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2024/04/26

山道の土を舐めてミネラル摂取するエゾミドリシジミ♂?【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年7月下旬・午前11:55頃・晴れ 

里山の細い林道でゼフィルスの一種が地面を歩き回っていました。 
翅を閉じたままなので、日光浴ではありません。 
弱っているとか、飛翔能力に何か問題のある個体なのか?と思って動画を撮り始めました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:25〜1:39) 
動画をじっくり見直すと、オレンジ色っぽい口吻を伸ばして地面を舐めていることが分かりました。 
性成熟に必須のミネラル成分(ナトリウムイオンやアンモニウムイオンなど)を摂取する行動と分かり、納得しました。 
水溜まりなど湿った地面なら吸水のついでにミネラルを摂取できますが、乾いた地面を舐める際には胃から水分を吐き戻して溶かしたミネラルを摂取しているのでしょう。 

関連記事(13年前の撮影)▶ エゾミドリシジミ♀の塩分補給 


長い口吻をゼンマイ状にくるくると丸めてから飛び立ちます。 
翅裏の色は地味ですけど、羽ばたくと翅表の美しいエメラルド・ブルーが目につきます。 
翅表が派手なのは、ゼフィルス♂の特徴です。(顕著な性的二型)
短く飛んで、山道のあちこちで地面の味見をしています。 
林道に落ちていた金属製のスプリング(バネ?)のような物の上を歩いて通り過ぎたものの、その金属をじっくり舐めることはありませんでした。
金属ではなくプラスチックだったのかもしれません。 

地面から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:41〜) 
翅表の美しい構造色をしっかり撮るのが目的です。 
ゼフィルスは林道の地面が乾いて土がひび割れた地点に再び着地し、歩いていました。 
しっかり閉じた翅がときどき横倒しになるのは、風に煽られているようです。 
飛び立つと夏の強い日差しを浴びて、翅表がエメラルドグリーンに煌めきました。 
翅の角度によって青っぽく見えたり緑っぽく見えたりします。

さて、このゼフィルスを映像から同定できるでしょうか? 
翅があちこち破損した個体で、尾状突起も失われていました。
エゾミドリシジミ♂(Favonius jezoensis)またはジョウザンミドリシジミ♂(Favonius taxila)ではないかと思うのですが、どうでしょう? 


つづく→ゼフィルスが天敵に襲われて危機一髪! 


栗田貞多男『ゼフィルスの森:日本の森とミドリシジミ族』によると、
 高等ゼフィルスの♂では、早朝あるいは活動時間の後半に地表や葉上、枝などに残った水分を吸液するシーンによく出会う。とくに顕著なのはアイノミドリシジミで、午前10時ごろから昼にかけて、テリトリー周辺の路上や下草に舞い降りて吸水を繰り返す。まるで草原性のシジミチョウのように地表近くを弱々しく飛ぶが、数回の吸水を終えると生き返ったかのようにすばやい飛翔スピードで、森の中や梢へと飛び去る。この吸水習性は、栄養分というよりは純粋に水分の補給のように思われる。ジョウザンミドリシジミやエゾミドリシジミ・メスアカミドリシジミも同じ吸水行動が見られるが、アイノミドリシジミよりは弱い。 
 ハヤシミドリシジミは早朝、カシワの葉上あるいは芽の基部などにたまった水滴を吸うことが多い。この場合、単に水分だけを吸水しているのか、あるいは樹液、野鳥のフンなどの溶解分、アリマキや小昆虫などの分泌物や死体などからのエキスなどもあわせて吸液しているのかはたしかではない。 (p127より引用)
「湿った路上で吸水するメスアカミドリシジミ」と題した写真も掲載されていました。 


蛭川憲男『水場に集まる生きものたち』という本のp43に、 「吸水するミドリシジミ♂」と題した生態写真が掲載されていました。 
砂利道の砂を舐めているようです。 


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金属のスプリングを舐めるか?

