2011/10/29

ジョロウグモ♀の網にちょっかいをかけるキイロスズメバチ♀



2011年10月上旬

草むらに張られたジョロウグモ♀(Nephila clavataの網にキイロスズメバチ♀(Vespa simillima xanthoptera)が飛来しました。
ホバリングしながら何度かクモに軽くちょっかいを出したように見えました(攻撃?)。
あるいは網に残った獲物やラッピングされた食べ残しを盗もうとしているのかもしれません(労働寄生、盗み寄生)※1。
網を挟んで反対側に占座したジョロウグモ♀は逃げずに平然としています。
対決に自信があるのか、それともクモを専門に狩るベッコウバチ(クモバチ)の仲間とは違うと羽音で聞き分けて危険性は無いとたかをくくっているのだろうか※2。


スズメバチのこうした行動は私も何度かフィールドで見ているものの、映像に撮れたのは初めてです♪
(慌てて撮ったのでピントが甘いです。)


※1【参考動画】
「キイロスズメバチ、ジョロウグモの巣から餌を盗む」
by daylightrambler1974 さん



このときジョロウグモの様子はどうだったのか質問したところ、「 クモは不動のまま見ているだけで何もしませんでした」との回答でした。




※2 一方、オオシロカネグモ♀が飛来したアブの羽音に驚いて水平円網から緊急落下したのを見ています。
関連記事→「オオシロカネグモ♀の避難訓練


【追記】
『クモのはなしII:糸と織りなす不思議な世界への旅』p122(第16章 クモの餌を横どりする虫たち)によると、
トンボ・ハチドリ・ハチなどの空中停止(ホバリング)能力は、クモの網から略奪を行うための「前適応」といってもよいでしょう。


2011/10/28

オオチョウバエの徘徊と飛翔



2011年10月上旬

入浴していたら風呂場の壁にチョウバエの仲間を一匹発見。
“Eureka!“と叫んで湯船から素裸で飛び出し、カメラを掴んで急いで戻りました。
いざ接写しようとしたらレンズが急速に曇って焦りました。
(落ち着いて考えれば当然ですね…。)
生息環境ごと映像で記録するのが理想ですけど、仕方がないのでミニタッパで捕獲して持ち帰りました。
観察のため蓋の代わりにサランラップを張りました。
狭い容器内でもときどき飛びます。
炭酸ガス麻酔で動きを止めじっくり接写すると、どうやらオオチョウバエと判明。
翅脈が単純で、成虫の触角が3節だけからなる狭義のハエと異なり、チョウバエの成虫の触角は多数の節からなる点が印象的。
個人的には大騒ぎするほどの害虫とは思えないのですが(見た目も可愛いハートマーク♥!)、風呂場はまめに掃除したほうが良さそうです。









2011/10/27

アカオニグモ♂の懸垂下降



2011年10月上旬


林道沿いで紅葉したナナカマド?から糸でぶら下がっているアカオニグモ♂Araneus pinguis)を発見。
これから網を張るのかと一瞬思ったのですが、すぐ横に垂直円網があります(甑が丁度目線の高さ)。
ひょっとして敵に襲われ緊急避難のため命綱に身を任せて網から懸垂下降(バンジージャンプ)したのだろうか。 
しばらく見物していてもクモは一向に網に戻ろうとせず、風に吹かれてまるで空中でブラブラ遊んでいるようです。


帰路にもう一度観察すると、アカオニグモ♂は円網には居ませんでした。
網の枠糸を辿って住居を探すと、葉裏(地上約180cm)に身を潜めていました。






2011/10/26

ホシヒメホウジャク?(蛾)がカメバヒキオコシに訪花ホバリング



2011年10月上旬・夕方


小川のほとりに咲いたカメバヒキオコシの紫の花でホウジャクの一種が忙しなくホバリングしながら長い口吻を伸ばし蜜を吸っていました。
後翅のオレンジ色が目にも鮮やか。
この群落は花蜜の量が少なかったのか、すぐ飛び去ってしまいました。
素人目にはなんとなく、ホシヒメホウジャクまたはホシホウジャクではないかと思うのですがどうでしょう。


スズメガ類の動画を撮っていていつも悩ましいのは、同定のためのストロボ写真撮影または採集のチャンスを逃してしまいがちなことです…。
こういうのも「虻蜂取らず」というのでしょう。
次回は折衷案でハイスピード動画に挑戦してみるつもりです。
関連記事はこちら→「ホシホウジャク?の吸蜜ホバリング(HD動画&ハイスピード動画)

別な日は写真を優先(下手糞…。動画なし)

ホシヒメホウジャク:また別な日は採集を優先(動画なし)





2011/10/25

オニグモ♀が垂直円網でノシメトンボ♀を捕食・ラッピング

オニグモ♀b銀の定点観察


2011年9月中旬
神社の境内の木柱の裏(いつも同じ場所)に昼間隠れているオニグモ♀成体(体長24mm)が居ます。
網を張る様子を観察したくて、個体識別のため腹背に銀色の油性ペンでマーキングを施しました。
(近くに何匹もオニグモが店開きしているのです。)
オニグモの造網開始時間は図鑑などの記述ほど規則性がないようで、定点観察で通ってもすれ違いの日々が長く続きました。


