2025/12/22
民家の軒下で見つけたキイロスズメバチの営巣跡
アリの好き嫌い:ヒミズの死骸を避けコオロギの死骸に群がるアリの謎
一般的な行動としては、コオロギがネズミやモグラなどの死骸を積極的に食べに来ることは稀と考えた方が妥当です。
コオロギの基本的な食性
多くのコオロギ類は雑食~腐食性ですが、主体は以下のような餌です。
枯葉・朽木・落ちた草本などの植物質
他の昆虫の死骸や、脱皮殻、糞など動物性だが「小片」の有機物
この「動物質」には、すでに砕けている虫の死骸などは含まれますが、ネズミやモグラのような「毛の生えた脊椎動物の死骸を積極的に齧る」行動は、少なくとも典型例ではありません。
小型脊椎動物の死骸とコオロギ
とはいえ、条件によっては次のようなことはあり得ます。
死骸の表面にうっすら付いた体液・軟部組織を舐める・ついばむ程度の利用
すでにアリやハエが分解を進め、筋肉が露出し柔らかくなっている部分をつまむ
ただし、こうした行動は「死骸にコオロギが群がる」というレベルには通常ならず、アリ・ハエ・ダニなど専業スカベンジャーの周辺に便乗的に現れる程度と思っておくのが安全です。
ヒミズやモグラの場合に特に起こりにくい理由
質問の文脈に沿うと、ヒミズやモグラなど食虫性哺乳類の死骸は、
強い体臭・分泌物のために、哺乳類・鳥類のスカベンジャーですら敬遠されやすい
昆虫側にも嗜好性が低い可能性が高く、昆虫スカベンジャーの「人気死骸」ではない
そのため、「コオロギがわざわざ食べに来る」状況は、ネズミや鳥の死骸に比べてもさらに起こりにくいと考えられます。
実務的なまとめ
コオロギは雑食で、小さな動物片(昆虫の死骸など)は普通に食べる。
しかし、ネズミ・モグラのような小型哺乳類の死骸に群がるほど積極的なスカベンジャーではない。
特にヒミズ・モグラの死骸については、嗅覚的な要因から「コオロギが好んで利用する餌」とは考えにくい。
したがって、「理論的にはごく一部を齧ることはあり得るが、現場で観察されるような行動としてはかなり例外的」というイメージが近いと思われます。
アリがヒミズの死骸を明らかに避けてコオロギの死骸に群がっていたことについて、Perplexity AIの見解は、
ヒミズ(ミズラモグラ)の死骸にスカベンジャーが付きにくいという印象は、必ずしも気のせいとは言い切れませんが、「忌避物質がある」とまでは現時点では証明されていません。hp-ez
ヒミズに既知の「毒」「忌避物質」はあるか
ヒミズ(Urotrichus talpoides)はモグラ科で、日本の土壌性小型哺乳類としてよく研究されていますが、生体・死体の皮膚分泌物に関して「捕食者やスカベンジャーを明確に忌避させる毒物質」を示した報告は見当たりません。wildlife+1
一方で、モグラ類は肉食性・高代謝で体臭が強く、体表や肛門周辺分泌物の匂いがきついことが指摘されており、これが少なくとも鳥類などの一部捕食者には不人気な餌になっている可能性があります(ただし定量的な哺乳類・鳥類の選好実験はほぼありません)。hp-ezなぜスカベンジャーが付きにくく見えるか
ヒミズの死骸は多くが地表近くの土中トンネルや草かぶりの場所で見つかり、開けた場所の死骸に比べて「ハエなどが群がる典型的な死体」の見た目になりにくいと考えられます。hp-ez
また、細長く小型(体重十数グラム規模)の死骸は、アリ・ハエ幼虫・ダニなどの小型スカベンジャーが内部から分解してしまい、外見上「虫が群がっている」状態にならずに短時間で崩れていくこともあり得ます(小型脊椎動物の死骸分解では一般的なパターン)。vlizカラスなど鳥が食べない理由の可能性
カラス類は雑食ですが、餌としての「経験と学習」による選び方が強く、普段ほとんど遭遇しないタイプの獣の死骸は匂いや質感で回避されやすいことが知られています。jstage.jst
