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2025/10/24

日没前の水場に集まり水浴したりホオノキの落ち葉をめくって虫を探したりするクロツグミ♀♂の群れ【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年8月上旬 

シーン0:8/1・午前11:47・晴れ・気温35℃(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林の中に少し開けた湿地帯があります。 
湧き水や雨水が溜まった水溜りを野生動物や野鳥が水場として利用しに来るので、無人センサーカメラで見張っています。 

ちなみにこの日8/1、気象庁が東北地方南部の梅雨明けを宣言しました。 
平年と比べて8日遅く、前年と比べて10日遅い梅雨明けです。 

クロツグミ♀♂(Turdus cardis)の登場シーンをまとめてみました。 


シーン1:8/3・午後18:13・気温27℃(@0:04〜)日の入り時刻は午後18:49。 
薄暗い夕方に、クロツグミ♀と思われる地味な鳥が水場に集まっていました。 
クロツグミは体色に性的二型があり、背側が黒っぽい個体が♂で、茶色っぽい個体が♀です。 

湿地帯をホッピングで移動し、泥濘をあちこちつついてミミズなどを捕食しているようです。 
巨大なホオノキの巨大な落ち葉を嘴で素早くめくり、裏に隠れている虫を探しています。 

奥にある別の水溜まりNの付近で探餌活動する個体もいるのに、そっちに設置した監視カメラにはなぜか写っていませんでした。 
どこかでヒグラシ♂がカナカナカナ…♪と鳴いています。 

ヒヨドリが鳴きながら♪水溜まりSに飛来しかけたものの、何かに警戒したのか飛び去ってしまいました。(@1:17〜) 
先客であるクロツグミ♀♂の群れに遠慮したのかな? 
ヒヨドリが再び飛来し、水溜りSに着地するとすぐにけたたましく鳴きながら飛び去りました。(@1:41〜) 
その一瞬でもしかすると水を飲んだかもしれませんが、後ろ姿でよく見えませんでした。 
ヒヨドリの水浴は、水場の上空でホバリングしながら一瞬の着水で行うのが普通ですが、今回は水浴行動ではなさそうです。 
水浴できるかどうか、水溜りSの水深を確かめに来たのかもしれません。 
ヒヨドリが来ても、クロツグミ♀♂の群れは全く逃げませんでした。 

ようやく水溜りSで行水を始めるクロツグミ個体がいたのに、最後まで見届ける前に2分間の録画が終わってしまいました。 


シーン2:8/1・午後18:31・気温24℃(@2:04〜)日の入り時刻は午後18:51。 
実は2日前にも、日没前の薄暮にクロツグミらしき群れが登場していました。 
(説明の都合上、順番を入れ替えました。) 
赤外線による暗視動画は白黒(モノクロ)なので、鳥の同定は困難です。 

複数の鳥が水場に散開し、飛び回っている個体もいます。 
この地点で撮れた鳥の中で、過去最大の群れでした。 
巣立った雛(幼鳥)も含めたクロツグミの家族群ではないかと想像しています。 
鳴き声も録音されていました。 


※ 鳴き声や水浴の水音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
クロツグミの落ち葉めくり行動をこの地点で撮れたのは初めてです。

前半の自然光下で撮れた証拠映像から、クロツグミ♀♂の群れであることが分かり、今季の雛が無事に巣立ったことが確認できました。 
それがなぜ重要かと言うと、以前この地点でクロツグミの親鳥がヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)を次々に狩っては雛鳥に給餌していたからです。
ヒキガエルの幼生にはブフォトキシンという強心配糖体の毒が含まれているはずなのに、雛が食べても無事だったということは、当地のクロツグミは毒に対して耐性を獲得している可能性があります。



つづく→

2025/10/16

山中の水たまりで水を飲み獲物を探し回るアオゲラ♀【野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年7月下旬・午前9:34・晴れ・気温27℃ 

山中にある湿地帯を無人センサーカメラで見張っていると、アオゲラ♀(Picus awokera awokera)が登場しました。 
横顔に赤い顎線がないことから♀と分かります。 
水溜りSの此岸で頭を上げ下げして泥水を飲んでいるようですが、後ろ姿なのは残念。 
ホッピングで岸辺の泥濘を移動し、少し飛んで対岸に渡りました。
対岸の落枝をつついたりして、獲物となる虫を探しているようです。 
1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@2:01〜) 

キツツキの一種なのに、樹上から降りてきて湿地で獲物を探しているのが少し意外でした。 
wikipediaでアオゲラの食性を調べると、
食性は動物食傾向の強い雑食で、主に幹や枝で昆虫を採食するが、果実も食べる。樹上でも地表でも採食を行い、地上でアリも採餌する。

つづく→

2025/10/14

鳴きながら飛び去るサシバ(野鳥)

 

2024年7月中旬・午後14:15頃・くもり 

里山を下山中にキンミー♪という甲高い鳴き声が聞こえました。 
この特徴的な鳴き方をするのは、猛禽類のサシバButastur indicus)です。 
山麓の入山口まで降りてきて辺りが開けると、山林の上空を飛び去るサシバの姿を見ることができました。 

羽ばたきと滑翔を交互に繰り返しながらどんどん遠ざかり、キンミー♪という鳴き声も小さくなりました。 
今までの経験上、空を背景にした被写体にズームインすると、カメラのAFが被写体を見失いそうなので、引きの絵で撮りました。 

鳴き声で状況を判断すると、どうやらそれまでサシバはカラスにモビング(擬攻撃)を受けていたようです。 
すでにモビングの決着が着いたようで、逃げるサシバを追いかけるカラスの姿はなく、カラスの鳴き声が聞こえるだけでした。 
嗄れ声で鳴いたのでてっきりハシボソガラスCorvus corone)だろうと思ったのですが、警戒や威嚇の状況ではハシブトガラスCorvus macrorhynchos)も嗄れ声で鳴くことがあるそうです。 
平地ではなく山林の麓という現場の状況からすると、ハシブトガラスの可能性が高そうです。 

Perplexity AIに相談した回答がこちら。 

ハシブトガラスは普段「カーカー」と澄んだ声で鳴くとされますが、警戒時や威嚇時には嗄れた、濁った声に近い音を出すこともあるようです。具体的には、ハシブトガラスは通常の澄んだ声の他に、濁った声や少し嗄れた声で鳴くことがあり、とくに威嚇やモビングの際にはそのような声の変化が見られることがあります。一方、ハシボソガラスは基本的に濁ったしわがれ声で鳴くのが特徴です。

