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2025/07/12

キリギリスを捕食する前の解体処理に苦労するヒヨドリ【野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年6月中旬・午後15:00頃・晴れ・気温31℃ 

平地の二次林で死んだニホンアナグマの巣穴Lの横に生えたマルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)灌木にヒヨドリHypsipetes amaurotis)が留まっていました。 
嘴に何か黄緑色の獲物を咥えています。 
私は初め、芋虫(鱗翅目の幼虫)を狩ってきたのかと思ったのですが、1.5倍に拡大した上でリプレイすると(@1:01〜)、獲物の正体はキリギリスの仲間(ツユムシ? ヤブキリ?)のようです。 

ヒヨドリは必死で暴れるキリギリスを嘴で咥えながら足元の枝に叩きつけて動きを封じようとしていました。 
跳躍力が強いキリギリスは後脚で力強く蹴って抵抗するので、この後でヒヨドリは獲物を解体し、棘のある長い後脚を取り除くはずです。 
長くて棘だらけの後脚がかさばるために捕食者が一口で飲み込むのは難しく、キリギリスにも逃げるチャンスがわずかながら生まれます。 
実際ヒヨドリは途中で獲物をうっかり地面に落としてしまいましたが、すぐに拾い上げて、解体作業を続けます。 

最後まで見届ける前に、1分間の録画時間が終わってしまいました。 
このヒヨドリ個体が自分でキリギリスを捕食したかどうか不明です。 
しかし6月中旬という時期は、ヒヨドリの1〜2回目の繁殖期に当たります。 
解体して危険な部位(後脚)を取り除いたキリギリスを持ち帰って雛(または巣立ち雛)に給餌した可能性が高いでしょう。 
ヒヨドリは果実食の印象が強いですが、繁殖期には雛の成長に必要な動物質(主に昆虫)を多く捕食します。 


※ 今回は記事を書く前にChatGPTとブレインストーミングしました。 


つづく→ 


【アフィリエイト】 

2025/07/08

夜の水場で長居するフクロウは何をしているのか?【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月上旬〜中旬 

シーン0:6/7・午後13:14・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:6/7・午後13:40・晴れ(@0:04〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林に湧き水が年中溜まっている湿地帯があり、浅い水溜りを2台の自動撮影カメラで見張っています。 

夜な夜な水場に来るフクロウStrix uralensis)の水浴以外のシーンを以下にまとめました。 


シーン1:6/9・午前3:51(@0:07〜) 
未明に中洲に佇んでいたフクロウが対岸に飛び移って身震いしてから、右上に飛び去りました。 
飛び立つ瞬間にフクロウが羽ばたいた風に煽られて、周囲の下草が揺れています。 

画面の左端手前に眩しく光っているのは、ホオノキ大木の幹です。 
この影に隠れてフクロウが水浴した直後だったのかもしれません。 


シーン2:6/10・午前1:19(@0:31〜) 
翌日の深夜に来たフクロウは、対岸の水際に佇んでキョロキョロと周囲を警戒しています。 
手前の中洲にピョンと飛び移りました。 


シーン3:6/10・午前1:18(@1:31〜) 
別アングルで設置した監視カメラの広角映像に切り替えます。 
被写体のフクロウが遠くても、2台のトレイルカメラが同時に照射する赤外線によって、充分明るく録画できました。 


シーン4:6/10・午前1:21(@2:02〜) 
中洲の奥の水溜まりで足浴するフクロウの後ろ姿が写っています。 
よちよちと右へ渡渉すると、軽く羽ばたきながら対岸へピョンと上陸しました。 
しばらくすると、再び水際にぴょんと移動。 


シーン5:6/10・午後22:12(@3:02〜) 
昼間を挟んで同じ日の晩に、フクロウが再び水場に降り立ちました。 
すぐには入水しないで長々と周囲をキョロキョロと警戒しています。 
赤外線を反射して白く光る眼しか写りません。 


シーン6:6/11・午後20:08(@3:23〜) 
翌日の晩にも、水場に来たフクロウは警戒を怠りません。 


シーン7:6/11・午後20:08(@4:24〜) 
別アングルの広角映像に切り替えます。 


シーン8:6/11・午後20:35(@4:37〜) 
赤外線を反射して白く爛々と光る両目が水面にも反射して写っています。 
夜行性のフクロウの目にはタペータムが発達しています。 

フクロウがキョロキョロと周囲を見回す際に首の可動域の広さは驚異的です。 


シーン9:6/11・午後20:35(@5:37〜) 
別アングルの広角映像に切り替えます。 
夜の森で水場にじっと佇んでいるだけでも、フクロウは絵になりますね。 


シーン10:6/12・午後21:09(@6:37〜) 
翌日の晩。 
ホオノキ高木の横枝に別個体(つがいのパートナー?)のフクロウが着地したのか、ゴン♪と鈍い物音がしました。 
その瞬間に、足浴していたフクロウは樹上を見上げました。 

水溜まりの中でフクロウは翼を広げても、警戒しているのかなかなか水浴行動を始めてくれません。 
頻りにホオノキ樹上を見上げて気にしています。


シーン11:6/12・午後21:08(@7:37〜) 
湿地帯全景の映像に切り替えます。 


シーン12:6/12・午後21:13(@7:49〜) 
いつの間にかフクロウは水溜まりの中洲に移動していました。 
ようやく警戒を解くと、ぴょんと飛んで右の水溜まりに身を浸しました。 
その動きに反応して、対面の監視カメラが起動。 


シーン13:6/12・午後21:14(@8:09〜) 
入水したフクロウが水面に何度か顔を付けたものの(洗顔行動?)、頭上を頻りに気にしていて、なかなか本格的な水浴を始めてくれません。 
後ろ姿で分かりにくかったのですが、もしかするとフクロウはこのとき泥水を飲んでいたのかもしれません。
ハト類以外の鳥は、水を一口飲むごとに顔を上げて水を喉に流し込む必要があります。 


シーン14:6/12・午後21:16(@9:09〜) 
水溜まりから対岸に上陸すると、しばらくしてから足元の泥濘をなぜか嘴で啄みました。(@9:30〜) 
水生昆虫など何か小さな獲物を捕食したのかと思いきや、すぐに興味を失い左の水溜まりへジャブジャブと渡渉します。 
そこから右上へ飛び去りました。(@10:02〜) 

謎の捕食シーンを1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@10:09〜) 
水際の落ち葉を試しに嘴でつついてみたようです。 


シーン15:6/12・午後21:23(@10:21〜) 
数分後にフクロウが水溜りの中洲に降り立っていました。 
私はフクロウの個体識別が出来ていませんが、つがいのパートナーが順番待ちをしていて交互に水場に来ているのか、それとも同一個体が繰り返し来ているのでしょうか? 

しかし今回もフクロウは水浴するでもなく、ひたすら周囲をキョロキョロと見渡しているだけです。 


シーン16:6/12・午後21:23(@11:21〜) 
広角の監視映像に切り替えます。 


シーン17:6/14・午後19:48(@11:33〜)
2日後の晩に現れたフクロウです。 
足浴していたフクロウが歩いて水溜まりの左エリアへ移動しました。 
左手前に聳え立つホオノキ幹の影に隠れて、監視カメラの死角で水浴するつもりなのでしょうか? 
そこでも水中で足踏みしたり周囲を警戒したりするばかりで、なかなか行水を始めません。 


シーン18:6/14・午後19:48(@12:33〜)
広角の監視映像に切り替えると、異変が生じていました。 
トレイルカメラの近くでクモ(種名不詳)が垂直円網を張った結果、奥の湿地帯が見えにくくなってしまいました。 
造網したクモがこしきに占座しています。 
それでもクモの巣を透かして、泥水溜りに来ているフクロウの姿がなんとか見えます。 
邪魔なクモの巣が張れないように後日、トレイルカメラ周囲に伸びたスギの横枝を剪定しました。 

カメラを凝視していたフクロウが翼を広げてバランスを取りながら、よちよち歩いて水溜まりの中を移動しています。 
周囲を警戒しながら水浴しているようですが、円網のせいでよく見えません。 

