2024/11/23

ニホンアナグマの越冬用営巣地で年始に相互毛繕いするホンドタヌキのペア【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年12月下旬〜2024年1月上旬 


シーン0:12/27・午後14:17・くもり・気温15℃(@0:00〜) 
平地の落葉した二次林で越冬するニホンアナグマMeles anakuma)の巣穴を自動撮影カメラで見張っています。 
年末年始のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の登場シーンをまとめました。 


シーン1:12/27・午後22:31・気温-2℃(@0:03〜) 
年末の晩にタヌキが単独で現れたものの、アナグマの巣穴には近寄らずに左へ立ち去りました。 
雪面は凍結(クラスト)しているようです。 


シーン2:1/2・午前5:05・気温-5℃(@0:14〜)日の出時刻は午前6:52。 
新年の未明に監視カメラが起動すると、暖冬でセット(アナグマの営巣地)の雪解けが進んでいました。 
夜明け前の雪面は凍結しています。 
左から来たタヌキaがアナグマの巣口Lを点検してから、カメラを見上げました。 
次に別個体のタヌキbが隣の巣穴Rからのんびり出てきたので驚きました! 
てっきりアナグマが巣内で越冬していると思っていたのですけど、不在なのでしょうか? 
冬のアナグマは眠そうでぼんやりしていますし、タヌキとの同居を寛容に許容しているのかもしれません。(同じ穴のむじな
もっとありそうな別の可能性として例えば、画面の手前(下)から来たタヌキbがアナグマの巣穴Rに入って点検するシーンを撮り損ねただけかもしれません。 
タヌキbは巣口Rで身震いしてタヌキaと合流すると、その場に座り込んで仲睦まじく相互毛繕いを始めました。 
きっと♀♂ペアなのでしょう。

実は2分後にもトレイルカメラが起動したのですが、何も写っていませんでした。(映像は割愛)
タヌキのペアが手前の死角に立ち去った直後のようです。


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。



痛々しく3本足で跛行するニホンザル♀の木登り能力

 

2023年12月中旬・午後15:05頃・くもり 

山麓の用水路に沿って2頭の野生ニホンザル♀♂(Macaca fuscata fuscata)が遊動してきました。 
発情した成獣♂が先行していますが、後続の若い♀個体に注目して下さい。 
鼻筋が白く通っていることから、「鼻白」と呼ぶことにします。 
先行する♂が谷に架けられた水路橋の手摺を渡っている間、鼻白♀は対岸で待機しています。 

しばらくすると、後続の鼻白♀も水路橋の手摺を伝い歩きし始めました。 
その足取りが明らかに異常です。 
どうやら右後足を負傷しているようで、痛む足の裏を着地しないようにかばって、他の3本足だけを使ってヒョコヒョコと跛行しています。 
初めはてっきり、ノイバラの棘などを足の裏でうっかり踏んでしまい、化膿した傷口が痛むのかと想像しました。 
しかし途中で立ち止まったときによく見ると、右後足の甲が赤黒く変色していました。 
逆側の健常な左足の色(あるいは健常個体♂の足の甲の色)と見比べてみて下さい。 
右足首を捻挫したのかもしれません。 
一体いつどこで右後足を負傷したのでしょうか? 
冒頭の登場シーンを見返すと、鼻白♀は水路沿いを正常に四足歩行をしていました。 
水路橋のたもとで怪我したのなら、悲鳴を上げたはずです。
足の裏に何か棘が刺さって痛むのなら、患部を気にして手当てするはずなのに、座ってるだけでした。 
どうやら痛みを我慢しながら水路橋まで4足歩行して来たようです。 

橋の手摺を伝ってどんどん近づいてきた鼻白♀は、谷の此岸で突っ立っている私を迂回するために、手摺から横の落葉高木(樹種不明)の枝へと身軽に飛び移りました。 
3本足でも見事な跳躍力です。 
そのままスルスルと木を下りました。 
木登り能力を注意深く見ると、樹上では痛みをこらえて4本足を使っていました。 
下向きになる木下り中は、後足にあまり負担がかからないのでしょう。 
野生のニホンザルで手足を怪我した個体をときどき見かけるのですが、木登り能力を確認できたのはこれが初めてです。 

地上に降りると、鼻白♀は負傷した右後足をかばって再び3本足で痛々しくヒョコヒョコと跛行し始めました。 
ときどき小声で哀れっぽく鳴いたのは、鼻白♀の鳴き声だと思います。 
(鼻白んで私とすれ違うときの不安や緊張の現れか?) 
その後も、遊動する群れの仲間と一緒にねぐらのスギ林に向かって休み休み跛行して行きます。 

地上および樹上での跛行を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:54〜)

2024/11/22

雪山でニホンカモシカが塒入りしてから立ち去るまで【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年12月下旬・午後15:39〜19:04・日の入り時刻は午後16:30 


シーン1:12/28・午後15:39・気温0℃(@0:00〜) 
雪山でスギの木の下に見つけたニホンカモシカCapricornis crispus)のねぐらをトレイルカメラで監視していると、夕方にカモシカが戻ってきました。 
角がほっそりしているということは、若い個体のようです。 
性別がどうしても見分けられませんでした。 

塒の周囲を歩き回った私の足跡にはあまり気にしていないようで一安心。 
カモシカはまず、塒の横に立つスギの幹の匂いを嗅ぎました。 
そこで縄張り宣言の匂い付け(眼下腺マーキング)をよくすることが後に判明しました。(映像公開予定) 
次に塒の踏み固められた雪面の匂いを嗅ぐと、身震いしました。 
左後脚の蹄を使って体の痒い部位(首の辺り? 耳の後ろ?)を器用に掻きました。
前足、後足の順に膝を折ると、塒の雪面にゆっくり座りました。 
右(斜面の谷側)を向いた体勢で、反芻を始めました。 
最後に咀嚼物を再び飲み込みました。 