したがって、ハシブトガラスが天敵の猛禽類に対してモビングするような警戒時に、嗄れ声に近い鳴き声を出すことはあり得ます。この嗄れ声はハシボソガラスの声とは異なる性質で、濁った「あー?」のような濁音を含むが、声質はハシボソとは違う傾向です。

まとめると、

  • ハシブトガラスは普段澄んだ声で鳴く。

  • 警戒時や威嚇時には濁ったり嗄れたような声を出すことがある。

  • これはハシボソガラスの濁ったしわがれ声とは異なる。

  • モビング時などの警戒声でも嗄れ声に近い発声が見られる可能性がある。

以上のことから、ハシブトガラスが天敵へのモビング時に嗄れ声で鳴くことはありますが、普段より濁った声になる程度であり、基本的な声質はハシボソガラスと違うと理解されます.detail.chiebukuro.yahoo+4


モビングや警戒の状況下でも、ハシブトガラスとハシボソガラスの鳴き声の違いは聞き分けることが可能です。ただし、ハシブトガラスは通常澄んだ声で鳴きますが、警戒時や威嚇時に濁ったり嗄れた声を出すこともあり、その際はハシボソガラスと声が似ることがあります。そのため聞き慣れていないと鳴き声だけでは判別が難しい場合もあります。

聴き分けるコツとしては、ハシブトガラスの声は声量が大きく、音程変化やビブラート、濁音も出せる多彩さがあります。一方ハシボソガラスは基本的に濁ったしわがれ声で、鳴き方の特徴も異なります。羽の動きや鳴く時の姿勢(ハシボソは頭を上下に動かす、ハシブトは尾を内側に動かすなど)をセットで観察すると確実です。

したがって、モビングのような緊張状態でも、鳴き声をよく聴き分ければハシブトガラスかハシボソガラスかを判別できますが、単に声だけで判別するのはやや難しく、鳴き声の変化も含めて個体差や状況での声の変化を理解しておく必要があります.carasblog+2


私はまだ鳴き声だけからカラスの種類を判別できないのですが、今回サシバを追い払ったカラスはハシブトガラスですかね?

この里山でサシバの営巣木を長年探しているのですけど、なかなか見つけることができません。


【追記】
サシバの鳴き声にはバリエーションが乏しくて意図や感情を読み取れないと私は思っていたのですが、Perplexityの見解は違いました。

サシバ(Butastur indicus)の鳴き声には明確なバリエーションがあり、発声の内容や調子が状況や感情に応じて変化することが研究や観察から知られています。news.yahoo+2youtube

鳴き声の基本と代表的な型

サシバの代表的な鳴き声は、「ピックイー」または「キンミー」と聞き取られる透き通った声で、繁殖期(春から夏)には特に活発に発せられます。この声は縄張り宣言や配偶者への呼びかけに用いられると考えられています。global+1

バリエーションの内容

観察記録では、以下のような鳴き声の変化が確認されています。youtubetcp-ip+2

  • 通常の鳴き声:「ピックイー」と長めで澄んだ声。主に飛翔中や見晴らしのよい高所で発する。

  • 興奮声・警戒声:「ピックピックピッ」など短く連続する声。敵の接近や驚きへの反応とされる。

  • 親密(求愛)行動時の声:短音で控えめな鳴き声を伴い、相手にすり寄る行動と結びつくケースが奄美大島で確認された。nikkei+1

  • 地域差・個体差:聞きなしの印象には地域や個人差もあり、「ピックイー」より「キンミー」に聞こえると報告する例もある。tcp-ip

鳴き声の機能的意義

近年の研究では、サシバの鳴き声が単なる縄張り防衛だけでなく、他個体との社会的なコミュニケーション(たとえば親愛行動や協調行動)にも用いられている可能性が示唆されています。youtubenikkei

このように、サシバは状況に応じて複数の声質を使い分ける「音声レパートリー」を持つ猛禽類であり、鳴き声の調査は彼らの社会行動理解に重要な手がかりとなっています。

今回は状況からカラスに対する警戒声(alarm call)や遭難声(distress call)だと私は思ったのですけど、そうではなく、さえずりのような縄張り宣言だったようです。
「ピックイー」または「キンミー」と聞き取られる透き通った声で鳴くのは主に♂ですが、♀もそのように鳴くことがあるそうです。

7月中旬に山形県の山林上空で観察されたサシバは、まさに繁殖期の最終段階に相当します。サシバの日本での繁殖期は地域によって若干異なりますが、山形を含む東北地方では5月中旬から7月中旬が繁殖期とされ、6月下旬から7月上旬に雛が巣立つケースが多いことが報告されています。[1][2][3][4]

この時期、親鳥は巣立った幼鳥に給餌をしたり、雛の独立に向けて世話を続けているため、山林上空で観察される個体は営巣から巣外育雛期(巣立ち直後の幼鳥を含む)に該当します。つまり、7月中旬でもまだ繁殖活動の一環として観察されるのが一般的です。[3][5][4][1]

したがって、山形県の山林上空で7月中旬に見られたサシバは、繁殖期に該当する行動をとっている可能性が高いです。[2][5][4][1][3]

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2025/10/10

山中の水溜まりで水を飲み餌を探すカケスのペア【野鳥:トレイルカメラ】

 

2024年7月下旬・午前5:40頃・晴れ・気温22℃・日の出時刻は午前4:37 

里山で湧き水が溜まった湿地帯に早朝から2羽のカケスGarrulus glandarius)が一緒に現れました。 
♀♂つがいなのかな? 

