2021/12/31

里山の林道上で採食するキジバト?(野鳥)【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2021年10月上旬・午後16:35頃(日没時刻は午後17:13) 

タヌキの溜め糞aを監視するトレイルカメラ(無人センサーカメラ)に野鳥が撮れていました。 
おそらくキジバトStreptopelia orientalis)ではないかと思うのですが、白黒映像になると途端に自信がなくなります。 
林道上を歩き回りながら地面(落ち葉)をあちこち啄んでいます。 
種子食性のキジバトがタヌキの溜め糞に含まれる未消化の種子をもしも食べたら面白いのですけど、今回の個体は溜め糞に近寄りませんでした。 
(餌の欠乏する厳冬期にはもしかすると、そんな行動が見られるかもしれません。)
この時期の林道上には落ち葉に混じってブナの実などが転がっているので、おそらくそれを採食しているのでしょう。

背後の雑木林では、別個体が落葉樹の枝から枝へと飛び回っています。 
この2羽は♀♂つがいの関係なのかもしれません。 

どうもこのトレイルカメラには癖があって(制御プログラムのバグ?)、明るいはずの昼間でも赤外線の暗視モードのままになってしまいます。 
ピンク色と白黒が交互にチラチラする不自然な映像になってしまうので、動画編集時にモノクロに加工しました。 
私は写真よりもとにかく動画撮影を優先したいのですが、それは少数派みたいです。
とりあえず写真を撮ってから動画を撮り始めるようにするのがメーカー推奨の設定らしく、それなら動画の露光設定?は正常になります。 
しかし、動画派の私としては初めに静止画(写真)を1枚撮る数秒のタイムロスすらも惜しいのです。 
登場する動物はとにかく動き続けているので、行動を記録したい私は冒頭の決定的瞬間も逃したくありません。 
自力で原因を突き止めるまで、かなり悩まされました。 
秋の山中では日が落ちるのが早い上に、現場は鬱蒼とした雑木林なので、日没前でも異常に薄暗いのか?と初めは思ったりしました。 
メーカーにクレームを入れても良いのですが、このまま騙し騙し使い続けることにします。 
どうせ私が狙うターゲットは夜行性の哺乳類がメインなので、夜の暗視映像さえ撮れれば充分です。

ニラの花蜜を吸うツマグロヒョウモン♀【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年9月上旬・午前10:20頃・くもり 

街なかの道端に咲いたニラの群落でツマグロヒョウモン♀(Argyreus hyperbius)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
北上して来たツマグロヒョウモンを見たのはこの日が今季初です。 
翅が無傷のきれいな個体でした。  
強い風に煽られながらも翅を閉じて吸蜜しています。 
ときどき翅を開閉しています。 
隣の花序に歩いて移動しました。 

満ち足りたツマグロヒョウモン♀はニラの花から飛び降りて、側溝のコンクリート蓋の上に着陸しました。 
翅を全開にしたのですが、曇り空なので日光浴とは言えないかもしれません(ただの休息?)。 
そっと回り込んで真横から見てもツマグロヒョウモン♀は口吻を伸ばしておらず、コンクリートの表面を舐めていませんでした。 

私が近寄って真上から見下ろしてもなかなか逃げようとしませんでした。 
 飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@3:43〜) 
全開の翅を一度閉じて(立てて)から勢い良く振り下ろして飛び立つことになり、危険が迫った非常時にはタイムロスになるでしょう。

2021/12/30

夜の水場で喉を潤し水浴するツキノワグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2021年10月上旬・午後20:20頃 

山中の小さな水場にトレイルカメラ(無人センサーカメラ)を仕掛けたら、衝撃映像が撮れていました! 
夜に真っ暗な里山の林道を歩いて来たツキノワグマUrsus thibetanus)が水場に登場したのです。 
カメラ目線の両目が爛々と白く光っています。 
実は池の岸辺にクリの実を数個置いてみたのですが、クマは全く気づいた素振りがありません。 
岸から池の水を飲み始めました。 
ピチャピチャ♪と舌で水面を舐める音が聞こえます。 

