ラベル チョウ・ガ(鱗翅目) の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル チョウ・ガ(鱗翅目) の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2025/09/17

オニグルミの堅果に誘引される謎の夜蛾を狩り損なった野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年7月上旬・午後21:00頃 

シーン0:7/1・午後13:14・くもり(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
里山で野ネズミやリスを観察したくて、朽ちて斜めに倒れたスギの倒木に給餌箱をくくりつけました。 
真っ白なプラスチックの容器を再利用したのですが、白では山林内であまりにも目立つため、黒いビニールテープを容器の外側にグルグル巻きに貼って隠蔽しました。 
(本当は茶色や迷彩柄のテープを使いたかったのですけど、田舎ではすぐ入手できなかったので仕方がありません。) 
給餌箱に塗料を塗るのは野生動物にとって刺激に強い異臭になると思って、次善の策でビニールテープを使いました。 

今回の餌は、前年に拾い集めておいたオニグルミの堅果を餌箱に30個投入しました。 
果皮はすでに取り除いてあります。 
すると予想通り、野ネズミ(ノネズミ)が給餌箱に通ってきて、クルミをせっせと1個ずつ持ち去りました。 
(その動画は近日公開予定。) 


シーン1:7/1・午後21:41(@0:03〜) 
2頭の夜蛾が飛来して、餌箱の外側に止まりました。 
長いのでここは5倍速の早回しでお見せします。 


シーン2:7/1・午後21:58(@0:14〜) 
野ネズミが居なくなると、入れ替わるように夜蛾が左から飛来してスギの倒木に着地したものの、すぐにまた少し飛んでから容器内に着陸しました。 
どうやらオニグルミの匂いに誘引される、夜行性の蛾がいるようです。 


シーン3:7/1・午後22:02(@0:42〜) 
トレイルカメラが起動したことに驚いたのか、左の餌箱に来かけていた野ネズミが空荷で慌てて倒木を右へ逃げていきます。 
その間にも餌箱の付近を謎の夜蛾が飛び回っています。 

しばらくすると、さっき逃げた野ネズミが餌箱に駆け戻りました。 
餌箱の縁で夜蛾を見つけた野ネズミが素早く飛びかかろうとして、餌箱から下に落ちました。 
野ネズミの無鉄砲な狩りは失敗に終わり、夜蛾は素早く飛んで逃げました。 

野ネズミが夜蛾に襲いかかった決定的瞬間を1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:03〜) 
もしかすると狩りを試みたのではなくて、暗闇で顔のすぐ近くを飛んだ蛾に驚いた野ネズミが餌箱から飛び降りて逃げただけかもしれません。 
餌箱の地面からの高さを測り忘れましたが、野ネズミが落ちて死ぬような高さではありません。(数十cm)


シーン4:7/1・午後22:04(@1:17〜) 
約1分半後、監視カメラが何に反応して起動したのか不明です。 
戻ってきた夜蛾がしばらく飛び回ってから、餌箱内のクルミに着陸しました。 


シーン5:7/1・午後22:46(@1:29〜)
斜めの倒木を右から来た野ネズミが登ってきました。
しかし途中で立ち止まり、少し離れたところから餌箱を見ているだけです。
その間に謎の夜蛾が飛来し、クルミの餌箱に着陸しました。
野ネズミはフリーズしたまま微動だにしません。
さっき(約45分前に)の野ネズミと同一個体だとしたら、餌箱から落ちて痛い目に遭ったので、夜蛾を恐れるようになったのかな?



【考察】 
オニグルミの堅果(植物学的に厳密に言うと、核果状の堅果)の山を野外に給餌したところ、夜行性の蛾が1頭だけでなく複数が誘引され、飛来しました。
この謎の蛾の正体が気になります。
白黒の暗視映像では蛾の翅の色や模様も分かりませんし、現地で採集しないことには同定できません。
素直に推理すると、オニグルミの果実に産卵または吸汁する蛾がいることになります。

現場は低山にあるスギ植林地の端で、オニグルミの大木が近くに1本そびえ立っていました。
つまり、問題の蛾はオニグルミ樹上にある生の果実や枝葉の匂いに集まって飛び回っていたのに、私が地上付近に置いた古いクルミ堅果の山の匂いに撹乱されて寄り道しただけかもしれません。

いつものようにPerplexity AIに相談してみました。 
すると、果実吸蛾類ではないか?とおかしな回答をされました。
果実吸蛾類は果樹の液果に集まるのであって、堅果には来ないはずです。
オニグルミの果実は全く甘くありませんし、むしろ渋いタンニンが多く含まれています。
しかも、謎の夜蛾が誘引されたのは、果皮を剥いてから乾燥保存しておいた1年前の古いオニグルミ堅果です。
いくら悪名高い果実吸蛾類でも、クルミの固い殻に口吻を突き刺すことはできないはずです。
乾燥堅果自体には糖分・芳香成分が乏しく、蛾は吸汁・産卵の対象として認識しにくいはずなのに、複数個体が誘引されたのはとても不思議です。

次の仮説として、ハマキガ科のコドリンガCydia pomonella)をPerplexityは教えてくれました。
幼虫がバラ科果実やくるみ果実及び核子に食入し、加害する。(植物防疫所の病害虫情報サイトより引用)

つまり、クルミの実に産卵する蛾がいるらしいのです。
ところがよく調べると、コドリンガは欧州原産の外来種であり、日本国内にはまだ定着していないらしい。(「侵入生物データベース」サイトより)
私のフィールドは山形県なので、コドリンガの可能性は除外してもよさそうです。

最後にPerplexityは、食品害虫や貯穀害虫の蛾ではないか?と私が思いつかなかった仮説を教えてくれました。
確かに台所に保管した乾物やドライフルーツに蛾がよく集まって産卵し、幼虫が食害します。
日本の野山に生息する貯穀害虫の蛾の例としては、ノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)が挙げられます。この蛾は世界中で知られる貯穀害虫で、穀物を中心に乾燥食品に産卵・幼虫が食害を起こしますが、日本国内でも野外で確認例があります。

貯穀害虫の野生生息・飛来可能性
ノシメマダラメイガは主に屋内や貯蔵施設での被害が多いため「貯穀害虫」と分類されますが、野外でも発生例が報告されており、山間部や林縁、果樹園付近などに普通に飛来します。

幼虫は穀物・乾燥植物質を食べるため、野山の落ち果実、落ち種子、乾燥した植物材にも自然に入り込み生息できる環境がある可能性があります。

乾燥堅果や植物種子を餌にしていることが確認されているため、野外に置かれた乾燥オニグルミ堅果に飛来する蛾として全くありえない話ではありません(Perplexityの回答)

ノシメマダラは以前飼育したこともあり馴染みのある蛾なので、トレイルカメラの映像は違うと自信を持って言えます。
白黒の暗視映像からは翅の色や斑紋が分かりませんが、ノシメマダラよりも大きくて幅広い翅を持つ種類でした。
例えばカシノシマメイガなどに近いかもしれません。

カシノシマメイガは主に人家周辺や貯穀庫で発生しますが、里山や山間部の林縁など自然環境にも普通に飛来・生息しています。したがって、里山のオニグルミ堅果に飛来した大型で幅広い翅を持つ蛾として十分に現実的な候補種です。(Perplexityの回答)

以上の考察は、あくまでも推理でしかありません。
再実験をして謎の蛾を採集するまでは、未解決のままです。
野外で蛾を採集する方法として様々なトラップ法が開発されてきましたが、私がたまたま考案した「クルミ・トラップ」や「ナッツ・トラップ」に集まる蛾を真面目に調べれば、何か面白いことが分かるかもしれません。
誰かがすでにやってるかな?