キョキョキョキョ…♪という単調な音がかすかにずっと聞こえるのは、おそらくヨタカCaprimulgus indicus jotaka)の鳴き声♪のようです。 
(それともトレイルカメラの内部ノイズ?) 
関連記事(9年前の撮影)▶ ヨタカ♂(野鳥)の鳴き声♪と声紋解析 


シーン19:6/15・午前3:50(@13:35〜)
日付が変わった未明にフクロウが再び左の死角ギリギリに来ていました。 
やはりトレイルカメラに監視されるのを嫌って、死角で水浴したいようです。 
その対策として、後にトレイルカメラの設置場所をもう少し右にずらすことになります。 

ヨタカに代わって夜明け前から鳴き始めた美声の鳥は、おそらくクロツグミ♂(Turdus cardis)の囀りさえずりでしょう。 


シーン20:6/15・午後21:23(@14:35〜)
同じ日の晩に、クモ円網の背後でフクロウが水溜りに来ていました。 
水浴するでもなく、周囲を油断なく見回しているだけです。 


シーン21:6/15・午後21:25(@14:47〜)
泥水溜りの中洲に降り立ったフクロウが真上をしばらく見上げています。 


シーン22:6/15・午後22:15(@14:59〜) 
フクロウが水溜りの対岸に佇み、カメラ目線で警戒しています。 
やがてフワリと飛んで手前の中洲に移動しました。 


シーン23:6/15・午後22:14(@15:37〜) 
広角の監視映像に切り替えます。 
手前に張られたクモの垂直円網が夜風に揺れると、こしき周辺の横糸が張られていない部分を透かして、ときどき奥のフクロウがはっきり見えました。 


※ フクロウの羽ばたき音や鳥の鳴き声などが聞き取れるように、動画の一部で編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
この水場に最も頻繁に現れ、最も長居するのは夜行性のフクロウです。 
しかし、フクロウが行水する時間そのものは短いのです。 
水を飲んだり浴びたりしないで佇んでいる時間は、一体何をしているのでしょうか? 

水溜りでのんびり足浴しているだけでも、ひんやり涼しくて気持ちよいのかもしれません。 

なかなか入水しないで警戒しているのは、トレイルカメラの存在が気になるのか、それとも周囲の草むらに捕食者(肉食獣のテンなど)が潜んでいないかどうか警戒しているのでしょうか? 
水浴中のフクロウは無防備になりますから、周囲に捕食者が潜んでいないことを確認するのは当然です。 

水溜りの中で蠢くオタマジャクシ(アズマヒキガエルの幼生)の群れをフクロウは興味津々で眺めているのかな? 
それにしては、フクロウはこの水溜りでオタマジャクシを狩って捕食しようとはしません。 
本格的な水浴をする前にフクロウは顔を水面に浸けて素早く左右に振ります。 
私はこれを洗顔行動だと思っているのですが、もし水中のオタマジャクシを狙っているのだとしたら話は変わっています。 
しかしオタマジャクシを狩るのなら、嘴ですばやく突き刺さしたり、足の鉤爪で獲物を捕らえるような動きをするはずです。 

水場に来る野ネズミなどの野生動物を狙って待ち伏せしているのでしょうか? 
それならホオノキの樹上から音も立てずに襲いかかる方が狩りの成功率は高いような気がします。 
地上の水溜りで待ち伏せしていても、獲物に気づかれる可能性は高いですし、地上から一旦飛び上がって獲物に襲いかかるとタイムロスがあって獲物に逃げられそうです。 

フクロウが浅い水溜まりの中を歩き回ったり足で掘ったりしているのは、少しでも深い地点を探して水浴するためだと思っていました。 
オタマジャクシやカエルの捕食など、何か他の目的があるのでしょうか? 
例えばサギ類は、水底で足踏みして振動を与え、小魚などの獲物が驚いて隠れ家から出てきたところを捕食します。 


 つづく→

2025/07/04

スギ倒木の周囲で餌を探すカケスとカラ類【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年3月上旬〜中旬 

シーン0:3/3・午後13:22・晴れ(@0:00〜) 
たまたま明るい時間帯にフルカラーで撮れた現場の様子です。 
平地のスギ防風林に散乱する風倒木を自動センサーカメラで監視しています。 


シーン1:3/17・午前11:01(@0:03〜) 
今季は異常な暖冬で、残雪が完全に溶けていました。 
1羽のカケスGarrulus glandarius)が左奥のエリアでピョンピョン跳んで移動しながら餌を探しています。 


シーン2:3/3・午後13:22・晴れ(@0:28〜) 
別アングルでも監視カメラを設置しています。 
「根曲がり巣穴a」に出入りする野生動物を見張っているのですが、なかなか上手くいきません。 


シーン3:3/7・午前11:50・くもり(@0:32〜) 
シジュウカラParus minor minor)と思しき小鳥が上から下へ素早く飛び降りました。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイしても、わずか1コマしか写っていませんでした。 


シーン4:3/9・午前10:59・くもり(@0:38〜) 
コガラPoecile montanus)らしき小鳥が上からに斜め下に素早く飛び降りました。 
コマ送りで再生しても、1コマしか写っていません。 

しばらくすると、もう1羽の地味な小鳥が同じルートで飛び降りました。 
ミソサザイTroglodytes troglodytes)かな? 


シーン5:3/17・午後13:20・晴れ(@0:57〜) 
奥の林内や水平倒木の奥でカラ類?が餌を探しています。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


この地点に設置したトレイルカメラによる動画は以上で終わりです。 
スギ風倒木の根元に掘られた巣穴で越冬する野生動物の正体を突き止めたかったのですけど、トレイルカメラの反応速度が遅いなど色々と技術的に撮影が難しかったです。 
それでも予想外の副産物が色々と撮れたので満足です。

2025/06/30

田植え前の水入れした田んぼで虫やミミズを捕食するハクセキレイ♀(野鳥)

 

2024年5月下旬・午前9:50頃・晴れ 

田植えの前に水を入れ始めたばかりの水田にハクセキレイ♀(Motacilla alba lugens)が来ていました。 
水田の中央部ではなく、雑草の生い茂る農道に近い端で採餌しています。 
巨大な水溜り(氾濫原)と化した浅い水田の中を歩き回り、ときどき水面を嘴でつついています。 

水面を逃げる水生昆虫を走って追いかけて捕食しているようです。 
溺れている細長いミミズを摘み上げて次々と捕食しました。 
食べる前にミミズを咥えて水面に何度も叩きつけているのは、水洗いして泥汚れを落としているのでしょうか。 
獲物を持ち帰って雛や幼鳥に給餌するのではなく、その場ですべて食べました。 

ハクセキレイ♀はときどき飛び上がって、田んぼの上空を低く飛んでいる昆虫を空中でフライングキャッチすることもあったのですが、そのシーンは撮れていません。 


関連記事(3、5、6年前の撮影)▶  

2025/06/28

山林の泥水溜まりで餌を探すクロツグミ?【野鳥:トレイルカメラ】

 


2024年6月上旬〜中旬

シーン0:6/7・午後13:14・くもり(@0:00〜) 
シーン0:6/7・午後13:40・くもり(@0:03〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山林の中にある湿地帯で、野生動物や野鳥が来る水場となっている泥水溜りを2台の自動撮影カメラ(旧機種)で見張っています。 
水溜りを近くから狙うカメラは、フクロウを重点的に撮影するために、夜間のみ(薄明薄暮を含む)監視するようにタイマー設定しました。 


シーン1:6/8・午後12:35(@0:07〜) 
昼下がりに謎の鳥が左上のホオノキ樹上から飛来して、泥水溜まりの対岸に着陸しました。 
遠い上にカラーで撮れなかった(旧機種のトレイルカメラに特有の症状)ので、鳥の種類を見分けられません。 
常連の鳥だとすると、クロツグミTurdus cardis)かもしれません。 
泥水溜りで水を飲んだり浴びたりすることもないので、獲物を捕りに来たようです。 

1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@0:20〜) 
水溜りの中央部ではなく岸辺付近をクロツグミ?が歩き回っていました。 


シーン2:6/16・午後18:20・(@0:33〜)日の入り時刻は午後19:07。 
夕方に、地味な鳥が浅い泥水溜りの中洲に来ていました。 
クロツグミ♀かな?と思うものの、自信がありません。 

