各種の花を訪れるほか、路上で吸水したり、腐果・樹液・獣糞に集まるほか、人の汗もよく吸う。(p212より引用)
2025/10/31
ヒトの汗や皮脂を吸汁するコミスジ:ミネラル摂取
2025/10/23
アオバセセリの飛び立ち
2025/10/21
ミズナラ幼木の葉から葉に飛び回り産卵するムラサキシジミ♀【FHD動画&ハイスピード動画】
産卵条件の未成立
ムラサキシジミは新芽や柔らかい葉柄基部を好むため、ミズナラの新芽が適度に展開していない場合は産卵を見送ることが多い。7月中旬はミズナラ新梢の成長期が過ぎて葉が硬化していることが多く、産卵に適する状態ではない可能性が高い。実際、観察例では「近くに新芽が控えていない枝では探索のみで去る」行動が確認されている。
成熟段階と時期の問題
ムラサキシジミは多化性で、7月個体群の一部は羽化直後でまだ成熟期に達していない雌が多い。産卵器官が完全に成熟する前は、産卵行動の探索だけを繰り返すことがある。そのため、見かけ上「産卵探索のようで産卵しない」行動が頻発する。気温が高い時期は交尾や体内卵形成が遅れる場合もある。
(3)南方性のチョウの分布拡大について。
ムラサキシジミ(Narathura japonica)はもともと九州・四国・本州中部以南の暖地性樹林性シジミチョウだが、近年では明確に北方へ分布を拡大しており、山形県での記録も珍しいながら定着しつつあるとされる。nacsj+4
山形県での記録
山形県では2010年代以降に複数の観察が報告されており、山形市や鶴岡市など県内各地で確認例がある。特に2015年には山形市で雌の採集記録が報告され、これが「温暖化に伴う北進例」として全国的に注目された。従来、ムラサキシジミの分布北限は宮城県南部付近とされていたが、現在は山形県内にも不定期に出現している。nanyodoshoten+3
北進と温暖化の関係
日本全体でみると本種は1990年代以降に急速に北上しており、その要因として地球温暖化による冬季気温上昇が主要因と考えられている。越冬は成虫で行うため、厳しい寒さが続く地域では生存が難しかったが、近年は冬季の最低気温が上昇し、北方でも越冬可能になったとみられる。また、寄生蜂などの天敵が分布北限では未到達であり、これが繁殖成功率を高めているという研究結果もある。kpu+3
まとめ
山形県でのムラサキシジミ記録はまだ多くはないが、2010年代以降しばしば確認されるようになった。
その要因は、温暖化による冬の気温上昇と寄生者不在による生存率上昇が主と考えられている。
現状では散発的な発生段階だが、今後定着が進む可能性が高い。
したがって、山形県での出現はかつては稀であったが、 近年の地球温暖化と気候緩和の影響を受けた北進個体群の一部であるとみるのが妥当である。
ムラサキシジミの学名については、Narathura japonica (Murray, 1875) が現在の日本国内の分類体系(たとえば日本鱗翅学会・日本チョウ類保全協会など)で主に採用されているが、Arhopala japonica (Murray, 1875) も依然として国際的な文献では通用しており、両者は**同じ種を指すシノニム(異名)**である。digital-museum.hiroshima-u+4
分類学的経緯
もともとMurrayが1875年に発表したときはArhopala japonicaとして記載され、その後、Arhopala属を細分する見解の中でNarathura属が独立され、日本の研究者によって本種がNarathura属に移された。両属の区別点は翅脈や♂交尾器などに基づくとされるが、明確な形態的境界がないため、近年もどちらの属に置くかは研究者の体系によって異なる。pteron-world
命名上の優先順位
両方とも同じ記載者Murrayおよび同年(1875)であるため、国際動物命名規約(ICZN)上では「記載時の原属名」――すなわちArhopala――が名義上の原組み合わせとして優先されるが、実際の「有効名(valid combination)」としては分類体系で採用される属名に従う。そのため、分岐学的にNarathuraを独立属と認める場合にはNarathura japonicaが有効名となり、そうでない体系ではArhopala japonicaが使用される。mizumoto-koen.blogspot+1
現行の整理
日本鱗翅学会や広島大学デジタル博物館など国内主要機関では Narathura japonica (Murray, 1875) を採用。wikipedia+1
海外のデータベース(EoL, GBIF, LepIndexなど)では Arhopala japonica (Murray, 1875) が主流。sugisaka.sakura+1
結論として、どちらも正しいが、属の扱いが異なるだけで同一種を指す。命名規約上の原記載は Arhopala japonica、しかし日本国内の現行標準は Narathura japonica である。
2025/10/15
ノダイコンに訪花するモンシロチョウ春型♂の羽ばたき【FHD動画&ハイスピード動画】
2025/10/11
マミガサキアザミの花で採餌するハナバチの一種がキマダラセセリに体当たり(占有行動?)
