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2025/08/25

スギ樹上で3羽のアオバト♂を見つけた!(野鳥)

 

2025年8月中旬・午後12:00頃・晴れ 

今季は野山で聞こえる謎の鳴き声の正体がアオバト♂(Treron sieboldii)の囀りさえずりだとようやく突き止めました。(鳴き声だけ撮った映像を公開予定) 
鳴き声はすれども、アオバトの姿をなかなか見ることができません。

私が山麓の道を静かに歩いていたら、数羽の鳩が飛び立ち、麓に広がるスギ防風林に逃げ込みました。 
おそらく地上で採食していたのでしょう。 
シルエットで鳩だと分かったのですが、キジバトよりもカラフルだったので、もしやと思ってカメラでズームインしてみると、憧れのアオバト♂(Treron sieboldii)でした。 

スギ高木の同じ横枝に並んでいる2羽を見つけて撮り始めたのですが、実は少なくとももう1羽近くにいる姿が動画の最初と最後に写っていました。 
翼に赤紫色の羽根があることから、3羽ともすべて♂の群れでした。 
キジバトと違ってアオバト♂は羽根がカラフルなので、常緑のスギの枝葉に紛れる保護色ではありません。 

樹上のアオバト♂は横目で私の方を油断なく見下ろしています。 
長撮りしてもアオバト♂は鳴いたり羽繕いしたりしてくれず、とにかく私に警戒してフリーズしているだけです。 
里の農地からパーンと破裂音(害獣対策の空砲)がしても、アオバトは無反応でした。 (@1:07〜)
周囲ではアブラゼミ♂やミンミンゼミ♂がやかましく鳴き続けています。 

このとき下山直後の私は重いザックを背負ったまま撮影していたので、アオバトを見上げ続ける体勢で腰が痛くなり、耐え切れなくなりました。 
私がカメラを下ろしたら、アオバトの群れは警戒を解いてパタパタと飛び去ってしまいました。(映像なし) 
生態動画としてはあまり面白くありませんが、それでも美しいアオバトを実際に観察できたのは生まれて初めてで、心躍りました。 


【アフィリエイト】 

2025/08/23

深夜の水場に来たフクロウ:6月下旬【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月下旬 

シーン0:6/24・午後13:17・くもり(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林に少し開けた湿地帯があり、湧き水が滲み出した浅い水溜りを野生動物や野鳥が水場として利用するので、自動撮影カメラ(旧機種)を設置しています。 

ある一晩に登場したフクロウStrix uralensis)の様子を以下にまとめました。 


シーン1:6/26・午前3:02(@0:04〜) 
画面左端の水溜まりに来たフクロウが水浴しているようです。
フクロウは監視カメラに撮られることを嫌って、死角に隠れているのでしょうか? 
他には、コウモリが繰り返し飛来しています。 


シーン2:6/26・午前3:23(@0:45〜) 
いつの間にか水溜りの対岸に上陸していたフクロウの後ろ姿が写っています。 
振り返って周囲を警戒してから、音もなく羽ばたいて右上奥へ飛び去りました。 


シーン3:6/26・午前3:32(@0:56〜) 
手前の浅い水溜まりにフクロウが足を浸していました。 
左此岸にピョンと上陸すると、左奥の水面をじっと見つめています。 
水場に来る小動物を待ち伏せして狩ろうとしているのかもしれません。 
諦めたのか、やがて方向転換すると、右上に飛び立ちました。 


つづく→

2025/08/19

休耕地で採食するキジ♂が合間に母衣打ち♪【野鳥:FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年5月下旬・午前10:05頃・晴れ 

休耕地らしき原っぱの端っこでキジ♂(Phasianus versicolor)が歩きながら地面をあちこち啄んで食事をしています。 
原っぱの奥にある雑草の茂みや雑木林にいつでも逃げ込めるように、林縁から離れずに採食しています。 
しかし草丈の高い茂みの中ではなく、もっと開けた見晴らしの良い原っぱで採食するのがキジ本来の好みのようです。 

私の背後の車道をトラックや普通車両が次々と騒々しく走行しても、だいぶ距離が離れているので、キジは気にしません。 

母衣ほろ打ちが撮れるまで、じっくり長撮りしてみました。 
採食の合間にときどき立ち止まってやや背伸びをしても、キジ♂はなかなか鳴いてくれません。 
全身の羽毛を逆立てて身震いすることもありました。 

ようやく、縄張り宣言の母衣打ち♪を披露してくれました。(@5:44〜) 
1/5倍速のスローモーションでリプレイすると(@6:17〜)、ケンケーンと大声で絶叫する前後で素早く3+9回羽ばたいていました。 
この力強い羽ばたきによって、ドドドド…♪という重低音のビートが鳴き声の伴奏になります。 
母衣打ちの際に瞬膜が一瞬閉じています。 

胸元の羽毛を嘴で整えてから(羽繕い)、採食を再開。 

繁殖期のキジ♂は定期的に鳴くので、次は240-fpsのハイスピード動画でも母衣ほろ打ちを録画しようと、同一個体を辛抱強く撮り続けました(@6:32〜)。 
やはりこの個体は、3+9回羽ばたいて母衣打ちしていました。


2025/08/15

夜明け前に野鳥のコーラスを聞きながら水溜りの水を飲むフクロウ【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月下旬

シーン0:6/28・午後13:15・くもり・気温29℃(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山林に少し開けた湿地帯があり、湧き水が滲み出した浅い水溜りを野生動物や野鳥が水場として利用するので、自動撮影カメラ(新機種)で見張っています。 

フクロウStrix uralensis)の登場シーンを以下にまとめました。 


シーン1:6/29・午前4:00・気温17℃(@0:04〜)日の出時刻は午前4:16。 
夜明け前に水場に来たフクロウが周囲を警戒してから、歩いて入水しました。 
ときどき頭を下げて泥水を飲んでいるようですが、後ろ姿なのでよく見えません。 

辺りはまだ真っ暗なのに、野鳥の早朝コーラスが始まっています。 
おそらくクロツグミ♂(Turdus cardis)などが、周囲の森で美声を競い合うようにさえずり、縄張り宣言しています。 


シーン2:6/29・午前4:03(@2:04〜) 
水溜まりに入ったまま右を向いていたフクロウが、右上へ飛び去りました。 


シーン3:6/30・午前4:04・気温17℃(@2:14〜)日の出時刻は午前4:17。 
翌日もほぼ同じ時刻(夜明け前)にフクロウが水場に来ていました。 
今回もフクロウは野鳥の早朝コーラスを聞きながら水を少し飲んだだけで、水浴びはしないで右に飛び去りました。 

