2024/08/24

虫捕りに来たホンドタヌキを営巣地から追い払うニホンアナグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月上旬・午後17:05頃・気温15℃(日の入り時刻は午後16:40) 

日没後に2頭のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が連れ立ってニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)にやって来ました。 
林床に積もった落ち葉を踏みしめる足音を忍ばせながら、1頭のタヌキがアナグマの巣口Rの横を通り過ぎました。
しばらくすると(約15秒後)、アナグマが巣穴Rの奥から顔だけ覗かせて外の様子をうかがいました。 
このアナグマは左右の目の大きさが均等なので、ここで出産・育仔した母親♀ではない別個体です。 

その間に、もう1頭のタヌキは、別の巣穴L付近で何か小さな虫を捕食しようとしています。 
おそらく穴居性のカマドウマ幼虫だと思うのですが、アナグマの巣穴に居候している虫の大群がいて、それを狩ろうと様々な鳥獣が繰り返しやって来るのです。 (千客万来)
ここで虫がよく捕れることを学習した結果、採餌のためにタヌキが毎日巡回するルートにアナグマの巣口が含まれているのです。 

録画が一旦打ち切られ、次にトレイルカメラが起動したときには、巣口Lにタヌキの姿はなく、常緑のヒメアオキ群落の奥で右往左往していました。 
アナグマが巣穴Rから飛び出してきて、不届きな侵入者(タヌキ)を追い払ったようです。 
巣穴の主である丸々と太ったアナグマは、逃げた侵入者を深追いしたり吠えたりすることなく、静かに巣口Lでタヌキの残り香を嗅いでいました。 
これは赤外線カメラによる暗視映像で、暗闇で繰り広げられている事件だということを思い出してください。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】
夏の間、この営巣地は長らくアナグマが不在でした
アナグマの空き巣に近所のタヌキが日夜やって来ては、巣口を点検したり虫を捕ったりしていました。
秋が深まると、越冬のためにアナグマが再び巣穴に住み着くようになったようです。

隣近所に住むホンドタヌキとニホンアナグマが営巣地でニアミスするシーンを録画できたのは、これが初めてかもしれません。 
図々しくセットに侵入したタヌキをアナグマが撃退する決定的瞬間を撮り損ねたのは残念です。 





【アフィリエイト】

セイタカアワダチソウの花で採餌するオオマルハナバチ♀

 

2023年11月上旬・午後14:55頃・くもり 

平地の道端の側溝沿いに咲いたセイタカアワダチソウの小群落で オオマルハナバチ♀(Bombus hypocrita)が訪花していました。 
意外にもこの組み合わせは初見です。 
黒い口吻を伸ばして吸蜜しています。 
後脚の花粉籠は空荷でした。 
晩秋に見かけた大型の個体なので、ワーカー♀ではなく新女王かもしれません。 



カメラのレンズを近づけて接写しても蜂は逃げませんでした。 
秋風が吹いたり、背後の車道をバイクや車が通りかかったりすると、風揺れに悩まされます。 
風揺れを抑えるために、セイタカアワダチソウの花穂を左手で押さえながら接写することにしました。 
手を離した花穂が激しく揺れても、オオマルハナバチ♀は花穂から振り落とされないようにしっかりしがみついています。 

たまにあるのですが、現場は平地なのに、山地性のオオマルハナバチが訪花していたのは不思議です。 
 (平地性のクロマルハナバチの姿をなぜか見かけませんでした。) 
逆に、山間部で営巣するクロマルハナバチのコロニーを観察したこともあります。
標高に応じて2種がそれぞれ自発的に棲み分けしているのではなく、競合する近縁種が互いに排除し合った結果として棲み分け分布している気がします。
(ライバル種の勢力が落ちると、それに乗じて生息地がダイナミックに広がるイメージ) 

余談ですが、今年はセイタカアワダチソウの草丈が低く、この群落でも目測で約1mしかありません。 
これでは「背高アワダチソウ」の名が廃ります。 
この夏の酷暑のせいで矮小化したのではないか?と勝手に推測しています(高温障害)。 