シーン2:12/28・午後16:50・気温0℃(@2:00〜)日の入り時刻は午後16:30 
1時間10分後にカモシカが塒から立ち上がったときには、辺りは真っ暗になっていました。 
舌をペロペロ出し入れしながらカメラの方を向いていますが、監視カメラの存在にはまだ気づいていないのか、あるいは気にしていないようです。 

右前足を一歩前に出すと、甲や蹄の根元を舌で舐め始めました。 
ただの毛繕いというよりも、冷たい雪面で長時間座っていて足が痺れたのかもしれません。(凍傷やしもやけ予防の行動?) 
欠伸をしたのですが、吐いた息は白く見えませんでした。 

塒で180度方向転換すると、逆向きで座り直しました。 
今度は斜面の山側を向いて(顔はスギの幹の方を向けて)座りました。 
カメラに対して背を向けたので、気づかれる心配はなくなりました。 
座位のまま、首を曲げて右脇腹?を舐めています。 


シーン3:12/28・午後17:55・気温0℃(@4:00〜) 
約1時間寝た後にカモシカが立ち上がりました。 
カモシカが舌をペロペロと出し入れする舌舐めずりの行動が何の意味があるのか、いつも不思議に思います。(※ 追記参照) 

立ったままで反芻を開始。 
トレイルカメラの方を凝視していたのが目線を外して、斜面の谷側を眺めています。 


シーン4:12/28・午後17:58・気温(@6:00〜) 
やがてカモシカは塒の雪面に座り直しました。 
今度は右向きに戻り、斜面の谷側を向いています。 

暗闇でもずっと目を開いたままで反芻を続けています。 
夜の塒に座っていても、寝ないで覚醒状態のときがあると分かりました。 


シーン5:12/28・午後17:55・気温0℃(@8:00〜) 
1時間後に目を覚ましたカモシカが、塒で立ち上がりました。 
舌をペロペロ出し入れしてから、カメラ目線になりました。 
遂に移動を始めました。 
右へゆっくり歩き出し、雪山の緩斜面を谷側へ下りて行きます。 
縄張りをパトロールしながら採食に出かけたのでしょう。 

向かった先に溜め糞場sr2があるので、尿意(便意)を催して排泄に出かけたのかもしれません。 
長時間居座っていても、カモシカはねぐらでは決して排泄しませんでした。 

この日の夜は塒に戻って来ませんでした。
風もなく雪も降らず穏やかな天気で、気温は0℃のまま安定していました。 


【考察】
ねぐら入りしたニホンカモシカの行動を撮影するのが悲願だったので、ついに成就して感無量です。 
私の撮影スタイルは行きあたりばったりのことが多いのですが、このテーマは何年もかけて段階を踏んで準備して、狙って撮れたので達成感があります。 

トレイルカメラで2分間の動画を撮る設定にしましたが、瞼を閉じて寝る瞬間が撮れてない以上、睡眠のための塒とは言えないかもしれません。 
あくまでも、「座位休息しながら反芻するためのお気に入りの場所」かもしれません。 
しかし、トレイルカメラが動体検知できない休息時間が1時間×3回もあったことから、とりあえず塒で寝ていたことにします。

塒に座って寝ていたカモシカは定期的に(1時間毎)立ち上がって座る向きを変えていることが分かりました。 
(寝返りを打つことはありません。)
冷えきった脚を伸ばして血行を良くするためでしょう。 
寝起きのカモシカの体温が実際にどれぐらいなのか、サーモグラフィカメラで撮影・測定したら面白そうです。 
枯れ草などフワフワの断熱材(寝床)を敷いたりしないで冷たい雪面に直接座って寝るのはいかにも寒そうですし、お腹が冷えて反芻・消化にも影響しそうです。 
しかし、体毛や脂肪のおかげで意外と寒さを感じないのかもしれません。 

酒井仙吉『哺乳類誕生 乳の獲得と進化の謎 』と題した本(ブルーバックス)を読んで勉強になったのは、
哺乳類で効率的に進化した動物が偶蹄目で、かれらは草食性で反芻する特徴がある。(中略) 割れた蹄(偶蹄)であったことで山岳、砂漠、積雪地帯に進出できた。(中略)ニホンカモシカなどは山岳地帯に棲息し雪の上で眠る。(中略)なぜ寒さに強いかといえば、微生物が第一胃で草を分解するとき発生する熱を利用でき、非反芻動物と全く異なる発熱機構を有しているからである。 (p164-165より引用)

体内の発酵熱を利用しているとは驚きました。
反芻する草食動物よりも、キツネなど肉食性の強い動物の方が、雪山で暮らすのは大変そうです。




【追記】
ニホンカモシカの舌出し行動について。
まさかヘビの舌舐めずりのように、舌を使って空気中の匂い物質を鋤鼻器に送り込むための行動なのでしょうか?
ニホンカモシカにも解剖学的に鋤鼻器があり、フレーメン反応などに関わるそうです。
しかし、AI(Gemini1.5)に相談してみると、次の回答を得ました。
ニホンカモシカが舌をペロペロと出す行動は、ヘビのそれとは異なり、鋤鼻器に空気中の匂いを送り込むために行われているとは考えられていません。

なぜそう考えられるのか?

