2016/02/27

落穂を採食するドバト(野鳥)の群れとつつきの順位



2015年11月上旬

住宅地に囲まれた稲刈り後の田んぼにドバト(=カワラバト;Columba livia)が群がっていました。
列になった刈株の間でイネの落穂を採食しているようです。
ときどき頭を上げて辺りを警戒しています。
群れで採食する利点の一つとして、交互に見張りを務めることで採食時間を最大に出来るのです。



採食中、近くにいた個体に跳びかかるように軽くつついて追いやることが度々あります。
やられた方は反撃せずおとなしく離れました。
群れ内につつきの順位(順位制)があるのでしょう。

聞こえるのは背後の住宅地に居るスズメの群れの鳴き声だけで、ハトは鳴いていないようです。
最後は何かに驚いたのか、一斉に飛んで逃げられました。
撮影後に田んぼの様子を見に行くと、刈株から新芽も伸びていましたけど、ハトは種子食のはずなので「落穂拾い」としました。
水溜りは無かったので、飲水行動ではありません。





2016/02/26

キイロスズメバチの巣に侵入する寄生ハエ?



2015年10月中旬

キイロスズメバチ巣の定点観察#11


ハエ(またはアブ)の仲間が飛来しキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)の巣に止まると外被の上を歩き回りました。
これは果たして偶然ですかね?
寄生バエの一種だとすれば面白いのですが、同定用の写真を撮る間もなく飛び去ってしまいます。
例えばベッコウハナアブの仲間は♀がスズメバチの巣に産卵することが知られています。

▼関連記事
寄主モンスズメバチの巣の近くに産卵するムツボシベッコウハナアブ♀
越冬用の隠れ家を探索中にキイロスズメバチの巣(外被)に迷い込んだクサギカメムシとは違い、今回の双翅目は明らかに巣口に興味を示して接近したように思います。(気のせいかもしれませんが、侵入意図が見て取れました。)
巣口に近づく怪しいハエを門衛が追い払ったのでしょうか。

※ 動画編集時に自動色調補正を施してあります。

好蟻性昆虫が非常に繁栄しているのに対して好蜂性昆虫の種類がいまいち少ないのは、社会性蜂の多くの種は(ミツバチを除いて)一年限りの営巣のためでしょう。
あまりよく調べられていないだけですかね?

シリーズ完?


2016/02/25

笹の葉に眼下腺でマーキングするニホンカモシカ



2015年11月上旬

私が里山の山道を登っていると、横の藪に座って休んでいた野生のニホンカモシカCapricornis crispus)が驚いて立ち上がりました。
しばらく対峙した後に、いつものように鼻息を荒らげる威嚇をしつつ少し走り去りました。
絶好の撮影チャンスなのに、カメラの起動トラブルで痛恨のタイムロス。
(動画はここから。)
こちらを振り返ったカモシカの顔をよく見ても、耳介や角に個体識別できそうな特徴は無さそうです。(見覚えがない個体)
カモシカは道端の笹の葉裏の匂いを頻りに嗅ぐと、眼下腺を擦り付けてマーキングしました。(@0:23)
つづいて横から伸びた枯れ枝の先を齧りました。(@1:13)
採食というほど本格的ではなく、気紛れかもしれません。
緩やかな上り坂をゆっくり歩き去り、つづら折れを右に曲がり姿を消しました。
(映像はここまで。)

急いで追いかけるも、見失いました。
どうもカモシカにまかれたようで、なぜか背後から威嚇の鼻息が響いてきました。
私も真似して応酬します。
その後も再会できませんでした。

今思うと、カモシカがマーキングした笹の匂いを私も実際に嗅いでみればよかったですね…。

▼関連記事
ニホンカモシカの眼下腺マーキング



2016/02/24

巣に侵入したクサギカメムシを追い払うキイロスズメバチ♀



2015年10月中旬

キイロスズメバチ巣の定点観察#10


以前の定点観察#3キイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)が営巣する軒下をウロウロと歩き回っている黒っぽい昆虫が気になりました。
スズメバチの巣に寄生するハネカクシやゴキブリだとしたら面白い話です。

