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2025/10/20

ニホンアナグマ母子家族(幼獣3頭)の暮らし:7月下旬〜8月上旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年7月下旬〜8月上旬 

平地の二次林でニホンアナグマ♀♂(Meles anakuma)の営巣地(セット)を2台のトレイルカメラで見張っています。 
 この時期に撮れた、母親♀と当歳仔(幼獣)3頭の暮らしぶりをまとめました。 

特筆すべき行動は個別の記事で紹介済みなので、今回の動画はその残り物になります。 


シーン0:7/22(@0:00〜) 
シーン1:7/23(@0:07〜) 
シーン2:7/27(@1:40〜) 
シーン3:7/28(@3:20〜) 
シーン4:7/30(@9:46〜) 
シーン5:8/2(@15:45〜) 
シーン6:8/3(@20:27〜) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


明るい昼間に見る体色(毛皮の色)は基本的に、母親♀が焦げ茶色で、幼獣は薄いクリーム色です。 
幼獣は成長とともに少しずつ換毛しているのか、茶色が少しずつ濃くなってきました。 
泥で汚れた幼獣個体は、成獣と間違いそうになります。 

離乳してだいぶ経つので、母親の乳房があまり目立たなくなってきたような気がします。 
夜の暗視映像で見ると、赤外線を反射する左右の目の大きさが母親♀だけ違う(右目<左目)ことで見分けられます。 

相変わらず幼獣は昼も夜も遊びに明け暮れています。 
取っ組み合いや追いかけっこをして遊んでいます。 
幼獣同士で遊ぶだけでは飽き足らず、母親♀に突っかかって行って挑発し、遊びに誘うことが増えました。 


つづく→

2025/10/17

ニホンアナグマの母親♀が巣穴のメンテナンス工事する間に、幼獣3頭が遊ぶ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年7月下旬〜8月上旬

シーン0:7/22・午後13:13・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:7/22・午後13:53・晴れ(@0:04〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
 平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の母子が暮らす営巣地(セット)を2台の自動センサーカメラで見張っています。


シーン1:7/23・午後16:29・気温30℃(@0:07〜) 
腹面に乳首が見える母親♀が、夕方に巣口Lの拡張工事を始めました。 
しばらくすると左から1頭の幼獣が来て、巣穴L内で穴掘り作業中の♀に背後から近づいたところで1分間の録画終了。 


シーン2:7/23・午後16:30・気温31℃(@1:07〜) 
別アングルの監視映像でも写っていました。 
3頭の幼獣が続々と巣穴Rから外に出てきて、母親♀が穴掘り作業している巣口Lへ移動しています。 


シーン3:8/3・午前3:56(@2:07〜) 
11日後の深夜未明に、アナグマの母親♀(右目<左目)が今度は巣穴Rの拡張工事を始めました。 
巣穴Rから後ろ向きに出ながら、前脚で土砂を外に掻き出しています。 

その間、2頭の幼獣は格闘遊びを繰り広げています。 
巣穴Lで何かしていたもう1頭の幼獣が、急に外に出てきてそのまま林内へ突進しました。 
幼獣が一丁前に縄張りへの侵入者を追い払ったのかと思ったのですが、吠えたり鳴いたりする声は聞き取れませんでした。 
おそらく独り遊びの追いかけっこだったのでしょう。 


【考察】 
最近ヘルパー♂と営巣地で合流したので、重労働の穴掘りはヘルパー♂に任せるかと思いきや、母親♀は相変わらず自分で巣穴の拡張工事(メンテナンス)を行いました。 
そもそもヘルパー♂とは一時的に再会しただけのようで、その後ヘルパー♂とはまったく同居していません。 


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2025/10/14

ニホンアナグマ幼獣同士の格闘遊びに母親♀も参戦【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年7月下旬 

シーン0:7/22・午後13:13・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:7/22・午後13:53・晴れ(@0:04〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の状況です。 
平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の母子が暮らす営巣地(セット)を自動撮影カメラで見張っています。 


シーン1:7/30・午後18:26・気温27℃(@0:07〜)日の入り時刻は午後18:53。
日没前の薄暗い営巣地で、左下の巣口Rから母親♀(右目<左目)が登場しました。(@0:38〜) 
1頭の幼獣が母親♀にまとわりつき挑発すると、珍しく母親♀が幼獣につきあってやり、レスリングのような格闘遊びを始めました。
別個体の幼獣も参戦して、三つ巴の取っ組み合いになりました。 


シーン2:7/30・午後18:27(1:07〜) 
別アングルに設置した監視カメラでも撮れていました。 


シーン3:7/30・午後18:28(1:31〜)
 もうかなり暗いのに、フルカラーで録画されたので、自動色調補正しました。 
画質がひどく粗いですが、何が起きているのかは辛うじて分かるようになりました。 

母親♀が獣道で自分の毛繕いをしています。 
幼獣2頭が巣口L付近で格闘遊びをしていると、途中から別の幼獣も左から参戦しました。 
1頭の幼獣が母親♀を挑発しました。 
初め母親♀はなだめるように対他毛繕いしていましたが、幼獣があまりにもしつこいので遂に反撃したようです。 


シーン4:7/30・午後18:30(2:31〜)
母親♀は幼獣を相手に手加減してやっているのか、体格差があるのにレスリングでは互角の勝負に見えます。 
途中から他の幼獣たちも格闘遊びに参戦して、幼獣同士の三つ巴争いになりました。 
レスリングから解放された母親♀は仰向けになって自分の毛繕いをしています。 


