2012/08/18

エゾイトトンボ♂♀連結ペアが水草に産卵




2012年6月中旬

山中の池の水面でエゾイトトンボ♀♂ペアが何組も水草に止まり産卵していました。
尾繋がりのペアが池の上を低空飛行し、水面に浮く適当な水草の葉に着陸すると、後方の♀が尾を曲げて産卵を始めます。
その間、前の♂(鮮やかな水色)が腹部をピンと伸ばして直立するとペアはh字の形になります。
直立姿勢はしんどいのか、羽ばたいてホバリングしている♂もいます。
羽ばたきに疲れると♂も水草に着地します。
♀を警護する♂も大変そうです(配偶者ガード)。

産卵場所は水草に限らないようで、こんな面白いシーンもありました。
水面のとても小さな浮遊物(ゴミ?)に尾繋がりの♀が着陸すると、勢いで水面をツツーッと滑ります。
♀の産卵中、♂は休む場所がないので腹部をピンと伸ばしたままでした。

すぐ横に別のペアが着陸して産卵を始めても互いに没交渉です。
池のあちこちで同時進行するので目移りしてしまいます。
産卵後に結合を解除するペアも見られました。
配偶者を得られなかった「あぶれ♂」も水上を行き来していますが、産卵中のペアを邪魔したり♀を強奪することはありませんでした。
♀の首根っこを掴まえてさえいれば、浮気される心配はないのでしょう。

ところで、この水草(浮葉植物)の名前は何でしょう?
ご存知の方は教えてください。

撮影後に岸辺で数匹の単独個体を♂♀共に採集し、標本からエゾイトトンボであることを確認しました。
あり合わせの紙で折った三角紙で持ち帰り長期間放置していたので、とても標本写真を披露できる状態ではありません…。
2年前にも同じ池の草むらで交尾するエゾイトトンボがハート型につながる様子を動画に撮っています。



【追記】
トンボ図鑑の決定版『日本のトンボ(ネイチャーガイド)』でエゾイトトンボの項を参照すると、
・産卵は水面付近の植物組織内に行われるが、鑑賞する♂が多いとしばしばそのまま植物を伝って潜水し、水中で産卵を続ける。 
・連結態で産卵することが多いが、♀単独での産卵もみられる。 (p111より引用)







恍惚の表情で小枝をしゃぶり続けるニホンザル♀




2012年6月中旬

山道で遭遇した野生ニホンザルの群れの中で、小枝を持ち歩きひたすら舐めている個体が気になりました。
もしやチンパンジーの有名な道具使用(教科書に載っているシロアリ釣り行動やハチミツ舐め)と同じか!?とドキドキしながら見守りました。

シナノキと思われる樹上で枝に座った一頭の猿が、折った小枝を咥えて夢中でしゃぶり続けています。
恍惚の表情を見せています。
胸に乳首が見えるので若い♀なのだろうか。
樹皮が剥がれているのか、小枝の表面は真っ白。
枝を伝い歩きする際もこのお気に入りの小枝を持ち歩きます。
やがて小枝の端を噛んで縦に割き、髄質を舐め始めました。
最後は小枝を投げ捨てると、遊動する群れを追いかけました。

どうやら道具使用ではなさそうです。
森にそれほど美味しい(甘い?)小枝があるのなら、樹種を知りたいところです。
何かご存知の方は教えてください。
探偵さんに依頼してみようかしらん。












2012/08/17

アオバセセリがハルジオンで訪花吸蜜




2012年6月中旬

山道の横でアオバセセリChoaspes benjaminii)がハルジオンの花に止まり蜜を吸っていました。



蕾が垂れ下がっている




2012/08/16

ニホンザルが群れでヤマザクラの果実を採食




2012年6月中旬

木に登った野生ニホンザルの群れが枝を引き寄せ赤い実を次々に手で毟っては頬張っています。
まるで食べ放題のサクランボ狩りのようです。
食べるのは赤く熟した果実だけで、葉は口にしませんでした。
種子ごと食べているようなので、食後は糞にサクランボの種が大量に含まれているはずです。

猿の群れが遊動した後で樹種を調べに行こうとしたら、思いのほか急峻な斜面に立っている高木と分かり、近づくのは断念しました。
写真を見直すとおそらくヤマザクラの果実だと思います。


関連記事(11年後の撮影)▶ ニホンザルの群れがヤマザクラの木に登り果実を採食


胸に乳首が見えるこの猿は若い♀なのだろうか?