1羽が対岸で水を飲んでいる間に、もう1羽はあちこちに少し飛んで移動すると、泥濘に嘴を突き立てて餌を探しています。 
泥の中から何かをほじくり出したものの、すぐに捨てました。 
また少し飛んで対岸の落枝の上に止まり直すと、嘴を落枝に擦り付けて泥汚れを落としました。 
カケスのペアは相次いで水場から飛び去りました。 

1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@1:02〜)

2025/10/08

トラツグミ♂が鳴く♪深夜にフクロウが山中の水溜まりで顔を洗う【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年7月下旬 

シーン0:7/23・午前11:14・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林の中に少し開けた湿地帯があり、湧き水が滲み出して浅い水溜りになっています。 
水場に来る生き物を自動撮影カメラで見張っています。 

翌日の深夜に2回登場したフクロウStrix uralensis)の暗視映像を以下にまとめました。 


シーン1:7/24・午前0:46・気温24℃(@0:03〜) 
水溜りSの中洲に降り立っていたフクロウが監視カメラをちらっと振り返りました。 
ジャブジャブと歩いて深みに入水すると、洗顔を開始。 
脚を泥水に浸したまま、周囲をキョロキョロ見渡し警戒しています。 
少し飛んで対岸に上陸したところで、2分間の録画が終わりました。 

この間、ヒィー、ヒィーと甲高い不気味な鳴き声が断続的に聞こえました。 
トラツグミ♂(Zoothera aurea)が山林のどこかで鳴いているようです。


(トラツグミの)さえずりは「ヒィー、ヒィー」「ヒョー、ヒョー」。地鳴きは「ガッ」。主に夜間に鳴くが、雨天や曇っている時には日中でも鳴いていることがある。(wikipedia:トラツグミより引用)

シーン2:7/24・午前3:49・気温24℃(@2:04〜) 
3時間後にもフクロウが水溜りSに来ていました。 
中洲に降り立ち左に歩いて入水すると、すぐに洗顔開始。 
中洲に上陸すると、足元の泥濘から嘴で何かを咥えてつまみ上げたものの、すぐに捨てました。(@2:52〜) 
少し飛んで右岸に上陸すると、方向転換してから右上に飛び去りました。 

今回もトラツグミ♂の鳴き声が断続的に聞こえています。 
後半はヨタカCaprimulgus indicus jotaka)もキョキョキョキョ…♪と鳴き始めたような気がしました(@3:10〜)。 
トレイルカメラ固有のノイズが耳鳴りのようにザ、ザ、ザ、ザ、…と絶え間なく混じっているので、そのせいですかね(幻聴)? 
ちなみに、トラツグミやヨタカがこの水場に来たことはまだ一度もありません。

関連記事(同所で1ヶ月前の撮影:ヨタカの鳴き声入り?)▶ 水浴びの好きなフクロウ【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】 


※ 行水の水音や鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

2回とも、フクロウは顔を洗っただけで、本格的な水浴行動はしませんでした。


2025/10/06

山中の水溜まりで水を飲むキジバト【野鳥:トレイルカメラ】

 

2024年7月下旬・午後16:55頃・晴れ・気温24℃ 

山林で湧き水が滲み出した湿地帯の水溜りを無人センサーカメラで見張っていると、午後に1羽のキジバトStreptopelia orientalis)が現れました。 
この地点でキジバトは初見です。 

水際に歩み寄ると、水面に嘴を付けてゴクゴク飲み始めました。 
後ろ姿ではなく少し横を向いてくれたので、飲水シーンがしっかり撮れました。 
水を飲みながらも合間に周囲を警戒しています。 
喉の乾きをいやすと、水浴びはしないで、右上に飛び去りました。
1.5倍に拡大した上で、キジバトの飲水シーンをリプレイ。(@1:22〜) 


つづく→

2025/10/02

夏の水場に飛来して虫を探す謎の小鳥(シメ?)【野鳥:トレイルカメラ】

 

2024年7月中旬・午前10:20頃・晴れ・気温24℃ 

山林で湧き水が滲み出した湿地帯の水溜りを無人センサーカメラで見張っていると、昼間に謎の小鳥が右から飛来しました。 
水溜まりSの上空で軽くホバリング(停空飛翔)してから、中洲に着陸。 
警戒しているのか、水場で飲水も水浴もしてくれません。 
足元の泥濘を嘴で啄んでいるだけです。 
小さな虫でも捕食しているのでしょう。

この地味な鳥の種類は何でしょうか? 
1.5倍に拡大した上でリプレイしても(@0:56〜)、やや遠くて見分けられません。 
素人目にはシメCoccothraustes coccothraustes)と似ているような気がしたのですけど、どうですかね? 
しかし、シメは冬鳥のはずです。 
夏に山形県の低山でシメを見るなんて、あり得るのでしょうか?
Perplexity AIに尋ねてみると、
山形県の低山において、シメは夏季には非常に稀ながらも繁殖が確認されていることがあり、7月中旬にも見られる可能性があります。シメは本来は本州で冬鳥ですが、秋田、岩手、山形、福島、長野といった本州の一部地域で希に繁殖し、近年山形県内でも繁殖の兆候が複数の個体で報告されています。夏季の観察例は少ないが存在し、山形の海沿いなどで繁殖行動も観察されているため、7月中旬の低山での観察も考えられます.
シメはホバリング(停空飛翔)をすることが知られています。シメは主に飛行中に翼を羽ばたかせて飛びますが、ホバリングを行うことがあるという記述が、シメを含むアトリ科の仲間に関する飛行の観察記録にあります。特にホバリングはシメが花や餌を狙う際や短い間の停止飛翔として見られることがあるようです。ただし、猛禽類やカワセミ、ハチドリのような専門的なホバリング飛行とは異なり、シメのホバリングは短時間かつ少し不安定なものと理解されています.[1]

※ 動画の後半は編集時に自動色調補正を施しています。

2025/09/29

夜の水溜りで顔を洗うフクロウと周囲を飛び回るコウモリ【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年7月中旬〜下旬 

シーン0:7/16・午前11:45・晴れ・気温32℃(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山林の中に少し開けた湿地帯があり、湧き水が滲み出して浅い水溜りになっています。 
水場に来る生き物を無人センサーカメラ(新機種)で見張っています。 

夜な夜な通ってくるフクロウStrix uralensis)の登場シーンを以下にまとめました。 


シーン1:7/16・午後20:00・気温20℃(@0:03〜) 
久しぶり(15日ぶり)にフクロウが水場に来てくれて、ほっと一安心。 
辺りを見回して安全を確認してから、歩いて水溜りSに入水。 

やがて水面に漬けた顔を左右に素早く振って、洗顔を始めました。
我々ヒトのように手を使って顔を擦り洗いすることができないので、フクロウはこの洗顔法を編み出したようです。 

洗顔中にフクロウが足踏みする理由が私には分かりません。 
これから本格的に水浴をするのなら、わざわざ泥で水を濁らせなくてもいいのに、と素人目には思ってしまいます。 
浅い水溜りの底を足で掘って少しでも深くしたいのでしょうか。 
水底に潜む獲物を探しているのかな? 
もしかすると、この水溜りは浅く見えても底なし沼のようになっていて、足踏みし続けないとどんどん沈んでしまうのかもしれません。

