2018/07/07

室内で冬越し中のオニグモ(蜘蛛)がカーテンレールを徘徊【暗視映像】



2018年3月中旬・午後18:40頃・室温20.6℃
▼前回の記事
室内越冬中のオニグモ(蜘蛛)と寄生蜂の繭

18日ぶりの撮影です。
晩に部屋を点灯してカーテンを閉めようとしたら、室内で越冬中のオニグモAraneus ventricosus)がカーテンレール上を徘徊していました。
オニグモは本来夜行性なので、初めは赤外線の暗視カメラでクモの動きを記録しました。
後半は補助照明の白色LEDを点灯して撮影しました。
赤外線でも白色光でも、角度によってはオニグモの単眼が白く光って見えます。
これはタペータム(輝板)が反射していいるためです。
クモは眩しい白色光を嫌ったのか、最後はカーテンレールに引き返してしまいました。

今思うと、個体識別するためのマーキングを施すべきでしたね。
昼間は換気のためにこの窓を少し開けていたので、新たに別個体が侵入した可能性も否定できません。

シリーズ完。

果たして飼育と言えるのかも分かりませんが、このオニグモの元気な姿を見たのはこれが最後でした。
採寸やステージの確認(亜成体?)などをずるずると先延ばしにしていたら、結局やらずじまいになってしまいました。

再び何日も見失った後に、床で干からびた死骸を見つけました。
個体標識していなかったので確信はもてませんが、おそらく同一個体だと思います。
やはり寒冷な野外よりも遥かに暖かい室内ではかえって体力が消耗してしまい(休眠が妨げられ)、いくらクモの飢餓耐性が強いとは言え、飲まず食わずでは春まで生き残れなかったのでしょう。
冬の室内は乾燥しがちなので、せめてクモの体や不規則網に霧吹きして水分を与えようとしたのですが、その度にクモは驚いて天井から落下するばかりで体力の消耗を早めてしまいました。
夏季のような円網は一度も張らなかったため、生き餌を給餌してやることもできませんでした。
良かれと思って保護しても生き物のためにはならない、というありがちな結果になりました。
クモを思うなら、冷蔵庫に保管するか屋外に追い出すべきだと分かりました。
冬の冷気にしっかり晒した方が無事に休眠越冬できたのでしょう。


動画とは別の日に撮影(6日前)@天井

クルミの樹上でさえずる♪ヒヨドリ(野鳥)



2018年4月下旬

河畔林で葉が芽吹き始めたオニグルミの枝に一羽のヒヨドリHypsipetes amaurotis)が止まって頻りに鳴いていました。
初めは後ろ姿だったヒヨドリが、途中からこちらを向いてくれたおかげで、鳴き声と嘴の動きが一致していることを確認できました(リップシンクロ)。
聞き慣れない独特の節回しは囀りさえずりですかね?
(私は聞きなしをするセンスが無いので、この鳴き方を文字で上手く書き起こせません。)
縄張り宣言で♀を呼んでいるのでしょうか。
後半(@1:26〜)はいつものようにヒーヨ、ヒーヨ♪と甲高い警戒声を発しました。
結構長い時間に渡って、囀り、地鳴き、警戒声など多彩な鳴き声を披露してくれました。
前半の鳴き方が囀りだとすれば、この個体は♂なのかな?(外見では見分けられません。)


声紋解析してみたいのですが、川の流れる音や風切り音などピンクノイズがありそうです。



【追記】
高木清和『フィールドのための野鳥図鑑:野山の鳥』を参照すると、ヒヨドリの囀りさえずりは以下のように聞きなしされています(推定)。
ピイーヨ、ヒッピィ、ピョピョピョ、ピョーピィ、ピィピィピィピィヒィーョヒョ(よく通る声で、連続して)(p60より引用)

今回の映像で記録された鳴き方がこの聞きなしに当てはまるとは思えず、どうもしっくりきません。
生息地域の違いによる方言や個体差があるのでしょうか?
一方、地鳴きの聞きなしは次のように記述されていました。
ヒイーヨ/ヒイーョ、ヒョヒョ/ピィヨ、ピィヨ、ピョピョ/ピィーピロロロ(高い声でゆっくりと)/ピィーョ、ピィピィョ(かすれた声で)  