蜂がなかなか飛び立ってくれないので、衰弱して飛べない個体なのか?と心配になってきました。 



【アフィリエイト】 

2024/08/23

ツキノワグマは山中の給餌場でクリの実を食べるか?【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月上旬

シーン0:10/30・午後13:15頃・くもり(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山林の斜面を抜ける獣道でカラマツの根元の窪みに給餌場を設けてあります。 
里山で拾い集めた大きさの不揃いなクリの堅果を右の餌場Rに50個並べて置きました。 
左の餌場Lには5個のオニグルミ落果(果皮つき)をまとめて置きました。 


シーン1:11/2・午前5:00頃(@0:04〜)日の出時刻は午前6:02 
雨が降りしきる未明に右からツキノワグマUrsus thibetanus)が登場しました。 
真っ黒な毛皮には枯葉の破片や小さなひっつき虫が付着しています。 
通りすがりにカラマツの幹を見て、次に逆側のシナノキを見たら、トレイルカメラの存在に気づいたようです。 
臆病なツキノワグマは、途端に慌てて左に逃走しました。 


シーン2:11/6・午前4:00頃(@0:00〜) 
4日後も未明にツキノワグマがやって来ました。 
前回と同一個体なのかな? 
林道から法面を登って来たらしく、画面の左下に後ろ姿が写っています。 
左側の餌場Lにあるオニグルミ落果の匂いを嗅いでいました。 
次は右側の餌場Rにも気づいて、クリ堅果の匂いを嗅いでいます。 

今回もツキノワグマはクリの実(堅果)を全く食べなかったのが意外でした。 
以前、クリ園でクマの糞を見つけたので、てっきりクリの実が大好きなのだと思っていました。
当地のツキノワグマは舌が肥えていて、虫食いだらけのクリの実(クリシギゾウムシCurculio sikkimensis)の幼虫による食害)は不味くて食欲をそそられないのでしょうか? 
それとも、賢いクマは、何かの罠だと疑っているのかもしれません。 
ヒト(私)や野ネズミの残り香が気に入らないのかな? 
給餌場の付近にクリの木は自生しておらず、クリの実だけが地面に積まれてあるのは明らかに不自然です。

地面の匂いを嗅ぎながら、ゆっくりカメラの方へ向き直りました。
シナノキの幹に固定してあるトレイルカメラに興味を示し、頻りに匂いを嗅ぐ鼻息が聞こえます。 
おかげで迫力満点の映像が至近距離から撮れました。 
胸の白い三日月紋もちらっと見えました。 
同一個体が通っているのかどうか、三日月紋で個体識別できるかもしれません。 
熊の怪力でカメラを壊されずに済んで一安心。 

斜面をトラバースするように右に歩き去ったと思いきや、またすぐに右から戻って来ました。 
カラマツの幹の根元の匂いや餌場Rに置かれたクリ堅果の匂いを嗅ぎ回りました。 
やはりクリを食べてくれずに左へ立ち去りました。 
このときチラッとカメラに目線をくれたので、やはりトレイルカメラという異物の存在を警戒しているようです。 


【考察】 
やはりツキノワグマは夜明け前によく出没する(雨天決行)ようです。
トレイルカメラをもっと高所に設置していれば、クマに警戒されずクリの採食シーンを隠し撮りできたかもしれません。 
給餌場に通う小さな野ネズミの行動を撮影するために、監視カメラをローアングルで設置していたのが仇となりました。 

里で農作物を食い荒らしたり人身事故を引き起こしたりするツキノワグマに対して給餌する行為は問題視されるかもしれません。
私としては、野ネズミやリス、野鳥などを目当てに少量の餌を年に数回試供しているだけですし、現場は里からかなり離れた山中です。
記事のタイトルを「ツキノワグマは山中の給餌場でクリの実を食べるか?」としましたが、クマに給餌するのが私の主目的ではありません。
クマが餌場に立ち寄ったのはたまたまです。
私の個人的な給餌場でツキノワグマやニホンイノシシが食餌したことは(残念ながら)その後も一度もありません。
逆に、熊が里に降りてこなくても済むようにと、山中に「クマ用の畑」を自腹で設置している確信犯のヒトもいます。(『「クマの畑」をつくりました: 素人、クマ問題に挑戦中』)

