2012年5月中旬
ホオジロ(Emberiza cioides)が2羽並んで枝に止まっていました。
番なのかな?
帰ってから鳥の図鑑でホオジロを調べると、顔の色が褐色でぼんやりした模様なのが♀(右下の個体)で、顔が白黒はっきりした縞模様なのが♂(左上の個体)らしい。
2012年5月中旬
田んぼの上空を滑空旋回するトビ(Milvus migrans)の勇姿です。
コンドルが飛んどる。
トビが飛びます。
2012年5月下旬
林道入り口のあちこちで占有飛行していたクマバチ(キムネクマバチ;Xylocopa appendiculata circumvolans)♂をハイスピード動画(220 fps)に撮ってみました。
カメラの仕様で撮り始めると固定焦点ですが、意外にうまく撮れてました。
スローモーションでご覧ください。
通りかかった♀と交尾しようと、♂が油断なくホバリングしながら待ち伏せしています。
他の虫が飛来してもすかさず急旋回して迎撃するのはご愛嬌。
誤認に気づくとほぼ同じ場所に戻って来て哨戒ホバリングを続けます。
まさに縄張りの占有行動と言えます。
…と解説しておきながら、私は未だクマバチの交尾を観察したことがありません。
青空を背景にすると逆光で蜂の体色は分からなくなりますけど(シルエットのみ)、羽ばたき自体は見易くなります。
クマバチ♂による迎撃シーンを撮るにはある程度引きの絵にしないといけませんが、小さな虫は見えなくなってしまうジレンマがあります。
逆にズームするとクマバチ♂の素早い急旋回を追尾できなくなります(画角から見失ってしまう)。
どないしたらえーねん?
(広角レンズや魚眼レンズを使えばよいのかな?)
映像ではクマバチの羽ばたきがゆっくり見えています。
特に撮影中カメラの液晶画面で見ると顕著です。
しかし、たかだか約1/7倍速のスローモーションで高速の羽ばたきを捉えられるはずがない…気がします。(※)
映像のトリックというか錯視ではないかと思います。
扇風機のファンがゆっくり逆回転して見える現象と似ている気がするのですけど、この錯視はどう理解すれば良いのでしょうね?
どなたかご存知の方は教えてください。
※ クマバチの羽ばたき周波数は約200Hzとされているので(参考ブログ)、毎秒220コマ(220 fps)のハイスピード動画で個々の羽ばたきを捉えられても不思議ではないのかな?
うーむ、中途半端な理解なので混乱してきました…。
2012年5月中旬
庭で見つけた体長13mmのオオハエトリ♀。
見るからに♀だと思いますが、外雌器を未確認なので成体かどうか不明です。
目の前に手鏡を置いて鏡像を見せると一体どんな反応を示すでしょうか?
鏡像を認識するまで鏡の角度を色々と変えてみます。
突然、オオハエトリ♀は驚いたように第一脚の両脚を同時に振り上げながら退却しました。
ハエトリグモ科においてこの万歳行動は威嚇誇示と考えられています。
しつこく追いかけて鏡を見せると、対決を避けるように横を向いてしまいました。
どうも鏡像を見たくないようです。
実験を繰り返すと、ようやく再び鏡像反応が見られました。
早足で鏡に接近していたオオハエトリ♀が、急に飛び退きました。
威嚇姿勢は示さず、左の第一脚をかすかに上下しています(タップ)。
向きを変えて退散。
やがて、鏡の裏に回り込んだり体の向きを変えて退散したり、と逃避行動が多くなります。
同一個体で実験を繰り返す度にハエトリグモは学習して?逃げ腰になるようです。
初めて鏡像を見せたときが最も顕著な反応を示します。
(実はこの撮影開始前にも一回試しています。)
したがって、鏡像反応の実験および撮影は一発勝負と考えた方が良さそうです。
以前試した繁殖期のネコハエトリ♂と比べると、オオハエトリ♀は決して好戦的ではないという印象。
