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2025/08/30

朽ちた切株を調べて営巣適地を探すムネアカオオアリの新女王

 

2024年6月下旬・午後12:50頃・くもり 


山中に設置したトレイルカメラで、野生のニホンイノシシSus scrofa leucomystax)が木の切株に体を擦り付けているように見えたので、現場検証してみました。 
スギの朽ちた切株で、苔むしています。 
イノシシの体毛や泥汚れなどは付着していませんでした。 

その切り株でうろついているムネアカオオアリCamponotus obscuripes)を発見。 
かなり大型の個体なので、ワーカー♀ではなく女王アリのようです。 (採寸するのを忘れました。) 
結婚飛行を済ませた新女王は水から翅を切り落とし、営巣に適した場所を探し始めます。 
アリハンドブック』でムネアカオオアリを調べると、
・平野部では、5〜6月に結婚飛行を行うが、山地では結婚飛行の時期が遅くなり、8月まで見られる。(p69より引用)


関連記事(2、14年前の撮影)▶  


こうした女王アリを採集して石膏でできたアリの巣観察キットで飼育すれば、ムネアカオオアリのコロニーが発展する様子を自宅で観察できるのですが、忙しくて余力がありません。 


【アフィリエイト】 

2025/08/26

シロツメクサの花で採餌するオオマルハナバチ創設女王【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年5月下旬・午後16:20頃・晴れ 

田園地帯の農道に咲いたシロツメクサの群落でオオマルハナバチ♀(Bombus hypocrita)が訪花していました。 
口吻を差し込んで吸蜜し、ついでに花粉を集めているようです。 
後脚の花粉籠に橙色の花粉団子を付けています。 

やや小型の個体でしたが、この時期に活動しているのはワーカー♀ではなく、創設女王と思われます。 
しかし複数個体を見かけたので、暖冬の後の今季はワーカー♀が例年よりも早く羽化して活動しているのかな? 

平地性のクロマルハナバチと山地性のオオマルハナバチは、標高によって大まかに棲み分けていると言われています。 
現場は山麓に近い里なので、オオマルハナバチの活動分布域の境界(標高の下限)かもしれません。 

シロツメクサの花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:56〜) 


2025/08/20

ヒョウタンボクの花で穿孔盗蜜するクマバチ♀

 

2024年6月中旬・午後14:00頃・晴れ 

河畔林に咲いていたキンギンボク(別名ヒョウタンボク)のマント群落でキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が忙しなく訪花していました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイすると(@0:08〜)、花筒に潜り込む正当訪花をしないで穿孔盗蜜を繰り返していました。 

キンギンボクの萎れかけた白い花筒の根元を外側から噛んで小さな穴を開け、そこから口吻を差し込んで花蜜を吸っています。 
正当訪花する昆虫と違って花筒の中にある雄しべにも雌しべにも触れませんから、クマバチはキンギンボクの授粉に一切関与しないことになります。 
集粉しませんから、クマバチ♀の花粉籠は空荷です。
キンギンボクの群落で他の花にも根元に盗蜜痕が残っています。


関連記事(4年前の撮影)▶ キンギンボクの花で穿孔盗蜜するクマバチ♀

2025/08/16

他のアシナガバチが作った初期巣を襲って幼虫を捕食するフタモンアシナガバチ創設女王

 

2024年5月中旬・午後12:15頃・くもり 

堤防路の道端で、水平に倒伏したヨモギの枯れた茎から下向きにアシナガバチの初期巣が作られていました。 
フタモンアシナガバチ♀(Polistes chinensis antennalis)が巣盤の下側にぶら下がり、何か作業しています。 
この時期はまだワーカー♀が羽化しておらず、単独営巣期の創設女王と思われます。 

やがて女王が体を反らせてくれたので口元が見え、獲物を噛みほぐして肉団子を作っていたことが分かりました。 
帰巣直後の女王が、これから巣内の幼虫に給餌するのでしょうか。 
翅を半開きにしたのは私に対する警戒姿勢かと思いきや、肉団子を咥えたまま、意外にもフタモンアシナガバチの創設女王はどこかに飛び去りました。 
幼虫を育房から引き出して殺したり捕食しただけなら、死んだり病気になったり寄生された幼虫個体を自分の巣から取り除いたのだと説明できます。 (必要悪な子殺し
しかし、肉団子に加工して持ち去ったとなると、他のアシナガバチの巣を襲って、幼虫を捕食したことになります。 
肉団子を自分の巣に持ち帰って、幼虫に給餌するのでしょう。 

ヒメスズメバチ♀(Vespa ducalis pulchra)はアシナガバチ類の巣を襲って幼虫や蛹を捕食します。 
しかし、アシナガバチ同士で巣内の幼虫や蛹を捕食するシーンを見たのはこれが初めてです。 
もし同種間なら共食いしたことになりますが、巣の主が不在のときに襲撃したので獲物の種類が分からず、共食いとは言い切れません。 