鋤鼻器の構造: ニホンカモシカの鋤鼻器は、ヘビのように口の中に大きく開口しているわけではなく、鼻腔の奥に位置しています。そのため、舌で直接鋤鼻器に空気を送り込むことは構造的に難しいと考えられます。
行動観察: ニホンカモシカの舌出し行動を観察しても、ヘビのように舌を細かく振動させたり、先端を鼻先に近づけたりするような行動は確認されていません。
納得しかけたのですが、下線部についてダブルチェックしてもソースが見つからなかったので、要注意です。(AIの回答ではありがち)
さらにGeminiはニホンカモシカの舌出し行動の目的について、諸説を挙げてくれたのですけど、今回の状況で当てはまりそうなものがほとんどありません。
その中でストレス反応説が気になりました。
もしかすると、赤外線による暗視映像撮影でもカモシカはトレイルカメラの存在に薄々気づいていて、不安の現れが舌出し行動なのかもしれません。
野生動物に全くストレスを与えずに観察したり隠し撮りすることは不可能ですが(観測問題)、監視カメラをもう少し塒から離れた位置に設置し直した方が良いかもしれません。




【追記2】
1985年に出版された羽田健三 監修『ニホンカモシカの生活』という本は単著ではなく、信州カモシカ生態研究グループが分担して様々なテーマについて執筆した本です。
『夜の行動』や『多雪下のカモシカ』と題した章が特に私の興味を引くのですが、トレイルカメラや暗視カメラという文明の利器が発明される前の時代に愚直な直接観察や人海戦術によってこれだけ解明できたということに驚嘆します。
その昔は、あの著名な動物写真家の宮崎学氏であっても「カモシカは夜間には活動しない」と考えていた時代があったそうで、意外でした。
カモシカが昼夜行性であると調査で明らかにするのも一苦労したそうです。
積雪2mという豪雪地帯の雪山でサーチライトと双眼鏡を使って徹夜の直接観察を行った記録は壮絶です。
野生動物を観察する上でトレイルカメラの発明(安価な販売)は本当に革命的で、私のような個人でも易々と撮影ができるようになったのは、つくづくありがたいことです。
雪山登山に必要なさまざまな装備(スノーシューなど)の発明や技術革新も含めて、「巨人の肩に乗る」を実感しています。



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イモカタバミの花蜜を吸うヤマトシジミ♂

 

2023年10月中旬・午後15:10頃・晴れ 

街なかで民家の庭先に咲いたイモカタバミの群落でヤマトシジミ♂(Zizeeria maha)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
翅を閉じて吸蜜しています。 

動画を撮り始めた途端に飛び立ってしまったので、1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
羽ばたきが早すぎて、スロー再生しても翅表の斑紋が見えませんでした。 
同じイモカタバミの群落で私がモンシロチョウの撮影に切り替えたら(動画公開予定)、同一個体と思われるヤマトシジミがたまたま飛来して横切りました。 
その飛翔シーンをスロー再生すると、翅表の斑紋から♂と分かりました。 

ヤマトシジミと言えば、普通種の蝶の代表格です。 
しかし私はルリシジミの方を先に覚えたので、いつもルリシジミか?と思ってしまいます。 
翅裏に散りばめられた斑点の配置がルリシジミとは微妙に違うので、ヤマトシジミと判明。 
特に今回の撮影地は市街地なので、ヤマトシジミを先に疑うべきでした。

2024/11/21

スギ風倒木の根元に掘られ雪に埋もれかけた越冬用巣穴に出入りする年末のニホンイタチ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年12月下旬

シーン0:12/22・午後13:12・くもり(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
平地のスギ防風林で、画面の奥に向かって根こそぎ倒れたスギの根元に掘られた謎の巣穴bを自動撮影カメラで見張っています。 
画面のほぼ中央にぽっかり開いているのが、問題の巣穴bです。 
丸木橋のように見える水平の倒木で遮られて見えませんが、その下をくぐったすぐ左奥に、ニホンイタチMustela itatsi)が越冬する「根曲がり巣穴a」があります。 
巣穴bの主が写ってくれるでしょうか? 


シーン1:12/24・午前9:37・(@0:03〜) 
昼間にニホンイタチが深雪の獣道を左へ駆け抜けました。 


シーン2:12/25・午前4:41・(@0:09〜) 
翌日の未明にもイタチが同じルートで左へ走り去りました。 
巣穴bから出てきたばかりなのでしょうか? 
どうしてもトレイルカメラの起動が遅れてしまい、出巣bの瞬間がなかなか撮れません。 


シーン3:12/26・午前6:43・(@0:16〜) 
朝にイタチが雪面の匂いを嗅ぎながら、左下へ向かいます。 
今回は珍しく足取りがゆっくりでした。 


シーン4:12/26・午前8:56・(@0:27〜) 
約2時間15分後に、イタチが再び左下へ向かいます。 
監視カメラの設置アングルをもっと下向きにすべきでしたね。 


シーン5:12/27・午前10:58・晴れ(@0:36〜) 
珍しく、明るい時間帯にフルカラーで撮れていました。 
1日で雪がかなり溶けていました。 


シーン6:12/28・午後14:20・晴れ(@0:41〜) 
水平の丸木橋のようなスギ倒木から樹皮が雪面に剥がれ落ちていました。 


シーン7:12/28・午後14:51・晴れ(@0:44〜) 
水平倒木の右奥から現れたイタチが、巣口bの地面(残雪)に飛び降りました。 
のまま巣穴bの奥にするりと潜り込みました。 
遂にイタチが入巣bする決定的瞬間を自然光下で録画することができました。 
手前の残雪と奥の暗い巣穴でコントラストの差が大き過ぎて、イタチの姿がよく見えません。 
そこで、逆光補正した上でリプレイしてみると(@0:54〜)イタチがよく見えるようになり、説得力のある映像になりました。 