シーン5:7/30・午後18:31(3:31〜) 
アナグマ母子は2組に別れて格闘遊びを続けています。 
ときどき軽く吠えるような鳴き声がかすかに聞こえます。 
途中で母親♀が離脱し、独りで左へ向かいました。 その背後から幼獣が駆け寄って飛びつき、格闘遊びが再開。 


シーン6:7/30・午後18:31(4:31〜) 
別アングルの監視映像に切り替えます。 
途中で格闘遊びから離脱した母親が独りで右へ向かい、巣口Rを見下ろしていると、その背後から幼獣が駆け寄って飛びつき、格闘遊びが再び勃発しました。 
ヒグラシ♂♪が鳴いています。 


シーン7:7/30・午後18:32(5:31〜) 
ようやく赤外線の暗視映像に切り替わり、きれいに録画されていました。 


シーン8:7/30・午後18:32(6:31〜) 
監視カメラが次に起動したときには、またもや暗過ぎるフルカラー映像に戻っていました。 
薄明薄暮で周囲の環境の照度が赤外線LEDを点灯するかどうかのちょうど閾値だと、このように暗視映像と交互に切り替わってしまうのです。 
私としては赤外線の暗視モードに早く切り替わってほしいのですが、トレイルカメラの仕様なので仕方がありません。 

2組に分かれて2つの巣口L、Rで格闘遊びが繰り広げられています。


シーン9:7/30・午後18:35(7:31〜)
幼獣2頭が格闘遊びをしながら、巣穴Rに出入りしています。 


シーン10:7/30・午後18:37(8:31〜) 
林縁で母子が格闘遊びをしたり、木登りに挑戦したりしています。
別の1組も出巣Rして格闘遊びを再開しました。 


シーン11:7/30・午後18:38(9:31〜) 
今度は母子が格闘遊びしながら巣穴Rに入りました。 
中で一休みしているのでしょうか。 


シーン12:7/30・午後18:39(10:31〜) 
別アングルの映像に切り替えます。 
格闘遊びだけでなく、ときどき追いかけっこしながら営巣地を元気に走り回っています。 


シーン13:7/30・午後18:39(11:11〜)
別アングルの映像に切り替えます。 


シーン14:7/30・午後18:51(11:55〜)
途中から母親♀と幼獣1頭が左へ立ち去りました。 
しばらくして左から戻ってきても、幼獣が母親♀を頻りに挑発し、つきまとっています。 

残った幼獣2頭はミズキの木の下でひたすら格闘遊びを繰り広げています。 


シーン15:7/30・午後18:51(12:55〜)
別アングルの映像に切り替えます。 
母親♀が獣道で立ち止まり、自分の体を掻いてからゴロンと横転しました。 
近くに居た幼獣を寝技の格闘遊びに誘い込み、幼獣を抑え込みました。 
手加減した甘噛みだと思いますが、幼獣の鼻面に噛み付いています。 
音量を上げると、ときどき幼獣の唸り声や悲鳴?が聞こえます。 
もしかして、母子の格闘遊びが子別れ行動にエスカレートするのでしょうか? 


シーン16:7/30・午後18:52(13:55〜)
獣道で母子の取っ組み合いが続いています。 
やがて幼獣が左に逃げ出しました。 
再び対峙すると、幼獣が母親♀に繰り返し突っかかります。 
母親♀も反撃し、取っ組み合ったまま巣口Lに転がり落ちました。


シーン17:7/30・午後18:53(14:54〜)
巣口Lで母子の格闘遊びが続いています。 
途中から、画面の左下で別の幼獣同士の取っ組み合いも写りました。 


シーン18:7/30・午後18:53(15:55〜) 
別アングルの映像に切り替えます。 
営巣地で2組に別れて取っ組み合いが続いています。 

途中からもう1台の監視カメラが反応して赤外線LEDが点灯し、いっそう明るく暗視動画が撮れるようになりました。


シーン19:7/30・午後18:55(16:54〜)
3頭の幼獣たちが取っ組み合いをしながら巣口Lに転がり落ち、母親♀の遊び相手が居なくなりました。 
やがて出巣Lした幼獣が母親♀に飛びかかり、格闘遊びが再開。 


シーン20:7/30・午後18:56(17:55〜)
巣外で4頭が乱闘しているときに、母親♀の対戦相手が別個体の幼獣へと自然に交代しました。 
母親♀は特定の幼獣とだけ遊んでやっているのではないことが分かりました。


シーン21:7/30・午後18:57(18:55〜)
疲れ知らずのアナグマは、2組で組んず解れつ格闘遊びを繰り広げています。 


シーン22:7/30・午後18:59(19:55〜) 
母親♀の他に、なぜか幼獣が2頭しか写っていません。 
アナグマの母子家族はようやく遊び疲れたのか、落ち着きを取り戻しました。
1頭の幼獣が手前へ走り去りました。 
(おそらく先に消えた兄弟姉妹と追いかけっこが始まったのでしょう。) 

巣口Rに座り込んだ母親♀に、最後まで残った幼獣が飛びかかり、格闘遊びに誘います。 
しかし母親♀は疲れたのかあまり乗り気ではなく、小走りで手前に立ち去りました。 
セットに取り残された幼獣個体も、しぶしぶ追いかけ、全員が居なくなりました。 