フタモンアシナガバチ創設女王が襲った巣の種類を検討してみましょう。
巣が大きくなれば、アシナガバチの種類によって巣の形が違ってくるのですが、小さな初期巣の段階では見分けることが困難です。 
幼虫が紡いだ繭の色でアシナガバチの種類を絞り込めることがあるのですけど(黄色い繭ならヤマトアシナガバチまたはキボシアシナガバチ)、この巣では繭はまだ作られていませんでした。 
営巣地の環境から、フタモンアシナガバチの巣であってもおかしくないのですが、別種の可能性も残ります。

フタモンアシナガバチの創設女王が飛び去った直後に、巣盤の育房を苦労して接写してみました。 
動画を一時停止して育房を数えると26室で、5月中旬の女王単独営巣期にしてはかなり多い部類になります。 
育房内に卵や幼虫は全く残っていませんでした。 
繭もまだ作られていません。 
もしヒメスズメバチ♀(Vespa ducalis pulchra)に襲われた直後なら、巣の育房壁が汚らしく乱暴に食い千切られているはずです。 
しかし、今回の初期巣の構造は無傷でした。 

気になるのは、アシナガバチの巣盤の天井部や巣柄にアリ除けとしてタール状の物質が塗布されて黒光りしているはずなのに、この巣は白っぽいことです。
もしも今年に作られた初期巣ではなく、前の年に作られた古巣が冬を越して残っていただけとなると、解釈を大幅に検討し直す必要があります。 
例えば前年に羽化できなかった幼虫の死骸が干からびたまま育房内に残っていて、それを女王が捕食したのでしょうか。
そんな餌が残っていれば、堤防をくまなくパトロールしているアリが見過ごすはずがありません。
当地は雪国(多雪地帯)なので、冬を越した古巣だとしたら、深い雪の下に埋もれた圧力で変形しているはずです。
 (異常な暖冬だったから雪に埋もれて潰されなかった?) 
ちなみに、アシナガバチは前年の古巣を再利用することはありません。 

育房数が26室というのは5月中旬の初期巣にしてはかなり多いのですが、暖冬で春の訪れが早く、越冬明けの女王が巣を作り始めたのも早かったと考えれば、なんとか説明できそうです。 
巣の主である創設女王が不在(または死んだ)の間に、この巣を見つけたフタモンアシナガバチ創設女王が襲撃して巣内の幼虫を次々に捕食して全滅させたのでしょう。 
女王の単独営巣期は巣を防衛するワーカー♀が不在なので、女王の留守中に幼虫が捕食されるリスクがどうしても高くなります。 
なるべく目立たない場所に営巣した女王が、食うか食われるかの仁義なき生存競争に勝ち残るのでしょう。 
たとえ初期巣が襲われて幼虫が全滅しても、創設女王が存命なら別の場所で新たに初期巣を作り直し、遅れてまた産卵します。 


いつものように、動画の解釈についてPerplexity AIと相談しながら記事を書きました。

アシナガバチ同士であっても、自分たちの巣や生活圏を守るために他個体や他の女王が作った巣を襲撃し、幼虫を捕食することが報告されています。これは縄張り争いの一環として、相手の資源や将来の個体数を減らす競争戦略の一つと考えられます。

具体的には、餌資源が不足するときや巣の数が密集してしまう場合に、女王や働きバチが他のアシナガバチの巣を襲い、その中の幼虫を捕食する行動が観察されています。 (Perplexityの回答より一部引用)

2025/08/10

軒下の巣に飛んで帰るコガタスズメバチ♀:6月下旬

 


2024年6月下旬・午後13:40頃・くもり 

民家の軒下に作られたコガタスズメバチVespa analis insularis)の巣をこっそり定点観察しています。 

拡張工事を施された外皮にマーブル模様が現れました。 
これは、複数個体のワーカー♀が造巣作業に従事していることを意味します。 
各個体がそれぞれお気に入りの地点から巣材の樹皮を集めてくるため、外皮の色がまちまちになるのです。 

巣を見上げて動画で記録していると、1匹のワーカー♀が帰巣しました。 
スロー再生しても、巣材や肉団子を搬入したかどうか不明です。 


※ 動画編集時に色調補正を施しています。 
雨上がりで、昼間なのにかなり薄暗いです。 
いつもの自動色調補正では不自然な色合いになるので、手作業でlift, gamma, gainエフェクトの各パラメータを適当にいじりました。 


つづく→

2025/08/06

スギの樹洞に営巣するクロクサアリのコロニー

 

2023年5月上旬・午前12:10頃・晴れ 

奇妙な樹形をしたスギの大木が里山の登山道の横に、聳え立っていました。 
根元で分岐した3本の幹がそのまま真っ直ぐに伸びています。(株立ち) 
屋久杉ほどではありませんが、なかなか風格のある古木です。 
胸高直径を測るべきでしたね。 

太い幹の下部に樹洞が開いていました。 
クマが冬眠するには、まだ小さ過ぎる樹洞です。 
樹洞の中でクロクサアリLasius fuji)のコロニーが営巣しているようです。 
無数のワーカー♀が活動していました。 


2023年6月中旬・午前9:45頃・晴れ 
翌月も通りすがりに定点観察しました。 
樹洞の内部は暗くて、動画では底まで撮影することが出来ません。 
強力な照明か、ナイトビジョン(暗視)のビデオカメラを用意する必要がありそうです。

