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2025/01/16

スギ林縁で追いかけっこ、横枝に飛びつきブランコ遊び、格闘を繰り返してはしゃぎ回るニホンザルの群れ

 

2023年12月中旬・午後15:30頃・くもり 

夕方の山麓を遊動するニホンザルMacaca fuscata fuscata)を追跡したら、スギの植林地まで来ました。 
おそらく猿たちは、ここを今晩眠るねぐらとするのでしょう。 
ところが、若いニホンザルたちはまだ遊び足りないようです。 
薄暗くなってきたスギ林縁ではしゃぎ回っています。 

林縁に立ち並ぶスギの横枝に掴まった子猿が、しなって揺れる枝の感覚を楽しんでいます。 
別の若い個体がキキキッ♪とかカカカッ♪などと鳴きながら激しく走り回り、追いかけっこが始まりました。 
せっかく山から降りてきて塒入りしたのに、塒のスギ林を再び離れ、急斜面の土手を登り返しています。 

追いかけられて逃げる個体が急斜面を林縁まで駆け下りると、スギの横枝に飛びつき、追手をかわしました(一時避難)。 
猿の体重でしなる枝を利用して、ターザンごっこのようなブランコ遊びをしてから地上に降りました。 
それを見た追手も同様にブランコ遊びをしました。 

土手に座って仲間が遊ぶ様子を見物している個体もいます。 
途中から別個体も走ってきて、ブランコ遊びに合流しました。 
追いかけっこしながらスギ林内に駆け込んでも、また走って土手まで戻ります。 
若いニホンザルたちは、スギ林縁の横枝を使ったブランコ遊びのスリルが大好きなようで、何度も飽きずに繰り返しています。 
土手のあちこちで追いかけっこが繰り広げられていて、どこを撮ったらよいのか目移りしてしまいます。 

いつもとは逆に、猿がスギ林縁から土手を少し駆け上がり、頭上のスギ横枝に飛びついてブランコ遊びをすることもありました。 (@2:00〜、@4:22〜)
このパターン(三角跳び?)は初めて見たかもしれません。 

土手からスギの枝葉に飛びつく際に、枝の選択や目測を誤ると、しなる枝とともに猿は地面に落ちて引きずられてしまいます。 (@3:25〜)
幸い怪我はなかったようですが、上手く遊ぶには反復学習が必要みたいです。 
スギの枝を掴み損ねた個体は、ブランコ遊びが上手くいかない苛立ちからか、腹立ち紛れにスギの枝葉に噛み付きました。 (@2:05〜)

土手を登る途中で立ち止まり、左足の裏についたゴミを手で払う個体がいました。 (@5:28〜)
スギの落ち葉を踏んでしまい、足裏に刺さったのかな? 
それを見ていた別個体が挑発するように、土手からスギ枝葉に飛びついて、相手の目の前でブランコ遊びを始めました。 
すぐに軽い取っ組み合いになり、2頭は暗いスギ林内へ走り去りました。 

逃げる相手に追いついて対峙しても、深刻な喧嘩にはならず、軽い小競り合いをするだけでした。 
(立ち止まって追手を待ち構えることもあります。)
腕を振ったり猫パンチをしたりして、相手を追い払いました。 
遊びの一環で、ふざけて軽く格闘しているだけのようです。 
格闘遊びの際に鳴き声はほとんど発してませんでした。

一連の遊びの行動は以前にも同じ地点で何回か観察しています。 
季節も時間帯も違いますが、おそらく同じ群れに代々伝わる遊びなのでしょう。 
猿のブランコ遊びを土手の上から見下ろすのではなく、土手の下から改めて撮影したかったので、今回ようやく目標を達成することができました。 

ニホンザルたちが大袈裟にはしゃぎ回ってスギの横枝を繰り返し揺らしてるのは、もしかすると、近くでしつこく撮影を続ける私に対する威嚇誇示(ディスプレイ)の意味合いもあったりするのでしょうか? 
なんとなく、私の目を意識して、私に見せつけているような気もしました。
塒のスギ林から私に早く立ち去って欲しいのかもしれません
ニホンザルの威嚇誇示と言えば、木揺すり(枝揺すり)が有名です。 
ヒトが近くに居るときしか、この飛びつきブランコ遊びをやらないとしたら、それはそれで面白いですね。
無人カメラを設置して、猿の行動を監視してみたいものです。

12月はニホンザルの交尾期なのに、今回はしゃぎ回っていたのは発情していない若い個体ばかりでした。 
顔や尻が真っ赤になっていないことから分かります。 
つまり、追いかけっこや小競り合いに見えたのも、交尾相手を巡るシリアスな喧嘩ではありません。 
一方、発情した成獣たちは求愛や交尾行動で忙しくて、遊ぶ暇もないのでしょう。 

※ 猿の鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


余談ですが、動画の冒頭で聞こえる謎の鳴き声が気になります(@000〜0:50) 。
今まで聞いたことのない不思議な鳴き声を文字に表す(聞きなし)のは難しいのですけど、「Wrrrrrrrrreeee!」とか「Krrrrrrrrrrrreeeee!」「Grrrrrrrrrrrreeeee!」のように聞こえました。
途中で鈴を転がすような巻舌のような不思議な鳴き声です。 
後半は尻上がりに音程が上がりました。 

私の頭上のどこか樹上でニホンザルが鳴いているようですが、その姿を見つけられませんでした。(映像公開予定?)
眼の前で他のニホンザル個体による面白い行動が次々と展開されるので、辺りを見回して鳴き声の主を探すのも我慢して動画撮影を続けました。
後回しにするつもりでいたら、謎の鳴き声は止んでしまいました。

この鳴き声は、ニホンザルの繁殖期と何か関係があるのでしょうか? 
それとも、迷子になった子猿が不安になって母親を呼んでいるのかな? 
謎の鳴き声の意味をあれこれ調べてみたのですが、よく分かりません。
ここから先の解釈は、まったくの的外れかもしれませんが、個人的な備忘録として残しておきます。 

小田亮『サルのことば: 比較行動学からみた言語の進化 (生態学ライブラリー)』を読み返してみると、おそらく私が聞いた鳴き声は、ニホンザル♀による発情音、その中でもトーナルコールではないかと予想しました。 
私は目の前に居た別個体の動画撮影に集中していたために、樹上で鳴き声を発した個体を見ていませんが、おそらく意中の♂と接触する前の段階だったのでしょう。
 ニホンザルにとって秋は恋の季節である。1年のうち秋から冬にかけてしか発情しないニホンザルの♀は、この時期には顔を真っ赤にし、「クゥーァー」あるいは「ギャッギャッギャッ」という音声(発情音)をひっきりなしにあげている。(p89より引用)
発情している♀は顔を真っ赤にし、しきりに発情音をあげている。やがて♂が1頭近づいてくる、あるいは♀の方から接近していくのだが、そこですんなりと交尾に至るわけではない。交尾期以外は、オトナの♂と♀はめったに接近することはない。♀にとって、大きく力の強い♂は恐ろしい存在なのだ。しかしながら、性的欲求は♂に近づくことを求めている。(中略)馬乗りと馬乗りのあいだにも、ときには♀が逃げたり、グルーミングをしたりして、かなり時間が空くことがある。そのあいだ、♀は激しく発情音を発するのである。 
 ♀の発情音は、その音響的特徴によって大きくふたつに分けられる。耳で聞いただけでもだいたいの区別はつくのだが、周波数分析をしてみた(中略)。ひとつは、伊谷によって、<uyaa><ugyaa>などと記載されている、比較的長くて雑音の少ない音声であり、もうひとつは、<ka・ka・ka・ka...>と記載されている、短くて雑音成分の多い音声である。前者をトーナルコール、後者をアトーナルコールと呼ぶことにした。(中略)♂との接触前にはトーナルコールが期待値より多く発せられているのに対し、♂との接触後にはアトーナルコールの方が期待値より多くなっていた。どうやら交尾相手の♂との距離によって違う種類の発情音が使われているようだ。(p94〜95より引用)
ニホンザルが性的に活発なのは早朝だ。(p97より引用) 
・どうやら、♀は発情音(アトーナル:しぐま註)を発することで他個体の注意をひき、妨害行動を誘発することで♂をふるいにかけていると考えられる。(p98より引用) 
性的二型が大きな種において発情音が発達しているという結果は、まさに♀の発情音が♂間競争を煽っているということを裏付けているものである。(p103より引用)
 