喉を潤したツキノワグマは右前脚から慎重に入水しました。 
池の中央まで進んでも浅くて半身浴の状態です。
赤外線の暗視映像はモノクロで分かりにくいのですが、全身の毛皮に点々と付いている異物は「ひっつき虫」(動物散布型の種子)ですかね? 
赤外線では白く光って見えます。 

この水場を「熊の湯」と名付けたくなりますけど、温泉(露天風呂)ではありません。 
山の湧き水が窪地に浅く溜まっただけです。 
冷たい水に体を浸したクマの満足げな息遣いがハァハァ♪と聞こえます。
ようやく胸元に白い三日月紋が見えました! 
今後の個体識別に使えそうです。 
クマは半身浴のままで、背中や頭に水を掛けたりしませんでした。 
私が見慣れている鳥の水浴とは全く違いました。 
秋の夜なのにクマが火照った体を水風呂で冷やしたかったのかな? 
ときどき鼻先だけ水面下に沈めました。 
恍惚の表情に見えますが、まさか水中で排泄してたりして…? 

クマが池の中で向きを変えた時に、歩脚の長いザトウムシの仲間がカメラの前を横切りました。(@2:41) 
しかしクマは暗闇でザトウムシが見えてないのか無反応でした。 
赤外線カメラの存在も全く気にしていません。(見えてない?)
約3分間も水浴を楽しんだツキノワグマは、元の岸に戻ると左前脚から上陸しました。 
身震いして水気を切ったり毛繕いなどはせずに、そのまま林道を立ち去りました。 
録画の尺にピッタリ収まってくれたのも奇跡です。 
こんな大迫力の映像が撮れただけでもトレイルカメラの元が取れた気になりました。


実は昨年(2020年12月上旬)、水場の近く(直線距離で650m離れた地点)の雑木林の斜面(標高470m地点)で熊棚らしきフィールドサインを見つけています。 
落葉性広葉樹(樹種不明;クヌギ?クリ?)の上部の枝が大きく折られていて、そこだけ枯れ葉が枝に残っていました。
当時は半信半疑だったのですが、この山域に野生のクマが生息している確証が遂に得られました。 

 
たとえ低山でも入山時には護身用の熊よけスプレーを携帯する必要があると痛感しました。 
前時代的な「熊よけ鈴」やラジオを過信して命を預けるのは危険です。 
熊よけスプレーがもっと普及すれば値段も下がるはずです。
山間部のコンビニや自動販売機で気軽に買えるようになったら良いのに、と思います。

スキバツリアブ♀が山道で産卵前の尾端接地行動【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年9月中旬・午後15:30頃・晴れ 

里山の登山道の乾いた地面にスキバツリアブ♀(Villa limbata)が腹端を擦りつけていました。 
産卵前に砂粒を体内に取り込んで、予め卵の表面を砂でまぶしておくのだそうです。 
この行動を見れたのは、これが3回目です。
関連記事(1、13月前の撮影)▶  
スキバツリアブ♀が砂利道で産卵前の尾端接地行動【HD動画&ハイスピード動画】 
スキバツリアブ♀:産卵前の尾端接地行動
少し飛んではあちこちで何度も尾端接地行動を繰り返すので、実はこれが産卵行動ではないか?と私は少し疑いを抱きました。 
今回の♀個体が腹端をグリグリと擦りつけていた地点は日向の乾いた地面でいかにも硬そうです。 
こんな場所に産卵するはずがないと納得しました。 
撮影直後に掘り返すと卵を採集できるかな? 
念のために、来季(春?)はこの場所に寄主となるコハナバチ類やヒメハナバチ類のコロニーがあるかどうか、確かめに行くつもりです。 (私は無いと予想しています。)

ツリアブ類はホバリング(停空飛翔)の名手ですが、着地している間は羽ばたきを止めていました。 
地面から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:22〜) 