つづく→

アンズの落果に飛来した夜行性の蛾(果実吸蛾類?)【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年7月上旬・午前3:50頃 

アンズ(杏)の木の下で拾い集めた落果を1箇所にまとめて置き、自動撮影カメラで見張っています。 
未明に低空で飛び回っていた1頭の蛾(種名不詳)が、アンズ落果の山に着地しました。 
熟したアンズ果実の芳香に誘引されて夜蛾が飛来したのでしょう。 
これからというところで録画が打ち切られてしまいましたが、おそらく口吻を伸ばして滲み出る果汁を吸汁するはずです。 

蛾は変温動物ですから、本来トレイルカメラの熱源センサーは反応しないはずです。 
実はこの直前に野ネズミが来ていたので、たまたま撮れた映像のようです。 



夜行性の蛾の中には、果樹園の害虫として嫌われている果実吸蛾類がいます。 
落果から吸汁する分には問題ないのですが、樹上で実っている果実に蛾が口吻を突き刺して吸汁すると、その刺傷から果実の腐敗や感染が広がって商品価値が失われます。 
果樹園農家はこうした吸蛾類の防除に昔から苦労しているのです。 
対策としては、なるべく殺虫剤を散布したくないので、果実を1つずつ袋掛けをしたり、果樹を目の細かい網で覆ったり、誘蛾灯を設置したりするそうです。 

原色図鑑 夜蛾百種: 吸蛾類を中心として』という書籍によると、
・果実吸蛾類とは、多くの種類の果実に口器を刺し込んで果汁を吸汁する蛾類を総称していう。 
・多くが鱗翅目ヤガ科に属することと、その加害活動が主に夜間に限られることが特徴。 
・吸蛾類は成熟して軟化した果実、また高い甘みをもつ果実を好む。 
・加害を受けた果実は、二次的に菌類が寄生するなどして、やがて腐敗する。 
成虫は丈夫な鋭い口器をもち、成熟前のかなり硬い果実も吸収するほか、袋の掛った果実でも果袋を通して吸収加害する能力をもっている。 (以上、p106より抜き書き引用)


虫好き・蛾好きとしては、夜な夜な果樹園を巡って蛾を探してみるのも面白そうです。(もちろん立ち入る許可が必要です。) 


【アフィリエイト】 

2025/09/07

ムラサキツメクサの花蜜を吸い飛び回る春型のキアゲハ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年6月中旬・午後15:00頃・晴れ 

湿地帯の端に咲いたムラサキツメクサ(=アカツメクサ)の群落で春型のキアゲハ♀(Papilio machaon hippocrates)が訪花していました。 
口吻を差し込んで吸蜜している間もキアゲハ♀は小刻みに羽ばたき続けてバランスを取っています。 
風が吹いてムラサキツメクサの頭花が揺れても、しっかりしがみついて吸蜜を続けます。 
風が止んで落ち着くと、羽ばたきを止めて吸蜜することもありました。

キアゲハ♀がムラサキツメクサの花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:37〜) 



吸蜜の合間に、近くに自生するヨモギ(キク科)の葉にキアゲハ♀が一瞬だけ着地するのを目撃しました。(映像なし) 
産卵に適したセリ科の食草かどうか、触れて確認したようです。


【アフィリエイト】

2025/09/03

向かい合ってペアで並ぶフタツメオオシロヒメシャク(蛾)の謎【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2025年6月中旬・午前10:00頃・晴れ 

里山(低山)の雑木林を抜ける細い山道で白い蛾がイタヤカエデ幼木の葉に止まっていました。 
結構レアな蛾なのに、同種と思われる大小2頭の個体が向かい合って同じ葉に静止しているのが不思議でした。 
前翅の前縁だけを互いに接しています。 
♀♂ペアが求愛行動の最中なのかと思いきや(まさに「お見合い」?)、全く動かず、交尾には至りませんでした。 
フタツメオオシロヒメシャクは触角の形状で雌雄を見分けられるらしいのですが、今回の静止状態ではともに前翅の下に触角を隠しているので、性別は不明です。 
触角も脚も見えません。 
大きさに性的二型があるのかな? 
なんとなく、左の大きな個体Lが♀で、右の小さな個体Rが♂ではないかと勝手に推測したのですが、定かではありません。 
後述するように、今回成虫が留まっていたイタヤカエデはフタツメオオシロヒメシャク幼虫の食餌植物ではありません。

求愛行動ではなく集団ねぐらだとしたら、ちょっと面白い話です。
白い翅の蛾は森の中でよく目立つので、寝るときに群れを形成すれば、捕食者に襲われる確率を少しでも減らせるはずです。
2頭が向かい合って並ぶことで、前翅にある眼状紋の威嚇効果を高めているのでしょうか。

動きが乏しいと動画ブログのネタになりませんから、飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:21〜) 
まずは物を投げつけてみました。 
イタヤカエデの幼木に物がぶつかって葉が揺れても、蛾の反応は鈍く、葉に止まったままで逃げようとしませんでした。(映像は割愛。) 
仕方がないので、次は蛾に直接触れてみることにしました。 
右手の中指で右の個体R♂?の左後翅にそっと触れると、準備運動無しですぐに飛び立ちました。 
もう1頭もつられて(連鎖反応で)飛び立つかと予想したのですが、意外にもイタヤカエデの葉の上に居残っていました。 
続けて左の個体L♀?の右前翅に触れると、すぐに飛び去りました。 

力強く羽ばたいて慌てて逃げる様子をスーパースローで見ても、残念ながら触角の形状は分かりませんでした。 
性別を知るには、一時的にでも捕獲・採集しないといけないようです。 


今回、蛾の同定には『くらべてわかる蛾 1704種』という図鑑のp62を参考にしました。 
「小型で後翅の紋が薄め」というキャプションも考慮してフタツメオオシロヒメシャクProblepsis albidior matsumurai)が一番似ていたのですが、「暖地性」という記述が気になりました。 
Perplexity AIに相談してみると、
フタツメオオシロヒメシャクは本来南方系の蛾で、暖地性とされており、従来は九州以南でよく見られ、本州の温暖な地域にも分布しています。しかし、最近の温暖化の影響で、九州以北の地域にも生息域を拡げているという記録があります。 山形県などの北国でも、近年の気候変動による温暖化で成虫が見られる可能性が高まっていると言えます。6月中旬の山形県の里山での観察も、温暖化の影響が関わっている可能性があるため、暖地性でありながら見られることは十分にありえる状況です。 まとめると、山形県には以前は分布していなかった種かもしれませんが、近年の温暖化に伴い北上し、見られるようになったと考えるのが妥当です.
フタツメオオシロヒメシャクの食餌植物はモクセイ科らしいのですが、私のフィールドで自生するモクセイ科の樹木はマルバアオダモぐらいしか思いつきません。 
里の人家近くの環境ではトウネズミモチやキンモクセイなどが植栽されているので、それらを利用しながら分布を広げている(北上中)のかもしれません。 

それとも、フタツメオオシロヒメシャクと同定した私の判断が間違いですかね? 