モグラ類は主に地下で生活し、カラスが日常的に捕食・スカベンジング対象としている哺乳類(ネズミ類、ロードキルのタヌキ・キツネなど)と比べて遭遇頻度が低いため、「見慣れない臭くて細い獣」というカテゴリとして学習的に避けられていても不思議はありません。hp-ez「化学防御動物」との比較から言えること
両生類や昆虫、ダンゴムシなどでは、皮膚・体表分泌物に明確な防御成分をもち、捕食者が実験的に強く忌避する例が多数知られています(カメムシ臭成分や有毒カエルの皮膚毒、ダンゴムシのキノリン誘導体など)。pmc.ncbi.nlm.nih+1
しかし、モグラ科やヒミズについてはそういった「化学防御物質」を同定した研究はほとんどなく、現時点では「明確な毒・忌避物質があるから誰も食べない」とまでは言えない段階です。wildlife+1まとめとしての解釈
ヒミズに両生類や一部昆虫のような明確な毒分泌物が存在するという証拠はない。少なくとも日本語・英語の公開文献では報告されていない。wildlife+1
ただし、モグラ類特有の強い体臭や脂肪酸・分泌物が、鳥や哺乳類の一部には嗜好性の低い餌として働いている可能性はあり、ユーザーの「誰も食べない」という印象と矛盾はしない。これは、学習と嗜好の組み合わせで説明できる範囲にある。jstage.jst+1
小型で地下性の哺乳類の死骸は、目立つ「ハエ塊」にはなりにくく、アリや微小スカベンジャーに内部から処理されることで、外見上「虫が集まっていない」ように見えるケースも多いと考えられる。vliz
したがって、「完全な気のせい」と切り捨てるよりは、「ヒミズ特有の匂い・生活場所・サイズの組み合わせが、スカベンジャーの見え方と選好を変えているが、毒・忌避物質として化学的に証明されたものはまだない」というのが現状の知見に近いと言えると思われます。wildlife+1
Q: ヒミズに特有の匂いとやらを私はまだ感じた記憶がありません。
A: ヒミズやモグラの死骸が人間の嗅覚で無臭に感じられるのは一般的で、激しく腐乱する前の段階では強い腐敗臭が発生しにくい特性があります。omnh+1
モグラ類の体臭と人間の感覚差
モグラ科動物(ヒミズを含む)は皮膚腺や肛門腺から分泌される物質により独特の臭いを持ち、これが生体では捕食者(キツネなど)に敬遠される要因とされていますが、人間には微弱または無臭として検知されにくい場合が多いです。hiroshima-bot+1
この臭いは主に脂肪酸やタンパク質由来の揮発性化合物で、動物の嗅覚では強い忌避効果を発揮する一方、人間の鼻では土臭や無臭に近いニュアンスとして感じられることが観察されています。hp-ez+1スカベンジャーへの影響
死骸段階でもこの分泌物が残存し、キツネやカラスなどのスカベンジャーが食べずに放置するパターンが報告されており、ネズミ類の死骸が速やかに消費されるのに対し、モグラ・ヒミズ死骸は残存しやすいです。naturelog.main+2
小型で地下由来の死骸は腐敗初期にハエなどが付きにくく、内部から微小分解が進むため、外見上無臭・無虫に見えやすい構造的要因も加わります。omnhユーザーの野外観察経験(山形近辺のトレイルカメラ使用)と一致する形で、モグラ類の死骸は人間目線で「無臭・スカベンジャー不人気」として残りやすいですが、これは化学防御的な分泌物の影響が主で、気のせいではありません。omnh
(ヒミズは)体に独特のニオイがあるからか、捕食者にハンティングされても食べられないで放置されることが多いようだ。(p97より引用)と書いてあります。
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写真を拝見しました。これは 鳥による食痕(ほぼ確実にヒヨドリ類、あるいはムクドリ/ツグミ類) と判断できます。