結局、最後まで見届けられずに2分間の録画時間が終わりました。


シーン2:7/21・午後22:11・気温27℃(@1:40〜) 
5日後の晩遅くにもフクロウが写っていました。 
最近イノシシがヌタ打ちしたり泥濘を掘り返したりしたせいで、水溜まりSの地形が少し変わってしまいました。(映像公開予定) 

フクロウが後ろ向きで入水すると、水溜まりの中で足踏みしながら方向転換しました。 
このときコウモリの一種が上空を飛来しました。 
しかし何度も旋回するだけで、フクロウが来ている間は水溜りの水面に着水しませんでした。 
コウモリは超音波によるエコロケーションで、水場の状況をしっかり把握しているようです。 
飛びながら虫を捕食しているのでしょう。

フクロウは周囲を飛び回るコウモリを気にせずに、洗顔開始。 
泥水に脚を浸しながら、辺りをキョロキョロ見回しています。
今回も飛び去るまで見届けられませんでした。 


シーン3:7/22・午後23:15・気温22℃(@3:12〜) 
翌日も深夜にフクロウが来ていました。 
此岸から泥濘を歩いて入水すると、キョロキョロと辺りを見回しています。 
やがて力強く羽ばたくと、左上に飛び去りました。 
なぜか今回は洗顔も水浴もしませんでした。 
熱帯夜というほど気温は暑くないのですが、体を水で冷やしに来ただけのようです。 
それとも何か異変があって逃げたのかな?


シーン4:7/22・午後23:19(@3:55〜) 
3分後にフクロウが戻ってきました。 
(個体識別できていないので、別個体の可能性もありえます。) 

水溜りに入ると、すぐに顔を洗い始めました。 
辺りをキョロキョロ見回して警戒を怠りません。 


※ 水音や羽音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】
結局この時期のフクロウは、水溜りで本格的な水浴をしてくれませんでした。 

神垣健司『森の賢者 フクロウ』という本を読んでいたら、「第4章 水場のフクロウ」に私が観察したことと同じ行動が書いてありました。
水場が浅いせいか、フクロウは水場でからだを前屈みにして、まるで顔を洗うように水を浴びる。水場をぐるぐる歩きながら、顔を水につけて洗っていることもあった。雨に日にも(原文ママ)水場で水浴びをするが、雛が巣立って森を離れるとフクロウは水場に姿を見せなくなる。(p42より引用
筆者のフィールドは広島県で、YouTubeチャンネルも開設しておられます。

つづく→

2025/09/22

山中の水溜りから水を飲むアオゲラ♀【野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年7月上旬 

シーン0:7/1・午後12:25・雨・気温27℃(@0:00〜) 
山林の湧き水が滲み出してくる湿地帯で、水溜りSを無人センサーカメラで見張っています。 
梅雨の雨が降って、水溜りが大きくなりました。 
右奥には別の水溜りNも見えています。 


シーン1:7/2・午前5:56・雨・気温18℃(@0:04〜) 
左上から緑色の鳥が湿地帯に飛来し、右下の死角に消えました。 
しばらくすると、手前からアオゲラ♀(Picus awokera awokera)が現れ、ホッピングで水溜りSに近づきました。 
水溜りの泥水を飲む後ろ姿が撮れました。 

後頭部のみ赤くて、横を向いたときに顎線が赤くないので、♀と分かります。 

ときどき泥濘をあちこち嘴でつついて、小さな虫を捕食しているようです。 
(泥そのものを食べてミネラル摂取している可能性は?) 

水場から飛び去るのを見届ける前に、1分間の録画が終わりました。 


2025/09/18

軒下の窓枠などに集まったツバメ幼鳥の群れ

 

2024年7月上旬・午後15:55頃・晴れ 

郊外の住宅地でツバメHirundo rustica)の群れがいました。 
2階建ての民家の軒下で、狭い窓枠や換気口キャップ、雨樋パイプなどの上に並んで留まっています。 
電柱からの引き込み線に留まっている個体も居ました。 

いずれも喉が黄色いので、近所の巣から巣立ったばかりの幼鳥です。 
(動画に写っている同じ民家の軒下にはツバメの巣はありませんでした。)
中には喉が赤く色づき始めた個体も混じっていました。 

いずれ親鳥が飛来して幼鳥に巣外給餌するだろうと期待してしばらく粘ったのですが、親ツバメは私を警戒して近づきませんでした。 
撮影後に私が歩いて横を通り過ぎようとしたら、ツバメの群れは一斉に飛んで逃げてしまいました。 

※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】
この8羽のツバメ幼鳥は同じ巣から巣立った兄弟姉妹なのでしょうか? 
Perplexity AIに相談してみた回答がこちらです。
・1つの巣から同時に8羽が巣立つことは極めてまれ。 
・観察された8羽は複数の巣(近隣で巣立った複数家族)の幼鳥が合流した群れである可能性が高いです。特に郊外の住宅地では、巣立ち直後~集団塒(ねぐら)への移動までの間、幼鳥が親とともに近くでまとまって過ごす時期があり、規模の大きい一時的な集団も見られます。 
・巣立ち雛や親兄弟を含む複数家族が集まる、小規模な群れが住宅地や電線、軒先などで形成されやすい時期。 
・7月以降はこうした集団行動が顕著となり、大集団は主にねぐらで夜を過ごす際に見られる。 
・ツバメの親鳥が巣外で給餌する際は「自分の子の鳴き声や行動の特徴」で見分けて餌を与えており、群れの中でも親子の関係は維持されます。ただし、他の幼鳥に間違って給餌するケースも一部では報告されていますが、基本的には自分の子を優先的に認識できるとされています。

2025/09/14

山中の湿地で泥濘を掘り獲物の小動物を探すオオタカ【野鳥:トレイルカメラ】

 

2025年8月中旬・午後7:55頃・くもり・気温23℃ 

山林に少し開けた湿地帯があり、湧き水が滲み出して浅い水溜りになっています。 
水場に来る野生動物や野鳥を自動撮影カメラで長期間見張っています。 

酷暑が続く真夏のある朝、大型の猛禽が右から飛来したようで、泥水溜りの右の岸に着陸していました。 
この地点で撮れた鳥としては最大です。 
鳥の図鑑で調べると、憧れのオオタカAccipiter gentilis)でした。
顔に顕著な眉斑と黒い眼帯のある大きなタカ。(山渓カラー名鑑『日本の野鳥』p144より引用)
ちなみに和名のオオタカとは「大鷹」ではなく、「蒼鷹あおたか」から来ているのだそうです。 

てっきり狩りの直後かと期待したのですが、足元を見ても獲物を捕らえてはいませんでした。 
水場で水を飲んだり浴びたりしに来たはずなのに、オオタカは鋭い眼光でキョロキョロと周囲を見回しているだけです。 
監視カメラの存在に気づいて警戒しているのでしょうか? 
まさか水面のアメンボを狩るのかな? 