1999年に出版されたこの本の内容は少し古いかもしれないので、AI Perplexityで質問した回答によれば、
ニホンザル♀のトーナルな交尾音は「ウァー」という尻上がりの声でビブレーション(振動)がかかっている。比較的明確な音程や調子を持つ音声です。 オスとの距離が遠いときは、トーナルな交尾音が多く使われる。

問題は、ニホンザル研究者が♀による発情音(トーナルコール)と呼んでいる鳴き声を実際に試聴して聴き比べたいのに、いくらネット検索しても見つからないことです。 
YouTubeや「動物行動の映像データベース」などに鳴いている様子の動画をニホンザル専門家がアップロードしてもらえると助かるのですが…。 
私の検索の仕方が下手なだけかもしれないので、音声ファイルまたは動画の在処をご存知の方がいらっしゃいましたら、是非教えてください。 

仕方がないので、この動画に含まれる謎の鳴き声を後で声紋解析してみます。
上記書籍の図4-1(p96)に掲載されたアトーナルコールおよびトーナルコールのサウンドスペクトログラムと比べてみれば、分かるはずです。

もしも謎の鳴き声に関する私の解釈が正しければ、♀の発情音で誘引された他の♂たちが交尾の邪魔をして、それによって一連の騒動(はしゃぎ回りに見えた)が巻き起こったのかもしれません。
「カカカ…♪」という鳴き声は、威嚇や喧嘩の際に発するのかと私は今まで思っていました。
しかし、はしゃぎ回っていた個体は未発情の若い個体ばかりだったこと、交尾期前の夏にも同じブランコ遊びが見られたことが説明できなくなります。

野生ニホンザルの鳴き声が伴う行動を動画でしっかり記録して正しく解釈するのは、なかなか大変です。
理想的には、バウリンガル(犬用)やミャウリンガル(猫用)のように、ニホンザルのさまざまな鳴き声の意味や感情を音声翻訳してくれる機器や携帯電話アプリが登場することを期待します。

2024/12/30

野生ニホンザル♀の同性愛行動#2(若い♀同士の抱擁、マウンティング、正常位の擬似交尾など)

 

2023年12月中旬・午後15:55頃・くもり 

夕方に山麓を遊動する野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れを慎重に追跡していたら、太い風倒木(樹種はオニグルミ、隣の立木はハンノキ)の上に並んで毛繕いしているペアを見つけました。 
相互毛繕いではなく、片方の個体が一方的に甲斐甲斐しく毛繕い(ノミ取り)しています。 

気持ち良さそうに目を瞑って毛繕い(頭皮マッサージ?)を受けていた個体が急に顔を上げると、互いに対面したまま抱き合いました。
抱擁(ハグ)したまま相手を押し倒すと、下になった個体が腰を動かして陰部を相手に擦り付けました。 
正常位の性行動(疑似交尾)と思われます。 
倒木上で仰向けに寝た個体は、ゴツゴツして寝心地が悪いと思うのですが、短時間で終わりました。 
続けて、再び対他毛繕いに戻りました。 

このとき私が立っていた地面の足場がとても不安定で、猿の手前にある枝が撮影の邪魔だったこともあり、動画を撮りながら少し移動しました。
(映像がひどく手ブレして申し訳ありません。) 
幸い、ニホンザル♀のペアは私が動いても、すぐには逃げ出しませんでした。 

次にペアの一方が立ち上がると、パートナー♀の背後に回り込み、マウンティングしながら腰を動かしました。(pelvic thrust) 
マウントされた♀は、振り返って相手の顔を仰ぎ見たものの、両手は倒木の上に付いたままでした。 
最後の点が、典型的な異性間交尾時の♀の行動とは違いました。
(片手で♂の体に触れたり引き寄せたりするはず) 
短い疑似交尾が終わると、ペアは倒木上で再び対面で座り抱き合いながら体を軽く揺すりました。 
このとき口を少しもぐもぐ咀嚼しています。 
頬袋の中に詰め込んでおいた食料を食べているようです。 

無粋な出歯亀(私)がじっと見ているせいで落ち着かないのか、倒木上のペアが移動を始めました。 
倒木から地面に降りる際に股間がちらっと見えて、ようやく性別が♀と分かりました。 
尻の色が真っ赤ではなくてピンクだったことから、発情していない若い♀のようです。 

もう1頭も倒木から降りて、パートナーを追いかけました。 
土手の途中で追いつくと、背後からマウンティングしました。 
今回も両足を相手の膝の裏に乗せてマウントし、腰を動かしました。 
マウントした個体の股間に睾丸が見えないことから、やはり♀同士のようです。 
マウンティングを終えた直後に、目を凝らしてよく見たのですが、マウントされた♀の尻に白い精液は付着していないようです。(異性間の交尾ではない) 

土手を登って用水路沿いの小径に移動すると、横に並んで座って一方的な対他毛繕いを始めました。 
手前にあるオニグルミの倒木が邪魔で見えにくいのですが、その背後でニホンザル♀のペアが再びマウンティングしました。 
このとき、マウンティングの攻守交代をした点が興味深く思いました。(異性間では決して見られない?)
今回も、マウントされた個体は振り返って相手を仰ぎ見るだけで、パートナーを片手で掴んで引き寄せる動きはしませんでした。 

マウンティングの次は、また熱い抱擁に戻りました。 
♀同士でよくみられるこの行動を、ニホンザルの研究者は「ハグハグ」と呼んでいるのだそうです。(※ 追記参照)
一素人の擬人化した解釈ですが、ハグハグは♀同士の前戯のようなもので、性的な興奮が高まるとマウンティング(後背位)や正常位に移行するようです。 
ハグハグから相手を押し倒し、正常位になりました。 
今度は倒木の上ではなく地面なので、仰向けになっても安定していて背中が痛くありません。 

私に気づいたようで、警戒した個体が左奥へ歩き去り始めました。 
それを追いかけた別個体が背後からマウンティングしました。 
マウントを止めた若い♀のペアは、用水路沿いに設置された転落防止のフェンス(金網)を相次いで身軽に登り、手摺を伝って歩き始めました。 
ここで群れの仲間と合流したことになります。 
それまで、群れの仲間は若い♀同士の同性愛行動に何も干渉しませんでした。 

 仲間が何匹も手摺に並んでいた。♀aもフェンスを登って手摺へ。 用水路の対岸の林縁から伸びた落葉性広葉樹(クリ?)の枝に飛びつくと、ターザンのようにブランコ遊びをしながら、対岸に渡りました。 

この辺りから私はもう誰が誰だかニホンザルを個体識別できなくなりました。
手摺に座って体を掻いていた個体が振り返って仲良しのパートナーを見つけると、駆け寄りました。 
フェンスから地面に相次いで戻ると、そのまま地上でマウンティングしました。 
フェンスの手摺(断面が丸い、金属の横棒)の上では足場が不安定で、マウンティングしたくてもできないのでしょう。 
マウンティングに続けてハグハグを繰り返したということは、♀同士のようです。 

私が少し移動してペアに近づき、なんとか撮影アングルを確保しました。 
(ちょっとだけ目を離して空白時間があったので、さっきと同一の♀ペアかどうか確証がありません。) 
ペアは相変わらず水路横の小径に座り、対面でハグハグしていました。 
立ち上がると背後からマウンティングしました。 
このとき♀の外性器はピンク色でした(未発情)。

マウントを解除した2頭は、相次いで横のフェンスによじ登り、手摺から頭上の落葉樹の横枝に飛びつきました。 
先行個体は、枝にぶら下がったままターザンのように対岸のフェンスに移り、地面に降りました。 
ところが後続個体は体重が軽いのか、ブランコの振幅が小さくて対岸のフェンスには手が届きませんでした。 
どうするのかと思って見守ると、臨機応変にそのまま横枝をよじ登ってから、対岸のスギ横枝に飛び移りました。 
無事に対岸の地上に降りると、先行するパートナーの後を追って遊動を続けます。 
ニホンザルの群れは、全体としてねぐらとなる森を目指しているようでしたが、私が追いかけるので警戒してどんどん逃げているのかもしれません。 

ニホンザル♀同士の同性愛行動を観察したのはこの日が始めてでした。
しかも、同じ山系の少し離れた地点で同じ日に何度も観察できたので、とても興奮しました(interestingという意味で)。 

関連記事(同日の撮影)▶  

もしかすると、発情期なのにこの群れには成獣♂が居なくて(♂不足)、交尾相手の♂が見つからない♀たちが性的に欲求不満になっているのかと、現場では安直に推測しました。
猿害対策でなぜか♂ばかりが駆除されてしまったのか、などと先走って考えたりもしました。 
ところが、この日に撮れた動画をすべて見直すと、発情した成獣♂(αアルファ♂?)も群れと一緒に遊動している様子がしっかり写っていました。 
この日♀の同性愛行動を初めて撮影できて夢中になっていた私は、♂の存在が目に入らなかった(記憶に残らなかった)ようです。 


※ 夕方で薄暗いので、動画の画質が少し粗いです。 


※【追記】
今回見られた前戯のような抱擁は、ハグハグ行動と呼ばれるのだそうです。 
少し長いのですが、文献検索で見つけた学会発表の抄録を引用させてもらいます。
中川尚史, et al. ニホンザルにおける “ハグハグ” 行動パタンの地域変異. In: 霊長類研究 Supplement 第 22 回日本霊長類学会大会. 日本霊長類学会, 2006. p. 28-28.

