていました。(@3:44〜) 


※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


2025/09/04

カラマツの枯木から飛び立つノスリ(野鳥)

 

2024年5月中旬・午後14:20頃・晴れ 

山麓の山道(入山口の付近)で私が長時間トンボの撮影をしていると、すぐ横の林からノスリButeo japonicus)が鳴きながら飛び去りました。 


近所のカラスが目敏く見つけて、ノスリをモビング(擬攻撃)しに集まって来ます。 
ノスリは鳴きながら林の上空を逃げ回ります。 
この近くにノスリの営巣木がありそうだと以前から目星をつけていたので、林道を外れて雑木林にそっと入り、探索してみることにしました。 
静かに薮漕ぎするのが大変で、なかなか進めません。 

立ち枯れしたカラマツの高木を見上げると、いつの間にかノスリが後ろ向きで横枝に留まっていました。 
白っぽい羽毛が風でなびいています。 
モビングしてくるカラスに気を取られたノスリは、止まり木の下に忍び寄った私に気づいてないようです。 
しかしカメラを向けた途端に前方に止まり木から飛び去ってしまいました。 
その直後に至近距離からピーエ♪という甲高い鳴き声が繰り返し聞こえました。 
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:22〜) 

結局、今回もノスリの営巣木を見つけることはできませんでした。 
繁殖期なので、親鳥を刺激してはいけません。 
私もあまり無理しないで現場を離れました。 
(雛が巣立った後に)ドローンを飛ばして上空から高木の樹冠を丹念に見て回れば、ノスリの古巣を効率よく探せるのかな?

2025/09/02

深夜にニホンアナグマの幼獣4頭だけで遊んで留守番【トレイルカメラ:暗視映像】

 


2024年6月下旬 

シーン0:6/26・午後13:46・くもり・気温31℃(@0:00〜) 
ニホンアナグマMeles anakuma)の母子が暮らす営巣地(セット)を自動撮影カメラで見張っています。 


シーン1:6/30・午前1:52〜3:30・気温17℃(@0:04〜) 
母親♀の姿が写っていないのに、深夜の営巣地で幼獣4匹だけが遊んでいる様子をまとめてみました。 
母親♀は独りで採食に出かけたのか、それとも疲れて巣内で寝ているのか、不明です。 

幼獣たちだけで元気いっぱいに遊び回っていますが、巣穴からあまり離れることはありません。 
疲れを知らない幼獣は、兄弟姉妹で取っ組み合いをしたり、追いかけっこをしたり、後足で立ち上がって木に登ろうとしたり、林床で餌を探したりしています。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


2025/08/31

セットで暮らすニホンアナグマの家族:6/30夜の諸行動【トレイルカメラ:暗視映像】

 


2024年6月下旬

平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の母子家族(母親♀と幼獣4匹)が暮らす営巣地(セット)を自動センサーカメラで見張っています。 
6/30夜の活動をまとめました。 
前半は深夜から未明にかけて(午前1:58〜3:27)、後半は雨が降る晩(午後18:56〜19:17)の様子です。

アナグマは基本的に夜行性らしく、幼獣たちも元気いっぱいです。 
疲れ知らずの幼獣は、4頭の兄弟姉妹で互いに鬼ごっこをしたり取っ組み合いをしたりして、ひたすら遊んでいます。(追いかけっこ遊び、格闘遊び) 
林縁で株立ちしたミズキの根元付近がお気に入りの遊び場らしく、なんとか乗り越えようと頑張っている幼獣個体もいます(木登り挑戦?の遊び:例えば@4:00〜)。 
遊びながら幼獣がときどき吠える声がかすかに聞こえます。 

母親♀(右目<左目)は幼獣に対他毛繕いしてやったり、幼獣の遊び相手をしてやったりしています。 

林床をうろついて餌を探し回ったりしています。 
幼獣はもう離乳済みらしく、母親が採食に出かけると、幼獣も一緒について行きます。 

2つの巣口L、Rが並んでいますが、巣穴Lはほとんど使われておらず、巣穴Rに家族の居室があるようです。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