水際に走り寄ると、素早く嘴を水面に突っ込みました。 
アズマヒキガエルBufo japonicus formosus)のオタマジャクシを狙って逃げられたのでしょうか? 
水溜りの中には入らず、岸の泥濘をピョンピョン跳んで(ホッピング)、左の死角に移動してしまいました。 

1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@0:53〜) 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

2025/06/25

果樹園で狩りを試みるも失敗続きのノスリ(野鳥)

 

2024年5月下旬・午後16:00頃・晴れ 

リンゴを栽培している山麓の果樹園の手前が原っぱ(草地)になっています。 
その原っぱに立つ電柱の天辺にノスリButeo japonicus)が止まっていました。 
奥のリンゴ園では農夫が果樹の剪定作業をしていたのですが、ノスリもヒトもお互い気にしていません。 

ノスリの顔の周囲で小さな黒い虫がまとわりつくように飛び回っているのは、眼球の水分に誘引されたメマトイのようです。 
ノスリは嫌がって顔を激しく振り、しつこいメマトイを追い払おうとしています。 

急にノスリが手前に向かって飛び立ちました。 
(手前の車道をちょうど車が通り過ぎたタイミングで飛び立ちました。) 
てっきりカメラで撮影する私に対して威嚇しに来たのかと思いきや、原っぱをかすめるように一瞬だけ舞い降りて、そのまま右に飛び続けました。

ノスリの行方を一瞬見失ったのですが、近くに立つ物置小屋のトタン屋根の端に止まり直していました。 
どうやら原っぱで獲物を狩るのに失敗したようです。 
ノスリは新しい止まり場から体をねじって原っぱを見下ろし、獲物を待ち伏せしています。 
しばらくすると、ようやくトタン屋根の上でしっかり左に向き直り、眼光鋭く原っぱを見つめています。 
よほど魅力的な(気になる)獲物が原っぱに隠れているのでしょう。 

しばらくすると、遂にノスリは左下の原っぱに再び飛び降りました。 
こんな至近距離で狩りが見れるなんて千載一遇のチャンスです。 
興奮を抑えつつ流し撮りしたのに、こんなときに限って手前の車道を車が連続して通り過ぎるので、狩りの決定的瞬間をしっかり撮れませんでした。 
撮影を邪魔された私は思わず舌打ちしそうになりましたが、もしかすると車が通過する度に驚いた獲物が原っぱで逃げ出し、それをノスリが待ち伏せしていたのかもしれません。 
あるいは逆に、ノスリに狙われていることを知った獲物が草むらに隠れつつノスリとの我慢比べになっていたのかもしれません(下手に動いたら殺られる)。
つまり、車が通りかかった瞬間にノスリが気を取られて集中力が削がれ、その隙を逃さずに獲物が全力で逃げ出したのかもしれません。

原っぱに着地したノスリは、脚の脛を覆う羽毛が厚く、脚がとても太く見えます。 
どうやら今回も獲物を捕り損ねたようで、ノスリは足元を凝視しています。 

諦めたノスリは右奥へ羽ばたきながら低空で飛び去りました。 
このとき鉤爪に獲物は掴んでいませんでした。 
元の止まり場(物置小屋の屋根や電柱)には戻らず、どこかに飛び去ってしまいました。 
飛び去る際に、奥のリンゴ園の手前に張り巡らされた電気柵にノスリが突っ込むのではないかとヒヤヒヤしたのですが、無事に回避して感電事故を免れました。 
(この時期はまだ電気柵に通電していないかもしれません。)

高所で待ち伏せするノスリが獲物に襲いかかる瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:17〜) 
これほど至近距離から襲撃シーンを撮れて感動しました。 

二回連続で狩りに失敗したということは、経験の浅い幼鳥・若鳥なのでしょうか?
私はノスリで成鳥と幼鳥の見分け方を知らなかったのですが、この機会に調べてみました。
すると意外にも、この個体は成鳥でした。
虹彩が暗褐色で、蝋膜ろうまく(嘴の基部)が明瞭な黄色、羽衣のコントラストがしっかりしていることなどが根拠です。

【参考サイト】ノスリで妄想してみたこと・・・ by medaichiのブログ:大阪南港野鳥園ウェブサイト管理人室


原っぱでノスリが狙っていた獲物の正体が最後まで分かりませんでした。
野ネズミが昼間から活動していたのか、それともカエルや昆虫だったのかもしれません。

2025/06/23

山中の水溜りで夜な夜な水浴するフクロウ【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月上旬〜中旬

シーン0:6/7・午後13:14・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:6/7・午後13:40・晴れ(@0:04〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の様子です。 
山林で湧き水が年中溜まっている浅い水溜りを2台の自動撮影カメラで見張っています。 

フクロウStrix uralensis)が夜な夜な水場で水浴するシーンを以下にまとめました。 


シーン1:6/10・午前1:22(@0:07〜) 
深夜にフクロウが浅い水溜まりの中に足だけ浸かっていました。 
やがて、羽ばたきながらピョンと対岸に上陸しました。 
嘴で胸元の羽毛を整えています。 


シーン2:6/10・午前1:22(@1:07〜) 
広角で湿地帯を見張る別の監視カメラでも同時に撮れていました。
水溜りで足浴しながら、周囲をキョロキョロと見回しています。 
やがて手前の岸にピョンと上陸して、羽繕いを開始。 


シーン3:6/10・午前1:53(@2:07〜) 
フクロウが水溜まりに顔を浸けて左右に振っていました。 
洗顔の後は、中洲にピョンと上陸しました。 

やがて左端の水溜まりに入り直したのですが、左手前に聳え立つホオノキ大木の陰に隠れてしまいました。 
怪しいトレイルカメラの存在に気づいていて、隠し撮りされるのが嫌なのでしょうか? 


シーン4:6/10・午前1:54(@3:05〜) 
広角の別アングルで続きが撮れていました。 
フクロウが水溜りの中で翼を羽ばたいてバシャバシャと激しく水浴しています。 
左の岸に歩いて上陸しました。 


シーン5:6/10・午後22:13(@4:05〜) 
夜行性のフクロウは明るい昼間にはどこかで寝ていて、晩になると再び水場に現れました。 
左の死角の水溜まりで隠れるように水浴していました。 
ちらっと振り返ってカメラ目線になりました。 


シーン6:6/10・午後22:22(@5:05〜) 
広角のアングルに切り替えます。 
2台のトレイルカメラが同時に起動すると、照射される赤外線も2倍になり、遠くまで明るくしっかり見えます。 

警戒を解いたフクロウがおもむろに水溜りへ入ると、行水を始めました。 
泥水で顔を洗い、羽根にも水を跳ね上げています。 


シーン7:6/10・午後22:23(@6:05〜) 
中洲に立っていたフクロウが手前の水溜まりに入水し、身を浸しました。 
洗顔を繰り返しています。 
我々ヒトは手を使って顔を洗いますが、鳥であるフクロウは翼を使わず、水面に顔を浸して左右に激しく降るだけです。 


シーン8:6/10・午後22:25(@7:05〜) 
フクロウが引き続き、泥水溜まりで水浴しています。 
監視カメラの近くで本格的な水浴シーンをしっかり披露してくれました。 

中洲にピョンと跳んで戻ると、羽繕いなどはしないで周囲を警戒しています。 

やがて右上奥へ飛び立ちました。(@7:40〜) 
フクロウの羽根は飛翔時の静音性が抜群に優れているとの評判ですが、意外にも羽ばたく音がしっかり聞こえました。 
水で濡れたまま飛んだからでしょう。 


シーン9:6/11・午前3:27(@7:44〜) 
翌日の未明にフクロウがまた水場の岸辺に登場。 
水溜りに入って身を浸すと、今回は洗顔しただけでした。 

ときどき水中で足踏みしているのは、水底の泥を足で掘って深くしているのかな? 