▼関連記事
コガタスズメバチの巣に居候するゴキブリ【暗視映像】
巣に侵入するナミクシヒゲハネカクシ?を殺すモンスズメバチ♀門衛

この日の観察では、謎の虫の正体を突き止めることに専念しました。


シーン1:6倍速映像

クサギカメムシHalyomorpha halys)が軒下の垂木に沿って右往左往しています。
おそらく越冬場所を探し回っているのでしょう。
晩秋になると毎年クサギカメムシは屋根裏や屋内にも続々と侵入して集団越冬することが知られています。
カメムシの歩行を見ていても、スズメバチの巣に誘引された動きではなさそうです。
遂にキイロスズメバチの外被に偶然迷い込みました。(@1:14〜)
しかし巣の本体まで降りてくることはなく、そのまま軒下の棟木へ移動しました。
在巣のスズメバチは未だカメムシに気づいていないのか、それとも無害だと無視(黙認)しているのでしょうか。
カメムシを攻撃したり獲物として狩ったりすることはありませんでした。



シーン2:1倍速(リアルタイム)映像(@1:25〜)

棟木の付近の外被にクサギカメムシが迷い込んで徘徊しています。
近くで外被を増築していたキイロスズメバチ♀にも気づかれず、ひっそりと立ち去りました。


シーン3:1/8倍速スローモーション(@2:10〜)

後半は巣に出入りするキイロスズメバチ♀の飛翔シーンを狙って240-fpsのハイスピード動画に記録しようと長撮りを繰り返しました。
軒下が薄暗いせいで(光量不足)蜂の羽ばたきがあまり上手く撮れなかったのですが、その映像の中に興味深い対決シーンが偶然写っていました。
巣の外被上はなぜか騒然としており、4〜5匹の蜂が巣口の周りを羽ばたきながらパトロールしています。
巣に迷い込んだクサギカメムシが外被に静止していると保護色で非常に見えにくいですね。(動き出さないと気づきません。)
外被上に迷い込んだクサギカメムシが遂に外被点検中のキイロスズメバチのワーカー♀に見つかってしまいました。
蜂は羽ばたいて威嚇しながらカメムシを追い立てます。
安易に噛み付いたり攻撃を加えないのは、毒ガスの反撃を恐れているのかもしれません。
(これまでに何度も繰り返し侵入されて、蜂もカメムシ対処法を学習していそうです。)
慌てて逃げるカメムシは外被から転げ落ちました。(@3:10)
追跡者は震わせていた羽ばたきを止めました。

同様のシーンがもう一度繰り返されます。
ところが今回は、外被上を逃げるカメムシが一直線に巣口へ向かっています。
巣内へ侵入した!と思いきやキイロスズメバチの門衛に撃退され、挟み撃ちされたカメムシは落下しました。(@4:55)
追跡していた蜂もすぐに飛び立ちました。
その後の展開も興味深く、巣口から出てきた門衛が興奮したように羽ばたきながら巣口周囲の外被をパトロールしてから巣に戻りました。
映像ではいまいちはっきりしないのですが、入巣直前の羽ばたきが扇風行動のように見えました。
頭は巣内を向いているので、ニホンミツバチがやるような排気行動だとすると、追い払ったカメムシの最後っ屁(毒ガス)を換気しているのかもしれません。
巣内の冷却が必要になるほどこの日の気温は暑くありませんし、扇風行動が見られたのはカメムシ遭遇戦の直後だけでした。


肉食性のカメムシでない限り、もしスズメバチの巣への侵入が成功したとしても無害な居候として潜伏するだけでしょう。
寄生や共生のような緊張を伴う緊密な関係ではないはずです。
スズメバチの巣は断熱材で守られたシェルターですから、クサギカメムシが越冬する隠れ家として向いているかもしれません。
クサギカメムシがキイロスズメバチの巣に次々と侵入すれば、やがて集合フェロモンの効果であたかもスズメバチの巣に誘引されているように見えるはずです。




コロニーが解散した後にスズメバチの古巣を調べてみれば、多数のカメムシが集団越冬していそうです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施してあります。

つづく→#11:キイロスズメバチの巣に侵入する寄生ハエ?