【アフィリエイト】 

2025/09/01

ニホンザル♀の採食メニュー(アキノノゲシやノブドウの若葉、イモムシ、など)

 

2024年6月下旬・午前11:05頃・くもり 

山麓の農村部で広い裏庭の端っこにニホンザル♀(Macaca fuscata fuscata)が独りで座って休んでいました。 
猿は正面からチラチラと私を見ていますが、実際にはだいぶ離れているので落ち着いています。 
胸にあるやや長い乳首を見れば、経産♀と分かります。 
右手を腰に回してボリボリと掻きました。 

やがて立ち上がると、左へ歩き始めました。 
蔓植物ノブドウのマント群落の中に草丈高く伸びたアキノノゲシの柔らかな若葉を右手でむしり取ってムシャムシャと採食しました。(@1:00〜) 
アキノノゲシはレタスの仲間です。
ブランチの前菜は生野菜サラダから、という感じでしょうか。
初めはアザミの仲間かと思ったのですけど、アザミににしては葉に鋭いトゲがありません。 
その場に再び座り込むと、何かを選び取って食べたのですが、カメラに背を向けているのでよく見えません。 
ノブドウの若葉も少しだけ味見しました。(@2:19〜) 

ニホンザルは菜食主義ではなく、雑食性です。 
ノブドウの蔓にしがみついている緑色の芋虫(蛾の幼虫)を見つけると、蔓ごと左手で引き寄せて捕食しました。(@1:20〜) 
濃い緑色の苦い内臓(おそらく糞の詰まった腸)は吐き捨てました。 
他にもあちこちの植物から虫を手で器用に摘みとって食べています。 
最後にヨモギの株からも何か小さな虫を捕食したようです。(@2:24〜) 
例えばヨモギハムシかもしれない、と推測したのですが、食べても苦くないのかな? 
ニホンザルは、なかなかバランスの取れたメニューを食べているようです。


【アフィリエイト】 

オオイヌノフグリの花蜜を吸うモンシロチョウ春型♂

 

2024年4月中旬・午後14:50頃・晴れ 

田んぼの農道に咲いたオオイヌノフグリの群落で春型のモンシロチョウ♂(Pieris rapae)が訪花していました。 
ともにありふれた普通種ですが、意外にもこの組み合わせは初見です。 
オオイヌノフグリの茎(花柄)は細いので、モンシロチョウがしがみつくと、その重みで花が垂れ下がってしまいます。 
モンシロチョウ♂は口吻を伸ばして吸蜜しています。

1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:16〜) 
飛び立つ瞬間の翅表の斑紋から♂と判明。 

モンシロチョウは隣に咲いているヒメオドリコソウには興味を示さず、オオイヌノフグリにだけ連続して訪花していました。 
モンシロチョウはヒメオドリコソウの花が苦手なのかと言うと、そんなことはありません。


訪花昆虫のこのような性質を定花性と言います。
・定花性(flower constancy)とは、花粉媒介動物であるポリネーターが同じ種類の植物を連続して訪問する性質です。 
・定花性とは、同等(またはそれ以上)の価値が ある他の種類の花があるにもかかわらず、個々の訪花者が、決まった種類の花を連続して訪 花する行動のことである。

2025/08/29

キアゲハの幼虫を捕食するモズの幼鳥(野鳥)臭角は自衛の効果なし?

 



2025年8月中旬・午前9:40頃・晴れ 

葉が生い茂るウメ(白梅)の樹上でモズLanius bucephalus)の幼鳥が何か太くて細長い緑色のイモムシ(芋虫)を嘴に咥えていました。 
よく見ると獲物の正体は、キアゲハPapilio machaon hippocrates)の幼虫でした。 
芋虫はもう暴れていないのに、死んだ獲物を枝に何度も叩きつけて念入りに殺しています。

モズの親鳥が幼鳥に口移しで給餌する瞬間を見逃してしまいました。 
幼鳥が餌乞いする鳴き声も聞こえませんでした(聞き逃した?)。 

キアゲハの幼虫は、食草の細い茎にしがみついたまま死んでいました。 
モズの親鳥は、食草ごと引きちぎってイモムシを運び、幼鳥に給餌したようです。 
キアゲハ幼虫は、セリ科の植物しか食べません。 
ウメの樹上にキアゲハの幼虫が居るはずがないので、親鳥が近所の庭などで狩ってきて幼鳥に給餌したのでしょう。 
後で現場検証しても、白梅の木の下にセリ科植物は自生していませんでした。 
したがって、キアゲハの終齢幼虫が蛹化するために近くの庭木に登ってきた可能性は除外できます。 

元の動画がやや不鮮明でカメラのAFが合焦しにくいのは、汚れた窓ガラス越しに室内から撮影したからです。
窓を開けて直接撮影したいのはやまやまですが、その音でモズが警戒して逃げてしまいそうなので、我慢してそのまま撮影を続けました。  
1.5倍に拡大および自動色調補正した上で、1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。(@0:37〜) 
動画編集時に自動色調補正を施したら、被写体がくっきり見えるようになりました。 

ここで気になるのは、鳥に狩られたキアゲハ幼虫が臭角を伸ばしているかどうか、という点です。 
アゲハチョウ科の幼虫が天敵に襲われたときに頭部からニョキっと伸ばす臭角は、強い刺激臭と派手な色彩で捕食者に対して忌避効果があると考えられています。 

関連記事(4、12年前の撮影)▶  


今回のモズは獲物の急所である頭部を嘴で強く挟み付けながら激しく振り回しているため、キアゲハ幼虫の臭角が見にくいです。 
後半になると、モズはようやく幼虫の体の中央部を咥え直しました。 
スロー再生で拡大すると、死んでぐったりしたキアゲハ幼虫の頭部から鮮やかなオレンジ色の臭角が伸びていることが判明しました。
一般に鳥は嗅覚が鈍いとされているので、キアゲハ幼虫の臭角に自衛効果がなかったのは当然かもしれません。 


隠し撮りをしている私を警戒したのか、モズは庭木の枝から枝へ移動し、枝葉の陰に隠れてしまいました。
獲物を実際に捕食する(飲み込む)まで見届けられず残念でした。 
キアゲハ幼虫の臭角は刺激臭がするだけでなく不味いはずなので、モズが食べる前に獲物を引き裂いて臭角(あるいは幼虫の頭部)を丁寧に取り除くかどうか確認したかったのです。 