2024/04/22

オレガノの花蜜を吸い飛び回る夏型のキタテハ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年7月中旬・午前11:55:頃・晴れ 

民家の裏庭の花壇に咲いたオレガノ(別名ハナハッカ)の群落で夏型のキタテハ♀(Polygonia c-aureum)が訪花していました。 
翅をときどき開閉しながら吸蜜しています。 

風が強く吹いて虫撮りには最悪のコンディションでしたが、240-fpsのハイスピード動画に切り替えて撮ると、風揺れが気にならなくなります。(@0:19〜)。 
というか、ハイスピード動画モードに切り替えた途端に風が静かに収まってしまいました。(まさにマーフィーの法則) 
隣のオレガノ花序でハナバチの一種♀が歩き回りながら採餌していますが、キタテハには干渉しませんでした。 
キタテハも最後に力強く羽ばたいて飛び去りました。 


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2024/04/18

リョウブの花蜜を吸うイチモンジチョウ♀

 

2023年7月下旬・午後13:15頃・晴れ 

山道の横に咲いたリョウブの灌木でイチモンジチョウ♀(Limenitis camilla japonica)が訪花していました。 
意外にも、この組み合わせは初見でした。 
ゆるやかに翅を開閉しながら吸蜜しています。 
前翅の中室内の白斑が不明瞭ながらもあるので、性別は♀のようです。 
少し飛んで別の花序に移動し、吸蜜を続けます。 
今度は翅裏をしっかり見せてくれました。 

イチモンジチョウ♀がリョウブの花から飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:36〜)

2024/04/14

オレガノの花蜜を求めて飛び回るウラギンスジヒョウモン♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年7月中旬・午後12:00頃・晴れ 

民家の裏庭に咲いたオレガノ(別名ハナハッカ)の群落でウラギンスジヒョウモン♂(Argyronome laodice japonica)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
半開きの翅を開閉しながら吸蜜しています。 
前翅の翅表には性斑(性標)の黒条が2本あります。 

オレガノの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:50〜) 
晴れていても風が強く吹く日でした。 
スーパースローにすると、悩ましい風揺れも気にならなくなります。 
ウラギンスジヒョウモン♂は味見して蜜量が少ないと、少し飛んで隣の株の花序へ移動します。 
探餌飛翔中のキイロスズメバチ♀(Vespa simillima xanthoptera)や採餌飛翔中のクロマルハナバチ♀(Bombus ignitus)もカメオ出演してくれました。

2024/04/07

矮小ヒマワリの花蜜を吸うベニシジミ夏型

 

2023年7月中旬・午前10:10頃・くもり 

民家の裏庭の花壇で矮性ヒマワリ(向日葵)がプランターの中に咲いていました。 
矮小化したヒマワリの品種を初めて見ましたが、草丈が目測で15〜20cmしかありません。 
矮性ヒマワリやミニヒマワリとして種子が園芸店やホームセンターで販売されているようです。 

そこにベニシジミ夏型のベニシジミLycaena phlaeas daimio)が訪花していました。 
ヒマワリとベニシジミの組み合わせは初見です。 
まだ開花したばかりなのか、黄色い舌状花の花弁が開ききっていません。 
中央の茶色い筒状花に止まって翅を閉じたまま、口吻を伸ばして吸蜜しています。 
途中から翅を半開きにして歩き回り、向きを変えてくれたおかげで翅表が見え、夏型と確定しました。 
矮小向日葵の花から飛び立つ瞬間をハイスピード動画で撮ろうとカメラの設定を切り替えている間に、ベニシジミは飛んで逃げてしまいました。 


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2024/04/06

ニセアカシア樹上で青虫を狩って肉団子を作るセグロアシナガバチ♀

 

2023年7月中旬・午前10:20頃・くもり 

道端のニセアカシア(別名ハリエンジュ)セグロアシナガバチPolistes jokahamae)のワーカー♀が葉に止まっていました。 
前伸腹節に黄紋が無いので、キアシナガバチではなくセグロアシナガバチと分かります。 