シーン23:7/30・午後18:59(20:55〜) 
別アングルの映像でも営巣地から獣道を通って立ち去るアナグマ家族の姿が撮れていました。 
30分以上も遊び続けて空腹になり、採餌に出かけたのか、あるいは水を飲みに行ったのかもしれません。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
ニホンアナグマの母親♀が幼獣と一緒に格闘遊び(取っ組み合い)や追いかけっこ遊び(鬼ごっこ)に参加するのは珍しいです。 (初見かも)
それまでは幼獣同士が2対2で取っ組み合いをしていたので、母親はその様子を見守るだけで済んでいました。 
4頭(偶数)だった幼獣が最近1頭減って(死亡?)3頭(奇数)になったので、1対1の格闘遊びをするには対戦相手が足りなくなり、母親♀も誘われるようになったのかもしれません。 


幼獣と一緒に真剣になって遊びの相手をしてやるアナグマの母親はとても子煩悩ですね。
幼獣相手の格闘遊びは一応、手加減しているようですが、ときどき鼻面に噛み付いたり背後から羽交い締めしたりしています。
もしかして、母子の格闘遊びが子別れ行動にエスカレートするのでしょうか? 
しかし後日になると通常通り、母親♀は幼獣の挑発(遊びへの誘い)を受け流すようになります(映像公開予定)。 


2025/10/11

独りで追いかけっこ遊びをするニホンアナグマの幼獣【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年7月下旬 

シーン0:7/22・午後13:13・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:7/22・午後13:53・晴れ(@0:04〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の様子です。 
平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)母子が暮らす営巣地(セット)を無人センサーカメラで見張っています。 


シーン1:7/30・午後18:41(@0:07〜)・日の入り時刻は午後18:53
兄弟姉妹の幼獣3頭が営巣地で一緒に追いかけっこをして遊んでいる間に、1頭だけはぐれてしまったようです。 
それでも独りではしゃいで走り回っています。 
林内に仲間の姿が見えているのかもしれませんが、もしもイマジナリーフレンド(「想像上の仲間」や「空想の遊び友達」)を相手に独り遊びしているのだとすれば、それはそれで幼獣の精神的な成長を物語っています。

ちなみに去年も同様の独り遊びを好む幼獣個体が見られました。 


2025/10/05

ニホンアナグマ母子家族(幼獣3頭)の暮らし:7月中旬〜下旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年7月中旬〜下旬 

ニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)がある平地の二次林を2台のトレイルカメラで見張っています。 
 この時期に撮れた、母親♀と当歳仔(幼獣)3頭の暮らしぶりをまとめてみました。 


シーン1:7/15(@0:00〜) 
初めは幼獣が2頭しか登場しなかったので、また更に1頭減ったのかと心配したのですが、やがて残りの幼獣1頭が外出から無事に帰巣しました。(@2:45〜) 
ひたすら格闘遊びを続ける2頭の兄弟姉妹に合流したので一安心。 


シーン2:7/16(@16:31〜) 
母親♀の同伴なしで、幼獣だけで夜の採餌に出かけたようです。 


シーン3:7/21・(@17:48〜) 
5日ぶりに母親♀と幼獣3頭が写り、生存確認ができました。 
トレイルカメラが電池切れだったという訳ではなくて、長らく留守にしていた家族が営巣地(セット)に戻ってきたようです。 
おそらく別宅(当歳仔を出産した巣穴)がどこかにあるのでしょう。 

これまで写っていたのは夜行性だったのですが、この日は夜だけでなく昼間にも活動していました。 
モノクロではなくフルカラーの映像でアナグマを見たいという人は、ここから(@20:37〜)ご覧ください。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


2025/10/01

幼獣が1頭減っても元気に暮らすニホンアナグマの母子家族:7月中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年7月中旬 

ニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)がある平地の二次林を無人センサーカメラで見張っています。


シーン1:7/13(@0:00〜) 
シーン2:7/14(@10:58〜) 

※ 動画の一部は画編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
特筆すべきは、今季産まれた幼獣(当歳仔)の数がいつの間にか4頭から3頭に減っていました。 
トレイルカメラの電池切れや記録メディアの容量切れで生じた観察の空白期間に一体何が起きたのか気になります。 
子別れするにはまだ早いと思うのですが、交通事故にでも遭ったのでしょうか? 
近所のアンズの木の下に設置した監視カメラでも、写っていたアナグマ幼獣は3頭でした。 


幼獣の1頭が行方不明になっても、残りの家族は別に悲しんでいる様子はありませんでした。
3頭の幼獣は相変わらず暇さえあれば無邪気に遊び回っています。 

動画の途中で幼獣がさらに減り(2頭だけになって)焦ったのですが、しばらくすると3頭に戻りました。 
おそらく1頭の幼獣が巣穴で寝ていたか、あるいは独りで採食のため外出していたようです。 



2025/09/28

土砂降りの日に水溜りの中から落枝を拾い上げて遊ぶニホンカモシカの幼獣【トレイルカメラ】

 


2024年7月中旬・午後15:35頃・雨天・気温20℃ 

山林内の湿地帯にある泥水溜りを2台の無人センサーカメラで見張っています。 
土砂降りの雨が降る昼間に、ニホンカモシカCapricornis crispus)の幼獣が単独で現れました。 
毛皮が雨で濡れそぼっています。 

 水溜まりSに来ると、カモシカ幼獣はジャブジャブと渡り始めました。 
水面に顔を近づけたものの、水を飲むでもなく、ただ匂いを嗅ぎ回って何かを探索しているようです。 

 水溜り内の泥濘に突き刺さっていた短い落枝が気になったようで、カモシカ幼獣は口で咥えて拾い上げました。 
ところが、ちょっと甘噛みしただけで、すぐに落枝を捨ててしまいました。
もう1本別な棒切れを水溜まりの中から口で引き抜くと、ちょっと弄んでから捨てました。 
棒切れ(短い落枝)を何か餌と誤認したとは考えにくいので、好奇心旺盛な幼獣による遊びの行動と思われます。 

首をねじって、雨で濡れた毛皮を口で毛繕いしてから、立ち去りました。 

母親♀は幼獣と別行動なのか、最後まで姿が見えませんでした。 
子別れするにはまだ時期が早いと思うのですが、母親からはぐれてしまったのかな? 