シーン8:12/28・午前2:09(@1:05〜) 
時系列が少し前に遡りますが、深夜にイタチ?が水平倒木の下をくぐりながら雪の斜面を駆け上がると、左に姿を消しました。 
後ろ姿(尻尾)しか写っていません。 
てっきり出巣b直後のイタチだと思ったのですが、1/3倍速のスローモーションでリプレイすると、ホンドテンMartes melampus melampus)かもしれません。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
予想通り、この巣穴bにもニホンイタチが越冬していることが確かめられました。 
入巣bの瞬間がなかなか撮れないのは、イタチの動きが素早すぎるからだと考えています。
隣接する2つの巣穴a、bが内部でつながっていて同一個体のイタチが住んでいるのか、それとも複数のイタチ(♀♂つがい?)が住み分けているのでしょうか? 
ここでも野生動物の個体識別という難問が立ちはだかります。

野生動物は水平倒木を丸木橋のように渡るのではないかと予想していたのですが、ニホンイタチはその下をくぐり抜けただけでした。


小鳥たちが天敵であるイタチを全く恐れずに越冬用巣穴の入口付近に繰り返し採食に来るのが不思議です。
鳥は天敵の匂いに鈍感で、己の素早い反射神経で逃げ延びる自信があるのでしょう。


つづく→


 

↑【おまけの動画】 
「園児13人の上履きが消えた…認定子ども園に侵入したのはイタチ!巣の材料に利用か福岡」 by FNNプライムオンライン 


私が見つけたニホンイタチも巣穴にどんな巣材を持ち込んでいるのか調べてみたいものです。
トレイルカメラでの監視を続ければ、盗んできた靴を巣穴に持ち込む行動が録画できるかもしれません。

年末の二次林で朽木に登ってつつく雪国のアカゲラ♂(冬の野鳥)

 

2023年12月下旬・午後13:40頃・くもり 

平地の落葉した二次林で根雪が積もった後、アカゲラ♂(Dendrocopos major)が朽木(樹種不明)に登りながら獲物となる虫を探していました。 
幹に開口したカミキリムシの羽化孔を見つけると、そこを重点的に突き始めました。 
穿孔性昆虫が木屑と糞を一緒に排泄したフラスかもしれません。 
しかし、すぐに諦めて別の場所に移動しながらあちこち突いて回ります。 
キョッ、キョッ♪という鳴き声は発していませんでした。

低温でカメラのバッテリーが消耗していたようで、動画撮影の途中で切れてしまいました。 


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2024/11/20

年末年始の雪原を1〜3頭でうろつき巣穴に出入りするホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年12月下旬〜2024年1月上旬

シーン0:12/4・午後14:08・晴れ・気温26℃(@0:00〜) 
シーン0:12/11・午後13:30・くもり・気温18℃(@0:03〜) 
明るい日中に誤作動などでたまたま撮れた現場の様子です。 
休耕地にあるホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の営巣地を自動撮影カメラで監視しています。 
辺り一面に蔓延っていたクズやカナムグラなどの蔓植物はすっかり枯れています。 

タヌキが繁殖した後にニホンアナグマMeles anakuma)が巣穴(の一部)を乗っ取ったらしく、晩秋になると越冬に備えて巣材(断熱材の枯草)を巣穴に搬入しました。 

記録が断片的なために、この営巣地で誰が越冬するのか、いまいちはっきり分かりませんでした。 


シーン1:12/19・午前9:55・晴れ・気温9℃(@0:07〜) 
暖冬でしたが、ようやく根雪が積もり、一面の銀世界になりました。 
巣穴から右下手前に向かって野生動物が出入りしている足跡(深雪のラッセル跡)が新雪の雪面に残っているのに、その行動を監視カメラは検知できませんでした。 


シーン2:12/22・午前3:21・雪・気温−7℃(@0:11〜) 
巣穴から外に出てきた直後なのか、3頭のタヌキが互いに少し離れて雪面(ラッセル済みの獣道)に座っていました。 
カメラの方を向いて少し警戒してから、辺りを見回しています。 
小雪が横殴りに降っているものの、吹雪というほど激しくはありません。 


シーン3:12/22・午前3:35・雪・気温−6℃(@1:11〜) 
13分後に監視カメラが再び起動すると、雪は降り止んでいました。 
タヌキは1頭しか外に居ませんでした。 
ラッセル済みの獣道を右往左往しています。 
新雪の雪原に足を踏み入れてわざわざラッセルするのは、体力を消耗するのでやりません。 
他の2頭は入巣したのか、姿が見えません。 


シーン4:12/22・午前3:37・(@2:11〜) 
ようやく、タヌキは右奥の巣穴Rに入りました。 
1分間の録画時間内に入巣してくれるかどうかは、運次第です。


シーン5:12/22・午前3:41・(@2:43〜) 
再び巣穴Rから外に出てきた直後なのか、ラッセル済みの獣道を左へ歩き、巣口Lを経由して手前(二次林)向かってきます。 
なぜか途中でラッセル済みの獣道を外れ、果敢に新雪をラッセルしながら右へ向かい始めました。(新規ルートの開拓) 