背側から見ても何をしているのか分からなかったのですが、葉の表面の水滴または甘露を舐めているのかと初めは想像しました。 
ニセアカシアに花外蜜腺があるという話は見聞きしたことがありません。 
本家のアカシアには花外蜜腺があるらしいです。 
実際に隣の葉には、アブラムシの甘露が乾いたような痕跡が残っています。 
しかし朝露は付いていませんでした。 

突風が吹いてニセアカシアの葉がめくれても、セグロアシナガバチ♀は振り落とされず葉にしがみついています。 
撮影中は気づかなかったのですが、動画をじっくり見直すと、小さな青虫を大顎で咥えて肉団子にしているところでした。 
蜂の口元がよく見えるよう、画面を2倍に拡大した上で1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
ニセアカシアの葉を食べる蛾の幼虫(種名不詳)を狩った直後だったようです。 
蜂に胸部を噛まれた青虫は必死で暴れています。 
セグロアシナガバチ♀が獲物の肉団子を持って巣に飛び去るシーンはうまく撮れませんでした。

フィールドで少しでも気になることがあったら、駄目元で何でも動画で記録しておくのが大切です。 
(何でもなければ動画ファイルを削除すればよいのです。) 
風が強くて虫撮りには最悪のコンディションでしたが、スローモーションにすれば気にならなくなります。 
むしろ、突風が吹いて蜂が横を向いてくれたおかげで、何をしているのか判明しました。 

私のフィールドでは最近、キアシナガバチに代わってセグロアシナガバチが増えてきたという印象があります。 
以前、私にとってセグロアシナガバチはレアだったのに、もはや珍しくなくなりました。
定量的にきっちり調べた訳ではありませんが、温暖化や都市化が進行した影響なのかと疑っています。 

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2024/04/01

トリアシショウマの花蜜を吸うメスグロヒョウモン♂

 

2023年7月中旬・午後12:05頃・くもり 

山道の横に咲いたトリアシショウマの群落でメスグロヒョウモン♂(Damora sagana)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
半開きの翅を軽く開閉しながら吸蜜しています。 
翅が無傷できれいな個体でした。 

ヒョウモンチョウの仲間は翅裏の斑紋を見ないと同定が難しいのですが、なかなかしっかり見せてくれません。 
念じながら待っていると、後半にようやく向きを変えてくれて、メスグロヒョウモン♂と判明しました。

2024/03/23

モクゲンジを訪花中に求愛してくるオオチャバネセセリ♂と交尾拒否する♀

 

2023年7月上旬・午後16:10頃・晴れ 

民家の裏庭に咲いたモクゲンジに複数個体のオオチャバネセセリ♀♂(Zinaida pellucida)が訪花していました。 

まず、クゲンジの葉に乗っている個体に注目しました。 
♀が飛来するのを待ち伏せしている♂なのでしょうか? 
それとは別に、右の枝で訪花中の個体♀がいました。 
その♀が花から花へと少し飛ぶと、葉上の個体♂が目敏く見つけて追尾開始。 
花に止まった♀の周囲を♂がホバリング(停空飛翔)しながら飛び回りました。 
2頭はすぐに別れてしまったのですが、何が起きたのか1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。(@0:24〜) 
ホバリングする♂の激しい羽ばたきで♀の翅にバシバシと何度も軽く触れていました。 
求愛を受けても♀は翅をしっかり閉じたままです。 
これが交尾拒否の姿勢なのでしょう。 
♂は諦めてすぐ飛び去りました。 

独りになった♀はようやく落ち着いて口吻を伸ばすと、モクゲンジの花蜜を吸い始めました。 
しばらくすると♀も次の花に飛び去りました。 
オオチャバネセセリは羽ばたきが速過ぎて、ハイスピード動画で撮らないと翅表の斑紋がしっかり見えませんね。