 

【抄録】演者のひとり下岡は、金華山のニホンザルの“ハグハグ”行動について報告した(下岡、1998)。“ハグハグ”は、「2個体が対面で抱き合い、お互いの体を前後に揺さぶる行動」であり、以下のような特徴が認められた。1)2個体の行動が同調する、2)リップスマックを伴う、3)平均持続時間は17秒である、4)主にオトナ雌によって行われ、血縁の有無によらない、5)グルーミングの中断後や闘争後に見られる。以上の特徴から下岡はこの行動には、個体間の緊張を緩和する機能があると考えた。本発表では、金華山の“ハグハグ”行動と相同と思われる行動が屋久島のニホンザルでも観察されたので報告する。 当該行動は、2005年9月から12月、屋久島西部林道域のニホンザルE群を対象に、演者を含む総勢8名で行った性行動の調査中に観察された。 観察された行動は、下岡が報告した1)~5)の特徴、および機能を持っており、“ハグハグ”と相同の行動とみなすことができた。しかし一方で、行動パタンにわずかな変異が認められた。屋久島の“ハグハグ”も「2個体が抱き合い、お互いの体を前後に揺さぶる行動」であるが、必ずしも「対面で抱き合」うのではなく、一方の個体は他方の側面から抱きつく場合があった。さらに、屋久島の“ハグハグ”は、他個体を抱いた手を握ったり緩めたりいう動作を伴ったが、金華山ではそうした動作は見られていない。 行動の革新が見られ、集団中に伝播し、世代を超えて伝承することを文化と定義すれば、文化の存在を野生霊長類で証明することはかなりの困難を伴う。そこで、1)行動の地域毎の有無、2)行動を示す個体の増加、3)行動のパタンの一致などがその傍証として用いられてきた。金華山の“ハグハグ”とは微妙に異なるパタンで屋久島においても相同の行動が発見されたことは、上記3)の文化の傍証に相当する。今後、1)、2)の傍証についての情報を収集していく予定である。

今回の私の撮影地は山形県で、鹿児島県の屋久島よりも宮城県の金華山にずっと近いです。 ハグハグ行動のパターンが、金華山の個体群と近い事がわかりました。 
屋久島の個体群で記述されたハグハグのバリエーションとは全く違います。
ハグハグが緊張緩和のための行動という解釈には、個人的に納得できません。
今回、私の耳には、同性愛行動に耽るニホンザル♀の鳴き声やリップスマック(唇で鳴らす音)をまったく聞き取れませんでした。 


【追記2】
観察に不慣れな私が若いニホンザル♂を♀と誤認しているだけかもしれません。
だとすれば、同性愛でない可能性が出てきます。
子猿♂は睾丸が未発達だとしたら、私には性別を見分けるのはお手上げです。

2024/11/11

若いニホンザルがオニグルミ堅果を割ろうと力任せに噛んでも歯が立たない

 

2023年12月中旬・午後15:25頃・くもり(日の入り時刻は午後16:24) 

夕方の山麓で野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れと遭遇しました。 
林縁の土手に座っていた若い個体が立ち上がると、私に向かって土手を斜めに走り下りました。 
オニグルミ大木の下まで来ると、目の前に垂れ下がっているスギの横枝に跳び移りました。 
スギの枝葉にぶら下がって少しブランコ遊びをしてから地上に飛び降り、スギ植林地の林縁に達しました。 
ちなみに、遊動する群れの仲間はこのスギ林に続々と集まってきていて、おそらく塒入りするようです。 

スギの木の下に座り込んだ若いニホンザルは、オニグルミの落果を拾って口に入れました。
土手の途中に自生するオニグルミの木から熟した果実が落ちて、斜面を転がり落ちてきたのです。 
このオニグルミ落果はすでに果皮が腐り落ちた状態ですが、猿は両手を使って堅果表面の泥汚れを丹念に払い落としました。 
(表面が黒く見えるのはタンニンかもしれません。)
オニグルミの殻の中に美味しい仁が含まれていることを知っているらしく、堅果を口に咥えて犬歯で噛み割ろうとしています。 
しかし、若いニホンザルは顎の筋力がまだ弱いようで、力任せに噛んでもオニグルミの硬くて大きい殻を割ることができません。 
左右対称の殻のつなぎ目に歯を立てて割るというコツを知らないのかもしれません。
諦めてオニグルミ堅果をその場に捨てました。 
右後脚で痒い体を掻いてから立ち上がると、群れの仲間を追いかけて暗いスギ林の中に入って行きました。 

この個体の性別が私には分かりません。 
股間に睾丸は見えず、胸に細長い乳首も見えませんでした。 
素人目には若い♀ではないかと思うのですが、どうでしょうか? 
猿の歯型と唾液が付いたオニグルミ堅果を撮影直後に拾って回収すれば、DNA鑑定で性別も分かったはずです。 

前年よりも間近で撮影できて感動しました! 

ニホンザルの成獣になると顎の筋力が増し、オニグルミ堅果の殻を噛み割って中の仁を食べるコツを学んだ個体がでてくるらしいです。 
つまりニホンザルはオニグルミの種子捕食者ということになります。 
私はまだその様子を観察したことがありません。 


※ 最後は動画編集時に自動色調補正を施しています。

2024/10/06

秋の強風に乗って舞い上がる遊びを繰り返すハシボソガラスの群れ(野鳥)

 

2023年10月上旬・午後13:40頃・強風が吹く薄曇り 

広大な田園地帯の一部で稲刈りが始まりました。
ハシボソガラスCorvus corone) の小さな群れが、強風に煽られながらもウィンドサーフィンを楽しんでいました。
電柱天辺の腕金に止まった三羽烏が、強い逆風を利用して垂直に飛び上がっては再着陸するという遊びを飽きずに繰り返しています。 
同時に舞い上がった個体同士が空中で軽い追いかけっこ遊び(空中戦)をすることもありました。 
遊び疲れたのか、風を待っている間に羽繕いを始めました。 



ウィンドサーフィンを楽しむ様子を見て、周囲から続々とカラスが集まって来ました。 
…ように見えたのですけど、田園地帯で採食するために飛来しただけかもしれません。 
実際に風に乗って遊んでいるハシボソガラスは3羽だけで、他の個体は静観しています。 

ノスリに対して群れでモビング(擬攻撃)するカラスも近くで見かけたのですが、その様子は撮り損ねました。 


【アフィリエイト】 


2024/10/02

越冬用巣穴に入る前に取っ組み合いをする2頭のニホンアナグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月下旬 

シーン0:11/23・午後12:14・気温26℃(@0:00〜) 
明るい時間帯に撮れた現場の状況です。 
平地で落葉した二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の越冬用営巣地(セット)をトレイルカメラで監視しています。 


シーン1:11/27・午前0:44・気温0℃(@0:04〜) 
深夜に2頭のアナグマが前後してセットに現れました。 
巣口Rの匂いを嗅いでいた先行個体が振り返ると、後続個体がにじり寄ってから飛びかかりました。 
越冬巣穴を巡る縄張り争いが勃発したのでしょうか? 
小声で唸りながら格闘しています。 
ところが、すぐに取っ組み合いを止めて2頭が相次いで巣穴Rに潜り込んだので、幼獣同士による遊びの兄弟喧嘩ではないかと思います。 
(夏から秋にかけて、アナグマ幼獣同士の格闘遊びを散々見てきました。)
それまで一緒に採食に出かけていた兄弟(姉妹?)がセットに戻ってきて、誰が先に入巣Rするか、という幼稚ないざこざがあったのかもしれません。



越冬に備えて脂肪を蓄えているために体型が変わってしまって分かりにくいのですが、素人目には2頭ともずんぐりむっくりとした♂のように見えます。(自信なし) 
顔馴染みがある母親♀(右目<左目)でないことは確かです。 