2012/08/15

オオルリ♂の囀り♪と声紋解析【野鳥】




2012年6月中旬

スギの横枝で青い鳥が鳴いています。
憧れのオオルリ♂はこんちゅーぶ!初登場ですね♪
全身が黒っぽく、腹部下面だけが白色。
尾羽の根元の両側が白いことを確認しました。

立ち止まって聞き惚れていると、少しずつ近くの枝に近寄って来ました。
もしかすると巣が近くにあって、警戒声を発しているのかもしれません。
縄張り防衛かな?

番のパートナーと思われるオオルリ♀も実は近くで鳴いていました。
(映像公開予定→こちら




オオルリ♂警戒声を声紋解析してみる

オリジナルの動画ファイルから音声部をWAVファイルにデコードしてから、試しにスペクトログラムを描いてみました。
耳で聞くとウグイスやカエルなど他の生き物の鳴き声も混じっていて
(ピンクノイズ)、どうかと思ったのですが、意外に明瞭な声紋が得られました。


エゴノキに訪花吸蜜するトラガ(蛾)




2012年6月中旬

山沿いの道端で低木の枝から垂れ下がるように咲いていた白い花が気になりました。

植物の画像掲示板で質問したところ、樹種はエゴノキと教えてもらいました。

美しいトラガChelonomorpha japana japana
が訪花し、蜜を吸っていました。
花蜜に夢中で、レンズを近づけても逃げません。
軽く羽ばたいて隣の花へ移動します。

映像後半、近くで吸蜜していたセセリチョウの一種がトラガにぶつかってきました。(@3:14、3:31)
エゴノキのレストランを独り占めしたくて、他の客を追い払おうとしているのだろうか?
撮影前後にも何度か繰り返された行動なので、偶然の衝突ではありません。
トラガよりも小さな蝶なのに、かなり好戦的な印象を受けました。

セセリチョウにぶつかられたトラガはさほど気にする素振りもなく吸蜜を続けました。



コトラガに似るが、前翅外よりの大きい白斑が3個、後翅先端に白斑がある。

トラガ、お前は虎になるのだ!


花弁は5枚のものと6枚の花がありました。




2012/08/14

孵化直後のモリアオガエル幼生(オタマジャクシ)




2012年6月中旬

モリアオガエルRhacophorus arboreus
抱接産卵と泡巣作りを観察して以来、今年こそ幼生の孵化を見届けようと定点観察に足繁く通いました。
梅雨なのに雨量が少なく、沼の水位は下がり続けています。
水面に張り出したマユミの枝葉を選んで産みつけたはずですが、今や泡巣の真下は干上がりかけて泥になっています。

16日後のこの日、ようやく泥に白い泡が落ちているのを発見。

黒いオタマジャクシが数匹もがいていました。這ってでも沼の中央部まで辿り着かないと水はありません。
雨が降らないとこのまま干からびてしまいそうです。
泥の上では天敵に捕食されるかもしれません。
生きるか死ぬか、まさに「泥沼の戦い」です。

wikipediaによると、
約1週間ほど経って卵が孵化する。孵化したオタマジャクシは泡の塊の中で雨を待ち、雨で溶け崩れる泡の塊とともに下の水面へ次々と落下する。孵化したばかりのオタマジャクシは腹部に卵黄を抱えているため腹が黄色をしているが、やがて卵黄が吸収され、全身が灰褐色となる。オタマジャクシは藻類や動物の死骸などを小さな歯で削りとって食べる。



オタマジャクシを接写しようと長靴で沼に入るとかなり深くズブズブともぐりました。
一歩一歩抜け出すのに苦労し、底なし沼かと焦りました。

どの泡巣から溶け落ちたのか不明です。
集団抱接を観察した泡巣は表面が褐色に乾いた状態で、中の卵が露出しており、ハエが集まり舐めていました。
表面が白い(新しい?)泡巣も近くの枝にありました。