シーン6:12/24・午前5:24・みぞれ?・気温-3℃(@3:43〜) 
みぞれのような湿雪が降っていました。 


シーン7:12/24・午前9:48・晴れ・気温10℃(@3:49〜) 
よく晴れました。 雪原が美しいです。 


シーン8:12/24・午後18:44・夜霧・気温-3℃(@3:53〜) 
天気が目まぐるしく変わり、晩になると霧が立ち込めていました。 
左の巣口Lの辺りで2頭の野生動物の目が白く光りました。 
おそらくタヌキでしょう。 
カメラを警戒しているのか、キョロキョロ見回すだけで、なかなか手前に来てくれません。 


シーン9:12/25・午後22:46・気温-1℃(@4:14〜) 
翌日の晩遅くにも夜霧が立ち込めていました。 
右奥の巣口Rの辺りで動くタヌキの目が白く光っています。 
その後には、奥の雪原に移動した同一個体?が振り返る目が光って見えました。 


シーン10:12/27・午後20:53・気温-2℃(@4:26〜) 
2日後の晩には晴れてくれました。 
雪面は凍結した後にうっすらと雪が積もったようです。 
このような雪面だと動物は足が潜らないので、歩きやすくなります。 
深雪をラッセルした獣道は不鮮明になり、雪原を自由に歩き回った足跡が残されていました。 

タヌキが右奥の巣穴Rにゆっくり入りました。 
と思いきや、すぐに後ろ向きで出てくると、右奥の農道へ向かいました。 
画面奥で真っ直ぐな水平線のように見えるのが、深雪に埋もれた農道です。 


シーン11:12/28・午前5:54・気温-7℃(@5:26〜)日の出時刻は午前6:50。 
夜明け前にタヌキが右の巣穴Rを点検してから、左奥の巣穴Lに入りました。 


シーン12:12/28・午後20:27・気温-1℃(@6:03〜) 
久しぶりに2頭のタヌキが同時に写りました。 
1頭が右の巣穴Rに入っている間に、もう1頭は右へ立ち去りました。 


シーン13:12/28・午後22:57・気温-2℃(@6:30〜) 
雪原を右から歩いて来た2頭のタヌキが、2つの巣口R、Lを順に点検したものの、結局入りませんでした。 
右へ立ち去りました。 


シーン14:12/30・午後20:14・気温0℃(@7:30〜) 
巣口Rの辺りで匂いを嗅ぎ回ってから、雪原を左へ立ち去りました。 


シーン15:1/5・午後17:08・気温7℃(@8:19〜)日の入り時刻は午後16:37。 
新年の日没後に監視カメラが起動すると、根雪がだいぶ溶けていました。 
やはり暖冬らしく、休耕地の地面があちこちで露出しています。 
左手前の巣口L(露出した地面の枯れ草)に座ったタヌキが、カメラ目線のままで毛繕いしていました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
この期間に撮れた監視映像を見る限り、この巣穴ではホンドタヌキが越冬しているようです。 
ニホンアナグマと同居していて「同じ穴のむじな」だとしても、アナグマは冬ごもりして一度も外に出てきてないことになります。 

動画に同時に写ったタヌキの数が最大で3頭というだけで、きっちり個体識別すれば登場した延べ個体数はもっと多い可能性もありえます。




【アフィリエイト】 

山中の池で交尾するエゾコセアカアメンボ♀♂?

 

2023年6月上旬・午後13:25頃・晴れ 

里山で湧き水が溜まった泉の水面で2組のアメンボ♀♂が交尾していました。 
エゾコセアカアメンボ(Gerris yezoensis)だと嬉しいのですが、アメンボを見分ける図鑑などをもってないので、真面目に検討したわけではありません。 
もし間違っていたら、ご指摘願います。 
ヤスマツアメンボ(Gerris insularis)ですかね? 

交尾中のペアの上にさらに別のペアがのしかかりました。 
縄張り争いやパートナーの強奪戦があるのでしょうか? 
それにしては、その後の展開がありません。
捕食(共食い)でもありませんでした。 

水中ではアズマヒキガエルの幼生(黒いオタマジャクシ)およびトウホクサンショウウオの幼生が泳いでいます。

【アフィリエイト】 

2024/11/19

年末年始の雪山でスギの枝葉に眼下腺マーキングするニホンカモシカ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年12月下旬〜2024年1月上旬 

シーン0:12/25・午後12:18・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
里山でスギ林の林床(画面の左下隅)にあるニホンカモシカCapricornis crispus)の溜め糞場sr1を自動センサーカメラで見張っています。 
 場所は里山にあるスギ植林地の上端部で、斜面を下から上に見上げるアングルなので、奥には落葉性広葉樹も見えています。 
右には渓谷(沢)が流れています。 
雪面にはスギの落葉落枝が散乱しています。 


シーン1:12/30・午前2:37(@0:03〜) 
奥の雪斜面をカモシカが珍しく右から左へゆっくり横切りました。 
一歩足を踏み出す度に雪面にズボズボ潜って、歩きにくそうです。 
立ち止まると、スギの枝葉に眼下腺を擦りつけてマーキングしたようです。 
もしスギの生葉を採食したのなら、枝全体が大きく揺れるはずです。 

その後はカメラ目線になりましたが、溜め糞場sr1には立ち寄らず、スギ立木の奥を通って左に向かいました。 


シーン2:1/3・午前0:47(@0:42〜) 
年が明けた新年の深夜に、スギの木の奥を通って左から登場したカモシカが、垂れ下がった横枝の下に佇んでいました。 
尻を向けているので、脱糞してる可能性もありますが、レンズの一部に結露しているのかハレーション?していてよく見えません。 
スギ横枝が軽く揺れたので、眼下腺マーキングしたようです。 


