2021/09/18

弱ったアメリカザリガニ♂を一時捕獲

 

2021年7月上旬・午後14:40頃・くもり 

大雨の後で増水した氾濫原でもう1匹のアメリカザリガニProcambarus clarkii)を見つけました。 
浅い水に浸かってじっとしています。 
この個体はなぜか動きが鈍く、私が動画を撮りながらそっと近づいても、ほとんど反応がありません。 
長靴の先で軽く蹴ってもアメリカザリガニは全く逃げず、力なく横倒しになってからなんとか自力で起き上がりました。 
ハサミをゆっくり動かすだけです。 

手掴みで難なく一時捕獲することができました。 
ようやくハサミを振り立てたものの、私の手指を挟んできたりしませんでした。 
腹面を調べると、どうやら♂のようです。 
尾肢を伸ばさないと生殖器が見えません。 
それでも第3、4胸脚の坐節に突起があるので♂と判明しました。 

手を離してポチャン♪と水に落としても、逃げずにじっとしています。 
これほど動きが鈍いのは、どうも瀕死状態(死にかけ)のような気がしてなりません。 
私はこの辺りの水質汚染を心配しています。 
撮影時は増水したせいで水の匂いは大分ましになりましたが、普段はヘドロのようにドブ臭くて水面に油が浮いているような状態です。 
それとも脱皮前後のみんなのかな?
関連記事(1月前の撮影)▶ 湿地で見つけた瀕死のアメリカザリガニ
この後、長靴を履いて氾濫原を歩き回ると、アメリカザリガニの死骸を大量に発見しました。 
水質汚染による大量死を疑っているのですけど、野鳥や野生動物に捕食された食痕かもしれず、素人の私には判断できません。 
増水で上流から長距離を流されてくる間にもみくちゃにされて衰弱死した可能性はどうでしょう?
ザリガニは死後も外骨格(いわゆるザリガニの殻)が長期間残り、古い死骸は白化していました。 

ところで、撮影中に私の背後でずっとキチキチキチ…♪と鳴いている鳥の正体は…? 

 

雛が巣立った空巣の横で休むツバメ親鳥(野鳥)

 

2021年7月上旬・午後15:25頃・くもり 

大通りに面した某店舗の店先の軒下に毎年ツバメHirundo rustica)が巣を作っています。 
長い蛍光灯カバーの上の隅という全く同じ場所に今季も泥巣が作られていました。
関連記事(4年前の撮影)▶ 早朝の巣で親鳥の帰りを待つツバメの雛鳥(野鳥)
定点観察できませんでしたが、既に全ての雛が巣立った後らしく、巣は空っぽでした。 
その空巣の横の蛍光灯カバーの上に1羽のツバメが止まっていました。 

現場ではてっきり巣立ち雛(幼鳥)なのかと思い込み、親鳥が給餌しに来るかと期待して動画を撮り始めました。 
しかし後で調べてみると、この個体は赤色が濃いので成鳥でした。 
ネット検索で調べてみると、はれときどきカメラ:第355話 ツバメの幼鳥というサイトに幼鳥の見分け方が書いてありました。
ツバメは額(ひたい)や喉に『赤茶色』の部分があります。 幼鳥は『赤茶色』の部分が淡いのが特長です。 成鳥になると、はっきりとした赤茶色になります。 また、成鳥に比べると、全体に丸みと幼さが感じられる姿をしており、とてもかわいらしくみえます。
ということは、育雛が一段落した後の親鳥が休息しているのでしょう。 
目を瞬きしているので、昼寝している訳ではななさそうです。 
左の翼に白い羽毛が混じって見えるのは、換羽中なのですかね? 

客が出入りする店の入り口に向かってカメラを長時間向けるのはプライバシーの問題があって気が引けます。(顔が写って無くても客は心理的にカメラを嫌がるでしょう) 
仕方がないので、通りすがりに短時間撮っただけです。 
落ち着いてじっくり撮影(定点観察)できるツバメの営巣地を長年探しているのですけど、なかなか見つかりません。 
そもそもツバメは天敵のカラスやネコを避けるために人通りの多い賑やかな所に営巣するので、私の要求とは相反します。 
許可を得てツバメの巣の横に無人のセンサーカメラを設置させてもらうのが、ひとつの手かもしれません。 
最近はツバメにとって住宅難(営巣地不足)が深刻に進行しているらしく、個体数も巣も年々減少している印象です。 
ここも古い蛍光灯がLEDの照明に切り替わると、貴重な営巣地が撤去されてしまうでしょう。

