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2025/01/14

路上に落ちた草の実を食べ歩くキジバト(野鳥)

 

2023年10月上旬・午後12:40頃・晴れ 

郊外の農村部でキジバトStreptopelia orientalis)が単独で路上採食していました。 
アスファルトで舗装された路上を歩きながら、あちこち啄んでいます。 
キジバトは種子食性ですから、路上に散乱した草の実(種子)を丹念に1粒ずつ拾い食いしているのでしょう。 
ハト類は種子捕食者(植物にとっては天敵)ですが、舗装路に落ちた草の実はどうせ乾燥して発芽できずに死んでしまうはずです。 
ちなみに、キジバトの歩行はホッピングではなくウォーキングです。 

黒い甲虫?(種名不詳)が右から左へ車道を横断して近くを通り過ぎたのに、キジバトは見過ごして捕食しませんでした。
(@0:42〜)

道の両側には雑草が生い茂っています。 
キジバトは道端で重点的に採食し始めました。 
やはり、道端の雑草からこぼれ落ちる草の種を食べているようです。 
まるで落ち穂拾いのようです。 

映像をよく見ると、道端の原っぱには黄金色の穂をつけたキンエノコロとピンク色の実をつけたイヌタデの群落がなんとか見分けられました。 

興味深いことに、キジバトはキンエノコロやイヌタデなどの穂を直接啄んで実を食べることは一度もありませんでした。 
穂に残っている実は未熟で栄養価も低いのでしょう。 
また、鳥が穂をつついても揺れて上手く採食できないはずです。
キジバトは草を足で倒伏させて押さえつける採食法を知らないのかな?


キジバトが路上に留まり、草地に入って採食しない理由も考えてみました。 
土の地面よりも舗装路の方が落ちた草の実を見つけやすいのかもしれません。 
また、見通しの良い路上で採食した方が安全です。 
雑草がぼうぼうに生い茂る原っぱで採食すると、ネコなどの捕食者(天敵)が潜んでいる可能性があるからです。 
仲間と一緒に群れで採食していれば、警戒行動も分担することができますが、今回のキジバトは単独行動でした。

本当は動画を撮影した直後に現場検証して、キジバトの採食メニューとなる道端の雑草や路上に散乱する草の実を全てしっかり同定すべきでした。
実はこのとき私は、奥に居たニホンザルの群れも同時に観察していました。 
猿たちと私の間にキジバトが居たのです。 
この後私は、ニホンザルの撮影を優先しました。 
関連記事(同所同日の撮影)▶ 路上でクリの落果を拾い食いするニホンザルの群れ 
左右の田畑には、ニホンザルなどの野生動物の侵入を防ぐための電気柵が見えます。
私がニホンザルの群れに少しずつ近づくと、間に挟まれたキジバトはどんどん奥に歩いて私から遠ざかり、最後は飛んで逃げました。 


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2025/01/10

根返りしたスギの根元で餌を探す雪国のミソサザイ【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 



2023年12月下旬 

シーン1:12/27・午後14:21・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。
平地のスギ防風林で風倒木が何本も放置されています。 
画面の手前から奥に向かって根こそぎ倒れた(根返り)スギの根際に掘られたニホンイタチMustela itatsi)の越冬用巣穴bを自動撮影カメラで見張っています。 
今季は記録的な暖冬で、積雪量が少ないです。 
水平の倒木が朽ちて樹皮がどんどん剥がれ落ち、雪面に散乱しています。 


シーン2:12/29・午後16:29(@0:03〜)日の入り時刻は午後16:31。 
監視カメラが起動した理由が分からなかったのですが、しばらくすると1羽の小鳥が手前から奥に飛来して、巣口bの手前の雪面に落ちていた樹皮に着地しました。 
小鳥の正体はミソサザイTroglodytes troglodytes)のようです。 
ミソサザイといえば山地の渓流の近くで見かける小鳥という認識だったので、こんな平地の防風林で見れるとは意外でした。 
他の鳥と同じく、根返りした土の塊を調べて、餌となる虫を探しに来たのかな? 

千葉県立中央博物館のホームページに掲載された記事によると、
 根返りした木は、土ごと倒れて根元は大きな土の塊となっている。この土の塊の中が生きものの越冬場所として好まれるようだ。オサムシ、ゴミムシ類の他に、カメムシ、ムカデ、トカゲ、カエルなども越冬している。皆、わざわざこの土の固まりに登ってから潜っているわけだ。(「 根返りで越冬するオサムシ」より引用)
やがてミソサザイは、ピョンピョン飛んで奥に消えました。 
ちょうど日没の時刻だったことから、もしかするとねぐら入りの行動だったのかもしれません。(※ 追記参照)


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
ミソサザイは小さな鳥なので、最終的に1.5倍に拡大するように素材の動画をゆっくりズームインする、という編集を試してみました。 
タイムスタンプ(撮影日時)を改めて画面内の元の位置に焼き込む工夫をしたのがポイントです。



※【追記】
ミソサザイの塒について調べてみました。
ハルシネーション(AIによる知ったかぶりの誤情報)が少ないとされるPerplexity AIに質問した回答を引用します。
このAIは、質問する言語によって回答が質的に変わってくるので注意が必要です。
今回の件では、日本語よりも英語の方が圧倒的にソース(情報源)の質量ともに充実しています。
ミソサザイは、ヒトが架けた巣箱に入って越冬することもあるそうです。
ただし、大陸のミソサザイと日本のミソサザイで習性が微妙に異なる可能性もあり得るので、AIの言うことを鵜呑みにはできません。

ミソサザイの冬季のねぐら入りについて、特に雪国での具体的な情報は提供された検索結果には含まれていません。しかし、ミソサザイの一般的な生息環境と冬の行動から、以下のことが推測できます:

ミソサザイは通常、山地の渓流沿いの藪や岩のある林に生息しています[3][4]。冬になると、より低い山地や山麓の沢や岩のある林に移動する傾向があります[4]。この習性から、冬のねぐらとして以下の場所を利用する可能性が高いと考えられます:

1. 岩の隙間や穴
2. 倒木の下や樹洞
3. 厚い藪の中
4. 渓流沿いの岸辺の植生の中

雪国では、これらの場所が雪から保護され、比較的暖かい環境を提供すると考えられます。ミソサザイは体が小さいため、寒さから身を守るためにこのような隠れ場所を利用すると推測されます。