シーン10:6/11・午前3:27(@8:44〜) 
広角の別アングルでも同時に撮れていました。 
水溜りで洗顔を洗っただけで、辺りを警戒しています。 


シーン11:6/11・午前3:30(@9:44〜) 
水溜まりの手前に佇むフクロウが振り返り、カメラ目線で見つめています。 
警戒を解くと入水して水浴開始。 
その動きに反応して、もう1台の監視カメラが起動しました。 


シーン12:6/11・午前3:31(@10:44〜) 
水溜まりで行水するフクロウの後ろ姿が写っていました。 
まず洗顔してから、ようやく本格的な水浴を始めました。 
水面で羽ばたくようにして、羽根に水をかけています。 

対岸に上陸すると、何度も顔を振って水気を切ります。 


シーン13:6/11・午後20:10(@11:44〜) 
同じ日の晩にフクロウが水場に再登場。 
浅い水溜りの中をジャバジャバと奥へ渡渉しています。 
周囲を警戒してから、ようやく水面に顔を付けて洗い始めました。 


シーン14:6/11・午後20:12(@12:44〜) 
引き続き、水浴しています。 
泥水溜りのやや深いところで身を屈め、水に浸っています。 
ようやく、本格的な水浴を始めました。 

すっきりしたフクロウは、対岸に飛び移ると、身震いしただけで羽繕いをしません。 


シーン15:6/11・午後20:36(@13:44〜) 
約25分後、フクロウがカメラ目線で水溜りの中に浸かっていました。 
足で水底を掘って深くすると、更に身を深く水に浸します。 

ところで、対岸の左で1組の小さな目が白く光っているのですが、この小動物の正体は何でしょう? 
野ネズミが天敵とニアミスして動けないのかもしれません。 
少しでも動いたら物音でフクロウに気づかれ、狩られる危険性があります。 
謎の小動物は瞬きもしないので、野ネズミではなくカエルかな? 


シーン16:6/11・午後20:38(@14:44〜) 
フクロウは右を向いて本格的な水浴行動を始めました。 
振り向いて中洲にピョンと飛び乗り、身震いしてから左上に飛び去りました。 
謎の小動物は至近距離でもフクロウに気づかれず、九死に一生を得ました。 


シーン17:6/12・午後21:11(@15:29〜) 
翌日も晩にフクロウが水溜まりの左端で水浴に来ていました。 

監視カメラを固定したホオノキの樹上に別個体のフクロウが着地したのか、コツン♪と鈍い物音がしました。 
水溜まりに浸っていたフクロウはすかさず樹上を見上げました。 

コウモリが飛来しても、フクロウは全く気にしていません。 


シーン18:6/12・午後21:12(@16:29〜) 
いつの間にかフクロウは水溜まりの中洲に上陸していました。 
バサバサと羽ばたくと、右上へ飛び去りました。 

しばらくすると、フクロウが此岸の右に音もなくふわりと着陸しました。(@16:45〜) 
フクロウが水場に飛来する瞬間を初めて撮れました。 
同一個体が戻ってきたとは考えにくいので、順番待ちしていたつがいのパートナーが飛来したのでしょうか? 
観察歴の浅い私には、フクロウの個体識別が出来ません。 


シーン19:6/12・午後21:33(@16:50〜) 
画面左端の死角(手前のホオノキ幹の陰)でフクロウが水浴を始めたようです。 
身震いすると対岸にピョンと上陸して、再び身を震わせ羽根の水気を切ります。 


シーン20:6/12・午後22:24(@17:50〜) 
左端の死角に隠れてフクロウが水浴びしています。 


シーン21:6/14・午後19:53(@18:02〜) 
2日後に晩に、水浴を済ませてから対岸に上陸したフクロウの後ろ姿が写っていました。 
水浴後に珍しく羽繕いをしています。 
足の鉤爪で顎の下を器用に掻いたり、身震いしたりしています。 


シーン22:6/14・午後20:10(@19:02〜) 
中洲に降り立ったフクロウが、振り返って監視カメラを凝視。 
左死角の水溜まりに入水すると、行水を開始。 
対岸に上陸したところで録画終了。 



※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 水浴の水音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】
フクロウがこれほど頻繁に水浴するとは知りませんでした。
雛にせっせと獲物を運んでいる時期ですから、狩りをする度に獲物の血を洗い流すのでしょうか?
この水場は浅い泥水でしかも止水ですから、我々の感覚では体の汚れが落ちるとは思えないのですけど、フクロウは繰り返し水浴に通ってきます。

フクロウの個体識別ができていないので、同一個体が何度も通っているのか、♀♂つがいが交互に水浴しているのか分かりません。
2羽のフクロウが同時に水浴することはありませんでした。




【アフィリエイト】

2025/06/22

タヌキの溜め糞場がある林道にクロツグミ♂が登場【野鳥:トレイルカメラ】

 

2024年6月上旬・午後16:35頃 

里山の林道にホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が残した溜め糞場ltrを自動撮影カメラで見張っていると、夕方に真っ黒な鳥が来ていました。 
この地点でクロツグミ♂(Turdus cardis)が写ったのは初めてです。 

溜め糞に集まる糞虫などを捕食するかと期待したのですが、ホッピングで右へ遠ざかってしまいました。 



※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

2025/06/19

山林の水溜りに佇み周囲を警戒するフクロウ【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月上旬 

シーン0:6/4・午後13:38・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山林内に広がる湿地帯や湧き水が溜まった泥水溜りを自動撮影カメラで見張っています。 
左右の水溜りを同時に監視してみたいという目論見で、広角で湿地帯を狙うように設置しました。 


シーン1:6/6・午後19:44(@0:04〜) 
晩に監視カメラが起動すると、レンズの至近距離にザトウムシの一種が覆いかぶさるように居座っていて、極細の長い歩脚が目障りです。 
トレイルカメラのお邪魔虫(ザトウムシ)問題については後々も悩まされ、対策を色々と試行錯誤することになります。 

また、画面の右上にはスギの枝葉が垂れ下がっていて、トレイルカメラの赤外線を眩しく反射しています。 
(杉の葉がギラギラと眩し過ぎすと肝心の被写体が見えにくくなるので、画面の右上部分を切り取りました。) 

よく見ると、奥の水溜まりにフクロウStrix uralensis)が来ていました。 
周囲をキョロキョロと見回す目が白く爛々と光っています。 
ときどきカメラ目線で警戒し、水浴行動をしてくれませんでした。
トレイルカメラの存在が気に入らないのでしょうか?
1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@1:06〜) 

その上空をコウモリが飛び回っています。 



2025/06/17

山道で何者かに威嚇のディスプレイを繰り返すヤマドリ♂【野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年6月上旬・午前7:30・晴れ 

ホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が通う溜め糞場ltrがある山道を自動センサーカメラで見張っていると、ある朝にヤマドリ♂(亜種キタヤマドリ:Syrmaticus soemmerringii scintillans)がいきなりドラミングを披露していました。 
林道の中央を通って左から来たと思われる♂個体が、溜め糞ltrの手前で立ち止まると、鳩胸のように羽毛を膨らませ、大きく広げた翼をその場で激しく羽ばたいて、ドドドド♪と勇ましい音を立てました。 
キジ♂の母衣ほろ打ちとは異なり、ドラミングしながら鳴くことはありませんでした。 

林道を右へゆっくり歩き始めたものの、立ち止まって小声でクゥー♪と鳴きました。(@0:33〜) 
再び翼を大きく広げましたが、今度は羽ばたきませんでした。 
おそらく何者かと対峙していて、威嚇のために体を大きく見せているのでしょう。 
おそらくライバルのヤマドリ♂と縄張り争いをしているのではないかと想像したのですが、もしかすると相手は野生動物かもしれません。 

最後にヤマドリは右へ立ち去りました。 
この間、少し遠くでカケスやカラスがずっと鳴いているようです。 
やはり、何か野生動物が朝から山道を登ってきていて、それに気づいた野鳥が一斉に警戒しているのかもしれません。

1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:04〜) 
警戒心の強いヤマドリのドラミング行動は初見で、とても嬉しい収穫でした。 
私がこの山道を右から登ってきて、左へ更に進んでいくと、毎回のようにヤマドリ♂のドラミングを聞きますが、すぐに逃げてしまうので姿を目撃したことはほとんどありません。

今回ヤマドリ♂が対峙した相手の正体が監視カメラに写らなかったのが心残りです。 
トレイルカメラもちょっとは気を利かせて右を向いてくれよ!と無茶な要求をしたくなります。 