つづく→ 


【アフィリエイト】 

カラマツの木を登るコゲラ【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年11月上旬・午後12:35頃 

カラマツの根元にクリ(栗)の堅果を並べて置いた給餌場をトレイルカメラで見張っていると、昼過ぎにコゲラDendrocopos kizuki)が現れました。 
カラマツの樹皮をあちこち軽くつつきながら、根元から登り始めました。 
キツツキは材内に潜む虫を捕食するのに、給餌場に置かれた虫食いクリ(クリシギゾウムシ幼虫による食害)をつつくことはありませんでした。 
コゲラが珍しく地表レベルまで降りてきたということは、不自然なクリ堅果の山に一応は興味を示したのでしょうか?

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


【アフィリエイト】

2024/08/22

晩秋の深夜にアナグマの営巣地を野ネズミが探餌徘徊【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月上旬・午後23:05・気温4℃ 

晩秋の真夜中に野ネズミ(ノネズミ)が単独でニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)に現れました。 
巣口Lの縁をウロチョロしていたものの、中には侵入しませんでした。 
二次林の落ち葉に覆われた林床で餌を探し歩いています。 
かなり冷え込む気温ですが、まだまだ野ネズミの活動限界ではないようです。 

イモカタバミの花でクロホウジャク(蛾)が吸蜜ホバリングしながら排尿【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年11月上旬・午後15:10頃・晴れ 

大通りの歩道の花壇に咲いたイモカタバミの群落でクロホウジャクMacroglossum saga)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 

高速で休みなく羽ばたいてホバリング(停空飛翔)しながらイモカタバミの花蜜を吸っています。 
細長い口吻の先端部に橙色の花粉が付着していることから、この蛾はイモカタバミの送粉者として働くことが分かります。 

車が横を通りかかると飛んで逃げるものの、すぐに舞い戻って来ます。 
蜜源植物としてよほど気に入ったのでしょう。 
ホバリングの性能が高く、横から風が吹いていても安定に姿勢を制御できます。 

クロホウジャクの吸蜜ホバリングを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:24〜) 
撮影中は気づかなかったのですが、停飛しながら透明の液体を何度も放出していました。 
腹端よりも少し前に肛門(排泄孔)があるようです。 
軽量化のために吸蜜しながら余分な水分を排泄しないといけないということは、イモカタバミの花蜜は濃度が薄くて水っぽいのかもしれません。
この日は雨が降らなかったので、もしかすると近隣住民が花壇の花にかけてやった水がイモカタバミの花筒の奥に溜まって花蜜が薄まったのかな?

関連記事(3、7年前の撮影)▶  


最後は右に急旋回しながら飛び去ろうとしたら、イモカタバミの別な花にクロホウジャクの顔がぶつかったのはご愛嬌。 


つづく→別の種類の花にも吸蜜ホバリング

2024/08/21

熊よけの鈴とラジオを鳴らしながら山道を登ってくるヒトが近づくとニホンカモシカ♀は…

 



2023年10月下旬・午後14:45頃・くもり 

山道の脇で灌木の葉をのんびり採食していたニホンカモシカ♀(Capricornis crispus)が急に身を翻して林道に出てきました。 
明らかに緊張した表情です。 

後で分かったことですけど、2人の登山客(キノコ狩りの老人♂)がつづら折れの山道を下から登ってきたのをカモシカが鋭い聴覚で聞きつけたのです。 
動画の音量を上げても聞き取れませんが、模範的な登山客は熊よけの鈴を鳴らし、携帯ラジオも大音量で鳴らしていました。 
(これで熊よけスプレーも持参していたら、ツキノワグマ対策は万全です。) 