周囲でヒヨドリHypsipetes amaurotis)がやかましく鳴いています。 


※ 鳥のコーラス♪が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 
フクロウが水場で鳴くことは一度もなく、いつも静かに黙っています。 




【アフィリエイト】 

2025/08/13

山中の水溜りで水浴・採食に来たクロツグミ♀(幼鳥?)の群れ【野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年6月下旬

シーン0:6/24・午後12:41・くもり(@0:00〜) 
シーン0:6/24・午後13:17・くもり(@0:03〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山林の中に少し開けた湿地帯があります。 
湧き水や雨水が溜まった水溜りを野生動物や野鳥が水場として利用しに来るので、2台の自動撮影カメラ(旧機種)で見張っています。 


シーン1:6/27・午後18:30・くもり(@0:03〜)日の入り時刻は午後19:09。 
日没前の薄暗い夕方に、地味な鳥が3羽同時に水場や周辺の湿地に来ていました。 
おそらくクロツグミ♀(Turdus cardis)の群れではないかと思うのですが、動画の色調が狂っているために、いまいち自信がありません。 
薄明薄暮の時間帯に水場に来るのは、クロツグミの特徴です。

2羽がホッピングで次々と浅い水溜りに入ると、それぞれが別の地点で水浴を始めました。 
ときどき泥濘をつついて虫を取ったりもしています。 
その間、奥の湿地帯では別個体が採餌しています。 

やがて4羽目の個体が左から飛来し、泥水溜りの対岸に着陸しました。(@1:09〜) 
水溜りから先客が左に飛び去ると、入れ替わりで入水。 

 巣立ったばかりの幼鳥・若鳥なのかも? 水浴に来ない鳥は別種なのかも? 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 行水の水音が聞き取れるように、音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
クロツグミは羽の色が性的二型で、♂は真っ黒ですが♀は地味な茶色です。
ちょうど繁殖期が終わった頃に、地味な♀タイプが4羽群れになって一緒に水場に来たということは、今季巣立った幼鳥が行動を共にしているのではないかと推測しています。
クロツグミの一腹卵数は約4卵らしいので、ほぼ全ての雛が無事に巣立ったようです。

以前クロツグミの親鳥♀がこの水場で黒いオタマジャクシ(幼生)を次々に狩って巣に持ち帰っていたので、心配していました。
ヒキガエルの幼生にはブフォトキシンという猛毒が含まれているからです。
給餌した雛がブフォトキシン中毒で死んでしまったのではないかと案じていたのですが、4羽も無事に巣立ったのなら安心です。
クロツグミはヒキガエルの毒に対して耐性があるのかもしれません。
それとも、当地のヒキガエル幼生は毒性が弱いのでしょうか。



【参考文献】

カンムリワシはなぜ有毒外来種を捕⾷できるのか
―毒耐性遺伝⼦の進化的背景―(プレスリリースのPDF

TOBE, Alisa, et al. Evolutionary insights into Na+/K+-ATPase-mediated toxin resistance in the Crested Serpent-eagle preying on introduced cane toads in Okinawa, Japan. BMC Ecology and Evolutio, 2025, 25.1: 70. (全文のPDFが無料でダウンロード可能)

つづく→

2025/08/09

ノスリと風速計(野鳥)

 

2024年6月中旬・午前10:35頃・晴れ 

広大な田園地帯で、農道沿いに立つ電柱の天辺にノスリButeo japonicus)が留まっていました。 
ここはノスリをよく見かける、お気に入りの留まり場のひとつです。
青空を背景に、ノスリが周囲の田んぼを鋭い眼光で見回しています。 
水田に潜む小動物の獲物(カエルや野ネズミなど)を探しているのでしょう。 

私がノスリに気づくのが遅れたせいでかなり近距離だったのですが、カメラを向けても珍しくノスリは逃げませんでした。 
おそらく顔馴染みの個体なのでしょう。 
私はノスリの個体識別ができていませんが、ノスリの方は私を人畜無害だと認識しているようです。 

ノスリが電柱から飛び立つまで長撮りするつもりだったのに、カメラの電池が切れてしまいました。 
私が焦ってバッテリーを交換している間に、ノスリは飛び去ってしまいました。 
同じ車道の少し離れた電柱の天辺に留まり直していました。 

さっきまでノスリが留まっていた電柱の隣には、風速を測る小さな風車が設置されていることに気づきました。
黄色いプラスチック製のカップが風でクルクル回っています。 
カップの底には銀色の反射板が貼り付けられています。 
アメダスなどの本格的な気象観測地点という訳ではなく、風速だけを測っています。 
ノスリはさすがに回転する風速計が設置された電柱には止まる気にならなかったようです。 


後日に撮り直した写真




ひょっとしたらノスリは帆翔に必要な上昇気流の強さを知るために、風速計の横に居たのかもしれない、と思いつきました。 
しかし、このタイプの風速計は水平方向の風速しか測れず、風向きも分かりません。 

おそらく水田の農薬散布に使う農業用ドローンや無人ヘリコプターを飛ばすために、風速計を設置したのでしょう。 
実際にこの田んぼで小型のヘリコプターが無線操縦で農薬散布する様子を動画公開予定。 


※ この風速計の目的について、ChatGPTに相談しました。 

🦅 ノスリが上昇気流を察知する方法

ノスリなどの猛禽は、いくつかの方法を組み合わせて上昇気流の有無や強さを探っていると考えられています。


1️⃣ 周囲の視覚的な手がかり

  • 他の鳥(特にカラスや他の猛禽、ハト、トビなど)が帆翔している場所を観察。
    → 他の鳥の動きで「そこに上昇気流がある」と推定。

  • 雲(積雲など)の形成や動き、地表の熱せられ方(日当たりの良い斜面・裸地・道路・畑など)を視覚的に確認。


2️⃣ 地表の風や微気流の感覚

  • 止まり木や電柱の上で、体や羽毛、顔の感覚で微細な空気の流れを感じ取る。

  • 上昇気流の発生地では、地表で風の変化や温かな上昇気を感じることがある。


3️⃣ 試しに飛んで体感する

  • あなたの推測の通り、これは非常に重要です。

  • 実際、猛禽は「まず飛び立って風の状態を体感し、条件が良ければソアリングに移行する」という行動を取ります。

  • 上昇気流が弱ければ、しばらく羽ばたきで高度を稼いだり、あきらめて戻ることもあります。


💡 つまり…

➡ ノスリは目に見えない上昇気流を、
・視覚的な環境情報
・羽毛や皮膚感覚による微風感知
・そして「試し飛び」での体感
を組み合わせて判断しています。


つづく→

2025/08/05

水田を泳ぎながら採食するカルガモのペア♀♂(野鳥)