シーン2:11/27・午前1:36(@0:46〜) 
(シーン1との関連や繋がりはなくて、おまけのような付け足しです。) 
約1時間後に出巣R直後と思われるアナグマが左へ立ち去り、しばらくすると、別個体(♀?)が巣口Rに顔を出して外の様子を警戒しています。 

計何頭のアナグマがこの営巣地で越冬するのか知りたいのですが、やはり個体識別がしっかりできないことには話になりません。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→(今回のシーン1と2の間に起きた出来事)

2024/09/26

溜池で獲物を捕る練習をしたり枯茎を甘噛みしたりするダイサギ若鳥の群れ(野鳥)

 

2023年10月上旬・午後14:30頃・くもり 

溜池で2羽のダイサギArdea alba)が浅い岸辺を歩き回り、あちこちで嘴を素早く水中に突き刺していました。 
そんな闇雲に突いても狩りに成功するはずがありませんから、おそらく経験の浅い若鳥が獲物を捕る練習をしているのでしょう。 

まるでマングローブ林の気根みたいに泥濘から何本も突き出ているのは、ヨシの枯れた茎ですかね? 
その枯れ茎をダイサギが試しに咥えて引き抜こうとしているのは、遊びのようにも見えます。 

捕食練習の合間に、嘴で羽繕いしました。
遠くの里山から猿害対策の空砲が鳴り響くと、ダイサギは頭を上げて警戒しました。

2024/09/02

風で揺れる細い止まり木でバランスを取る若いアオサギ(野鳥)

 

2023年9月下旬・午後12:50頃・くもり 

スギ防風林の樹冠に1羽のアオサギArdea cinerea jouyi)が飛来して停まりました。 
曇天の逆光になりますが、デジタルズームインしてみると、若鳥のようです。 
右の翼から羽根が1本だけ寝癖のように飛び出ていて、風になびいているのが可愛らしいです。 
換羽の途中なのかな? 

細くしなる杉の梢に器用に停まっています。 
風が吹いて防風林の枝が絶えず揺れていますが、アオサギはバランスを崩しそうになると翼を大きく広げています。 
なんとなく、若鳥がバランス競技を楽しんでいるように見えてしまいます(独り遊び)。 

しばらくすると、アオサギは止まり木から飛び立ちました。 
流し撮りすると、羽ばたきながら左旋回して、私の頭上を飛び超えて行きました。 
この間、鳴き声を発しませんでした。 

【アフィリエイト】 

2024/07/29

秋の旧営巣地でニホンアナグマの幼獣2頭が取っ組み合いを長々と繰り広げる【トレイルカメラ:暗視映像】

 




2023年10月下旬 

シーン0:10/20・午後14:16・気温31℃(@0:00〜) 
シーン0:10/23・午後13:36・気温18℃(@0:04〜) 
明るい時間帯にたまたま撮れた現場の様子です。 
新機種のトレイルカメラ2台を平地の二次林に設置し、ニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地(セット)を見張っています。 


シーン1:10/26・午後18:32・気温14℃(@0:08〜)日の入り時刻は午後16:51 
日没後の晩に 2頭のアナグマが現れました。 
巣口Lで対峙すると、1頭が跳ね回って相手を挑発しています。  
「一丁やるか?」と遊びに誘っているようで、2頭とも左に消えました。 
左の死角から鳴き声が聞こえてきます。 
いかにも幼い(遊びたい盛りの)行動から、おそらく幼獣の兄弟姉妹だと思うのですが、体つきがすっかり成長していて素人目には幼獣だと分からなくなりました。 


シーン2:10/26・午後18:35(@0:25〜) 
巣口LRの中間地点で寝技の取っ組み合い(格闘遊び)が繰り広げられています。 


シーン3:10/26・午後18:36(@1:25〜) 
疲れを知らない幼獣2頭による格闘戦が続いています。 
組み合ったまま地面をゴロゴロ転がりました。 
本気の喧嘩ではなく、仲良くふざけて遊んでいる印象です。 


シーン4:10/26・午後18:37(@2:25〜) 
しばらくすると、ようやく取っ組み合いを解消して1頭が離れ、セットを走り回ります。 
今度は追いかけっこ遊びに移行しました。 


シーン5:10/26・午後18:38(@2:56〜) 
再び組んずほぐれつの取っ組み合いが繰り広げられています。 
ときどき短い唸り声を上げたり、イヌのようにワンッ♪と鋭く鳴いたりしました。 
初めはふざけてレスリングしていたのが、だんだん本気になってきたのでしょうか? 
レンズに水滴が付いているのか、画面全体が曇っていて、はっきり見えないのが残念です。 


シーン6:10/26・午後18:39(@3:26〜) 
肉弾戦の遊びが続いています。 


シーン7:10/26・午後18:38・気温13℃(@3:26〜) 
別アングルで設置したトレイルカメラでも広角の監視映像が撮れていました。 
巣口LRの中間地点で2頭のアナグマ幼獣が延々と取っ組み合いをしています。 
ときどき唸り声が聞こえます。 
1頭が走って逃げ出すと、もう1頭が追いかけます。 
巣口Rの手前に戻ってくると、格闘遊びを再開。 
互いに向き合って、隙あらば相手を甘噛みしています。 
ワン♪、キャン♪のような短く鋭い鳴き声♪をときどき発します。 


シーン6:10/26・午後18:39(@3:26〜) 
別アングルの監視映像に切り替えます。 
2頭のアナグマが肉弾戦の遊びを止めると、走らずに左へノソノソと向かいました。 
疲れて休戦したのかな? 

すぐにまた小走りで戻ってきて、巣穴Lに続けて入りました。 
しばらくすると、1頭が後ろ向きで巣穴Lの外に出てきて、前足で地面を掻きました。 
またすぐに入巣L。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
アナグマの幼獣がセットに現れたのは久しぶりです。(夏以来です) 
長らく来なかったので、てっきり子離れ・分散したのかと思っていました。 
春にここで生まれた幼獣4頭のうち仲良しの2頭が旧営巣地に戻ってきて、取っ組み合いの遊びを長々と繰り広げていました。 
格闘遊びも追いかけっこ遊びも、夏にはアナグマの幼獣同士でよく見られた行動です。 
秋になって久しぶりに見ました。 

私は幼獣間の遊びだと解釈したのですが、もしも力比べで上下関係を決める真剣な闘争行動だとすると、話は変わってきます。 
越冬用の巣穴を巡る縄張り争いなのでしょうか? 
来季のヘルパー♂を決める争いなのかな? 
母親♀が育った幼獣を攻撃して縄張りから追い払う「子別れ」の行動ならもっと激しいはずです。 



【アフィリエイト】

2024/07/23

秋の夕方にアナグマの空き巣を交互に調べる3頭の若いホンドタヌキ【トレイルカメラ】毛繕い、遊び

 



2023年10月中旬・午後16:25〜16:36・日の入り時刻は午後17:01 


シーン0:10/12・午後14:38・晴れ・気温28℃(@0:00〜) 
シーン0:10/12・午後16:59・晴れ(@0:04〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで録画された現場の状況です。 
平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の家族が転出した後の旧営巣地(セット)を新旧2台のトレイルカメラで監視しています。 


シーン1:10/18・午後16:25(@0:08〜) 
夕方に1頭のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)aがアナグマの巣口Rまで来ていて、念入りに匂いを嗅いでいました。 
その間に、左奥の二次林内からさらに別の2頭b,cが間隔を開けてセットにやって来ます。 
巣口Rで合流したのは、おそらく獲物となる穴居性の昆虫が居るかどうか、チェックしに来たのでしょう。 

2番目に来た個体bは♂だったようです。 
巣口Rの横に自生するマルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)の細い灌木の根元に排尿マーキングする際に、左後足を上げました。(@1:02〜) 


シーン2:10/18・午後16:26・気温18℃(@0:08〜) 
別アングルで設置した新機種のトレイルカメラに続きが撮れていました。 

タヌキ♂bが地面の匂いを嗅ぎながら左から登場しました。 
続けて左下にちらっと写ったのは、巣口Rに向かう別個体cです。 
タヌキ♂bは、アナグマの巣口Lを塞いでいる細い木の根の匂いを嗅いでから、体をよじって自分の腰を舐めました。 

