2022/07/02

八重桜カンザンの花蜜を吸うクロマルハナバチ創設女王

 

2022年4月下旬・午後14:50頃・晴れ 

公園に植樹された八重桜にピンクの花が満開に咲いています。 
ソメイヨシノとは違って、開花と同時に茶色っぽい若葉も開いています。 
そこにクロマルハナバチ♀(Bombus ignitus)が訪花していました。 
大型の個体ですし、時期的に未だワーカー♀ではなく、創設女王のようです。 
八重咲きの花には雄しべがないので、集粉できません。 
(よく見ると、雌しべもありませんね。) 
したがって、後脚の花粉籠が空荷なのも当然です。 
残念ながら蜂はすぐに飛び去り、見失ってしまいました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

帰宅してから『サクラハンドブック』で調べると、どうやらカンザンと呼ばれる品種のようです。
現在では八重咲きのサクラといえばこの品種 色の濃い花と若葉が同時に咲く。かつては身近にある花や葉に赤みが強い八重咲きで遅咲きのものなら本品種である可能性が非常に高かった(p66より引用)

2022/07/01

稲刈り前の田んぼの畦道で飛び回る冬羽のノビタキの群れ(野鳥)

 

2021年9月下旬・午前11:20頃・晴れ 

収穫前の稲穂が黄金色に輝く田んぼで冬羽のノビタキSaxicola torquata)が数羽、畦道に生えた雑草に止まっていました。 
南へ渡る途中の小群なのでしょう。 

秋風に揺れるススキの茎から飛び立ち、少し離れたアメリカセンダングサの茎に止まり直しました。 
ノビタキが飛び立つ瞬間をまずは1/5倍速のスローモーションでご覧下さい。 
直後に等倍速でリプレイ。 
右に流し撮りする間に、もう1羽居ることに気づきました。 
今度は畦道から田んぼに飛び降りて何か虫を捕食したようです。 
手前のイヌビエに止まり直しました。

2022/06/30

ミールワーム幼虫は発泡スチロールを食べるか?【飼育80日目:共食い】

 

チャイロコメノゴミムシダマシTenebrio molitor)幼虫(ミールワーム)の餌を発泡スチロールのみに切り替えてから80日目。 
ミールワームの一部は未だ生きています。 
生存者の食事シーンをマクロレンズで接写してみると、発泡スチロールではなくて、仲間の死骸を食べていることが明らかになりました。 
ミールワームは手足が未発達なので、食べている死骸がうまく押さえられずに動いてしまいます。 
耳を澄ますと、カリカリ♪と咀嚼音を立てたりパチン♪と噛み切る音がかすかに聞こえます。 
栄養失調を死骸で補っているのでしょう。 
成虫に育つどころか、いつまで経っても蛹も出てこないのは、すぐに共食いされてしまうからなのかもしれません。 
通常は「ふすま」を給餌するだけでミールワームを簡単に継代飼育できます。 
しかし発泡スチロールではミールワームを継代飼育できない、というのが私の結論です。 
発泡スチロールに虫食い穴も期待した程は出来ていませんでした。 
以前、唐揚げを食べた後の骨を与えたときのミールワームの食いつきの良さとは大違いです。
関連記事(12年前の撮影)▶ ミールワームによる骨のクリーニング実験

素人実験をしてみた結果、ミールワームが発泡スチロールを食べるという話に対して私は懐疑的のままです。 
実験失敗(期待外れ)の原因を検討してみましょう。
原著論文をもう一度斜め読みすると、ミールワーム幼虫が死んだら直ちに飼育容器から取り除くべきでした。 
飼育した室温が低くて腸内細菌がポリスチレンをうまく分解できなかったのかもしれません。 
あるいは、私がペットショップで購入したミールワームの継代株には、たまたまポリスチレンを分解できる腸内細菌がほとんど居なかった可能性も考えられます。 
近親交配を繰り返していますから、 系統によって形質が微妙に変わっていることはあり得ます。(近交弱勢)
ミールワームのブリーダーが良かれと思ってミールワームの餌(ふすま)に抗生物質を混ぜたりしていたら台無し(腸内細菌は全滅)です。
この実験を追試するならば、あちこちの店で別系統のミールワームを買い揃えるべきでした。
お子様の夏休み自由研究のテーマに、いかがでしょうか?