ただし、ミソサザイの具体的な冬のねぐら入り行動については、さらなる研究や観察が必要です。

Citations:
[1] https://www.pref.niigata.lg.jp/site/aicho/20210401aicho.html
[2] https://www.pref.niigata.lg.jp/site/aicho/20200401aicho.html
[3] https://zukan.com/jbirds/internal14978
[4] https://www.suntory.co.jp/eco/birds/encyclopedia/detail/1497.html
[5] http://www.omnh.jp/wada/birds-rep11.html
[6] https://www.omachi-sanpaku.com/common/file/sanpaku/backnumber/13-4_cmp.pdf
[7] http://sizenkansatu.jp/05daigaku/s_2.html

 

The **Eurasian wren** (Troglodytes troglodytes) typically roosts in **dark retreats, snug holes, and even old nests** during the winter months. These roosting sites provide essential shelter from cold weather and predators. In harsher conditions, they may gather in groups, often consisting of family members or multiple individuals, to conserve warmth[1][3][6]. 

They are known to utilize various habitats for roosting, including dense vegetation such as bushes, hedgerows, and brush piles. This adaptability allows them to find suitable roosting spots across a wide range of environments, from gardens and parks to more natural settings like forests and marshes[1][3].

Citations:
[1] https://www.allaboutbirds.org/guide/Eurasian_Wren/lifehistory
[2] https://en.wikipedia.org/wiki/Winter_wren
[3] https://en.wikipedia.org/wiki/Eurasian_wren
[4] https://www.audubon.org/field-guide/bird/pacific-wren
[5] https://animaldiversity.org/accounts/Troglodytes_troglodytes/
[6] https://animalia.bio/eurasian-wren?letter=w
[7] http://www.birdwatchingacademy.com/winter-wren/
[8] https://www.allaboutbirds.org/guide/Winter_Wren/overview
[9] https://www.discoverwildlife.com/animal-facts/birds/wren-facts


Eurasian wrens (Troglodytes troglodytes) do use man-made structures for roosting in winter, including nest boxes. While they typically prefer natural roosting sites, they have been observed using artificial structures when available:

1. Wrens have been recorded roosting in large numbers in nest boxes during winter. In one instance, as many as 60 wrens were found roosting together in a single nest box[4].

2. They are known to use various man-made structures for shelter, including stone walls and even old nests[3][5].

3. Wrens often seek out "dark retreats" and "snug holes" for roosting, especially during harsh winter weather[3]. Nest boxes can provide such protected environments.

It's important to note that wrens are adaptable and will use a variety of roosting sites. They may roost alone or in groups, with communal roosting being a common strategy to conserve heat during cold winter nights[4]. While nest boxes are not their primary choice, they can serve as valuable artificial roosting sites when natural options are limited or during particularly harsh weather conditions.

Citations:
[1] http://www.birdwatchingacademy.com/winter-wren/
[2] https://animaldiversity.org/accounts/Troglodytes_troglodytes/
[3] https://en.wikipedia.org/wiki/Eurasian_wren
[4] https://scotlandsnature.wordpress.com/2019/01/16/a-small-bird-with-a-big-impact/
[5] https://www.allaboutbirds.org/guide/Eurasian_Wren/lifehistory
[6] https://www.backyardecology.net/winter-wren-one-of-our-other-wrens/

2025/01/06

ご馳走のあった地点に繰り返し戻ってきて餌を探すカケス【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 


2024年1月下旬

シーン0:1/22・午後12:56(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
今季は異常な暖冬で積雪がほとんど溶けてしまい、まるで早春のようです。 
平地のスギ防風林で、画面の手前から奥に向かって根こそぎ倒れたスギ風倒木(根返り)の根元に掘られた「根曲がり巣穴」を自動センサーカメラで監視しています。 
風倒したスギの巻き添えを食って落葉性広葉樹(樹種不明)の稚樹が一緒に根こそぎ倒れてしまい、毎年冬の積雪に押し潰されて樹形がねじ曲がりながらも逞しく育ったのです(根曲がり)。 

この巣穴aにはニホンイタチMustela itatsi)が越冬しているらしいことが分かっています。 
実はすぐ近く(画面の右背後)にもう一つ同様の巣穴bがスギ風倒木の下に掘られていて、そこにもイタチが出入りしていました。 


シーン1:1/23・午後12:44・晴れ(@0:04〜) 
カエルの死骸を持ち去ってから3時間45分後の昼下がり、カケスGarrulus glandarius)が再び戻ってきました。 
倒伏したスギの根に止まって、露出した土を啄んでいます。 
甲虫に疎い私は冬に「オサ掘り」採集をしたことがないので知らなかったのですが、オサムシ類は休眠越冬する場所として、まさにこのような倒木の土付き根っこ(「根返り」と呼ぶらしい)を選ぶことが多いのだそうです。 
冬にさまざまな野鳥がこの根返りに繰り返しやって来て何やら啄んでいる理由が、ようやく分かりました。 
鳥は根返りの土そのものを食べている(ミネラル摂取)のではなく、越冬中のオサムシ類を探して捕食しようと通っているようです。 

カケスが冠羽を逆立てたり寝かせたりしているのは、どんな感情表現なのでしょうか? 
すぐ近く(左奥)の地上で採食していた別種の小鳥(種名不詳:アトリ科?)に対して警戒や苛立ちを示していたのかもしれません。 
混群にしては異色の組み合わせでした。 


シーン2:1/23・午後14:29・晴れ(@1:04〜) 
1時間45分後、カケスが再び戻ってきました。 
監視カメラの画面が急に振動したので、カメラを固定してある水平倒木に飛来した鳥が止まったようです。 
しばらく周囲を警戒してから鳥は地面に飛び降りたようで、画面の下端からカケスが登場しました。 
地面を啄んだり、嘴で落ち葉を跳ね上げたりして、餌を探しています。 
そこはまさしく、私がモリアオガエルの死骸を置いた地点でした。 
棚ぼたの成功体験に味をしめた(学習した)同一個体のカケスが、二匹目のドジョウならぬ二匹目のカエルを求めて同じ餌場に繰り返し戻ってきていたのでしょう。
この日だけカケスの登場頻度が普段よりも明らかに高かったです。 