梅雨の大雨によって2つの水溜まりS、Nから水が溢れてつながり、一つの巨大な水溜まりになりつつあります。 
20分後には雨が止んで晴れました。(映像は割愛。) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 雨音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】
このカモシカ幼獣の行動は、動物の遊びと解釈できるでしょうか?
今回はChatGPTとのブレインストーミングがとても役に立ちました。
「まるで小枝で遊んでいるように見えた」というだけでは、観察者の主観や擬人的な解釈に過ぎません。
カモシカ幼獣が本当に楽しんでいるかどうか、感情を読み取れないのが問題です。
「あまりにも厳格に擬人化を排除すると、動物行動学で《遊びの行動》を扱えなくなるのではないか?」と素人ながら心配してしまいます。
その通りです。動物行動学では「遊び(play)」というカテゴリーは確かに存在し、研究でも広く使われています。ただし、学術的には「遊び=楽しんでいるかどうか」ではなく、特定の観察可能な行動パターンとして定義されます。

例えば、Burghardt の動物遊びの定義では:

遊びは 通常の機能(狩り、攻撃、防衛など)とは異なる行動パターン を含む

自主的に繰り返される

本来の目的に直接結びつかないが、学習や身体能力の発達に役立つ可能性がある

このように定義すれば、観察者が「楽しんでいるかどうか」を推測せずとも、遊びの行動として客観的に記録できるのです。


あなたの観察記録はまさに Burghardt の定義に沿った遊び行動(play behavior) の典型例として記述できますね。ポイントを整理すると:

  1. 主体:カモシカの幼獣(juvenile serow)

  2. 状況:雨の大雨の日、単独で水場に訪問

  3. 対象物:泥に刺さった短い落枝(sticks)

  4. 行動の内容

    • 口で咥えて引き抜く

    • 軽く甘噛みする

    • 捨てる

    • 別の枝でも同様の行動を繰り返す

  5. 解釈

    • 食べ物としてではなく、好奇心や遊びの動機による行動

    • 自発的で繰り返しがある

    • 本来の機能(摂食)とは直接関係がない



今回の行動は exploratory behavior(探索行動) と解釈することも十分可能です。

理由は以下の通りです:

  1. 観察される行動の内容

    • 枝を咥えて引き抜き、軽く噛んで捨てる

    • 繰り返して別の枝も同様に扱う

    → これ自体は「対象物の性質を確認している」「環境を探っている」行為としても説明可能。

  2. Burghardt の遊びの定義との重なり

    • 自発的である

    • 本来の機能(摂食など)とは直接関係がない

    → 「探索行動」と「遊び行動」は観察上の特徴が重なることがあります。つまり、両方の解釈が可能です。

  3. 科学文献での使い分け

    • Exploratory behavior は、「好奇心や情報収集のための行動」を中立的に示す表現

    • Play behavior は、「機能的目的とは異なるが学習や身体能力の発達に関連する行動」を強調

    • 観察だけでは「楽しんでいるか」は分からないため、より中立的に記録する場合は exploratory behavior を使うことが多い


結論として、今回のカモシカ幼獣の枝操作行動は play behavior と解釈しても良いし、より中立的に exploratory behavior として記録しても良い という二重の解釈が可能です。


動物による道具使用には厳密な定義があります。
それと同様に、動物がある物体を玩具(おもちゃ)として使った(もて遊んだ)と言うのにも、厳密な条件や定義があるのでしょうか?

はい、動物が「物体を玩具として使った」「弄んだ」と解釈する場合にも、科学的には厳密な条件や定義があります。道具使用(tool use)の定義と同様に、遊びや玩具行動も単なる主観的印象ではなく、観察可能な行動パターンに基づいて区別されます。


1. 動物遊び(play)の定義

Burghardt, G. M. (2005). The Genesis of Animal Play: Testing the Limits. MIT Press. によると、動物の遊び行動には主に次の条件があります:

  1. 自発的であること(Voluntary)

    • 強制されず、主体的に行われる行動である。

  2. 通常の機能とは異なること(Non-functional in the immediate sense)

    • 摂食、防御、攻撃など生存の直接目的には結びつかない。

  3. 繰り返されること(Repeated)

    • 同様の行動が何度も観察される。

  4. 動作パターンが変形・過剰・速すぎるなど、非日常的であること(Pattern modified)

    • 通常行動のバリエーションや誇張形態がある。

さらに 物体遊び(object play) の場合は:

  • 動物が物体に興味を示し、操作・噛む・転がす・投げる・持ち上げるなどの行動を行う

  • 行動は通常の摂食や攻撃などの機能に直接関与していない

  • 行動が反復されることが多い


2. 「玩具として使った/弄んだ」の科学的条件

  • 目的が摂食や攻撃ではない

    • 食べ物と誤認した場合は遊びとは言えない

  • 対象物は外部環境に存在する物体

    • 枝、石、葉、人工物など

  • 主体的・反復的な操作

    • 一度咥えて捨てるだけでなく、繰り返し操作することが多い

  • 観察上、快感・楽しさの直接証拠は不要

    • 「楽しんでいるか」は推測ではなく、行動パターンで判断


結論として、「動物が物体を玩具として使った」ことは、行動パターンに基づき科学的に定義できるが、感情や楽しさの有無は推測に留まります。
つまり、カモシカ幼獣が棒を口で咥えて弄んだ行動も、観察記録と行動パターンに基づけば「object play」として科学的に記述可能です。


今回私がなぜ探索行動(探餌行動)ではなく遊びという解釈をしたかというと、ニホンカモシカの成獣で泥濘の中から掘り出したもの(根茎など)を食べる様子を観察したことがないからです。


2025/09/27

ニホンアナグマ母子家族の日常生活:7月上旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年7月上旬

シーン1:7/2(@0:00〜) 
平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)を無人センサーカメラで見張っています。 
特筆すべき面白い行動はすでに個別の記事で紹介したので、今回は出涸らしです。 
残り物でも1時間40分間という長編映画になりました。 

林床に散開して採食するシーンや、4頭の幼獣がひたすら遊び回る様子、互いに毛繕いをする様子などが写っています。 
幼獣の遊びというのは、互いにくんずほぐれつの取っ組み合いをしたり、追いかけっこをしたり、木登りに挑戦しては転げ落ちたりしています。 
遊びながら、たまに鳴き声♪を発していました。 
見ていて微笑ましく、飽きることがありません。 
まだ幼獣が母親♀に甘えることもあり、そんな幼獣に母親♀は対他毛繕いをしてやります。 

林縁で株立ちしたミズキの根元付近の幹は、アナグマ幼獣たちのお気に入りの遊び場です。 
頻繁によじ登ろうとするために、株立ちしたミズキ幹の根元が毛皮で磨かれて黒光りしています。 
母親♀もこのミズキの木の下でよく寛いだり、幼獣の面倒を見たりしています。 


シーン2:7/3(@5:52〜) 
晩には(午後20:15〜)土砂降りの大雨が降っているのに、家族で元気に巣外で活動していました。 
さすがに幼獣達は雨宿りのため、巣内に一時避難しました。 
雨が小降りになると、再び巣外に出てきました。 


シーン3:7/4(@7:43〜) 

シーン4:7/5(@14:16〜) 
夜明け前に監視カメラが起動すると、まだ暗いのになぜか赤外線の暗視モードに切り替わりませんでした。 
仕方がないので、動画編集で自動色調補正を施すと、粗いモザイクの映像ですが、辛うじて母親♀がうろついている姿を確認することができました。 

ニホンアナグマは夜だけでなく、昼間も活動しています。 
この日の映像が一番見応えがあるかもしれません。 


シーン5:7/6(@54:17〜) 

シーン6:7/7(@1:22:58〜) 
夕方になると、林内でヒグラシ♂が物悲しげに鳴いています。 


シーン7:7/9・午前後・気温(@1:33:56〜) 
明け方になると、林内でヒグラシ♂が物悲しげに鳴き始めました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


2025/09/22

遊びで木登りに挑むニホンアナグマの幼獣【トレイルカメラ】

 



2024年7月上旬・午前11:23・気温26℃ 

夏の二次林は林冠の枝葉が鬱蒼と生い茂り、昼前でも日差しがほとんど遮られてかなり暗くなります。 
ニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)で4頭の幼獣が散開して林床の餌を探しています。 
しかし、そのうちの1頭は食欲よりも遊びたくて仕方がないようです。 
兄弟姉妹にちょっかいをかけて遊びに誘っても、誰も挑発に乗ってくれません。 
仕方がないので、落枝を齧って(甘噛みして)気を紛らわしています。 

元気のあり余った幼獣は、後足で立ち上がると細い灌木に前脚を掛けて、木登りに挑戦し始めました。 
アナグマの手は猿のように枝を握ることが出来ません。 
最後は手が滑って灌木から落ちて地面に転がってしまいました。 
ところが懲りずにもう一度挑戦し、今度は細い横枝を口で折り取って満足したようです。 

幼獣時代のこうした遊びが、後の巣材集めの前駆行動になっているのかもしれません。 
アナグマは成獣になっても木登りできないのですけど、巣材を集める際に後足で立ち上がって、少し高所の枝葉や蔓植物を採取することがあるのです。 
木の幹にいた虫を捕食するために後足で立ち上がることもありそうです。

2025/09/20

巣穴を掘り広げるニホンアナグマ♀を手伝おうとして邪魔している幼獣【トレイルカメラ】

 

前回の記事:▶ ニホンアナグマの幼獣同士で匂い付け(アロマーキング)【トレイルカメラ】 


2024年7月上旬

シーン0:7/2・午後13:03・くもり・気温33℃(@0:00〜) 
シーン0:7/2・午後13:38・くもり・気温33℃(@0:03〜) 
平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)を2台の自動センサーカメラで見張っています。 


シーン1:7/5・午前7:01・晴れ・気温24℃(@0:07〜) 
朝から母親♀が巣穴Lを掘り広げていました。 
巣内の土を前脚で掻き出しながら、後ろ向きで外に出てきます。 
巣口Lから左に延びるアクセストレンチLに居た1頭の幼獣も母親♀の真似をして土を後ろに掻いています。 
来季のヘルパー候補として有望な個体かもしれません。 