スキバツリアブ♀の産卵行動を観察してみたいものですが、飛びながら空中で卵を撒き散らすだけだとしたら、ただの(高速)飛翔と区別がつかないのかもしれません。

2021/12/29

ダイサギ4羽の群れが刈田に散開し虫や小動物を捕食(野鳥)

 

2021年10月上旬・午後13:20頃・晴れ

稲刈りの済んだ秋の田んぼ(刈田)に散開した4羽のダイサギArdea alba)が獲物を探し歩いていました。 
どの個体に注目すべきか目移りしてしまいます。 
1羽はずっと刈田に佇んで羽繕いを続けていました。 

獲物を次々に捕食するシーンも幸い動画で記録することができました。 
刈田の中央部よりも畦道の横に獲物が多いようです。
ダイサギは慎重に狙いを付けて嘴を地面に突き刺すと、何か黒っぽい獲物を捕食しました。 
遠くて獲物の正体は不明ですが、カエルやコオロギ、ケラなどが考えられます。 
捕食直後のダイサギは、嘴の先が泥で汚れたものの、首を左右に振って泥を落とすだけで嘴を拭う行動を全くやりませんでした。 

刈田の奥の区域ではコンバインによる稲刈りが一段落し、脱穀した米を軽トラの荷台に移していました。 
稲刈り中のコンバインの周囲に野鳥が集まって採餌するオートライシズムがこの地域で全く見られないのが私には不思議でなりません。

食餌の合間に排便するナシケンモン(蛾)幼虫

 

ナシケンモン(蛾)の飼育#16

前回の記事:▶ シソの葉を蚕食するナシケンモン(蛾)終齢幼虫【30倍速映像】

2021年10月上旬・午前9:00〜10:25・室温23.7℃ 

ナシケンモンViminia rumicis)の終齢幼虫アカジソ(赤紫蘇)の葉を食べながら定期的に脱糞していました。 
葉裏の主脈にしがみついていた尾脚を少し持ち上げながら、黒い糞をポトリと排泄します。 排便間隔の平均値は18.5分でした。(中央値は17.5分;n=4) 
私はこれまで様々な種類のイモムシ、毛虫を飼育してきましたが、その多くが30分間隔で脱糞していました。 
今回ナシケンモン幼虫の排便間隔が驚異的な最短記録を叩き出しました(最短で16分)。 
室温が特に高かった訳ではありません。 
ナシケンモン幼虫の代謝が他種に比べて早いとは考えにくいです。
シソの葉が特に消化が良いのか、整腸作用があるのでしょうか? 
私は漢方や東洋医学を盲信している訳ではありませんが、念のために一応調べてみました。 
熊本大学薬学部薬草園のサイトでシソの(ヒトに対する漢方薬的な)薬効が載っていたので引用させてもらいます。 
通便作用があるのはシソの葉ではなく種子らしいです。
葉は軽い発汗作用がありカゼや咳に用いる.また,気分を発散させる作用があり神経性の咳や喉の閉塞感,精神症状などに用いる.魚介類による中毒にも良い.漢方処方では,半夏厚朴湯,香蘇散,神秘湯などに配合される.種子は鎮咳去痰,通便作用がある.茎は気分の鬱滞した症状,胸のつかえなどのほか,妊娠中の悪阻や胃腸障害,胎動不安に用いる.薬用としては赤シソが用いられる. 主に葉は食用のほか,梅干の色付け,香り付けに利用される.
シソの葉の香り成分が胃酸の分泌を高め消化を促進するとしたサイトもありました。 

つづく→#17


【追記】
この個体は体内寄生されておらず、無事に成虫まで羽化しました。

シマヘビ幼蛇の死骸(ロードキル)

2021年10月上旬 

山麓の田園地帯で舗装された農道に蛇の轢死体(ロードキル)が腹を向けて転がっていました。 
アスファルトの上で日光浴していたところを車に轢かれたのでしょう。 
ひっくり返して見ると、シマヘビElaphe quadrivirgata)の幼蛇でした。 
幼蛇の時期は縦縞模様ではなく横縞で、毒蛇のニホンマムシと似ています。 
これはベーツ型擬態なのでしょうか。 
車の運転者がマムシと見間違えて、(危険な毒蛇を駆除するつもりで)故意に車に轢き殺されてしまったのだとしたら、逆効果ですね。
夕方だったせいか、屍肉食性の昆虫や分解者は何も来ていませんでした。
 