※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

2025/01/02

警戒して動かないタシギと根比べ(冬の野鳥)

 

2024年1月上旬・午後12:00頃・晴れ 

里山の斜面にヤマアカガエルの繁殖池があります。 
久しぶりに様子を見に来たら、私が雪をザクザク踏みしめる音に驚いた1羽の鳥が池畔から飛んで逃げ出しました。 
少し飛んだだけで、奥の緩斜面に着陸して動きを止めました。 
今季は異常な暖冬で積雪が少なく、まるで早春のような景色です。 
池の水面は結氷しておらず、枯れ草に覆われた斜面のあちこちに残雪が見えます。 
謎の鳥にズームインしてみると、その正体は嘴の長いシギの仲間で、タシギGallinago gallinago gallinago)という種類でした。 
シギ類の中でも私が初めて見る鳥なので、とても興奮しました。 
最近本で読んだばかりのタマシギかと期待したのですが、別種でした。 

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ちなみに以前私が観察したのは、ヤマシギでした。 


地味な模様のタシギが枯れ草の上にしゃがみ込んで静止すると、見事な保護色(カモフラージュ)になっています。 
雌雄同色らしいので、性別を見分けられません。 
撮り初めは長い嘴の全体がしっかり濡れていたので、どうやら私が来るまで近くの湿地帯で採食していたようです。 
鼻水も光って見えます。 
初めは完全にフリーズしている訳ではなく、身を屈めながら横目で私の様子を油断なく伺い、わずかに身動きしていました。 
飛んで逃げるべきか、じっと静止して私をやり過ごすべきか、タシギの葛藤が垣間見えます。 

一方私は、タシギが痺れを切らして飛び立つか、警戒を解いて再び採食してくれるかと期待して、我慢比べの長撮りになりました。 
しかしタシギは警戒心がとても強く、その後はひたすらフリーズしているだけでした。 
もし嘴を開いてくれたら、有名な騙し絵「ウサギとアヒル」にそっくりでした。 
フリーズ状態のタシギは瞬きするだけで退屈なので、10倍速の早回し映像でお届けします。 
三脚を使わずに撮影を始めてしまったので、早回しにすると手ブレがひどいのは仕方がありません。 
フリーズの途中でタシギはときどき首を少しかしげて、斜めを見上げました。 
上空に飛来したカラス?を警戒したのかもしれません。 

私もその場でほとんど動かずに20分以上も粘ったのですが、カメラを構える腕の筋肉が限界を迎えました。 
ついに根負けした私が撮影を止めて歩き始めた途端に、タシギは飛び去ってしまいました。 
上空を旋回してから山林の方へ飛び去りました。 
タシギの鳴き声は聞き取れませんでした。 
飛び立つ瞬間に鳴いた気がするのですが(警戒声?)、その瞬間を動画に撮り損ねたのが残念です。 
タシギの飛翔シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

静かな山中で長撮りしている間にカカポ♪という謎の鳴き声も聞こえたのですけど、別種の鳥の鳴き声なのか、それともタシギの番(つがい)のパートナーが近くで鳴いたのか、不明です。 
ネットで調べても、そんな鳴き声を発する鳥は日本に居ない、と言われてしまいました。 

凍結した雪面にかなり大きな鳥の足跡が残されていました。
ただし、タシギの足跡とは限りません。 

その後しばらく(数時間)雪山を散策してから同じ地点に戻ってきても、タシギとは再会できませんでした。 


『やまがた野鳥図鑑』でタシギについて調べると、
 長く真っすぐなくちばし、枯れ草色の複雑な模様。旅鳥、または冬鳥としてやってくる。  (中略)河川や水田など湿地に生息するが、警戒心が強く、すぐに草の根元などに隠れてしまう。枯れ草色の複雑な模様の体は、辺りに溶け込み、ちょっと目を離せば見失ってしまう。見事な保護色だ。  朝夕に活発に動き回り、長いくちばしを土中に差し込んで上下に動かし、ミミズや昆虫などを食べる。くちばしは感度抜群。何と土の中でも先端が開くようになっていて、うまく獲物を捕らえる。湿地から「ジェッ」としわがれ声の鳥が飛び立ったら、それは間違いなくタシギだ。 (p151より引用)

タシギは夜行性らしいので、トレイルカメラで採食行動を録画してみるのも面白そうです。 
しかし、ここはどうしても監視カメラを設置しにくい場所なので、諦めざるを得ませんでした。
 
実は2023年の夏から秋にかけて、雑草が生い茂るただの草地だった池畔の地形が一変しました。
おそらくニホンイノシシSus scrofa leucomystax)の仕業だろうと睨んでいるのですが、広範囲に雑草が根こそぎ掘り返され、掘り跡に山の湧き水が流入して湿地帯(草地)になったのです。
ヒトは長靴を履かないと通れない泥濘の草地と化しました。
イノシシが採食行動によって環境を改変したことで、タシギにとって絶好の餌場となったようです。 
私の推理が正しければ、イノシシは里山の生態系エンジニアの役割を果たしていると言えそうです。
タシギなんて地味な鳥を見れたからと言って喜ぶ物好きは私ぐらいですから、歩きにくくて見苦しい地形になったという理由で、地元の人が(良かれと思って)ブルドーザーで整地し直すのではないかと心配です。 
地球温暖化や開発のせいで生物多様性が急激に減少している昨今、日本で特に保全しないといけないのは、草地と湿地の環境です。
最近の田んぼは収穫後に水を抜いてしまう乾田なので、田シギは住めなくなっているのでしょう。




2024/12/28

家ネズミの死骸を樹上で食べるハシボソガラス(冬の野鳥)

 

2024年1月下旬・午前9:55頃・降雪 

夜の間に、この冬一番のドカ雪が積もりました。 
気温が低いため、雪質はサラサラな乾雪です。 

裏庭の落葉したケヤキの樹上に1羽のハシボソガラスCorvus corone)が近所の住宅地から飛来しました。 
嘴には小動物(小型哺乳類)を咥えています。 
冠雪したケヤキの横枝に止まったカラスが、両足で獲物をしっかり押さえつけながら、嘴で突き刺そうと何度もつつき始めました。 
獲物を狩ってきた直後なのかと初めは思ったのですが、死骸は硬く凍っていました。 
(死後硬直かもしれません。)
カラスが肉片を食べても、獲物の傷口から血は出ません。 
貯食物を雪の下(地中?)から掘り出してきた可能性もありそうです。 