2016/02/23

アメリカセンダングサの花から飛び立つキタキチョウ【HD動画&ハイスピード動画】



2015年10月下旬

郊外の道端に咲いたアメリカセンダングサの群落でキタキチョウEurema mandarina)が訪花していました。
口吻を伸ばして花蜜を吸っています。
閉じた翅裏の紋様がいつも白飛びしてしまうのが悩みです。(少し斜めのアングルから撮るしかないのかな?)
後半は花から花へ飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。(@1:01〜)
スローモーションで見なければ、キチョウの翅表にこんな紋様があるとはなかなか気づかないでしょう。


▼関連記事(マクロ動画)
キタキチョウの訪花@アメリカセンダングサ



2016/02/22

巣口付近で激しく争うキイロスズメバチ



2015年10月中旬

キイロスズメバチ巣の定点観察#9


この日は、妙な事件が起こりました。

シーン1:撮影開始時刻13:00

キイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)が出入りする巣口に狙いを定めて撮影していると、帰巣したワーカーに門衛が突然飛びかかりました。(@0:27)
大顎で噛み合う喧嘩になり、一匹が落下。
残った方は興奮したように羽ばたきながら外被上を徘徊してから入巣。
門衛が勝ったのかどうか、定かではありません。
喧嘩の原因は何だったのでしょうか?
他のコロニー出身の蜂が迷い込んだのでしょうか?
つづいて門衛?が巣内から♀を追い出しました。
巣口で誰何する門衛がピリピリと殺気立っているとしたら、その原因として特にこの時期はオオスズメバチによる襲撃が考えられます。
実はそれを半ば期待して様子を見に来たのですが、この日オオスズメバチの襲撃はありませんでした。
この時期はワーカーの数に対して外役に出ない生殖虫(新女王と雄蜂)の割合が増えてコロニーの食糧事情が悪化し、苛烈な口減らしが行われているのでしょうか?

先日は、幼虫の餓死あるいは子殺しが疑われる事件も観察しています。
▼関連記事 
巣の外に捨てられたキイロスズメバチ幼虫の謎【子殺し?】
狩りや採餌に出撃したのに空荷で帰巣するワーカー♀を許さず門衛が追い返しているのかな?(ノルマが厳しい)
喧嘩騒ぎの一方で、巣口の左下では別個体のワーカー♀が外被をせっせと増築しています。


シーン2(@1:01〜):撮影開始時刻13:44

巣口で2匹の蜂が激しく喧嘩しています。
一方的に噛んでいるようで、やられている蜂はほとんど反撃しません。
映像では性別をしっかり見分けられないのがもどかしい限りです。
(同定用にストロボ写真を撮るべきでしたが、動画撮影を優先しました。)
もし交尾行動なら♂がマウントを試みるはずですが、そのような展開にはなりませんでした。
巣に侵入を試みた雄蜂(または他コロニー出身の♀)が撃退されたのかな?
アシナガバチでよく見られるような優位行動がスズメバチにもあるのでしょうか?
権勢の衰えた創設女王に対してワーカー♀がクーデターを蜂起したのでしょうか?
無抵抗で動かない相手の体を2匹の門衛?が噛み続けています。
喧嘩に毒針は使わず、大顎で噛み付くだけでした。
鎧のように固いクチクラは噛み切れないらしく、致命傷を与えられないでいます。
やがて2匹とも外被からもつれ合うように落下しました。(@3:24)
死闘を繰り広げている間に、その横では平然と造巣作業が続いています。

※ 動画編集時に自動色調補正を施してあります。


つづく→#10:巣に侵入したクサギカメムシを追い払うキイロスズメバチ♀



ハナミズキの実を採食するハシボソガラス(野鳥)



2015年11月上旬

庭に植栽されたハナミズキ(別名アメリカヤマボウシ)の木でハシボソガラスCorvus corone)が赤い実を採食していました。

カラスは細い枝先にそろそろと移動するとバランスを取りながら、赤い木の実のついた小枝を折り取ろうと苦労しています。
枝がカラスの体重でしなります。
何度も根気強く繰り返しようやく成功しました。
逆に言えば、既にあらかた食べ尽くしてしまい、細い枝先の実しかもう残っていないのでしょう。
足で押さえてから嘴で実をひと粒ずつ啄みます。
果肉を捨てて種子だけ食べているようにも見えました。(うっかり落としただけかな?)