関連記事(2年前の撮影)▶ シマヘビ幼蛇の威嚇

2021/12/28

夜の林道をパトロールするも溜め糞に興味を失ったホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2021年10月上旬
前回の記事:▶ 夜の林道で溜め糞を調べ、排便、逃走するホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

里山の林道に設置したトレイルカメラ(無人センサーカメラ)の映像に3日間連続でホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が登場しました。 
夜の出没時刻も進行方向もまちまちです。 
なんとなく同一個体ではないかと思っているのですけど、個体識別できていません。 
この期間のタヌキはなぜか溜め糞の匂いを嗅いでチェックするどころか近づくこともなく、林道を通り過ぎました。 
別個体が新たに溜め糞上に排便しない限り、異状なしと判断するのかな? 
林道の地面や落ち葉の匂いを嗅いで回り、採食に夢中なようです。 

シーン1:午前1:47 
シーン2:午後18:26 
シーン3:午前3:14 

シーン4:約12時間後の午後15:00頃
トレイルカメラの電池を交換するために現地入りしました。 
林道に点在する溜め糞aの動画を撮りながら歩いて行きました。 
ちなみに動画前半部のトレイルカメラの画角で言うと、右から左へ向かって進みました。 

以下の写真は、その日に溜め糞aの中で比較的新鮮な物を記録した写真です。 
ニクバエが1匹来ていただけで、他に食糞性の昆虫は見当たりませんでした。
秋になると糞虫の活動がめっきり低下し、あまり面白くありません。
どうもトレイルカメラが動画に撮り損ねた排便シーンがあるような気がしています。 
使われなくなった古い溜め糞は黒く固く乾燥して、最終的には地面に黒いシミのように残るだけになります。 
秋にはその上に落ち葉が降り注ぎ、埋もれてしまいます。
ちなみに、この溜め糞aは昨シーズン(2020年12月上旬)に見つけたものです。 




前年の記憶を頼りにトレイルカメラで監視する溜め糞ポイントを決めたのですが、当時のデジタル写真のEXIFを確認すると、GPSの座標が一致していました。 
つまり、タヌキは同じ溜め糞を長期間に渡って利用することが確認できました。 
ところがこの後、タヌキは縄張りを変えたのか溜め糞aをあまり利用しなくなり、新鮮な糞が滅多に追加されなくなってしまいました。 
これまでに撮れた排便動画を見るとタヌキはトレイルカメラの存在を明らかに気づいて警戒していたようなので、この溜め糞aを敬遠するようになり、溜め糞を変更したのでしょうか?
実は同じ林道を更に進むと、別の溜め糞が少なくとも2ヶ所あるのです。
個々の溜め糞の栄枯盛衰というか季節消長を調べるのも面白そうですが、監視するトレイルカメラの数をなかなか増やせないのが悩みです。

コシアブラ幼木の葉に群がるカクモンヒトリ(蛾)の若齢幼虫

 

2021年10月上旬・午後15:15頃・くもり 

里山の細い山道の横に自生するコシアブラの幼木の葉が虫の激しい食害を受けてほとんど丸坊主になっていました。 
葉が透け透けになった(レース状)食痕が面白い被写体なので写真に撮っていたら、黒っぽい毛虫が群がっている葉を発見。 
現場ではアメリカシロヒトリかオビカレハなのかな?と予想したものの、帰ってから調べてみるとカクモンヒトリLemyra inaequalis inaequalis)の若齢幼虫の群れと判明。 