やがてオオタカは右を向くと、急に右へ歩いて行きました。 
足元の泥濘から何か物を嘴で拾い上げたものの、すぐに落としました。 
どうやらゴミを獲物(カエル?)と誤認したようです。 

画面の右端でオオタカが右を向いたまま静止しています。 
尾羽根しか写っていません。 
やがてその場で方向転換すると左向きになり、ようやく頭部が見えるようになりました。 
足元の泥濘を右足の鉤爪で何度も掻きました。(@2:08〜) 
新たに掘った穴に溜まる泥水を飲むのかと思いきや、泥濘からミミズ?を啄んだようです。 

次に監視カメラが起動したときには、オオタカが少し奥に飛んで移動した直後でした。 
湿地に転がっている落枝に乗ろうとしたら、表面のヌルヌルした泥でスリップしてバランスを崩しました。(@3:39〜) 
危うく無様に転んで泥だらけになるところでしたが、なんとか転ばずに踏みとどまりました。 

初めに着陸した地点に戻ったのに、依然として水溜りの水を飲もうとしません。 
その場で足踏みして方向転換すると、足元の泥濘を嘴でつついて何か(ミミズ?)を食べました。 

また画面右端の泥濘に移動し、しばらく右向きで佇んでいます。 
最後にようやく右へ飛び去りました。 
力強い羽ばたきを1/3倍速のスローモーションでリプレイしても、広げた翼の下面は見えませんでした。 

※ 最後に飛び立つ羽音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】
結局このオオタカ個体は、一体何をしに湿地帯の水場に来たのでしょうか? 
10分間以上も長居したのに、飲水も水浴もしませんでした。 
猛暑が続く夏は獲物がほとんど捕れないのか、湿地で小動物(カエルやミミズなど?)をちまちまと啄んでいる姿は精悍なオオタカのイメージらしくありません。 

バードリサーチニュースでオオタカの食性について調べると、
食性と採食行動: 主にスズメやムクドリなどの小型鳥類から,ハトやカラス,キジといった中型の鳥類を主に捕食する(前橋営林局2000).また,割合は低いが,ネズミやリス,モグラ,イタチ,ノウサギといった哺乳類も捕食する.なかには両生類や爬虫類を捕食したという記録もある.オオタカの狩りは,数分間の止まりと飛行を繰り返して餌動物を探し,止まり場所から餌動物へ襲いかかる.また,高空を飛行しながら,あるいは高い鉄塔などから急降下したり,地形や建物に沿って低空を飛びながら餌動物に近づいて襲ったりもする.時には,地上を歩きながら,草むらに隠れる小鳥やネズミなどを探すこともある.

今のところ、この水場にオオタカが登場したのはこれっきりです。 



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2025/09/10

山中の水溜りで水浴してから歩き去るフクロウ【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 


2024年7月上旬 

シーン0:6/28・午後13:15・くもり・気温29℃(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山林に少し開けた湿地帯があり、湧き水が滲み出して浅い水溜りになっています。 
水場に来る野生動物や野鳥を自動撮影カメラ(新機種)で見張っています。 

ある一晩に登場したフクロウStrix uralensis)の動向を以下にまとめました。 


シーン1:7/1・午前2:09・気温22℃(@0:04〜) 
小雨が降る深夜に右から飛来したらしいフクロウが中洲で左を向いていました。 
向きを変えて奥の水溜まりに歩いて入ると、足浴したまま水面をじっと見つめています。 
カエルやオタマジャクシ、水生昆虫などの気配を探っているようです。 
辺りを見回してから、洗顔を始めました。 
水面に顔を浸して左右にすばやく振っています。

本格的な水浴に移行するのを見届ける前に、2分間の録画が終了。 


シーン2:7/1・午前2:31・気温23℃(@2:03〜) 
約20分後にも右から飛来したフクロウが左の水たまりに来ていました。 
同一個体なのか、別個体なのか、観察歴の浅い私には分かりません。 

入水した途端に勢い良く水浴を始めました。 
中洲に上陸すると身震いして羽根の水気を切ってから、手前に向かって歩いて来ました。 
翼を広げてバランスを取りながらヨチヨチと泥濘を横断します。 
エッホエッホと走る可愛いメンフクロウがSNS上でバズり、ネットミームになりましたが、私も実際にフクロウの歩行シーンを見たのは今回が初めてです。
 


※ 水浴の水音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


2025/09/08

山中の水溜りで水浴びするアオゲラ♀【野鳥:トレイルカメラ】

 

2024年7月上旬 

シーン1:7/4・午前11:37・晴れ・気温31℃(@0:00〜) 
山林にある湿地帯で湧き水が滲み出してくる水溜りSを自動センサーカメラで見張っています。 

晴れた昼前にアオゲラ♀(Picus awokera awokera)が水場に来ていました。 
対岸の浅い岸辺で水浴びを始めました。 
水面で激しく羽ばたいて水を跳ね上げ、自分の体にかけています。
対岸に上陸すると、濡れた羽根を嘴で整えました(羽繕い)。
せっかく身震いして羽根の水気を切ったのに、再び水溜りに入ると、行水を再開。 
このルーチンを何回か繰り返しました。

水場から飛び去るまで見届ける前に、2分間の録画が終わってしまいました。 
この地点でトレイルカメラにアオゲラが写ったのも初めてですし、アオゲラの水浴行動も初見です。 


シーン2:7/2・午前6:57・晴れ・気温18℃(@2:00〜) 
実は2日前の朝にもアオゲラ♀が来ていました。 
どうやら水浴シーンを撮り損ねたようで、対岸で羽繕いと身震いを繰り返しています。 
最後は右へ飛び去りました。 


1.5倍に拡大した上でアオゲラの水浴行動をリプレイ(@3:00〜)。
横顔を見ても顎線に赤色部がないので、おそらく♀のようです。 
アカゲラと違ってアオゲラは♀も♂も後頭部が赤く、後頭部の色では性別を見分けられません。 


※ 鳥がパシャパシャと水を跳ね上げる水飛沫の音や飛び立つ羽音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

2025/09/06

太陽光発電所を避難場所にするキジバトの群れ(野鳥)

 