つづく→ 


以下の写真は、撮影日がまちまちです。

2025/08/02

白藤の花で休むクマバチ♂を手に乗せてみる

 

2024年5月上旬・午後16:45頃・晴れ 

某お屋敷のブロック塀からシロバナヤマフジ(シラフジ、白藤)の花穂が垂れ下がっていました。 
季節の風物詩として、キムネクマバチXylocopa appendiculata circumvolans)の訪花シーンを撮ろうとしたのですが、白い蝶形花にしがみついたまま動きません。 

関連記事(8年前の撮影)▶ 白藤の花蜜を吸うクマバチ♂ 


複眼が大きく発達し、頭楯が白いことから、クマバチの性別は雄蜂♂と分かります。 
ハチ(有剣類)の毒針は♀の産卵管が変形したものですから、毒針をもたない雄蜂♂を素手で触れても刺される心配がなく、全く安全です。 

もしや死んでいるのかと思って指先で軽く触れてみたら、ようやく緩慢に動き始めました。 
クマバチの雄蜂♂は日中はひたすら停空飛翔(ホバリング)で縄張りを張り、交尾相手の♀を待ち構えています。 
そのため、夕方にはもう疲れ切って寝ていた(休んでいた)のでしょう。 

 私が指を差し出すと、クマバチ♂は弱々しく羽ばたきながら、しがみついてきました。 
そのまま手乗りさせると、おとなしく静止してくれたので、じっくり観察できました。 
ハナバチ類の雄蜂♂は訪花しても採餌しません(花蜜や花粉を巣に持ち帰らない)から、後脚に花粉籠はありません。 
しかし、よく見ると、前脚に黄色っぽい毛が密生していますね。 
何か特別な役割があるのでしょうか? 
例えば、交尾の際に♀をしっかり抱きかかえるため? 

最後に、クマバチ♂は重低音の羽音を響かせて、私の手から飛び去りました。 
近くでは別個体のクマバチがブンブンと羽音♪を立てながら白藤に忙しなく訪花していました。 


関連記事(8年前の撮影)▶ クマバチ♂は手に乗せても刺さない

2025/07/23

ウツギの花で採餌するオオマルハナバチ創設女王

 

2024年6月上旬・午前10:55頃・くもり 

川沿いに咲いたウツギの花でオオマルハナバチ♀(Bombus hypocrita)が訪花していました。 
この時期はまだ創設女王のはずですが、体格が小型の個体なので、早く羽化したワーカー♀なのかな?

関連記事(10年前の撮影)▶ ウツギの花で採餌するオオマルハナバチ♀ 

正当訪花を繰り返して吸蜜しています。 
ウツギの雄しべの葯は黄色で、まだ花粉がありそうなのに、オオマルハナバチ♀の後脚の花粉籠はほぼ空荷でした。 

近くでオオヨシキリ♂の囀りさえずりが聞こえます。♪

2025/07/19

軒下の巣に出入りし外皮を増築するコガタスズメバチ♀:6月中旬

 



2024年6月中旬・午後14:20頃 

民家の軒下に作られたコガタスズメバチVespa analis insularis)の巣を久しぶりに定点観察に来ると、本種の初期巣に特有の細長い巣口はすでに撤去済みでした。 
ワーカー♀が羽化したことがわかります。 
丸い巣の底(下面)に歪な形の巣口が開いていました。 

初ワーカー♀が外皮の造巣作業に従事していました。 
パルプの巣材を薄く引き伸ばしながら、外皮の縁に付け足しています。 
少なくとももう1匹(創設女王? 2匹目のワーカー♀?)が巣に出入りしていました。 

しばらくすると、別個体の♀が帰巣しました。 
外皮にいきなり着陸してから巣口に潜り込みました。 
このとき巣材や肉団子など何か口に咥えていたかどうか、真下から見上げるアングルでは不明です。 

巣内から出てきたコガタスズメバチ♀が巣口から外界を覗き、周囲を警戒しています。 
そのまま飛び立って外役に出かけたので、門衛ではありませんでした。 
それと入れ替わるように、外皮の造巣作業を終えた♀個体が入巣。 


2025/07/15

ヤマホタルブクロの花筒に潜り込んで採餌するスミゾメハキリバチ♀

 

2024年6月中旬・午後12:45頃・晴れ 

民家の花壇に咲いたホタルブクロに蜂が忙しなく訪花していました。 
萼片の形状(基部が反り返る)からヤマホタルブクロ(別名ホンドホタルブクロ)のようです。 
花弁の色は赤紫でした。 

釣鐘状の花筒から外に飛び出してきた蜂を1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみて(@0:20〜)ようやく、ムナカタハキリバチ(別名スミゾメハキリバチ)♀(Megachile willughbiella sumizome)と分かりました。 
正当訪花で釣鐘状の花筒に潜り込むと、中でしばらく吸蜜・集粉していたようです。 
花筒の内部にいる蜂の影が花弁を通して透けて見えることはなかったのですが、蜂が動き回ると花弁がベコベコと動いたような気がしました。 