 

2024年6月上旬・午後16:05頃・晴れ 

田植え後の水田で、カルガモAnas zonorhyncha)のペアが縦列になって進んで行きます。 
カメラを向ける私を警戒して、どんどん遠ざかっています。 

田んぼは水深が浅く、水かきを使った遊泳と言うよりもほとんど泥濘の中を歩いているようです。 
カルガモが水田の中を動き回ると底の泥が舞い上がり、日光が遮られて(水の透明度が下がり)、発芽した雑草に対して除草効果があります。 
一方イネは苗として育った段階で植えているため、葉は地上にあり、水が濁っても問題なく光合成することができます。
これを積極的に利用しているのがアイガモ農法だったり、除草ロボットだったりします。 



カルガモ♀♂は、ときどき嘴を水中に突っ込んで採食しています。 
私から充分に離れると、安心して浅瀬に立ち止まりました。 
2羽が並んで周囲を警戒しています。 
右の個体が尾羽を左右に激しく振ってから、身震いしました。 
その間に左の個体は水を飲みました。 
移動しながらの採食を本格的に再開しました。 

周囲でオオヨシキリ♂の囀りさえずり♪は聞こえますが、カルガモは鳴いていないようです。

関連記事(1年前の撮影:単独個体)▶ 田植え後の水田で採食するカルガモ(野鳥) 

2025/08/03

山中の湿地で夕方にミミズを捕食するクロツグミ♂【野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年6月下旬

シーン0:6/17・午後12:25・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:6/17・午後12:50・晴れ(@0:04〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林の中に少し開けた湿地帯があります。 
湧き水や雨水が溜まった水溜りを野生動物や野鳥が来て水場として利用しているので、2台の自動撮影カメラ(旧機種)で見張っています。 

クロツグミ♂(Turdus cardis)の登場シーンを以下にまとめます。 
雛に給餌する育雛期は終わりつつあるのでしょうか。


シーン1:6/21・午後18:26・(@0:07〜)日の入り時刻は午後19:08。 

夕方の湿地で真っ黒なクロツグミ♂が水溜りSの中洲に来ていました。 
振り返ると白い腹面が見えます。 
岸辺の泥濘を嘴でつついて回り、細長いミミズ?を捕食しました。 
その場で食べたかどうか不明です。 
最後は右に飛び去りました。 


シーン2:6/22・午後19:00・(@1:02〜)日の入り時刻は午後19:08。 
翌日の夕方にもクロツグミ♂が登場しました。 
黒い鳥ですが、嘴は白っぽく見えます。 
水溜まりの泥濘をホッピングで徘徊し、餌を探しています。 

現場は山中にあるので、公式の日の入り時刻よりもだいぶ早く太陽が山の陰に沈み暗くなります。 

最近は雨がほとんど降らないので、水溜まりの水量が少なく、干上がりつつあります。 


シーン3:6/23・午後18:57・小雨(@1:13〜)日の入り時刻は午後19:08。 
翌日にも、ほぼ同じ時間帯にクロツグミ♂が採餌に来ました。 
このように薄暗い時間帯に活動する性質を、夜行性とか昼行性に対して薄明薄暮性と言います。

水溜りSの対岸から中洲にピョンと飛び移ると、泥濘を数回啄んでから、対岸に戻りました。 
ホッピングで右に移動し、泥濘をつついています。 
湿地の草むらを経由して、右奥の水溜まりへ移動したのに、なぜか別アングルの監視カメラが起動しなかったのが残念です。 
最後は左に飛び去りました。 

小雨がぱらついています。
待望の雨が降り、水溜りの水量がだいぶ回復しました。 


奥の草むらでの採餌行動は、5倍速の早回し映像で見る方が分かりやすいかもしれません。(@2:06〜) 




※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


2025/07/31

水浴びの好きなフクロウ【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月中旬

シーン0:6/17・午後12:25・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼下がりにたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林に少し開けた湿地帯があり、湧き水が滲み出した浅い水溜りを野生動物や野鳥が水場として利用するので、自動撮影カメラ(旧機種)で見張っています。 

フクロウStrix uralensis)の水浴シーンを以下にまとめました。 


シーン1:6/18・午後22:12(@0:04〜) 
ある晩に、画面左端にそびえ立つホオノキ高木の幹の陰で、水場に降り立ったフクロウが羽ばたきました。 
しばらくすると、中洲にピョンと飛び移り、監視カメラをにらみつけました。 
再び左(死角)の水溜まりにピョンと入水し、行水を始めたようです。 


シーン2:6/20・午後19:54(@0:37〜) 
2日後の晩にもフクロウが水溜りの対岸に来ていました。 
周囲を見回して警戒しています。 
ときどきコウモリが飛来します。 

奥の水溜まりにピョンと入水すると、足を浸しました。 
その場でグルグル回りながら足踏みしているのは、泥底を深く掘り返しているのではないかと私は想像しています。 
水浴前にそんなことをしたら、底の泥が巻き上がって水が濁ってしまうはずですが、フクロウは気にしないようです(仕方がない?)。 

やがてフクロウは泥水で洗顔を始めました。 
水溜りに身を沈めたフクロウが周囲を見回したところで、90秒間の録画が終わってしまいました。 


シーン3:6/20・午後19:59(@2:08〜) 
左(死角)の水溜まりでフクロウが水浴していました。 
足踏みしながら顔を水面につけて素早く左右に振り、洗っています。 
我々ヒトと違って両手を使えない鳥の洗顔は、汚れを落とすのが大変そうです。 


シーン4:6/20・午後20:04(@2:56〜) 
いつの間にか対岸に上陸していたフクロウが監視カメラに背を向けていました。 
その場で軽く身震いしてから、奥に飛び去りました。 
他の種類の鳥と違ってフクロウでは水浴後の羽繕いを撮れたことがないのですが、水場ではなく、どこか安全な止まり木に移動してからやるのでしょうか。 