(ヤマドリは)鳴くことはまれだが、繁殖期になると雄は翼を激しく羽ばたかせ、非常に大きな音を出す(ドラミング、母衣〈ほろ〉打ち)ことで縄張りを宣言するとともに、雌の気を引く[12]。また、ドラミング(ほろ打ち)の多くは近づくものに対する威嚇であるともされる[4]。(wikipediaより引用)



※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→


【アフィリエイト】 

2025/06/16

水浴中のフクロウが近くに現れたニホンノウサギ2羽を狩らずに見逃す【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】





2024年6月上旬 

シーン0:6/7・午後13:14・くもり(@0:00〜) 
シーン0:6/7・午後13:40・くもり(@0:04〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林内にある泥水溜りを2台の自動センサーカメラで見張っています。 
水溜りは浅いのですが、湧き水で一年中涸れることはありません。 
ジメジメとした湿地帯の全景を広角で撮ると、左側にあるメインの水溜りの他に、右にも少し小さな水溜りがあります(画面の右端に見切れています)。 
ここは野鳥や野生動物が通ってくる水場となっているようです。 


シーン1:6/10・午前1:49(@0:08〜) 
深夜に、左手前の泥水溜りにフクロウStrix uralensis)が水浴びに来ています。 
右上奥の草むらを野生動物の白く光る眼が手前に移動してきました。 
奥を左右に通っている林道から緩斜面を下って湿地帯に出てきたようです。 
ピョンピョン跳躍する動きから、ニホンノウサギLepus brachyurus angustidens)のようです。 



フクロウは暗闇でも獲物の接近に気づいていて、そちらを凝視しました。 
絶好のチャンスなのに、なぜかノウサギに襲いかかることはありませんでした。 
水溜りにただ佇み、周囲をキョロキョロと見回しています。 


シーン2:6/10・午前1:51(@0:30〜) 
タイムスタンプが少しずれていますが、別アングルの監視カメラでも同時に撮れていました。 
フクロウが浅い泥水溜りに入っていて、後ろ向きで足浴していました。 
対岸の奥の草むらでノウサギの白く光る眼が動いています。 
フクロウは獲物の存在に気づいていて、そちらを見つめています。 
果たして待ち伏せ猟をするでしょうか? 

 しばらくすると、左奥の草むらから別個体のノウサギが現れ、右へと横切りました。(@0:52〜) 
先行する個体を追いかけてきたようです。
先行個体が右へ逃げ出したものの、求愛や縄張り争いのような激しい追いかけっこにはなりませんでした。 
ノウサギの♀♂ペアが一緒に水を飲みに来たのかな? 
しかしノウサギは乱婚型で、♂は交尾した後に子育てに協力したり♀と一緒に暮らしたりすることはないはずです。 

2羽のノウサギを見送ったフクロウは、手前の岸辺からピョンと入水し、右上奥の草むらを油断なく凝視しています。 
フクロウが水場に来る獲物(野ネズミやノウサギなど)を待ち伏せして狩るつもりなら、近くの樹上など高所に隠れるはずです。 
地上に降りてしまうと、獲物を見つけても一旦飛び上がってから襲いかかる必要があり、タイムロスになりそうです(獲物に逃げられてしまう可能性が高い)。


シーン3:6/10・午前1:51(@1:34〜) 
広角で湿地帯を見張る別の監視カメラでも撮れていました。 
トレイルカメラ2台が同時に起動したことで、赤外線の光量も2倍になり、広い範囲を充分明るく照らしてくれました。 

ノウサギが右上奥の林道から手前の湿地帯に向かって緩斜面をゆっくり降りてきました。 
その動きを画面中央のフクロウが凝視しています。 
このアングルで見ると、フクロウからノウサギまで結構離れていることが分かります。 
ノウサギに襲いかかっても逃げられそうだとフクロウは冷静に判断して、狩りを行わなかっただけかもしれません。 
水浴に来ていたフクロウは羽根が濡れていて体が少し重く羽根の静音性も低下していますから、狩りを成功させる自信がなかったのかもしれません。 
しばらくすると、フクロウは右へピョンと飛んで水溜りの中に入りました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】
獲物を狩る絶好のチャンスだったのに、フクロウがノウサギを襲わなかったのが意外でした。 
たまたま満腹だから獲物を見逃したのかと思ったのですが、この時期(6月上旬)は育雛後期ですから、フクロウの親鳥はたとえ自分が満腹でも、獲物を狩って雛や幼鳥に給餌するはずです。
もしもこのフクロウが巣立ったばかりの幼鳥だとしたら、狩りの能力が未熟なのでノウサギとニアミスしても襲撃をためらったのは理解できます。 

私はフクロウの観察歴がまだ浅くて、成鳥と幼鳥を自信を持って見分けられません。
しかし、この時期(6月上旬)だと巣立ったばかりの幼鳥はフワフワの幼綿羽があるはずです。
トレイルカメラの暗視映像に写った個体は、ふわふわしてないので素人目には成鳥に見えます。

この水溜りにはアズマヒキガエルの幼生と思われるオタマジャクシが泳いでいます。
夜行性のフクロウは水溜りで長居しても、昼行性のクロツグミとは違って、オタマジャクシを狩りませんでした。
フクロウは興味津々で水中のオタマジャクシを観察しているだけかもしれません。

逆に、ノウサギはフクロウの存在に気づいていたのでしょうか? 
ノウサギも夜行性で、瞳にはタペータムが発達していますから、暗い夜でも目が見えるはずです。
ノウサギは長い耳が発達して聴覚は非常に優れていますが、このときフクロウはバシャバシャと音を立てて水浴中ではありませんでした。
ノウサギが天敵であるフクロウに気づいて、水場を回避したのかどうかが、映像ではよく分かりません。
ノウサギ同士の遭遇(追跡?)に気を取られて、水場で静かに佇んでいたフクロウに気づかなかったのかもしれません。




動画の解釈について、いつものようにPerplexity AIとブレインストーミングした後で、簡潔なレポートにまとめてもらいました。
注意点として、AIは動画そのものを見て行動を独自に解釈している訳ではありません。
あくまでも私が解釈した文字情報に対して、推論回答しているだけです。



トレイルカメラによる水場でのフクロウとノウサギのニアミス観察とその解釈


1. 観察の概要

  • 2024年6月上旬、山形県の山林内湿地帯(水場)に設置したトレイルカメラで深夜の動物行動を記録。

  • 水場にフクロウ(Strix uralensis)が静かに佇み、周囲を見回している様子が撮影された。

  • その直後、2羽のニホンノウサギ(Lepus brachyurus)が続けて水場を横切ったが、フクロウは凝視するだけで狩りのアクションを起こさなかった。


2. 行動の生態学的解釈

フクロウの行動

  • フクロウは主にネズミ類や小型哺乳類を捕食するが、ノウサギも捕食対象となり得る57

  • 通常、待ち伏せ型の狩りを行う際は樹上など高所から獲物を狙うことが多く、地上で静止している場合は狩り以外の目的(警戒、観察、水分補給など)の可能性が高い9

  • 水場に長居していたが、オタマジャクシなど水生小動物を狩る様子は記録されず、興味本位で観察していたと考えられる。

ノウサギの行動

  • ノウサギは夜行性で、行動範囲は寝床から半径約400mとされる3

  • 繁殖期(2~7月)にはオス同士やオス・メス間で激しい追いかけっこが見られることがあるが、今回の映像では穏やかな動きであり、繁殖行動以外の単なる移動や採食、親子・同性個体の可能性も考えられる。

  • ノウサギはタペータムの発達した目を持ち、夜間でも周囲の動物を認識できるが、フクロウが静止していたため気づかなかった、もしくは警戒しつつも水場を利用した可能性がある139