すれ違う際に2頭間で体格差がありました。(a>♂b) 
これは性差なのでしょうか? 
タヌキは♀の方が少し大柄だと言われています。

後から来たタヌキaも、アナグマの巣口Lに顔を突っ込んで点検しています。 
2頭とも、左に戻って行きました。 


シーン3:10/18・午後16:26(@2:06〜) 
別アングルの監視カメラ(旧機種)で続きをご覧ください。 
アナグマの巣穴Rの内部を内検していた個体が外に出て来て、左に向かいました。 
もう1頭のタヌキは巣口Rを覗き込んでいるだけです。 
3頭のタヌキが巣口Rに勢揃いすると、顔を突き合わせて軽く挨拶したり、対他毛繕いしたりしました。 

左から戻って来た個体がアナグマの巣穴Rに頭だけ突っ込みました。 
タヌキの3兄弟(姉妹)は、巣穴に居候している小さな虫(カマドウマの幼虫?)を捕食しているようです。 
巣穴の主であるアナグマは不在らしく、中から飛び出してきて訪問者を撃退することはありませんでした。 


シーン4:10/18・午後16:29・気温19℃(@3:06〜) 
アナグマの巣口Lを点検し終えた個体が左に行こうとしたら、背後の個体がじゃれつき(相手の背中に両方の前脚で乗った!)、小競り合いの末に相互毛繕いが始まりました。 
毛並みも茶色が濃くて若々しく、こうした遊び好きな行動からも、若いタヌキ(幼獣?)ではないかと思います。 

3頭目のタヌキが左下にちらっと登場しました。 


シーン5:10/18・午後16:28・気温19℃(@4:06〜) 
アナグマの巣口Rに戻った2頭のタヌキが並んで巣穴Rを覗き込んでいました。 
巣口Rに頭を突っ込んで、「頭隠して尻隠さず」状態になった個体の腰に別個体がふざけて跳び乗りました。 
(順番待ちで痺れを切らしたのかな?) 
そのまま背中をグイグイ押して遊びに誘い、左へ走り去りました。 
追いかけっこが始まるかと思いきや、迷惑そうに巣口Rから顔を出した個体は相手の挑発には乗らず、巣内の虫に夢中です。 
ようやく奥の林縁へ移動しました。 


シーン6:10/18・午後16:30・気温20℃(@5:06〜) 
アナグマの巣口Lに居た2頭の一方が、背中を伸ばすストレッチ運動をしてから手前に立ち去りました。 
もう1頭は、後脚を伸ばすストレッチ運動をしてから、左へ移動しました。 

画面にタヌキが写っていないときでも、セットに転がっている落枝が動いているので、タヌキがカメラの死角を歩き回って落枝を踏んでいることが想像できます。 
自宅の玄関先にこんな落枝が散乱していたら歩くのに邪魔ですし、我々ヒトの感覚ではきれいに片付けたくなります。
しかし、侵入者の接近を知らせる防犯装置として、アナグマは落枝をわざと放置している気がしてきました。


シーン7:10/18・午後16:36(@5:34〜) 
最後までアナグマの旧営巣地(セット)に残っていたタヌキ個体も、身震いしてから右下へ立ち去りました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


2024/07/02

ホンドタヌキ幼獣の群れが互いに追いかけっこや取っ組み合いをして遊び回る昼間の二次林【トレイルカメラ】

 




2023年10月上旬 

シーン1:10/2・午後16:25・気温19℃(@0:00〜) 
ニホンアナグマMeles anakuma)家族が転出した後の旧営巣地に幼獣と思われる1頭のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)aがやって来ました。 
巣口Lの匂いを嗅いでいたら、別個体bが続けて右から登場しました。 
aは一旦左へ行ってから、すぐにまた走って戻って来ました。 
仲間(b)を追いかけっこ遊びに誘っているようです。 
左から更に別個体cが走ってくると、はしゃぎ回る追いかけっこ遊びが始まりました。 
取り残された個体も走ってついて行きます。 
しばらくすると、4頭目dも合流しました。 


シーン2:10/2・午後16:25(@0:53〜) 
別アングルに設置した監視カメラでもタヌキ幼獣たちの追いかけっこ遊びが撮れていました。 
登場したタヌキはやはり計4頭でした。 
周囲の二次林でカケスが野次馬のように鳴き騒ぐ声♪が聞こえます。 
タヌキがキャン♪と鋭く短く鳴く声も聞こえました。(@1:18〜) 


シーン3:10/4・午後14:05・気温19℃(@1:24〜) 
2頭のタヌキ幼獣が縦列になって獣道を右上奥に走り去りました。 
しばらくすると、更に2頭の別個体が走ったり歩いたりして登場します。 


シーン4:10/6・午後16:58(@1:58〜) 1頭がアナグマの巣口Rに頭を深く突っ込んで中を調べている間に、他の2頭が追いかけっこ遊びを始めて右に消えました。 
巣口Rに居残っていた個体を戻ってきた個体が遊びに誘い、一緒に左へ走り去りました。 


シーン5:10/6・午後16:59・気温14℃(@2:24〜) 
別アングルのトレイルカメラでも記録されていました。 
アナグマの巣口Lの匂いを嗅いでいた個体が急に独りではしゃいだように駆け回ってから、立ち止まりました。 
左に一旦立ち去ってから、すぐにまた仲間と一緒に戻って来ました。 
アナグマの巣口L付近でタヌキ2頭の格闘遊びが勃発しました。 
相手の毛皮に甘噛みしているようです。 
このとき小声でクゥーンと鳴く声♪が聞こえました。 
2頭が一緒に獣道を右に走り去ると、しばらくしてから別個体が追いかけるように駆け抜けました。 

タヌキの幼獣たちが全力で遊び回る光景は微笑ましいですね。


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正(モノクロ化)を施しています。 
※ タヌキの鳴き声が聞き取れるように、音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


2024/06/28

アナグマの旧営巣地でミズキやマルバゴマギの根元に小便をかけてマーキングするホンドタヌキ♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年10月上旬

シーン1:10/2・午後20:09・気温14℃(@0:00〜) 
ニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地にホンドタヌキ♂(Nyctereutes viverrinus)が右から登場しました。 
アナグマの巣口Lにはなぜか近寄らずに迂回しすると、奥のミズキ(?)立木の根元の匂いを嗅いでから右後足を上げて排尿マーキングしました。(@0:15〜) 
排尿姿勢から♂と分かります。 
獣道を歩いて左へ。 


シーン2:10/2・午後20:28・気温15℃(@0:31〜) 
約18分後、獣道を歩いて左からやって来たタヌキが、さっきと同じミズキ(?)の立木に小便を掛けて行きました。 
タヌキの外見による個体識別ができていないのですが、同一個体が2回も同じ地点に排尿マーキングするなんてことはあるのでしょうか? 
別個体が同じ地点に対抗して排尿マーキングするのは理解できます。(匂い付けによる縄張り宣言) 


シーン3:10/3・午後16:50・気温19℃(@0:58〜) 
獣道を左から歩いてきたタヌキが、アナグマの巣口Lの横に生えたマルバゴマギの細い灌木に通りすがりに放尿しました。 
左後足を上げながら排尿マーキングしたので♂ですね。 
合流した後続個体はマーキングせずに素通りし、2頭による追いかけっこ遊びが始まりました。
幼獣の兄弟姉妹なのかな?



2024/06/10

夜の旧営巣地を1〜2頭で訪れるニホンアナグマ:9月上旬〜下旬 【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年9月上旬〜下旬 

二次林の旧営巣地にニホンアナグマMeles anakuma)が1〜2頭で夜に戻ってきた様子をまとめました。 
幼獣が成長した結果、素人目には幼獣なのか成獣なのか、見分けがつきにくくなりました。
2頭が一緒に元気で遊び回っているのは、いかにも幼い行動から、幼獣の兄弟姉妹だと思います。


シーン1:9/7(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた旧営巣地の様子です。 
新旧2台の自動センサーカメラで見張っています。 


シーン2:9/11(@0:52〜) 
初めは単独で来たのに、途中から後続個体が合流して2頭になりました。 


シーン3:9/12(@1:50〜) 
巣口Rにスクワットマーキング。(@1:55〜) 


シーン4:9/13・午後18:15・気温25℃(@2:26〜) 
巣口Lの横で木質の細長い蔓が不自然に揺れています。 
獣道を走ってきたアナグマが入巣Lする前に、この蔓にぶつかったようです。 
巣口Lでは2頭のアナグマがふざけて格闘遊びを繰り広げています。 
少し離れて対峙した際に一方が(右の個体が)口を大きく開けて威嚇したのに、鳴き声を聞き取れませんでした。 
2頭は相次いで左に走り去りました。 
その後、左の死角からアナグマの軽く吠える声だけが聞こえます。 