ハナバチが他の昆虫(例:チョウ)に体当たりして花から追い払う行動は、偶発的な衝突だけでなく、実際に蜜源植物や採餌資源を守る「占有行動」や「排除行動」として観察されることがあります。
ハナバチによる訪花虫の排除行動
多くのハナバチ(特に大型のミツバチ、マルハナバチ、単独性ハナバチ)は、給餌・繁殖資源である花が限られている場合、近づく他の花訪者(チョウ、ハエ、別種あるいは同種のハチ)に対して「アタック」や「体当たり」、威嚇飛翔、時に追い払いを行うことがある。
こうした行動は「餌場の占有(resource guarding)」または「テリトリアル(territoriality)」と呼ばれ、特に蜜源が限られる状況や豊富な蜜・花粉を持つ花で顕著に見られる。
チョウ以外にも、ハナアブや他の花訪問性昆虫に対してしばしば見られる。
偶発的な衝突との区別
偶然の衝突事故も、蜜源の上で訪花昆虫が多い場合や、花での動きが重なると時折発生する。
しかし、特定のハナバチが意図的に直線的に飛んで相手にぶつかり、相手が花から離れた場合は「攻撃的な排除行動」の可能性が高い。
一節には、マルハナバチ属では蜜源の縄張りを主張するため、積極的に他個体を威嚇または追い払い、同じハチ同士でも激しい排除が観察される。
まとめ
ハナバチが他の昆虫を花から追い払う行動は、「蜜源防衛(占有)行動」として複数の研究で記録されています。観察した現象が意図的に思われた場合、偶発的な事故ではなく、資源の独占のための進化的に適応した行動と考えて問題ありません。
参考文献・補足
より詳細な行動や具体的な種例が知りたい場合、英語では"bee territoriality at flowers"や"bee aggressive displacement behavior"などが文献検索キーワードとなります。
: 複数のハチ種で花上の他昆虫への攻撃的排除行動が報告されている専門文献
: マルハナバチの“餌の独占行動・追い払い”観察例
: 訪花生物間の資源競争、蜜源独占行動を扱った研究レビュー
観察された「ハナバチがセセリチョウに体当たりしたが、ハナバチ自身が逃げてしまい、結局セセリチョウが同じ花に戻った」という事例は、蜜源の占有(競争)行動や排除行動が必ずしも成功するとは限らないこと、そして花上での種間相互作用が一方的でないことを示しています。knowledge.carolina
占有・排除行動の「失敗」もある
ハナバチが他の昆虫(例えばチョウ)に対して追い払いや体当たりを試みても、相手があまり驚かなかった場合や、逆にハナバチ自身が脅威を感じて離脱することは珍しくありません。knowledge.carolina
特に、相手(この場合セセリチョウ)が比較的動じずに花に留まった、あるいはハナバチが意外な反応を示して逃げる、といった現象は、「競争的排除が必ず成立するわけではない」「個体の性格や状況によるバリエーションがある」ことを反映しています。plantsciencejournal+1
花上での昆虫間関係の多様性
花上の昆虫間でみられる占有・競争行動は、状況や個体の強さ・行動特性により結果が異なり、排除が失敗する場合も実際に観察されています。plantsciencejournal+1
セセリチョウの多くは花の上で動じずにとどまりやすく、ハナバチもサイズや性格によっては「威嚇してみたが自分が驚いて退く」ことが起こり得ます。knowledge.carolina
まとめ
蜜源をめぐる占有・排除行動は多くの訪花昆虫で見られますが、必ずしも「排除に成功する」とは限らず、失敗例や挙動にバリエーションがあることは生態的に自然な現象です。今回のケースも、実際のフィールド観察例として重要な「行動の幅」の一端です。plantsciencejournal+1
【アフィリエイト】
2025/09/23
ハルジオンの花蜜を吸うウスバアゲハ
2025/09/17
