2022/12/03

山中の池で水浴するアカゲラ♂【野鳥:トレイルカメラ】

 

2022年8月上旬〜中旬・午前

山中の湧き水が溜まった泉をトレイルカメラで監視していると、アカゲラ♂(Dendrocopos major)が水浴びしに来ました。 
後頭部の羽毛が赤いので、♂と分かります。 
アカゲラの水浴シーンは初見です。

シーン1:8/13・午前8:40・晴れ 
冒頭からアカゲラ♂が池の中央の浅瀬に身を沈めて行水していました。 
すぐに右上へ飛び上がり、見失いました。 

珍しく総天然色(フルカラー)で撮れたのに、レンズに付着した雨粒が完全に乾いていません。 
奥の森が写った画面の上半分は曇ったままで、おかげで何やら幻想的な雰囲気になりました。 


シーン2:8/6・午前11:19・晴れ (@0:25〜) 
7日前にもおそらく同一個体のアカゲラ♂が来ていました。 
(旧機種の癖で、いつもの色褪せた映像に戻ってしまいました。) 
ただし、池で水浴する地点が異なります。 
対岸の浅瀬で時間をかけて繰り返し水浴していました。 
バシャバシャと水を激しく跳ね上げる度に、池の水面に波紋が広がります。 
水浴の合間に対岸の苔むした石に戻るものの、羽根の水気を切ったり羽繕いしたりすることはありませんでした。 
また行水を再開。 

里山の上空を飛び続ける飛行機の騒音がうるさいのですが、途中でアカゲラ♂がキョッ♪と一声鳴きました。 
最後に水浴後のアカゲラ♂が左岸から張り出しているカエデ灌木の枝に飛び乗ったところで、録画が打ち切られてしまいました。 
羽繕いまで撮れずに残念。

オオハンゴンソウの花で採餌するクロマルハナバチ♀

 

2022年8月上旬・午前10:50頃・くもり 

山麓の農道脇の法面(土手)に咲いたオオハンゴンソウの大群落でクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が何匹も訪花していました。 
吸蜜する蜂の後脚をよく見ると、花粉籠にうっすらと橙色の花粉を付けています。 

風が吹いてオオハンゴンソウの頭花が絶えず揺れるので、非常に動画を撮りにくい条件でした。 
草刈り機の騒音と蝉しぐれ♪に混じって、クロマルハナバチ♀の羽音が聞こえます。 
複数個体を撮影。
以前、雄蜂♂との組み合わせは撮っていましたが、意外にも♀とは初見です。 
関連記事(6年前の撮影)▶ オオハンゴンソウの花蜜を吸うクロマルハナバチ♂





2022/12/02

幼獣を伴い鼻息威嚇♪しながら夏の山道を駆け下りるニホンカモシカ♀

 

2022年8月上旬・午後15:30頃・晴れ 

里山であまり整備されていない細い山道を私が静かに下っていると、前方にニホンカモシカCapricornis crispus)の母子が居ました。 
関連記事(1.5か月前の撮影)▶ 初夏の山林で野生ニホンカモシカとにらめっこ
慌ててカメラを勢い良く向けると野生動物は怖がるので、ゆっくりと狙いを付けます。
雑草が生い茂る下り坂の山道でカモシカの母子は逃げ腰で私を見上げていました。 
角が未だ生えていない幼獣に釘付けになった私は、母親のことは眼中にありませんでした。

母子はすぐに下り坂を逃走し始めました。 
山道を少し駆け下りてから法面を登り、藪の中で立ち止まりました。 
フシュフシュ♪と絶え間なく聞こえる鼻息威嚇は、幼獣ではなく母親が発しているようです。 
振り返って不思議そうに私を見ていた幼獣が再び母親の後を追って山林を走り去りました。 
母親の鼻息威嚇♪が次第に遠ざかって行きます。 