オオチャバネセセリ♀@モクゲンジ訪花吸蜜

2024/03/19

山道を横切り道端の草に登るタケカレハ(蛾)の幼虫

 

2023年7月上旬・午後15:35頃・くもり 

里山の林道でタケカレハEuthrix albomaculata directa)の幼虫を見つけました。 
砂利道を横断すると、道端に生えたイネ科の草(種名不詳)に辿り着くや否や、葉先から伝ってよじ登り始めました。 
イネ科の草がタケカレハ幼虫の食草ですから、食草に向かって移動していたのは、ごく自然な行動です。 

私が草むらをかき分けて接写しようとすると、タケカレハ幼虫は警戒して動きを止めました。(擬死?) 
大きさの比較対象として、私の左手の指を横に並べてみました。 
このときうっかり指が幼虫の毛先にちょっと触れてしまいましたが、その後タケカレハの毒毛にかぶれた記憶はありません。
(タケカレハの)幼虫は長い毒針毛の束を頭部付近と尾部付近に1束ずつ持っている。カレハガ、マツカレハなどの幼虫とは違い、刺激を受けても、この束は膨らまない。 (wikipediaより引用)
黄色に黒い斑点が並ぶ配色は目立ちますから、おそらく天敵(捕食者)に対して毒毛の存在を誇示する警告色なのでしょう。 
素手で直接触れませんから、近くの葉をちぎりとって、その葉先で毛虫をツンツン突いてみました。 
すると慌てて活動を再開しました。(逃避行動) 
頭部をときどき左右に振って探索しながら、全身の蠕動運動で草の葉身を登って行きます。 
足場の葉が細いため、綱渡り中にときどき体重のバランスを崩して左右に転がり落ちそうになりますが、腹脚および胸脚で葉をしっかり掴んでいるため落ちません。 

「冒頭でタケカレハ幼虫の近くにヤドリバエ(寄生ハエ)が来てたかも?」と野帳に記してあるのですが、映像を見直してもハエは写っていません。 
クロアリをハエと誤認したのかな?

関連記事(11年前の撮影)▶ タケカレハ幼虫に寄生したヤドリバエ科の一種 


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2024/03/16

セイヨウタンポポの花蜜を吸うウラギンヒョウモン♂と謎の寄生蜂

 

2023年6月中旬・午前9:10頃・晴れ 

水田の畦道に咲いたセイヨウタンポポウラギンヒョウモン♂(Fabriciana adippe)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。
タンポポの頭花に乗ってゆっくり回り、翅を軽く開閉しながら長々と吸蜜しています。 
前翅の表側に性斑(性標)の黒条が見えたので♂と分かります。 

撮影中には気づかなかったのですが、長い産卵管を持つ黒くて小さな寄生蜂♀(コマユバチ科?)が同じセイヨウタンポポ頭花に何度も飛来、訪花していました。 
小さい寄生蜂の存在をウラギンヒョウモン♂は全く気にせず(眼中になく)、花蜜に夢中です。 
蝶の成虫に産卵するタイプの寄生蜂♀を私は見聞きしたことがありません。 
訪花中のウラギンヒョウモン♂に謎の寄生蜂♀は積極的に近づいたり触れたりしませんでした。 
チョウの♀が食草に産みつけた直後の卵に産卵するために、寄生蜂♀がチョウ♀を尾行しているとしたら非常に面白いのですが、今回のウラギンヒョウモンは♂です。 
卵に産卵するタイプの寄生蜂の産卵管は、これほど長くない気がします。 
なんとなく、鱗翅目(チョウ・ガ)の幼虫や蛹に産卵するタイプの寄生蜂のような気がします。 
したがって、今回撮れた2種のニアミスは偶然(たまたま)だと思います。 