母親♀が巣外で身震いしてから、獣道の方へ歩き出しました。 
入れ替わりで幼獣2頭が相次いで巣内Lに入りました。 
母親♀を手伝ってるつもりで実は穴掘り作業の邪魔になっているのですけど、いかにも幼獣らしくて微笑ましい光景です。


シーン2:7/5・午後16:01・くもり・気温22℃(@1:07〜) 
同じ日の午後にも母親♀がまた巣穴Lを拡張していました。 
今度は広角の映像で穴掘りシーンが撮れています。 

幼獣の個体識別ができていないのですけど、そのうちの1頭が今回も母親♀を手伝ってアクセストレンチLの土を前足で後ろに掻いています。 
2頭の幼獣に穴掘り作業を邪魔された母親♀は、作業を中断してしまいました。 

その間、他の幼獣個体は独りで遊んだり餌を探したりしています。 


シーン3:7/6・午後12:46・気温27℃ (@1:47〜) 
翌日も同様のシーンが繰り返されました。
昼下がりなのに、鬱蒼と葉が生い茂った夏の二次林は日差しが遮られて暗いため、トレイルカメラはモノクロで起動しました。 
照度が閾値以下だと赤外線透過モードに切り替わるのですが、トレイルカメラ自体は赤外線を照射していない(暗視モードではない)ようです。 

母親♀が穴掘り作業のため巣穴Lに入ろうとしても、トンネル内で幼獣たちが閊えているようです。 
仕方がないので、前足で巣口Lの土砂を外に掻き出しました。 
そのお尻に別個体の幼獣が突進してわざとぶつかりました(頭突き)。 
無邪気な幼獣は母親♀に構って欲しいのでしょう。 
まるでヒトの幼児(悪ガキ)が母親に背後からカンチョーして悪戯しているかのようです。 
穴掘りを邪魔されても母親♀は幼獣に対して寛容で、怒ったりしません。
「猫の手も借りたい」と穴掘りの重労働をヘルパー個体に頼るようになるのは、まだ先の話です。


2025/09/16

営巣地の落葉落枝で独り遊びするニホンアナグマの幼獣【トレイルカメラ】

 



2024年7月上旬・午後15:45頃・晴れ・気温31℃ 

ニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)に大き目の木漏れ日が落ちていて眩しいです。 
2つの巣口L、Rの中間地点にいた幼獣が、地面に転がっている太い落枝に興味を示して匂いを嗅いだり甘噛みしたりしています。 
次に、上からぶら下がっている(途中で引っかかっている?)オニグルミの落ち葉(長い葉柄つき)に気づくと、パン食い競争のように口で咥えて引っ張りました。 
無邪気に独り遊びする幼獣がなんとも微笑ましい光景でした。 

その間、他の幼獣たちは、各自で営巣地をうろついて餌を探しているようです。 
母親♀は監視カメラの死角にいるのか、姿が見えません。 


2025/09/09

砂防ダムでレスリングしたり、オニグルミの木に何度も跳び移ったりして遊ぶ若いニホンザル

 

2024年6月中旬・午前11:05頃・晴れ 

山麓の砂防ダムに集まっているニホンザル♀♂(Macaca fuscata fuscata)の群れを観察しています。 

コンクリートの堰堤に居残って子猿2頭が取っ組み合いを始め、相手を組み伏せました。 
本気の喧嘩ではなく、ただの遊びです。 
ようやく離れた1頭aが、堰堤の右に自生するオニグルミの横枝に跳び移りました。 
猿の体重で横枝が大きくしなるスリルを味わっているようです。 
樹上の猿aは、幹を横に移動すると堰堤に飛び降りました。 

堰堤に残った個体♂bには、左上腕に黒くて大きなホクロがあります。 

仲間bのいる元の場所に戻ってきたと思ったら、aはすぐにまたさっきと同じオニグルミの横枝に飛び移り、アトラクションを何周も楽しんでいます。 
♂bも仲間aの後を追いかけるように、オニグルミの枝に飛び移りました。 

コンクリート堰堤の左奥には別のニホンザル母子も居ました。 
その母親も堰堤の右に生えたオニグルミ灌木に跳び移りました。 
堰堤に取り残された子猿は、揺れるオニグルミの枝葉を手で掴もうとしています。 

最後はおまけで、毛繕いしていたシーンも追加しておきました。

2025/09/08

昼間にニホンアナグマの幼獣4頭だけで遊んで留守番【トレイルカメラ】

 



2024年6月下旬

シーン1:6/30・午前9:14〜午後14:59・くもり後雨 

ニホンアナグマMeles anakuma))の母子が暮らす営巣地(セット)を自動センサーカメラで見張っています。 
母親♀の姿が写っていないのに、昼間の営巣地で幼獣4匹だけが遊んでいる様子をまとめてみました。 

母親♀は独りで採食に出かけたのか、それとも疲れて巣内で寝ているのか、不明です。 

アナグマは基本的に夜行性だと言われているのに、幼獣は昼間でも巣外で活動するときがあるのです。 
幼獣たちだけで元気いっぱいに遊び回っていますが、巣穴からあまり離れることはありません。 
 疲れを知らない幼獣は、兄弟姉妹で取っ組み合いをしたり、追いかけっこをしたり、後足で立ち上がって木に登ろうとしたり、林床で餌を探したりしています。 