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

 
関連記事(同時期の撮影)▶ 夜の杉林道を歩くニホンカモシカの母子【トレイルカメラ:暗視映像】

同じ山系で同じ時期に自動撮影カメラが記録したカモシカの母子と同一ペアなのか、個体識別できていないので分かりません。
2つの撮影地点は直線距離で1.7km離れています。 
当地でニホンカモシカの縄張りはどのぐらい広いのか知りたいのですけど、テレメトリー調査は素人の手に余ります。
 

ウドの花蜜を吸うフタモンアシナガバチ♀

 

2022年8月上旬・午後12:30頃および15:55頃・くもり 

民家の裏手にある物置小屋の軒下に植栽されたウド(独活)の幼木でフタモンアシナガバチPolistes chinensis antennalis)のワーカー♀が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。
複数個体を撮影。 
ウドは枝先の両性花序の下に雄花序がつく(雄花序は遅れて咲く)とされています。 
咲き始めたウドの両性花序でフタモンアシナガバチ♀が吸蜜していました。 
フタモンアシナガバチ♀の顔、腹背や下面にウドの白い花粉が少量付着しているので、花蜜を報酬に送粉者としての役割を果たしているようです。 

私が3.5時間後に現場を再訪し、また訪花行動を撮影していると、飛来した別個体が通り過ぎながら翅に軽くぶつかりました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:43〜)
ぶつかられた個体は花序でバランスを崩し、驚いて飛び去りました。 
てっきり同じコロニー出身のフタモンアシナガバチ♀が通ってきていると思ったのですが、蜜源を巡る軽い占有行動があるのでしょうか?  
ただのアクシデント(飛行事故)かな?

2022/12/01

増水した溜池で泳ぎ岸の倒木から飛び立つ2羽のカワウ(野鳥)

 

2022年8月上旬・午前10:30頃・晴れ 

数日前の集中豪雨で増水した溜め池でカワウPhalacrocorax carbo hanedae)が水面を悠々と遊泳していました。 
警戒心の強いアオサギArdea cinerea jouyi)は、私がカメラを向けた途端に池から飛び去ってしまいました。 

ズームアウトした際に、対岸右奥の倒木に別個体のカワウが止まっているのを見つけました。
その辺りはヨシ原の湿地帯だったのですが、池の水が氾濫しています。(氾濫原) 
冠水した湿地帯から突き出た倒木に止まっていたのはカワウの若鳥でした。 
私がカメラを向けると露骨に警戒し、低い止まり木から慌てて飛び立ちました。
水面に足が付きそうになったものの、なんとか立て直して左奥の河畔林へ飛び去りました。 カワウ若鳥の飛び立ちを1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、池の水面で両足跳びの助走をしていることが確認できました。


池に落ちて溺れそうなセンチコガネをアメンボは襲うか?

 

2022年8月上旬・午後14:15頃・晴れ 

山中の泉に落ちたセンチコガネPhelotrupes laevistriatus)が水面でもがいていました。 
(泳ぐ能力を調べるようと池に放り込んで実験した訳ではなく、偶然の観察記録です。) 
 陸生のセンチコガネの足には水掻き用の毛が密生していないので、泳ぎは下手糞です。 
水面でいくら手足を動かしても前に進みません。 
水中に沈まないのは、浮力があるというよりも、表面張力が強く働いている印象です。
関連記事(同日の撮影)▶ オオセンチコガネ♂の水難事故
2.5時間前に別の場所で観察したオオセンチコガネが水溜りで水没していたのと対象的です。
センチコガネの体表はオオセンチコガネよりも撥水性が高いのでしょうか? 