2025/08/26

早朝の営巣地に侵入したホンドギツネを追い払うニホンアナグマ♀【トレイルカメラ】

 



2024年6月下旬 

シーン1:6/30・午前4:56・気温17℃(@0:00〜)日の出時刻は午前4:17 

未だ薄暗い早朝に、ニホンアナグマMeles anakuma)の母親♀が巣口LRの中間地点に佇み、左を凝視していました。 
左に前進して巣口Lで立ち止まり、左への警戒を続けています。 
急に左に走り出しました。 
どうやら縄張りへの侵入者を撃退しに行ったようです。 

左奥の二次林の茂みに侵入者が写っていました!(@0:26〜) 
しばらくすると左からゆっくり戻ってきたアナグマ♀が、振り返って左奥の林内を見つめています。 
謎の侵入者は大胆にもアナグマ♀に近づいたものの、それ以上の直接対決は避けて左に立ち去りました。 
それを見送ったアナグマ♀が巣穴Lに戻りかけたところで、1分間の録画が終わりました。 


シーン2:6/30・午前4:56・気温16℃(@1:02〜) 
別アングルで設置した監視カメラでも写っていました。 
アナグマ♀が巣口Lの横に佇み、獣道の右奥を凝視しています。 
獣道を右から忍び足で来ていた侵入者は、ホンドギツネVulpes vulpes japonica)でした! 
暗い林内でキツネはアナグマの存在にまだ気づいていない様子です。 
待ち伏せしていたアナグマ♀が全力疾走で突進すると、キツネは慌てて右へ逃走。 
このときアナグマ♀は吠えたり警戒声を発したりしないで、黙って突進しました。
アナグマ♀が営巣地の幼獣を守るために天敵(危険な捕食者)を撃退したシーン(母は強し)は初見かもしれません。 


やがてアナグマ♀が右からゆっくり戻って来ると、振り返って右を凝視。 
慎重に入巣Lしかけたところで録画が終わりました。 
腹面に乳房や乳首が見えたので、この成獣は母親♀で間違いありません。 
もしも母親♀の不在時にキツネが来たら、外で遊んでいるアナグマの幼獣は捕食されてしまうでしょうか? 


シーン3:6/30・午前4:57・気温17℃(@2:02〜) 
興奮冷めやらない母親♀は結局、巣穴Lには入らず、営巣地(セット)をうろついていました。 


シーン4:6/30・午前4:57・気温17℃(@2:02〜) 
巣口Rに来たアナグマ♀は、落ち葉の下に鼻を突っ込んで匂いを嗅いでから、マルバゴマギ灌木の根元で排尿したようです。 
ちなみに、その地点には野ネズミの巣口があることが分かっています。
営巣地に侵入者があったので、縄張り宣言のマーキング(匂い付け)を強化したのでしょう。 
ようやく巣穴Rに潜り込みました。 
4匹の幼獣は巣内で寝ているのか、外に出て来ませんでした。 

マーキング行動を1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@2:42〜) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


2025/08/25

ニホンアナグマ家族が転入した営巣地を偵察に来て大声で鳴くホンドギツネ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月下旬〜7月上旬 

シーン0:6/26・午後13:46・くもり・気温31℃(@0:00〜) 
ニホンアナグマMeles anakuma)の母子家族(母親♀と幼獣4頭)が転入してきた営巣地(セット)を自動センサーカメラで見張っています。 

ホンドギツネVulpes vulpes japonica)の登場シーンをまとめました。 


シーン1:6/27・午前5:37・気温11℃(@0:04〜)日の出時刻は午前4:15。 
薄暗い早朝に獣道からキツネが久しぶりにやって来ました。 
 アナグマの巣口Lを覗き込んで、頻りに匂いを嗅いでから、左へ向かいました。 


