2014/08/30
タチアオイの花蜜を吸うクマバチ♀
2014年6月下旬
山村の道端に咲いたタチアオイの群落でキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が訪花していました。
脚や腹面に白い花粉が付いているものの、後脚の花粉籠は未だ空荷のようです。
どうも時折、花の裏表が分からず蜜腺はどこか迷っているように見えるときがあり、興味深く思いました。
複数個体だったかどうか、よく覚えていません。
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訪花
ヒメシジミの求愛拒否@シロツメクサ花【ハイスピード動画&HD動画】
2014年6月下旬
私のフィールドでヒメシジミ(Plebejus argus micrargus)は個体数の多い普通種であり、性別を容易に見分けられるため、求愛行動の観察に適しています。
(♀は翅表が褐色、♂は青。)
▼関連記事
・ヒメシジミの婚活(♀1♂3)
・ヒメシジミ♂の求愛と♀の拒絶
里山の山腹を通る林道でヒメシジミ♀がシロツメクサの花蜜を吸っていました。
♂の求愛行動を240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
♀は翅を閉じたまま花の上を歩き回ります。
一方、♂は翅を広げ頭部を常に♀に向けています。
花の上で互いにぐるぐる回った後、♂が飛び立ち♀の翅にしがみつこうとしています。
このとき♀は翅を半開きにして交尾拒否。
♂は♀の目の前に着陸し、激しく羽ばたいています。
♀はとにかく♂に背後を取られないようにしているようです(マウント回避)。
翅の大きさは♀>♂。
♀は左前翅頂が欠けています。
長い睨み合いの末に、ようやく♀の背後をとった♂が交尾器を連結しようと腹端を前方に曲げつつ♀に迫ることもありました。
♀は茎を降りて逃げ、背後を取られないよう常に回り込みます。
痺れを切らした♂がまた飛び立ち、♀のすぐ近くを情熱的に飛び回ります。
度重なる求愛(セクハラ)で吸蜜に専念できない♀が遂にシロツメクサの花から降りて下草に隠れてしまいました。
それでも♂は諦め切れず、互いに向き合い羽ばたいています。
痺れを切らした♂が飛び上がり、ホバリングしながら求愛するも♀は断固拒否。
ようやく諦めた♂が近くのシロツメクサの葉に止まりました。
実は先に通常のHD動画でも撮っています。
吸蜜中の♀に♂が飛来して求愛するも、♀は翅を広げ細かく震わせて拒否しています。
諦めた♂は少し飛んで近くのススキの葉に止まり、その後は自らもシロツメクサの花蜜を吸って栄養補給。
この日も求愛が成就して交尾に至る様子は観察できませんでした。
交尾拒否の例を蓄積するのも価値のあることだと思うようにします…。
ヒメシジミ♀は交尾相手の選り好みが激しいのか、それとも♂の体力を試しているでしょうか?
羽化直後に交尾した♀は二度と交尾しないのかな?
だとすれば、交尾を観察するには飼育下で羽化させないといけませんね。
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飛翔
2014/08/29
ミドリヒョウモンは♀も土を舐める
2014年6月下旬
▼前回の記事森の小径でミドリヒョウモン♀(Argynnis paphia)が翅を開閉しながら土を舐めていました。
混群で土を舐めるミドリヒョウモン♂とウラギンヒョウモン♂
蝶の♀がこのようなミネラル摂取行動をするのは珍しいと思いました。
ただの日光浴ではなく、確かに口吻の先を地面に伸ばしています。
撮り始めたらすぐに飛び去ってしまい、残念無念。
後半は1/4倍速のスローモーションでリプレイ。
この日の山行で見かけたミドリヒョウモンは圧倒的に♂の方が多かったです。
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飲水
シロスジヒゲナガハナバチの交尾未遂
2014年6月下旬
堤防に咲いたクサフジの花でシロスジヒゲナガハナバチ♀(Eucera spurcatipes)と思われる蜂が2匹が並んで採餌していました。
ヒメシジミ♀も吸蜜しています。
そこへ触角の長い♂が飛来し、右側の♀に飛び付きました。(@0:06)
突風が吹いたせいか、それとも♀が交尾拒否したのか分かりませんが、成就せずに雄蜂は離れました。
後半は1/4倍速のスローモーションでリプレイ。
▼関連記事
・クサフジの花蜜を吸うシロスジヒゲナガハナバチ♂
・クサフジの花で採餌するシロスジヒゲナガハナバチ?♀
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訪花
2014/08/28
混群で土を舐めるミドリヒョウモン♂とウラギンヒョウモン♂
2014年6月下旬
▼前回の記事森の小径で集団吸水しているミドリヒョウモン♂(Argynnis paphia)を撮っていると、ウラギンヒョウモン♂(Fabriciana adippe)が一頭混じっていることに気づきました。
土を舐めるミドリヒョウモン♂の群れ
歩き回りながらも互いに集まり土を舐めミネラル摂取しています。
ヒョウモンチョウの仲間がこのような行動をするとは知らず、意外な光景でした。
集まったミドリヒョウモン♂の中に左後翅が縮れたような羽化不全個体も居ますけど、飛ぶのに支障は無いようです。
今回見たのは全て♂でした。
一体♀はどこにいるのでしょう?
