2012/06/02

ニホンカモシカが雑木林を登坂



2012年5月上旬

雑木林の坂をゆっくり登るニホンカモシカCapricornis crispusを発見。
すぐに茂みに隠れてしまいました。
保護色のような毛色でカモフラージュしている野生カモシカの気配が分かるようになってきて嬉しいです。
最近になってフィールドでカモシカとの遭遇率が明らかに上がったのは生息数が増えたのではなくて、私の経験値が上がって目ざとく見つけられるようになったためと思われます。
今までは見過ごしていたのでしょう。

約1時間後に、近くの池で昼食を食べていると目の前の杉植林地の斜面をカモシカがこっそりトラバースしていました。
茂みが邪魔をして撮れませんでしたが、同一個体が縄張りを巡回しているのかもしれません。

3日前にもニホンカモシカのものと思われる溜め糞を近くの林床で数ヶ所見つけています。
カモシカは単独生活を送り縄張り内でまとめて脱糞することから、映像の個体が排泄した糞の可能性があります。
※ 似た糞をする鹿はこの地方には生息していません。


ノウサギの糞とは形状や質感が異なる。

別の場所にて。時間経過とともに色が変わる。




(エゾ)スジグロシロチョウがヒメオドリコソウで吸蜜



2012年5月上旬

林道横の草叢に群生するヒメオドリコソウに蝶が訪花していました。
スジグロシロチョウエゾスジグロシロチョウは見た目では区別できません。
花から花へ飛び回り、口吻を伸ばして花蜜を吸っています。







2012/06/01

ニホンカナヘビ幼体は尻尾を自切するか?(失敗篇)



2012年5月上旬

草叢で見つけたニホンカナヘビTakydromus tachydromoides)幼体を何気なく素手で掴み取りしてみたらまさかの生け捕り成功!
コンクリートの上で解放すると逃げずに平然と日光浴しています。
カナヘビと言えば俊敏に走り回る印象なのに、随分おっとりした個体です。
体温が低い状態で鈍かったのかな?

(映像はここから)
接写すると喉がヒクヒク動いています。


身を守るための「トカゲの尻尾切り」は有名ですが、カナヘビはどうでしょうか?
不意打ちで尻尾を指で押さえても、ジタバタもがくだけで自切しませんでした。
離してやるとカナヘビ幼体はしばらく呆然としていましたが、やがて逃げて行きました。
そもそも初めに捕獲した際も尻尾切りを行いませんでした。


帰宅後に調べてみると、やはりカナヘビは自切するはずと判明。
wikipediaによると、
(ニホンカナヘビは)捕まりそうになると尾を自切することがあり、切れた尾が動いている間に逃げる。尾は再生するが再生した尾には骨がなく、時に二又になったものが見つかることもある。
自分でもすっかり忘れていましたけど、2008年に自切後の個体を観察しています。

関連記事→「尾の切れたニホンカナヘビ

機会があればもう一度実験してみます。
力の加減が分からないためおっかなびっくりでしたが、もっと手荒に扱わないと自切しないのかな?


【追記】
後日リベンジした成功篇はこちら


2012/05/31

シータテハの飛び立ち【ハイスピード動画】




2012年5月上旬


越冬明けのシータテハPolygonia c-album)が翅を開閉しながら日光浴していました。
羽ばたいて飛び立つ瞬間を狙いハイスピード動画(220 fps)に撮ってみました。
スローモーションで見ると、優雅にヒラヒラ、というよりも素早く力強い飛翔でした。


翅表


翅裏のC紋が和名の由来




2012/05/30

蛇行して逃げるシマヘビ



2012年5月上旬

なかなか立派なシマヘビElaphe quadrivirgataが用水路を渡る橋のたもと(歩道上)で静止(日向ぼっこ?)していました。
撮りながら近づくと、急にUターンして土手の方へ逃げ始めました。
顔をアップにすると、チロチロと舌を出し入れして辺りの様子を伺っているのが分かります。
進む方向を決めあぐねている様子ですが、草むらから土手へ蛇行移動しています。

最後は土手の穴(ネズミ/モグラの穴?)にするすると潜り込みました。(映像なし)