最後にようやく飛び立ったウラギンヒョウモン♂は、すぐに同じセイヨウタンポポ頭花に舞い戻りました。 
よほど花蜜の量が多いのでしょう。 
周囲の湿地帯からオオヨシキリ♂(野鳥)やヒヨドリの鳴く声♪が聞こえます。 

寄生蜂の思わせぶりな行動をじっくり見るために、1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう(@3:00〜)。 
複数(2、3匹)の寄生蜂が繰り返し飛来していました。 
隣のタンポポの葉に一旦止まって様子を窺っている個体もいます。 
田んぼの畦道には他にも花が点々と咲いているのに、なぜ寄生蜂は特定のセイヨウタンポポの頭花に複数個体が集まり、しかも執着しているのでしょうか? 
そう考えると、やはり吸蜜中のウラギンヒョウモン♂に寄生蜂♀は興味があるのだろうと思いたくなります。 
タンポポの花に潜り込んで吸蜜していた寄生蜂が飛び上がり、ウラギンヒョウモン♂の前翅に一瞬だけ着地していました。(@3:53〜) 
果たしてこの接触事故は偶然でしょうか? 
蝶にぶつかったのは一度だけですから、蜜源植物を巡って占有行動をしている、つまり寄生蜂♀が自分よりもはるかに大きな蝶に体当りしてタンポポの花から追い払おうとしている、とは考えられません。
もしも、蝶の翅にぶつかった瞬間に寄生蜂♀が素早く産卵していたら、大発見です。 
しかし蝶の成虫に体内寄生しても、寄主の寿命が短ければ寄生蜂の幼虫が無事に育つのは難しいでしょう。 
私が気づかなかっただけで、実はこのセイヨウタンポポの花には寄生蜂♀の本来の寄主である何か幼虫(イモムシ、毛虫)が潜んでいたとか、その食痕があったのかもしれません。


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2024/03/14

ムシトリナデシコの花蜜を吸い飛び回るキタテハ夏型♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月下旬・午後14:30頃・曇のち晴れ 

山麓の家庭菜園の花壇に咲いたムシトリナデシコの群落でキタテハPolygonia c-aureum)が訪花していました。 
翅を開閉しながら吸蜜しています。 
この組み合わせは初見です。 
夏型の場合、翅表の色彩が淡いのは♀の特徴なのだそうです。(参考:『フィールドガイド日本のチョウ』p223) 

ムシトリナデシコの花序を歩き回っていたキタテハ♀がバランスを崩しました。 
体勢を立て直そうと羽ばたいたついでに、少しだけ飛んで移動します。 

花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:37〜) 
少し飛んで隣の花序に移動します。 

伸ばした口吻の先端で花筒の入口を探り当てると、深く差し込んで吸蜜していることがスローモーションでよく分かります。 
蜜標を目印にして訪花しているはずですが、花筒の開口部を探り当てるのに苦労しています。(視覚ではなく口吻の触覚に頼っているように見えます) 
園芸品種のムシトリナデシコでは品種改良の結果、花弁の根元にあるはずの蜜標が目立たなくなってしまったのでしょうか? 
紫外線写真を撮って確認してみたいものです。 

ムシトリナデシコ(虫取撫子)がムシトリと呼ばれる理由は、茎に強い粘着性を有する区間があり、地上から登ってくるアリなどを吸着(捕虫)するからです。 
関連記事(11年前の撮影)▶ ムシトリナデシコに来る虫の話 

捕らえた獲物を体外消化する食虫植物ではなく、送粉に寄与しないアリなどの盗蜜者が訪花するのを排除するための進化的適応と考えられています。 
今季は「虫撮り撫子」に訪花する様々な蝶を動画に撮ることが出来ました。

2024/03/12

キリンソウの花蜜を吸い飛び回るメスグロヒョウモン♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月下旬・午後14:15頃・晴れ 