モズが早贄はやにえを立てる有名な行動を私はまだ実際に観察したことがありません。 
この時期(真夏)はまだ育雛期なので、モズの親鳥は捕れた獲物をすべて幼鳥に給餌するか自分で食べてしまいます。 
また、体表の柔らかい幼虫は腐りやすいため、早贄として貯食するには向いていないでしょう。 


【追記】
今回のモズは幼鳥ですよね?(あまり自信がありません。)
前回に登場した個体よりも、フワフワした綿羽が生え変わっているようなので、換羽中の別個体なのでしょう。
これから幼鳥に給餌するために獲物を運んできた親鳥♂だとしたら、記事を全面的に書き直さないといけません。


【アフィリエイト】 

2025/08/28

フランスギクの花蜜を吸うウスバアゲハ

 

2024年5月中旬・午後12:25頃・くもり 

道端に咲いたフランスギクの群落でウスバアゲハ(別名ウスバシロチョウ;Parnassius citrinarius)が訪花していました。 
口吻を伸ばして吸蜜しています。 
この組み合わせは初見でした。 

初夏の風が吹いてフランスギクの頭花が揺れています。 
突風で一瞬だけウスバアゲハが横倒しになったときも、腹端に交尾嚢は付けていませんでした。 
したがって、交尾済みの♀ではないことは確かです。 
最後に強風が吹いて、ウスバアゲハはフランスギクの花から下のイタドリの群落に落ちてしまいました。

2025/08/24

山道から飛び立つミヤマセセリ♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年5月上旬・午前11:30頃・くもり 

里山を登る山道で、ミヤマセセリ♂(Erynnis montanus)が翅を全開にして地面に止まっていました。 
枯れ葉(落葉)の上で静止していると、広げた翅の斑紋が目立たない保護色になっています。 
そのため、ちょっと目を離しただけで、見失いそうになります。 

曇天なので、日光浴ではなさそうです。 
晴れていても曇っていても、いつも翅を広げて止まるミヤマセセリの場合、日光浴しているかどうか翅形では判断できません。 
近年の分子系統解析によると、セセリチョウ科はタテハチョウ科やアゲハチョウ科よりもやや早い段階で分岐したグループで、やや原始的な特徴を持つのだそうです。 
翅の開閉で体温を調節する行動がセセリチョウ科では発達しなかったのだろうか。 

関連記事(16年前の撮影)▶ ミヤマセセリの日光浴

口元に注目すると、ゼンマイ状の口吻を少しだけ伸縮させたものの、地面や落ち葉を舐めてミネラル摂取をしている訳ではありませんでした。 

飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:00〜) 
すばやく羽ばたいて飛び去りました。 
しかし少し飛んだだけで、同じ山道に着陸します。 
♂は山道に沿って縄張りを占有し、交尾相手の♀が来るのを待ち伏せしているのかもしれません。 


2025/08/18

セラスチウム(シロミミナグサ)の花蜜を吸うベニシジミ夏型【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年5月上旬・午前10:05頃・くもり 

民家の花壇に咲いた見慣れない園芸植物の群落で夏型のベニシジミLycaena phlaeas daimio)が訪花していました。 
私は園芸植物に疎いので、Googleレンズで画像検索したところ、白い花の名前がセラスチウム(別名シロミミナグサ、ナツユキソウ)と判明。 

曇天のため、少しでも日光を浴びようとベニシジミは翅を半開きのまま吸蜜しています。 
少し飛んで別の花に止まり直し、次々に吸蜜しています。 

ベニシジミが花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:38〜)

2025/08/12

林道で大量に吸水しながら排尿するミヤマカラスアゲハ♂

 

2024年6月下旬・午後14:10頃・くもり 

里山で砂利が敷かれたつづら折れの林道に沿って低く飛び回っていたミヤマカラスアゲハ♂(Papilio maackii)が着地すると、翅を全開にしたまま静止しました。 
前翅の翅表に黒いビロード状の性斑(性標)があるので、♂と見分けられます。 
伸ばした口吻を激しく動かして、濡れた砂利の表面を舐めています。 
かるく羽ばたきながら方向転換した際に、後翅の裏面に不明瞭な白帯がちらっと見えたので、夏型♂のようです。 
少し飛んで移動すると、林道のあちこちで小石の味見をしています。 
林道の傍らにはウツボグサドクダミの花が咲いているのに、ミヤマカラスアゲハ♂は花蜜にまったく興味を示しません。 
濡れた砂利やスギの落ち葉などを舐めて吸水し、性成熟に必要なミネラル成分を摂取しているのでしょう。 
飛び立ってもしばらくすると同じ地点に舞い戻り、吸水を再開します。 

よく見ると、ミヤマカラスアゲハ♂は吸水しながら、腹端から透明な液体をポタポタと排泄しています。 
水に薄く溶けている微量なミネラル成分を摂取するには、水を大量に飲まないといけないので、余った水分をどんどん排出しているのです。 

吸水しているミヤマカラスアゲハ♂の顔を正面からアップで撮ったストロボ写真をよく見ると、口吻の表面に水滴が点々と付いているのが興味深く思いました。 
口吻の接合部から水漏れしているのでしょうか? 
気化熱で冷やした水を飲んで体を効率よく冷やそうとしているのなら、面白い話です(水冷式の体温調節)。 


【アフィリエイト】 



ミヤマカラスアゲハ♂が飛び去ってから現場検証すると、林道の路肩の草むらに獣糞を見つけました。 
糞の色は黒く、未消化の種子がたくさん含まれています。 
テンの糞にしては太いですし、なんとなくツキノワグマUrsus thibetanus)が残した糞ではないかと思うのですが、あまり大きな糞ではありません。 

クロボシヒラタシデムシOiceoptoma nigropunctatum)の成虫1匹と、ニクバエの一種が獣糞に集まっていました。 

実はミヤマカラスアゲハ♂も初め、この獣糞に誘引されていた(舐めていた?)ようなのですが、草むらが邪魔で撮影できませんでした。 
私が回り込んで撮影アングルを確保しようとしたら、砂利を踏む音に警戒したチョウが警戒して飛び去り、吸水行動に切り替えたようなのです。 
今回は悔しい思いをしたのですが、次の年になってようやく、ミヤマカラスアゲハが獣糞で吸汁する証拠動画を撮ることが出来ました。(映像公開予定)

2025/08/08

ノダイコンの花蜜を吸うナミアゲハ♂の羽ばたき【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年5月中旬・午前11:05頃・晴れ 

小川の土手に咲いたノダイコン(大根の内陸性自生種)の群落でナミアゲハ♂(Papilio xuthus)が忙しなく訪花していました。 
吸蜜中もバランスを保つために、かなり忙しなく羽ばたき続けています。 
この組み合わせは初見です。 

腹端の形状から♂と判明。 
この♂個体は、左後翅の尾状突起が欠損しています。 

花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:57〜) 
スローモーションでじっくり観察すると、ゼンマイ状の長い口吻の根元付近に薄い黄色の花粉が大量に付着していることに気づきました。 
つまり、ナミアゲハ♂はノダイコンの花に口吻を差し込む度に授粉を助けている送粉者ということになります。 
狙った訳ではないのですけど、背後を流れる小川の水面の煌めきが美しく撮れていました。 