シーン5:6/20・午後21:02(@3:06〜) 
水溜りの中洲にフクロウが着地していました。 
羽毛がボサボサなのが気になります。
一部の羽根が擦り切れているように見えます。 
換羽期なのか、それともまさか幼鳥ですかね? 
フクロウ観察歴の浅い私にはよく分かりません。 

左にピョンと跳んで死角の水溜まりに入りました。 
水浴を済ませたフクロウが右にピョンと跳んで中洲に戻ってきました。 
軽く身震いしてから、右上へ音もなく飛び去りました。 


シーン6:6/20・午後21:14(@3:59〜) 
奥に設置した別の監視カメラの赤外線LEDが眩しく点灯しています。 
中洲の左端に来ていたフクロウの後ろ姿が写っています。 

やがて警戒を解くと、左の水溜まりに入水し、死角に消えました。 
水浴後に中洲にピョンと戻ってきたフクロウは身震いして周囲を見回してから、右上へ飛び立ちました。 


シーン7:6/20・午後21:34(@4:46〜) 
左の画角外の水溜まりで、フクロウが水浴びをしていました。 
珍しく歩いて中洲に上陸すると、身震いしてから奥に飛び去りました。 


シーン8:6/20・午後21:54(@5:37〜) 
フクロウが、中洲の左に着陸していました。 
周囲を見回して警戒してから、左の死角の水溜まりにピョンと入水。 


シーン9:6/20・午後21:56(@5:57〜)
行水を終えてさっぱりしたフクロウが、左の死角からピョンと跳んで中洲に上陸。 
周囲を警戒してから、再び左の死角の水溜まりに入りました。 


シーン10:6/20・午後22:05(@6:53〜)
中洲に降り立っていたフクロウが、周囲を見回してから左へピョンと2回跳んで入水すると、死角で行水を始めました。 
中洲にピョンと上陸すると、身震いして飛び立つ寸前に録画が終わってしまいました。 

どこか遠くでヨタカ♂(Caprimulgus indicus jotaka)がずっと鳴いていた♪のですが、YouTubeにアップロードした動画では再エンコードのせいか聞き取れないかもしれません。 

関連記事(9年前の撮影)▶ ヨタカ♂(野鳥)の鳴き声♪と声紋解析 


シーン11:6/20・午後22:17(@7:50〜)
再び中洲の左端に来ていたフクロウが、左の水溜まりにピョンと跳んで入水すると、チャプン♪と水音が聞こえます。 
死角で水浴を終えたフクロウは、再び中洲にぴょんと跳んで上陸。 
顔を素早く振って水気を切ると、水溜りの対岸に飛んで移動しました。 
飛び去る瞬間まで見届けられずに、録画終了。


※ 水音や羽ばたきなどが聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。


【考察】
フクロウの個体識別ができていないのですけど、同一個体が通っているとすると、一晩でかなり頻繁に水浴していることになります。
きれい好きのフクロウは、「風呂キャンセル界隈」とは無縁のようです。
狩りをする度に汚れを落としに来るのでしょうか?


2025/07/28

山中の水溜りで水浴し、ホオノキの幹をつついて獲物を探すコゲラ【野鳥:トレイルカメラ】

 

2024年6月下旬 

シーン1:6/28・午後13:14・くもり・気温29℃(@0:00〜) 
山林に湧き水が滲み出した湿地帯があり、野鳥や野生動物の水場となっている水溜りを自動センサーカメラで見張っています。 


シーン2:6/28・午後14:41・晴れ・気温29℃(@0:04〜) 
雨が降らないので、翌日には水が少し減っていました。
コゲラDendrocopos kizuki)が水溜りに来ていて、かなり浅いのに水浴を始めました。 
左側の深くて白く濁っている泥水には入らず、上澄みが透明な浅い水場を選んでいます。 
なかなか水浴しないので、警戒しているのかと思いましたが、ついでに岸の泥濘で虫を捕食しているようにも見えます。 
短い行水を済ませた後は、右下手前に飛び去りました。 

しばらくすると、キツツキが鋭い嘴で木をコツコツ♪叩く音が録音されていました。(@0:43〜) 
縄張り宣言する速いドラミング音♪とは違い、遠慮がちに叩いています。 
この監視カメラはホオノキ高木の幹に固定してあるのですが、おそらく水浴後のコゲラが木登りしながらあちこちつついて、打音検査のように材内の空洞を探しているのでしょう。 
木に穿孔している虫を捕食するのが目的です。 
トレイルカメラの本体を直接つつかれずに済んで良かったです。 
最後に樹上から飛び去る羽音が聞こえました。 

水浴シーンを1.5倍に拡大した上でリプレイ(@1:53〜)。 


※ 水浴時の水音や打音検査♪が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

2025/07/26

山中の水場に通うフクロウ【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月中旬〜下旬

シーン0:6/17・午後12:25・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山林に少し開けた湿地帯があり、湧き水が滲み出した水溜りを野生動物や野鳥が水場として利用するので、自動撮影カメラ(旧機種)で見張っています。 

フクロウStrix uralensis)の登場シーンを以下にまとめました。 


シーン1:6/19・午後20:31(@0:04〜) 
晩に水溜りの対岸に来ていたフクロウが、キョロキョロと首を回して周囲を警戒しています。 
ようやく警戒を解くと、左にピョンと跳んでから入水しました。 


シーン2:6/19・午後20:33(@0:42〜) 
左手前にそびえ立つホオノキ高木の幹の陰にフクロウは隠れてしまいました。 
水浴びするのではなく、どうやら嘴を何度も水面に付けて、泥水を飲んでいるようです。 

やがて、音もなく羽ばたくと、右上へ飛び立ちました。(@1:29〜) 


シーン3:6/20・午後19:57(@1:36〜) 
翌日の晩にもフクロウが水溜りで足浴したまま、周囲を油断なく警戒しています。 
少し歩いて水溜まりの中を移動しました。 


シーン4:6/20・午後20:45(@2:07〜) 
対岸に降り立ったフクロウがカメラ目線で写っていました。 
キョロキョロと辺りを見回しています。 
左手前に少し飛んで、中洲へ移動しました。 
眼光鋭く水溜まりを凝視しているのは、水中のオタマジャクシや水生昆虫を狙っているのでしょうか? 
水面に浮かぶ落ち葉が風に吹かれて動いています。 