計45匹(以上?)の群れのほとんどが葉裏ではなく、わざわざ目立つ葉表に集まっていました。 
各々が徘徊移動して互いの毛が触れないように牽制し合っている結果、互いに適度な間隔を開けて分散しているようです(スペーシング、ソーシャル・ディスタンス)。 
食事中の個体は居ませんでした。 
もしかすると夜行性なのかもしれません。 

コシアブラ幼木の下部の葉の多くはレース状に食い尽くされていました。 
ちなみにコシアブラの若葉は山菜としてヒトの食用になります。
アメリカシロヒトリやオビカレハの若齢幼虫と異なり、幼虫の巣網が見当たりませんでした。 

枝葉を揺らしてもカクモンヒトリ幼虫の群れは威嚇や逃避行動などは特に示しませんでした。 
毛虫の群れは無反応というか擬死したのかもしれません。 
毛虫の本体に直接触れたときの反応を確かめたかったのですけど、毒毛かどうか分からず躊躇してしまいました。 
自衛手段の毒毛に自信があるのかと思いきや、カクモンヒトリ幼虫の毛は別に毒毛ではないそうです。 

幼虫を採寸すべきでしたね。 
現場に三脚を立てて集団食害シーンを微速度撮影したかったのですが、秋の山中は日が落ちるのが早く、もはや相当薄暗くなっていたので諦めました。 

2021/12/27

稲刈り前の田んぼでイヌビエの茎に止まり虫を狙う冬羽のノビタキ(野鳥)

 

2021年10月上旬・午後16:40頃・くもり 

冬羽になったノビタキSaxicola torquata)が南へ渡る途中で秋の田んぼに立ち寄るのは季節の風物詩です。 
つまり山形県でノビタキは旅鳥です。
関連記事(2、3年前の撮影)▶  
秋の田んぼで虫を捕食する冬羽のノビタキ♂♀(野鳥)  
田んぼで羽繕いする冬羽のノビタキ♀♂(野鳥)
稲刈りが進行する田んぼもある中、収穫を待つ田んぼで水田雑草イヌビエの茎に冬羽のノビタキが止まっていました。 
なぜか翼を激しく小刻みに震わせています。 
尾羽を上下に動かしながら、周囲を見回しています。 

ノビタキはときどきイヌビエの茎から急に飛び降りては、少し離れた茎に移動する、という行動を繰り返しています。 
おそらく田んぼにいるイナゴやバッタなどの昆虫を捕食しているのでしょう。 
しかし、1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみても、狩りの成功シーンは撮れていませんでした。
止まり直したイヌビエの茎で嘴を拭ったということは、空中で素早く捕食してすぐに獲物を飲み込んだのかもしれません。
羽繕いを開始。 

カメラをずっと向ける私を警戒したのか、ノビタキは最後にイヌビエの茎から飛び去ると田んぼを横断し、はるか遠くに居た仲間の近くに止まり直しました。 

少し遠くでコンバインが警告音を立てながら稲刈り作業をしています。 
コンバインが田んぼを動き回るとイネの茂みに隠れていたイナゴなどの昆虫が驚いて飛び出すはずですが、それを目当てにノビタキがコンバインの周囲に集まることはありませんでした。 
ヒトの農作業(コンバインの動き)を当てにせずに、あくまでも自力で獲物を探して狩るようです。 
どういう訳か当地ではノビタキに限らず、収穫期の田んぼでコンバインを利用した野鳥のオートライシズムは一切見られません。

セイヨウタンポポの花蜜を吸うウラギンスジヒョウモン♀

 

2021年9月下旬・午前11:25頃・晴れ 

水田の農道に疎らに生えたセイヨウタンポポの小群落でウラギンスジヒョウモン♀(Argyronome laodice japonica)が訪花していました。 
半開きの翅を緩く開閉しながら吸蜜しています。 
初めは一つの頭花で長々と吸蜜していたものの、その後に訪れた花は蜜量が少ないのか落ち着きませんでした。 
この組み合わせは初見です。 

周囲の田んぼでは黄金色の稲穂が頭を垂れています。

2021/12/26

深夜の山林を滑空するムササビ?モモンガ?コウモリ?(その2)【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2021年10月上旬・午後23:20頃
前回の記事:▶ 深夜の山林を滑空するムササビ?モモンガ?コウモリ?【トレイルカメラ:暗視映像】