ミールワーム幼虫は他の肉食性小動物の生き餌として使われます。 
昆虫食ブームの昨今では、ヒトの食用にも供されるようです。 
ミールワームの餌代をケチって発泡スチロールだけを与えて育てたミールワームを他の小動物の餌にしては駄目でしょう。 
未消化のポリスチレンを一緒に食べてしまうことになるからです。 

この研究は眉唾(フェイクニュース?)だと私は勝手に決めつけて、動画もお蔵入りにしていたのですが、最近になって研究が進展したとネットニュースで知りました(続報)。 
この分野の研究者たちはしつこく追求していたのでしょう。
関連サイト@ナゾロジー:発泡スチロールを食べられるスーパーワームを発見!
ミールワーム(Tenebrio molito)とは別種のスーパーワーム(Zophobas morio)も同様に発泡スチロールを食べて分解できると分かったそうです。 
今後の研究の流れとしては、ミールワームよりもその腸内細菌が持つ分解酵素の研究になるでしょう。 
活性の高いポリスチレン分解酵素が単離できれば、大量廃棄された発泡スチロールをゴミ処理場で分解できるようになると期待されます。

そもそも、ミールワームが発泡スチロールを食べるという奇想天外な発見はどのように生まれたのでしょう?
ペニシリンの発見のようなセレンディピティかな?と私は秘かに予想しています。
動物虐待の残酷な実験だとか飼育放棄(ネグレクト)、多頭飼育崩壊などと安易に非難されるのを恐れてか、論文には詳しく書いてませんでした。
実用化まで漕ぎ着けたら、誰も文句を言わなくなるでしょう。


2022/06/29

橋の下にシメ(冬の野鳥)

 

2021年12月下旬・午後13:05頃・晴れ 

雪国の河川敷は冬になると一面、深い雪で覆われてしまいます。 
ところが橋の下には雪がほとんど積もらず、枯れた草地が露出しています。 
そこに冬鳥のシメCoccothraustes coccothraustes)が1羽来ていました。 
枯れた草の茎に止まって周囲を油断なく見回しています。 
やがて少し飛ぶと、別の茎に止まり直しました。 
おそらく草の種子を食べに来たと思われますが、堤防路からカメラを向ける私を警戒しているのか、採食シーンを撮らせてもらえいませんでした。 
日差しが眩しくてカメラのバックモニターが見えにくく、枯れた草地でシメを見失ってしまいました。 

橋の排水口から巨大な氷柱から下に成長し、暖かい日中は水滴が滴り落ちています。

2022/06/28

トウモロコシの穂を持ち去り刈田に貯食するハシブトガラス(冬の野鳥)

 

2021年12月上旬・午後15:25頃・晴れ 

夕方の刈田で1羽のハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が畦道に佇んでいました。 
足元の地面に置いていた立派なトウモロコシの穂を丸ごと1本横に咥えて飛び去りました。 
途中で合流した別個体も同じく嘴にトウモロコシを咥えて運んでいます。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
トウモロコシの皮は全て剥かれており、どうやら近くの飼料用トウモロコシ畑から穀粒付きの穂を丸ごと盗んできたようです。 
私から充分に距離を取ると、畦道に各々が少し離れて着陸しました。 
安全な場所でトウモロコシの穀粒を啄んで食べるかと思いきや、再びトウモロコシを持って飛び去りました。 
少し飛んでは畦道に着陸、を繰り返して、私からどんどん遠ざかって行きます。 
私(ヒト)を警戒して逃げているというよりも、ご馳走を食べている姿を仲間に見られたくないのかな? (仲間に見つかると横取りされる?)
トウモロコシを持って一緒に逃げていた仲間からも離れたいようです。 

1羽は遂に刈田の端っこまで来ました。 
刈田に残された稲藁の下にトウモロコシの穂を丸ごと隠しました!  
後で食べるために餌を隠す貯食行動です。 
上に藁を被せて念入りに隠蔽しています。 