シーン5:6/20・午後20:47(@2:31〜) 
次に監視カメラが起動したときには、フクロウは左端の死角で水浴?していました。 
何をしているのか不明ですが、尾羽根が上下に動いていることから、洗顔や飲水かもしれません。 


シーン6:6/20・午後22:13(@2:49〜) 
いつの間にかフクロウは中洲に来ていました。 
もしかすると、左の死角で水浴した直後なのかもしれません。 
顔を左右に素早く振って水気を切ってから(身震い)、右上に飛び去りました。 


シーン7:6/21・午前3:52(@3:05〜) 
日付が変わった未明に、フクロウが左端の中洲に来ていたました。 
対岸へピョンと跳んで移動すると、軽く身震いしてから振り返ってカメラを凝視。 
やがて右奥へ飛び去りました。 


シーン8:6/21・午後22:37(@3:27〜) 
同じ日の晩に、フクロウが中洲の水際に来ていました。 
そのまま手前に歩いて水に脚を浸しました。 
周囲を警戒してから、左上へ飛び去りました。 


シーン9:6/22・午前4:09(@4:04〜)日の出時刻は午前4:14。 
日の出直前の薄明に大きな鳥?が左から右に素早く飛んで横切りました。 
右から飛来して中洲に着陸したのはフクロウでした。 
これまでフクロウが水場から飛び去るシーンばかりでしたが、水場に飛来した瞬間を撮れたのは珍しいです。 

薄明の時間帯に来たのも初めてです。 
日長が最も長いこの時期には、夜行性のフクロウにとっては活動可能な時間が最短になります。 (2024年の夏至は6/21。) 

周囲を見回し、足元の泥濘を嘴でつついています。 
手前に歩いて水溜まりに入水したところで、90秒間の録画が打ち切られてしまいました。 

常連のフクロウと比べると、今回の個体は体格が心なしか小さい気がします。 
性的二型による体格差なのか、それとも別種のフクロウなのかな? 
いつも見慣れた赤外線の暗視映像(モノクロ)とは、とにかく印象が違います。 


2025/07/22

初夏の川で行水するセグロセキレイ(野鳥)

 

2024年6月中旬・午後14:40頃・晴れ 

郊外を流れる川で、セグロセキレイ♂(Motacilla grandis)が下流から飛来すると、流れの早い階段式落差工(階段工)のすぐ下で水浴びを始めました。 
水浴シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:22〜) 

川の水で常に濡れているコンクリートの段差は、苔むしています。 


関連記事(5、16年前の撮影)▶  

2025/07/20

山中の水溜りで水を飲むフクロウ【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月中旬・午後21:25頃 

山中の湿地帯にある浅い水溜りに、ある晩フクロウStrix uralensis)が来ていました。 

足を水に浸したまま、何度も泥水を飲んでいるようですが、後ろ姿でよく見えません。 
頭を下げて嘴が着水する度に、水面に波紋が広がります。 
(YouTubeに投稿したら、再エンコードされた動画では波紋が見にくく加工されてしまいました。)
顔を水面に付けながら激しく左右に振っていないので、洗顔の水浴行動とは違います。 


2025/07/16

山中の水溜りで行水するカケス【野鳥:トレイルカメラ】

 

2024年6月中旬

シーン0:6/17・午後12:50・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山林に囲まれた湿地帯に点在する水溜りが野生動物や野鳥の水場になっているので、2台の自動撮影カメラで見張っています。 


シーン1:6/19・午前10:47・晴れ(@0:04〜) 
左の水溜まりの左岸に1羽のカケスGarrulus glandarius)aが来ていて、水溜まりを見つめています。 
この地点でカケスは初見です。 

すぐに別個体のカケスbが右から飛来して右の水溜りの岸に着地したものの、なぜかすぐに左上に飛び去ってしまいました。 
大型車両の騒音に驚いたのかもしれません。

カケスaが対岸の泥濘に飛び移ると、泥水に嘴を何度も突っ込みました。 
これは泥水を飲んでいるのでしょうか? 
(飲水行動なら、一口ごとに上を向いて水を喉に流し込むはずでは?) 
水中のオタマジャクシを捕食しているようには見えません。 

しばらくすると、浅い水溜りで水浴を始めました。 
水溜りに身を浸しながら翼を羽ばたいて、自分の体にパシャパシャと水をかけています。 
カケスの水浴行動を見るのは珍しいので、1.5倍に拡大した上でリプレイ(@1:06〜)。 

関連記事(2、3年前の撮影)▶  


普段は静かなのに、なぜか大型車両のエンジン音や振動がうるさく聞こえます。 
まさか、近くの林道や山頂で土木工事が始まったのでしょうか? 

カケスの濁った鳴き声がジェー♪と一声聞こえたものの、水浴中の個体が鳴いたかどうか不明です。 
カケスの行水を最後まで見届ける前に、1分間の録画が打ち切られました。


シーン2:6/19・午前11:00・晴れ(@2:00〜) 
12分後に、1羽のカケスが対岸の細い落枝に留まっていました。 
別個体が左から飛来して地上の湿地に降り立つと、入れ替わるように右へ飛び去りました。 
この2羽は♀♂つがいなのかな? 
縄張り争いで水場から追い払った、という解釈もできそうです。
このときカケスの鳴き声は聞き取れませんでした。 

ホッピングで右へピョンピョン移動し、死角に消えました。 
もう一つの水溜まりに向かったようですが、そっちの監視カメラにはなぜか写っていませんでした。 
しばらくすると画角内にカケスが戻ってきて、最後は手前に飛び去りました。 


シーン3:6/19・午前13:06・晴れ(@2:33〜) 
使っている旧機種のトレイルカメラは挙動が気まぐれ(不安定)で、急にフルカラーに戻りました。 
現場の状況をもう一度見せて終わりにします。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

2025/07/14

池畔のマユミ枝先に集まって次々と泡巣を作り産卵するモリアオガエル♀♂【微速度撮影#3】ニホンザルが泡巣を捕食?