実はキアゲハもノダイコンの同じ群落に飛来したのですが、撮り損ねました。 
2種のアゲハチョウは互いに無関心で、誤認求愛や蜜源の占有行動も起こりませんでした。

2025/07/29

トレイルカメラのザトウムシ対策で粘着トラップを試してみる(その1)イモムシの捕獲

2024年6月中旬 

野生動物や野鳥を隠し撮りするために、フィールドにトレイルカメラを設置すると、夜行性のザトウムシに悩まされます。 
なぜかトレイルカメラのレンズの上に被さるように居座り、極細の歩脚が目的の被写体を遮ってしまうのです。(お邪魔虫) 
常夜灯なら走光性で誘引される昆虫を待ち伏せして捕食するクモを見かけるので理解できるのですが、トレイルカメラは赤外線LEDがときどき点灯するだけなので、何がザトウムシの目的なのかさっぱり分かりません。 
ほんのり発熱するトレイルカメラが心地よいのでしょうか。 

関連記事(代表的な事例)▶  


ザトウムシに恨みはありませんが(むしろ私は好きな虫です)、なんとかトレイルカメラに近寄らせない方法はないか、ずっと思案してきました。 
殺虫剤や防虫スプレー(虫除け、忌避剤)を噴霧する方法はやりたくありません。 
長期間効果が持続するほど毒性の強い薬剤をフィールドに大量散布したら生態系を破壊することになりますし、なにより嗅覚の鋭い哺乳類(野生動物)が異臭を嫌って寄り付かなくなってしまうことが予想されるからです。 

害虫(害獣)駆除でよく使われる粘着トラップを設置することをようやく思いつきました。 
ニホンアナグマの営巣地(セット)がある平地の二次林で試してみましょう。 
トレイルカメラを挟んで幹の上下にガムテープを巻くだけの簡単な対策です。 
ただし、ガムテープの粘着面を上にしておくのがポイントです。 
極細の足で幹を伝い歩いてザトウムシがトレイルカメラに近づこうとすると、ガムテープの粘着面に足がくっついて動けなくなる、という作戦です。 
ガムテープは紙製ではなく、少し値段が高くても布製のタイプを選びます。 
ガムテープは茶色系なので、木の幹に巻きつけても、林内ではあまり目立ちません。 
私はトレイルカメラを立木の幹にベルトで固定することが多いのですが、ザトウムシは幹を下から登ってくるのか、それとも樹上から降りてくるのか、予想がつきません。 
そこで、カメラの上と下の両方に粘着トラップを設置してみます。
ガムテープには特有の異臭が多少はあるのかもしれませんが、防虫スプレーよりは遥かにマシでしょう。 
何週間も野外に放置すれば、ガムテープの異臭も自然に抜けるはずです。

2024年6月下旬 

15日後に再び現場入りして、トレイルカメラを保守点検しました。
撮れた動画を確認すると、この虫よけが奏功したのか、ザトウムシの邪魔な映り込みが全くなくなりました。 

風雨に晒されてガムテープの粘着性が低下していましたが、張り替えずにこのまま続行します。 
微小なアリ(種名不詳)がガムテープの粘着面を歩いて横切り木に登るのを目撃したのですけど、証拠映像を撮るのが間に合いませんでした。 

2台設置したトレイルカメラのうち、1本の立木で粘着トラップに囚われていたのは、想定したザトウムシではなく、蛾の幼虫(イモムシ、芋虫)でした。 
トレイルカメラの下ではなく上に巻いた粘着テープに2匹のカラフルな尺取り虫が付着したまま死んでいました。 
つまり、幼虫は幹の上から降りてきたことになります。 
木の葉を食べて育った幼虫が、地中で蛹化する生活史なのでしょうか?(調べていません) 
1匹の幼虫は死ぬ前に、茶色くて濃い消化液を口から吐き戻していました(自衛のため?)。

撮れた写真からGoogleレンズで画像認識させると、ヒメマダラエダシャクAbraxas niphonibia)の幼虫らしい。 
幼虫の食餌植物はニシキギ科らしく、確かにツルウメモドキの蔓が林内の立木によく巻き付いています。 
この時期にAbraxas属の成虫(マダラエダシャクの仲間)を林内でたまに見かけます。 

巻き添えの被害にあって死んだ芋虫には申し訳ないのですが、生態系への悪影響は少なそうなので、この粘着トラップ作戦をしばらく続けてみます。 

粘着トラップに捉えられて動けなくなった虫を野鳥が次々に捕食しているかもしれない(証拠隠滅)ので、捕獲数をかなり過小評価しているかもしれません。


つづく→

砂利道で休み、準備運動後に飛び立つクジャクチョウ【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年6月下旬・午後13:55頃・くもり 

里山の砂利が敷かれた林道で、美しいクジャクチョウInachis io geisha)と出会いました。 
翅を全開に広げて砂利道に静止していますが、曇天で日差しがないので、体温を上げるための日光浴ではなさそうです。 

翅に破損がない、きれいな個体でした。 
さすがに越冬明けの個体ではなく、羽化直後の個体と思われます。 
寒冷地では年一化なのだそうです。 

腹部をかすかに上下動させています。 
途中から翅をピクピクと動かし始めたのは、飛び立つ前の準備運動なのでしょうか? 
やがてクジャクチョウは翅を閉じて、小刻みに翅を震わせています。 
赤く美しい翅表が見えなくなり、黒い地味な翅裏を見せてくれました。 
タテハチョウ科なので、昆虫なのに脚は4本しか見えません。(前脚が退化している) 

準備運動で体温が十分に上がったのか、素早く飛び去りました。 
温度計を持ってこなかったので、このときの気温は不明です。 
私の体感では、別に肌寒い日ではありませんでした。 
大型の蛾ならともかく、気温の高い初夏に飛翔前の準備運動が必要とは知りませんでした。 
クジャクチョウは北方系の蝶なので、気温の低い山地でも活動できるように適応しているのでしょう。 

クジャクチョウは飛び立っても、砂利道の林道を少し往復しただけで、ほぼ同じ地点に着陸する印象でした。 
縄張りを張っているのでしょうか?(占有行動)
クジャクチョウの成虫は外見に性差が乏しく、フィールドで単独個体の性別を見分けるのは至難の技なのだそうです。

少し飛んだだけで、砂利道の少し離れた地点に留まり直しました。 
今度は斜め前方から撮れたのですが、クジャクチョウはゼンマイ状の口吻を縮めたままでした。 
小石を舐めてミネラル摂取している訳ではありません。 

クジャクチョウが飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:02〜) 
閉じた翅を小刻みに震わせていたのですが(準備運動?)、警戒を解いたのか、翅を全開に戻しました。 
急に力強く羽ばたいて、飛び立ちました。 