2024年4月下旬・午後15:20頃・くもり 

郊外の農村部で田起こし(耕耘)したばかりの刈田でキジバトStreptopelia orientalis)の群れが採食していたようです。 
それを知らずに私が横の農道を歩いたら、キジバトの群れが一斉に飛び去りました。 
最近、農地の一部を潰してメガソーラー(太陽光発電所)に転用しているのですが、逃げたキジバトは刈田に隣接するソーラーパネルに止まって、私が立ち去るのを待っています。 
(映像はここから。) 

刈田から避難した2羽のキジバトがソーラーパネルの縁に止まっているのを見つけました。 
その後ろ姿を撮り始めたら、右の個体ががすぐに奥へ飛び去ってしまいました。 
居残った個体は振り返って、辺りを警戒しています。 
しばらくすると、ソーラーパネル上を左へ少し歩いてから、左へ飛び去りました。 
もしもソーラーパネルが鳥の糞で汚れてしまったら、掃除しないと発電効率が落ちてしまうはずです。

メガソーラーの敷地の手前に設置した格子状の金網フェンスの上にも別個体のキジバトが止まっていて、羽繕いを始めました。 

今回のは別に面白くもない動画ですが、ソーラーパネルに覆われた広大な敷地(草地)を野鳥や野生動物はどう利用するか、という点に私は興味があります。 
しかし、新しい環境に馴れてくれるまで、しばらく時間がかかりそうです。 
立入禁止の敷地内は、意外に野生動物の天国かもしれません。
メガソーラーの敷地内にトレイルカメラ(無人カメラ)を設置したら、何か新しい発見がありそうです。 
ソーラーパネルを保守するために、敷地内を定期的に除草する必要があるのですが、ヤギを放牧して雑草を食べてもらおうという試みも全国各地で行われています。

今回のキジバトの行動は、太陽光発電所を避難場所にしていたことになります。
ほとぼりが冷めたら、また田んぼに戻ってきて採食を再開するのでしょう。
これまでも、農地で採食(食害)していたキジバトの群れに誰かヒトが近づくと警戒して周囲の林などに一時避難する様子を何度も見てきたのですが、その避難行動と何ら変わりません。
どこかで(メガソーラーの敷地内?)キジ♂が鳴く声も聞こえたのですが、姿を見つけられませんでした。 

2025/09/04

カラマツの枯木から飛び立つノスリ(野鳥)

 

2024年5月中旬・午後14:20頃・晴れ 

山麓の山道(入山口の付近)で私が長時間トンボの撮影をしていると、すぐ横の林からノスリButeo japonicus)が鳴きながら飛び去りました。 


近所のカラスが目敏く見つけて、ノスリをモビング(擬攻撃)しに集まって来ます。 
ノスリは鳴きながら林の上空を逃げ回ります。 
この近くにノスリの営巣木がありそうだと以前から目星をつけていたので、林道を外れて雑木林にそっと入り、探索してみることにしました。 
静かに薮漕ぎするのが大変で、なかなか進めません。 

立ち枯れしたカラマツの高木を見上げると、いつの間にかノスリが後ろ向きで横枝に留まっていました。 
白っぽい羽毛が風でなびいています。 
モビングしてくるカラスに気を取られたノスリは、止まり木の下に忍び寄った私に気づいてないようです。 
しかしカメラを向けた途端に前方に止まり木から飛び去ってしまいました。 
その直後に至近距離からピーエ♪という甲高い鳴き声が繰り返し聞こえました。 
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:22〜) 

結局、今回もノスリの営巣木を見つけることはできませんでした。 
繁殖期なので、親鳥を刺激してはいけません。 
私もあまり無理しないで現場を離れました。 
(雛が巣立った後に)ドローンを飛ばして上空から高木の樹冠を丹念に見て回れば、ノスリの古巣を効率よく探せるのかな?

2025/09/02

休耕田で採食するキジバト(野鳥)

 

2024年5月下旬・午後16:10頃・晴れ 

休耕田に飛来したキジバトStreptopelia orientalis)が単独で採食を始めました。 
畦道の横を歩きながら、あちこち啄んでいます。 
畦の土手にはスギナなどが疎らに生えています。

2025/08/31

電線で交尾するスズメ♀♂【野鳥:ハイスピード動画】

 

2025年8月上旬・午前9:45頃・晴れ 

郊外の住宅地で電線に留まったスズメPasser montanus)の♀♂つがいが交尾をしていました。 
一方の個体だけが相手の横で翼を小刻みに震わせ続けていました。 
初め私は、てっきりスズメの幼鳥が親鳥に餌乞いしているのかと思ったのですが、交尾を始めたのです。 
後で動画をじっくり確認すると、2羽とも成鳥でした。 

慌てた私がカメラ操作を誤り、ハイスピード動画で撮り始めてしまいました。 
青空を背景に逆光気味だったのでカメラのバックモニターが見えづらく、ほとんど勘で撮ったので、最後まで私は自分のミスに気づきませんでした。 
(こういうときは、カメラの液晶画面を見るのではなくファインダーを覗きながら撮影すべきでした。)
スズメが交尾時に特有の鳴き声を発していたのに、ハイスピード動画では録音されない仕様なので残念無念。 
♀♂どちらの個体が鳴いていたのか不明です。(鳴くのは多くの場合♂らしい。) 
しかし今回はスズメの短い交尾行動をスーパースローで記録できたので、それはそれで満足です。 
交尾を記録したハイスピード動画が細切れで終了したのは、いつものように高画質のFHD動画で撮っていると勘違いしたままの私が良きところでスナップショット(静止画)を何枚も撮ってるつもりだからです。 

関連記事(4、5年前の撮影)▶  


2羽のスズメのうち、♂だけが終始、全身の羽毛を逆立てていました。
一方、♀の羽毛は普通でした。
よく晴れていて無風の条件だったので、風で♂の羽毛がなびいたり乱れたりしたのではありません。 
♂が性的に興奮したり緊張したりしている証かもしれません。
全身を大きく見せて♀にアピールする効果もありそうです。 

♂が♀の背から降りる度に、♀は電線を伝って右へ右へと移動します。 
♂は小刻みに羽ばたきながら♀を追いかけ、再び♀の背に飛び乗って交尾を挑みます。 

哺乳類の交尾と違って、鳥の♂は♀に背後からマウントしながら♀の首筋を咥えて保定する(バランスを取る)ことはありません。 
今回のスズメ♂が羽ばたき続けているのは、♀の背中という不安定な足場でバランスを取りながら交尾するためでしょう。
ただし、比較的安定した電線に降りたときにも♂は羽ばたきを続けていました。 (求愛誇示?)