山麓の神社の参道沿いに咲いていたキリンソウの群落でメスグロヒョウモン♂(Damora sagana)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
日向では暑いのか、閉じた翅をときどき半開きで開閉しながら吸蜜しています。 
日陰の花に来ると、翅をほぼ全開にして緩やかに開閉しながら吸蜜します。 
『フィールドガイド日本のチョウ』p196によると、 翅表・前翅中室内の斑紋が前縁に対して斜めとなるのでメスグロ♂と判明。 
私は今まで翅裏の斑紋でしか見分けられなかったのですが、この識別点を初めて知り、今後も役立ちそうです。 
前翅の翅表に性標(性斑)の黒条が3本あるので、♂と分かります。 

メスグロヒョウモン♂がキリンソウの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@3:49〜) 

撮れた映像素材の順番を入れ替えて編集しています。 
現場では翅裏をなかなか見せてくれなくて、同定できるまでしつこく同一個体を追い回して長撮りしました。 
翅を閉じた状態で翅裏を正対して見せてくれないと、晴れた日は翅表の斑紋が翅裏にまで透けて見えてしまい、同定に難儀することになります。 

他にシロチョウ類もキリンソウに訪花していたのに、カメラを向けたら逃げられてしまいました。

関連記事(7年前の撮影)▶ キリンソウの花蜜を吸うモンシロチョウ
 

2024/03/10

枯草に産卵するヒメウラナミジャノメ♀

 

2023年6月下旬・午後14:35頃・くもり 

農村部の畑の横でヒメウラナミジャノメ♀(Ypthima argus)を見つけました。 
道端に咲いたドクダミの群落で訪花吸蜜しているかと初めは思ったのですが、よくよく観察すると、地表の枯草に潜り込んで腹端を擦りつけています。 
地面を歩き回りながら、あちこちの枯草に腹端をチョンチョンと付けています。 
産卵中の腹端の動きをようやく側面からしっかり撮れました! 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:17〜1:46) 
ヒメウラナミジャノメ♀の産卵行動は初見です。 

本種幼虫の食草はイネ科やカヤツリグサ科の生葉なのだそうです。 (『フィールドガイド日本のチョウ』p271より) 
それなのに、食草ではなくわざわざ枯葉や枯草に産卵する行動が進化してきたのは不思議です。 
寄生蜂への対策なのでしょうか? 
しかし、ヒメウラナミジャノメの卵は薄い緑色なので、本来は緑の生葉に産卵する方が目立ちません(保護色)。 
茶色の枯草に産み付けると逆に目立ってしまうはずです。 
卵から孵化した幼虫は、近くに生えた食草を自力で探し出す必要があります。 
鈴木知之『虫の卵ハンドブック』でヒメウラナミジャノメの産卵習性について調べると、
産卵場所は、枯葉・葉(イネ科のチヂミザサなど) 。♀は食草の葉裏や周辺の枯れ葉などに、1卵ずつ産卵する。(p109より引用)

産卵の合間に休息(日光浴)する際には、翅を開きました。 
この♀個体には、後翅の外縁に切れ込み状の損傷があります。 
左右対称の損傷なので、鳥に襲われかけたビークマークかもしれません。
(多数の眼状紋で威嚇していても、飛翔中は鳥に襲われることがあるのかもしれません。)
少し休むと、次の産卵を始めます。 


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2024/03/09

ニホンアナグマの溜め糞場に飛来した夜蛾を捕食する野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年6月下旬・午後22:00頃 

平地のスギ防風林に残されたニホンアナグマMeles anakuma)の溜め糞場stmpをカメラトラップで監視すると、野ネズミ(ノネズミ)がよく写ります。 
明るい昼間に撮った現場の様子はこちらです。 

一方、夜になると暗闇のスギ林の中を夜行性の蛾が複数飛び回っています。 
ある晩アナグマの溜め糞場stmpに来ていた野ネズミが、溜め糞から飛び立った(あるいはたまたま低空で飛来した?)夜蛾に襲いかかりました。 
蛾は素早く飛んで逃げ、狩りに失敗した野ネズミは手前の切株へ立ち去りました。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 