死骸を咥えて持ち上げた際に、無毛の長い尻尾が見えたので、モグラではなくネズミの仲間と判明しました。 
周囲の環境から、おそらく野ネズミではなく家ネズミの可能性が高そうです。 
素人目には、ハツカネズミMus musculus)よりも大きそうなので、クマネズミRattus rattus)またはドブネズミRattus norvegicus)だと思うのですが、どうでしょう。
ネズミの種類を見分けられる方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えてください。 

窓の隙間から隠し撮りしている私にハシボソガラスが気づくと、気まずそうに獲物を持ってケヤキの幹の陰に隠れてしまいました。 
カーテンの動きでバレてしまったようです。

※ 窓ガラス越し斜めに撮った不鮮明な映像に、動画編集時に自動色調補正を施しています。


【考察】
ネズミ類は、雪国の冬でも冬眠しません。 
暖かい人家に住み着く家ネズミをカラスが捕食してくれたのだとすれば、益鳥ということになり、とても助かります。 
もしかすると、殺鼠剤で駆除(毒殺)された家ネズミの死骸を近所から拾ってきたのかもしれない、と思いつきました。 
だとすれば、殺鼠剤は無色で無味無臭らしいので、カラスは疑うことなく毒入りの死骸を食べてしまい、健康を害する可能性があります。 
そのカラスの死骸は、また別のスカベンジャー(死肉食の分解者)が食べに来るはずですから、毒物の生物濃縮が起こってしまいます。 
殺鼠剤を使う場合は、死んだネズミを野外に捨てるのではなく、環境から隔離して適切に処理することが必要です。 


2024/12/24

モリアオガエルの死骸を持ち去るカケス【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年1月下旬・午前9:00頃・晴れ 

平地のスギ防風林の林縁で、雪の消えた地面にカエルの死骸が転がっているのを見つけました。 
頭部を背側からつつかれていたので、鳥が食べ残したようです。 
今期は異常な暖冬ですから、冬眠から季節外れに目覚めてしまったカエルが天敵に捕食されたのでしょうか? 
それとも、冬眠中のカエルを野鳥が地中から掘り出して捕食したのかな? 

モズLanius bucephalus)のはやにえが地面に落ちた可能性も考えられます。 
ここは田畑や休耕地の近くなので、モズが生息していても不思議ではありません。 
関連記事:▶  


さて、犠牲となったカエルの種類は何でしょう? 
シュレーゲルアオガエルまたはモリアオガエルだと思うのですが、死体の頭部が損傷しているため、重要な識別ポイントである目の色が分かりません。 
腹面に斑紋があるので、モリアオガエルRhacophorus arboreus)と判明しました。 
こんな平地の小さな林にモリアオガエルが生息しているとは知らず、ちょっと意外でした。 
近くに水がたまった素掘りの水路や池?もあるので、水辺の樹上にモリアオガエルの泡巣が作られるかどうか、初夏の繁殖期に確かめないといけません。(忙しくて、すっかり忘れてしまいました。) 

野外で見つけた死骸を素手で触れてはいけません。 
ビニール袋を手袋代わりにしてモリアオガエルの死骸を掴むと、死後硬直はなく、凍死体でもなく、ぐったりしていました。 
腐敗臭はまったくしませんでした。
実はすぐ近く(約3m離れた地点)に、ニホンイタチMustela itatsi)の越冬用巣穴があります。 
根こそぎ倒れたスギの風倒木が何本も放置され、その根元に巣穴が2つ掘られているのです。 
せっかく新鮮な肉が手に入ったので、根曲がり巣穴aのすぐ手前の地面にカエルの死骸を放置して、巣穴の主に給餌してみましょう。 
監視カメラに何が写るか、楽しみです。 
すぐに雪が積もって埋もれてしまうことを心配しましたが、幸い雪が降る前に餌を見つけてくれました。 


翌日の朝に現れたのは、イタチではなく1羽のカケスGarrulus glandarius)でした。 
地面に仰向けで転がっているモリアオガエルの死骸を見つけると、周囲を警戒しています。 
まずは屍肉の本体ではなく小さな白っぽい肉片を咥え、左に飛び去りました。 
すぐにまたカケスが戻ってくると、モリアオガエルの死骸を丸ごと咥えて右へ飛び去りました。 
三回目に戻ってくると、最後の白い肉片を咥え上げ、左奥へピョンピョン跳んでカメラの死角に消えました。 
監視カメラの存在を警戒しているのか、カケスは死肉を食べるシーンを決して見せてくれませんでした。 
もしかすると、カケスは小さな肉片だけ食べて、メインのモリアオガエル死骸を再び貯食した(近くに隠し直した)のかもしれません。 
気温が低い厳冬期なので、日向を避ければ死骸は冷蔵/冷凍保存され、腐る心配はありません。 

カケスの死肉食を観察できたのは今回が初めてです。 
カケスはカラス科に属しますから、死肉を食べても不思議ではありません。 
近くの二次林で秋にドングリ(堅果)をせっせと貯食していましたが、餌の乏しい冬には、カエルの死骸でも嬉しいご馳走だったはずです。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


2024/12/20

雪国の落葉樹林で採餌するエナガの群れ(冬の野鳥)

 



2023年12月下旬・午後13:15頃・晴れ 

平地の落葉した二次林でエナガAegithalos caudatus)の群れと遭遇しました。 
私がじっとしていると、ジュリリ、ジュリリ♪と鳴き交わしながら私の周囲に近寄ってきました。 
エナガはヒトをあまり恐れず好奇心旺盛な印象があります。
どの個体を撮るべきか目移りしてしまいました。 

落葉灌木に登って枝先や枯れ蔓をあちこちつついて虫を食べているようです。 
ついに地上に下りてきた個体は、枯れた藪を覗いて餌を探し、雪面の落枝をついばみました。 
実は、少数のシジュウカラと混群を(一時的に?)形成して一緒に採餌行動していました。 

2024/12/16

雪国の森で根回り穴を覗き込んで虫を探すシジュウカラ♀(冬の野鳥)探餌行動

 