この動画は動きに乏しくてあまり面白くありませんが、次に紹介するネタの前フリとなります。

2021/09/17

肉団子を巣に運ぶ途中のセグロアシナガバチ♀

 

2021年7月上旬・午後16:00頃・くもり 

街なかの駐輪場の小屋の軒下にセグロアシナガバチPolistes jokahamae)のワーカー♀が止まっていました。 
前伸腹節に黄色紋が無いので、キアシナガバチではなくてセグロアシナガバチです。 
てっきり野ざらしの材木の表面をかじって巣材集めに来たのかと思ったのですが、ただ身繕いしたりウロウロと歩き回ったりするばかりです。

セグロアシナガバチ♀が庇の角を曲がった際に横向きになり、緑色の肉団子を咥えていたことに気付きました。 
つまり、蜂は獲物のイモムシを狩った直後で、肉団子を巣に運ぶ途中だと分かりました。 
蜂はそのまま軒を伝い歩いて死角に消えました。 
駐輪小屋の天井隅辺りに巣があるのかもしれません。 

ところが同一個体のセグロアシナガバチ♀がすぐにまた軒先を飛び回り、クモの円網に危うく引っかかりそうになりました。 
蜂はクモの網をなんとか振り切って軒先に再び着陸すると、身繕いして体に付着したクモの糸を取り除いています。 
駐輪所の軒下に網を張った主(例えばオニグモ?)は見当たりませんでした。 

撮影後に駐輪小屋を現場検証してアシナガバチの巣の有無を調べたかったのですが、部外者が勝手に敷地内に入って駐輪所を物色したりすると、不審者や自転車泥棒かと怪しまれてしまいます。 
横の公道から通りすがりに望遠で撮影するだけに留めました。

電線でモズの幼鳥に巣外給餌する親鳥(野鳥)

 

2021年7月上旬・午後13:30頃・晴れ

住宅地の電線上で2羽のモズLanius bucephalus)が並んで止まっていました。 
右の親鳥(後ろ姿で性別不明)が左の幼鳥に巣外給餌したのですけど、その瞬間を撮り損ねてしまいました。 
口移しで給餌した直後に親鳥は足元の電線で嘴の汚れを拭い取っています。 
未だ物足りない幼鳥が親鳥の隣で餌乞い行動を続けていますが、少し遠くて鳴き声は聞き取れませんでした。 

親鳥が先に電線から飛び去り、休む間もなく次の採餌に出かけました。 
電線に残った個体は下嘴が黄色っぽいので、幼鳥と分かります。 
もし成鳥♀なら、つがいのパートナーへの求愛給餌ということになります。
関連記事(8年前の撮影)▶ モズ(野鳥)の求愛給餌
続けて幼鳥も左に少し飛ぶと、近くの民家の青いトタン屋根の縁に止まり直しました。 
そこからすぐにまたどこかへ飛び去りました。 
モズの幼鳥はもう普通に飛べるようです。 

1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
関連記事(翌日の撮影)▶ 餌乞いで鳴く♪モズの幼鳥(野鳥)

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 
いつものように手ブレ補正処理をすると副作用で不自然な映像になるので、今回はしませんでした。 

2021/09/16

アメリカザリガニの威嚇と逃避行動

 

2021年7月上旬・午後14:45頃・くもり 

大雨の後に冠水した氾濫原でアメリカザリガニProcambarus clarkii)を見つけました。 
水深は水たまりほど浅く、体の半分は水面から上に出ています。 
長靴を履いた私が正面からそっと近づくと、アメリカザリガニは左、右の順でハサミ(第1胸脚)を振り上げました。 
万歳のような体勢で健気にも威嚇してきます。 
「蟷螂の斧」のような佇まいです。 
昔に読んだ山口恒夫『ザリガニはなぜハサミをふるうのか:生きものの共通原理を探る』という中公新書をまた読み返さないといけません。 

私が指でザリガニの長い触角に触れると、浅瀬を少しずつ後退して行きます。 
最後に左のハサミに触れると、ピチピチと連続して後ろに跳ねて逃げ、枯れたヨシ原の根際に潜り込みました。 
素早い逃避行動を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

アメリカザリガニは侵略的外来種として最近とみに問題になっています。 
今後は飼育も禁じられ、フィールドでアメリカザリガニを見つけ次第、殺して駆除することになりそうです。 
私は生まれてこの方、在来種のザリガニを野生状態で見たことがありません。 
今更ここでアメリカザリガニを駆除してもニッチが空白になって生態系に混乱をもたらすだけではないのか?と心配してしまう私は、淡水の生態系について未だ勉強不足なのでしょう。 
どうも私は在来種のザリガニが戻ってくるとは信じ切れません。 
アメリカザリガニを駆除した後で在来種を放流するのかな?