※ 説明のために、撮れた映像素材の順番を入れ替えました。 
本来なら、冒頭のただ翅を広げて静止しているだけの退屈なシーンは編集でコンパクトにカットすべきなのは分かっています。 
久しぶりに出会えた憧れのクジャクチョウが息を呑むほど美しく、見とれてしまったので、あえてノーカットでお届けします。 

もう細かいことは覚えていないのですが、「林道を下山中に複数個体を撮影」と野帳には書き残してあります。



2025/07/21

ノアザミの花から花へ飛び回り吸蜜するミヤマカラスアゲハ春型♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年6月上旬・午前11:20頃・晴れ 

山麓を流れる用水路沿いに咲いたノアザミの群落で春型のミヤマカラスアゲハ♀(Papilio maackii)が訪花していました。 
広げた翅を小刻みに開閉しながら、口吻を伸ばして吸蜜しています。 

カラスアゲハと違って後翅の翅裏に明瞭な白帯があるのが、ミヤマカラスアゲハの特徴です。 
前翅表に黒いビロード状の性斑(性標)がないので♀と分かります。 
腹部が太く、腹端の形状(尖っていない)からも♀と確認できます。 

ノアザミの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:10〜) 
訪花中はバランスを取るために軽く羽ばたいています。 
スーパースローで見ると、後翅を広げっぱなしで、前翅のみを羽ばたかせていることが分かりました。 
Perplexity AIとの問答で教えてもらったのですが、
アゲハチョウ科(Papilionidae)では、前翅と後翅は基本的に連結していません。 鱗翅目(チョウ目)の中でも、アゲハチョウ科を含む多くの「チョウ類」では、ガ類に見られる「フレネュラムとレティナクル(frenulum and retinaculum)」による前翅と後翅の連結機構が退化または消失しています。そのため、アゲハチョウ科の蝶は前翅と後翅が独立して動きます。
撮影後にノアザミの総苞片が粘ることを確認しました。 


関連記事(7、18年前の撮影)▶  

2025/07/17

山中の水溜りに次々と飛来して泥濘から集団吸水する夜行性の蛾【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月中旬〜下旬 

シーン1:6/20・午後22:13(@0:00〜) 
水溜りからフクロウが飛び去った後で、山中の湿地帯では夜行性の蛾(種名不詳)が飛び回っています。 
やがて右から飛来した1頭の夜蛾が、水溜りの中洲に着陸しました。 
トレイルカメラが照射する赤外線を反射して、夜蛾の複眼が白く光って見えます。 
 1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@0:32〜) 


シーン2:6/20・午後22:39(@0:47〜) 
約25分後、コウモリの飛来で監視カメラが起動しました。(コウモリの映像は割愛。) 
中洲の泥濘に留まったまま休んでいる夜蛾が写っています。 
おそらく口吻を伸ばして泥を舐め、泥水に含まれるミネラル成分を摂取しているのでしょう。 

そこへ右から低空で飛来した別個体の夜蛾が、同じ中洲に着地しました。 
すると先客の個体が驚いて飛び立ち、後から来た個体も釣られて再び飛び立ちました。 
1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@1:28〜) 
同種らしき夜蛾が計3頭集まっていました。 


シーン2:6/22・午後21:27(@1:58〜) 
コウモリが飛び去った後で、1頭の夜蛾が右から低空で飛来し、水溜りの岸の泥濘に着陸しました。 
1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@2:13〜)


【考察】
昼行性なら、集団吸水行動をする鱗翅目(チョウ・ガの仲間)は珍しくありません。 
水場で吸水している仲間を飛びながら視覚的に見つけると、近くに舞い降りて飲み会に参加します。 
ミネラル成分が濃い地点を味見しながら自力で探す手間が省け、水場で捕食者に襲われるリスクも下がるのでしょう。 
同じ地点で吸水およびミネラル摂取する個体数が連鎖反応でどんどん増えて、集団吸水の群れが形成されます。 

その一方で、夜行性の蛾では水場で仲間を視覚的に見つけるのは難しいはずです。 
集団吸水の群れが夜も形成されるとしたら、個々で探索行動をした結果たまたま同じ地点に集まってしまう場合か、仲間を嗅覚で誘引する集合フェロモン(性フェロモン?)を放出しているのでしょう。 

謎解きする上で次の一手としては、この水溜りに集まって吸水・ミネラル摂取する夜蛾の種類を同定したいものです。
そのためにはどうしても現場で夜蛾を採集するか、ストロボを焚いて同定用の写真を高画質でしっかり撮る必要があります。
しかし現場入りして夜通し水場を見張るのは大変そうですし、プロジェクトの主要目的である野生動物や野鳥が私を怖がって水場に来なくなってしまうのでは本末転倒です。
無人カメラで闇雲にインターバル撮影するとしたら、フラッシュを光らせる電池の消耗が激しそうです。

2025/07/13

モンシロチョウ♀が♂2頭の求愛を拒みながら脱糞?!

 

2024年6月上旬・午後15:40頃・晴れ 

水田の農道沿いに咲いたハルジオンの群落で春型のモンシロチョウ♀(Pieris rapae)が訪花していました。 
そこに同種の♂aが飛来し、♀の背後でホバリングしながら求愛しています。 
しかし♀は腹端を高々と持ち上げて、断固とした交尾拒否の姿勢を取っています。 
モンシロチョウ♀の腹端に付着している黄色い固形物が気になりました。 

さらに別個体の♂bが右から飛来し、求愛に参戦しました。 
♂bが♀の半開きの翅に着地して触れた拍子に、♀腹端の付着物がポロリと落ちました。 
♀が嫌がって飛び立ち、2頭の♂が直ちに追いかけます。 

一瞬モンシロチョウを見失いましたが、少し右上にパンすると、♂が翅を半開きでハルジオンの花蜜を吸っていました。 
どうやら♀は♂の求愛を嫌がって逃げたようです。 


【考察】 
教科書にも書いてあるモンシロチョウの交尾拒否行動については、もう既に何度も撮影済みです。 

それよりも今回気になったのは、♀の腹端にあった、乾いた鼻くそのような謎の付着物です。 
その正体について検討します。 
  • モンシロチョウは成虫になると花蜜しか摂取しませんから固形の糞を排泄することはありない…はずです。 この定説が間違っていたのでしょうか?
  • ♀が未成熟の卵を産みかけたのかもしれません。 しかし未成熟だからといって、モンシロチョウの卵に特徴的な紡錘形が異常に歪んだりすることはないらしい。 
  • 蛹から成虫が羽化して翅を広げる際に使った羽化液(蛹便)が腹端で凝固したのでしょうか?  私はまだモンシロチョウの飼育経験がありませんが、モンシロチョウの羽化液(蛹便)は黄色っぽいらしい。 ところが、今回観察した♀個体は右前翅の翅頂が欠けていて、羽化直後ではなさそうです。 
  • 花粉などのゴミがたまたま腹端に付着しただけのような気がしてきました。 
  • モンシロチョウの交尾後、♂の精包(spermatophore)が♀の腹端外部に付着したまま残ることはありません。チョウ類の交尾では、♂が精包を♀の生殖器内部(bursa copulatrix)に挿入・移動させます。精包は、♀の体内の袋状器官(バルサ・コプラトリックス)内に完全に収められ、外部に露出することはありません。やがて精包は♀の体内で消化・分解されますが、殻(外被)は♀の体内に残ります。ウスバアゲハなど一部の昆虫では、交尾後に「交尾栓(スフラギス=sphragis)」と呼ばれる構造物が♀の生殖孔外部に貞操帯として形成されることがありますが、モンシロチョウでは形成されません。