この騒音を嫌った野生のカモシカ♀は、助走をつけてから林道の法面を駆け上がり、逃げて行きました。 
若い雑木が生い茂る斜面に隠れると、カモシカの地味な灰色の毛皮はまるで目立たなくなります。 
カモシカの逃避行動(逃走シーン)を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:18〜) 

今回は道幅が広い上に山道の両側にカモシカの逃走経路が残されていたから良かったものの、狭い山道の前後をヒトに挟まれて追い詰められたと感じたカモシカは、パニックになって私の方に突進してきた可能性もありそうです。 
いざというときのために、私もフィールドでは熊よけスプレーと鈴を常に携帯しています。 
熊よけの鈴は、TPOに応じて消音できるストッパー付きの物が便利です。 

以上で三部作の完。 
野生のカモシカに餌付けなんかしなくても、じっくり時間をかけて人馴れ(ヒト付け)させれば、このように長時間の直接観察が可能です。
やり方が分かれば、あとはひたすら山に通って観察の回数を増やすだけです。


【追記】
時と場合によって違うようですが、ニホンカモシカの中には、登山者が鳴らす熊よけの鈴の音を聞くと、逆に興味津々で近寄って来る個体がいます。

早朝のスギ林床で足踏みして虫を追い出し捕食するトラツグミ【野鳥:トレイルカメラ】

 



2023年11月上旬 

シーン1:10/27・午後13:40・くもり(@0:00〜) 
平地のスギ防風林で、明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
画面の左上隅で風倒木の切株が朽ち果てています。 
切株の手前を左右に走る溝(涸れた水路)に古い手押し車(一輪車)のフレームが錆びたまま放置されていて、その中にニホンアナグマMeles anakuma)専用の溜め糞場stmpがあります。 


シーン2:11/3・午前6:17(@0:04〜) (日の出時刻は午前6:03) 
日の出直後でも杉林の中はまだ薄暗いです。
溜め糞場stmpの右の林床に地味なトラツグミZoothera aurea)が単独で来ていました。 
背中を上から見下ろすアングルになっています。 

少し歩いて立ち止まっては小刻みにガクガクと足踏みしています。 
その合間に地面を何度かついばんだので、足踏み行動は落ち葉の下に隠れている虫を追い出そうと振動を与えているのでしょう。 
トラツグミによるこの独特な採餌法は、すぐ近くにあるタヌキの溜め糞場wbc付近でも録画されています。 



※ 旧機種のトレイルカメラは変な癖があって、昼間に動画を撮るとピンク色のフィルターがかかり、しかもそれが点滅して目障りです。 
仕方がないので、動画編集時にモノクロに加工しました。 


【アフィリエイト】 



つづく→

2024/08/20

濃霧の立ち込める夜明け前に帰巣したニホンアナグマ♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月上旬・午前5:55頃・気温1℃(日の出時刻は午前6:09) 

太陽が昇る17分前ですが、辺りは未だ真っ暗です。 
濃い霧が立ち込めていて、霧雨状の水滴が風に舞っています。 
二次林で採餌していたと思われるニホンアナグマMeles anakuma)が単独でノソノソ歩いて営巣地(セット)に戻ってきました。 

巣口Rの匂いを嗅いでから、振り返ってカメラ目線になりました。 
このときアナグマの両目の大きさが均等だったことから、春にこの営巣地で繁殖(出産・育児)した母親♀ではないことが分かります。 
それ以上は個体識別ができていないのですが、ここで育った幼獣が冬越しに備えて丸々と太ったのか、それともヘルパーなのか、私には分かりません。 
最後は巣穴Rの中にスルリと潜り込みました。 

つづく→

ホトトギスの花で盗蜜するオオマルハナバチ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年11月上旬・午後15:45頃・晴れ 