この氾濫原で見つかった大量のアメリカザリガニ死骸が様々な生き物に食われる様子をこれからの記事で紹介する予定です。
つまり、水辺に生息する他の生き物にとってアメリカザリガニは重要な食料源となっていて、食う食われるの関係が既にしっかり出来上がってしまっているようです。

【追記】
長崎大学の研究グループによると、アメリカザリガニが侵入・定着した湿地では、水生植物を利用する種や水底を利用する種の数は激減しやすく、水面を利用する種や水面付近に浮遊する種は影響を受けにくいそうです。

 

庭で待つハクセキレイ幼鳥に巣外給餌する親鳥♂(野鳥)

 

2021年7月上中下旬・午後13:35頃・晴れ
前回の記事:▶ 親鳥を待つハクセキレイ幼鳥の暇つぶし♪(野鳥)
住宅街のコンクリート地面で待っているハクセキレイMotacilla alba lugens)幼鳥aが羽繕いしていると、遂に親鳥♂が目の前に飛来しました。 
 親鳥♂は全体的に羽毛がボサボサで、黒いはずの後頭部が一部白くなっていました(白髪混じり?)。 
育雛中は身なりに構ってられないようです。 
あちこちに分散した複数の巣立ち雛(幼鳥)を同時に世話しないといけないこの時期は特に忙しく、てんてこ舞いなのでしょう。 

幼鳥aはすぐ親鳥♂に気づいて餌をねだり始めました。 
翼を広げて激しくバタつかせながら嘴を大きく開け、チチチチチチ…♪と激しく鳴くのです。 
虫を大量に咥えた親鳥♂が幼鳥の前方から歩み寄ります。 
このとき幼鳥aは完全に受け身で親鳥♂に駆け寄らず、その場で待っているだけなのが不思議でした。 
ただの個体差(個性)なのか、それとも巣立つ前の雛の時期の習性が未だ残っているのかな? 

親鳥♂は幼鳥の赤い口内を目掛けて餌を入れてやりました。 
あっという間に終わった巣外給餌の様子を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:36〜) 
獲物は不明ですが、黒っぽくて細長く、イモムシや小魚のように見えました。 

ハクセキレイの親子が並ぶと、体格は幼鳥>親鳥に見えます。 
幼鳥は羽毛(幼綿羽?)を膨らませているから大きく見えるのでしょう。 

幼鳥aへの巣外給餌中に、どこか近くに居た別個体の幼鳥bが物陰から駆け寄って来ました。
幼鳥bは激しく鳴いて♪餌乞いしながら親鳥♂を追い回すものの、給餌してもらえませんでした。 
あげる餌が無くなった親鳥♂は走って逃げ回るだけです。 
これほど積極的に餌乞いするということは、幼鳥bの方が幼鳥aよりも空腹なのでしょうか? 
餌乞いしながら走って親鳥を追いかけられるということは、成長が早くて活発なのかもしれません。 
幼鳥aだけがその場に残り、辺りは静かになりました。 
相次いで巣立ったハクセキレイ幼鳥の兄弟姉妹間で活動性が異なる点が興味深く思いました。(個体差?)
親鳥♂が次の採餌のために飛び去る様子は撮れませんでした。 

最近見かけたヒヨドリの親子とは異なり、ハクセキレイの親鳥は餌で釣って巣立ち雛(幼鳥)を安全な場所に移動させたり、分散した複数の幼鳥を1つの群れにまとめたりしませんでした。 
夕方になれば親鳥が幼鳥たちをねぐらに引率するのかもしれません。 