シーン3:1/3・午前0:49(@2:12〜) 
つづき。 
ようやくカモシカが右へ(谷へ)向かって歩き出しました。 
凍結(クラスト)した雪面に一歩足を踏み出す度にズボズボと潜って歩きにくそうです。 
雪面のクラスト状態が分からない暖地住まいの人は、最中もなかの皮を連想して下さい。 
右奥(谷の右岸)でもスギ?立木の下で立ち止まりました。 
枝葉を採食しているのか、眼下腺マーキングしているのか、遠くて見分けが付きません。 




※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 




谷の落葉した樹上で警戒するニホンザルの群れ(首輪装着個体など)

 

2023年12月中旬・午後15:00頃・くもり 

野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れが山麓の谷に散開し、採食しながらゆっくり遊動していました。 
谷の両側の斜面は落葉樹林です。 
落葉した冬の森は見通しが良くなり、樹上のニホンザルを見つけやすくなります。 
逆にニホンザル達も私に気づいた途端に警戒し、木陰に隠れたり木からスルスルと下りて逃走したりしました。 
地形の上から敵に見下されることにニホンザルは強い不安を覚えるのでしょう。
子連れのニホンザル(母子?)も樹上にいました。 
欲張ってカメラをズームインし過ぎると、手前の茂みのせいで被写体にピントが合わなくなってしまいます(前ピン)。 

最後に見つけた個体は、顔を少し上げたときに、黒い首輪が見えました。 
テレメトリー調査用に電波発信器またはGPSを装着しているようです。 
成獣♀だと思うのですけど、胸の乳首が枝に隠れて見えません。 
落葉樹の曲がった幹に腰掛けていた首輪ニホンザルは、樹上で方向転換して少し右上に登って座り直しました。 
私を警戒して、木の間の死角に隠れたつもりなのでしょう。 
痒い腰を左手で掻いています。 
唇がオレンジ色(茶色?)に染まっているのは、何を食べた跡なのかな? 
頬袋に餌を詰めているようで、口をもぐもぐ咀嚼しています。 

少し遠くて、ニホンザルの鳴き声はほとんど聞き取れませんでした。 
谷の斜面の林床には常緑のササ薮が点在しています。 
常緑の低木群落はユキツバキまたはヒメアオキと思われます。

2024/11/18

年末の大雪で埋もれかけたスギ倒木下の巣穴を何度も訪れる冬毛のホンドテン【トレイルカメラ:暗視映像】

 


2023年12月下旬

シーン0:12/22・午後13:12・くもり(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
平地のスギ防風林で画面の奥に向かって根こそぎ倒れたスギの根元に掘られた謎の巣穴をトレイルカメラで見張っています。
画面のほぼ中央にぽっかり開いているのが、問題の巣穴bです。 
丸木橋のように見える水平の倒木で遮られて見えませんが、その下をくぐったすぐ左奥に、ニホンイタチMustela itatsi)が越冬する「根曲がり巣穴a」があります。 

巣穴bもイタチの越冬用巣穴ではないかと予想していたのですが、ホンドテンMartes melampus melampus)の登場シーンをまとめました。


シーン1:12/23・午後20:01(@0:03〜) 
晩に雪が降ってます。 
現れたのは、イタチよりも大型なテンでした。 
初めは巣口bを覗き込んでいたのですが、手前に向かって新雪を軽快にラッセルしながら出てきました。 
赤外線の暗視映像(モノクロ)でテンの冬毛は真っ白に見えます。 
てっきり巣穴bから外に出てきたのかと初めは思いましたが、周囲に残ったラッセル跡を冷静に読み解くと違いました。
奥のけもの道から来て水平倒木の下をくぐり、巣口bを点検してから手前に来たようです。 


シーン2:12/23・午後21:12(@0:16〜) 
1時間10分後、小雪がちらつく晩に、巣口bで獣が動いています。 
手前に積もった雪が邪魔で、残念ながら巣口bがよく見えません。 
その後は、右上にピョンと跳び上がって姿を消しました。 
今回もイタチではなくテンでした。 


シーン3:12/24・午前2:15(@0:36〜) 日付が変わった深夜、雪がほぼ降り止んでいました。 手前の深雪に足跡が新しく付いています。 巣口bから再び右上にピョンと跳び上がり、立ち去りました。 手前の獣道から来て、巣口bを点検してから通り過ぎたようです。 


シーン4:12/24・午前2:52(@0:45〜) 
37分後、水平倒木の手前の雪面を右から左に横切りました。 
新雪にテンの足跡が残ります。 


シーン5:12/24・午前2:57(@0:52〜) 
4分後に、倒木の右下からテンが顔を覗かせていました。 
これまでとは逆の経路で登場したようです。 
監視カメラに気づいて警戒したのか、その場で不格好に方向転換してから右上に立ち去りました。 

ところがしばらくすると、再びテンが戻って来ました。 
巣口bに飛び降りたものの、巣内には入らずに新雪をかき分けながら手前に向かってきます。 


シーン6:12/27・午前10:58・晴れ(@1:16〜) 
3日後の昼間には、積もった雪がだいぶ溶けていました。 
積雪に埋もれかけていた巣口bが、前よりもよく見えるようになりました。 


【考察】
個体識別できていませんが、とりあえず同一個体のホンドテンが何度も来ているということにします。
謎の巣穴bが気になって、繰り返し訪れて様子をうかがっているようです。
トレイルカメラを警戒しているのか、「穴があったら入りたい」というほど積極的ではありません。
ホンドテンが巣穴bに入る決定的瞬間の映像が撮れないことには、そこに住んでいると確証がもてません。 