ニホンザルの可能性は非常に低い形状です。以下、写真から読み取れるポイントを整理します。
◆ 判定:鳥(ヒヨドリなど)でほぼ確定
理由は以下の特徴が一致するためです。
1. 食痕が“深くえぐられている”
サルは面を削るようにガリガリ食べるため、
・平らな削り面
・幅のある齧り跡
が残ることが多いです。しかし、写真の果実は
縦方向に深く掘り込まれた不規則なくぼみ
中心が空洞化している(鳥の定番パターン)
完全に鳥の典型的パターンです。
2. 穴の縁がギザギザで、“つつき跡”の集合になっている
写真をよく見ると、
外縁が“歯型”ではなく、複数の小さな尖った跡が連続しています。これは
細いクチバシで小孔を連続してあけ、そこから掘り進めた結果
で、鳥以外にはまず見られません。
3. 入口が比較的小さい(サルならもっと大きく破る)
ニホンザルがリンゴを齧ると、
開口部はもっと広い
一度に広く削るため、ここまで“局所的に深い穴”にならない
写真のような
小さめの開口 → 奥がえぐれて拡大
という形は鳥の習性と一致します。
4. サルなら芯や種の付近も噛むが、これは果肉中心部のみを掘っている
鳥は「柔らかく湿った果肉」を好んで食べ、
芯や種はあまり触りません。写真では
皮のすぐ裏よりも内部の果肉だけ深く掘られている
まさに鳥の食べ方です。
5. 時期的にもヒヨドリがリンゴを突き始める季節
9月上旬は果樹園周辺に
ヒヨドリ
ムクドリ
シロハラ・ツグミ類の初期個体(年により)
がリンゴ落果をよく突きます。
未熟で酸味が強くても、果汁さえあれば普通に食べます。
◆ 結論
最初にこのリンゴを食べたのは、鳥(ほぼヒヨドリ)と断定できます。
ニホンザルの痕跡ではありません。
カラス(ハシボソガラス・ハシブトガラス)の可能性も検討する必要がありますが、
**この食痕はカラスでは“ない可能性が高い”**と言えます。
理由は、写真の食べ方の形状がカラスの典型的な食痕と一致しないためです。以下に、写真を根拠とした「カラスではない理由」を整理します。
◆ カラスでないと判断できる主な根拠
1. カラスは皮を大きく破り、開口部を広くする傾向が強い
カラスがリンゴを食べるときは、
まず皮を大きく裂く
開口部がかなり広い(直径5~6cm以上になることも)
一度につつく力が強い
外側から大胆に削り取る
写真のような
**開口部が比較的小さく、しかも“深く掘り下がる”**形はカラスには珍しい。ヒヨドリ・ムクドリは
「小さな穴 → 内部へ深く掘り込む」
という食べ方をするため、この形状と一致します。
2. カラスの食痕は“丸く大きくえぐれた浅い穴”になりやすい
カラスは、硬い果実でも
“ガバッ”と皮ごと食い破る
大きな浅い凹みをつける
そのため、開口部の形は
楕円で広く、浅く広がった削り跡になるのが一般的です。一方、写真の食痕は
奥行きが深い
外側より内側が広がる
穴の縁が細かくギザギザ
これはカラスより小型鳥類(ヒヨドリ・ムクドリ)の典型的な痕跡です。
3. カラスは“芯”までバキッと食べることが多い
カラスは雑食で咥内操作も得意なので、
果実の芯
種
隔壁部分
も大胆に破壊します。
しかし写真では、
芯付近があまり崩されていない
果肉の柔らかい部分だけを掘っている
これはヒヨドリに非常によく見られる食べ方です。
4. 穴の縁の“細かいギザギザ”はカラスの嘴跡ではない
カラスの嘴は太く、跡は以下のようになります:
直線的で太い刻み
くちばし先端の「二股形」跡は残るが精細ではない
不規則なギザギザがこんなに細かく連続することはない
しかし写真の縁は、
小さな尖り跡の集合
→ 小~中型鳥(ヒヨドリ・ムクドリ)の嘴形状と一致。
5. 掘り進められた内部の果肉の“柱状の残り方”が小鳥型