ハクセキレイ親鳥が幼鳥に巣外給餌するシーンはフィールドで毎年のように観察しています。 
いつも不思議なのは、幼鳥の面倒を見ている親鳥がいつも♂という点です。 
「親鳥♀による幼鳥への巣外給餌」を私は未だ一度も見たことがありません。 
ハクセキレイの親鳥♀は一体どこで何をしているのでしょうか? 
幼鳥(巣立ち雛)の残りを引き受けて、パートナーの♂と分担して世話をしているのかな? 
巣内で2回目の抱卵をしているのではないかと私は予想しているのですが、繁殖期にハクセキレイの巣を見つけるのが難しくて長年の課題です。 

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

2021/09/15

モンキチョウ♂がノアザミに訪花・吸蜜【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年7月上旬・午後12:35頃・くもり 

水田の畦道に咲いたノアザミの群落でモンキチョウ♂(Colias erate poliographus)が訪花していました。 
翅をしっかり閉じたまま吸蜜しています。 
ノアザミの花から花へとモンキチョウ♂が飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:04〜) 

撮影後に、ノアザミ頭花の総苞に触れてみてベタベタと粘り気があることを確認しています。

親鳥を待つハクセキレイ幼鳥の暇つぶし♪(野鳥)

 

2021年7月上旬・午前後13:23〜13:34・くもり 

「チチッ、チチチッ♪」 
田園地帯に近い郊外の住宅地で鳥の賑やかな鳴き声が聞こえます。 
鳴き声の主を探すと、ハクセキレイMotacilla alba lugens)の親鳥♂が巣立ちした幼鳥に巣外給餌した直後でした。 

親鳥♂が次の採餌のために立ち去っても幼鳥はついて行かず、コンクリートで固められた民家の敷地(家と家の間の狭いスペース)に居残りました。
幼鳥はときどきチチッ、チチチッ♪と鳴いて、自分の位置を親鳥に知らせています。 
どうやら数羽の巣立ち雛が近所でバラバラに分散しているようです。 
同時に複数の幼鳥を世話しないといけない親鳥は大変そうです。 
しかし、ネコやカラスなどの捕食者による全滅を避けるために、巣立った直後は幼鳥があえて分散して暮らす方が有利なのでしょう。 
体力がつき、素早く飛んで逃げられるようになると、ハクセキレイの幼鳥同士が集まって親鳥に巣外給餌してもらうようになります。 

ハクセキレイの巣立ち雛(幼鳥)は親鳥から厳しく言い渡されているのか、それとも本能なのか、なるべく動き回らずにじっとしているのは感心です。 
風が吹くと少し寒いのか、幼鳥は羽毛を膨らませて全身が丸い体型になりました。 
待ちくたびれたハクセキレイ幼鳥はコンクリートの地面に座り込みました。 
灰色の体色が周囲のコンクリートに対して保護色になっていて目立ちません。 
座っていても昼寝する訳ではなく、辺りを油断なく見渡しながら尾羽をかすかに上下させています。 

やがて落ち着き無く立ち上がると、翼を広げて体を伸ばすストレッチ運動を始めました。 
数歩移動してから、脱糞(@2:24)。 
何か虫の死骸?を啄んだものの、食べずに捨てました。 
自力で採餌するにはまだ練習が必要みたいです。 
すぐ横の庭に青々とした芝生が広がっていて餌となる虫も多そうなのに(「隣の芝生は青く見える」)、幼鳥はそこには行かずにコンクリート地面に留まっています。 
私が道に立っているから怖くて近寄れないのか、それとも自分の保護色を生かして目立たないコンクリート上に留まりたいのでしょうか? 

この間、親鳥は周囲を飛び回り、餌を捕ってくるとどこか近くにいる別個体の幼鳥に巣外給餌したりしているようです。 
周囲を忙しなく行き交う親鳥の活動も動画で記録したかったのですが、カメラを振り回して流し撮りすると親鳥は警戒して近づかなくなってしまいます。 
私はなるべく動かずに同じ幼鳥aを狙い続けて辛抱強く待ちます。 
幼鳥から充分に離れて危害を加えなければ、親鳥はやがて巣外給餌に飛来するはずです。

どこか近くで別個体の幼鳥bが鳴いて餌乞い♪すると、コンクリート上の幼鳥aは首を傾げて聞いています。 
やがて幼鳥aもその場で鳴き始めました。 
近くにいる兄弟姉妹の幼鳥bと交互に鳴き交わし、競い合って鳴いているているようですが、それほど切羽詰まった空腹状態ではないようです。 
親鳥は激しく餌乞い♪する幼鳥個体を優先して給餌するのです。 