もしかすると越冬用巣穴bの乗っ取りが目的なのではなく、野ネズミなど穴居性の獲物を探しているのかもしれません。

並んで風倒した2本のスギ倒木の根元に掘られた2つの巣穴a、bが何m離れているのか、真面目に計測すべきなのですが、巣口の近くまで私が近づいたことを示す足跡や匂いを残したくありません。
巣穴の主である野生動物が警戒して二度と近寄らなくなってしまうのでは、元も子もありません。
無人センサーカメラでの動画撮影を最優先にして、巣穴から少し離れた地点に機材を設置しただけです。

野生動物は水平倒木を丸木橋のように渡るのではないかと予想していたのですが、ホンドテンはその下をくぐり抜けただけでした。




【アフィリエイト】

羽ばたきながらヒャクニチソウの花で吸蜜・産卵するオオタバコガ♀(蛾)【FHD動画&ハイスピード動画】

 


2023年10月中旬・午後15:00頃・晴れ 

街なかの花壇に咲いたヒャクニチソウ(百日草)の群落でオオタバコガ♀(Helicoverpa armigera armigera)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
左前翅の翅頂が欠けた同一個体を撮り続けました。 

花弁が色とりどりの品種が咲いている中で、赤、白、黄色の花で吸蜜しました。 
筒状花から口吻を引き抜くと、オレンジ色の花粉が付着しています。 
次の花へと移動する前に、触角を前脚でぐいっと拭うことがありました。(身繕い) 
隣接する花に移動するときには、省エネのためにわざわざ飛ばずに歩いて行きました。 

くらべてわかる蛾 1704種』という図鑑でオオタバコガを調べると、
♀は(翅表が:しぐま註)橙褐色 
食草:イネ科、キク科、ウリ科、ナス科、バラ科など広食性 (p115より引用)

農薬メーカー?シンジェンタジャパンのサイトでは、次のように書いてありました。

前翅は雄は黄色味を帯び、雌は赤味を帯びる。 


この記述に従えば今回の個体は♂ということになるのですが、後に産卵したので♀と判明しました。
翅色の個体変異なのか、それとも強い日差しで翅の色が白飛びしてしまったのかな? 

訪花中も葉に止まっているときも、ほぼ休みなく翅を小刻みに震わせています。 
足を着地していますから、ホバリング(停空飛翔)ではなくて、いつでも飛び立てるように飛翔筋を震わせて体温を上げる準備運動(アイドリング)をしているのでしょう。 
暖かい日向ですから気温が低い訳ではないのですが、本種は寒がりなのか、特有の習性のようです。 
もしかして、捕食圧の高い地域なのでしょうか? 



オオタバコガがヒャクニチソウの花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:08〜) 
撮影中は気づかなかったのですが、黄色い花の品種のヒャクニチソウで花蜜を吸いながら、腹端を前方に屈曲させて筒状花の側面に付けました。(@1:13〜) 
元の姿勢に戻るときに産卵管を伸ばしていたことから、産卵行動と判明しました。 
つまり、この個体は♀でした。 
準備運動していた羽ばたきが力強くなると、次の花に飛び去りました。 
前後の動画をじっくり見直しても、産卵していたのはこのときだけでした。 

オオタバコガ♀の産卵行動を観察できたのは、これが2例目です。 
関連記事(3年前の撮影)▶ ナスの葉に産卵するオオタバコガ♀(蛾) 

オオタバコガの産卵習性についてネット検索すると、石川県の病害虫防除室が公開しているPDF資料『オオタバコガ - 石川県 防除室だよりvol12』 がヒットしました。
雌は夜間に葉裏や新芽、花蕾付近等に1粒ずつ、一晩で200~300 粒、期間中に2000粒程産卵します。
卵を何個もまとめて産み付けるのではなく、1個ずつしか産まないというのは、私が観察した通りです。 
今回は花に産卵したので驚いたのですけど、オオタバコガ♀では珍しくないことを知りました。
撮れた写真や映像を改めて見直すと、ヒャクニチソウの群落で虫食い跡のある葉や花弁があちこちに見つかります。 
卵から孵化したオオタバコガ幼虫による食痕とは限りませんが、可能性はあります。 


2024/11/17

深雪に埋もれかけたニホンアナグマの越冬巣穴の入口を訪ねて回るホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年12月下旬 


シーン0:12/22・午後13:30・気温14℃(@0:00〜) 
シーン0:12/22・午後13:59・気温12℃(@0:03〜) 
平地の落葉した二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の越冬用営巣地(セット)をトレイルカメラ2台で見張っています。 
根雪が積もりました。


シーン1:12/24・午後22:26・雪・気温-5℃(@0:07〜) 
雪がちらつく晩に単独で現れたホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が、高所に設置した監視カメラを見上げていました。 
雪面の足跡を見ると、手前の獣道から来たようです。 
大雪が積もっても辛うじて開口しているアナグマの巣口Lを点検しただけで、獣道を手前に引き返してしまいました。 

最低気温を更新しました。 
暗視動画を撮影すると、赤外線LEDおよび電子回路の発熱により、1分間で0℃まで上昇しました。 
暑い夏はトレイルカメラの熱暴走が心配ですけど、寒い冬になると、撮影機材自体が温まる方が、乾電池の電圧低下が防げて好都合です。


シーン2:12/24・午後22:27・雪・気温-4℃(@0:23〜) 
つづきが別アングルの監視カメラに録画されていました。 
タヌキは深雪に足が潜らないよう注意しながら回り込むように進み、アナグマの巣口Rを覗き込みました。 