2011年10月上旬・気温12℃
夕方に様子を見に行くと、運良く網の張り替えで横糸を張っているところに出くわしました。
垂直円網が完成すると中央で下向きに占座しました。
甑の処理は特に行いません。
(休憩後に続きを行うのかな?)
枠糸は木造建築の柱などに固定してあり、甑の高さは地上約60cm、垂直円網は直径約XXcm(測り忘れた)。
オニグモ♀の造網:横糸張りは別個体♀aで以前じっくり動画を紹介したので、今回は割愛。



用意しておいた生き餌のトンボ(胸部側面の黒紋からノシメトンボ♀)を網に給餌して捕食活動を観察することにしました。
すっかり暗くなってきたので、両手にカメラとライトを持って撮影開始。
飛んで逃げないよう予め翅を半分毟っておいたせいか、円網の下側に投げ付けてもトンボはあまり暴れませんでした。
オニグモ♀b銀はすぐに獲物のもとに向かいました。
暴れる獲物を噛んで毒液を注入しているようです。
獲物に毒液が回って大人しくなると、クモは歩脚で網の下側の糸を切り、獲物を網からゆっくり外し始めました。
獲物を置いたままいったん甑に戻り、獲物から伸びた糸を固定しました。
トンボの元に戻ると再び周囲の糸を切り、遂にラッピングを開始(bite & wrap)。
左右の第4脚を交互に使い帯状の糸(捕帯)を大量に引き出し、獲物に掛けて行きます。
残りの歩脚で獲物を軽く保持し、糸でグルグル巻に梱包しました。
再び獲物を残したまま甑に戻ると下向きに占座し、歩脚の先を舐めて身繕い。
しばらくするとクモがようやく手元に梱包した獲物を引き寄せました。
ようやく甑で落ち着いて食べ始めました。
てっきり柱の陰にある隠れ家に持ち帰るのかと思ったら、夜間は堂々と網で食べるようです。
関連記事→「隠れ家に獲物を運ぶオニグモ


定点観察期間中、この個体標識されたクモは全く網の位置を変えませんでした。
縄張りとして餌の収量に満足していたようです。

2011/10/24

クロハナムグリの訪花と脱糞



2011年10月上旬

林道脇で咲き誇る野菊の群落で白い花にクロハナムグリGlycyphana fulvistemma)が一匹止まっていました。

野菊の区別は私には勉強不足で分かりません。
シロヨメナ? ゴマナ? (当てずっぽう)

クロハナムグリの口器が花に埋もれてよく見えず(まさに「花潜り」)、実際に花粉を食べているかどうか不明です。

クロハナムグリを摘み上げて手に乗せると死んだふりをしました(擬死)。
慣れると起きて掌を歩き回り始めました。
静止しても触角だけは頻りに動かしています。
いきなりクリーム色の液状便を私の掌に勢いよく排泄したので吃驚(@1:22)。
しばらくすると、翅を広げて飛んで行きました(映像撮り損ね)。
離陸前に体重を軽くするために脱糞したのかもしれません。






2011/10/23

条網でハナグモ♂を捕食するオナガグモ♀(蜘蛛)



2011年10月上旬

神社の境内にある小さな祠の軒下で緑色型のオナガグモ♀(Ariamnes cylindrogaster)が条網を張り、いつも静止していて松葉のようです。
この日は何やら食事中でした。
オナガグモがときどき歩脚を動かします。
よく見ると獲物はクモのようです。
オナガグモが実際に他のクモを捕食するのを見たのはこれが初めて。
※ 3年前の観察記録→「ガガンボを食べるオナガグモ♀幼体
(右下)一時捕獲して炭酸ガス麻酔下で採寸。

撮影後に獲物ごと採集しました。
現場では腹背が緑色だったのでサツマノミダマシかな?と山勘で予想しました。
(他に緑のクモはいたっけな?)
腹面に外雌器が見えたので♀成体だと思います。
持ち帰ると獲物は死後変色してしまい、軽く糸でラッピングされているせいもあって不明瞭です。
クモ蟲画像掲示板にて問い合せたところ、外雌器のように見えるけどこれはハナグモEbrechtella tricuspidata)の♂と写真鑑定してもらいました。
言われてみると確かに触肢が膨らんでいますね。
関連記事→4年前に撮ったハナグモ♂の動画

ラッピングされた獲物を回収して何を食べているのかメニューを調べたいとき、クモの糸だけをきれいに溶かす方法(薬品)があれば楽なのに…といつも思います。
ピンセットで糸を剥がそうとすると不器用な私は獲物まで破損してしまうのです。
何か良い知恵やノウハウをご存知の方は教えてください。
「液浸状態で丁寧に取っていくしかないように思えます」との回答でした。
アルカリで処理すると肝心の獲物まで溶けてしまいそうな気がします。
クモの糸だけを溶かすタンパク質分解酵素を見つけて特許を取れば、ビッグビジネスの予感が…しませんね。 




オナガグモが他のクモを狩る瞬間を観察してみたいと熱望しつつ幾星霜。
実は後日、オオハエトリを捕獲し私の手から糸を引いて逃げようとする(懸垂下降)ところをオナガグモの条網に放とうと試みました。
しかし片手で動画を撮りながらだと難しくて失敗…。


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