3. 幼鳥・成鳥の識別と繁殖期のタイミング

  • 6月上旬はフクロウの育雛期~巣立ち直後の時期であり、観察された個体が幼鳥である可能性もある10

  • 幼鳥は巣立ち直後は綿羽が残るが、換羽の進行や暗視映像の解像度によっては判別が難しい。綿羽が見えなくても幼鳥の可能性は排除できない。

  • 巣立ったばかりの幼鳥は通常樹上で親の給餌を待つが、行動範囲が広がる過程で水場に現れることもまれにある。


4. 狩りが起こらなかった理由の考察

  • フクロウが満腹だった、あるいは幼鳥で狩り経験が浅かった可能性。

  • ノウサギが成体であれば、フクロウにとってリスクや負担が大きく、狩りの対象に選ばなかった可能性。

  • 水場での静止は狩りのための待ち伏せではなく、警戒・観察・水分補給など他の目的だった可能性が高い。

  • ノウサギもフクロウの存在に気づいていたかもしれないが、警戒しつつも水場を利用した、あるいはフクロウが静止していたため危険と認識しなかった可能性がある。


5. まとめ

  • トレイルカメラ映像から、夜間の水場でフクロウとノウサギがニアミスしても、必ずしも狩りが発生するとは限らない。

  • 両種の行動には、繁殖期のタイミング・個体の年齢・行動目的・警戒心など様々な要素が複雑に絡んでいる。

  • 今回の観察は、野生動物の多様な行動戦略と、単純な「捕食―被食関係」だけでは説明できない現場のリアルな生態を示している910

  1. https://www.jstage.jst.go.jp/article/mammalianscience/12/1/12_1_1_11/_pdf
  2. https://note.com/p_c_m22/n/nbcca18728e01
  3. http://sancyokohama.sakura.ne.jp/houkoku/19/YNSchousahoukoku19_1.pdf
  4. https://company.jr-central.co.jp/chuoshinkansen/assessment/prestatement/yamanashi/_pdf/yamanashiy08-04-03.pdf
  5. https://www.pref.mie.lg.jp/common/content/001021259.pdf
  6. https://www.pref.nagano.lg.jp/kankyo/kurashi/kankyo/ekyohyoka/hyoka/tetsuzukichu/gomishori/documents/10doubutsu.pdf
  7. https://www.town.minakami.gunma.jp/minakamibr/nature/pdf/nature07.pdf
  8. https://www.jstage.jst.go.jp/article/mammalianscience/12/1/12_1_1_11/_pdf/-char/ja
  9. interests.animal_behavior
  10. interests.bird_biology
 


2025/06/14

水場付近の湿地で薄明薄暮に餌を探し歩くクロツグミ♂【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年5月下旬〜6月上旬

シーン0:5/24・午後12:40・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林で湧き水が溜まった浅い水場を自動撮影カメラで見張っています。 

真っ黒なクロツグミ♂(Turdus cardis)の探餌活動を以下にまとめます。 


シーン1:5/27・午前4:14(@0:07〜)日の出時刻は午前4:17。 
夜明け直前でまだ真っ暗なのに、早起きのクロツグミ♂が採餌活動を始めました。 
ピョンピョン跳んで泥濘をうろつき、餌を探しています。 
朝一番に水浴するかと期待したのですが、そのまま奥の湿地帯へとどんどん遠ざかります。 


シーン2:5/30・午前4:25(@0:48〜)日の出時刻は午前4:16。 
3日後は日の出直後にクロツグミ♂が登場しました。 
右へホッピングして立ち去る途中で、泥濘を啄みました。 


シーン3:5/30・午前18:07(@0:57〜) 
同じ日の夕方にもクロツグミ♂が現れました。 
今度は右奥から左へとピョンピョン跳んで(ホッピング)、湿地帯の草地を移動します。 


シーン4:5/30・午前18:53(@1:07〜)日の入り時刻は午後18:58。 
日没直前にもクロツグミ♂が再登場。 
ホッピングで左へ移動しながら、泥濘を啄んでいます。 


シーン5:6/1・午後18:25(@2:09〜) 
2日後も夕方にクロツグミ♂が餌を探しに来ました。 
水溜りの水際の泥濘を嘴でつつきました。 
少し飛んで水溜まりの対岸へ移動しました。 


シーン6:6/1・午後18:45(@3:11〜)日の入り時刻は午後18:59。 
20分後の日没前に、クロツグミ♂がまた同じ地点に現れました。 
さっきとほぼ同じルートで水場を巡回し、餌を探し歩きます。 


シーン7:6/2・午後18:24(@4:05〜) 
水場に来ていたクロツグミ♂が、手前の泥濘から右に飛び去りました。 

監視カメラのレンズがやや曇っています。 
水溜りの水面に波紋が広がっているので、雨がポツポツ降っているようです。 


シーン8:6/2・午後18:40(@4:12〜)日の入り時刻は午後19:00。 
約15分後の日没前にクロツグミ♂が水場にまた戻って来ました。 
水溜まりをチェックしてから、ホッピングで手前へ移動します。 


シーン9:6/3・午前5:19(@4:39〜)日の出時刻は午前4:14。 
翌日も早朝からクロツグミ♂が手前の泥濘に来ていました。 
両足を揃えたホッピングで右へ向かい、戻ってくると、奥の水溜まりの方へピョンピョン跳んで行きました。 


シーン10:6/3・午前5:25(@4:57〜) 
6分後にクロツグミ♂が左奥の湿地帯で草むらを横切り、餌を探しています。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。


【考察】
クロツグミ♂はなぜか薄明薄暮の時間帯にしか水場(湿地帯)で餌を探しに来ません。
育雛期の日中は、雛に給餌するために♂は休みなく餌を探しているはずですが、他の時間帯にはどこか別の餌場に行っているのでしょうか?
この水場は里山の山腹にあるので、公式な(天文学的な)日の入り時刻よりもずっと早く、太陽は山の陰に沈み、暗くなります。 
赤外線の暗視動画で薄明薄暮の探餌行動がしっかり撮れました。
旧機種のトレイルカメラは、暗視動画の方が、自然光よりもしっかり撮れるので助かります。  



2025/06/12

水入れが始まったばかりの田んぼで溺れるミミズを次々に捕食するハシボソガラス(野鳥)

 

2024年5月中旬・午後15:00頃・晴れ 

冬に水を抜いていた田んぼで、今年も田植えに備えて水入れと代掻きが始まりました。
灌漑用水を入れ始めたばかりの田んぼで1羽のハシボソガラスCorvus corone)が歩き回っています。 

やがて、泥の中から太いミミズを嘴で咥えて引っ張り出しました。 
右足でミミズを押さえつけながら嘴で引っ張り、千切ろうとしています。 
食べる前にミミズ体表のぬめりを取り除こうとしているのか、腸内の泥を取り除こうとしているのかな? 
結局、その場でミミズを捕食しました。 
ハシボソガラスは首を左右に素早く振って嘴の水気を切ると、再び次の餌を探し歩きます。 

すぐにまた別のミミズを発見しました。 
水に溺れたミミズは無抵抗でぐったりしていて、暴れません。 
カラスは足でミミズを押さえつけながら捕食しました。 

きれいに均された畦道にピョンと飛び乗ると、ハシボソガラスは濡れた嘴を足元の地面で拭いました。 
身震いしてから、隣の水入れ前の田んぼに移動してしまいました。 
じっと見ている私を警戒して、距離を取ったのかもしれません。 

水没した田んぼで溺れているミミズを探してハシボソガラスが次々と捕食していることが分かりました。 
水田は毎年、灌漑用水によって撹乱を受けるので、氾濫原と同じです。 



雪解けした畑では土壌が水浸しになってミミズが溺れそうになり、地上に避難してきたところを捕食者に狙われるのでしょう。


2025/06/08

夕暮れの水場で縄張り争いするクロツグミ♀♂【野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年5月下旬 

シーン0:5/24・午前後・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林で湧き水が溜まった水場を自動撮影カメラで見張っています。 


シーン1:5/29・午後18:37・日の入り時刻は午後18:57(@0:04〜) 
日没直前の薄暗い水溜りに1羽のクロツグミTurdus cardis)が来ていました。 
旧機種のぽんこつトレイルカメラでは羽根の色が分からないのですが、背側が真っ黒ではないので♀(または幼鳥?)のようです。 
ホッピングでぴょんぴょん移動しながら、岸辺の泥濘をあちこち啄んでいます。 

左から低空で♂が飛来して、幼鳥を追い払いました。 
先住者効果はなかったことになります。 
喧嘩中は激しく鳴いていた♪ 
もしかすると喧嘩ではなく、巣立った幼鳥に親鳥が巣外給餌したのでしょうか? 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:49〜) 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