シーン3:12/24・午後22:28・雪(@1:23〜) 
立ち去るのが名残惜しいのか足取りが重く、タヌキはまだ広場の右で佇んでいました。 
巣口Rを振り返ってクゥーン♪と小声で(寂しげに?)鳴きました。(@1:47〜) 
湿った深雪に足をズボズボ潜りながら、右へ立ち去りました。 


シーン4:12/24・午後22:34・雪(@2:06〜) 
5分後に、画面の下からタヌキが再登場。 
アナグマの巣口Lを再び念入りに点検しています。 
立ち去るまで見届けられませんでした。

この監視カメラのレンズには結露してしまったのか、全体的に曇って見えます。 
別のカメラではくっきり写っていたので、夜霧が発生している訳ではありませ。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
どうしても擬人化して解釈したくなるのですが、律儀なタヌキは日課の縄張りパトロールのついでに、隣人であるアナグマの安否確認を欠かさないようです。 
紳士的な訪問で、アナグマの越冬する巣穴に押し入ることはありませんでした。 
「同じ穴のむじな」という訳ではなさそうです。 



12月の虹

2023年12月中旬・午後13:30頃・晴れ 

里山を下山中に、市街地の上空に虹がかかっているのを見つけました。 
空に白い雲が多いですけど、反対側は晴れているのでしょう。 

初冬の空に虹が架かるのは珍しいと思って写真に撮りました。
私が気づいていないだけで、別に冬でもそれほど珍しい気象現象ではないのかもしれません。 


関連記事(1ヶ月前の撮影)▶ 11月の虹|儚く消えるまで【30倍速映像】

根曲がり巣穴の周辺で餌を探す初冬の小鳥たち【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年12月中旬〜下旬

シーン0:12/11・午後14:11・くもり(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
平地のスギ防風林にある「根曲がり巣穴」を自動撮影カメラで見張っています。 
ここでニホンイタチMustela itatsi)が越冬していることが後に判明しました。 
杉の木が強風で奥に向かって根こそぎ倒れ、その巻き添えを食った落葉性広葉樹の幼木が毎年の積雪の重みで捻じくれた「根曲がり」の樹形に育ちました。 
巣口の手前に見える赤い実は、地表を這って伸びてきたツルウメモドキという蔓植物です。 
初冬の根雪が積もる前後に登場した小鳥たちの様子をまとめました。 

鳥の種類ごとに別々の動画に切り分けたかったのですけど、古いトレイルカメラをだましだまし使っているせいで鳥の体色が分からず、しっかり見分けられません。 
複数種が混群で登場することも多く、おそらくカラ類だと思われます。 
同定を諦めて、まとめて紹介することにします。 

自信をもって見分けられたヤマガラだけは、別の記事にしました。 関


シーン1:12/13・午後15:13(@0:03〜) 
ヒガラPeriparus ater)らしき小鳥が登場。 


シーン2:12/14・午前10:54(@0:08〜) 
シジュウカラParus minor minor)が群れで登場。 
根曲がり巣穴のすぐ近くで、土が付いたままのスギ風倒木の細根をあちこち啄んだりしています。 
後半は奥の茂みに逃げてから羽繕いしました。 


シーン3:12/14・午前10:56(@0:57〜) 
シジュウカラの群れの他に、地味な(焦げ茶色の?)小鳥が登場しました。 
ミソサザイTroglodytes troglodytes)ですかね?(あまり自信なし) 
ミソサザイといえば山地の渓流の近くで見かける小鳥だという認識だったので、こんな平地の防風林で見れるとは意外でした。
ミソサザイがシジュウカラと混群を形成するという話は聞いたことがありません。 
根曲がり巣穴の巣口にいきなり現れたということは(@1:12〜)、まさか恐れ知らずのミソサザイがそれまでイタチの巣穴の中に潜んでいたのでしょうか? 
あちこち啄んでいます。 


シーン4:12/14・午後13:37(@1:23〜) 
ミソサザイと思しき小鳥が単独で現れ、スギ風倒木の根際で餌を探し回っています。 


シーン5:12/14・午後13:44(@1:28〜)
ミソサザイ?が再登場。 


シーン6:12/17・午前9:50(@1:34〜) 
朝からみぞれが降っていました。 
ミソサザイらしき小鳥が、根曲がり巣穴から外に出てきました。 
身の危険を感じておらず、落ち着いた様子です。 
捕食されなかったということは、巣穴の主であるイタチは留守だったのでしょう。 
鬼の居ぬ間に、ミソサザイが根曲がり巣穴をねぐらとしていたのかもしれません。 

尾羽根を上下に振り立てながら巣口周囲をあちこち移動し、左へ飛び去りました。 


シーン7:12/20・午後12:29(@1:47〜) 
暖冬だったのですが、ようやく根雪が一気に積もりました。 
小鳥の群れが忙しなく飛び交ったり、採食したりしています。 
カラ混群ですかね? 
鳴き声は聞き取れませんでした。 


シーン8:12/20・午後13:43(@2:04〜) 
積雪が逆光となり、暗すぎてよく見えないのですが、小鳥がスギ風倒木の根際の穴というか隙間に潜り込んで餌を探しているようです。 
風雪をしのげるシェルター(安全な隠れ家)を探しているのかもしれません。 


シーン9:12/21・午前8:13(@2:18〜) 
翌朝には新雪が積もっていました。 
小雪がちらつく中を、小鳥が飛んですばやく横切りました。 


ツルウメモドキの赤い実を食べる野鳥がまったく居なかったのが不思議でした。
餌としてあまり好まれないのでしょうか?

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。





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