2016/09/17

キササゲの花を食すイブキヒメギス♀と追い払うクロオオアリ♀



2016年7月上旬

峠の道端に見慣れない幼木の群落が自生していました。
黄色の花が咲いています。
帰ってから調べてみると、アブラギリと迷ったのですが帰化植物のキササゲのようです。
(秋になって細長い実がついたことからキササゲで確定しました。)※追記参照

イブキヒメギス♀(Eobiana japonica)がキササゲの花弁(花びら)をむしゃむしゃ食べていました。
ところが同じ花にクロオオアリCamponotus japonicus)のワーカー♀がやって来て、イブキヒメギス♀の足の先にあちこち噛み付き始めました。
アリの攻撃に堪らず花から退散しました。
横を向いた瞬間に腹端の産卵管と丸い翅先が見えたことから、イブキヒメギス♀と判明。
アリはキササゲの花でパトロールを続けます。
しばらく待ってもイブキヒメギス♀は花に戻って来ませんでした。

このアリの行動はとても興味深く思いました。
獲物になるかどうか、試しに攻撃してみたのですかね?
もしかすると、アリと共生関係にあるアブラムシのコロニーがあり、この花を食害する草食性昆虫から防衛したのでしょうか?
それとも、キササゲの葉の根元付近には花外蜜腺があるそうなので(参考サイト:松江の花図鑑)、だからアリはキササゲのボディーガードを務めたのかな?
いずれの可能性も後で思いついたことで、現場では確かめていません。

その代わりせっかくなのでキササゲの送粉者を突き止めようと、傍らでしばらく粘って待機したのですけど、訪花するハナバチ類は現れませんでした。




【追記】
9月上旬に同じ場所で撮影した実の写真。


更に2ヶ月後(11月中旬)、葉が枯れた後の実の写真。




スイバで休んでいたニホンカナヘビが警戒して逃げるまで



2016年7月上旬

山間部の道端に生えたスイバの群落のうち、倒伏しかけた一本の先端近くにニホンカナヘビTakydromus tachydromoides)が休んでいました。
緑色の実がなっているスイバの穂先でじっとしています。
そっと近づいても、全く動じません。
尻尾は無傷で、自切の痕跡はありませんでした。
更にレンズを近づけると顔は横を向き、逃げ腰で舌舐めずりしました。
最後は方向転換すると、茎を下り逃げて行きました。

スイバの茎に群がるアブラムシをカナヘビは捕食していたのではないか?と後で思いつきました。
実はこの日、道端のスイバに黒いアブラムシ(種名不詳)が集っているのをよく見かけていたのです。(写真なし)
しかし映像を見直しても、カナヘビが居たスイバにアブラムシは集っていませんでした。
カナヘビはただ休息や日光浴していただけなのでしょう。





センノキカミキリ♀を見つけた!(身繕い、徘徊、飛び立ち)



2016年6月下旬

センノキカミキリ♀(Acalolepta luxuriosa luxuriosa)だと思います。
ホストのタラノキも近くに沢山生えていました。
1ヶ月後に、ほぼ同じ場所で触角の長い♂も見つけました。(映像公開予定)

峠道で飛来したカミキリムシが道端の雑草の葉に止まりました。
顔を正面から撮っても逃げません。
身繕いを始めました。
その後は葉から降りて徘徊開始。
背の低い雑草のてっぺんに苦労してよじ登りましたが、足場が不安定なためか離陸に失敗。
飛び立たってもすぐに墜落しました。
捕獲して私の指先から飛び立たせました。
最後は1/4倍速のスローモーションで飛び立ちをリプレイ。

つづく→捕獲すると液体を吐き戻すセンノキカミキリ♀


2016/09/16

ウワミズザクラ?樹上で授乳するニホンザル♀の警戒心



2016年6月下旬

山間部の道端で雑木林の樹上で野生ニホンザル♀(Macaca fuscata fuscata)が枝の又の部分に腰掛けていました。
単独行動かと思いきや、赤ん坊ザルを抱いていたと後に判明します。
非常に警戒心が強く、チラチラとこちらを気にしています。
離れたところから望遠レンズで撮っている私にも赤ん坊を絶対に見られないように背を向けていました。
樹種はおそらくウワミズザクラかな?
母猿は口をモグモグと動かしています。
手を動かす採食活動はしてませんので、頬袋に溜め込んだ食物を咀嚼しているのでしょう。

右の樹上にもう一頭のニホンザルが居たようですが、木を下りるまで私は気づきませんでした。
一方、ウワミズザクラ樹上の母猿は動きません。

最後に私がそっと近づいてから撮ると、気づいた猿が慌てて逃げ出す際に、赤ん坊ザルを腹に抱えていました!
素早く木から下りて森へ逃げて行きました。
私に背を向けて乳児を隠しながら、長い間ずっと授乳していたのかもしれません。
私はこの日どうしても先に急ぎたい用事があり、母猿の横をの道を通る必要がありました。
しばらく待っても遊動する気配がなかったので、母猿を驚かせたくはなかったのですけど、動画を撮りながら静かに進みました。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



