2012/05/05
スズメの飛び立ち:ハイスピード動画【野鳥】
2012年4月下旬
樹上のスズメ(Passer montanus)が枝から飛び立つシーンをハイスピード動画(220 fps)で撮ってみました。
スローモーションで見ると、離陸してからフレームアウトするまで翼を5回羽ばたくのが捉えられていました。
どうせ撮り始めたら固定焦点ですから、飛ぶ方向を予測して、被写体を画面中央でなく左下隅に置けば画角を広く使えましたね…。
練習あるのみ!
2012/05/04
ネコハエトリ♀が別種のクモを捕食吸汁【蜘蛛】
2012年4月中旬
歩道沿いの鉄パイプ製柵の上にネコハエトリ♀(Carrhotus xanthogramma)がいました。
外雌器は未確認ですが、時期的に♀亜成体かもしれません。
よく見るとお食事中のようです。
獲物もクモです。
吸汁されてあまり原形を止めておらず、被害者の身元を突き止めるのは難しそうです。
しかし触肢が膨らみかけているので♂亜成体と思います。
もしどなたか(科名だけでも)お分かりの方がいらっしゃいましたらご教示下さい。
2012/05/03
啄木鳥のドラミング合戦♪を声紋解析してみる【野鳥】
2012年4月中旬
未だ雪深い雑木林の奥から啄木鳥の乾いたドラミング音が断続的に聞こえてきます。
機銃掃射のように始まりダラララララ…♪と減衰する音が静かな山中に響き渡ります。
キョッキョッ♪とお馴染みの声で鳴いているのはドラミングしている啄木鳥とは別の個体なのだろうか。
どこで木を叩いているのか樹上を探しても、残念ながら姿は見つけられません。
やがて、どこか右奥にいるらしい啄木鳥が新たにドラミングを始めました。(@0:57~)
2羽でほぼ交互にドラミング合戦をしています。
(音量を上げヘッドフォンでお聴き下さい。)音の大きさから判断するに、左から聞こえる方が近く、右から聞こえるのはやや遠くにいるです。
右にいる啄木鳥は途中からドラミングしなくなりました(計5回)。
縄張り宣言だとすると左の個体が優勢らしく(先住効果?)、この映像を通して計13回もドラミングし続けました。
ドラミング音には種特異性があるのだろうか?
つまり、啄木鳥にはドラミング音を聞くだけで自分と同種の仕業かどうか判別できるのだろうか?と疑問に思いました。
この周辺で啄木鳥をはっきり見たのは昔アオゲラの一度だけです。
それとも今回ドラミングしているのはアカゲラかな?
アカゲラは♂も♀もドラミングを行うらしい。
ピッキオ編著『鳥のおもしろ私生活』p37によると、アカゲラの
ドラミングの長さは♀よりも♂の方が少し長いし、キツツキの種類によっても違う。彼らは案外情報の内容によっていろいろと打ち方を変え、それをまた聞き分けているのかもしれない。同書p189より
ドラミングとは、なわばり宣言や求愛、その他のコミュニケーションのために木をたたいて音を出すことで、さえずりと同じ役割といわれる。
ドラミングの音程は叩いている木の材質によって毎回微妙に変わるはずですから、それ以外(長さや回数など)を情報として使っているはずです。
ドラミング音の声紋解析
元の動画から音声をwavファイルにデコードしてからドラミング音のスペクトログラムを描いてみました。
比較的近くで(大きく)聞こえてきた左の啄木鳥が枯れ木を硬い嘴で素早く連打していた音です。
他の野鳥が同時に鳴いたりカメラの操作音が混入したりして、なかなかドラミング音だけを切り出せません。
一見してSN比が悪いですね(ノイズが多い)。
データは示しませんが、右から聞こえた遠い個体によるドラミングはもっと小さな音のため、スペクトログラムは更に汚い(不鮮明)です。
ドラミングの長さや、連打の頻度(毎秒何回?)をスペクトログラムから読み取れるかと思ったのですが、結果はいまいちでした。
啄木鳥に至近距離まで近づくとか外付けマイクや集音機を使うなど録音条件を根本的に改善しないといけないようです。
しかしこの日は林床の雪質がザラメ状のため、足音を忍ばせて近づくことが不可能でした。
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この回は比較的きれいな声紋が出ています。 |
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この声紋もまぁまぁ明瞭。 |
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この回はドラミングに他の野鳥の鳴き声が混じる。 |
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ドラミング開始に少し遅れて10kHz辺りに出る思わせぶりな声紋は他の野鳥の鳴き声。 |
『野鳥を録る』p205に掲載された声紋の例では、アカゲラのドラミングは1秒以内に19回叩いているのが読み取れます。
他の野鳥に比べて鳴き声の単純なキツツキは、ドラミングで縄張り宣言をしたり、結婚の相手を探します。(『科学のアルバム:キツツキの森』p41より)
2012/05/02
川岸で採食し鳴くハクセキレイ♂♪【野鳥】
2012年4月中旬
街中の橋を渡る途中で見下ろすと川岸にハクセキレイ♂(Motacilla alba lugens)を見つけました。
尾羽を上下に振り振りコンクリートの護岸を歩いてこちらに向かってきます。
飛び立つも空中ですぐにUターンして戻る、という謎の行動を2回やりました。
川面の上空に飛んでいる虫をツバメのように空中で捕食しようとしたのだろうか?