※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


2025/09/06

セットで暮らすニホンアナグマの家族:6/30昼間の諸活動【トレイルカメラ】

 


2024年6月下旬 

6/30・午前9:08〜午後16:42 

ニホンアナグマMeles anakuma)は一般的に夜行性と言われていますが、私が営巣地(セット)で定点観察している母子(母親♀と幼獣4頭)は昼間も元気です。 
この日の特筆すべき行動は個別の記事で紹介済みなので、今回は残り物の映像をまとめました。 
それでも家族団らんの様子は微笑ましいですね。 
午後から一時雨が降りました。 

私がちょっと面白いと思ったシーンは、
シーン1:6/30・午前9:11・晴れ気温24℃(@4:00〜) 
母親♀が獣道から巣穴Lにゆっくり戻ってくる途中で立ち止まり、後足を広げて排尿マーキングしたようです。 
この地点でやるのは初見です。 
頭をカメラに向けているため、残念ながら肛門や尿道が見えません。 
排泄中に1頭の幼獣が近寄り、母親♀の尻の匂いを嗅いで身震いしました。 

その後、巣口Lまで来た母親♀がカカッ♪と鋭く鳴きました。(@4:44〜) 
その鳴き声を聞いた途端に周囲で遊んでいた幼獣3頭が巣口Lに位相で殺到したので、警戒声なのかもしれません。 
しかし、警戒の対象が何だったのか、分かりません。 
母親♀が幼獣を試した避難訓練だったのでしょうか。 
カカッ♪と鳴いた同じシーンが別アングルに設置した監視カメラでも撮れていました。(@3:44〜) 


※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


2025/09/02

深夜にニホンアナグマの幼獣4頭だけで遊んで留守番【トレイルカメラ:暗視映像】

 


2024年6月下旬 

シーン0:6/26・午後13:46・くもり・気温31℃(@0:00〜) 
ニホンアナグマMeles anakuma)の母子が暮らす営巣地(セット)を自動撮影カメラで見張っています。 


シーン1:6/30・午前1:52〜3:30・気温17℃(@0:04〜) 
母親♀の姿が写っていないのに、深夜の営巣地で幼獣4匹だけが遊んでいる様子をまとめてみました。 
母親♀は独りで採食に出かけたのか、それとも疲れて巣内で寝ているのか、不明です。 

幼獣たちだけで元気いっぱいに遊び回っていますが、巣穴からあまり離れることはありません。 
疲れを知らない幼獣は、兄弟姉妹で取っ組み合いをしたり、追いかけっこをしたり、後足で立ち上がって木に登ろうとしたり、林床で餌を探したりしています。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


2025/08/31

セットで暮らすニホンアナグマの家族:6/30夜の諸行動【トレイルカメラ:暗視映像】

 


2024年6月下旬

平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の母子家族(母親♀と幼獣4匹)が暮らす営巣地(セット)を自動センサーカメラで見張っています。 
6/30夜の活動をまとめました。 
前半は深夜から未明にかけて(午前1:58〜3:27)、後半は雨が降る晩(午後18:56〜19:17)の様子です。

アナグマは基本的に夜行性らしく、幼獣たちも元気いっぱいです。 
疲れ知らずの幼獣は、4頭の兄弟姉妹で互いに鬼ごっこをしたり取っ組み合いをしたりして、ひたすら遊んでいます。(追いかけっこ遊び、格闘遊び) 
林縁で株立ちしたミズキの根元付近がお気に入りの遊び場らしく、なんとか乗り越えようと頑張っている幼獣個体もいます(木登り挑戦?の遊び:例えば@4:00〜)。 
遊びながら幼獣がときどき吠える声がかすかに聞こえます。 

母親♀(右目<左目)は幼獣に対他毛繕いしてやったり、幼獣の遊び相手をしてやったりしています。 

林床をうろついて餌を探し回ったりしています。 
幼獣はもう離乳済みらしく、母親が採食に出かけると、幼獣も一緒について行きます。 

2つの巣口L、Rが並んでいますが、巣穴Lはほとんど使われておらず、巣穴Rに家族の居室があるようです。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


2025/08/29

転入した巣穴を拡張し、掘った土と一緒に古い巣材を外に捨てるニホンアナグマ♀【トレイルカメラ】

 



2024年6月下旬 

シーン1:6/30・午前10:53・気温27℃(@0:00〜) 
平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の母子家族が暮らす営巣地を自動センサーカメラで見張っています。 
 鬱蒼と生い茂る雑木の枝葉が日光を遮るために昼間でも薄暗い環境です。
トレイルカメラが自然光で撮れる限界照度の閾値付近では、モノクロとフルカラーで交互に録画される症状が出ます。 

巣外で4頭の幼獣が2組に別れて格闘遊びを繰り広げています。 
やがて、母親♀らしき成獣が巣穴Rから後ろ向きで外に出てきました。 
巣内の土や古い巣材を前脚で外に掻き出しているのです。 
手前のアクセストレンチに土を捨てると(排土)、再び巣穴Rに戻って穴掘りを再開します。 

その様子を間近で見学している幼獣個体は、将来のヘルパー♂候補なのかもしれません。 
(私は幼獣の性別を見分けられません。)


シーン2:6/30・午前10:55・くもり・気温27℃(@0:41〜) 
フルカラー録画に戻りました。 
2頭の幼獣が母親♀の後に続けて巣穴Rに潜り込んだせいで、穴掘り作業する母親♀の邪魔になっているかもしれません。 
幼獣はすぐに外へ出てきました。 