 



2024年6月上旬〜中旬 

繁殖池で、岸辺に自生するマユミの枝葉にモリアオガエル♀♂(Rhacophorus arboreus)が集まって白い泡巣を次々に作り、産卵する様子をタイムラプス動画で記録しています。 
夏至(6/21)が近づき日が長くなったので、タイムラプス専用カメラのタイマー設定を午前5:30〜午後18:00に前後30分ずつ延長しました。 
1分間隔のインターバル撮影で、ちょうど一週間分(7日間)の記録です(6/7〜6/14)。 
最近は雨不足のようで、池の水量が減り、岸辺は干上がりつつあります。 
当分は雨が降らないとの週間天気予報で、心配です。 

それでは早速、撮れたタイムラプス映像を見てみましょう。 
撮影を延長した薄明薄暮の時間帯も充分明るく撮れていました。 
モリアオガエルの産卵は主に夜行われるようですが、昼間でも新しい泡巣が作られていました。 
例えば6/13午前8:00〜午後13:00の映像が分かりやすく撮れています。 

この時期、面白い事件がいくつか起きていました。 

(1)ニホンザルによるモリアオガエル泡巣の捕食?
カメラが狙っていたマユミ樹上の比較的新しい泡巣のいくつかが、動画の冒頭で突然、しかもほぼ同時に溶け落ちました。 
泡巣の内部でモリアオガエルの幼生(オタマジャクシ)が孵化してある程度育つと、雨が降る日に自然と泡巣が溶け落ち、オタマジャクシは下の池に脱出します。 
しかし、今回の泡巣が自然に溶けたにしては時期が早すぎます。 
つまり、あまりにも不自然な溶解です。 
タイムラプス動画をコマ送りでじっくり見直すと、泡巣消失の謎が解けました。 
事件が起きたのは、6/7の午後15:44〜15:57です。 
何者かがマユミの灌木を激しく揺すったりしならせたりしたせいで、泡巣が何度も水中に没していました。 
そのせいで泡巣が早く溶けてしまったようです。 

このとき、池の対岸を遊動するニホンザルMacaca fuscata fuscata)が写っていました。
山林を遊動してきた群れが池を訪れ、一部の個体が狼藉を働いたようです。
猿が木から木へと伝い歩く際に、細いマユミ灌木上の泡巣が激しく揺すられて、泡巣が壊れたり溶け落ちたりしてしまったのでしょうか?
好奇心旺盛な子ザルがモリアオガエルの泡巣を果物と誤認して興味を持ち、調べに来たのかな? 

夏の暑い日にニホンザルは池に飛び込んで水遊びをすることが知られています。
関連記事(10年前の撮影)▶ 湖で泳ぐ野生ニホンザルの群れ
今回も池畔のマユミ灌木から無邪気に池へ飛び込もうとして、泡巣を意図せずに破壊・融解してしまったのでしょうか?
しかし、干上がりかけた浅い泥沼にニホンザルが入水するとは思えません。

実は、対岸(画面左端)に自生するミヤマガマズミの灌木にもモリアオガエルの白い泡巣が産み付けられています。 





下の連続写真で示すように、別個体のニホンザルがこのミヤマガマズミ群落を訪れて、しばらく座り込んでいました。
どうやらモリアオガエル泡巣に含まれる卵やオタマジャクシを捕食したようです。
ニホンザルにとって、貴重なタンパク源になるでしょう。

ちなみに、翌日6/8には、このミヤマガマズミの枝先にモリアオガエルの新しい泡巣が産み付けられていました。 
ニホンザルが来る前の泡巣の様子。まるで白い果実のように泡巣がたわわになっている。
対岸左のミヤマガマズミにニホンザル登場。右手前のマユミ枝葉が何者かによって大きくしなり、泡巣が写ってない。

ニホンザルが対岸左のミヤマガマズミでモリアオガエルの泡巣を捕食中?

別個体のニホンザルが対岸のスギ林縁を右から左へ遊動。右手前のマユミ枝葉が何者かによって大きくしなり、泡巣が写ってない。
対岸左のミヤマガマズミからニホンザルが去る。

右手前のマユミ枝葉を何者かが激しく揺する。
ニホンザルが居なくなると、マユミ樹上の泡巣は短時間ですっかり溶け落ちていた。

その後はマユミ灌木の真下だけでなく、水面のあちこちにモリアオガエルの溶けた泡巣が浮いていました。 
風に吹かれて水面を移動したのかと思ったのですが、ニホンザルが枝を激しく揺すって泡巣を水面に浸けたことで説明できそうです。 

1分間隔のインターバル撮影では、断片的な情報しか得られません。
もし今後もニホンザルがモリアオガエルの繁殖池に来て泡巣の採食を繰り返すようなら、池畔にトレイルカメラを追加して、動画による証拠映像を撮るしかありません。





【参考文献】
ニホンザルがモリアオガエルの泡巣を捕食するなんて、私にとっては全く予想外の事件で興奮しました。
GoogleScholarで文献検索してみると、残念ながら新発見ではなく、すでに論文になっていました。
井上光興; 辻大和. 野生ニホンザル Macaca fuscata によるモリアオガエル Rhacophorus arboreus 泡巣の採食事例. 霊長類研究, 2016, 32.1: 27-30.(全文PDFをダウンロード可)

ブログで報告している人もいます。
サルが食べていたのは・・・ @秋田・青森県


外来種のアライグマがモリアオガエルの泡巣と成体を捕食した事例も別に報告されていて、この論文は要旨だけ読めました。
ICHIOKA, Yukio; HIJII, Naoki. Raccoon Predation on Foam Nests and Adults of the Forest Green Tree Frog (Zhangixalus arboreus: Rhacophoridae) in Central Japan. Current herpetology, 2021, 40.2: 129-136.
外来種のアライグマが当地で生息しているという確かな証拠映像はまだ撮れていません。

野生動物による捕食圧が高まれば、モリアオガエルも対抗策を進化させる可能性があります。
今の泡巣は白っぽくて樹上でよく目立つので、緑の色素を混ぜ込んで迷彩を施せば、保護色になりそうです。

もしかすると逆に、モリアオガエルはニホンザルに泡巣を見つけてもらいたいのかもしれません。
樹上の果実に擬態してニホンザルの気を惹いているという大胆な仮説です。
泡巣が産み付けられた木にニホンザルがよじ登ろうとしても、細い灌木のことが多いので、猿の体重を支えきれずに大きくしなり、泡巣は水没してしまいます。
泡巣の一部はニホンザルに捕食(食卵)されてしまうかもしれませんが、泡巣が溶けてオタマジャクシが水中に脱出するのをニホンザルが助けているのかもしれません。



(2)6/9午後12:20に対岸の水際をホンドタヌキNyctereutes viverrinus)らしき野生動物がうろついていました。
(3)6/12午前7:49にコガラPoecile montanus)がマユミ樹上に来ていました。 
モリアオガエルの泡巣に集まる昆虫(ハエやシリアゲムシなど)を捕食しに来たのかな? 