2023年12月下旬・午後13:20頃・晴れ 

平地の落葉した二次林で小鳥の混群と遭遇しました。 
初めは樹上で採食していたのですが、私がじっとしていたら次第に警戒を解いてくれたのか、地上(雪面)でも採食するようになりました。 
1羽のシジュウカラ♀(Parus minor minor)に注目すると、灌木の根本の周りで雪が丸く溶けた穴(根回り穴)を次々と覗き込んでいました。 
根回り穴の内部は周囲よりも気温が少し高くて暖かく、寒風もあまり吹き込まないので、越冬する虫が集まっているのかもしれません。 
それを知っているシジュウカラが、獲物となる虫を探索しているのでしょう。 
短い登場シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
胸にある黒いネクタイのような斑紋が細いので、♀と判明。

実は、エナガの群れと少数のシジュウカラが混群を形成しているようでした。 
私はどうしても寄りの絵で各個体の行動を録画したくなるので、引きの絵(広角)で混群全体の動向を記録できないことが多いのです。


【追記】
「冬に雪が積もった森で木の根元の周りだけ雪が丸く溶けた穴」を指す用語として、これまで私は「ツリーホール」を使ってきました。
AIのGeminiに相談すると、ツリーホールは樹洞と誤解されやすいので、「根開き」や「根回り穴」と呼ぶのが一般的と教えてもらいました。

根回り穴の中に越冬昆虫やクモが多く潜んでいるのかどうか、実際に調べてみるのも面白そうです。


2024/12/14

スギ樹上に貯食していたドングリを厳冬期に回収するカケス【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年1月中旬 

シーン1:1/9・午後13:12・気温13℃(@0:00〜) 
雪が積もった里山で、スギの木の下にあるニホンカモシカのねぐらを自動センサーカメラで見張っています。 
画面の右端から左に向かって、スギの幼木が斜めに倒れかけています。 
その状態でも枯死してはおらず、常緑の葉が茂ったままです。 
林業の観点からは間伐の対象とすべきなのですが、カモシカにとっては塒の目隠しになっています。 


シーン2:1/15・午後14:17・気温-4℃(@0:03〜) 
雪がしんしんと降る昼間に、スギ斜め倒木に1羽のカケスGarrulus glandarius)が止まっていました。 
冠雪した枝葉に頭を突っ込んで、何かを探しています。 
貯食していたドングリ(堅果)を咥えて上へ飛び去りました。 

最後にカケスはスギ樹上の死角から下の雪面に素早く飛び降りました。 
このときドングリを咥えているかどうか不明です。 
その場でドングリを食べて(飲み込んで)しまったのか、それとも別な場所に隠し直したのでしょうか? 
1.5倍に拡大した上で1/3倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。(@0:37〜) 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


【考察】
フィールドにトレイルカメラを設置すると、偶然に面白い映像がたまに撮れるのが、トレイルカメラの醍醐味です。
カケスが貯食物を冬に回収するシーンを初めて観察することが出来ました。

現場は山の斜面に植林したスギ林の上端部で、その上はカラマツ林となっています。 
ドングリが実る樹種(ミズナラやコナラ)は隣接して生えていません。 
したがって、ドングリ堅果がスギ斜め倒木の枝葉の中に自然に落ちて引っかかっていたはずがありません。 
カケスが秋に近くの雑木林から拾ってきたドングリを、そこに隠しておいて、餌の乏しい厳冬期に記憶を頼りに取り出しに来たのでしょう。 
前回の登場シーン(10日前の撮影)を慌てて見返してみたのですが、カケスが斜め倒木の枝葉にドングリを持ち込んで隠した証拠映像は撮れていませんでした。
スギの立木ではなく斜め倒木を隠し場所に選んだのは、覚えやすいようにするためではないかと思います。

スギ斜め倒木の枝葉にカケスの貯食物が大量に隠されているのかと期待して、後日、現場入りしたときに探ってみたのですけど、何も見つかりませんでした。
あちこちにドングリを1個ずつ分散して隠してあるのでしょう。(リスクヘッジ)


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2024/12/12

落葉したウルシの樹上で熟した果実を食べるエナガ(冬の野鳥)

 

2023年12月下旬・午後13:20頃・晴れ 

雪が積もった平地の二次林でエナガAegithalos caudatus)の群れと遭遇しました。 
完全に落葉したウルシの樹上で熟した果実(核果)を次々に食べています。 

高木の下から見上げる撮影アングルなので、エナガのお尻しか見えませんが、逆にエナガは私に気づいておらず、無警戒で採食を続けています。 
ジュリリ、ジュリリ…♪というエナガの鳴き声が聞こえますが、食事しながら鳴いてるのか、群れの別個体が鳴いているのか不明です。 

ウルシの木に巻き付いて育ったツルウメモドキの赤い実も手前にあるのに、エナガは全く食べようとしません。 
ウルシの実の方が美味しい(好み)のでしょう。 
エナガを始めとする鳥がウルシの実を丸ごと食べて遠くに糞をすることで、ウルシの種子散布に貢献していることになります。 
鳥がウルシの実を食べてもかぶれないのは何故なのか、何か対策(適応進化)しているのか、不思議です。


さて、このウルシ属の樹種を正確に見分けられるでしょうか? 
山形県にハゼノキやヤマハゼは自生していないはずなので、除外します。 
夏に葉や花を見ればたちどころに判明するのですが、落葉した冬だと一気に難しくなります。 
樹高は目測で約10m近くありました。 
実の表面が無毛で白い粉を吹いていないことから、ヤマウルシ ではなくウルシだろうと暫定的に判断しました。 
ウルシだとすれば、昔に誰かが漆の樹液を採取するために植栽したのかもしれません。
次にヌルデの可能性を排除するのが、また難題です。 
果柄が比較的長いので、やはりウルシでしょうか?
冬芽や葉痕で樹種を見分ける方法は全くの勉強不足で、写真に撮っていません。
ウルシ候補の木に登って、樹上にわずかに残った枯れ葉を調べに行こうか迷ったのですが、落葉後の冬でも不用意に木登りしたらかぶれる可能性が高いらしく、諦めました。 
葉が出る季節まで待って定点観察し、もしヌルデだったら訂正することにします。 

参考:「葉と果実によるウルシの仲間の見分け方」@山渓ハンディ図鑑『樹に咲く花:離弁花2』P288




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2024/12/10

根曲がり巣穴の周囲で採食する雪国のシジュウカラとヤマガラの混群【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 