 『おとうを待ちながら』 
ハクセキレイ幼鳥aは暇を潰すように羽繕いを始めました。 
右肩や胸の羽毛を嘴で整えたり、ヨガのような片足立ちでストレッチ運動をしたりしています。 
幼鳥が可愛らしく欠伸をすると(@6:30)、口内は赤く、黄色っぽい嘴で縁取られていました。 
右翼を下げ、その上から右足で後頭部を掻きました。 
次は逆に左足で頭をボリボリ掻きました。 

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

2021/09/14

水路を軽々と跳び越えて遊ぶ若いニホンザルの身体能力

 

2021年6月下旬・午後16:40頃・晴れ 

山麓で遭遇した野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れを観察していると、若い個体(子ザル)たちが幅2.5mの用水路を跳び越える遊びを繰り返していました。 

右岸の草むらに隠れていた若い個体aがフェンスの手摺からジャンプすると、左岸から張り出していたスギ(杉)の枝に見事飛び移りました。 
まるで空中ブランコのような軽業です。 
大きくしなる杉の枝をスルスルと身軽によじ登っていきます。 
跳躍シーンをまずは1/5倍速のスローモーションでご覧ください。 
続けて等倍速でリプレイ。 

しばらくすると、別個体bの子ザルが逆に左岸の杉の枝から対岸のフェンスに飛び移りました。 

左岸の杉の枝が再び揺れたと思ったら、また別の個体c(子ザル)が顔を覗かせました。 
右岸のフェンスに飛び移り、手摺に登りました。 
続けて手摺から横の道にピョンと飛び降り、奥の林に向かって遊動していきます。 

もし私が警戒させなければ、子ザルたちは飽きずにこのパルクールのような遊びを繰り返していたはずです。
成獣になるとこのような遊びをしなくなるのはヒトと同じですね。
幼少時の好奇心を失い、老いていくのでしょう。
関連記事(2年前の撮影)▶ 杉の枝でブランコ遊びを楽しむニホンザル(白猿を含む群れ)

路地裏の水溜まりで水を飲み行水するスズメの群れ(野鳥)

 

2021年7月上旬・午後16:40頃・くもり 

夕方の路地裏でスズメPasser montanus)の成鳥3羽が路上にできた水溜まりに代わる代わるやって来ては水を飲みました。 
とても小さくて浅い水たまりなので、行儀よく順番待ちしているようです。 
2番目に来た個体だけが水たまりの中で水浴びしました。 
スズメの群れはピョンピョン跳ぶように水たまりから立ち去りました。 

※ 動画編集時に音声の編集に失敗しています…。

2021/09/13

ナツメの花蜜を吸うセマダラコガネ

 

2021年7月上旬・午後12:35頃・晴れ 

路地裏の民家の狭い庭(失敬!)に植栽されたナツメの灌木にセマダラコガネAnomala orientalis)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
初めは動きに乏しかったのですが、後半になると警戒を解いたのか、頭部の角度を細かく変え、脚も動かしました。 
風が吹いて枝が揺れてもセマダラコガネは花にしがみついたまま平気で吸蜜を続けています。

他にはフタモンアシナガバチ♀も訪花していました。

餌乞いで鳴く♪モズの幼鳥(野鳥)

 

2021年7月上旬・午前11:35頃・くもり 

民家の裏庭を囲む板塀の天辺にモズLanius bucephalus)が独り止まっていました。 
横を向いた時に下嘴が黄色っぽく、過眼線が薄いことに気づきました。 
どうやら幼鳥のようです。
モズらしく尾羽を上下に動かしています。 
親鳥が巣外給餌に来てくれるまでおとなしく待っているのでしょう。
ときどき首を傾げてみせる仕草が可愛らしいですね。 
モズ幼鳥が見下ろす視線の先には生ゴミを処理するコンポスト容器が置いてあるので、その周囲を飛び回るハエなどに興味を示しているのかもしれません。 

前半は静かにしていたのですが、しばらくするとモズ幼鳥は半開きにした翼を細かく震わせながらキチキチキチ…♪と鋭く鳴き始めました♪(@1:38) 
おそらく近くに飛来した親鳥を見かけた幼鳥が餌乞いを始めたのでしょう。 
嘴の内部は鮮やかな赤色で、橙色で縁取られています。 
いよいよ巣外給餌のシーンを観察できるかと期待したのですが、モズ幼鳥は鳴きながら飛び去ってしまいました。 
隠し撮りしている私に気づいて警戒したのかな? 
餌乞い行動および飛び立ちを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