次の花を探してホバリング(停空飛翔)しているスミゾメハキリバチ♀の腹面を見ると、スコパは赤褐色でした。 
これは本種のスコパ本来の毛の色ですし、ホタルブクロの花粉は白いはずなので、今回のスミゾメハキリバチ♀は花粉をほとんど集めれなかったようです。 
ホタルブクロは雄性先熟らしいのですが、今回は雄しべの葯の花粉が既に枯渇していたのかもしれません。 
だとすると、次の花筒に潜り込まずにスミゾメハキリバチ♀がヤマホタルブクロの群落から飛び去ってしまったのも納得です。 

関連ブログ ▶ ~ ホタルブクロに 来たハチ ~ by 「足立直義の丹沢・大山山麓だより」 
スミゾメハキリバチ♀のスコパに白い花粉が大量に付着した見事な写真が掲載されていました。 
今回の私の観察だけでは分からなかったのですが、スミゾメハキリバチ♀はホタルブクロに訪花する常連客で、送粉者として働いているようです。 

ホタルブクロの花粉の色について、Perplexity AIを宥めすかしながら相当しつこく問い合わせて、ようやく役に立つ情報が得られました。 
実際にホタルブクロの花筒を裂いてみて内部構造を観察したり、雄しべの葯に触れて花粉の色を確認したかったのですけど、他人様の庭に勝手に侵入できませんから、諦めました。
野生のホタルブクロ群落なら好きなだけ調べられるのですけど、野山で見つけたことがありません。

実は、別種のハキリバチ?らしい小型のハナバチもヤマホタルブクロの花壇で忙しなく飛び回っていたのですが、ピントが合わなかったので編集でカットしました。

釣鐘状の花筒をもつ植物は、有能な送粉者を選別するために進化したのですが、そうなると締め出された蜂は必ずや穿孔盗蜜で対抗します。
ホタルブクロの花で盗蜜する蜂(おそらくクマバチと予想)を観察したくて、長年注意して見て回っているのですが、いまだに出会えません。
もしかして、ホタルブクロは盗蜜行動をさせないような仕組みを対抗進化させているのでしょうか?
そのような絶え間ない軍拡競争が進行中だとしたら、面白い話です。
ホタルブクロの花筒は太いので、日本の昆虫はほとんどの種が(太っちょのクマバチですら?)自由に出入りできそうです。
だとすれば、わざわざ穿孔盗蜜する必要はありませんね。
とりあえず、ホタルブクロの花筒の根元に盗蜜痕があるかどうか、調べてみないといけません。

2025/07/11

ナワシロイチゴの花から花へ飛び回り採餌するクマバチ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年6月上旬・午前11:25頃・くもり 

山麓の道端に咲いたナワシロイチゴの群落でキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が訪花していました。 
口吻を伸ばして吸蜜しているクマバチ♀をよく見ると、後脚の花粉籠は空荷でした。 

ナワシロイチゴの花に離着陸する瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:25〜) 


関連記事(10、11年前の撮影)▶  

2025/07/09

ノアザミの花で採餌するコハナバチ♀の一種?

 

2024年6月上旬・午前11:30・くもり 

水田の農道に咲いたノアザミの群落で見慣れないハナバチが訪花していました。 
ノアザミの雄しべの先端から白い花粉が吹き出しています。 
ハナバチが口吻を伸ばして吸蜜しながらノアザミの頭花を歩き回ると、必然的に雄しべの花粉が蜂の体毛に付着します。 
顔の毛や前脚にノアザミの白い花粉が大量に付着していたのに、後脚の花粉籠はまだ空荷でした。 
ミツバチ科だと思ったのですけど、ハキリバチ科の可能性もありますかね? 
腹部下面にスコパの有無を確認できませんでした。 

マクロモードでカメラのレンズをそっと近づけながら接写しても、蜂は逃げませんでした。 
飛び立つとやや高音の羽音を立て、同じ頭花にすぐ舞い戻ってきます。 
再び飛び立つと、ホバリングしてから手前の頭花に着陸しました。 

蜂が居なくなった後でノアザミの総苞片に触れると、粘り気があることを確認しました。 
農道の奥の水田では田植えが終わっていました。
はじめは筒状花から雄しべが現れて、昆虫などが花を刺激すると、接触運動により雄しべから花粉が湧き出てきて、昆虫に花粉を与える[9][10][8]。雄しべが引っ込むと、続いて雌しべが現れて、花粉をつけた昆虫の媒介によって受粉する[8]。頭花の外側にある総苞は緑色の球形で、総苞片は反り返らず、直立して先端は鋭いとげになり、粘液を出して背面はよく粘る[7][5][6]。(wikipedia:ノアザミより引用)
関連記事()▶ 第8話「アザミの花粉放出の巧妙な仕掛け」 


さて、このハナバチの種類(和名)は何でしょうか? 
腹部には黒と茶色の横縞模様。
胸背は黒くてつるつるしています。 
剥げたのか、それとも元々胸背には毛が生えないのか、不明です。 
胸部の辺縁部には白っぽい毛が密生しています。 
オオマルハナバチ♀ほど毛深くありません。 
関連記事(同所同時期の撮影)▶ ノアザミの花で採餌するオオマルハナバチ創設女王 
伸ばした口吻は真っ黒。
後脚だけでなく中脚にも茶色の毛が密生していて、花粉籠が複数あるように見える。