今回もPerplexity AIとブレインストーミングしながら記事を書きました。

2025/07/05

植物の葉を調べて飛び回るトラガ(蛾)

 

2024年5月中旬・午後13:05頃・晴れ 

山麓を抜ける小径を私が歩いていたら、山側の茂みで色鮮やかなトラガChelonomorpha japana japana)が植物の葉から葉へと忙しなく飛び回っていました。 
近縁種のコトラガと迷いましたが、前翅外寄りに大きい白斑が3個、後翅先端に白斑があることから、トラガと確定しました。 
今季初見の個体になります。 

1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:11〜) 
トラガは留まった葉に触角で触れて調べてから、次の植物へと飛び去りました。 
私はトラガの性別の見分け方を知らない(※)のですが、なんとなく産卵前の♀が食餌植物を探索しているように見えました。 
※ トラガの触角に明確な性的二型はないようです。
トラガ幼虫の食餌植物としては、ユリ科のシオデやサルトリイバラが報告されています。 
しかし、今回のトラガ成虫が留まった植物(※ ウワミズザクラとカラハナソウ? ナワシロイチゴ? 自信なし)はどう見てもそれらには当てはまりません。 
もしこのトラガが♂個体だとしたら、落ち着いて休める葉を探しているだけかもしれません。

余談ですが、今回の記事を書くためにChatGPTを使って調べ物をしていたら、トラガの分類がヤガ科から新設されたErebidae科(日本語の科名なし)へと最近移されたことを知りました。 
DNAを解析した分子系統分類学の成果によりヒトリガ科やドクガ科などもErebidae科にまとめられたそうで、恐るべき大変革です。 
今までのヤガ科があまりにも巨大で雑多な分類群だったので、分割・縮小されても仕方がないと素人ながら感じます。 
しかし日本の鱗翅目学会や図鑑はとても保守的でまだ正式に対応しておらず(ヤガ科のまま)、Erebidae科の扱いについて静観・保留しているようです。 
蛾の形態分類は伝統的に成虫♂の生殖器を詳細に検討した結果であり、比較的信頼できると思っていたのですが、それでもDNA解析の結果とは乖離していたことになります。 
つまり種としての生殖隔離を実現する生殖器の形態にも収斂進化(他人の空似)があることになり、蛾類の一ファンに過ぎない私でも大きな衝撃を受けました。

2025/06/17

ヤマキヒゲナガ♂の群飛とレック形成【蛾:FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年5月下旬・午後13:20頃・くもり 

里山の急斜面をつづら折れの山道で登っていると、草むらの上を多数の小蛾がチラチラと飛び回っていました。 
この季節だと、てっきりオドリバエの群飛かと思いきや、下草に着陸した虫をよく見たらヤマキヒゲナガ♂(Nemophora japonica)でした。 
飛び疲れた個体なのか、近くのシダの葉や灌木の若葉に2頭ずつ並んで留まっていました。 
お気に入りの場所で交尾相手の♀を待ち伏せする作戦なのかもしれませんが、♂同士で止まり木を巡る争いにはなりませんでした。
(縄張り争いや占有行動はなし。)

飛翔シーンを高画質のFHD動画で撮影しても、体が小さい上にちらちらと羽ばたく動きが素早すぎてよく見えません。 
ヤマキヒゲナガ♂の群飛を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:51〜) 
少なくとも4頭以上の個体が激しく飛び回っています。 
最後まで飛んでいた個体が、シダの葉に着陸しました。 

同じレック型求愛でも、ユスリカの群飛(蚊柱)とは様子がまるで違いますね。 

関連記事(1、10年前の撮影)▶  


実は、今回撮影した動画素材の順番を入れ替えています。 
ハイスピード動画を一番初めに撮影していて、私が近づいたせいなのか群飛が次第に解消しました。 




【考察】 
ヒゲナガガ科の仲間は、♂が求愛のために群飛をすることで有名です。 
私が山道を通りかかったせいで、ヤマキヒゲナガ♂の群れが警戒して下草から飛び立った訳ではありません。 
群飛を見つけた私がそっと近づいて、動画で撮影したのです。 

くらべてわかる蛾1704種』という図鑑にヤマキヒゲナガは非掲載でしたが、ヒゲナガガ科についての解説を読むと、
小型。♂の触角は前翅長の3倍以上と非常に長い。♀の触角は♂の半分以下と短く、基半部に黒い毛が生え太く見える種が多い。♂は昼間長い触角をたなびかせて競い合うように群飛する。 (p15より引用)
日本動物大百科9昆虫II』によれば、
ヒゲナガガ科には群飛する種と群飛しない種がいる。(中略)クロハネシロヒゲナガは、日中、草地を低くとびかうのが見られ、多数の♂が同じ場所で白い触角を目立たせて飛翔することもあるが、これらの♂は互いにまったく無関心で干渉がないように見える。 群飛をするホソオビヒゲナガでは、♂がからみあって上下するような飛翔をする。樹上のかなり高い位置で群飛することもあり、カ類の群飛と見まちがえることもある。(p71より引用)
ヒゲナガガ類の♂では極端に長くなっていて、前翅長の2〜3倍の長さがある。これは群飛のときバランスをとるのに役立つのかもしれない。(p25より引用)
ヒゲナガガ科の♂は多数が集まって求愛のためのレックを形成し、群飛で♀を誘引して飛びながら交尾するのだそうです。
資源とは特に関係の無い場所に集まった雄が、そこで小さな縄張りを作り、求愛のディスプレイを行う。 このような行動をする雄たちをレック (lek) という。レックが求愛のディスプレイで自分をアピールし、雌を呼び寄せて交尾をするというのがレック型一夫多妻である。
ヤマキヒゲナガ幼虫の食草が何なのか、解明されていないそうです。 
産卵に来る♀を待ち伏せするために、食草の付近で♂がレックを形成している可能性もあります。 
今回ヤマキヒゲナガ♂が留まっていた植物(シダ植物や灌木)の種類をまじめに同定すべきでしたね。 
また、羽化した直後の♀と交尾する可能性もありますが、どこで羽化するかも分かっていないらしい。 

ヤマキヒゲナガの群飛(求愛レック)で性フェロモンを放出している個体は♀♂どちらなのか、という点がとても大切な問題になります。 
そして、性的二型の触角の機能とも関連してきます。 
ヤマキヒゲナガの性フェロモン分子の実態はまだ化学的に同定されていません。 
他の多くの蛾の仲間と同様に、♀が性フェロモンを放出していると仮定した上で、♂の長い触角は空気中の微量な性フェロモンを検知しやすくするための進化適応だというのが、ネット上に流布する定説になっているようです。 
しかし、この定説を誰が言い出したのか、一次ソース(出典)や科学的根拠を見つけられませんでした。 