シーン5:9/20(@3:11〜) 
毛繕い 


シーン6:9/24・午後18:31・気温19℃(@4:11〜) 
入巣Lおよび出巣L(巣穴Lを内検) 



2024/06/09

風倒木の根元の巣口で立木に排尿マーキングしてから仲間と追いかけっこするホンドタヌキ【トレイルカメラ】

 



2023年9月中旬・午後15:00頃


シーン0:9/7・午後15:00・晴れ(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
スギ防風林で風倒木の根元に掘られた謎の巣穴をトレイルカメラで見下ろすように監視しています。 
巣口を取り囲むように、根元が雪圧で強く湾曲した落葉灌木(樹種はマルバゴマギ?)が生えています。 


シーン1:9/7・午後14:57(@0:03〜) 
1頭のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が画面の下から登場しました。 
曲がりくねって伸びるマルバゴマギ灌木の匂いを嗅ぎ回り、根元に排尿マーキングしました。 
左後脚を上げながら小便したので、タヌキの性別は♂と判明。 
その後も巣口で落ち葉の匂いを嗅いだりして、なかなか立ち去ろうとしません。 


シーン2:9/7・午後14:58(@1:04〜) 
続けてトレイルカメラが起動したときには、さっきの個体aは画面の左端に移動して佇んでいました。 
そこへ右から別個体bがやって来ました。(@1:14〜) 
すると先行個体aが後続個体bに襲いかかり、一緒に走り去りました。 
唸り声や吠える声♪などは聞き取れず、本気の縄張り争いというよりも、家族間(幼獣の兄弟姉妹?)での追いかけっこ遊び(鬼ごっこ)のように見えました。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
本命のタヌキがようやくトレイルカメラに写りました。 
謎の巣穴から外に出てきた直後なのか、それとも通りかかっただけなのですかね? 
なんとなく後者のような気がしているのですけど、巣穴の主の正体はまだはっきり分かりません。 

現場は風倒木や灌木が藪のように入り組んで生い茂っているためにトレイルカメラが非常に設置しにくく、巣穴を上から見下ろす今回の撮影アングルでは画角が非常に狭いのが問題です。 
野生動物が画角内を素早く横切ったり巣穴に出入りしたりすると、監視カメラのセンサーが起動したときには間に合わずに何も写っていないということが多いようです。 
センサーの感度を上げると、風揺れで誤作動が頻発します。 
起動スピードが速い新機種のトレイルカメラに交換すべきかもしれません。 
もっと引きの絵で(離れた位置から)巣穴を監視したいのですけど、藪の中にある巣穴なので、どうしても無理です。 
かと言って、撮影アングルを確保するために巣穴周辺の藪を勝手に伐採したりすると、「営巣地の安全が脅かされた!」と怯えた巣穴の主が逃去してしまうことが予想されます。 





2024/06/08

唸ったり吠えたりしながら♪ニホンアナグマの幼獣2頭が昼間の旧営巣地で格闘遊び【トレイルカメラ】

 



2023年9月上旬・午後13:00頃・ くもり

アナグマ幼獣同士で遊び回る様子が久しぶりに撮れていました。

シーン0:8/25・午後・晴れ(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで録画された現場の様子です。 
二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地(セット)を新旧2台の自動撮影カメラで見張っています。 


シーン1:9/2・午後12:49・気温34℃(@0:00〜) 
昼過ぎにアナグマが単独で右から登場すると、地面の匂いを嗅ぎながら右エリアをうろついています。 
何かに驚いたのか、弾かれるように巣口Lへ向かいました。 
逡巡したりフェイントをかけたりした末に、勢い良く巣穴Lに入りました。 
しばらくすると巣穴Lから外に出て、元気よく左へ向かいました。 
アナグマを単独で見たときに、もはや幼獣なのか成獣なのか見分けがつきにくくなりました。 
はしゃぎ回る動きが幼いので、幼獣だと思います。 
独り遊びではしゃいでいるというよりも、近くに遊び仲間の兄弟姉妹がいるような印象です。 


シーン2:9/2・午後12:49(@0:53〜) 
続きの展開が別アングルの監視カメラに録画されていました。 
巣口Rの広場で幼獣2頭が対峙しています。 
格闘遊びが始まりました。 
威嚇のふりをして相手に突っかかったり、目の前の落枝(蔓)を甘噛みしたり、でんぐり返しをしてみたり、もんどり打って巣口Rに転がり落ちたり、大騒ぎしています。 
アナグマ幼獣が暴れると、林床に積もった落ち葉が舞います。 
遊びの合間に、体の痒い部位を後足でボリボリ掻いています。 
巣穴Rに入ってしばし休戦していた幼獣個体が再び外に出くると、2頭は別れて右へ向かいます。 

1頭の幼獣が林床で採餌していると、カメラの死角からブルルル♪という馬の鼻息のような鳴き声が聞こえ、ビクッと振り返りました。(@1:50〜) 
アナグマ(遊び相手)の鳴き声だったのか、私には分かりません。 


シーン3:9/2・午後13:11・気温32℃(@1:53〜) 
約20分後、元気な幼獣2頭がいつの間にか戻ってきて、そのうち1頭が巣穴Lに飛び込んだようです。 (入巣Lの瞬間は撮れていません。) 
巣口Lの中と外で2頭が対峙してから、外へ出て格闘遊びが勃発。 
威嚇の鳴き声♪を軽く発しながらそのまま左へ向かうと、カメラの死角から犬のようにワンワン吠える喧嘩の鳴き声♪が聞こえました。 
キャンキャン♪という甲高い鳴き声ではなく、もう少し低音で、それ程やかましい大声ではありません。 
(実際に鳴いているシーンが別アングルのトレイルカメラに撮れていなかったのが残念です。)

しばらくすると、左から戻ってきた幼獣1頭aが獣道を右上奥に走り去りかけ、途中で立ち止まりました。 
セットに残った個体bがそれを見送ります。 


シーン4:9/2・午後13:12・気温33℃(@2:41〜) 
幼獣aの後を追って幼獣bも獣道を右上奥へ走り去りました。 
ちょっと引き返すと、地面の匂いを嗅ぎました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 




2024/06/02

晩秋の強風に乗ってウィンドサーフィンや遊びの空中戦を楽しむハシボソガラス

 

2022年11月下旬・午前10:20頃・くもり 

稲刈り後の刈田が広がる田園地帯で2羽のハシボソガラスCorvus corone)が電線に並んで止まっていました。 
強風下で飛ぶと、風の勢いに負けて風下に流されそうになります。 
カラスはその強風を利用して、ほとんど羽ばたかずに翼の角度を変えるだけで電線からふわりと高く飛び上がることができます。 
どうやらウィンドサーフィンを楽しんでいるようです。 

電線から飛び立つ瞬間は撮り損ねましたが、刈田の上空で2羽のハシボソガラスが追いかけっこを始めました。 
逆風下で互いに追いかけ、軽い空中戦になりました。 
本気の喧嘩(闘争行動)ではなく、遊びの鬼ごっこです。 
1羽がさっきと同じ電線に戻り、もう1羽は右に飛び去りました。 

ハシボソガラスのウィンドサーフィン(風乗り)と遊びの空中戦を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:26〜) 
背後の裏山には、スギ林の常緑に混じってカラマツ林の黄葉が見えます。 
尾根の付近には白いガスがかかっています。 

この日は風が強く吹いたおかげで、山嶺に並ぶ風力発電の風車4機が勢い良く回っていました。 
日本海側の雪国では、ソーラーパネルを設置しても長い冬の間は日照が期待できません。 
むしろ強い北風による風力発電が期待されます。 
ただし、回る風車に鳥が激突して死ぬバードストライクの検証と対策が必要でしょう。 

関連記事(1年前の撮影)▶ 山上で回る風力発電所の巨大風車 


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2024/05/28

ホンドタヌキの幼獣同士で追いかけっこ遊び【トレイルカメラ】

 



2023年9月上旬 

遊びたい盛りで元気のあり余ったホンドタヌキNyctereutes viverrinus)幼獣2頭が昼間にはしゃいで追いかけっこをして遊ぶシーンをまとめました。 


シーン0:8/25(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
ニホンアナグマ♀♂(Meles anakuma)の家族が転出した後の旧営巣地(セット)を新旧2台の自動センサーカメラで見張っています。 


シーン1:9/4・午後14:49(@0:08〜) 
右から来た1頭のタヌキ幼獣がアナグマの巣口Rの匂いを嗅いでから、左へ走り去りました。


シーン2:9/4・午後14:50・くもり・気温25℃(@0:25〜) 
続きが別アングルの監視カメラに写っていました。 
先行個体aが獣道を右上奥へ走り去ってから、すぐに後続個体bが全力疾走で追いかけて行きます。 
a?がセットに駆け戻ってきてから、bを追いかけて獣道を引き返しました。 