2024年1月上旬〜中旬 

シーン0:1/7・午後13:39・くもり(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
平地のスギ防風林で、画面の手前から奥に向かって根こそぎ倒れたスギ風倒木の根元に掘られた「根曲がり巣穴」をトレイルカメラで監視しています。 
この巣穴aにはニホンイタチMustela itatsi)が越冬しているらしいことが分かっています。
年末に積もった雪はほとんど溶けてしまいました。 
巣口aの手前の地面にはツルウメモドキの赤い実が見えます。 
カラ混群が採食に来る様子を以下にまとめました。 


シーン1:1/10・午前11:14(@0:04〜) 
左の地上でシジュウカラParus minor minor)が採食しています。 
やがて右からヤマガラSittiparus varius)が飛来し、倒木の細根に止まって、あちこちつつき始めました。 


シーン2:1/10・午前11:21(@1:04〜) 
約6分後にも4羽のシジュウカラが飛来して、根曲がり巣穴の周囲で採食していました。 
巣口で採食する恐れ知らずの個体もいたのですが、イタチが巣内から跳び出してきて鳥を狩ることはありませんでした。 

最後に左から高速飛来して右へ横切った鳥が気になりました。 
1.5倍に拡大した上で1/3倍速のスローモーションでリプレイしてみると(@1:58〜)、その正体はメジロZosterops japonicus)でした。 


シーン3:1/15・午後17:35(@2:37〜)日の入り時刻は午後16:46 
 5日後の晩には雪が降りました。 


シーン4:1/19・午前8:38(@2:40〜)
積もった雪がだいぶ溶けて、雪面は明らかに湿雪です。 
巣口の左手前の細い灌木の枝にシジュウカラが止まって奥を向いていました。 
雪面を徘徊したり灌木に登ったりして、あちこち啄んでいます。 
もう1羽が合流して、♀♂ペアなのかもしれません。  

スギ風倒木の土付きの根を啄んでいた個体が、何か餌を持って手前の細い灌木の横枝に止まりました。 
正面を向いてくれたので、胸の黒ネクタイが細いことから♀と判明。 
何か小さな実?を足で押さえながら、嘴でつついています。 
それとも、嘴を足元の横枝で拭っただけかな? 
1.5倍に拡大した上で1/3倍速のスローモーションでリプレイ(@3:42〜) 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


不思議なことに、巣口の手前にあるツルウメモドキの赤い実を野鳥は全く食べようとしません。 


つづく→

2024/12/08

電柱の天辺で頷きながら獲物を探し、狩りに飛び立つチョウゲンボウ♀(野鳥)

 

2023年11月中旬・午前11:50頃・晴れ 

秋の田んぼで稲刈りが終わると、毎年チョウゲンボウFalco tinnunculus)が狩りをしに現れるようになります。 
見晴らしの良いお気に入りの止まり場があるので、そこを定点観察しています。 
コンクリート支柱の天辺に止まって頷きながら周囲の刈田を見渡しています。 
鋭い眼力で遠くの獲物を探しているのです。 
後頭部が茶色なので♀と判明。 

やがて、右に素早く飛び去りました。 
刈田の上空でホバリングおよび狩りをしたのですが、そのシーンは撮り損ねてしまいました。 
手前に生い茂る枯れた雑草が邪魔で、すぐに見失ってしまうのです。 
しばらく待っても、同じ止まり場には戻ってきてくれませんでした。 
私を警戒しているのかもしれません。

飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:42〜) 
チョウゲンボウの性別の見分け方に、頭部の色に注目する以外にも、尾羽根の斑紋に性差があるのだそうです。 
今回はそれを確かめられました。 
参考ブログ:チョウゲンボウ 雄と雌の特徴
下面からだと見分けにくいが、メスの尾羽には数本の黒帯がある。

2024/12/06

スギ風倒木を物色して餌を探すアカゲラ♂【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年1月上旬・午後12:00頃・くもり 

風倒木が何本も放置された平地のスギ防風林で、根こそぎ倒れたスギの根際に掘られたニホンイタチMustela itatsi)の越冬用巣穴bを見張っています。 
年末にようやく根雪が積もったのに、記録的な暖冬でほとんど溶けてしまいました。 

年始の正午にアカゲラ♂(Dendrocopos major)が登場しました。 
太いスギ風倒木の上に乗ったアカゲラ♂が、ピョンピョン跳んで奥の死角へ移動しました。
最後は低空で左へ飛び去りました。


2024/12/04

雪山で斜めに倒れかけたスギの枝葉を調べるカケス【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 

2024年1月上旬


シーン1:12/28・午前11:58・晴れ・気温16℃(@0:00〜) 
年末にたまたま撮れた現場の様子です。 
雪の積もった里山でスギの木の下にあるニホンカモシカCapricornis crispus)のねぐらを自動センサーカメラで見張っています。 



隣に生えていたスギの幼木が強風により根元から倒れ、斜めに寄りかかっています。 
(本来は間伐すべき株なのでしょう。)
この倒木はまだ生きて、横枝の葉が青々と茂ったままです。 
そのために、ねぐらで休むカモシカにとって周囲からの目隠し(隠れ家)になったり風を少しでも遮ってくれたりと、ねぐらの位置を選定する上で重要なポイントになったのかもしれません。 


シーン2:1/5・午前10:42・晴れ・気温1℃(@0:04〜) 
年末にようやく根雪が積もったと思いきや、暖冬のため年明けには雪山でも積雪がかなり溶けていました。 
地面が一旦露出すると、太陽光で温められるためにそこから雪解けが一気に進みます。

昼前にカケスGarrulus glandarius)が右からひょいと登場しました。 
斜めに倒れかけたスギ幼木の枝葉を伝って、ピョンピョン上へ移動していきます。 
このときはカケスが何をしに来たのか、分かりませんでした。
もしかすると、見慣れないトレイルカメラを目ざとく見つけたカケスがさり気なく偵察に来たのかもしれません。


※ 動画の後半は、1.5倍に拡大した上で逆光補正を施しています。(@0:39〜) 
奥に見える白い雪面が眩しい逆光になっているせいで、手前の暗い地点に居る鳥の羽の色がよく見えません。 
私の使っている動画編集ソフト(Kdenlive)には疑似HDR処理をしてくれるエフェクトがないので、逆光補正で代用しました。 
逆光補正してようやく、鳥の正体がカケスだと判明しました。 