9日後のほぼ同じ時間帯に再び謎の飛翔体がトレイルカメラ(無人センサーカメラ)の映像に記録されていました。 
わずか5秒間に奇妙な軌道で3回も画面を横切りました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
このトレイルカメラの動画はフレームレートが15fpsしか無いので、夜行性の野生動物の素早い動きを滑らかに録画できないのがネックです。 
(スローモーションにしてもカクカクした動きになってしまいます。) 
最初に写ったのは、おそらく小さな夜蛾が飛来したのだと思います。 
それを追って大きな謎の動物が飛び回ったように見えます。 
夜蛾を追いかけて捕食するとしたら、ムササビではなくコウモリでしょう。 
しかし、今回も羽ばたく動きがなかったので、コウモリではなく滑空するムササビPetaurista leucogenys)またはモモンガPteromys momonga)ではないかと思うのですけど、どうでしょうか? 
滑空中のムササビやモモンガが空中でこんな変則的な軌道を素早く描けるのでしょうか?! 

ちなみに同じトレイルカメラで後日、コウモリが別の場所で撮れた時にはきちんとコウモリらしい動き(羽ばたきあり)でした。

アキノキリンソウの花蜜を吸うニトベハラボソツリアブとセスジハリバエ

 

2021年10月上旬・午後15:30頃・晴れ 

里山の尾根道沿いに咲いたアキノキリンソウの同じ株に ニトベハラボソツリアブSystropus nitobei)とセスジハリバエTachina nupta)が訪花していました。 
ニトベハラボソツリアブの性別が私には分かりませんが、単独で訪花吸蜜中は羽ばたきを止めています。 
同じ株の反対側の花でセスジハリバエも吸蜜していました。 

この2種を個別に動画で記録したかったのに、逃げられてしまいました。

2021/12/25

夜にコシアブラ幼木の葉に眼下腺マーキングするニホンカモシカ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2021年10月上旬・午後17:08および午後19:39 

タヌキの溜め糞aを監視するため里山の林道に設置したトレイルカメラ(無人センサーカメラ)に野生ニホンカモシカCapricornis crispus)の行動も撮れていました。 

シーン1:午後17:08(日没時刻は午後17:14) 
日没直前なのですが、現場は鬱蒼とした雑木林の西斜面でかなり薄暗く、赤外線の暗視映像(モノクロ)になっています。 
カモシカは画面の右から林道を歩いて来たのではないかと予想しますが、登場シーンが撮れてません。 
 林道脇でアカマツの木の右隣に生えたコシアブラ幼木の葉の匂いを嗅ぎ、顔を頻りに擦りつけています。 
カモシカは眼下腺の分泌物を植物に擦り付けてマーキングし、縄張りを主張するのです。
カモシカの眼の下には、泣きボクロのようなほんの小さな突起がある。これが、眼下腺と呼ばれるもので、ここからある種の分泌物を出す。その分泌物は、液体状であり、大気に触れると乳白色をしたゼリー状に固まる。(工藤樹一『カモシカの森から―白神・津軽 北の自然誌』p124より引用)
その後、カモシカは林道を外れ、画面奥の急斜面(谷)を下って行きました。 
斜面の途中で立木の幹にも眼下腺マーキングしたように見えました。 


シーン2:午後19:40 
翌日の夜にもニホンカモシカが登場しました。 
今回も登場シーンが撮れてないので、画面左から林道を歩いて来たのか、谷の急斜面を登って来たのか、不明です。 
前夜と同じく、コシアブラ幼木の葉の匂いを嗅ぎ、眼下腺を擦り付けました。 
同一個体なのか別個体なのか、私には個体識別できないのが残念です。 
真っ暗な林道をゆっくり歩いて右へ立ち去りました。 