シーン3:9/4・午後15:12(@0:40〜) 
1頭の幼獣が左から走って登場したのに、トレイルカメラの起動が間に合わなかったようです。 
右へ走り去ると、左から後続個体が追いかけて来ました。 
その後もセットを元気に右往左往しています。 


シーン4:9/5・午後13:19(@0:56〜) 
翌日も午後に幼獣がセットの左エリアに来ていました。 
二次林内をうろついていると、もう1頭が現れて、追いかけっこが勃発しました。 


シーン5:9/5・午後13:20・気温28℃(@1:33〜) 
追いかけっこしながら2頭のタヌキ幼獣がアナグマの巣口Lの横を通り過ぎ、獣道を右上奥へ走り去りました。 


シーン5:9/5・午後13:22・気温30℃(@1:45〜) 
約1分半後に、戻ってきたタヌキ幼獣1頭がアナグマの巣口Lの窪みに駆け込んでいました。 
巣穴の中には入らず、追いかけてきた個体と一緒に獣道を右上奥へ走り去りました。 

毛皮の色の濃淡が違う2頭でした。 
体格差もあったので、もしかすると幼獣の兄弟姉妹ではなく親子なのでしょうか? 
タヌキの成獣は追いかけっこのような幼稚な遊びに付き合ったりしないと思っていたので、意外です。 
あるいは、幼獣の兄弟姉妹の間で体格に性差が出始めたのかもしれません。


シーン6:9/5・午後17:00(@2:09〜) 
夕方にまた現れました。 
アナグマの巣口Rの匂いを嗅いでからピョンと左へ跳び超えました。 
セットを徘徊してから、猛スピードで走って右往左往しています。 
追いかけっこ遊びの相手が写ってないので、独り遊びかもしれません。 


シーン7:9/5・午後17:01・気温26℃(@2:40〜) 
続きが別アングルの監視カメラに写っていました。 
こっちの映像には2頭のタヌキが写っていました。 
左から来てアナグマの巣口Lの匂いを嗅ぐと、追いかけっこ遊びが始まりました。 

戻ってきた1頭がアナグマの巣口Lに何度も戻ってきて顔を突っ込んだりして、何か虫を捕食したようです。(@3:12〜) 
遊び相手が戻ってくると、慌てて右へ逃げていきました。
それをもう1頭が追いかけます。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 



2024/05/08

旧営巣地で昼も夜も元気に走り回って遊ぶニホンアナグマの幼獣たち【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年8月中旬 

遊びたい盛りのニホンアナグマMeles anakuma)幼獣が昼夜を問わず二次林内の旧営巣地(セット)を走り回るシーンをまとめました。 

シーン0:8/14・午後13:51・晴れ(@0:00〜) 
シーン1:8/14・午後14:13(@0:03〜) 
明るい時間帯にたまたま撮れた現場の状況です。 


シーン2:8/17・午前11:56・晴れ・気温33℃(@0:08〜) 
左から走ってきたアナグマ幼獣が巣口Lで立ち止まり、少し引き返して身震いしてから再び巣穴Lに入りました。 
遊び相手が追って来ないので、独り遊び(空想上の敵と追いかけっこごっこ)をしているようです。 
やがて勢い良く出巣Lすると、左へ駆け去りました。 


シーン3:8/17・午後12:02・晴れ(@0:34〜) 
約5分後に、アナグマの幼獣2頭が旧営巣地(セット)に来ていました。 
幼獣aは右奥の林縁に座って、体の痒い部位を掻いています。 
巣口Rから外に出てきた幼獣bはaに向かって突進してから、手前で立ち止まり、上下に飛び跳ねて挑発します。 
遊ぼうよ!と誘っているのでしょう。 
幼獣2頭は唸り声を上げて、もつれあうように巣穴Rの中に転がり込みました。 
その後は外に出て来る様子がなぜか記録されていませんでした。 


シーン4:8/19・午後19:58・気温27℃(@0:46〜) 
2日後の晩にも独り遊びするアナグマ幼獣が現れました。 
巣口Lをピョンと飛び越えると、獣道を右奥へ走り去ります。 
立木の手前で立ち止まって腰を落とし、スクワットマーキングしたようです。 
引き返してきて広場を右往左往走り回っています。 
戻ってきたアナグマ幼獣が、巣口Lの手前で腰を下ろしました。 
ただ座り込んだだけで、尻を地面に擦り付ける動きをしていません。 
幼獣による未熟なスクワットマーキング行動なのでしょうか? 
また左へ元気に駆けて行きました。 


シーン5:8/19・午後19:58・気温27℃(@1:20〜) 
 別アングルに設置した旧機種のトレイルカメラで続きが撮れていました。 
対面のミズキ立木に固定した新機種トレイルカメラの赤外線LEDが煌々と点灯しているのが見えます。 

奥の二次林から広場に走って来たアナグマ幼獣が、少し立ち止まってから左へ向かいました。 
左から駆け戻ってきた幼獣が暗闇で林冠から垂れ下がる蔓植物に頭からぶつかり、つながっている枝葉が激しく揺れました。 
2アングルの監視映像を見ても遊び相手は写っていませんから、やはり独り遊びではしゃぎ回っていたようです。 


【考察】
ニホンアナグマ幼獣の個体識別どころか性別も見分けられませんが、兄弟姉妹で遊ぶのが好きな幼獣3頭と、独り遊びが好きな幼獣1頭に別れているような気がしてなりません。 
まれに幼獣4頭が一緒に行動しているシーンが撮れますから、1頭だけ仲間外れにされているとは思えません。
好きで独り遊びしているのでしょう。

この二次林で監視カメラの数をもっと増やして格子状に密に配置すれば、走り回るアナグマ幼獣の動向が詳しく掴めてくるかもしれません。
それには莫大な資金と(動画をチェックするための)時間が必要です。

私が本当にやりたいのは、各個体に小型のGPSやGoProカメラを装着して位置座標を刻々と記録することです(バイオロギング)。
そうすれば、日々の行動圏や引越し先の巣穴の位置もたちどころに判明するでしょう。
首輪の色などで個体標識も可能です。
しかし、罠を使って安全に一時捕獲したり麻酔したりする必要があるため、素人には手が出せません。



2024/05/03

ホンドタヌキ幼獣の群れが追いかけっこや格闘遊びをしてはしゃぎ回るニホンアナグマの旧営巣地【トレイルカメラ】

 



2023年8月中旬〜下旬 

ニホンアナグマMeles anakuma)家族が転出した後の旧営巣地(セット)にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)幼獣たちが元気いっぱいで遊びに来るようになりました。
ほとんどが日中の映像です。
どんな野生動物でも、遊びたい盛りの幼獣の行動は見ていて飽きません。

シーン0:8/14・午後13:51・晴れ(@0:00〜) 
シーン1:8/14・午後14:13・くもり(@0:04〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
新旧トレイルカメラの2台体勢で見張っています。 


シーン2:8/15・午前5:12(@0:07〜) 
右から登場したタヌキaがアナグマの巣口Rの匂いを嗅いでいると、右下から別個体bが登場しました。 
背後から不意をつかれたaが驚いたのか、ギャガッ♪と軽く唸り声を上げながらbに襲いかかって噛みつこうとしました。 
攻撃する理由が分からないのですが、巣穴の主のアナグマが戻ってきたと思ったのかな? 
そのまま左に立ち去りました。 


シーン3:8/17・午前3:21(@0:33〜) 
2日後の未明。
奥の林縁でオニグルミの根元に1頭のタヌキが座り込み、その傍らに付添の別個体が佇んでいます。 
右から何者かがやって来たのか、2頭は急にビクッと警戒し、慌てて立ち上がると散り散りに逃げて行きました。 
2頭間での追いかけっこ遊びが始まったようには見えません。(明らかに第三者に対する逃避行動) 
しばらくすると、1頭が右から戻って来ました。 
続けてもう1頭が右下から登場しました。 
奥の二次林内を白く光る目が右へ移動しています。 
計何頭のタヌキが登場したのか、よく分からなくなりました。 


シーン4:8/17・午前3:32(@1:23〜) 
画面の外から小声でクゥーン♪と繰り返し鳴く声が聞こえます。 
右から来たタヌキが広場の匂いを嗅いでから、右に引き返しました。 
その後も、仔犬のような鳴き声だけ聞こえます。 
迷子になった個体が心細くて鳴いているというよりも、仲間と鳴き交わしているのでしょう。
どうやら画面の右下隅で2頭が鳴きながら取っ組み合いをして、じゃれ合っているようです。 