内部の果肉に残っている“柱状の突起”は、
小さい嘴で少しずつ削ったときの典型的残り方
カラスのような大きな嘴ではもっと滑らかに破壊される
つまり、内部構造が小鳥の削り方に一致しています。
◆ 結論
写真の痕跡から判断すると、
**カラスが最初に食べた可能性は低く、
ヒヨドリ・ムクドリ・ツグミ類など中型の果実食鳥が最有力**
と推理できます。
話が本題から外れますが、「リンゴは被食型の種子散布か?」とChatGPTに確認したところ、「リンゴの祖先種であっても動物散布型とは言い切れない」という意外な回答が返ってきました。
最新のChatGPTで深い推論をすると、そういう(我々の素朴な直感に反した)結論になるのかもしれません。
AI特有のもっともらしい嘘(ハルシネーション)かどうか私には判断できないのですが、別のAI(GeminiとPerplexity)では被食型の種子散布という回答でした。
何が言いたいかと言うと、AIの回答を鵜呑みにしてはいけません。
もちろん、複数のAIの多数決で決めるというのも、それだけでは信用できません。
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巣材の泥玉を作る砂利道で争うスズバチ♀の謎
砂利道でスズバチ2匹の雌が巣材(泥団子)をめぐって小競り合いしていた場合、次のような可能性が考えられます。
巣材の資源防衛・強奪行動の可能性
ドロバチ類は泥団子などの巣材を使って巣を作りますが、巣材自体が「限定資源」となる場面は局所的・一時的にだけ見られることもあります。sharing-tech
しかし、広く泥や水分が得られる状況では、巣材資源の強い占有や防衛行動は通常あまり観察されません。hachi-kujyo+1
一方、個体によっては巣材を失敬(横取り)する、あるいはすでに作った泥団子を持ち去るといった行動が、極めて稀に観察されることもあり得ますが、これが定常的な「労働寄生」として成立しているという生態学的な報告はドロバチ類・スズバチではみられません。sharing-tech+1
小競り合いの直接的な要因
2個体が泥団子製作・運搬中に至近距離で遭遇した場合、お互いのスペース確保や接触回避、あるいは巣材・巣作りの作業場の「一時的な所有権主張」として小競り合いが発生することがあります。hachi-kujyo+1
これは「資源防衛」とまではいかず、むしろ偶発的・局所的な接触による攻撃・排除行動であり、自然界では他の単独性ハチ類にも時折見られます。sharing-tech
巣材強奪=労働寄生?
スズバチの成巣や巣材調達の過程で、他個体の産み出した泥団子を本格的に奪って利用する、またはそれが系統的な「種内労働寄生」として認められる現象は、専門文献でも報告されていません。hachi-kujyo+1
観察された争いも、資源強奪型の労働寄生ではなく、たまたま同時に同じ場所で巣材を扱っていた際の短期的な競合や排除行動とみなされます。sharing-tech+1
したがって、「巣材の資源が豊富なのに小競り合いが発生した」のは、局所的な行動圏の重複や一時的なスペース争いが主要因であり、スズバチ種内で「泥団子の労働寄生が生態学的に確立している」という証拠は現在のところありません。稀に一過性の泥団子の強奪が起きることも考えられますが、これはあくまで例外的な偶発行動といえます。hachi-kujyo+1
※【追記】
スズバチの生息環境には巣材の土が無尽蔵にあるという私の認識がそもそも間違っているのかもしれません。
スズバチ♀が作り始めた泥巣から遠くない所で、巣材に適した土が得られる採土地点は意外に限られている可能性があります。
だとすれば、採土場で他の個体が貴重な巣材資源を集めていたら気が気ではなくて、できれば追い払いたくなるのも納得です。