里山の湧き水(地下水)が溜まっている浅い泉で日当たりの良い場所の水中には緑の藻が少し繁茂しています。 
池に落ちたセンチコガネの足に緑藻が絡まっているのかと思ったのですが、私の勘違いでした。 

水面に広がる波紋を感知したアメンボ(種名不詳)が数匹近寄って来ました。
センチコガネに触れたものの、獲物として襲うことはなくアメンボは離れて行きました。 
体格差があるので獲物として手強いとアメンボが判断したのか、それとも体表が鎧のような硬いクチクラで覆われている甲虫にはアメンボの口吻が突き刺さらないのでしょう。 

このままでは岸に辿り着けないまま溺れそうなので、センチコガネを救出してやりました。
池にアメンボ以外の捕食者(カエルなど)がいれば、そのまま成り行きを見守ったかもしれません。
夕方に水浴しに来る野鳥が水面のセンチコガネを見つけて捕食するシーンがトレイルカメラに撮れたかな? 

「お魚観察ケース」で池の水ごとセンチコガネをすくってやると、水温が低いので透明プラスチック容器の表面がすぐに結露してしまいます。 
水滴を拭いても拭いてもすぐに曇ってしまい、容器越しの撮影は諦めました。 
容器側面に定規の目盛が刻んであったのに、ピントが合わずセンチコガネを採寸できませんでした。
後で落ち着いて考えれば、水を捨ててからじっくり撮影するべきでしたね。 
水に洗剤(界面活性剤)を垂らしてセンチコガネが水没すれば、表面張力で浮いている説が実証されたことになるでしょう。

この日は山中で溜め糞が見つからなかったので、センチコガネも家に持ち帰って飼育してみます。 
(溜め糞があれば、拾った糞虫を放って行動を観察するつもりでした。)
この個体の性別は?


さて、同じ日に糞虫(オオセンチコガネおよびセンチコガネ)の水難事故を2件も目撃したのは果たして偶然でしょうか? 
現場付近を探しても、糞虫を誘引する獣糞は落ちていませんでした。 
水に落ちる瞬間を見ていないのですが、岸辺を歩いていてうっかり池に落ちてしまったのか、それとも飛来したセンチコガネが池の眩しい水面を地面と見間違えて無謀な着陸をしたのでしょうか? 
昆虫採集の特殊なテクニックのひとつに、イエローパントラップ(黄色水盤)という方法があります。 
水を入れた皿を野外に放置しておくと、飛来した昆虫の中にはなぜか勝手に水に飛び込んでしまう者がいて、抜け出せなくなるのだそうです。 
黄色の皿を使うのが最も効果的らしい。(黄色に誘引される) 
今回の池には緑藻が少し繁茂しており、飛んできた虫には水面が黄色っぽく見えそうです。
しかしネット検索してみても、黄色水盤で糞虫がよく採れるという情報は得られませんでした。 
虫好きの教養として知っているだけで、自分で実際に試したことはありません。 
もしかすると糞虫の新たな採集法としてパン・トラップが有効かもしれず、調べてみる価値がありそうです。

2022/11/30

溜め糞場の下草に軽くスクワットマーキングしただけで通り過ぎるニホンアナグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年8月上旬・午後20:13・気温25℃
前回の記事:▶ 溜め糞場で排便後にスクワットマーキングするニホンアナグマ♂(アルビノ?・跛行)【トレイルカメラ:暗視映像】

ニホンアナグマMeles anakuma)がスギ林道の緩やかな坂を右から登って来ました。 
いつものアルビノっぽい♂ですが、素人目には後脚の跛行がだいぶ改善されている気がします。 
先天的な股関節の異常とかではなく、例えばノイバラの棘を暗闇で踏んでしまったなどの軽い負傷が回復したのでしょう。 

アナグマはスギ大木の根元を通り過ぎながら、下草に軽く尻の臭腺を擦り付けました。 
今回のスクワットマーキングはいつもよりお座なりに見えます。 
タヌキと共有している溜め糞場sで今回は排便することなく、足早に左へ立ち去りました。 
つまり、便意が無くてもとりあえず縄張りの匂い付けは欠かさないようです。


コウモリが飛来する夜の池でカエルがトレイルカメラを相手に「だるまさんが転んだ」【暗視映像】

 