Perplexity AIと相談したブレインストーミングの結果をまとめてもらいました。 

トレイルカメラによるクロツグミ観察と行動解釈のまとめ

1. 観察状況の概要

  • 場所・時期:山形県の山林内水場(湿地帯)、5月下旬、日没直前の薄暗い時間帯

  • 観察内容:トレイルカメラにクロツグミ2羽が記録される

    • 1羽(♀または若鳥)が水場で採餌中、急に振り返り「キーキー」と鳴く

    • 直後に別個体(♂)が飛来し、2羽で対峙・飛び上がりながら回る行動

    • その後「チュチュン、チュンチュン」と鳴き方が変化し、♂が飛び去る

    • 初めの個体もその場を離れ、周囲は静かになった


2. 行動の解釈

■ 鳴き声の意味

  • 「キーキー」や「チュチュン、チュンチュン」といった鳴き声は、クロツグミが警戒・威嚇・緊張時に発する典型的な声

  • 幼鳥の餌乞い鳴き(「ピィーピィー」など甘えた声)や、翼を震わせる行動は観察されず

■ 縄張り争いの可能性

  • 2羽が対峙し、飛び上がりながら回る行動は縄張り争いや資源防衛の一環と考えられる

  • 特に水場や湿地はミミズやオタマジャクシなど餌資源が豊富なため、親鳥♂が強く防衛する傾向がある

  • 先住者効果(先にいた個体が有利)はあるが、後から来た個体(特に縄張り主や強い♂)が優勢になる場合も多い

■ 親子関係の可能性

  • 巣立ち直後の若鳥♂であれば、依存期には親鳥♂が給餌・保護するが、自立期に入ると縄張りから追い払う行動に切り替える

  • 今回は給餌行動や餌乞い鳴きが見られず、親子給餌の場面とは考えにくい

■ つがい外の♀への対応

  • クロツグミ♂は通常、つがい外の♀には攻撃的になりにくいが、資源防衛や繁殖段階によっては排除することもある


3. トレイルカメラ観察の意義

  • 薄暗い時間帯や人の目が届かない場所でも、自然な行動を記録できる

  • 鳥の行動や鳴き声の違いから、縄張り争い・資源防衛・親子関係など複数の可能性を検証できる

  • 鳴き声や行動パターンを総合的に判断することで、現場の生態的な状況をより深く理解できる


4. まとめ

  • 今回の観察は、クロツグミの繁殖期における縄張り争い・資源防衛行動の一例である可能性が高い

  • 鳴き声や行動の詳細な記録が、個体間関係や生態行動の解釈に非常に役立つ

  • トレイルカメラは、貴重なフィールドデータ収集手段として今後も有効




2025/06/07

溜め糞場に来て大小便と眼下腺マーキングするニホンカモシカの♀と幼獣【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年5月下旬

シーン0:5/21・午後12:49・晴れ・気温22℃(@0:00〜) 
明るい日中に撮れた現場の状況です。 
里山でスギと雑木の混交林に残されたニホンカモシカCapricornis crispus)の溜め糞場sr2を見張っています。 
基本的に画面の左から右へ向かって上り坂の斜面なのですが、溜め糞場sr2の付近はやや平坦な地形になっています。 
画面の左右および前後を通る獣道の交差点になっています。


シーン1:5/23・午後23:42・気温17℃(@0:04〜) 
獣道を左から来たカモシカが立ち止まって腰を深く落とし、長々と排尿を始めました。 
排尿姿勢から性別が♀と判明しました。 
♀の排尿姿勢をしっかり真横から撮れたのは、初めてかもしれません。 
(例外もあるらしいのですが、通常♂の排尿姿勢は、♀よりも浅く屈みます。) 
手前に生えた数本の細い灌木が邪魔で、尿道から出ている小便は残念ながら見えません。 
音量を上げても、小便の音は聞こえませんでした。 

カモシカ♀は右に数歩移動すると、方向転換してカメラに尻を向け、今度は排便を開始。 
排便姿勢は排尿姿勢ほど腰を深く落としませんでした。 
肛門から糞粒を連続して排泄しています。 
下痢便ではないのですが、水分も一緒に排泄しています。 

手前に生えた雑草(稚樹?)が邪魔で、下草を刈りたくなります。 
録画時間を2分に延長してもまだ短かく、途中で打ち切られてしまいました。 


シーン2:5/23・午後23:44(@1:04〜) 
監視カメラが次に起動したときには、溜め糞場sr2の奥に自生するエゾユズリハの群落で枝葉に顔を擦り付けていました。 
眼下腺の分泌液で匂い付けして縄張りを宣言しているのです。 
手前に張られたクモの糸が光って目障りですね。 

様々な行動レパートリーを一気に見せてくれたニホンカモシカ♀は、緩斜面を登りながら右へゆっくり歩き去りました。 


シーン3:5/27・午前1:41・気温14℃(@2:36〜) 
4日後の深夜に監視カメラが起動しました。 
直前のシーンと見比べると分かるのですが、画面中央の林床に黒々とした新しい溜め糞が増えていました。
どうやら、昼間にカモシカが排便に来たようです。 
残念ながら撮り損ねてしまいました。 
この時期は昼間に風が強く吹くために、トレイルカメラの誤作動が頻発します。 
無駄撮りを減らすために、夜間のみの監視にタイマー設定していたのが仇となりました。 

画面の下(手前)から獣道を通ってカモシカが登場しました。 
角が未発達なことから、幼獣のようです。 
立ち止まって林床に残された新鮮な溜め糞の匂いを嗅ぎました。 
そのままカメラに尻を向けたまま、排泄を開始。 
初めは肛門から水分を排出し、続いて糞粒を排泄しました。 

カモシカ幼獣は、そのまま奥へと立ち去りました。 
小便してくれないと、私には性別を見分けられません。 

シーン3では、真夜中なのにホトトギス♂(Cuculus poliocephalus)が鳴いていました。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

ホトトギス♂が繁殖期の山林で囀りさえずりを昼も夜も鳴き続けるのは、別に珍しいことではないのだそうです。 
縄張りを宣言し、ホトトギス♀にアピールしているのです。


【考察】
今回の動画で別々に登場したカモシカ♀と幼獣はおそらく親子でしょう。
母子で同じ溜め糞場sr2を共有しているという証拠映像が撮れました。


2025/06/04

山中の水溜りでヒキガエルの幼生を狩って雛に給餌するクロツグミ♀【野鳥:トレイルカメラ】



2024年5月下旬・午後18:35頃・日の入り時刻は午後18:55。

シーン0:5/24・午後12:40・晴れ(@0:00〜)
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。
山林で湧き水が溜まった水場を自動撮影カメラで見張っています。
浅い泥水の水溜りには、アズマヒキガエルBufo japonicus formosus)の幼生と思われる黒いオタマジャクシの群れが泳いでいます。
1.5倍に拡大した上でリプレイ。
翌年の春には、同じ水溜りではありませんが、そこから連続した湿地帯を流れる雪解け水の沢でアズマヒキガエルの配偶行動を観察しています。(映像公開予定)


シーン1:5/25・午後18:33(@0:18〜)
日没前でまだなんとか明るい時間帯に、クロツグミTurdus cardis)の♀♂ペアが互いに離れて水溜りの水を飲んでいました。

手前の茶色い♀個体が何か黒っぽい獲物を捕らえました!
水溜りでオタマジャクシを狩ったのかな?
獲物をその場では食べず、嘴に咥えたまま次の獲物を探しています。
したがって、近くの巣で待つ雛鳥に給餌するのでしょう。
左へ飛び去りました。

一方、奥に居た黒い♂個体は、水を飲み終えると、更に奥の湿地に移動して餌を探し歩いています。


シーン2:5/25・午後18:36(@1:20〜)
2分後にクロツグミ♀が単独で水場に戻って来ていました。
水溜りの岸の泥濘を繰り返しつついているのですけど、手前に生えたシダの葉が邪魔でよく見えません。
やがて嘴に何か黒っぽい獲物を咥えていました。
オタマジャクシなのかミミズなのか、獲物の正体がよく分かりません。
クロツグミ♀は、その場で脱糞した直後に黒い獲物を咥えたまま左上へと飛び立ちました。