他にも私が見落としている事件がまだまだありそうなので、皆さんもタイムラプス動画をスロー再生して見つけたら教えてください。


2025/07/12

キリギリスを捕食する前の解体処理に苦労するヒヨドリ【野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年6月中旬・午後15:00頃・晴れ・気温31℃ 

平地の二次林で死んだニホンアナグマの巣穴Lの横に生えたマルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)灌木にヒヨドリHypsipetes amaurotis)が留まっていました。 
嘴に何か黄緑色の獲物を咥えています。 
私は初め、芋虫(鱗翅目の幼虫)を狩ってきたのかと思ったのですが、1.5倍に拡大した上でリプレイすると(@1:01〜)、獲物の正体はキリギリスの仲間(ツユムシ? ヤブキリ?)のようです。 

ヒヨドリは必死で暴れるキリギリスを嘴で咥えながら足元の枝に叩きつけて動きを封じようとしていました。 
跳躍力が強いキリギリスは後脚で力強く蹴って抵抗するので、この後でヒヨドリは獲物を解体し、棘のある長い後脚を取り除くはずです。 
長くて棘だらけの後脚がかさばるために捕食者が一口で飲み込むのは難しく、キリギリスにも逃げるチャンスがわずかながら生まれます。 
実際ヒヨドリは途中で獲物をうっかり地面に落としてしまいましたが、すぐに拾い上げて、解体作業を続けます。 

最後まで見届ける前に、1分間の録画時間が終わってしまいました。 
このヒヨドリ個体が自分でキリギリスを捕食したかどうか不明です。 
しかし6月中旬という時期は、ヒヨドリの1〜2回目の繁殖期に当たります。 
解体して危険な部位(後脚)を取り除いたキリギリスを持ち帰って雛(または巣立ち雛)に給餌した可能性が高いでしょう。 
ヒヨドリは果実食の印象が強いですが、繁殖期には雛の成長に必要な動物質(主に昆虫)を多く捕食します。 


※ 今回は記事を書く前にChatGPTとブレインストーミングしました。 


つづく→ 


【アフィリエイト】 

2025/07/08

夜の水場で長居するフクロウは何をしているのか?【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月上旬〜中旬 

シーン0:6/7・午後13:14・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:6/7・午後13:40・晴れ(@0:04〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林に湧き水が年中溜まっている湿地帯があり、浅い水溜りを2台の自動撮影カメラで見張っています。 

夜な夜な水場に来るフクロウStrix uralensis)の水浴以外のシーンを以下にまとめました。 


シーン1:6/9・午前3:51(@0:07〜) 
未明に中洲に佇んでいたフクロウが対岸に飛び移って身震いしてから、右上に飛び去りました。 
飛び立つ瞬間にフクロウが羽ばたいた風に煽られて、周囲の下草が揺れています。 

画面の左端手前に眩しく光っているのは、ホオノキ大木の幹です。 
この影に隠れてフクロウが水浴した直後だったのかもしれません。 


シーン2:6/10・午前1:19(@0:31〜) 
翌日の深夜に来たフクロウは、対岸の水際に佇んでキョロキョロと周囲を警戒しています。 
手前の中洲にピョンと飛び移りました。 


シーン3:6/10・午前1:18(@1:31〜) 
別アングルで設置した監視カメラの広角映像に切り替えます。 
被写体のフクロウが遠くても、2台のトレイルカメラが同時に照射する赤外線によって、充分明るく録画できました。 


シーン4:6/10・午前1:21(@2:02〜) 
中洲の奥の水溜まりで足浴するフクロウの後ろ姿が写っています。 
よちよちと右へ渡渉すると、軽く羽ばたきながら対岸へピョンと上陸しました。 
しばらくすると、再び水際にぴょんと移動。 


シーン5:6/10・午後22:12(@3:02〜) 
昼間を挟んで同じ日の晩に、フクロウが再び水場に降り立ちました。 
すぐには入水しないで長々と周囲をキョロキョロと警戒しています。 
赤外線を反射して白く光る眼しか写りません。 


シーン6:6/11・午後20:08(@3:23〜) 
翌日の晩にも、水場に来たフクロウは警戒を怠りません。 


シーン7:6/11・午後20:08(@4:24〜) 
別アングルの広角映像に切り替えます。 


シーン8:6/11・午後20:35(@4:37〜) 
赤外線を反射して白く爛々と光る両目が水面にも反射して写っています。 
夜行性のフクロウの目にはタペータムが発達しています。 

フクロウがキョロキョロと周囲を見回す際に首の可動域の広さは驚異的です。 


シーン9:6/11・午後20:35(@5:37〜) 
別アングルの広角映像に切り替えます。 
夜の森で水場にじっと佇んでいるだけでも、フクロウは絵になりますね。 


シーン10:6/12・午後21:09(@6:37〜) 
翌日の晩。 
ホオノキ高木の横枝に別個体(つがいのパートナー?)のフクロウが着地したのか、ゴン♪と鈍い物音がしました。 
その瞬間に、足浴していたフクロウは樹上を見上げました。 

水溜まりの中でフクロウは翼を広げても、警戒しているのかなかなか水浴行動を始めてくれません。 
頻りにホオノキ樹上を見上げて気にしています。


シーン11:6/12・午後21:08(@7:37〜) 
湿地帯全景の映像に切り替えます。 


シーン12:6/12・午後21:13(@7:49〜) 
いつの間にかフクロウは水溜まりの中洲に移動していました。 
ようやく警戒を解くと、ぴょんと飛んで右の水溜まりに身を浸しました。 
その動きに反応して、対面の監視カメラが起動。 


シーン13:6/12・午後21:14(@8:09〜) 
入水したフクロウが水面に何度か顔を付けたものの(洗顔行動?)、頭上を頻りに気にしていて、なかなか本格的な水浴を始めてくれません。 
後ろ姿で分かりにくかったのですが、もしかするとフクロウはこのとき泥水を飲んでいたのかもしれません。
ハト類以外の鳥は、水を一口飲むごとに顔を上げて水を喉に流し込む必要があります。 


シーン14:6/12・午後21:16(@9:09〜) 
水溜まりから対岸に上陸すると、しばらくしてから足元の泥濘をなぜか嘴で啄みました。(@9:30〜) 
水生昆虫など何か小さな獲物を捕食したのかと思いきや、すぐに興味を失い左の水溜まりへジャブジャブと渡渉します。 
そこから右上へ飛び去りました。(@10:02〜) 

謎の捕食シーンを1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@10:09〜) 
水際の落ち葉を試しに嘴でつついてみたようです。 


シーン15:6/12・午後21:23(@10:21〜) 
数分後にフクロウが水溜りの中洲に降り立っていました。 
私はフクロウの個体識別が出来ていませんが、つがいのパートナーが順番待ちをしていて交互に水場に来ているのか、それとも同一個体が繰り返し来ているのでしょうか? 