ハクチョウソウの花蜜を吸うベニシジミ夏型



2016年7月上旬

花壇に咲いたハクチョウソウ(=ヤマモモソウ、ガウラ)に夏型のベニシジミLycaena phlaeas daimio)が訪花していました。
翅を半開きにして吸蜜しています。
翅表の黒っぽい個体は夏型です。







2016/09/15

枯れたハンノキでさえずり♪虫を捕食するオオヨシキリ♂(野鳥)



2016年6月中旬

池の畔で立ち枯れしたハンノキオオヨシキリ♂(Acrocephalus arundinaceus)が枝から枝へ飛び回り、枝を啄んでいました。
早朝(午前6:33)から餌となる虫を探索しているようです。
やがて樹冠へ登り囀り始めたので、♂と判明。

ラストシーン(午前7:20)は別個体かもしれませんが、嘴に何か虫を咥えたまますぐにハンノキから飛び去りました。
巣で待つ雛に給餌するのでしょう。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


モンキチョウ♀♂の求愛飛翔【ハイスピード動画】



2016年6月下旬

山麓で求愛飛翔するモンキチョウColias erate poliographus)♀♂を240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。

黄色の♂は常に白い♀の目の前を飛んで♀の行く手を塞ぐように動いています。
フワフワと羽ばたいて飛ぶ♀の下をくぐり、♀の目の前で上昇する動きを♂は繰り返しています。
♂の方が激しく羽ばたいていることが分かります。

これまでで最も長時間、撮影出来ました。
グルグルと乱舞しながら農道を横断し休耕地へと飛んで行きました。
熱烈に求愛されても♀が着陸してくれないので、交尾には至りませんでした。



【追記】
渡辺守『モンキチョウの交尾行動』によると、
 一頭の♀に数頭の♂が群らがって飛んだり、♀の前を♂がホヴァリングしながら飛翔しているのも求愛飛翔です。交尾する意志がなかった場合、♀は♂を振り切ろうとしますが、♀の行く手をふさぐように♂が飛ぶので、しかたなく♀は草むらに着陸し、翅を拡げて腹部を上げるという、シロチョウ類に特徴的な交尾拒否姿勢を示すことになります。 (『動物たちの気になる行動〈2〉恋愛・コミュニケーション篇』p61より引用)


2016/09/14

白内障の老いたニホンザル♂が逃げる途中で威嚇



2016年6月下旬

低山の峠道で遭遇した野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)です。

腹に赤ん坊ザルを抱いた♀が私に気づいた途端に、慌てて全力で逃げて行きました。
乳飲み子を抱えてこんなに速く走れるとは驚きです。

つづいて老いた♂が道端の茂みから車道に現れました。
逃げて行く途中で立ち止まり、こちらを振り返りました。
このとき軽い威嚇の表情をしました。
遊動する群れの殿しんがりを務めているのでしょうか。
群れでは長老格なのか、なかなか貫禄のある面構えですね。
目が白く濁っているのが白内障だとしたら、積雪期に晴れると強い紫外線を浴びて雪目になるせいではないかと想像しています。
つまり雪国のニホンザルは老いると視力を失い、生き残れなくなるのかもしれません。
サングラスの発明は人類の福音です。

私がじっとしていると、猿は少し歩き去ってから道端に座り込み、体を掻きました。
この後で、同一個体がクズの蔓を採食します。




ミズナラに形成したナラメリンゴフシ【虫こぶ】経過観察#3:



2016年6月下旬

虫瘤ナラメリンゴフシの定点観察記録#3


山間部の道端に生えたミズナラ幼木の枝先に形成されたナラメリンゴフシの様子を12日ぶりに見に行きました。
虫こぶの表面が茶色で、触るとブヨブヨしわしわになっていました。
腐ったリンゴのフカフカ、シワシワした感触と少し似てるかもしれません。
多少手荒く扱っても中から蜂が飛び出して来ることはありませんでした。
表面に多数の穴が開いているのはナラメリンゴタマバチ(Biorhiza nawai)の羽化孔なのかな?
虫こぶ上を微小な昆虫が徘徊しています(正体不明)。

つづく→#4



2016/09/13

授乳中の子連れニホンザル♀の身体能力



2016年6月下旬

峠道のガードレールに座っていたニホンザルMacaca fuscata fuscata)子連れ♀です。
赤ん坊猿を胸に抱いて授乳していました。
私に気づくと、母猿は赤ん坊ザルを腹にしがみつかせたままガードレール上を渡りながら歩き去りました。
さすがに少し重そうで、一度は足元を滑らせかけました。
母猿がガードレールから立ち上がったのでどうするのかと思いきや、子猿を胸に抱いたままシナノキの枝を掴むと飛びつきました。
素晴らしい身体能力に惚れ惚れしました。
最後は木に登って安全な枝に腰掛けました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