2018/07/06

排尿から排便するヤギ♀



2018年4月下旬

原っぱで除草のために放牧されている白いヤギ(山羊)♀(Capra hircus)が立ったまま少し腰を落とすと、尿道口から小便(おしっこ)を排泄し始めました。
排尿時は後脚を軽く屈んだ姿勢になりました。
これは同じウシ科ヤギ亜科のニホンカモシカ♀の排尿姿勢と似ていて、興味深く思いました。
比較のために、今度はヤギ♂の排尿姿勢を観察してみたいものです。

▼関連記事
ニホンカモシカ♂(左角欠け)の排尿

排尿を終えたヤギ♀は立ち上がると、今度は肛門から黒くて丸い粒のような糞をポロポロと排泄しました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ヤギ♀@排尿
ヤギ♀@排便

河川敷から下流へ飛ぶアオサギ(野鳥)



2018年4月下旬

川の対岸の荒れ地に居たアオサギArdea cinerea jouyi)にカメラを向けたら警戒してすぐに飛び立ちました。
下流へ飛び去る姿を流し撮り。
それほど高度を上げず低空飛行すると、最後は左旋回し、此岸の林縁に着陸しました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


アオサギ(野鳥)@飛び立ち
河畔林の林縁に着陸

2018/07/05

回転翼を持つヒマラヤスギ種鱗の回転落下【ハイスピード動画】風による種子散布



2018年7月上旬

昨年の晩秋に採集したヒマラヤスギの球果を室内で乾燥させて多数の果鱗を得ました。

▼前回の記事
ヒマラヤスギの完熟した球果から剥落する果鱗

果鱗は更に種鱗と苞鱗へと自然に分解します。
種子には紙のように薄い翼が付いていて、プロペラの羽根のようになっています。
自然界では枝の上で熟した球果から次々と剥落し、風に流されて飛ぶことで遠くまで種子が散布されるのです。
このような種子散布の方法を風散布と呼びます。

室内で簡単な実演をしてみました。
半年も保管しておいたヒマラヤスギの果鱗から苞鱗を除いて種鱗だけを選り分けます。
脚立の上に立って大量の種鱗を撒き散らし、落下する様子を240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
1/8倍速のスローモーションで見ると、個々の種鱗は風車のようにくるくると激しく回転します。
回転の向きは右回り、左回り、共に見られ、回転速度もまちまちでした。
種子に回転翼を備えたことで、ただの自由落下よりも種子の滞空時間を伸ばし、その間に横風が吹けば飛距離が伸びる(より広範囲に種子散布される)ことになります。

カエデの種子も似たような形状をしていて、翼果と呼ばれています。
植物学の用語に疎い私はヒマラヤスギの場合も「翼果」と一緒くたにして呼びたくなります。(私には「翼果」の方が馴染みのある用語なのです。)
しかし、ヒマラヤスギは裸子植物ですから被子植物の翼果と混同するのはおそらく間違っていて、機能や形態が似ているのは進化上の収斂なのでしょう。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

シリーズ完。


ヒマラヤスギ種鱗。フローリングの板の幅は7.5cm

ポプラ樹上の巣で抱卵するハシボソガラス(野鳥)



2018年4月下旬

川沿いに聳え立つポプラ(=セイヨウハコヤナギ)の高木のてっぺん近くにハシボソガラスCorvus corone)の巣を新たに見つけました。

巣に座り込んでいる親鳥の頭部がときどきキョロキョロと動き、ようやくハシボソガラスと判明しました。
親鳥♀が抱卵(あるいは孵化直後に抱雛)しているのでしょう。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

ポプラの枝には葉が少し芽吹いています。
葉が茂れば巣は隠されて見えなくなりそうですが、定点観察してみます。
つづく→ポプラ樹上の巣に戻り雛に給餌するハシボソガラス(野鳥)


ハシボソガラス(野鳥)@巣:ポプラ樹幹+抱卵/抱雛・全景
ハシボソガラス(野鳥)@巣:ポプラ樹幹+抱卵/抱雛
ハシボソガラス(野鳥)@巣:ポプラ樹幹+抱卵/抱雛

2018/07/04

住居網を張るネコハエトリ♀成体【蜘蛛:30倍速映像】



2015年8月上旬・室温31℃、湿度56%


ネコハエトリ♀(Carrhotus xanthogramma)を飼育中です。
歩脚を欠損した個体です。

単調な飼育環境でなるべく退屈しないようにトイレットペーパーの芯を入れておくと、キャットタワーのように登り降りしたり隠れ家にもなります。
糸や食べかすで汚れたら使い捨てします。