交尾という熟語を構成する字の通り、確かに♀と♂の尾羽根が互いに交差しています。 
鳥の♂は陰茎を持たないので、交尾するときは総排泄孔をお互いに触れ合って精子を♀に渡すことになっています。 
電線の下から見上げるように撮影したので、スズメの総排泄孔を♀♂ともにしっかり観察できたのですが、尾羽根を何度も交差したのに総排泄孔は触れ合っていません。 
したがって、交尾試行を繰り返したものの、厳密に言うと交尾は失敗したようです。 
♂が♀にマウントし尾羽根を交差しているときに、♀が体を横に少しひねって(あるいは尾羽根のひねり・持ち上げ)協力しない限り、総排泄孔が触れ合って精子を受け渡すことは無理です。 
今回のスズメ♂は、♀の尾羽根の根元の背側に総排泄孔を擦りつけていましたが、そこに付着した♂の精子が自力で蠕動運動して♀の総排泄孔まで辿り着くのは不可能です。
つまり♀が協力姿勢を取らない限り、いくら尾羽根を交差した時間や回数が多くても、交尾は成功しません。

鳴き声が録音されていない無音のスーパースロー動画を見る限り、スズメ♀は♂を誘っているようには全く見えません。
今回♀は電線に身を伏せて♂のマウントを受容しているだけでした。 
♂との交尾を激しく拒否したという程ではありませんが、交尾に非協力的でした。 
私が電線の下でカメラを構えていたので、スズメ♀は落ち着けず(真下のヒトを警戒して)、♂との交尾を拒否したのかもしれません。 

交尾を終えたスズメの♀♂ペアは互いに離れて電線に留まり、各自で羽繕いしたり体を足で掻いたりしています。 
左の♂個体は「翼震わせ」を止めたものの、依然として羽根を逆立てたままで、まだ性的興奮の余韻が残っているのかもしれません。

今回は通りすがりにたまたま撮影できたので、その後のスズメ♀♂ペアの動向は不明です。 
したがって、繁殖の進行を示す行動(スズメ♀が巣材を運んだり、♂から給餌を受けたり、雛の声がしたり、など)は確認できませんでした。


【考察】 
この記事を書くために、ChatGPTと問答を繰り返し、有益なブレインストーミングができました。 
(一方でPerplexity AIは、スズメ♂が交尾時に羽根を逆立てることをなぜか知りませんでした。)

8月上旬にスズメが交尾したのは時期的に遅くないだろうか? 
ChatGPTに問い合わせると、
スズメは1年に 2〜3回、多い場合は4回ほど繁殖 することがあります。北日本の郊外では:

第1回繁殖:4月〜5月

第2回繁殖:6月〜7月

第3回繁殖:7月下旬〜8月上旬

気温や餌の量が減り、換羽期に入ると繁殖活動は終了します。北日本では 8月中旬以降はほぼ交尾は観察されない と考えてよいです。
スズメは基本的に一夫一妻性とみなされていますが、♂がパートナーの♀の浮気(婚外交尾)を防ぐために、交尾の直前に総排泄孔から精子を掻き出すことは解剖学的に不可能です。
スズメの♂は♀をライバル♂からひたすらガードして頻繁に交尾するしか、卵や雛の父性を保証する術はありません。 

今回スズメ♀の行動は(消極的な)交尾拒否と思われます。
交尾相手の♂を選り好みしたのでしょうか?
 「交尾を試みたけど♀に拒否されて失敗した(受精できない)」ということをスズメ♂は自覚しているはずです。
交尾(試行)後の羽繕いでも♂が羽根を逆立てたままなのは、欲求不満かもしれません。 
♀がパートナー♂との交尾を拒むと、その後に♂からの給餌や縄張り防衛などを協力してもらえなくなるかもしれません。
つまり、pair-bonding(つがいの絆を保つ)の手段として交尾を形式的にでも受け入れることが必要なのでしょう。 

今回のように下から見上げる形で観察・撮影していた場合、♀にとっては「近くに潜在的な脅威あり」と感じ、自然に交尾を拒否する行動が強まった可能性が高いです。

つまり、交尾未遂は**♀の心理的・環境的要因による一時的な拒否**の結果である可能性があります。

これは♀の繁殖戦略や精子選択の意思とは直接関係せず、安全確保のための行動として理解できます。

この場合、オスの欲求不満や羽毛逆立ちも、♀の拒否に起因して生じた「未遂反応」と考えるのが自然です。

2025/08/29

キアゲハの幼虫を捕食するモズの幼鳥(野鳥)臭角は自衛の効果なし?

 



2025年8月中旬・午前9:40頃・晴れ 

葉が生い茂るウメ(白梅)の樹上でモズLanius bucephalus)の幼鳥が何か太くて細長い緑色のイモムシ(芋虫)を嘴に咥えていました。 
よく見ると獲物の正体は、キアゲハPapilio machaon hippocrates)の幼虫でした。 
芋虫はもう暴れていないのに、死んだ獲物を枝に何度も叩きつけて念入りに殺しています。

モズの親鳥が幼鳥に口移しで給餌する瞬間を見逃してしまいました。 
幼鳥が餌乞いする鳴き声も聞こえませんでした(聞き逃した?)。 

キアゲハの幼虫は、食草の細い茎にしがみついたまま死んでいました。 
モズの親鳥は、食草ごと引きちぎってイモムシを運び、幼鳥に給餌したようです。 
キアゲハ幼虫は、セリ科の植物しか食べません。 
ウメの樹上にキアゲハの幼虫が居るはずがないので、親鳥が近所の庭などで狩ってきて幼鳥に給餌したのでしょう。 
後で現場検証しても、白梅の木の下にセリ科植物は自生していませんでした。 
したがって、キアゲハの終齢幼虫が蛹化するために近くの庭木に登ってきた可能性は除外できます。 

元の動画がやや不鮮明でカメラのAFが合焦しにくいのは、汚れた窓ガラス越しに室内から撮影したからです。
窓を開けて直接撮影したいのはやまやまですが、その音でモズが警戒して逃げてしまいそうなので、我慢してそのまま撮影を続けました。  
1.5倍に拡大および自動色調補正した上で、1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。(@0:37〜) 
動画編集時に自動色調補正を施したら、被写体がくっきり見えるようになりました。 