シマヘビは白目部分が赤い。

全身像




2012/05/29

ハシボソガラスのクルミ割り行動:投げ落とし【野鳥】



2012年5月上旬

電柱に止まったハシボソガラスCorvus corone)が胡桃の実を咥えています。
さては有名なクルミ割り行動か!とピンと来て、慌てて撮影開始。


クルミを嘴で咥えて飛び上がり、空中から硬い舗装路に落として殻を割ろうとしています。
クルミを放り投げ、カラスも実を拾いに追いかけて着陸。
道端の草むらに転がったクルミを探して拾い上げると、咥えて飛んで行きました。
近くの畑に下りてクルミを突ついてみるも、殻が割れていなかったらしい。
再びクルミを運んで電線に止まりました。
二度、三度とクルミ割り行動を繰り返します。
落とす前に止まるお気に入りの電柱があるような印象です。
最後はクルミを咥えて辺りを飛び回り、杉林の方へ飛び去りました。
殻を割って中の実を食すまでを見届けられずに残念でした。
意地悪な解釈では単にカラスが遊んでいた可能性を否定できないかも。
それでも念願のクルミ割り行動を動画に撮れて感無量です♪
交通量が結構ある道でしたが、この辺りのカラスにはクルミを車に踏ませて割る知恵(文化)は未だ無いようです。


後日、道に落ちていたクルミの実を拾いました。
試しに私も空高く放り投げてみたのですが、舗装路に落ちても硬い殻はなかなか割れません。(映像なし)
カラスのクルミ割り行動は「投げる高さ」と「運」と繰り返す「忍耐」が必要だと身をもって知りました。

以前の観察例では、落としたクルミが駐車場で転がって雪の中に埋もれてしまい、見失ったハシボソガラスが困っていました。
映像@2011年3月上旬)




【追記】
後日(2012年6月中旬)、同じくハシボソガラスが車道にクルミを置いて割っていました。
割れた半分を持ってカラスが道端の屋根で採食している間に、路上に残った半分を失敬してきました。
堅果がしっかり割れれば嘴で中身をほじくり出して食べられるようです。


クルミの実の白い食べられる部分は子葉



【資料映像】
似たような映像は既にYouTubeで幾つも公開されています。
その一部をついでに紹介します。


↓「くるみ割りカラス」(by eurogarage911さん



私の映像と同様に、クルミを空から道に落としています。

↓「くるみを割るカラス」(by DKTSN1さん)



この個体は大胆かつ一段上の知性を持ち、交通量の多い車道にクルミを置いて車に割らせようとしています。
車に轢かれそうなリスクがあり、見ていてヒヤヒヤします。
結局成功せずに空中から路上に落とす戦法に切り替えました。



↓「Wild crows inhabiting the city use it to their advantage - David Attenborough - BBC wildlife」(by BBCWorldwide)




イギリス国営放送(BBC)制作による鳥類学のドキュメンタリー番組の中で、仙台のカラスが車にクルミを割らせる賢い行動をいち早く紹介して世界を驚愕させた公式映像です。
アッテンボロー卿の格調高いナレーションでお届けします。
あまりにも有名な動画ですけど、未見の方は是非これだけでもご覧ください!
更に賢くなると、カラスは安全に拾うため交差点の信号機を利用して停車した車の前にクルミを落とすようになるのです。
停車した大型車を選んでそのタイヤの前にクルミを置けば確実に割ってくれます。
※ オートライシズム(autolycism):他の動物や機械の動きを積極的に利用する餌の取り方。ギリシア神話の泥棒の名Autolycusに由来する。






↓「盛岡のカラス」(by j0306043さん)



舗装路にクルミを置いてから車が通る間、電線で見守っています。




2012/05/28

「穴があったら入りたい!」オオマルハナバチ創設女王



2012年5月上旬

オオマルハナバチの女王蜂が、低空飛行しては木の根元や林床の落ち葉に潜り込んでいました。
「とにかく穴があったら入りたい!」といっても女王様が恥ずかしがっている訳ではなく、営巣地を探しているようです。
前後半で別個体を撮りました。

女王を見つける度にこうやってしばらく追ってみるものの、未だにマルハナバチの活動中の巣を発見したことがありません。

2012/05/27

コアシナガバチ創設女王の巣材集め



2012年5月上旬

軒下の資材置き場(雪囲い用材木)にアシナガバチが来ていました。
そっと近寄ってみるとコアシナガバチ♀(Polistes snelleni)が木の皮を大顎で剥ぎ取っていました。
時期的に創設女王が初期巣を作るための巣材を集めているのでしょう。
パルプの団子を咥えて飛び去りました。
営巣地はどこかな?

ニホンカモシカとの出逢い



2012年5月上旬

林道を下山中に横の雑木林斜面からポキポキ枝が折れる音が聞こえてきました。
山菜取りの人が登って来たのかと思いきや、野生のニホンカモシカCapricornis crispus)でした。


若葉が萌える手前の潅木が邪魔で、せっかくのテレコンが威力を発揮できず…。
カモシカはフリーズしてじっとこちらを見つめています。
ようやく首を振りました。
踵を返して林の奥にゆっくり歩き死角に入ると、鼻息を荒げて走り去りました。

顔馴染みになって個体識別できれば楽しいのですが、未だ修行が足りません。







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