クロツグミ♀による狩りのシーンを1.5倍に拡大した上で自動色調補正を施してリプレイ。(@1:54〜)
画質が粗いのは薄暗いせいなので、仕方がありません。



【考察】
山渓カラー名鑑『日本の野鳥』という図鑑を紐解いてクロツグミについて調べると、
つがいで縄張りを持ち、♂は木の梢で大きな声でさえずる。主に地上をはね歩きながら採餌する。数歩はねて立ちどまり、ゴミムシなどの昆虫やミミズを捕える。(p445より引用)
確かにクロツグミの♀♂つがいが見事に縄張りを防衛しているようで、昼間この水場には他種の鳥がやって来ません。
夜行性のフクロウとは同じ水場というニッチを時間的に分割・共有しています。


今回クロツグミ♀が山中の水溜りで狩った獲物がもしもミミズではなく、アズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)だとすると、重大な観察事例となります。
ヒキガエルのオタマジャクシには、ブフォトキシンという強力な心臓毒(強心配糖体)が含まれているからです。
親鳥が自分では食べずに雛鳥に給餌したので、雛は中毒死した可能性が高いです。
ヒキガエルの成体なら耳腺という特定の部位に毒腺が局在していますが、幼生の時期には皮膚全体に分布しているのだそうです。
親鳥がオタマジャクシのぬるぬるした皮膚をわざわざ全て剥いでから肉だけを雛に給餌したとは考えにくいです。
少量の餌なら致死量ではないかもしれませんが、体重の軽い雛鳥は毒への感受性が高いはずです。
クロツグミの雛鳥がヒキガエルのオタマジャクシを1匹摂取した場合、含有毒素量が致死量に達するかどうかは、雛の体重や種によって異なります。
致死に至らない場合でも、消化器症状(嘔吐、下痢)や神経症状(痙攣、運動失調)などが現れる可能性があります 。
ヒキガエルを獲物として常食している捕食者なら、ブフォトキシンへの耐性を獲得するように進化した可能性があります。

ヒキガエルの毒は苦味を伴うらしいのですが、そのような苦味による警告があるにも関わらず、オタマジャクシを捕食したということは、親鳥は過去にオタマジャクシの毒性を学習していない(ヒキガエルやオタマジャクシを味見した上で、その毒で痛い目に遭っていない)ことになります。


クロツグミの親鳥♀は数匹のオタマジャクシを水場で狩ってから、獲物をまとめて巣に持ち帰り、雛に給餌したようです。
このとき、最も激しく餌乞いした1匹の雛に全ての餌を与えるのか、それとも複数の雛に少しずつ餌を与えるのか、2つのシナリオが考えられます。 
後者なら、雛1羽当たりの毒の影響は少ないかもしれませんが、致死量を超えていれば巣内の雛が全滅した可能性もあります。

前回の記事で紹介したように、この時期(育雛期)クロツグミの親鳥は、水場付近でオタマジャクシの他にミミズも獲物として捕らえることがあり、巣に持ち帰っていました。
湿地帯の泥濘でミミズを探していた親鳥が、動きの似ている(身をくねらせて移動する)オタマジャクシを浅い水溜りで見つけて狩るようになったのでしょう。
ミミズには毒がないため、雛に対して毒性の希釈効果が期待できます。

もしも巣内の雛が死んだり体調を崩した場合、親鳥はオタマジャクシの毒のせいだと因果関係を正しく推論して、その後の給餌行動(獲物の選択)を変えることが果たしてできるでしょうか? 
自分で食べたのなら自身の体調の悪化と結びつけて学習することは容易ですけど、雛に給餌する場合は学習の成立は難しそうです。
ヒキガエルの幼生は黒一色で地味な体色をしており、派手な警告色を持たないため、視覚的に毒性を予測しにくくなっています。
これは、捕食者に対する隠蔽戦略を主とする進化的適応なのでしょう。
親鳥はたとえ因果関係を頭脳で正しく推論・学習できなくても、ヒキガエルのオタマジャクシを忌避するような行動がたまたま進化するかもしれません。
つまり、ヒキガエルの有毒なオタマジャクシを雛に給餌するような愚かな親鳥は繁殖に失敗し、子孫を残せません。
雛が毒によって自然淘汰される結果として、クロツグミの多くはヒキガエルのオタマジャクシを何らかの理由で忌避するように進化するはずです。






ChatGPTとの問答から、以上の考察を分かりやすいレポートにまとめてもらいました。

クロツグミとヒキガエル幼生に関する観察記録と考察レポート

1. 観察の概要

2024年5月下旬〜6月上旬、山形県の里山における水場に設置したトレイルカメラにより、クロツグミ(Turdus cardis)の成鳥が水溜まりで採餌している様子が複数回記録された。観察映像から、以下の行動が確認された:

  • クロツグミの雌雄ペアが黒色のオタマジャクシを捕獲し、巣に持ち帰る様子

  • ミミズなど他の餌も同時に採餌し、巣に持ち帰っている

特に注目すべきは、捕獲されたオタマジャクシがヒキガエル(Bufo japonicus, アズマヒキガエル)と推定される種であったことである。

2. ヒキガエル幼生の毒性と鳥類による捕食

ヒキガエル類は成体だけでなく、幼生(オタマジャクシ)の段階から心臓毒であるブフォトキシン(bufotoxin)を含むことで知られている。一般にこの毒素は魚類や一部の昆虫捕食者に対する忌避効果を持つとされるが、鳥類による捕食例も報告されている。

ヒキガエルの幼生は黒一色で地味な体色をしており、警告色(アポセマティズム)を持たないため、視覚的に毒を予測しにくい可能性がある。これは、捕食者に対する隠蔽戦略を主とする進化的適応と解釈できる。

3. クロツグミの給餌行動と雛への影響

今回の記録では、親鳥が複数のオタマジャクシを捕食・運搬しており、巣にいる雛に給餌したと考えられる。毒性のあるオタマジャクシを雛が摂取した場合、以下のような影響が懸念される:

  • ブフォトキシンは神経・心臓に作用する強い毒性を持ち、哺乳類や鳥類にも有害

  • 雛は成鳥に比べて体重が軽く、1匹でも中毒死するリスクがある

  • ただし、実際の給餌では、親鳥が複数の雛に分散して餌を与えることが多く、個体ごとの摂取量は限られる可能性がある

  • トレイルカメラの映像からは巣内の雛の生存状況や健康状態は不明

4. 因果関係の認知と学習可能性

親鳥が自らオタマジャクシを食べて中毒を経験すれば、忌避学習が成立する可能性は高い。しかし、給餌対象が雛であり、かつ雛が体調を崩したとしても、その原因を特定の餌と因果づけて推論することは難しい。これは多くの鳥類において制限されている認知能力の範囲と一致する。

とはいえ、種全体としては、毒を持つオタマジャクシの忌避行動が自然選択的に強化される可能性はある。すなわち、雛に毒を与えてしまう親鳥の子孫は減り、毒餌を避ける親の行動が有利に働く。

5. 警告色を持たない毒幼生の戦略的意味

アカハライモリのように腹部の赤色を見せる"unken reflex"を持つ両生類とは対照的に、ヒキガエル幼生は視覚的警告を欠く。これは、警告色の進化には色素細胞の前適応や環境要因が必要であること、また水中での視覚信号の有効性が限定的であることが理由と考えられる。

6. 結論と今後の展望

今回の事例は、毒性のあるヒキガエル幼生がクロツグミに捕食され、給餌対象として利用されるという興味深い生態的相互作用を示している。親鳥および雛への毒の影響は、摂取量や個体差によって異なると考えられるが、今後さらなる観察や給餌後の巣の状況(生存率など)を追跡することで、鳥類と毒動物の相互作用についてより深い理解が得られるだろう。


素人があれこれと妄想してきましたが、実はその後、クロツグミ♀♂つがいの雛は、幼鳥として無事に巣立ったようです。(映像公開予定)
つまり親から毒餌を与えられても、雛の巣立ち数に影響はありませんでした。
たまたま急性毒性が少ないオタマジャクシだったのか、あるいはクロツグミの雛にブフォトキシンへの耐性があったのかもしれません。


【追記】
別の水場(池)でアカショウビンがアズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)を繰り返し捕食していたのを思い出しました。
一部の鳥はブフォトキシンに耐性があるのか、あるいは当地のヒキガエル幼生は毒性が弱いのかもしれません。




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