この件でPerplexity AIに相談してみたところ、画像認識もやった挙句にコハナバチ科の一種ではないか?と言われました。 
現在のAI技術は、質問に虫の写真を添付しても、分類学者が作った検索表に従って細部の特徴を検討して種を同定してくれる訳ではありません。 
ただ画像検索で似た写真をインターネット上で探しているだけなので、注意が必要です。 
AIが学習できるほど充分な数の写真データがインターネット上に蓄積されていれば(メジャーな種なら)、その方法(画像認識)でも上手く行くのですが、コハナバチ?のようなマイナーな種類の虫だとあまりあてになりません。 
あいにく私はコハナバチについて疎いので、今回の回答がAI特有のハルシネーション(自信満々の知ったかぶり)かどうかも判断できません。 
ハナバチに詳しい人にぜひ判定してもらいたいところです。
コハナバチ科の中には、ヒトの汗を好んで舐める蜂がいるらしいのですが、今回の個体は私の汗ばんだ手を舐めに来ませんでした。


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2025/07/03

ノアザミの花で採餌するオオマルハナバチ創設女王

 

2024年6月上旬・午後16:05頃・晴れ 

水田の農道に沿って咲いたノアザミの群落で オオマルハナバチ♀(Bombus hypocrita)が訪花していました。 
後脚の花粉籠はまだ空荷でしたが、口吻を伸ばして吸蜜して回る蜂の顔に白い花粉が大量に付着しています。 

襟元(胸部前縁)にオオマルハナバチ特有の白帯があるかどうか、ノアザミの白い花粉で汚れているために分かりにくくなっています。 
しかし腹部T2に太い白帯が目立つので、クロマルハナバチではなくオオマルハナバチだろうと判断しました。  
オオマルハナバチとノアザミの組み合わせは初見です。 
この時期は未だぎりぎりワーカー♀が羽化していないはずですし、かなり大型の個体ですから、越冬後の創設女王♀なのでしょう。 

 大まかな傾向として、クロマルハナバチは平地性でオオマルハナバチは山地性と棲み分けています。 
撮影地は平地なのに、オオマルハナバチの創設女王が活動していたのでちょっと意外でした。 
この女王蜂は平地で営巣しているのでしょうか?
花から飛び去った蜂を見失ってしまい、巣の位置を突き止められませんでした。


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2025/07/01

営巣適地を探して里山の笹薮を飛び回り、休んで化粧するオオスズメバチ創設女王

 

2024年6月上旬・午後12:25頃・くもり 

里山の林道を登っていると、ヴーン♪という重低音の羽音が響きました。 
この羽音はもしや…と辺りを探すと案の定、オオスズメバチ♀(Vespa mandarinia japonica)が低空でゆっくり飛び回っています。 
この時期はまだワーカー♀が羽化しておらず、越冬後の創設女王が安全な営巣適地を探索しているようです。 

関連記事(同じ山系で1ヶ月前の撮影)▶ 営巣適地を探して春の山林を飛び回るオオスズメバチ創設女王 


山道の横に自生する笹薮にオオスズメバチが飛び込んだので私が回り込むと、地面の枯葉の下に潜り込もうとしていました。 
オオスズメバチの女王は、野ネズミの古巣を利用して、自分の巣穴を作るのだそうです。 
しかし、この個体は地中には潜り込まず、枯葉の上で触角を前脚で拭っています。 
蜂の胸部小楯板に橙色の斑紋がしっかり見えたので、オオスズメバチで間違いありません。 
化粧の後は再び離陸して低空で飛び回り、笹薮の中を物色しているようです。 

実は数年前も現場近くの笹薮で、オオスズメバチのコロニーが営巣していました。 
当地のオオスズメバチは笹薮の中に好んで巣穴を掘るのかもしれません。 



登山客が山道を外れて山菜を勝手に採らないようにロープが張られているので、オオスズメバチの女王様を追いかけることができず、見失いました。 


※ 蜂の重低音の羽音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

2025/06/27

初期巣で抱卵するコガタスズメバチの創設女王と謎のエントツドロバチ♀

 

2024年5月下旬・午前11:15頃 

某山寺の境内に木造の小さな祠があり、その軒下で毎年のようにコガタスズメバチが営巣しています。 
今季も様子を見に来たら、コガタスズメバチVespa analis insularis)の初期巣が作りかけで見つかりました。 
まだ巣盤は小さくて1層しか作られていません。
六角形の育房は6室?で、そのうち2室の中には白い卵が産み付けられていました。 
巣盤を丸く覆う外皮も天井から作り始めたばかりで、巣盤は剥き出しの状態です。 