シーン5:8/17・午後16:50・気温31℃(@2:09〜) 
まだ夕方なのに、なぜかモノクロで録画されています。 
左から来たタヌキ成獣が慎重に巣口Lに忍び寄って匂いを嗅いでいると、右から更に2頭の幼獣が甲高くキュンキュン♪鳴きながら駆け寄って来ました。
「遊ぼう!」とまとわりついてくる幼獣に左の成獣?が軽く甘噛みしてやってから、獣道を右往左往して左へ。 
画面下から更に3頭目の幼獣がやって来ました。 
3兄弟(姉妹)のタヌキ幼獣は巣口Lを点検したり互いに追いかけっこしたり、元気にはしゃぎ回っています。 
(アナグマの古い巣穴の奥に入って探検することはありませんでした。) 
右上奥の獣道から別個体の成獣がやって来ました。(@2:57〜) 
最後はタヌキの家族全員(成獣♀♂および幼獣3頭)が左へ向かいます。 


シーン6:8/17・午後16:49(@3:09〜) 
別アングルに設置した広角の監視映像でも、ほぼ同時に撮れていました。 
左上奥の二次林内で探餌徘徊していた2頭のタヌキ幼獣が、急に駆け出し、追いかけっこ遊びを始めました。 
3頭目の幼獣も後から走って追いかけて来ます。 
しばらくすると、左から来たタヌキ成獣が巣口Rの横を通り過ぎました。 
その後を幼獣が左から右に走って横切ります。 
すぐにまたピョンピョン飛び跳ねるように戻ってきて、巣口Rに興味津々。 
その間に左から成獣が幼獣を引率して右へ向かいました。 


シーン7:8/17・午後17:23・気温30℃(@4:09〜) 
約30分後、タヌキの幼獣2頭が追いかけっこをしながらアナグマの巣口L付近に戻ってきました。 
1頭が全力疾走で右に消えた後も、別個体bが巣口Lの匂いを嗅いでから、仲間の後を追いかけて右へ走り去りました。 


シーン8:8/21・午後17:53(@4:20〜) 
4日後の夕方。
広場の右端で巣口Rの方を向いていたタヌキ(成獣?)が、方向転換して右へ走り去りました。 
と思いきや、黒っぽい幼獣が全力疾走で右から戻ってきました。 
巣口Rで立ち止まり、匂いを嗅ぎ回ります。 
 林縁でミズキの根本の匂いを嗅いでから、もしかするとさりげなく排尿マーキングしたかもしれません。 
だとすると、片足を持ち上げなかったことから、♀のようです。 
再び右へ走り去りました。 
追手が来ないのにはしゃぎ回っているので、幼獣の独り遊びのようです。 

二次林内でアナグマとタヌキ(同じ穴のむじな)が出会うとどうなるのか、観察してみたいものです。
幼獣同士なら異種間でも遊んだりするのでしょうか? 


 シーン9:8/21・午後17:55・くもり・気温29℃(@4:49〜) 
ようやく新機種でフルカラー録画されていました。 
やや薄暗い夕方の獣道を右奥へ走り去るタヌキの後ろ姿が見えます。 
途中で立ち止まってから左に向きを変え、画面の上端を移動するタヌキが茂みの陰にチラチラと見えます。 


シーン10:8/22・午後15:38・晴れ・気温33℃(@5:09〜) 
晴れた午後の木漏れ日が眩しいです。 
右から来たタヌキ幼獣aが、辺りを見回しながら小声でクゥーン♪と鳴いています。 
巣口Lに腰を下ろしかけたところに、別個体bが右下から全力疾走で突っかかってきました。 
aは慌てて左に逃げ、追手bはそのまま入巣Lしました。 
やがて外に出てきたbも左へ。 
タヌキの幼獣がアナグマの古巣の中に短時間でも入ったのは珍しいです。 


シーン11:8/22・午後15:40・晴れ・気温34℃(@5:36〜) 
左から来たタヌキ幼獣が巣口Lを覗き込んでから、向きを変えて左へ戻りました。 
左から戻ってきて、すぐに左下へ消えました。 


シーン12:8/22・午後15:39(@6:07〜) 
別アングルの監視映像です。 
1頭のタヌキ幼獣aが巣口Rの手前に転がっている太くて古い落枝の匂いを嗅いでいます。 
左から登場した別個体bは巣口Rを点検。 
2頭の幼獣が離れたところで向かい合い、地面に座り込みました。 
左上奥の二次林から、更に別個体cがやって来ます。 
林縁のミズキの根元で合流したcの尻の匂いをbが嗅ぎました。 
家族であることを確認したのでしょうか? 
aとbがふざけたように遊び始めました。(尻切れトンボ) 


シーン13:8/22・午後15:40(@7:08〜) 
3頭が互いに追いかけっこをして遊んでいます。 
右端の白っぽい毛皮の個体はもしかすると成獣(親タヌキ)かもしれません。 
2頭が右へ走り去ると、林縁に残った幼獣個体も走って追いかけます。 
すぐに右下隅から戻ってきて、追いかけっこ遊びを続けています。 


シーン14:8/22・午後15:42(@7:54〜) 
1頭のタヌキ幼獣aが左へ走り去り、残った幼獣個体bが巣口Rに座り込みました。 
左から戻ってきた個体aとbが、追いかけっこ遊びを再開しました。 


シーン15:8/22・午後15:43(@8:18〜) 
奥の広場でミズキの根元に来ていた個体が何か餌?をくちゃくちゃと噛んでいます。 
もう1頭の幼獣が挑発してきて、追いかけっこしながら左へ。 


シーン16:8/22・午後15:43・晴れ・気温34℃(@8:43〜) 
ちょうど巣口Lに木漏れ日が落ちて眩しく、白飛びしてしまっています。 
巣口Lに佇んでいた2頭の幼獣が、相次いで左へ駆け出しました。 
すぐに左から戻ってくると、はしゃいだように広場を走り回ります。 
追いかけっこしながら、右へ走って行きました。 
その後も奥の二次林内を縦横無尽に走り回っています。 


シーン17:8/22・午後17:21・気温32℃(@8:43〜) 
新機種のトレイルカメラなのに、なぜかフルカラーとモノクロで交互に録画されるという謎の症状が出ています。(酷使し過ぎなのでしょうか?) 
それとも日中に強い直射日光を浴びてセンサーが異常を来したのかな?

単独で登場したタヌキ幼獣が巣口Lの匂いを嗅いでから、左へ駆けて行きました。 
追いかけっこの遊び相手は写っていません。(独り遊び?) 


シーン18:8/24・午前8:57・晴れ(@9:54〜) 
巣口Rを塞ぐように置かれている落枝に1頭のタヌキ幼獣が興味を示し、試しに噛みました。 
もう1頭が奥の二次林を左にブラブラ歩いています。 
左上奥で合流すると、互いに追いかけっこ遊びが勃発しました。 
そのまま左へ。 


シーン19:8/24・午後17:47・晴れ・気温30℃(@10:26〜) 
日の入り時刻(午後18:24)までまだ早いのに、夕方で薄暗くなったせいか、モノクロで録画されています。 

幼獣と思われる3頭が前後して獣道を右上に走り去りました。 
アナグマの古い巣口Lを覗き込んでいて出遅れた個体も、仲間の後を追って獣道を一目散に駆けて行きます。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
近所で暮らすタヌキの家族全員(成獣♀♂および幼獣3頭)が採餌に出かけるついでにアナグマの旧営巣地に連日のように立ち寄ります。 
隣接する休耕地にあるホンドタヌキの巣穴で今季は4頭の幼獣が生まれたはずなのに、いつの間にか3頭に減ってしまったようです。 
4頭の幼獣が同時に監視映像に写ることはありませんでした。

タヌキ幼獣同士の遊びは主に追いかけっこで、アナグマの幼獣ほど取っ組み合いの頻度は高くないようです。

それとも生まれて幼獣のうち1頭は、単独行動を好む性格なのかもしれません。 
ニホンアナグマの幼獣でも1頭だけ独り遊びを好む個体がいる点が共通で、興味深く思いました。 
タヌキの個体識別がほとんど全くできてないのが問題です。

アナグマの成獣♀(母親)は幼獣が遊びに誘っても乗りませんが、タヌキは子煩悩で親子が一緒に遊んであげるようです。 



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