2022年8月上旬
前回の記事:▶ 霧の立ち込める夜も池を飛び回るコウモリの群れ【トレイルカメラ:暗視映像】

トレイルカメラで山中の泉を見張っていると、いつも通り、夜になるとコウモリが飛来しました。 
今回の注目ポイントは夜行性コウモリの飲水行動ではなく、水面下に潜んでいるカエル(種名不詳)です。 
カエルは変温動物ですから、水中で動き回ってもトレイルカメラが熱源として動体検知することはありません。 
たまたま恒温動物のコウモリが飛来してカメラが起動したときに、水中のカエルが一緒に写っていたのです。
音量を上げてみても、カエルの鳴き声は録音されていませんでした。 

シーン1:午後19:22・夜霧 
冒頭の赤い丸に注目して下さい。 
夜霧が立ち込める池の水面からカエルが顔を出しているようで、両目が暗視カメラの赤外線を反射してギラギラと光って見えます。 


シーン2:午後19:38・霧が減少 (@0:23〜) 
約15分後にコウモリが飛来すると、池のカエルがいつの間にか少しだけ前進していました。
カメラが録画中には、カエルは水中でじっとしています。


シーン3:午後19:44・霧が晴れた 
コウモリが水場の上空を低く飛び回っても、池のカエルは無反応で瞬き一つしません。 


シーン4:午後19:48・晴れ 
カエルに動きなし。


シーン5:午後19:49・晴れ 
カエルに動きなし。


シーン6:午後19:57・晴れ (@1:24〜) 
水中のカエルがいつの間にか再び前進して、落枝の手前まで来ていました。 
まるでカエルがトレイルカメラを相手に「ダルマさんが転んだ♪」をして遊んでいるようです。(イカゲームならぬ、カエルゲーム! )
夜行性カエルの遊泳シーンが記録されていなかったのが残念です。 

ちなみに、午後20:23にコウモリが飛来した時には、池のカエルは居なくなっていました。(映像は割愛) 
おそらく此岸に上陸したのでしょう。 

※ 霧が立ち込める冒頭のシーンのみ動画編集時に自動色調補正を施しています。



 

Netflixで大ヒットしたドラマ『イカゲーム』で登場したように、韓国でも「ダルマさんが転んだ♪」と同じ子供の遊びがあります。
鬼は韓国語で「무궁화 꽃이 피었습니다」(むぐんふぁ こち ぴおっすむにだ:=ムクゲの花が咲きました)と言ってから振り返ります。 
英語圏では、鬼が「Red light, Green light」(=赤信号、青信号)と言って遊びます。 

2022/11/29

クルマバッタモドキが怖くて捕食できないスズメの幼鳥(野鳥)

 

2022年8月上旬・午前7:20頃・晴れ 

河川敷の舗装された遊歩道で、嘴の根元が未だ黄色いスズメPasser montanus)の幼鳥を見つけました。 
親鳥が巣外給餌に来るのを待っているようです。 

スズメ幼鳥は好奇心旺盛で、路上に居た褐色のバッタの周囲をうろついています。 
少し遠くてよく見えませんがが、なんとなくクルマバッタモドキOedaleus infernalis)ですかね? 
バッタは捕食者に狩られまいと長い(棘だらけの?)後脚を持ち上げて誇示し、回り込もうとするスズメに正対しています。 
さっさと飛んで(跳んで)逃げないということは、このバッタは未だ翅が無い幼虫かもしれません。
翼を持った鳥相手に逃げるのは得策ではなく、踏み留まって威嚇するのが正解なのかもしれません。


スズメ幼鳥は、なぜかせっかく見つけた獲物を捕食せずにピョンピョン跳んで離れて行きました。 
バッタの強力な後脚で蹴られることを恐れたのか、バッタの狩り方(対処法)を学んでないのでしょう。 
スズメ成鳥なら、クルマバッタモドキをあっさり捕食できたような気がします。
撮影直後にスズメ幼鳥は飛び立つと、横にある河畔林のニセアカシア樹上へ移動しました。