飼育容器内を掃除したついでにトイレットペーパーの芯を交換すると、容器側面の隙間で新たに造網を始めました。
徘徊性クモに属するハエトリグモが春網は、獲物を取るための粘着性の罠ではなく、自分が隠れるための住居網です。
トイレットペーパーの芯を円筒容器の中央からわざと少しずらして壁面に近づけて置けば、狙った場所に造網させることができます。
容器壁面、底面およびトイレットペーパー芯に囲まれた隙間に造網しています。


円筒型飼育容器に入れたトイレットペーパーの芯を上から見る。

夜中にネコハエトリ♀成体が住居網を紡いだ様子を透明プラスチック容器越しに微速度撮影してみました。
30倍速の早回し映像をご覧下さい。

前回の撮影では肝心の住居網や糸がよく見えませんでした。

▼関連記事
住居網を紡ぐネコハエトリ【蜘蛛:微速度撮影】
今回は新たな工夫(改善)として、黄土色だったトイレットペーパーの芯に黒紙を貼っておきました。
背景を黒くしたことで、プラスチックの容器越しの撮影でもネコハエトリ♀の糸や網が鮮明に可視化されました。
糸をプラスチック壁面に固定した付着点もはっきり見えす。

ネコハエトリ♀が動きを止めてしまっても、素人目には住居網は未完成に見えます。
栄養不足で糸が不足しているのでしょうか?
毎日少しずつ糸を付け足して住居網を作り上げるつもりなのかな?
生き餌としてハエを1匹投入してみても、ネコハエトリは住居網に篭ったまま出て来ません。(映像なし)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


【おまけの映像】
早回し速度を色々と変えた動画をブログ限定で公開しておきます。



↑40倍速映像



↑20倍速映像



↑10倍速映像(オリジナル素材)


川岸で水浴びするヒヨドリとハクセキレイ♂(野鳥)



2018年4月下旬・午後16:11〜16:14

川の水際でヒヨドリHypsipetes amaurotis)が水浴びをしていました。
軽く行水しただけで岸に生えた柳の灌木へ素早く逃げ込んでしまいます。
しばらくするとまたヒヨドリが水浴をそそくさと済ませてすぐに柳の灌木へ逃げ込む、という行動を繰り返しています。
ヒヨドリの群れが居るのか、それとも同一個体が水浴行動を繰り返しているのか、よく分かりませんでした。
少なくとも2羽のヒヨドリが居ることは間違いなく、つがいなのかもしれません。
水浴後のヒヨドリは柳の灌木で羽繕いしています。
ヒヨドリの騒々しい鳴き声♪が聞こえてきます。

画面の奥でハクセキレイ♂(Motacilla alba lugens)が水浴していたら、ヒヨドリが追い払いに来ました。
水浴場にも縄張りがあるのですかね?
ハクセキレイ♂は川岸で身震いし羽の水気を切ると、飛び去りました。

ハクセキレイと比べると水浴中のヒヨドリは警戒心が異常に強い印象を受けました。

このとき私は離れた橋の上から望遠レンズで撮影しています。
川のどこにヒヨドリが飛び込んで水浴するのか予想できず、ズームインした時にはもう川から居なくなっています。
水浴中にトビなどの猛禽類に襲われたことがあるのかな?
ヒヨドリのつがいが近くの柳の灌木で営巣しているのか?と想像したものの、定かではありません。
親鳥が何度も川で羽毛を濡らして帰巣し、喉が渇いた雛に水を飲ませているとしたら興味深いのですが、私の妄想に過ぎません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

4年前に同じ川で撮影したときも、ヒヨドリは忙しなく川に飛び込んで短い行水をしていました。

▼関連記事
川で水浴びするヒヨドリの群れ(野鳥)
もしかするとヒヨドリは水浴の作法が他の種類の鳥とは異なるのかもしれません。
短い時間で入浴や水浴びを済ませることを「カラスの行水」と言いますが、カラスの方がヒヨドリよりも時間をかけてじっくり水浴します。


ヒヨドリ(野鳥)@川岸+水浴

2018/07/03

ヒマラヤスギの完熟した球果から剥落する果鱗



2018年1月上旬
▼前回の記事
自然乾燥で開くヒマラヤスギ球果の果鱗【9000倍速映像】

自然乾燥させ果鱗が開いたヒマラヤスギの球果(松ぼっくり)をそのまま室内に放置すると、更に19日後の12月中旬、急に球果の上部が自然に落ちてガシャンと物音を立てました。
きれいな薔薇の花のように見えることから、この部分は「シダーローズ」と呼ばれドライフラワーなどの装飾として使われるそうです。