わずか1分半後、次にトレイルカメラが再び起動すると、溜め糞の横で野ネズミが夜蛾を捕食していました。 
狩りに成功した瞬間を撮り損ねたのが残念無念。 
獲物の翅はちぎってその場に捨て、胴体だけを食べています。 
野ネズミの肉食行動は初見で、感動しました。 
野生動物のトイレでは食物連鎖の様々なドラマが静かに繰り広げられているのです。

映像からは餌食となった蛾の種類を見分けられません。
この時期(昼間)はトンボエダシャクがよく飛び回っているのを見かけますが、なんとなくシャクガ科ではなくヤガ科のように見えます。 
夜行性の蛾の中に獣糞で吸汁する種類がいるらしいということは、過去にも観察しています。 
昼行性の蝶と同じく、性成熟に必要なミネラル成分(ナトリウムイオンやアンモニウムイオンなど)を獣糞から摂取しているのでしょう。

2024/03/08

ムシトリナデシコの花蜜を吸うホシミスジ♀

 

2023年6月下旬・午前9:40頃・晴れ 

道端の花壇に咲いたムシトリナデシコの群落でホシミスジ♀(Neptis pryeri)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
翅を半開きで開閉しながら吸蜜しています。 
後翅裏の前縁から最初の翅脈までの間隔が細いことから♀と判断しました。 

ムシトリナデシコの花から飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 (@0:24〜)
ホシミスジを撮れたのはこれが9年ぶり2回目で、私にとっては珍しい蝶です。 

関連記事(9年前の撮影)▶ ヤエウツギの花蜜を吸うホシミスジ


2024/03/06

イトバハルシャギクの花蜜を吸い飛び回るモンキチョウ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月下旬・午前10:50頃・晴れ 

交差点の花壇に咲いたコスモスのような黄色い花にモンキチョウ♀(Colias erate poliographus)が訪花していました。 
いつものように、翅をしっかり閉じたまま口吻を伸ばして吸蜜しています。 
よほど蜜量が多いのか、何度飛び立っても同じ群落に舞い戻って来ます。 
隣に咲いたピンクのマツバギクの花には見向きもしません。 

関連記事(3年前の撮影)▶ マツバギクの花で吸蜜するモンシロチョウ♀


交通量の多い横の車道を車が往来しても、モンキチョウ♀はあまり気にしないで吸蜜を続けています。 

花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:45〜) 
飛び立っても同じ花に舞い降りるときには、飛翔中も口吻を丸めずに伸ばしたままでした。 
なかなか見応えのある飛翔シーンが撮れました。 
よく晴れて太陽光が強く、ハイスピード動画撮影日和でした。 


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家に帰ってからこの園芸植物の名前を調べると、イトバハルシャギクと判明。 
葉の形状が確かに「糸葉」でした。

2024/03/04

ムシトリナデシコの花蜜を吸いながら羽ばたき続けるキアゲハ春型♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月中旬・午後13:50頃・晴れ 

道端の花壇で満開に咲いたムシトリナデシコの群落に春型のキアゲハ♂(Papilio machaon hippocrates)が飛来し、訪花を始めました。 
羽化したてなのか、翅が無傷の個体です。 
腹端部の形状が尖っていることから♂と判りました。 

ムシトリナデシコの集散花序の上を歩いて移動しながら細長い花筒に口吻を次から次へと差し込んで吸蜜するので、なかなか飛び立ちません。 
訪花中も半開きの翅を忙しなく羽ばたかせながら吸蜜しています。 
ムシトリナデシコの花が風で揺れるので、羽ばたくことでバランスを取っているのかな? 
蜜源植物上であえて羽ばたき続けることで、異性に対して存在をアピールしているのかもしれません。 
(ただし、捕食者に対しても目立ってしまうという諸刃の剣です。) 
常に飛翔筋をアイドリングしてないと、天敵に襲われたときや♀が飛来したときなどに素早く飛び立てないのかもしれません。 
大型の蛾では翅を実際に大きく羽ばたかせなくても、胸部の飛翔筋だけを高速で伸縮させてアイドリングすることが可能です。
(静止時にブルブル震えているように見えます。) 
アゲハチョウ科は解剖学的にその仕組みが備わって無いのでしょうか? 