赤ん坊は母親の乳首をしっかり吸っています。

ユリズイセン(橙色)の花で採餌するトラマルハナバチ♀



2016年6月下旬

農村部の花壇に咲いたユリズイセン(=アルストロメリア)の群落でトラマルハナバチBombus diversus diversus)のワーカー♀が訪花していました。
トラマルハナバチは舌が長いので、花筒に対して常に正当訪花しています。
しかしユリズイセンの雄しべが長いため、蜂の体にオレンジ色の葯が触れることはあまり無さそうです。
案の定、後脚の花粉籠はほとんど空荷でした。

ユリズイセンとトラマルハナバチの組み合わせは過去に撮っていますけど、オレンジ色の花の品種に訪花するのは初見です。
お馴染みのピンクの花の株も隣に咲いているのに、蜂は見向きもしませんでした。
単にパッチ面積の問題かもしれませんが、品種によって蜜量が異なる(オレンジ>ピンク)のですかね?
複数個体を撮影。



2016/09/12

シナノキ樹上で採食するニホンザル



2016年6月下旬

山間部の道端の斜面で雑木林の樹上に野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)を見つけました。
白っぽい毛皮(夏毛?)の若い個体でした。
枝を手繰り寄せて何か採食したようですが、メニューはよく分かりませんでした。
樹種はおそらくシナノキで、実がなっている他、葉を巻いた揺籃のような虫の巣がぶら下がっています。
私がカメラで撮っていることに気づくと、猿はしばらく見下ろしていましたが、枝を引き返して茂みに隠れました。

私が少し横にずれてから撮影を再開。
猿は枝に腰掛けて体を掻くと、自分で毛皮から蚤取りを始めました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



キアゲハの求愛飛翔



2016年6月下旬

ムシトリナデシコの咲いた花壇でキアゲハPapilio machaon hippocrates)の吸蜜シーンを撮っていたら、もう一頭が飛来して激しい乱舞を始めました。
結局、交尾には至らず、すぐに別れてしまいました。
性別が見分けられないのですけど、♂の求愛を♀が拒否したのか、あるいは♂同士で誤認求愛したのかもしれません。


【追記】
渡辺守『チョウの生態「学」始末』という本を読んで初めて知ったのですが、キアゲハの♀はチョウにしては珍しく複数♂との多回交尾をせず平均交尾回数は1回なのだそうです。


2016/09/11

イネ科の穂を採食する野生ニホンザル【名前を教えて】



2016年6月下旬

峠道で遭遇した野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)が文字通り道草を食う中で、イネ科植物の穂を採食するシーンをまとめてみました。

シーン1:

若い個体が道端のガードレールに腰掛けて、こちらを見ています。
ガードレールの下から生えたイネ科植物(種名不詳)の穂先を右手で押さえながら直接口を付けて、しごくように実を採食しました。
次は穂先を手で毟って採食しました。

シーン2:(@1:35〜)

子猿を連れた♀が続々と登場します。
左から登場した♀が仲間の居る路肩に座りました。
立ち上がってガードレールの横に生えたイネ科植物の穂先を採食しました。
遊んでいる赤ん坊達も真似して穂先に飛びつこうとしています。

相変わらずガードレールの下に座った個体(乳首が長い♀)がイネ科植物の穂先を食べ続けています。
赤ん坊ザルも母親の真似をして、穂先を採食しました。



さて、野生ニホンザルの採食メニューに興味があるのですけど、このイネ科植物の名前は何でしょう?
どこにでも生えてそうな雑草です。
猿の群れが立ち去ってからガードレールの近くまで写真を撮りに行くと、穂先がほとんど食害されていて自然状態がよく分からなくなっていました。
どなたか見分けられる方がいらっしゃいましたら教えて下さい。
しばらくしたら再生するかと思い待っていたら、数カ月後には草刈りされて落胆しました…。






畑の土で吸水するモンシロチョウ



2016年6月下旬

家庭菜園の畑で水を撒いた部分の湿った黒土にモンシロチョウPieris rapae)が止まっていました。
モンシロチョウのミネラル摂取は珍しい(初めて見る)!と思い、撮り始めました。
しかし撮影アングルを変えながら口元に注目しても、口吻を伸ばして土を舐めているようには見えません。
濡れた土が気化熱でひんやり涼しいだけかもしれません。
もし体温を冷やしたいのなら、日陰に飛んで行けば良いと思うのですけど…。

▼関連記事(3年後に土を舐める口吻をしっかり撮れました!)
畑の土を舐めてミネラル摂取するモンシロチョウ♂



コウモリの飛ぶ晩



2016年6月中旬・午後19:35

ケヤキ並木と体育館の間をコウモリが2頭、激しく飛び回っています。
外灯の近くなら光に誘引された昆虫を捕食しに来たと分かるのですが、暗がりを飛び回っているのがちょっと不思議でした。
軒下に蚊柱などが発生していたのかな?
ちなみに日没時刻は午後19:05。

街中なのでおそらくアブラコウモリPipistrellus abramus)だろうと思うのですが、定かではありません。
超音波の鳴き声を可聴域に変換して解析できるバットディテクターが欲しい!


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