シーン2:6/27・午前5:37・気温12℃(@0:49〜)
別アングルで設置した監視カメラに続きが撮れていました。 
今度はもう一つの巣口Rに頭を突っ込んだものの、巣内には押し入らず、右へ立ち去りました。 
奥の二次林に朝日が射し込んでいます。

その間、アナグマの家族は寝ているのか、巣穴に籠城したままでした。 
このキツネは夏毛に生え変わり、尻尾の毛並みも正常な個体でした。 


シーン3:7/1・午後19:11・気温23℃(@1:23〜) 
4日後の晩にもキツネが再登場。 
左奥から来てアナグマの巣口Lを覗き込んでいました。 
尻尾が健全な個体です。 
次は右に来て、もう一つの巣口Rを調べます。 

立ち去る間際にホンドギツネが巣口Rでクゥオオオン♪と甲高く鳴きました!(@1:56〜) 
アナグマ家族の匂いを嗅ぎ取って興奮しているのか、初めて聞く鳴き方です。 
キツネはいつも単独で現れるので、仲間に対して鳴いているとは思えません。

今回もキツネは匂いを嗅ぐだけで、巣穴に強引に侵入することはありませんでした。 
二次林内に入り右へ向かいます。 
監視カメラの死角に消えてからも再び(キツネの?)奇妙な鳴き声がかすかに聞こえました。 


※ キツネの鳴き声が聞き取れるように、動画の一部は編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
ニホンアナグマの母子が籠城する巣穴の入口でホンドギツネが大声で鳴いたのが興味深く、自分なりに解釈を考察してみました。

キツネの狩りのシーンをトレイルカメラで何度か観察しているのですけど、野ネズミを狙っているときなどにキツネが鳴くことは一度もありませんでした。

関連記事(5ヶ月前の撮影)▶ 

キツネは野ネズミの巣穴付近で待ち伏せ型の狩りをしますから、わざわざ大声で鳴いて獲物に自分の存在を知らせるはずがありません。
したがって、今回アナグマの巣口でキツネが鳴いたのも、狩りの衝動とは結びつかないでしょう。

キツネが野ネズミを狩る際に、わざと足音を踏み鳴らしながら2つの巣口を往復して、野ネズミを巣外に追い出してから狩ろうとする行動を過去に見たことがあります。


今回のキツネが大声で鳴いたのは、巣内に潜む獲物(アナグマ)を威嚇して巣外に飛び出してくる獲物を待ち伏せする目的だったのかもしれません。(おびき出し仮説)
しかし、キツネの鳴き声に怯えたアナグマ(幼獣)が別の出口から飛び出してくることはありませんでした。
そもそも2つの巣穴は内部でつながっていないため、出入り口は一つずつしかありません。
私の知る限り、この営巣地(セット)では緊急用の脱出口は作られていないのです。
つまり、捕食者が巣穴に侵入したら、中のアナグマは逃げ場所がなく「袋の鼠」です。
防衛戦略上、致命的な欠陥だと思うのですが、ここで暮らすアナグマは改めようとしません。
アナグマの家族は日によってどちらかの巣穴を居室として暮らしています。
アナグマの各巣穴に出入口が1つしか無いことを、長期観察している私は知っていますけど、滅多に来ないキツネがアナグマの巣穴の内部構造を把握しているかどうか疑問です。
セットの匂いを嗅ぎ回るだけで、そこまで分かるとは思えません。