訪花シーンを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:54〜) 
吸蜜しながら、大きな翅がしなやかにしなりながら優雅に羽ばたいています。 
いつもなら、長撮りしても蝶が花から花へ飛び立つ瞬間だけを編集で切り取ることにしています。 
キアゲハは大型の蝶で訪花中にただ羽ばたいているだけでもスーパースローで見ると絵になるので、ノーカットでお届けすることにしました。 
風の強い日で被写体が激しく揺れる悪条件でも、スーパースローで見ると、風揺れが気にならなくなります。 
日差しが強くて充分に明るかったので、この日はむしろハイスピード動画の撮影日和でした。 

関連記事(7年前の撮影)▶ ムシトリナデシコの花蜜を吸うキアゲハ

2024/03/03

雨の日にオオキンケイギクの花蜜を吸いに飛び回るヒメウラナミジャノメ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月中旬・午後14:35頃および15:10頃・雨天 

民家の裏庭の花壇に咲いたオオキンケイギクの群落でヒメウラナミジャノメ♀(Ypthima argus)が小雨が降る中を訪花していました。 
翅を開閉しながら吸蜜しています。 
花蜜の量が豊富なのか、なかなか次の花に飛んでくれません。 

飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:06〜) 
帽子を投げつけて飛び立たせました。 
かなり薄暗かったので予めカメラの設定でゲインを上げたのですが、やり過ぎました。 

約35分後に現場を再訪すると、小雨が降り続いているのに、ヒメウラナミジャノメがまだオオキンケイギクの花の周囲を素早く飛び回っていました。

2024/03/01

池の畔で苔を舐めるウラギンヒョウモン♂

 

2023年6月中旬・午後12:00頃・晴れ 

里山にある池の畔で、ウラギンヒョウモン♂(Fabriciana adippe)が苔むした倒木に止まっていました。 
翅をゆるやかに開閉しながら口吻を伸ばして吸水しています。 
性成熟に必要なミネラル成分を摂取しているのでしょう。 
映像からコケの名前を見分けられる方がいらっしゃいましたら、教えてください。

この個体は左前翅の後角部が大きく破損しているものの、左右対称の損傷ではないので、鳥に襲われかけたビークマークではなさそうです。 
翅表に性標の有無がよく見えませんでしたが、翅裏の地色が濃色でないので♂と思われます。 

飛び立ってすぐ手前に着陸し直したのですけど、草むらの陰になって見えなくなりました。 
私が撮影アングルを求めて池をぐるっと回り込むと、ウラギンヒョウモン♂は岸辺の泥濘から吸水していました。 
残念ながらカメラを向ける前に逃げられてしまいました。 



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2024/02/27

オオキンケイギクの花蜜を吸うキタテハ夏型

 

2023年6月中旬・午後13:40頃・晴れ 

堤防路の花壇に咲いたオオキンケイギクの群落でキタテハPolygonia c-aureum)が訪花していました。 
この組み合わせは初見だったので私がいそいそと吸蜜シーンを撮り始めたら、キタテハはすぐに飛び去り、隣に咲いたムシトリナデシコの大群落に移動してしまいました。(映像公開予定) 
飛び立つ様子を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 


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葉の形状から、キバナコスモスではなくオオキンケイギクと分かります。 
特定外来生物や日本の侵略的外来種ワースト100に指定されています。 
本当は花壇に植えるのも良くなくて、徹底的に駆除しないといけません。

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