水辺のちょっとした草むらで餌を探し始めました。
ようやく地面で何か白い幼虫のようなものを採食(@2:26)。
食後は丹念に嘴を地面に擦り付けています。
近くにうるさいスズメの群れが居るので紛らわしいのですが、ハクセキレイも鳴き声を発しています。
川岸から伸びる細い枝に止まり、川面を見ながらチチッチチッ♪などと鳴き続けます(後半は鳴き方を変えた?)。
鳴きながら羽を妙な姿勢で広げました(@7:25)。
羽繕いとも違います。
最後は枝から下流へ飛び去りました。
2012/05/01
キジ♂の飛び立ち【ハイスピード動画】
2012/04/30
白毛のニホンカモシカ
2012年4月中旬
滝の右横の崖からこちらを見下ろしている獣がいます。
野生のニホンカモシカ(Capricornis crispus)です。
すぐ上には残雪があり、樹の根元に生い茂ったユキツバキの群落で葉を採食していたのかもしれません。
ほとんど動きないまま緊張の対峙が続きます。
カモシカの口から涎が垂れました。
濡れた鼻を突き出して風の匂いを嗅いでいます。
角が未だ細いので若い個体のようです。
特筆すべきはその毛色で、こんなに真っ白なカモシカは初めて見ました。
アルビノではないものの、上半身が白毛です。
顔を正面から見ると細い角が目立たず痩せており、なんだか白い犬みたいだと思いました。
鼻面と耳、目の周りおよび眼下腺だけが黒いです。
冬毛から夏毛に生え変わる時期なのだろうか?と考えたのですが、一月前に雪山で出会った個体はこれほどの白毛ではありませんでした。
軽い白変種の個体なのだろうか。
若い個体を見るのも初めてですが、雪国のカモシカ幼獣は保護色で白いのが普通なのかな?
西日本に棲息するニホンカモシカの写真や映像を見ると毛並みがとても黒くて驚きました。私が見慣れている北国の個体は白っぽいようです。山奥にあるこの滝は山岳信仰の対象となっています。
日本昔話なら滝を拝みに来て神秘的な(希少な)白毛のカモシカと遭遇した者は滝の化身や神の使いかと信じて腰を抜かしたことでしょう。
吉兆じゃ!
(wikipedia:アルビノ→民間信仰)
やがて落ち着くと、白毛のカモシカは薮をくぐって急斜面を慎重に右へトラバースし始めました。
四肢とたてがみは黒毛と分かりました。
ときどき道草を食った(採食)ように見えました。
(下草の匂いを嗅いだだけで口を付けていないかもしれません。)
移動してどうするのかと思いきや、好奇心からかこちらに近づいて私の様子を見に来たようです。
崖の上から私を見下ろしながら耳がピクピク動き、鼻をヒクヒクさせています。
足元の悪い急斜面の雪渓に立ち無理な体勢で長時間撮り続けたら腰が痛くなったので、背負った荷物をゆっくり下ろしました。
(途中で映像が激しく乱れている部分です)
その途端にカモシカは身を翻し逃走を始めました。
トラバースして元居た位置に戻ると立ち止まって振り返り、鼻息を荒げて威嚇します。
しかし滝の轟音でかき消され、鼻息がよく聞こえません。
逆にカモシカの方も私がスノーシューでザクザク雪渓を登って行く足音に気づかずニアミスに至ったのでしょう。
カモシカは土が露出した急な崖を一気に駆け上がると、茂みに姿を消しました。
軽々と登って行く見事な逃げ足に惚れ惚れしました。
この日の山行では他に2頭も野生のニホンカモシカと遭遇しました。(最高記録更新)
厳しい冬を無事に生き残っておめでとう!
【追記】
中公新書『カモシカ物語』p27によると、角が出始めるのは生後約5ヶ月ぐらいかららしい。
今回の幼獣には角があるので、少なくとも生後5ヶ月以上は経っていることになります。
2012/04/29
ハシボソガラスが蛙の死骸を拾い食い【野鳥】
2012年4月中旬
一羽のハシボソガラス(Corvus corone)が地上で食べ物を探しています。
まず嘴で地面の枯れ草を掻き分け虫を探します。
次にトコトコ歩いて用水路まで来ると、水中から何かを拾い上げました。
しかし食べられる物ではなかったらしく、地面に置いて立ち去りました。
そのまま菜園に移動し、我が物顔で闊歩して物色。
マルチシートの隙間で遂にカエルを見つけ拾い食いしました(@2:12)。
映像を見る限り、カエルは暴れたりしないので死骸のようです。
冬眠に失敗して凍死したカエルかもしれません。
ハシボソガラスは獲物を咥えたまま少し歩くと飛び立ちました。
とにかくカラスは見ていて一挙手一投足が面白いですね。
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