ようやく念願のモリアオガエル幼生を拝めて感無量です。
今年の目標を一つ達成できました♪

【追記】
『動物の記録8:モリアオガエルの谷』p130より
卵塊からはい出したばかりのオタマジャクシは、水の中を泳ぐ力がありません。しばらくは、泡の中やそのまわりにぶらさがって、うねうねとからだを動かしているだけです。二、三日たつと、ようやく活発に泳げるようになります。


車道を走り去るタヌキ




2012年6月中旬

山道を登っていたら、向こうからホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が歩いて来ました。
こちらが先に気づいたのですが、カメラの準備にもたついている間にタヌキは踵を返して走り去りました。
一度立ち止まり振り返ってくれたものの、草の茂みでよく見えません。
緩い登り坂の右カーブを曲がり、姿が見えなくなりました。
タヌキの全力疾走は結構速いですね。


2012/08/13

モズの水浴、羽繕いと鳴き真似♪?【野鳥】




2012年6月中旬

山中の静かな池に飛来した野鳥がいきなり水面に飛び込みました。
全体に地味な色ですけど、黒く鋭い嘴が曲がっています。
これはモズですかね?
岸に生えた潅木の枝に止まり、水浴び後の羽繕いをしています。
少し飛んで対岸から手前の岸の枝に移動しました。
今度は近過ぎて、テレコンでは奥ピンになってしまいました。

モズはスギの高い枝に飛び移ると、急に大きな声で鳴き始めました。
ピヨピヨピヨ、チャッチャッチャ♪と聞こえます。

バードウォッチング歴が浅くて自信ないのですけど、モズの典型的な鳴き声とは明らかに違います…よね。
調べてみると、この鳴き声はオオルリのようです。
「百舌」という名前通り、鳴き真似をしたのでしょうか?

映像でモズの嘴の動き(リップシンクロ)を確認できなかったので、モズに驚いたオオルリが近くで鳴いた可能性もあります。

最後は飛んで逃げて行きました。


【追記】
実はオオルリ♀なんじゃないかという気がだんだんしてきました…。
これまでに知られた百舌の鳴き真似レパートリーの中にはオオルリが含まれるそうです。(『カルガモ親子はなぜ引っ越す』p121より)


野鳥の画像掲示板で質問したところ、まぐぴさんよりお墨付きを頂戴しました。
「動画から切り出した画面、拝見するとモズみたいに見ますね。」


映像から切り出した写真はブレブレ。



2012/08/12

マユミに訪花吸蜜するクロヤマアリ♀




2012年6月中旬

マユミ(檀)の小さな白い花にはコハナバチだけでなく、黒蟻も訪花していました。
複数のワーカーが吸蜜していました。
蟻がマユミの花から立ち去ると、クモ(ハナグモ幼体?)が戻ってきました。(@3:40)
怖がって隠れていたのかな?
地味な花にも様々なドラマが繰り広げられています。


動画には撮れなかったものの、マユミの枝を歩くアリが妙な動きを示しました。
「三歩進んで二歩下がる」ような躊躇するときがあるのです。
アリも受粉を助けてくれるので、マユミの植物体から忌避物質が分泌されているとは考えにくいです。
他のコロニー由来のアリが残した道標フェロモンかな





撮影後になんとか2匹を採集。
普通種のクロヤマアリ♀でしょうか。


個体♀a側面。
表面の妙なテカリはエタノール液浸標本に乾燥防止のグリセリンを多く入れ過ぎたため。

個体♀a背面

個体♀a顔

個体♀b

個体♀b

ヨウロウヒラクチハバチ♂の飛び立ちハイスピード動画




2012年6月中旬

クロバナヒキオコシの群落で見つけたヨウロウヒラクチハバチ♂。
葉から飛び立っても毎回同じ場所に戻るようで、2ヶ所を往復していました。
もしかすると縄張りがあって、それを防衛しているのかもしれません(縄張り占有行動)。

離陸シーンをハイスピード動画(220 fps)に撮ってみました。
ラストは、葉先からぶら下がり羽ばたきながら落下するNGシーンです。






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