モズ幼鳥の餌乞い♪を声紋解析してみる

いつものようにオリジナルの動画ファイルから音声をWAVファイルに抽出し、鳴いている部分を切り出してからスペクトログラムを描いてみました。




手元にある資料を調べても、モズ幼鳥(巣立ち雛)の餌乞い行動に関する解説は見つかりませんでした。 
日本の野鳥さえずり・地鳴き図鑑』でモズを調べると、
地鳴き:ギチギチギチなどと鳴く。 巣立ちビナがいるあたりに人やネコ、カラスが近づくと、ギチギチとうるさく鳴き騒ぐ。(p34より引用)
唐沢孝一『モズの話:よみもの動物記』という本によると、
えさねだり行動はまれで、むしろ(幼鳥同士の:しぐま註)排他的行動が目立つ。1羽の幼鳥の止っている背後から襲いかかるように飛びつくシーンとか、他の1羽を7〜8mも追いかけるのもみられる。つつき合ったり、弱い声ではあるがギギギ…といった威嚇音も発し、秋の高鳴きのころのなわばり争い行動を感じさせる。(p177より引用)
一人前になるにつれて攻撃性が高まり排他的傾向が強まり、幼鳥の群は解体し、分散してしまうようである。  巣立った幼鳥たちは、ほんの2週間くらい親子の生活を送り、親の方から子離れして姿を消してしまう。残された幼鳥たちは、群れたり、追い合ったりしながら次第に狩りのテクニックやはやにえ行動を自得していく。 (p179より引用)

2021/09/12

婚姻色を呈するオイカワ♂♀の群れが泳ぐ池(淡水魚)

 

2021年7月上旬・午後12:20頃・晴れ 

今まで見たことのないとてもきれいな淡水魚が平地の池で群れをなしていました。 
黒っぽい体に赤いヒレを持つ大型の個体が混じっています。 
群れが集まると水中でほとんど静止しています。 

山育ちなのに釣りの嗜みを覚えずに育ってきてしまった私は魚の知識が全くありません。 
てっきり、誰かが池に外来種の観賞魚を放流したのか?などと思ってしまいました。 
(よりによってベタを連想したぐらいです。)
帰ってから調べてみると、どうやらオイカワ♀♂(Opsariichthys platypus)という種類のようです。 
しかし、本来オイカワは西日本にしか生息してないそうです。 
山形県にオイカワは自然分布しないはずですが、ネット検索すると当地でも釣具屋のブログなどで釣果の記録がヒットします。 
この池では子供たちがよく釣りをしているので、おそらくオイカワが放流(人為移植)されているのでしょう。 

動画の前半では、7匹の群れが日向の水面近くに集まっていました。 
鰭の前縁が赤い大型の個体は♂で、婚姻色なのだそうです。 
それに対して、全身が黒っぽくて地味な小型の個体は♀です。 

ここでちょっとした事件が起こりました。 
背中に痛々しい怪我をした個体♀wに注目して下さい。 
おそらく釣り針で背中を引っ掛けられて負傷したのではないかと思います。 
(あるいは鳥に危うく捕食されかけたのかもしれません。)
この♀wが急に水面から飛び出すように跳ねました。 
跳躍シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、♀wは行く手を横切る♂に遮られ、乗り上げるように飛び越えていました。 
しばらくすると(32秒後)、再び♀wが水面から跳ねて♂を飛び越えました。 
これは果たして偶然の回避行動でしょうか? 
動画を遡ってじっくり見直すと、♀wが2回飛び越えたのは同一個体の♂でした。 
♀wの方が活発に泳ぎ回り、わざわざ戻ってきて特定の♂を飛び越えたのです。
群れの色気づいた♂たちを見定めてから♀wが気になる特定の♂に対してちょっかいをかけたり誘ったりしているのだとしたら(求愛行動)面白いですね。 
もちろん私はオイカワがどんな求愛行動をするのか何も知らないので、素人の妄想かもしれません。
♬もしかしてだけど、もしかしてだけど、それってオイラを誘ってるんじゃないの? by どぶろっく
せっかく♀wに誘われた♂が何もアクションを起こさなかったのも解せません。
「傷物の♀」には興味がないのでしょうか?
普通に考えれば、婚姻色を呈した♂の方が♀に求愛アピールしそうなものです。 