2024/12/02

止まり木のシメ【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 

2024年1月上旬・午後12:50頃・くもり  

平地のスギ防風林でニホンイタチMustela itatsi)が越冬する巣穴bを見張っているトレイルカメラに、ちょっと珍しい冬鳥が写っていました。 
 丸木橋のような細い水平倒木にシメCoccothraustes coccothraustes)が後ろ向きで止まっていたのです。 
横を向いてから足元の止まり木に嘴を擦り付けてから、奥に飛び去りました。 
この地点でシメは初見です。
今回は珍しくフルカラーで撮れていました。
根雪だと思っていたのに、暖冬でほとんど溶けてしまいました。

2024/12/01

イタチの越冬用巣穴の周辺で年末に餌を探す雪国の小鳥たち【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 



2023年12月下旬 

シーン0:12/22・午後13:12・くもり(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
平地のスギ防風林で画面の奥に向かって根こそぎ倒れたスギの根元に掘られたニホンイタチMustela itatsi)の越冬用巣穴bを自動撮影カメラで監視しています。 
獣道となった雪面には、様々な野生動物の足跡が残されています。 
画面中央に見えているイタチの巣穴bの近くには手前から近寄らないよう(ヒトの足跡を付けないよう)注意しました。 
水平倒木に設置していたトレイルカメラを撤去したので、その部分だけ冠雪が取り除かれています。 
丸木橋のような細い水平倒木をくぐり抜けたすぐ左奥にもイタチの根曲がり巣穴aがあるのですが、隠れて見えません。

年末の昼間に様々な小鳥が採食に来る様子をまとめました。 
野鳥の種類によって別々の動画にしたかったのですが、カラ類は混群で来る場合があること、古いトレイルカメラの奇妙な癖で昼間に撮れた動画にピンク色のフィルターがかかって鳥の体色が正常に表示されないこと、奥の藪で小さく見える小鳥はしっかり見分けられないこと、素早く飛び交うことなどから、小鳥の同定を諦めた例が多くて、全部一緒にまとめることにしたのです。 


シーン1:12/24・午前9:41(@0:04〜) 
画面右端のスギ幼木の陰に小鳥が止まっていました。 
おそらく、土がついたまま風倒したスギの根の辺りを啄んだり餌を探しに来たようです。 
後半は数羽の小鳥の群れが飛び交いました。 


シーン2:12/25・午前10:10(@0:29〜) 
シジュウカラParus minor minor)がイタチの巣口bの手前で細い蔓(落葉樹の幼木?)に止まっていました。 
横に移動すると、土がついたまま風倒したスギの根の辺りを啄んだり餌を探しています。 
土そのものを食べに小鳥が通っているとしたら非常に面白いのですが、説得力のある映像は撮れていません。
後から群れの仲間も次々に飛来しました。 

耳を澄ますと、小鳥が鳴き交わす声がかすかに聞こえる他に、コツコツと鳥が何か硬い物をつつく音も断続的に録音されていました。 
おそらく、監視カメラを固定したスギの立木にも小鳥が止まって幹の樹皮を嘴でつついているのではないかと推測しています。 

最後は2羽のシジュウカラが相次いで同じ場所に飛び込んだことから、カラ類が風雪を凌ぐシェルター(隠れ家やねぐら?)としてスギ風倒木の抜根を利用しているのかもしれません。 


シーン3:12/26・午後15:00(@2:10〜) 
右から飛来したヤマガラSittiparus varius)が細い止まり木を経由してから、水平倒木の下(右端)の雪が積もらない場所に飛び込みました。(@2:42〜) 


シーン4:12/27・午前10:58・晴れ(@2:48〜) 
晴れて気温が上がったせいで、積雪がかなり溶けてしまいました。 
根雪だと思っていたのに、今季は暖冬で降雪量が少ないのです。 


つづく→

2024/11/29

収穫後の畑で野菜くずを食べ漁るハシボソガラスとハシブトガラスの混群(冬の野鳥)

 

2023年12月上旬・午後13:10頃・晴れ 

農村部で収穫の終わった畑にカラスが群がっていました。 
計8羽のカラスが畑に散開して、各々が採食しています。 
ハシボソガラスCorvus corone)の群れかと初めは思ったのですが、よく見るとハシブトガラスCorvus macrorhynchos)も少なくとも1羽含まれていました。 
つまり、カラスの混群が一緒に採食していました。 

手前にはハクサイ(白菜)の収穫時に外側の葉を剥いた野菜くずがまとめて捨てられていました。 
白菜の屑の山の上に止まって啄んでいたカラスが地面に飛び降りました。 
また、カボチャの割れた果実があちこちに散乱していました。 
割れたカボチャをカラスが啄むシーンも撮りたかったのですが、どうやらカメラを向ける私をカラスたちは警戒しているようです。 
次々に飛び去ってしまいました。 
このような野菜くずは、家庭から出る生ゴミ(ヒトの食べ残し)とは違い、作物残渣とか収穫残渣と呼ばれるのだそうです。


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2024/11/25

ニホンイタチの越冬用巣穴の横で餌を探し、拾ったドングリを持ち去るカケス【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 



2023年12月下旬〜2024年1月上旬

シーン0:12/27・午後14:20・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
平地のスギ防風林で、画面の奥に向かって根こそぎ倒れたスギの根元に掘られたニホンイタチMustela itatsi)の越冬用巣穴bを自動センサーカメラで見張っています。 
画面のほぼ中央にぽっかり開いているのが、問題の巣穴bです。 
丸木橋のような細い水平のスギ倒木で遮られて見えませんが、その下をくぐったすぐ左奥にも、イタチが越冬する「根曲がり巣穴a」があります。 
2つの巣穴a,bは内部でつながっていそうですが、限られた数の撮影機材でやりくりしているために、2つの巣穴を同時に監視することが出来ません。 
カケスGarrulus glandarius)の登場シーンをまとめました。


シーン1:12/29・午前8:29・晴れ(@0:03〜) 
2羽のカケスが交互にやって来て、水平倒木に止まったり、スギ風倒木の土が付いたままの根を啄んだりして、餌を探しています。 
画面右端の手前に生えている細いスギ幼木のせいで、肝心の探餌行動が隠れてよく見えません。 