枝づたいに歩いたりぴょんぴょん跳ねたりして移動します。
実のついた小枝を嘴で引き寄せ、折らずに足で押さえてから採食することもありました。
食餌の合間に嘴を足元の枝に擦り付けています。
次に羽根をばさばさと広げてから脱糞しました。(@3:12)
種子散布の瞬間を捉えた映像です。



カメラを右にパンすると、もう一羽のハシボソガラスも同様に採食中でした。
こちらの個体Rの方が器用に(上手に)採食しています。
経験豊富なのか、あるいは体重が軽いのかもしれません。
左の個体Lは羽繕い。
横を車が走っても真下の歩道をヒトが通っても気にせずに2羽で採食を続けています。

食後にカラスが吐き気を催しているようにしゃくり上げる奇妙な動きを繰り返しているのが気になりました。(@5:05)
ハナミズキの実にアルカロイドが含まれるという話は聞いたことがありませんが、食べ過ぎると中毒症状になるとか胸焼けがする(逆流性食道炎)のでしょうか?
未だ充分に熟していない果実だったのかな?
鳥類はしゃっくりをするのでしょうか?
聞き取れないほどの掠れ声で鳴いているのかもしれません。

車道を挟んで反対側から望遠レンズで撮影したのですが、手前の電線が目障りですね。
その後、私が車道を渡って近づき、横から狙おうとしたものの、カラスはえずくばかりで採食してくれなくなりました。
それでもハナミズキの枝に留まっているのは、他の野鳥に果実を横取りされないように見張っている(餌資源の独占・防衛)のかと想像しました。


花札とか浮世絵になりそうな構図ですね。


庭木に疎い私は、この樹種をハナミズキと突き止めるのに手間取りました。
落葉後で手がかりが少ないのです。
ひび割れた樹皮が特徴的で、カキノキの樹皮に似ていると思いました。
すでに冬芽が作られています。
『野鳥と木の実ハンドブック』p31によると、ハナミズキの果実(複合果)はほとんど味が無いらしい。

以下の写真は翌日に再訪して撮影。



2016/02/21

キイロスズメバチ♀による外被の増築と巣口の拡張【6倍速映像】



2015年10月中旬

キイロスズメバチ巣の定点観察#8


10日ぶりに様子を見に行くと、
キイロスズメバチ
Vespa simillima xanthoptera)のワーカー♀は依然として外被を増築していました。
本種のコロニーを見つけてもすぐに駆除されてしまい、晩秋に観察するのは初めてなのですが、こんな遅い時期まで巣を増築するとは驚きました。
コロニーの活動を微速度撮影してみました。
6倍速の早回し動画をご覧ください。
軒下は薄暗いのですが、ときどき日が照ると下のトタン屋根の照り返しで巣も明るく映ることがあります。
巣口では常に門衛が内側から見張りをしています。
ワーカー♀が活発に出入りして、外被上のあちこちで巣材を付け足しています。
巣口を大顎で削り取って拡張する工事も行われていました。

巣穴はいつも同じ大きさではなく、活動が活発な日中は大きく、夜間は小さくなる。(『都市のスズメバチ』p16より)



※ 動画編集時に自動色調補正を施してあります。

つづく→#9:巣口付近で激しく争うキイロスズメバチ


巣の真下から撮影
巣口の左斜め上の♀は巣材を抱えている。
側面からの撮影
帰巣する蜂の飛翔シーン(右上)

セイタカアワダチソウの花蜜を吸うイカリモンガ(蛾)



2015年11月上旬

堤防の近くに咲いていたセイタカアワダチソウの花にイカリモンガPterodecta felderi)という昼蛾が止まっていました。
口吻を伸ばしているものの、動かしてはいません。
薄暗い夕方なのでハンディカムの白色LEDを点灯して接写したら、飛んで逃げてしまいました。
もしかすると吸蜜のための訪花ではなく、夜に備えて休んでいただけかもしれません。


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