しかし今回もフクロウは水浴するでもなく、ひたすら周囲をキョロキョロと見渡しているだけです。 


シーン16:6/12・午後21:23(@11:21〜) 
広角の監視映像に切り替えます。 


シーン17:6/14・午後19:48(@11:33〜)
2日後の晩に現れたフクロウです。 
足浴していたフクロウが歩いて水溜まりの左エリアへ移動しました。 
左手前に聳え立つホオノキ幹の影に隠れて、監視カメラの死角で水浴するつもりなのでしょうか? 
そこでも水中で足踏みしたり周囲を警戒したりするばかりで、なかなか行水を始めません。 


シーン18:6/14・午後19:48(@12:33〜)
広角の監視映像に切り替えると、異変が生じていました。 
トレイルカメラの近くでクモ(種名不詳)が垂直円網を張った結果、奥の湿地帯が見えにくくなってしまいました。 
造網したクモがこしきに占座しています。 
それでもクモの巣を透かして、泥水溜りに来ているフクロウの姿がなんとか見えます。 
邪魔なクモの巣が張れないように後日、トレイルカメラ周囲に伸びたスギの横枝を剪定しました。 

カメラを凝視していたフクロウが翼を広げてバランスを取りながら、よちよち歩いて水溜まりの中を移動しています。 
周囲を警戒しながら水浴しているようですが、円網のせいでよく見えません。 

キョキョキョキョ…♪という単調な音がかすかにずっと聞こえるのは、おそらくヨタカCaprimulgus indicus jotaka)の鳴き声♪のようです。  (※追記参照)
それともトレイルカメラの内部ノイズ?
関連記事(9年前の撮影)▶ ヨタカ♂(野鳥)の鳴き声♪と声紋解析 


シーン19:6/15・午前3:50(@13:35〜)
日付が変わった未明にフクロウが再び左の死角ギリギリに来ていました。 
やはりトレイルカメラに監視されるのを嫌って、死角で水浴したいようです。 
その対策として、後にトレイルカメラの設置場所をもう少し右にずらすことになります。 

ヨタカに代わって夜明け前から鳴き始めた美声の鳥は、おそらくクロツグミ♂(Turdus cardis)の囀りさえずりでしょう。 


シーン20:6/15・午後21:23(@14:35〜)
同じ日の晩に、クモ円網の背後でフクロウが水溜りに来ていました。 
水浴するでもなく、周囲を油断なく見回しているだけです。 


シーン21:6/15・午後21:25(@14:47〜)
泥水溜りの中洲に降り立ったフクロウが真上をしばらく見上げています。 


シーン22:6/15・午後22:15(@14:59〜) 
フクロウが水溜りの対岸に佇み、カメラ目線で警戒しています。 
やがてフワリと飛んで手前の中洲に移動しました。 


シーン23:6/15・午後22:14(@15:37〜) 
広角の監視映像に切り替えます。 
手前に張られたクモの垂直円網が夜風に揺れると、こしき周辺の横糸が張られていない部分を透かして、ときどき奥のフクロウがはっきり見えました。 


※ フクロウの羽ばたき音や鳥の鳴き声などが聞き取れるように、動画の一部で編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
この水場に最も頻繁に現れ、最も長居するのは夜行性のフクロウです。 
しかし、フクロウが行水する時間そのものは短いのです。 
水を飲んだり浴びたりしないで佇んでいる時間は、一体何をしているのでしょうか? 

水溜りでのんびり足浴しているだけでも、ひんやり涼しくて気持ちよいのかもしれません。 

なかなか入水しないで警戒しているのは、トレイルカメラの存在が気になるのか、それとも周囲の草むらに捕食者(肉食獣のテンなど)が潜んでいないかどうか警戒しているのでしょうか? 
水浴中のフクロウは無防備になりますから、周囲に捕食者が潜んでいないことを確認するのは当然です。 

水溜りの中で蠢くオタマジャクシ(アズマヒキガエルの幼生)の群れをフクロウは興味津々で眺めているのかな? 
それにしては、フクロウはこの水溜りでオタマジャクシを狩って捕食しようとはしません。 
本格的な水浴をする前にフクロウは顔を水面に浸けて素早く左右に振ります。 
私はこれを洗顔行動だと思っているのですが、もし水中のオタマジャクシを狙っているのだとしたら話は変わっています。 
しかしオタマジャクシを狩るのなら、嘴ですばやく突き刺さしたり、足の鉤爪で獲物を捕らえるような動きをするはずです。 

水場に来る野ネズミなどの野生動物を狙って待ち伏せしているのでしょうか? 
それならホオノキの樹上から音も立てずに襲いかかる方が狩りの成功率は高いような気がします。 
地上の水溜りで待ち伏せしていても、獲物に気づかれる可能性は高いですし、地上から一旦飛び上がって獲物に襲いかかるとタイムロスがあって獲物に逃げられそうです。 

フクロウが浅い水溜まりの中を歩き回ったり足で掘ったりしているのは、少しでも深い地点を探して水浴するためだと思っていました。 
オタマジャクシやカエルの捕食など、何か他の目的があるのでしょうか? 
例えばサギ類は、水底で足踏みして振動を与え、小魚などの獲物が驚いて隠れ家から出てきたところを捕食します。 


※【追記】
樋口亜紀『フクロウ類の世界とは』を読んで初めて知ったのですが、フクロウとヨタカは親戚なのだそうです。
(フクロウの)起源は鳥類の歴史の中でも古く、化石や遺伝的研究の結果、少なくとも今から7000〜8000万年前に、夜行性の捕食者として一大グループを構成していた現在のヨタカ目と共通の祖先から別れたと考えられています。 (文一総合出版『フクロウ―その生態と行動の神秘を解き明かす』p14より引用)
そもそも鳥の猛禽類は単系統ではなく収斂進化であることが遺伝子解析から分かっています。


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