堤防路の道端の花壇に咲いたホトトギスの大群落で、1匹のオオマルハナバチ♀(Bombus hypocrita)が夕日を浴びながら訪花していました。 
大型の個体だったので、ワーカー♀ではなく新女王かもしれません。 
現場は平地なのに、山地性のオオマルハナバチが訪花していたのは不思議です。 
(平地性のクロマルハナバチの姿をなぜか見かけませんでした。) 
後脚の花粉籠は空荷でした。 

240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:58〜) 
スローモーションで吸蜜シーンをよく見ると、オオマルハナバチ♀は盗蜜を繰り返していました。 
花弁の内側の奥には黄色い蜜標があるのに、オオマルハナバチ♀はそこを目掛けて潜り込む正当訪花をしていません。
いつも花弁の外側に下向き(または横向き)で止まると、舌(口吻)を伸ばして花の根元にある小さな膨らみ(距)に差し込んでいます。 
ホトトギスの花の構造上、オオマルハナバチ♀は花弁に穿孔するまでもなく、盗蜜できてしまいます。
きょとは、花が最適な送粉者を選別するため(招かれざる訪花昆虫を排除するため)に蜜腺を奥深く隠すための構造なのですが、細長く尖ったものしか私は知りませんでした。
ホトトギスの花のように、小さな瘤状の距もあるとは知りませんでした。
オオマルハナバチ♀は訪花吸蜜の際にホトトギスの雄しべや雌しべに一度も触れないので、授粉には全く関与していません。 
オオマルハナバチ♀の体毛にホトトギスの花粉が付着することはありませんし、後脚の花粉籠が空荷なのも当然です。 
ホトトギスにとっては花蜜の盗まれ損になります。 

オオマルハナバチ♀が花粉を集めたくても、雄しべの葯から花粉が既に取り尽くされた後のようです。 
調べてみると、ホトトギスの花は雄性先熟なのだそうです。 
撮影時は雌性期だから雄しべに花粉が無いのでしょう。 

今回はホトトギスに訪花する様々な昆虫を観察することができたのですが、どの昆虫も同様に盗蜜していました。(映像公開予定) 
植物が花に距を作って送粉者を選り好みしようとすると、必ずその裏をかいて盗蜜行動をする昆虫が出てくるのが、進化の軍拡競争になっていて面白いです。
ホトトギスに正当訪花する送粉者は誰なのでしょう? 


【参考サイト】 
雄性期の花の様子も含めて、ホトトギスの花の細かい構造を解説した写真や、トラマルハナバチが正当訪花する写真が掲載されていて、勉強になりました。 




【アフィリエイト】 



2024/08/19

晩秋にニホンアナグマの巣穴入口が気になるハクビシン【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月上旬・午前0:50頃・気温12℃ 

平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)を自動センサーカメラで見張っていると、深夜にハクビシン(白鼻芯、白鼻心;Paguma larvata)が久々にやって来ました。 
アナグマが掘った2つの巣口R、Lを順に覗き込んで匂いを嗅いで回り、最後は林内に立ち去りました。 
ハクビシンも越冬用の巣穴を探しているのでしょうか?
振り返ってカメラ目線になると、ギラギラ光る目がとにかく大きいのがハクビシンの特徴です。 

ハクビシンとアナグマがニアミスしたらどうなるのか、興味があるのですけど、そんなシーンはまだ一度も撮れたことがありません。 
トラブルを避けるために、お互いに会わないように気を使って暮らしているのかもしれません。


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 





電線で鳴く♪秋のジョウビタキ♂(冬の野鳥)

 