▼つづく
ミドリヒョウモンは♀も土を舐める
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飲水
クサフジの花で採餌するシロスジヒゲナガハナバチ?♀
2014年6月下旬
堤防に咲いたクサフジの群落でシロスジヒゲナガハナバチ(Eucera spurcatipes)と思しき見慣れない蜂が訪花していました。
後脚の花粉籠に薄橙色の花粉団子を付けています。
肝心の翅脈もしっかり見えないのにどうしてシロスジヒゲナガハナバチと思ったかというと、雄蜂が交尾しようとしたからです(つづく)。
▼関連記事
クサフジの花蜜を吸うシロスジヒゲナガハナバチ♂
草むらで何度か見失い、同一個体なのか不明です。
風が吹いて茎が揺れ、撮り難いコンディションにフラストレーションが溜まりました。
日差しが強くカメラの液晶画面が見えないときや、動きの速い虫を動画に撮る時は、光学ファインダーを覗けば対応できます。
そのためカメラを買い換えるとき、私は必ず光学ファインダーの付いた機種を選ぶようにしています。
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ハチ・アリ(膜翅目),
訪花
2014/08/27
土を舐めるミドリヒョウモン♂の群れ
2014年6月下旬
里山の林道でミドリヒョウモン♂(Argynnis paphia)が仲良く集団吸水していました。
初め見かけたのは一頭だけでしたが、道を進むと同種の♂ばかりがあちこちで集まっていて、不思議な光景でした。
翅を開閉しながら伸ばした口吻で地面を舐め、ミネラル摂取しているのでしょう。
クロアゲハのように排尿しながら吸水しているのかという点に興味を持って観察していたのですが、そのようなシーンは見られませんでした。
「泥水をすすっている(吸水)」と称するには地面が乾いているので、「土を舐めている」と表現してみました。
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アカツメクサを訪花するシロスジヒゲナガハナバチ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】
2014年6月下旬
堤防の草地に咲いたアカツメクサ(=ムラサキツメクサ)の群落で見慣れないハナバチ♀が訪花していました。
マルハナバチのようにずんぐりむっくりした体形で、体毛が白っぽいです。
後脚の花粉籠に橙色の花粉団子を付けています。
花から花へ忙しなく飛び回る様子を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:24〜)
映像の前後半で別個体を撮影。
撮影の途中で1匹だけ採集してみました。
これはひょっとすると、シロスジヒゲナガハナバチ♀(Eucera spurcatipes)ですかね?
翅脈:前翅の肘室が2個 |
以下は標本写真。
前翅の肘室が2個であることから、シロスジヒゲナガハナバチ♀で良さそうです。
ところが腹節背面の毛の色が明るい茶色なのは、ニッポンヒゲナガハナバチ♀の特徴です。
図鑑ではニッポンヒゲナガハナバチ成虫の出現時期が4〜5月で春のハナバチということになっています。
北国では遅れていると単純に解釈して良いのかな?