貯食が済んだハシブトガラスは空荷で飛び立ちました。 
そのまま流し撮りすると、近くの電線に止まり、嘴を足元の電線で拭いました。 
途中から別行動になったせいで、もう1羽の個体がトウモロコシをどこに隠したのか不明です。 
晴れているものの、山の影になった刈田はもう日陰です。

2022/06/27

ミールワーム幼虫は発泡スチロールを食べるか?【飼育67日目:10倍速映像】

 

2019年3月下旬〜5月下旬 

熊澤辰徳『趣味からはじめる昆虫学』という本を読んでいたら、面白い話を知りました。
チャイロコメノゴミムシダマシ Tenebrio molitor の幼虫(ミールワーム)は発泡スチロールを食べて分解できることが知られています。 (p123より引用) 
Yang, Yu, et al. "Biodegradation and mineralization of polystyrene by plastic-eating mealworms: Part 1. Chemical and physical characterization and isotopic tests." Environmental science & technology 49.20 (2015): 12080-12086.
wikipediaにも次のような記述を見つけました。
2015年には、ミールワームに発泡スチロールを食べて分解する能力があることが、スタンフォード大学の研究者チームによって発見された。発泡スチロールはミールワームの腸内微生物によって堆肥と二酸化炭素に分解され、排出されていることが分かっている[1][2]。
発泡スチロールは日常生活に欠かせない便利な素材ですが、使用済み発泡スチロールの処理が問題になります。
燃やすと有害なガスを発生しますし、不燃ごみとして埋め立てられると永遠に残り続けると考えられていました。
つまり、発泡スチロールは生分解性が無いと長らく考えられていたのです。
発泡スチロールを食べて分解できる生物がいるとしたら、画期的な発見です。
疑り深い私は、自分で実験してみることにしました。 

ありあわせの発泡スチロールの箱を切り刻んでタッパーウェア容器にぎっしり敷き詰めてから、ペットショップで購入したチャイロコメノゴミムシダマシTenebrio molitor)の幼虫(=ミールワーム)を約50匹投入しました。 
他には餌も水も一切与えていません。 
ちなみに、ミールワームには通常、おが屑のような「ふすま」(小麦を脱穀した残りカス)を与えて飼育します。

そのまま室内に放置して67日目の記録です。 
容器の蓋を開けてミールワームの活動を微速度撮影してみました。 
10倍速の早回し映像をご覧ください。 
死骸も少しあるものの、幼虫が未だ結構生き残っています。 
(画面に写っていませんが、ミールワームは光を嫌うので、発泡スチロールの床の下に潜り込んで隠れている個体が多数います。)
発泡スチロールを食べて育ったということでしょうか? 
もっと虫食い穴だらけになるかと期待したのですが、それほどではありませんでした。
辺りに散乱している粉末はミールワームの排泄した糞でしょう。
中央上部の個体が仲間の死骸の欠片をかじっています。 (共食いではなく屍肉食)
欠片が動くので食べにくそうです。 


 

↑【関連動画】
New Scientist:“Superworm” beetle larvae eat polystyrene, which may help recycle plastics

2022/06/26

カワウ:川への着水と潜水漁(冬の野鳥)

 

2021年12月下旬・午後13:30頃・晴れ 

川の下流からカワウPhalacrocorax carbo hanedae)が低空で飛来しました。 
着水シーンをまずは1/5倍速のスローモーションでご覧ください。 
これほど間近でカワウの着水をしっかり見れたのは初めてです。 
直後に等倍速でリプレイ。 
力強く羽ばたきながら上体をやや持ち上げて減速すると、水かきのついた足から川面に着水します。 
水飛沫が上がり、水の抵抗を利用してブレーキを掛けています。 

カワウはそのまま川面を遡上して、仲間と合流しました。 
2羽のカワウは競い合うように潜水漁を何度も繰り返します。 
水中に潜ると川面に波紋が広がります。 
川の水が濁っていて浮上ポイントが予測不能なので、カメラをズームアウトして待ちます。 
どうも川魚が少ないようで、カワウは捕食できていないようです。 
2羽のカワウが協同して魚群を上手く追い込むような作戦行動は見られませんでした。
仲間がもっと増えないと難しいのでしょう。

川にはカルガモの群れもいましたが、カワウとは互いに不干渉でした。 





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