2023年10月下旬・午前11:00頃・晴れ 

山麓の農村部の住宅地で電線にジョウビタキ♂(Phoenicurus auroreus)が止まっていました。 
早くも冬鳥が渡来する時期になりました。 

よく晴れた青空を背景に、鳴いています。 
ズームインすると、嘴を開閉する動きと鳴き声が同期していた(リップシンクロ)ので、この個体の鳴き声で間違いありません。 
赤い口内が見えました。 
ヒッヒッ♪という鳴き声に、聞き慣れない舌打ちのような音が混じっています。 
私の耳には濁った舌打ちに聞こえたのですが、図鑑の聞きなしでは「カカカ♪」と記されていました。 
例えば『日本の野鳥 さえずり・地鳴き図鑑 ~CDで鳴き声を聴き分ける全152種~』によると、
なわばりを構え、11月から12月ごろは目立つところにとまって、ヒッ、カカカと鳴く。 地鳴き:ヒッ、カカカ、ヒッカカとかクククと鳴く (p25より引用)
渡来直後の縄張り宣言だとすれば囀りさえずりなのかと思いきや、地鳴きの扱いになっているのは繁殖期ではないからなのでしょう。 
(あるいは♀も同様に鳴くから?)
背後の山林では落葉樹の黄葉、紅葉が進んでいます。 

ジョウビタキ♂の鳴き声を声紋解析してみる? 
手ブレが酷い動画ですけど、周囲が静かなので、声紋解析には最適です。 


※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【アフィリエイト】 



2024/08/18

栃の実よりオニグルミ堅果を優先して給餌場から運び出す野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 


2023年11月上旬 

貯食のために野ネズミ(ノネズミ)が通う給餌場を自動撮影カメラで見張っています。 
前回与えたクリは虫食いのせいかあまり気に入ってもらえず、50個与えたうちの計20個しか持ち去りませんでした。 
そこで次の餌として、トチノキに切り替えました。 
実はこの給餌実験のために、5月中旬に栃の実を拾い集めていました。
果実(蒴果)を丸ごと採集したのですが、保管している間に硬い果皮が自然に割れて種子(いわゆる栃の実)がこぼれてしまいました。
未加工の栃の実は有毒と言われています。
未加工のまま食すると吐き気、しびれ、麻痺などを起こすことがある。(中略)種子は渋や有毒成分をのぞいて食用にされる。 毒性成分:トリテルペンサポニンのエスシンなど。(フィールドベスト図鑑『日本の有毒植物 』p74より引用)

この記述はあくまでもヒトに対する毒性を記したもので、野生動物への影響は不明です。 
トチノキの大木の下で秋に落果した種子を春になっても大量に採取できたということは、野ネズミは忌避して持ち去らないのでしょうか?
しかし私は以前、山中の峠道でアカネズミの食痕が付いたトチノキの果実を見つけています。 
関連記事(7年前の撮影)▶ トチノキの種子に残るアカネズミ?の食痕 



シーン1:11/8・午後12:26(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林の斜面を抜ける獣道でカラマツの根元の窪みに給餌場を設けてあります。 
右の給餌場Rにはトチノキの種子を30個、左の給餌場Lにはオニグルミの堅果(残り物、果皮なし)を8個、並べて置きました。 






野ネズミに好きな餌を選択させる選好実験の真似事です。 (※追記参照)
トチノキの種子は有毒とされていますが、果たして野ネズミは忌避するでしょうか? 
ちなみに、現場付近の山林にはトチノキもオニグルミも自生していません。 

 給餌場Rから栃の実が斜面を転げ落ちて紛失しないように、ストッパーとして数本の落枝を餌場の直下に横向きで並べておきました。 
トレイルカメラの設置アングルがいまいちで、餌場Lが画面の左下隅で見えにくくなってしまいました。 


シーン1:11/10・午後19:37(@0:04〜) 
待ちわびた野ネズミが、小雨が降る晩にようやく左からやって来ました。 
左の餌場Lで、扱い慣れたオニグルミ堅果を両手で持って、くるくると回しています。 
そのまま口に咥えると、右下へ運び去りました。 

しばらくすると、貯食を終えた野ネズミが左から餌場Lに戻って来ました。 
次に選んだクルミを左に搬出。 
今回、野ネズミはオニグルミの果皮を剥く必要がないので、餌場で選んでから持ち去るまであまり時間がかかりません。 


シーン2:11/10・午後19:42(@0:47〜) 
野ネズミが餌場Lの辺りをウロチョロしています。 
もしかすると、オニグルミ堅果はもう全て運び尽くして残っていないのかもしれません。 