ヒマラヤスギの大木の下をよく探すと、シダーローズがいくつも転がっているかもしれません。
本当はここまでを微速度撮影で記録したかったのですが、シダーローズが落ちる時期を予測できませんでした。

残りの球果に軽く触れたり傾けたり軸を持って回したりするだけで、乾燥した果鱗がバラバラと剥落しました。
剥がれた果鱗は更に種鱗(種子に薄くて大きな翼が付いている)と苞鱗(干し椎茸のような形)へと自然に分解します。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→回転翼を持つヒマラヤスギ種鱗の回転落下【ハイスピード動画】風による種子散布


シダーローズ
シダーローズが脱落した残りのヒマラヤスギ球果
剥がれた果鱗は更に種鱗と苞鱗に分解する
種鱗(左2つ)と苞鱗(右)
種鱗(下)と苞鱗(上)



小動物の死骸を食べて歩道をきれいにしてくれるハシブトガラス(野鳥)



2018年4月下旬

きれいに刈り込んだ植込みの樹上から一羽のハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が歩道に舞い降りました。
小型哺乳類の死骸を見つけると、嬉しそうに嘴で咥えました。
車に轢かれたロードキルなのかな?
獲物は灰色の毛皮をしており、フサフサの尻尾が見えます。
郊外とは言え、こんな平地で野生のリスが生息しているのか?と驚きました。(裏手は木が多い公園になっています)
近くの川やゴミ処理場で発生したネズミなら、尻尾に毛は生えていないはずです。

ハシブトガラスはすぐ横のコンクリート塀に飛び上がり、小動物の死骸を丸呑みにしました。
繁殖期なので、巣で待つ雛鳥に給餌するつもりなら、喉袋に入れたのでしょう。(それとも独身の個体が自分のために食べたのかな?)
最後は飛び立つと近くの電線に止まり直し、嘴を足元の電線で拭いました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2018/07/02

砂地で吸水するキアゲハ♂



2018年5月上旬

前日の雨が上がり、晴れました。
道端でキアゲハ♂(Papilio machaon hippocrates)が落ち着きなく低空で飛び回っていました。
やがてガードレールのすぐ脇に砂で盛土をした路肩に降り立ちました。
やや風がやや強いのですが、キアゲハ♂は翅を開いたまま口吻を伸ばすと、前日の雨で湿った砂から吸水し始めました。
ついでにミネラルを摂取しているのでしょう。
もしかすると吸水しながら余分な水分を排尿していたかもしれません。
しかし今回は腹端を見せてくれなかったので、オシッコしている証拠映像が撮れませんでした。
すぐ横の車道をひっきりなしに車が通ってもキアゲハは気にせず、あちこち場所を微妙に変えながら夢中になって吸水していました。

この空き地は、町工場が最近取り壊されて更地になったのです。


キアゲハ♂@砂地+吸水
キアゲハ♂@砂地+吸水

川の上空を飛ぶ2羽のカワウ(野鳥)



2018年4月下旬

川の上空を飛ぶ黒い鳥を発見。
カラスの飛び方ではないのでカメラを向けたら、カワウPhalacrocorax carbo hanedae)でした。
つがいなのか、2羽が前後して川の上流へ向かって飛んで行きます。
飛行中も腰の白斑が目立ちます。
着水するまで見届けたかったのですが、河畔林の陰に隠れて見えなくなってしまいました。


カワウ2(野鳥)@川上空+飛翔


2018/07/01

自然乾燥で開くヒマラヤスギ球果の果鱗【9000倍速映像】



2017年11月中旬〜下旬

歩道にヒマラヤスギの大きな球果がゴロンと転がっていました。
見上げると校庭の端に常緑針葉樹のヒマラヤスギの大木が並んでいます。
ヒマラヤスギの球果は大きくて立派なのに枝先で上向きに実っているのが特徴です。
そのうちの一つが風で路上に落ちたのでしょう。
写真を撮ってから拾い上げると、ずっしりと重い松笠でした。(枝葉も含めた重量は102.5gもありました。)
表面に白っぽい松脂が滲んでいて、匂いも松脂臭いです。