関連記事→「ネコハエトリ♂に鏡を見せてみた」
実際にオオハエトリ♀同士が出会っても闘争に発展することは無さそうです。
おそらく性差による違いだと思います。簡単で面白い実験なので、次はオオハエトリ♂およびネコハエトリ♀でも鏡像反応を調べてみるつもりです。
スズバチ泥巣の飼育記録
2012年5月中旬・室温21℃
スズバチの泥巣に寄生していたドロバチヤドリニクバエの成虫が早朝にまた羽化してきました。
飼育の経緯を記した記事はこちら→「スズバチの泥巣に寄生したドロバチヤドリニクバエの羽化」
泥巣の上に落ち着くと、しわくちゃの翅芽を伸ばし始めます。
「のびのびと羽を伸ばす」という慣用句を映像化した5倍速の早回しをご覧ください。
いざ伸び始めると前翅は一気に伸展します。
本来は寄主の泥巣からの脱出に使われる前頭嚢が風船のように激しく伸縮を繰り返しています。
ハエが、蛹から羽化する際に、嚢状の額嚢を出したり引っ込めたりして囲蛹殻を破って出てくるが、羽化して体が硬くなると額嚢は額嚢線という痕跡を残すのみになってしまう。(『ハエ学:多様な生活と謎を探る』第1章「ハエとはなにか」p3-4より)
平均棍を覆う白い覆弁(胸弁、鱗弁、膜弁)もやはりシワクチャの状態から徐々に伸びた…ような気がします。
身繕いのついでに伸びた翅を後脚で弾く行動が羽化直後に毎回必ず見られます。
2日後にまた新たに羽化して来ました。室温21℃
早朝から午前中に羽化する傾向があるようです。
今回は後ろ姿のアングル。
長撮りした映像を同じく5倍速に早回ししてあります。
前回の微速度撮影よりもうまく撮れるようになりました。
「習うより慣れろ」ですね。
(つづく→「スズバチ♀の羽化と泥巣からの脱出」)
2012年5月上旬
湿地帯というか河畔林でアオサギ(Ardea cinerea jouyi)を発見。
珍しく地上(木の根元)に立って念入りに羽繕いしています。
やがてこちらを警戒するように、長い首を伸ばして辺りを見渡しています。
ようやく安心したようで、羽繕いを再開。
欲を出してこっそり近づこうとしたら、バサバサと飛び去ってしまいました。(映像なし)
うーん、野鳥が相手だと難しいのー。
2012年5月中旬
路傍のスミレにひらひらと訪花するツマキチョウ♂(Anthocharis scolymus)を撮ろうと悪戦苦闘していたら、同種の♂♀ペアがたまたま近くに飛来しました。
吸蜜していた♂もすぐに飛び立ち、三つ巴になって乱舞が始まりました。
すぐにペアが成立したらしく、♀を射止めたα♂は木の葉に止まり交尾を始めました。
あぶれたβ♂が未練がましく辺りを飛び回り、♀に繰り返しアタックするも時既に遅し。
まさにお邪魔虫ですね。
背後からβ♂が接近する度に葉上のツマキチョウは翅を広げて追い払います。
現場ではシロチョウ科♀に特有の交尾拒否行動かと思いました。
(交尾拒否の意思表示として腹端を持ち上げているかどうか見ようと、撮りながら必死にアングル移動しています。)
ところが映像を見直すと、葉上で(交尾しながら)翅を広げた個体も黄色い翅先(ツマキチョウ)が透けて見えることから♂と判明。
したがって♀による交尾拒否ではなく、どうやら♂による配偶者ガードの行動のようです。
翅を広げて♀をライバル♂から隠しているのかもしれません。
♀による交尾拒否行動の有無は残念ながらよく見えませんでした。
交尾の結合角度が90°というのは蝶にしては珍しいと思いました。
初めだけかな?
ペアが止まった木の葉の樹種は不明ですが、明らかにツマキチョウ幼虫の食草(タネツケバナなどのアブラナ科)ではありません。
つまり、♀が産卵目的で止まったのではないようです。
※ 実は、3頭目が♀というのは特徴を実際に確認した訳ではなくて、他の♂2頭が示した一連の行動から私が判断した解釈です。