後半は(@1:35〜)、♀7♂4匹の群れが寄り集まっているだけで求愛行動は全く見られませんでした。 

ネット検索しても、オイカワの求愛行動についての情報は得られませんでした。 
魚類図鑑サイトPrivate Aquarium によると、
(オイカワの)繁殖期は5~8月で、岸近くの流れの緩い平瀬の砂礫底で産卵する。 産卵にあたって雄は直径30~50cm程度の産卵床を作るが、これをめぐって激しい縄張り争いをする。
今回私が見た群れでは、♂同士の闘争行動は見られず、至って平穏でした。 
♂の赤い婚姻色がもっと濃く鮮やかになってからが繁殖行動の本番なのかな?

土手の階段で採食・脱糞するスズメの群れ【トレイルカメラ:野鳥】

 

2021年6月下旬・午後18:30頃・気温19〜21℃ 

堤防のコンクリート階段に残された溜め糞にやって来る野生動物を突き止めるために無人のセンサーカメラを仕掛け、試行錯誤しています。 
スズメPasser montanus)が写っていた映像をまとめました。 
こんな小さな生き物でも画角内で動き回ればカメラがしっかり作動することが分かり、動体検知の感度に感嘆しました。 
溜め糞に集まる昆虫を野鳥が捕食しに来ているのだとしたら、それはそれで面白いのですが、そうではなさそうです。 
かなり古くなった溜め糞がコンクリート上で分解されずに干からびて残っているだけです。
糞便臭も無くなり、糞虫どころかハエすらも来ていませんでした。 

シーン1:気温21℃ 
スズメの幼鳥が溜め糞がある階段の1段下を右から左へホッピングで通過しました。 
途中で少量の白い糞を1滴排泄しました。(@0:09) 

シーン2:気温19℃ 
2日後も同じ時間帯に3羽の成鳥の群れが採食に現れました。 
画面の最上段にいる個体が異様に小さく見えるのは、土手が斜面になっていることによる遠近法の効果です。 
スズメは画面左上で土手に生えた何か雑草を嘴で毟り取って食べているようです。(@1:26) 

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

私が狙っている野生動物は夜行性です。 
暑い昼間はカメラをスリープさせ、暗い夜間だけ(18:30〜翌朝の午前6:00)作動するように設定を変えたら、バッテリーが長持ちするようになりました。 
終日24時間監視することも可能なのですが、電池を1日で使い切ってしまい、カメラ本体も熱くなっていました。 
こんなにバッテリーの消耗が激しいのは予想外でした。 
ちなみに、最新の上位機種ではオプションでソーラーパネルを付けられるそうです。 
太陽光による充電が可能となり乾電池の交換が不要になれば確かに便利です。
しかし、より高価になりますし、目立ってしまい盗難のリスクがますます心配です。 

色々とカメラの設定を細かく変えて試行錯誤した結果、この機種は以下のような手順(アルゴリズム)で作動するのではないかと推察しました。 
  1. 高感度の赤外線センサーが120°の画角内に鳥や哺乳類の体温に近い熱源があるかどうか常に監視。 
  2. その熱源が動き回るかどうか判定。(動体検知) 
  3. カメラを起動し録画開始。ここまでのタイムラグ(トリガースピード)は0.5〜0.8秒とマニュアルに書かれています。 
今回の設置場所のようにコンクリートの階段を夏の昼間に監視すると、太陽光で照らされたコンクリートはすぐに体温を越えてしまいます。 
そんな環境下に置かれたセンサーカメラは常に動体検知の演算処理をし続ける必要があり、電池を無駄に消耗するのでしょう。 
私の推測が正しければ、カメラを日陰に設置するか気温が低い冬になれば、終日監視させてもバッテリーをさほど消耗しないのではないかと予想しています。
通販サイトの商品レビューでバッテリーの激しい消耗に苦情を申し立てている購入者がいますが、おそらく私と似た原因ではないかと思います。(設置環境の問題)
また、画角内に赤外線を反射する葉っぱなどがあると、風で揺れただけで誤作動してしまうことになります。 
それを避けるには、予め邪魔な葉っぱを取り除いておく必要があります。 
ただし、やり過ぎると監視カメラが丸見えになって存在に気づかれてしまう恐れがあり、兼ね合いが難しいところです。 


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