昼間でも薄暗い軒下で、創設女王が初期巣の天井部に乗って抱卵していました。 
腹式呼吸の激しい収縮運動が見えます。 
巣盤を吊り下げる巣柄に体を巻き付けながら(カーリング)巣盤の上に乗って、自分の体温を卵に伝えて温めているのです。 
昆虫は一般に変温動物と思われがちですが、抱卵する女王蜂は胸部の飛翔筋を活発に収縮させて(羽そのものは動かさず)発熱しているそうです。 
抱卵中の創設女王をサーモグラフィカメラで撮り、本当に発熱しているのかどうか確かめてみたいものです。
鳥は卵殻が丈夫なので、孵化するまで母親♀が卵の上に座って温めることが可能です(抱卵)。
一方スズメバチの卵や幼虫は柔らかいので、潰れないように、育房の薄い巣材を通して女王蜂♀が体温を伝えて温める点が鳥の抱卵や抱雛とは異なります。

関連記事(14年前の撮影)▶ ホオナガスズメバチ女王の抱卵


余談ですが、コガタスズメバチ初期巣の少し右奥の天井裏の板にヤマトゴキブリPeriplaneta japonica)の卵鞘が付着しているのが写真に写っていました。
撮影中は気づかず、ピンぼけでよく見えませんが、形状がそっくりです。 



右奥の天井裏に、ヤマトゴキブリの卵鞘が産み付けられている?



祠の梁の下面には、過去にコガタスズメバチが営巣と駆除を繰り返した古巣の跡が多数残っています。(写真なし)






同じ祠の反対側の軒下で、さらに興味深い発見がありました。 
そこにもコガタスズメバチの初期巣が作りかけられていて、同様に抱卵(カーリング)している蜂がいたのですが、どうも普通のコガタスズメバチではありません。 
日陰の軒下はあまりにも暗いので動画には撮れず、ストロボを焚いて写真に撮ってみました。
真っ黒な蜂で、腹部にオレンジ色の横縞が1本だけあります。
まるでエントツドロバチ♀(別名オオカバフスジドロバチ;Orancistrocerus drewseni)のようです。
エントツドロバチは幼虫や前蛹で越冬し、春になると成虫が羽化してきます。
5月下旬にエントツドロバチ♀が活動していても、おかしくありません。

しかし、エントツドロバチは名前の通り泥を巣材として煙突状の泥巣を作り上げますから、コガタスズメバチがパルプで作った初期巣を乗っ取る理由がありません。
たまたま軒下に侵入して、隠れ家として過ごしているだけかもしれません。
エントツドロバチだとしたら、初期巣の主であるコガタスズメバチ創設女王と喧嘩にならないのが不思議です。
謎の黒い蜂に少し動いてもらって、全身像をしっかり撮りたかったのですが、脚立がないと手が届かない高所に初期巣が架けられていました。 

コガタスズメバチが作る育房の平均的なサイズは、直径が約5~7mmです。
写真で育房と比べると、謎の黒い蜂の体長は育房4~5個分以上に見積もられ、25mm前後と推定されます。
エントツドロバチ♀の体長は約16~19.5mmであり、コガタスズメバチ創設女王(25~28mm)より明らかに小さいです。

コガタスズメバチの創設女王で、このような黒化変異の個体は知られていないそうです。
しかし同属のヒメスズメバチVespa ducalis pulchra)は、体色の個体変異が大きいらしく、

腹部の斑紋には個体変異があって、黒化の程度が強いものから、綺麗な黄色と赤と黒のしましま模様の個体まで変異します。

黒化の程度が強い個体では、肩の部分(前胸背板と中胸背板前部)と胸部後半部がほぼ黒色で、腹部末端3節も全て黒色です。腹部前半部の黒帯も拡大し、腹部全体で黄色の筋が3本+腹部前半に若干の赤褐色部となります。
参考サイト:スズメバチ事典:ヒメスズメバチ より引用

今回は蜂の側面しか写真が撮れなかったのですが、もしかするとヒメスズメバチ創設女王の黒化変異かもしれません。
ヒメスズメバチの可能性を検討してみましょう。
ヒメスズメバチの創設女王が、木造家屋の軒下など開放空間に初期巣を吊り下げることは極めて稀で、ほとんどは土中や閉鎖空間に営巣します。
また、ヒメスズメバチの営巣開始時期は5月下旬~6月で、他のスズメバチより遅いです。
写真に写った謎の黒い蜂(推定された体長〜25mm)は、ヒメスズメバチ創設女王(平均的な体長は30~35mm)にしては小さすぎます。

以上から、エントツドロバチやヒメスズメバチの可能性は除外され、おそらくコガタスズメバチ創設女王の黒化変異というきわめて珍しい事例だろうと思われます。
定点観察に通いたかったのですが、残念ながらその後に初期巣が駆除されてしまい、謎は未解明のまま残りました。
(※ 追記参照)

謎の黒い蜂の正体について、いつものようにPerplexityとブレインストーミングしました。


※【追記】
17日後の6月上旬に現場の祠を再訪すると、初期巣の2つとも外皮が完成していました。
コガタスズメバチの初期巣に特有の細長い円筒状の巣口が下向きに伸びていました。
蜂の出入りを観察する時間がなかったので、初期巣の写真だけ撮って帰りました。