シーン3:6/30・午前10:56・くもり・気温28℃(@1:20〜) 
モノクロ録画に戻りました。 
アナグマの母親♀は、腐葉土と化した古い巣材を巣外に掻き出して、手前のアクセストレンチに捨てています。 


【考察】 
穴掘りしている成獣の後ろ姿で股間からブラブラと垂れ下がって見えるのは、♂の睾丸ではなく、♀の乳房です。 

アナグマ♀(シングルマザー)が女手一つで4つ仔を育てるワンオペ育児は大変そうです。 
ニホンアナグマの場合、重労働の巣穴掘り作業はヘルパー♂(同じ母親♀が前年に産んだ息子のうち選ばれた1頭)が分担するらしいです。
ところが、最近この営巣地に転入してきたのは母子(母親♀と当歳仔の幼獣4頭)だけで、男手が足りないのです。 


2025/08/23

砂防ダムの堰堤で助走からロンダートするついでにススキの葉を食べる若いニホンザル

 

2024年6月中旬・午前11:00頃・晴れ 

里山から流れ出る沢を山麓の砂防ダムがいったん堰き止めています。 
その砂防ダムに野生ニホンザル♀♂(Macaca fuscata fuscata)の群れが集まっていました。 

独りで右から来たお調子者の子猿が、コンクリートの堰堤に両手をついて逆立ち?しかけました。 
その場に座り、痒い体を手で掻いてから左へ小走りに消えました。

何気ないシーンでしたが、1/5倍速のスローモーションでリプレイすると(@0:10〜)、実は子猿が一瞬で色んなことを素早くやっていました。 
右から助走してきた子猿が、砂防ダムのコンクリートの隙間から生えたススキの葉先を通りすがりにかじって食べていました。 


ちょっとスピードを出し過ぎた助走から急停止するために、体操の技のロンダートを決めたようです。 (やや中途半端?)
子猿が遊びで逆立ちしたときに興奮で失禁し、小便を撒き散らしたように見えたのですが(いわゆる「嬉ション」)、何度もスロー再生すると私の錯覚だったようです。 
このコンクリート堰堤から落ちると大怪我しそうな高さですが、堰堤の幅は230cmで余裕があります。
高所も平気なニホンザルにとっては、こんな軽業も朝飯前です。
しかし高所恐怖症のヒトにとっては、まるで細い平均台の上で助走からのローンダートを決めながらアクロバティックに採食しているようで、見ているだけで恐怖を覚えるかもしれません。

この子猿の性別を私にはしっかり見分けられません。 
一瞬見えた股間に小さな陰茎らしきものが見えたものの、睾丸は見えませんでした。 
素人目には若い♀のような気がするのですけど、胸に乳首は見えません。 

子猿は砂防ダムでススキを採食すると(文字通り道草を食うと)、座ってもぐもぐと口で咀嚼しています。 


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2025/08/16

営巣地で暮らすニホンアナグマの母子が空砲を聞くと…【トレイルカメラ】

 



2024年6月下旬・午前11:00頃・晴れ・気温24℃ 


ニホンアナグマMeles anakuma)の母子家族が転入してきた営巣地(セット)を自動撮影カメラで見張っています。 
昼前に3匹の幼獣と母親♀が巣外で活動していました。 
幼獣が兄弟姉妹で格闘遊びを繰り広げたり、木漏れ日が眩しい林床で採食したりしている間に、母親♀は近くにいる幼獣に毛繕いしてやっています。 

突然、遠くから乾いた銃声が一発響きました。 
田畑に出没した野生動物(ニホンザルやニホンイノシシ)を追い払うために、誰か近隣住民が空砲を撃ったり爆竹を鳴らしたりしたのでしょう。 
それを聞いた途端に、3匹の幼獣は全員が巣穴Lに慌てて逃げ込みました。 
その一方、ここで生まれ育った母親♀は空砲の破裂音に対してすっかり馴れが生じてしまっていて(ただの虚仮威しこけおどしであることを学習していて)、全く平気で巣外に留まっています。 
空砲を聞いた母親♀が幼獣に対して咄嗟に「巣穴に入れ!」と命じる警戒声を発した訳ではないので、幼獣が巣穴に避難した反応は空砲音に対する生得的な本能行動と言えそうです。 

しばらくすると、警戒を解いた幼獣が巣外に出てきました。 
最初に近寄ってきた個体の体を母親♀が舐めてやり(対他毛繕い)、安心させています。 


※ 空砲や鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【追記】
今回聞こえた単発の破裂音は、もしかすると空砲ではなくて車やバイクのバックファイアー(アフターファイヤー)だったのかもしれません。
しかし現場は車道から遠く離れた林内なので、エンジン音などは聞き取れませんでした。
音量を上げてじっくり聞き直すと、問題の破裂音は単発ではなく減衰しながら3発ぐらい連続していますね。
反響(エコー)でしょうか。


2025/08/14

引っ越してきた翌日、ニホンアナグマ家族の晩の諸行動【トレイルカメラ】

 



2024年6月下旬・午後19:16〜23:39 

ニホンアナグマMeles anakuma))の母親♀が4頭の幼獣を連れて旧営巣地(セット)に転入してきた次の日の日没後(晩)の行動をまとめました。 
ちなみに、この日は東北地方南部に梅雨入りが宣言されました。 


※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


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