シーン3:11/10・午後19:44(@0:54〜) 
冷たい雨が降っているのに、野ネズミは斜面を右に大きく跳躍したり、縦横無尽に駆け回ります。 
斜面の林床で餌を探し回っているのでしょう。 
右の餌場Rに積んであるトチノキの種子は落ち葉に埋もれてしまっているために、暗闇で野ネズミは未だ気づいていない様子です。 
それとも、当地の野ネズミは見慣れないトチノキ種子を餌だと認識していないのでしょうか?


シーン4:11/10・午後19:46(@1:14〜) 
野ネズミが通い慣れた餌場Lにまた来ていたのですが、すぐに立ち去りました。 
オニグルミが本当にもう残っていないかどうか、未練がましく確かめに来たのでしょう。 




※【追記】
Google Scoloarで文献検索してみたら、面白そうな学会発表を見つけました。
三浦光, et al. "森林性ネズミ 2 種による 3 種の種子の利用様式―クリ・トチノキ・オニグルミの混合供試実験―." 日本森林学会大会発表データベース 第 127 回日本森林学会大会. 日本森林学会, 2016.

抄録
森林性の野ネズミ類、とくにアカネズミ属は、貯食型種子散布における主要な散布者である。したがって、野ネズミ類の落下種子に対する選好性は、それらの種子を生産する樹種の更新および分布拡大、ひいては森林動態に影響を及ぼす。野ネズミ類の種子選好性については多くの知見があるが、異なる多樹種の種子を混合して供試した場合の事例は少ない。本研究では、調査地 (愛知県北東部) に生息するヒメネズミおよびアカネズミを対象として、3樹種 (クリ、トチノキ、オニグルミ) の種子に対するそれぞれの反応を観察した。 供試実験は、広葉樹パッチに隣接する、ヒノキ・アカマツ林にて行った。円周上に種子を配置できる餌台を作成し、3樹種を交互に並べることで、どの方位から進入しても各樹種へアクセスできるようにした。種子は個体ごとに識別し、餌台へ向けてカメラを設置した。また、餌台から持ち去られた種子の追跡調査も行った。 ヒメネズミはクリを非常に強く選好し、優先的に持ち去った。アカネズミはトチノキやオニグルミも積極的に利用した。また、種子の持ち去り先および利用様式についても、ネズミ種と樹種の組み合わせで、類似点あるいは相違点が認められた。

要旨を読んだだけですが、実験のデザインの仕方など今後の参考になります。


【アフィリエイト】

トチノキは残った 山里の恵みの自然史と暮らし (びわ湖の森の生き物) 

トチの木の1年

野ネズミとドングリ: タンニンという毒とうまくつきあう方法

マリーゴールドの花蜜を吸うツマグロヒョウモン♂

 

2023年10月下旬・午前11:00頃・晴れ 

農村部で電気柵に囲まれた畑の端に咲いたマリーゴールドツマグロヒョウモン♂(Argyreus hyperbius)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
半開きの翅を緩やかに開閉しながら吸蜜しています。

雀脅しの爆音♪が遠くで銃声のように鳴り響いても、ツマグロヒョウモン♂は気にしませんでした。 
ファーブル昆虫記』で、やかましく樹上で鳴くセミの真下で大砲をぶっ放した実験を思い出しました。 


【アフィリエイト】 

ランダムに記事を読む

  • ベッコウバエ♂の求愛誇示と誤認交尾?【ハイスピード動画】11/03/2014 - 0 Comments
  • 留守宅が心配で仕方がないヒメベッコウ♀27/02/2011 - 0 Comments
  • ムクゲの花蜜を吸うカラスアゲハ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】18/10/2020 - 0 Comments
  • 夜明け前の巣で目覚めるハシボソガラスの雛(野鳥)09/10/2017 - 0 Comments
  • サンシュユの赤い熟果と種子14/12/2024 - 0 Comments