ここで気になるのは、鳥に狩られたキアゲハ幼虫が臭角を伸ばしているかどうか、という点です。 
アゲハチョウ科の幼虫が天敵に襲われたときに頭部からニョキっと伸ばす臭角は、強い刺激臭と派手な色彩で捕食者に対して忌避効果があると考えられています。 

関連記事(4、12年前の撮影)▶  


今回のモズは獲物の急所である頭部を嘴で強く挟み付けながら激しく振り回しているため、キアゲハ幼虫の臭角が見にくいです。 
後半になると、モズはようやく幼虫の体の中央部を咥え直しました。 
スロー再生で拡大すると、死んでぐったりしたキアゲハ幼虫の頭部から鮮やかなオレンジ色の臭角が伸びていることが判明しました。
一般に鳥は嗅覚が鈍いとされているので、キアゲハ幼虫の臭角に自衛効果がなかったのは当然かもしれません。 


隠し撮りをしている私を警戒したのか、モズは庭木の枝から枝へ移動し、枝葉の陰に隠れてしまいました。
獲物を実際に捕食する(飲み込む)まで見届けられず残念でした。 
キアゲハ幼虫の臭角は刺激臭がするだけでなく不味いはずなので、モズが食べる前に獲物を引き裂いて臭角(あるいは幼虫の頭部)を丁寧に取り除くかどうか確認したかったのです。 

モズが早贄はやにえを立てる有名な行動を私はまだ実際に観察したことがありません。 
この時期(真夏)はまだ育雛期なので、モズの親鳥は捕れた獲物をすべて幼鳥に給餌するか自分で食べてしまいます。 
また、体表の柔らかい幼虫は腐りやすいため、早贄として貯食するには向いていないでしょう。 


【追記】
今回のモズは幼鳥ですよね?(あまり自信がありません。)
前回に登場した個体よりも、フワフワした綿羽が生え変わっているようなので、換羽中の別個体なのでしょう。
これから幼鳥に給餌するために獲物を運んできた親鳥♂だとしたら、記事を全面的に書き直さないといけません。


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2025/08/27

樹上で羽繕いし、ペリットを吐き出すモズの幼鳥(野鳥)

 

2025年8月中旬・午前9:25頃・晴れ 

裏庭に植栽されたウメ(白梅)の樹上になんか地味で大きな鳥が留まっているなと思い動画を撮影してみると、モズLanius bucephalus)の幼鳥でした。 
全身がフワフワした綿羽で覆われているので、巣立ったばかりの幼鳥です。 
羽根が毛羽立っているせいで、幼鳥は体が大きく見えます。
幼鳥はときどき羽繕いしています。 

庭木の横枝に正面を向いて止まっているモズ幼鳥は、真夏の暑さに喘いでいるのか、嘴をやや半開きにしています。 
周囲ではミンミンゼミ♂が暑苦しく鳴いています。 

やがて白梅の横枝を伝って右に少し移動しました。 
ガラス窓越しに室内から隠し撮りする私から隠れたつもりなのかな? 
あるいは暑いので日陰に入ったのかもしれません。 

また羽毛を整え、身震いしました。 
幼鳥でもいかにもモズらしく、常に尾羽根を上下に動かしています。 

ウメの茂みに隠れてキョロキョロと辺りを見回しているモズ幼鳥は、親鳥が給餌しに来るまで待っているのでしょう。 
同時期に巣立った幼鳥の兄弟姉妹は分散して隠れているようで、どこにいるのか見つけられませんでした。 

やがてモズの幼鳥は斜め下を向き、嘴を大きく開きました。 
そして首を激しく振りながら、やや苦しそうにペリットを吐き戻しました。(@3:15〜) 
ペリットは黒っぽくて丸みを帯びた塊で、意外に大きかったです。 
今思うと、落ちたペリットを後で拾いに行けばよかったですね。 
ペリットの内容物を詳細に調べれば、モズの幼鳥がどんな餌を親鳥から与えられて食べたのか推理できます。 

最後にモズ幼鳥はピョンピョンと横枝を伝ってさらに右へ移動すると、手前に生い茂るケヤキ枝葉の陰に隠れてしまいました。 
何か樹上の虫を嘴で啄んだようですが、狩りには失敗したようです。 

ペリットを吐き出す瞬間を、1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@3:44〜) 




【追記】
後でこの白梅の庭木を調べてみたのですが、鳥の巣は見つかりませんでした。
つまり、モズの営巣木ではありません。




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2025/08/25

スギ樹上で3羽のアオバト♂を見つけた!(野鳥)

 

2025年8月中旬・午後12:00頃・晴れ 

今季は野山で聞こえる謎の鳴き声の正体がアオバト♂(Treron sieboldii)の囀りさえずりだとようやく突き止めました。(鳴き声だけ撮った映像を公開予定) 
鳴き声はすれども、アオバトの姿をなかなか見ることができません。

私が山麓の道を静かに歩いていたら、数羽の鳩が飛び立ち、麓に広がるスギ防風林に逃げ込みました。 
おそらく地上で採食していたのでしょう。 
シルエットで鳩だと分かったのですが、キジバトよりもカラフルだったので、もしやと思ってカメラでズームインしてみると、憧れのアオバト♂(Treron sieboldii)でした。 

スギ高木の同じ横枝に並んでいる2羽を見つけて撮り始めたのですが、実は少なくとももう1羽近くにいる姿が動画の最初と最後に写っていました。 
翼に赤紫色の羽根があることから、3羽ともすべて♂の群れでした。 
キジバトと違ってアオバト♂は羽根がカラフルなので、常緑のスギの枝葉に紛れる保護色ではありません。 

樹上のアオバト♂は横目で私の方を油断なく見下ろしています。 
長撮りしてもアオバト♂は鳴いたり羽繕いしたりしてくれず、とにかく私に警戒してフリーズしているだけです。 
里の農地からパーンと破裂音(害獣対策の空砲)がしても、アオバトは無反応でした。 (@1:07〜)
周囲ではアブラゼミ♂やミンミンゼミ♂がやかましく鳴き続けています。 

このとき下山直後の私は重いザックを背負ったまま撮影していたので、アオバトを見上げ続ける体勢で腰が痛くなり、耐え切れなくなりました。 
私がカメラを下ろしたら、アオバトの群れは警戒を解いてパタパタと飛び去ってしまいました。(映像なし) 
生態動画としてはあまり面白くありませんが、それでも美しいアオバトを実際に観察できたのは生まれて初めてで、心躍りました。 


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