私はこの定説にどうしても納得できません。 
ヒゲナガガ触角の性的二型が長短の違いだけなら、私も定説に文句をつけたりしないのですが、そうではありません。
ヒゲナガガ♂の触角はただただ異様に長いだけで、単純な形状(糸状)だからです。 
一方、♀の触角は♂よりも短いものの、基部に黒い短毛が密生していて、太くなっています。 
つまり触角の表面積は♀の方が圧倒的に大きくて、微量な性フェロモンを検知しやすくなっています。 
性フェロモン受容体の分布を直接調べることが出来たら、解決するはずです。 
ヤマキヒゲナガ♂は群飛しながら性フェロモンを放出し、♀が視覚的および化学的(嗅覚的)シグナルで誘引されて群飛に飛び込み、1頭の♂と交尾する、というのが私の仮説です。

また、ヤマキヒゲナガの♂は何を頼りにして求愛レックを形成するのでしょうか? 
♀が来そうだと思う場所(目立つ茂みの近くなど)を個々の♂が判断し、結果として複数の♂が集まってくるだけかもしれませんが、いかにも効率が悪そうです。 
遠くまで聞こえる鳴き声(聴覚的なシグナル) を発している訳でもありません。
白くて長い触角や翅の金属光沢など視覚的なシグナルを頼りにして、♂たちが集まってくると考えられているそうです。 
集合フェロモンを放出しているかもしれない、と私は思いつきました。(嗅覚的、化学的なシグナル) 
♂が放出する(と個人的に仮定している)性フェロモンと集合フェロモンは別個の分子かもしれませんし、同じ分子が受け手の性別によって異なる効果をもたらすのかもしれません。 

ヒゲナガガの群飛はなかなか面白そうな研究テーマですが、配偶行動の観察だけでなく、食草や飼育法を確立するところから始める必要がありそうです。 
長い触角を実験的に切除すると、飛翔や配偶行動のどの過程に支障を来すでしょうか?

木の葉の表面に居座って周囲を360°見回していた♂個体は、これからまさに他の♂と合流してレックを形成し始めるところだったのかもしれません。 


今回もPerplexity AIを相談相手に調べ物をしたり、観察結果の解釈についてしつこく問答を繰り返しました。
ブレインストーミングの結果を以下のレポートに要約してもらいました。 (文言の一部を手直し済み)
もっともらしい専門用語を駆使して、かなり背伸びをした「それっぽいこと」を生成AIが言ってるだけなので、ご注意ください。
AI自身が私の動画を視聴した上でヤマキヒゲナガ♂の行動を独自に解釈している訳でもありません。
今後の展望についても、素人には手に余ることばかりです。
いずれ誰かが解明してくれることを期待します。


ヤマキヒゲナガ♂の群飛行動と配偶システムに関する考察

Ⅰ. 観察概要

  • 日時・場所:2024年5月下旬・山形県の里山(草木に覆われた山腹の急斜面)

  • 気象条件:曇天・無風状態

  • 行動特徴

    • 少なくとも4頭の♂が同一空間で緩やかな群飛

    • 飛翔個体に加え、シダ植物と広葉樹幼木(推定:ニワトコ・オシダ?)に静止する♂が混在

    • オス同士の闘争行動は確認されず

    • メスおよび交尾行動は未観察

Ⅱ. 行動生態学的解釈

1. 群飛の機能仮説

  • レック型配偶システム

    • オスが特定の微気象条件(風速・日照)下で集団飛翔し、メスの訪問を待機1

    • ヒロオビヒゲナガ(N. raddei)の日没前スウォーム行動との類似性

  • 待機戦略の多様性

    • 飛翔個体:視覚的アピールによるメス誘引

    • 静止個体:エネルギー節約型の待機戦略

2. 触角の形態と機能

  • オス触角の特徴

    • 体長の3倍に達する糸状触角(全長約15mm)

    • 表面積は♀触角(毛密生)の1/5以下

  • 機能仮説

    • フェロモン検知:未検証(従来説の再考必要)

    • 飛翔安定装置:長い触角が「生物学的スタビライザー」として機能6

    • 視覚シグナル:光反射による個体間通信

3. フェロモンシステムの特殊性

  • 従来説との矛盾

    • ヒゲナガガ科では♀発信型フェロモンが主流とされる

    • 本種では♂がフェロモンを放出している可能性

  • 二重機能仮説

    • オスフェロモンが同性を集合させ(集合フェロモン)、同時に♀を誘引

Ⅲ. 未解決問題と研究課題

1. 行動メカニズム

  • 群飛形成の誘引要因(化学的/視覚的/地形的)

  • 静止個体と飛翔個体の役割分業

  • メスの出現パターンと時間帯依存性

2. 生理学的課題

  • 触角切除実験による飛翔安定性の定量評価

  • 分泌物質のGC-MS分析によるフェロモン同定

  • 触角感覚器の走査型電子顕微鏡観察

3. 進化的意義

  • 小型化(体長5-7mm)と触角長大化の相関

  • レイノルズ数(慣性力と粘性力の比)低下環境(体長比Re≈100)での飛翔制御適応

  • 種特異的フェロモンシステムの分子基盤

Ⅳ. 今後の観察指針

  1. 時間帯別行動記録:日出~日没まで1時間毎の個体数変動

  2. 環境要因記録

    • 気温・湿度・風速の連続測定

    • 植物フェノロジー(開花・新芽展開)との関連

  3. 標識再捕法

    • 蛍光粉末による個体追跡

    • 行動圏と移動距離の推定


総括

本観察はヒゲナガガ科の配偶システム解明において以下を示唆:

  • 従来の「♀発信型フェロモン」モデルに当てはまらない可能性

  • 触角の多機能性(感覚・飛翔制御・視覚信号)の共存

  • レック行動の多様性(闘争なき集団形成)

今後の詳細な行動観察と化学分析が、昆虫の微小環境適応戦略解明に貢献すると期待されます。216

  1. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9939265/
  2. https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kenmin/ao-kendo/files/H24dmns-1.pdf
  3. https://www.city.hiroshima.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/011/855/45554.pdf
  4. https://hs-gakko.org/wp-content/uploads/2024/03/ikimono.pdf
  5. http://www.esj.ne.jp/meeting/51/pdf/book/jes51p2.pdf
  6. interests.insect_physiology
  7. http://www.jpmoth.org/Adelidae/Adelinae/Nemophora_japonica.html
  8. https://company.jr-central.co.jp/chuoshinkansen/assessment/document1408/kanagawa/_pdf/eis2_kanagawah14.pdf
  9. https://www.city.minokamo.lg.jp/uploaded/attachment/2441.pdf
  10. https://www.city.nobeoka.miyazaki.jp/uploaded/attachment/8659.pdf
  11. https://www.ars.usda.gov/ARSUserFiles/20200500/Pubs%202020/HullFonagy%202019.pdf

【アフィリエイト】 

ランダムに記事を読む