側面 |
側面 |
背面 |
腹背 |
腹端に毒針 |
顔 |
顔 |
右翅の翅脈(前翅の肘室が2個) |
腹面 |
後脚の花粉籠 |
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訪花
2014/08/26
キバネセセリの吸い戻し【HD動画】
2014年6月下旬
里山で他の虫を撮影していると、地面に置いたカメラバッグにキバネセセリ(Bibasis aqulina chrysaeglia)が飛来しました。
私の手汗が沁み込んだ把手部分に止まると口吻を伸ばし、腹端から透明な尿をかけて塩分を溶かしながら吸水を始めました。
これはセセリチョウ科に特有の吸い戻し行動で、ミネラルを摂取しているのでしょう。
吸水しながらその場で向きを変えてくれるので、色んなアングルが撮れました。
モデル(被写体)としてサービス精神が旺盛ですね。
翅を閉じたまま翅表を見せてくれず、性別は不明です。
三脚を使わなかったため、長撮りで私の体勢が苦しくなりました。
我慢しきれず動いたら、飛んで逃げられてしまいました。
7年前にも同様のシーンを撮っていますが、カメラの画質が格段に進歩しています。
▼関連記事
キバネセセリ♂の吸い戻し
【追記】
福田晴夫『チョウの履歴書 (自然に生きる)』という名著のp144に「キバネセセリの吸いもどし行動」と題した見事な生態写真が掲載されていました。
さしずめ“手のりセセリ”というところ。汗のにおいでも感じたのか指に止まって排出物を出し、それを吸いはじめました。
私は未だキバネセセリがヒトの汗を素肌から直接吸汁するのを見たことがありません。
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草の種子を採食するカワラヒワ(野鳥)
2014/08/25
ウツギの花蜜を吸うオオチャバネセセリ
2014年6月下旬
堤防に咲いたウツギの群落でオオチャバネセセリ(Polytremis pellucida pellucida)と思われるセセリチョウが訪花していました。
イチモンジセセリかと思いきや、後翅裏面の白色紋がまっすぐに並ばずジグザグに並んでいるので、オオチャバネセセリのようです。
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訪花
バッタを捕食するスズメ(野鳥)
2014年6月下旬
平地(郊外)の舗装路でスズメ(Passer montanus saturatus)が何か褐色のバッタ(種名不詳)を捕食していました。
じっくり観察する間もなく車が来てしまいました。
慌てたスズメは獲物を咥えホッピングして去りました。
【追記】
佐野昌男『わたしのスズメ研究 (やさしい科学)』p34に
脚や羽を撮って食べやすくしたバッタを、雛に運ぶ。(長野県東御市)と題した生態写真が掲載されていました。
もし車に邪魔されなかったら私も同様の前処理が観察できたかもしれません。
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捕食
2014/08/24
宿根リナリアの花蜜を吸うクマバチ♀
2014年6月下旬
平地の庭先に植えられた宿根リナリアの群落でキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が忙しなく飛び回り、紫およびピンクの花の株から吸蜜しています。
後脚の花粉籠は空荷でした。
複数個体を撮影。
同時にクロマルハナバチ♀およびオオハキリバチも訪花・採餌していたのですが、オオハキリバチの方は現場では気づかず撮り損ねました。
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ミツバの葉に産卵するキアゲハ♀【ハイスピード動画】
2014年6月下旬
キアゲハ(Papilio machaon hippocrates)は開けた草地に居る蝶だとばかり思っていたので、雑木森の中で飛ぶ姿を見かけて驚きました。
忙しなく飛び回る様子を見ていると、どうやら山道の下草で産卵する場所を探しているようです。
幼虫の食草(セリ科)に止まった♀の産卵シーンを240-fpsのハイスピード動画で撮影に成功しました。
軽く羽ばたいてバランスを取りながら腹端を軽く曲げて葉に擦り付け、卵を産み付けています。
近くの葉で計2回産卵しました。
産卵直後に調べてみると、真ん丸で黄白色の卵が葉表にすぐ見つかりました。
茎の一番上に付いた目立つ葉に一粒だけ産卵していました。
この植物は野生のミツバ(セリ科)と判明。
花は咲いていません。
この卵を採集して飼育するか迷ったのですけど、とても余力がなくて諦めました。
前年にはキアゲハの終齢幼虫から飼ってみたものの、寄生されたり蛹で死んだりして、成虫が羽化してくれませんでした。
【追記】
『日本動物大百科9昆虫II』p31によると、アゲハチョウ類の産卵行動はジャコウアゲハを例にとると
羽ばたきながら前あしで交互に葉の表面を激しく叩き(ドラミング行動)、やがてその葉にしがみついて産卵を始める。♀成虫の前肢には「葉の味」を感じる感覚毛が生えていて、これで食草特有の化学成分を感じているのだ。ドラミングは、食草以外の葉の上でも頻繁に行われる。
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