シーン2:1/3・午前8:03(@0:29〜) 
年が明けた朝にも計3羽のカケスが写っていました。 
小さな群れで一緒に行動しているようです。 
手前の林床で餌を探していた個体が、水平倒木から剥がれ落ちたスギ樹皮の下からドングリを見つけると嘴で拾い上げました。 
この辺りでドングリがなる木は見当たりませんから、もしかすると剥がれかけた樹皮の隙間にカケスが予め隠しておいたドングリが樹皮と一緒に落ちたのかもしれません。
そのままカケスはドングリを咥えて手前に飛び去りました。 
後で食べるために、どこか安全な場所にドングリを隠しに行ったのでしょう(貯食行動)。 
奥で採食していた2羽のカケスも相次いで飛び去りました。 
カケスがドングリを拾う様子を、1.5倍に拡大した上で1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:45〜) 


シーン3:1/5・午前6:57・くもり(@1:17〜)日の出時刻は午前6:52。 
2日後も日の出直後に2羽のカケスが登場しました。 
これ以降はカメラの電池が消耗していて、たった1〜2秒間しか探餌行動が録画されていません。 


シーン4:1/6・午前10:41(@1:23〜) 
翌日もカケスが止まり木に来ていました。 


イタチは鳥を狩る天敵(捕食者)のはずなのに、その巣穴の周囲でカケスを含む様々な野鳥が採食に通ってくるのが不思議です。
襲われないことを知っているのか、それとも逃げ切れるという自信があるのでしょうか?


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 




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2024/11/21

年末の二次林で朽木に登ってつつく雪国のアカゲラ♂(冬の野鳥)

 

2023年12月下旬・午後13:40頃・くもり 

平地の落葉した二次林で根雪が積もった後、アカゲラ♂(Dendrocopos major)が朽木(樹種不明)に登りながら獲物となる虫を探していました。 
幹に開口したカミキリムシの羽化孔を見つけると、そこを重点的に突き始めました。 
穿孔性昆虫が木屑と糞を一緒に排泄したフラスかもしれません。 
しかし、すぐに諦めて別の場所に移動しながらあちこち突いて回ります。 
キョッ、キョッ♪という鳴き声は発していませんでした。

低温でカメラのバッテリーが消耗していたようで、動画撮影の途中で切れてしまいました。 


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2024/11/17

根曲がり巣穴の周辺で餌を探す初冬の小鳥たち【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年12月中旬〜下旬

シーン0:12/11・午後14:11・くもり(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
平地のスギ防風林にある「根曲がり巣穴」を自動撮影カメラで見張っています。 
ここでニホンイタチMustela itatsi)が越冬していることが後に判明しました。 
杉の木が強風で奥に向かって根こそぎ倒れ、その巻き添えを食った落葉性広葉樹の幼木が毎年の積雪の重みで捻じくれた「根曲がり」の樹形に育ちました。 
巣口の手前に見える赤い実は、地表を這って伸びてきたツルウメモドキという蔓植物です。 
初冬の根雪が積もる前後に登場した小鳥たちの様子をまとめました。 

鳥の種類ごとに別々の動画に切り分けたかったのですけど、古いトレイルカメラをだましだまし使っているせいで鳥の体色が分からず、しっかり見分けられません。 
複数種が混群で登場することも多く、おそらくカラ類だと思われます。 
同定を諦めて、まとめて紹介することにします。 

自信をもって見分けられたヤマガラだけは、別の記事にしました。 関


シーン1:12/13・午後15:13(@0:03〜) 
ヒガラPeriparus ater)らしき小鳥が登場。 


シーン2:12/14・午前10:54(@0:08〜) 
シジュウカラParus minor minor)が群れで登場。 
根曲がり巣穴のすぐ近くで、土が付いたままのスギ風倒木の細根をあちこち啄んだりしています。 
後半は奥の茂みに逃げてから羽繕いしました。 


シーン3:12/14・午前10:56(@0:57〜) 
シジュウカラの群れの他に、地味な(焦げ茶色の?)小鳥が登場しました。 
ミソサザイTroglodytes troglodytes)ですかね?(あまり自信なし) 
ミソサザイといえば山地の渓流の近くで見かける小鳥だという認識だったので、こんな平地の防風林で見れるとは意外でした。
ミソサザイがシジュウカラと混群を形成するという話は聞いたことがありません。 
根曲がり巣穴の巣口にいきなり現れたということは(@1:12〜)、まさか恐れ知らずのミソサザイがそれまでイタチの巣穴の中に潜んでいたのでしょうか? 
あちこち啄んでいます。 


シーン4:12/14・午後13:37(@1:23〜) 
ミソサザイと思しき小鳥が単独で現れ、スギ風倒木の根際で餌を探し回っています。 


シーン5:12/14・午後13:44(@1:28〜)
ミソサザイ?が再登場。 


シーン6:12/17・午前9:50(@1:34〜) 
朝からみぞれが降っていました。 
ミソサザイらしき小鳥が、根曲がり巣穴から外に出てきました。 
身の危険を感じておらず、落ち着いた様子です。 
捕食されなかったということは、巣穴の主であるイタチは留守だったのでしょう。 
鬼の居ぬ間に、ミソサザイが根曲がり巣穴をねぐらとしていたのかもしれません。 

尾羽根を上下に振り立てながら巣口周囲をあちこち移動し、左へ飛び去りました。 


シーン7:12/20・午後12:29(@1:47〜) 
暖冬だったのですが、ようやく根雪が一気に積もりました。 
小鳥の群れが忙しなく飛び交ったり、採食したりしています。 
カラ混群ですかね? 
鳴き声は聞き取れませんでした。 


シーン8:12/20・午後13:43(@2:04〜) 
積雪が逆光となり、暗すぎてよく見えないのですが、小鳥がスギ風倒木の根際の穴というか隙間に潜り込んで餌を探しているようです。 
風雪をしのげるシェルター(安全な隠れ家)を探しているのかもしれません。 


シーン9:12/21・午前8:13(@2:18〜) 
翌朝には新雪が積もっていました。 
小雪がちらつく中を、小鳥が飛んですばやく横切りました。 


ツルウメモドキの赤い実を食べる野鳥がまったく居なかったのが不思議でした。
餌としてあまり好まれないのでしょうか?

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。





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