その後も定点観察したかったのですが、誰かが巣を駆除してしまいました。

コガタスズメバチ初期巣a@祠軒下

コガタスズメバチ初期巣b@祠軒下

ここで重要なポイントは、17日前に謎のエントツドロバチ?が抱卵していた初期巣bも作ったのはコガタスズメバチと判明したことです。
つまり、ヒメスズメバチ黒化変異の創設女王である可能性は否定できました。
ヒメスズメバチの初期巣は、解放空間に吊り下げるレアケースでも、このような逆向きのフラスコ状(徳利状)にはなりません。
やはり、コガタスズメバチ創設女王の黒化変異が作ったようです。




【アフィリエイト】 
・『スズメバチ類の比較行動学』 カーリング行動@p44 
・『スズメバチはなぜ刺すか』 北海道大学図書刊行会 p192 




2025/06/26

ナワシロイチゴの花蜜を吸うコマルハナバチの雄蜂♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年6月上旬・午前11:20頃・晴れ 

山麓の道端に咲いたナワシロイチゴコマルハナバチBombus ardens)の雄蜂♂がせわしなく訪花していました。 
口吻を伸ばして吸蜜しています。
この組み合わせは初見です。 

私のフィールドでこの時期に見かけるきれいな黄色(レモン色)のマルハナバチは、コマルハナバチ♂と決まっています。 
腹部は明るい黄色と黒の横縞模様ですが、腹端(特に腹面)の体毛だけ茶褐色です。 
コマルハナバチ(Bombus ardens)は、日本産マルハナバチの中で最も早く雄蜂♂が羽化する種類です。 

この個体は雄蜂♂なので、花粉を集めることはありませんし、後脚に花粉籠はありません。 
雄蜂♂に毒針はありませんから、怖がる必要はありません。 
複数個体を撮影しました。 

ナワシロイチゴの花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:45〜)

2025/06/24

カシワ幼木の葉裏を調べるヒメスズメバチの創設女王

 

2024年6月上旬・午後12:25頃・くもり 

里山の細い林道を登っていると、法面に自生するカシワ幼木に大型のヒメスズメバチ♀(Vespa ducalis pulchra)が来ていました。 
この時期はまだワーカー♀ではなく、越冬明けの創設女王です。
 
カシワ幼木の若葉の裏にしがみついて、何か物色しているようです。 
ヒメスズメバチはアシナガバチを専門に狩ることで有名ですが、カシワの葉裏にアシナガバチの巣はありませんでした。 
名前が似ているアカメガシワ(トウダイグサ科)には花外蜜腺がありますけど、カシワ(ブナ科)の木にはありません。 
おそらくカシワの樹液が微量ながらも滲み出ていて、それを舐めにヒメスズメバチ創設女王が来たのではないかと推測しました。 

やがてヒメスズメバチ創設女王は、カシワの赤みを帯びた葉表によじ登ると、ヴーン♪と重低音の羽音を立ててどこかに飛び去りました。 

ちなみに、カシワ幼木の葉が赤みを帯びているのは、展葉直後の若葉に見られる自然な現象です。 
春の強烈な紫外線から葉を守るため、アントシアニンなどの赤い色素が若葉には多く含まれています。 


※ 蜂の羽音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

2025/06/21

コガタスズメバチ創設女王が軒下で初期巣を作る様子【10倍速映像】

 



2024年5月下旬 

民家の軒下に単独で営巣を始めたコガタスズメバチVespa analis insularis)創設女王♀の活動を微速度撮影してみました。 
トレイルカメラとかタイムラプス専用のカメラもあるのですけど、今回の初期巣はかなり高所に架けられているため、巣の近くに監視カメラを設置することが出来ません。 
仕方がないので、軒下(初期巣の真下)に三脚を据えて、真上を向けて初期巣に望遠レンズでズームインし、10倍速で微速度撮影しました。 
毎回カメラのバッテリーを使い切るまで長撮りします。 
斜め下から初期巣を見上げるアングルを確保できれば、巣口が細長く下向きに形成される様子を記録できたのですが、残念ながら現場周辺の立地的な事情があって、どうしても真下からしか撮影できませんでした。 
おまけに3日間しか撮影できていません。 
色々と中途半端ですけど、創設女王の行動レパートリーを一通り記録することが出来ました。 

動画の撮影開始時刻を元にして、時刻を秒単位で画面内に表示するように編集で工夫しました。 
撮れた動画のほとんどの時間は何も起こらず退屈なので、編集でカットします。 


シーン1:5/26・午前11:19〜午後12:45(@0:00〜1:56) 
巣内で創設女王が何をしているのか、暗くてよく見えませんが、育房内を点検して回っているようです。 
幼虫が卵から孵化しているのかどうか、映像からは分かりませんでした。 
巣内に篭もった女王が巣盤の裏側(上側)に隠れてしまうことがあります。 
巣盤の天井部で巣柄を抱くように体をカールさせ、育房内の卵を自分の体温で温めることで、孵化を早めるのだそうです。(抱卵行動) 
別の場所で撮ったコガタスズメバチの抱卵行動を観察できたので、映像を公開する予定です。 

ときどき女王は巣から飛び去り、おそらく花蜜を吸うなどして食事をしてくるのでしょう。 
巣材として木の樹皮を噛みほぐしたパルプを集めてくることもあります。 
巣材の団子を持ち帰った創設女王は、作りかけの外皮の縁に巣材を薄く伸ばしながら追加していきます。 