オニグルミの堅果に誘引される謎の夜蛾を狩り損なった野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】
幼虫がバラ科果実やくるみ果実及び核子に食入し、加害する。(植物防疫所の病害虫情報サイトより引用)
日本の野山に生息する貯穀害虫の蛾の例としては、ノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)が挙げられます。この蛾は世界中で知られる貯穀害虫で、穀物を中心に乾燥食品に産卵・幼虫が食害を起こしますが、日本国内でも野外で確認例があります。貯穀害虫の野生生息・飛来可能性ノシメマダラメイガは主に屋内や貯蔵施設での被害が多いため「貯穀害虫」と分類されますが、野外でも発生例が報告されており、山間部や林縁、果樹園付近などに普通に飛来します。幼虫は穀物・乾燥植物質を食べるため、野山の落ち果実、落ち種子、乾燥した植物材にも自然に入り込み生息できる環境がある可能性があります。乾燥堅果や植物種子を餌にしていることが確認されているため、野外に置かれた乾燥オニグルミ堅果に飛来する蛾として全くありえない話ではありません(Perplexityの回答)
カシノシマメイガは主に人家周辺や貯穀庫で発生しますが、里山や山間部の林縁など自然環境にも普通に飛来・生息しています。したがって、里山のオニグルミ堅果に飛来した大型で幅広い翅を持つ蛾として十分に現実的な候補種です。(Perplexityの回答)
アンズの落果に飛来した夜行性の蛾(果実吸蛾類?)【トレイルカメラ:暗視映像】
・果実吸蛾類とは、多くの種類の果実に口器を刺し込んで果汁を吸汁する蛾類を総称していう。
・多くが鱗翅目ヤガ科に属することと、その加害活動が主に夜間に限られることが特徴。
・吸蛾類は成熟して軟化した果実、また高い甘みをもつ果実を好む。
・加害を受けた果実は、二次的に菌類が寄生するなどして、やがて腐敗する。
・成虫は丈夫な鋭い口器をもち、成熟前のかなり硬い果実も吸収するほか、袋の掛った果実でも果袋を通して吸収加害する能力をもっている。 (以上、p106より抜き書き引用)
虫好き・蛾好きとしては、夜な夜な果樹園を巡って蛾を探してみるのも面白そうです。(もちろん立ち入る許可が必要です。)
2025/09/07
ムラサキツメクサの花蜜を吸い飛び回る春型のキアゲハ♀【FHD動画&ハイスピード動画】
2025/09/03
向かい合ってペアで並ぶフタツメオオシロヒメシャク(蛾)の謎【FHD動画&ハイスピード動画】
フタツメオオシロヒメシャクは本来南方系の蛾で、暖地性とされており、従来は九州以南でよく見られ、本州の温暖な地域にも分布しています。しかし、最近の温暖化の影響で、九州以北の地域にも生息域を拡げているという記録があります。 山形県などの北国でも、近年の気候変動による温暖化で成虫が見られる可能性が高まっていると言えます。6月中旬の山形県の里山での観察も、温暖化の影響が関わっている可能性があるため、暖地性でありながら見られることは十分にありえる状況です。 まとめると、山形県には以前は分布していなかった種かもしれませんが、近年の温暖化に伴い北上し、見られるようになったと考えるのが妥当です.フタツメオオシロヒメシャクの食餌植物はモクセイ科らしいのですが、私のフィールドで自生するモクセイ科の樹木はマルバアオダモぐらいしか思いつきません。
2025/09/01
ニホンザル♀の採食メニュー(アキノノゲシやノブドウの若葉、イモムシ、など)
オオイヌノフグリの花蜜を吸うモンシロチョウ春型♂
・定花性(flower constancy)とは、花粉媒介動物であるポリネーターが同じ種類の植物を連続して訪問する性質です。
・定花性とは、同等(またはそれ以上)の価値が ある他の種類の花があるにもかかわらず、個々の訪花者が、決まった種類の花を連続して訪 花する行動のことである。