2回とも、カモシカはコシアブラの葉を採食しませんでした。 
眼下腺由来の酸っぱい匂いがするかどうか、現場で確認したかったのですが、忘れてしまいました。 
ヒトの嗅覚ではほとんど嗅ぎ取れないのかもしれません。


関連記事(3、6、11年前の撮影)▶  
ニホンカモシカの眼下腺マーキング(@アカマツの幹) 
笹の葉に眼下腺でマーキングするニホンカモシカ 

スギ林の急斜面を下りながら眼下腺マーキングするニホンカモシカ

トレイルカメラの電池交換のため現場入りした翌日に、カモシカがマーキングしていた幼木の写真を撮りました。
撮れた動画をその場でチェックできるので、すぐに写真に撮れたのです。
うっかりオニグルミかと勘違いしたのですが、コシアブラの幼木でした。
掌状複葉で長い葉柄があるので、トチノキではなくコシアブラです。
その後、このコシアブラ幼木は冬越しのために黄葉、落葉しました。

コガタスズメバチ♀はツリフネソウの花蜜を吸えるか?

 

2021年9月下旬・午後13:00頃・晴れ
前回の記事:▶ マミガサキアザミの花蜜を吸い探餌飛翔するコガタスズメバチ♀

山腹で山道の横に咲き乱れる花畑でコガタスズメバチVespa analis insularis)のワーカー♀はアザミに続いてツリフネソウに訪花しました。 
正当訪花で吸蜜していたように見えましたが、カメラのピントが間に合わず残念でした。 
ツリフネソウの花の構造上、スズメバチが舌を伸ばしても距の奥にある蜜腺に届かない気がします。 
吸蜜できたのなら、それはそれでスクープ映像になったはずです。 

その後、コガタスズメバチ♀は近くの葉にしがみついて身繕い。 
再び同じツリフネソウの花に戻ると、その手前でホバリングしてから飛び去りました。 
蜜源として花の場所を記憶するための行動でしょうか? 
しかし定位飛行の飛び方とは違いました。 

近くの葉にしがみついて再び身繕い。 
前脚で頻りに顔を拭っています。 

化粧が済んだコガタスズメバチ♀は次にトリカブトの仲間の群落に飛んで行きました。 
花に着陸・吸蜜しなかったので、獲物を探索しただけのようです。(探餌飛翔)

2021/12/24

夕方に電柱から飛ぶノスリを流し撮り(野鳥)

 

2021年9月中旬・午後17:30頃・晴れ 

夕方の田園地帯で道端の電柱の天辺に止まっているノスリButeo japonicus)を発見。 
キョロキョロと辺りを見回しています。 
やや風が強く、羽毛が風になびいています。 
私がカメラをズームアウトしかけたら、電柱から飛び立ってくれました。 
逆風に流されながらも羽ばたきと短い滑空を交互に繰り返して飛び回る様子を上手く流し撮りできました。 

飛翔シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
このスローリプレイのシーンだけ動画編集時に逆光補正して、ノスリの識別点である翼の下面の斑紋を確認しました。

似たような動画はこれまで何度も撮っているのですが、撮影地点がいつものフィールドではありません。 
同じ里山の麓でも私が普段あまり行かない逆側の山麓(山を越えて反対側)でした。 
素人の予想では、おそらく顔馴染みの個体の縄張りではないはずです。 
山を越えて高く飛んで行くノスリを見た記憶が無いからです。
ノスリを個体識別できるようになりたいのですが、難しいです。 





シソの葉を蚕食するナシケンモン(蛾)終齢幼虫【30倍速映像】

 

ナシケンモン(蛾)の飼育#15

前回の記事:▶ アカジソの葉を食べるナシケンモン(蛾)終齢幼虫

2021年9月下旬・午後12:20〜15:30頃

アカジソ(赤紫蘇)の葉裏に隠れて食休みしていたナシケンモンViminia rumicis)の終齢幼虫が葉縁に顔だけ出して食事を始めました。 
シソの葉を蚕食する様子を微速度撮影してみました。 
30倍速の早回し映像をご覧ください。 