コガタスズメバチの創設女王は1層の巣盤を作って育房内に産卵すると、巣盤を覆うように球状の外皮を上から作ります。 
次に、外皮の下側にある出入り口(巣口)を細長く下向きに伸ばしていきます。 
初期巣が逆さまの徳利みたいな形になるのが、コガタスズメバチの特徴です。 


シーン2:5/27・午前11:04〜午後12:35(@1:57〜3:50) 
前日よりも外皮底の開口部が小さくなっています。 
その結果、女王の巣内活動を観察できなくなりました。
創設女王は、帰巣→外皮増設→出巣のルーチンを何度も繰り返しています。 
煙突状の巣口を下向きに細長く伸ばしているようです。 


シーン3:5/29・午前11:05〜午後12:18(@3:51〜4:03) 
この日は帰巣→出巣を1回ずつしか録画できていませんでした。 
どうやら造巣行動をやらなくなったようです。 
この日で撮影を打ち切りました。 


巣作りが一段落した後、創設女王は幼虫にせっせと給餌して育てるはずです。 
やがてワーカー♀が無事に羽化すると、細長い煙突状の巣口を取り壊します。 
その様子も微速度撮影で記録したかったのですが、どうしても定点カメラを長期間設置する場所を確保できず、諦めました。 


2025/06/18

軒下の初期巣から飛び去るコガタスズメバチの創設女王

 

2024年5月下旬・午後15:00頃

民家の軒下にコガタスズメバチVespa analis insularis)の初期巣を見つけました。 
毎年チェックしていたのですが、11年ぶりに営巣してくれました。
この日、女王蜂は不在でした。 

関連記事(まとめ)▶ 軒下に営巣したコガタスズメバチの定点観察(2013年)
ストロボなし
ストロボあり。六角形の育房内に白い卵?幼虫?
11年前に営巣した古巣の残骸の隣に営巣開始。

  
2024年5月下旬・午後15:50頃

3日後に定点観察しに来ると、軒下の初期巣は順調に大きくなり、外皮の開口部が塞がりつつあります。 
創設女王が巣の外皮を下向きに増設しているようでしたが、ストロボ写真を優先したら、動画をほとんど撮れずに女王が飛び去ってしまいました。 
女王様の飛び立ちを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

北向きなので、夕方になるとかなり薄暗い映像になってしまいます。 
高所に作られた巣なので、地上から見上げてカメラの内蔵ストロボを焚いても、フラッシュ光があまり届きません。 

コガタスズメバチ創設女王が巣作りをする様子を微速度撮影できないか、方法を考えます。 


2025/06/15

バラ(アンジェラ)の花粉を集めるスミゾメハキリバチ♀

 

2024年5月下旬・午後14:05頃・晴れ 

民家の玄関先に植栽されたピンクの薔薇の花に真っ黒なムナカタハキリバチ(別名スミゾメハキリバチ)♀(Megachile willughbiella sumizome)が訪花していました。 

私は園芸植物にまるで疎いので、このバラを画像認識で調べてもらうと、おそらくアンジェラという半八重の品種だろうと教えてもらいました。 

スミゾメハキリバチ♀は小型の個体という印象です。 
吸蜜ではなく、集粉に専念しているようです。 
バラの花でときどき回転集粉を行いましたが、振動集粉の音は聞こえませんでした。 
腹面のスコパは茶色(赤褐色)の毛が密生しています。 
バラの花粉は黄色のはずですが、スコパに付着しているようには見えません。 
雄しべの葯を見ても、花粉が枯渇していて少なそうです。 
そもそも八重咲きの花は雄しべが花弁にホメオティック変異した品種なので、半八重では通常よりも雄しべの数が少なくなっています。 

スミゾメハキリバチ♀は羽音を立てて次のバラの花へ飛んで移動します。 
訪花中になぜか蜂が腹部を海老反りにすることがありました。 
腹面のスコパが雄しべに触れなくなるので、集粉するには逆効果のはずです。 
近くで撮影している私に対して威嚇・警戒しているのかな?  

※ 蜂の羽音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。


バラハキリバチのように、スミゾメハキリバチも巣材としてバラの葉を切り抜くことがあるのでしょうか? 
動画を見直しても、ハキリバチに葉を丸くくり抜かれた跡は写っていません。 



Perplexity AIに質問しても、スミゾメハキリバチが利用する巣材の植物について報告がないらしい。 
ただし、スミゾメハキリバチの原亜種であるムナカタハキリバチ(Megachile willughbiella)だとヨーロッパでよく調べられていて、バラの葉を切り抜いて巣材にすることがあるそうです。 
(バラの葉だけを巣材にするのではなく、植物種をあまり選り好みしないらしい。)

ちなみに最近、ムナカタハキリバチの全ゲノムが解読されたそうです。
CROWLEY, Liam M., et al. The genome sequence of Willughby’s leafcutter bee, Megachile willughbiella (Kirby, 1802). Wellcome Open Research, 2024, 9: 164.
次にスミゾメハキリバチのゲノムも解読して比較すれば、亜種の違い(黒化した体色)がどのように進化したのか突き止められそうですね。 




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