採集したヒマラヤスギ球果+scale
ヒマラヤスギの球果は上向きに付く。
ヒマラヤスギ球果@枝葉・全景
ヒマラヤスギ樹冠
ヒマラヤスギ球果の表面に白い松脂が滲む

片桐啓子、平野隆久『拾って探そう:落ち葉とドングリ 松ぼっくり』を紐解いてみると、動画ブログのネタのヒントが幾つか得られました。

・(ヒマラヤスギの)松ぼっくりは2年型。翌年の晩秋に緑褐色に熟すと、果鱗をばらばらと落とす。種鱗+苞鱗=果鱗
・12月の若い松ぼっくり。雌しべが果鱗になり、生長しはじめている。苞鱗は発達しない。
・翌年の初夏。大きくなっているが、まだ緑色。
・秋には緑褐色になる。熟すにつれて果鱗が開いていく。
・松ぼっくりは長さ6〜13cm。完全に熟すと果鱗がタネごと果軸から落ちてしまうので、松ぼっくりは拾えない。
・果鱗がはがれ落ちるとき、お腹に、2個ずつ抱いていたタネがくるくる回りながら風で運ばれていく。
・てっぺんの果鱗はまとまって落下する。(以上、p142-143より引用)


拾ったヒマラヤスギ球果を室内で陰干しにして(放置)、果鱗が徐々に開いていく様子を微速度撮影してみることにしました。
タイムラプス専用カメラBrinno TLC200を用いて1分間隔のインターバル撮影を行いました。
得られた連続写真を素材とした9000倍速の早回し映像をご覧ください。


自然乾燥が進むと、枝に付いた根元側から上へと順に松毬が開いていきます。
ときどき果鱗が開く際にピシッ♪と鋭い音がするのですが、残念ながら微速度撮影では録音されません。
果鱗が開いていくと球果全体の重心のバランスが崩れたようで、いつの間にか台紙の上で松毬が転がっていました。
そこで、これ以上転がらないように、球果の枝を台紙にビニールテープで貼り付けて固定しました。
(不細工なビニールテープを隠そうとしたのですが、あまり上手く行きませんでした。)
18日間で変化がなくなったので、インターバル撮影を打ち切りました。

乾燥重量を量るべきでしたが、忘れてしまいました。
花が咲くように上部まで果鱗が開いたものの、シダーローズと呼ばれるてっぺんの果鱗は未だ脱落しません。
乾燥した室内とは異なり自然界では冬も雨や雪が降ったり晴れたりしますから、ヒマラヤスギ球果の果鱗は枝上で開閉を繰り返しながら熟していくのでしょう。

つづく→ヒマラヤスギの完熟した球果から剥落する果鱗




【追記】
清水清『科学のアルバム:植物は動いている』によると、
 ひらいたマツカサ(果実)を水につけると、マツカサはとじてしまいます。反対に火であぶってかわかすと、またひらきます。これは、マツカサをつくっているりん片の内側と外側で、かわいたときのちぢみ方、湿ったときのふくらみ方に差があるためです。かわいたときは内側よりも外側が多くちぢむため、外側にそり返ります。湿ったときは内側よりも外側が多くふくらむため、もとにもどるのです。 (p48より引用)


開いたマツカサを水に漬けてみる実験は、私もいつか試してみるつもりです。

河畔林でトビを追い回すカラスのつがい(野鳥)



2018年4月中旬

河畔林でトビMilvus migrans)が2羽のカラスと激しい空中戦を繰り広げていました。
翼の下面に白斑を確認したので、この猛禽類はトビで間違いありません。
トビは必死で逃げ回りながらピーヒョロロ♪と悲鳴を上げている声が対岸までかすかに聞こえました。

つがいのカラスが凄い剣幕で天敵を追い回しているので(モビング、擬攻撃)、おそらく近くにカラスの巣があるのでしょう。
ハシブトガラスなのかハシボソガラスなのか、遠くてカラスの種類は見分けられませんでした。

川の対岸から望遠レンズで撮影しました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

▼関連記事(1週間後にも激しくやり合っていました)
樹上のトビを激しく襲うカラス混群【HD動画&ハイスピード動画】(野鳥)


トビ(野鳥)vsカラスsp2(野鳥)@河畔林上空+モビング
トビ(野鳥)vsカラスsp2(野鳥)@河畔林上空+モビング

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