2021/12/23

夜の林道で溜め糞を調べ、排便、逃走するホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 


2021年9月下旬・夜 

里山の林道に仕掛けておいたトレイルカメラで9月に撮れた映像をまとめました。

シーン1:午後19:31 
夜になると里山の林道をホンドタヌキNyctereutes viverrinus)がまたパトロールしにやって来ました。 
ところが今回は溜め糞の臭いを嗅いだだけで迂回し、そのまま右へ立ち去りました。 

シーン2:午後23:29 
4時間後、またタヌキが現れました。 
個体識別できていないので、同一個体なのか別個体なのか、不明です。 
溜め糞の臭いを嗅いでからそこに跨がると、カメラ目線で排便しました。 
トレイルカメラ(無人センサーカメラ)の赤外線LEDがうっすらと赤く光って見えて気になるのか、タヌキは頭を上下に振って周囲の匂いを嗅いだりしています。 
排便後はそのまま右へ立ち去りました。 
タヌキはイヌ科ですけど、犬のように糞を埋めて隠す行動は今回もやりませんでした。 
複数個体が同じ溜め糞を共有し、排泄物の匂いで互いにコミュニケーションしているので、タヌキにとって糞を隠す必要はありません。
その後はカメラの設置してある林道法面へ興味津々で近寄って来ました。 
動画の音声ボリュームを上げて聞いてもらうと分かるように、この安物のトレイルカメラからは録画中に「ミミミ、ミミ…♪」とファックスのような電子ノイズが絶えず発生しています。 
野生動物の耳にはこのかすかな音が聞こえるのかもしれません。 
さすがに法面を登っては来ませんでした。 
カメラに興味を失ったタヌキは、地面の匂いを嗅ぎながら林道を横断すると、林道脇の立木の根元の匂いを嗅いで回ります。 
別の溜め糞の存在に気づくと、匂いを嗅ぎました。(@2:03) 
その溜め糞に跨がりかけたところで、残念ながら1分間の録画時間が切れてしまいました。 
今度は小便をかけてマーキングしたのかもしれません。 
それともタヌキは大便を複数回に分けて排泄する、という器用な芸当ができるのでしょうか? 

シーン3:2日後の午前00:04 
同じ溜め糞にタヌキが跨って排便した後、画面左へ立ち去りました。 
ところが5秒後に、同一個体が左から右へ走って画面を横切りました。 
夜道で何かに出会って驚いたタヌキが慌てて引き返して来たようです。 
何に驚いたのか知りたいところですが、追跡者は何もカメラに写っていませんでした。



【追記】
シーン3が撮れた同じ日の午後15:25頃に、トレイルカメラの電池を交換するために現地入りしました。
林道上に点々と残された溜め糞aの状態を撮った写真を以下に掲載します。






新鮮な下痢便(液状便)の中に糞虫2匹が潜り込んでいました。
頭隠して尻隠さずの状態ですが、おそらくセンチコガネPhelotrupes laevistriatus)だろうと思います。
それから興味深い収穫として、鞘翅に橙色と黒色の斑紋がある甲虫もタヌキの品線な糞に潜り込んでいました。 
これはヨツボシモンシデムシNicrophorus quadripunctatus)ですかね? 
シデムシの仲間は屍肉食専門だと思っていたので、獣糞に来るとは驚きました。 
食糞性もあるのでしょうか。 
 (それとも、溜め糞の下に死体が埋まっていたりして…。) 
薄暗い現場で私は全くヨツボシモンシデムシの存在に気づかずに、写真だけ撮っていました。
タヌキが捕食したヨツボシモンシデムシの鞘翅が消化されないまま排泄された可能性も考えられます。
しかし、連続して撮った2枚の写真を見ると、ヨツボシモンシデムシの体勢が変わっていたので、死骸ではなく生きています。 
動画で記録できなかったのが残念です。


関連記事(1年後に別地点の溜め糞場で動画撮影)▶ タヌキの溜め糞場で活動するヨツボシモンシデムシ



ランダムに記事を読む