巣口の匂いを念入りに嗅いだキツネが、獲物となり得るアナグマ幼獣の存在を知ったことは間違いありません。
それなのに、キツネは巣内に押し入ってアナグマ幼獣を狩ることはなく、立ち去りました。
おそらくアナグマの母親♀が巣内で幼獣と一緒に籠城していたはずです。
動画では聞き取れませんでしたが、巣穴の奥からアナグマの母親♀も唸り声をあげて、侵入しかけたキツネを威嚇・撃退したのかもしれません。
もしもキツネが無理してアナグマの巣穴に強引に侵入すると、追い詰められたアナグマの母親♀が我が子を守るために必死で反撃する可能性が高く、「背水の陣」で「窮鼠猫を噛む」リスクがあります。
それでキツネは狩りを諦めたのでしょう。
つまり、キツネの葛藤が大きな鳴き声として表出した置換行動と思われます。

この記事を書くために、ChatGPTと問答を繰り返し、解釈についてブレインストーミングしました。
結論: キツネがアナグマの巣口で大声をあげたのは、獲物を前にした狩りの衝動そのものではなく、巣を守る母アナグマに対する警戒と、捕食欲求との間で揺れ動いた葛藤の表れだった可能性が高い。

つづく→


【アフィリエイト】

2025/08/22

ニホンアナグマ♀が縄張り侵入者を撃退する間に営巣地で独り留守番する幼獣【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月下旬・午後20:50頃 

シーン1:6/29・午後20:48・気温22℃(@0:00〜) 
ニホンアナグマMeles anakuma)の母親♀と幼獣1頭が夜の巣外で活動しています。 
母親♀が二次林の右奥を凝視してから、急に獣道を右に向かって突進して行きました。 
アナグマの営巣地(セット)や縄張りに来た侵入者を追い払いに向かったのでしょうか? 
幼獣は慌てて巣穴Lに逃げ込みました。 
このとき母親♀が幼獣に対して避難するように警戒声を発したかどうか、という点が気になります。 
音量を上げて何度も聞き直すと、カッカッ♪という音がかすかに聞こえますが(@0:07〜)、アナグマの鳴き声なのかカメラのノイズなのか、いまいち自信がありません。 

幼獣は巣口Rで上半身を出して周囲を警戒してから、結局は後退で巣穴Lに入りました。


シーン2:6/29・午後20:50(@0:47〜) 
警戒を解いて巣穴Lから延びるアクセストレンチで独り遊びしていた幼獣が、巣穴Lに戻りました。 
独りで留守番するアナグマ幼獣が小声で散発的に吠えていたのは、寂しくて母親を呼ぶ声なのかな? 
すぐにまた巣口Lから外に出てきました。 
身震いしてから獣道を右に歩き出し、母親を探しに行ったようです。 

言葉では表現しにくいのですが、シーン1から遠くでジュルジュルジュル…♪とかビルビルビル…♪というような音がずっと聞こえています。(ジェジェジェビーム? ただのノイズ?) 
監視カメラの死角から母親♀が鳴き続けているのでしょうか?
幼獣が言うことを聞かずに巣穴の外に出てきてしまっているので、警戒声の意味ではなさそうです。 


シーン3:6/29・午後20:51(@1:47〜)
留守番する幼獣が小声で吠えながら、獣道を右往左往しています。 
母親♀がなかなか戻ってこないので、私も心配になってきました。 
しばらくすると、静かになりました。 


シーン4:6/29・午後20:53(@2:36〜) 
ようやく母親♀が獣道を右から営巣地に戻ってきました。 
巣口Lでググ、ググ♪(グルル♪?)と低く鳴いてから、中に潜り込みました。 

入巣L後は謎の連続音(ジェジェジェビーム♪?)が聞こえなくなり、辺りは静かになりました。 


※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
アナグマの縄張りに何者が不法侵入したのか、最後まで分からずじまいでした。 
前回イノシシ母子が営巣地にずかずかと侵入した際にアナグマの母親♀は巣穴に籠城するだけだったのに、今回は積極的に追い払いに向かったということは、今回の敵はあまり大きくない動物(タヌキやネコなど)ではないかと想像しています。 



今回登場した幼獣は1匹だけでした。 
他の兄弟姉妹3匹がどこにいるのか、不明です。 


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