今思えば、現場に急行してバッタの種類を確かめるべきでしたね。
先を急ぐ用事が合ったので、スルーしてしまいました。


【追記】
西田隆義『天敵なんてこわくない―虫たちの生き残り戦略』を読むと、バッタの捕食回避策を実験で調べた話が書いてありました。
カエルの口にくわえられるとトビヒシバッタは硬直して妙な姿勢をとることが分かった。後ろ足を腹側に垂直に曲げて硬直するのだ。いわゆる死にまねだ。この姿勢をとると、硬く細長い前胸背板、胸の棘、後ろ脚がそれぞれ三次元に垂直に突き出すことになる。これを飲み込むのはいかにもたいへんそうだった。(p129より引用)
トビヒシバッタと私が今回観察したクルマバッタモドキは種類が全く違いますが、後脚を持ち上げて誇示した姿勢は捕食者に食べられにくくする働きがありそうです。
しかし、カエルと違ってスズメは嘴を使って食べにくいバッタの後脚などを毟り取ることが可能です。
本の筆者もイナゴの佃煮を試食した経験から同じ推論に至ります。
私がなるほどと思ったのは、後ろ脚が食べるのにじゃまになることだった。飲みこむときに後ろ脚がのどにひっかかって飲みこみにくいのだ。おまけに後ろ脚のすねにあたる部分にはやすりのような棘がびっしりとあり、これがのどをいがいがにするのだった。(p151より引用)
逆に、
(後脚を)自切することにより、イナゴは鳥の捕食をうまく逃れていた。(p152より引用)

(セグロセキレイとホオジロの)2種はイナゴ本体を食べるのではなく、自切させた後脚をもっぱら食べていた。イナゴの本体は彼らには大きすぎて飲みこむことはできない。このことから考えると、自切はイナゴにとっては捕食回避の手段だが、セキレイやホオジロにとってはむしろ自切を利用して後脚を食べるのが効率的な採餌といえるかもしれない。(p164より引用)

バッタの自切行動についてこれまで私は注目してこなかったので、今後の課題です。 

柳の枝を登り排尿するシロテンハナムグリ

 

2022年8月上旬・午後18:00頃・晴れ
前回の記事:▶ 柳の樹液酒場でシロテンハナムグリが後脚を上げてコムラサキを牽制

夕方の河畔林で柳(樹種不詳)の灌木の斜めに伸びた小枝を、1匹のシロテンハナムグリ(Protaetia orientalis submarumorea)がよじ登っていました。 
枝上で方向転換したと思いきや、こちらにむかってピュっと排尿しました。 
まずは1/5倍速のスローモーションでご覧ください。 
直後に等倍速でリプレイ。 
白っぽい液体を勢い良く後方に噴射しています。 
レンズに直撃しなくて良かったです。 
まさか、うざいパパラッチへの腹いせにカメラ目掛けて放尿したのでしょうか? 

隣の枝の伐採跡(切り口)から樹液が滲んでいるようで、多数の個体が群がっていました。 
冒頭の個体は嗅覚を頼りに、樹液酒場を目指して樹上を右往左往(登り降り)していたようです。 
飛び立つためにオシッコを出して体重を軽くした、という訳でもありませんでした。


2022/11/28

夜の水場にニホンカモシカとコウモリが同時に登場【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年8月上旬・午後20:20頃・ 

山中の泉をトレイルカメラ(自動撮影カメラ)で見張っていると、夜にニホンカモシカCapricornis crispus)と思しき草食獣が対岸の林道に現れました。 
灌木や下草の匂いを頻りに嗅ぐだけで、なぜか採食してくれません。 
よほど食草を選り好みしているのか、それとも監視カメラの存在に気づいて警戒しているのかな? 
池の水を飲むかと期待したものの、林道を左へ引き返してしまいました。 

冒頭でカモシカの上空を飛び回るコウモリも写っていたのが珍しく思いました。 
夜行性のコウモリはこの水場の常連ですが、これまで他の野生動物が来ている間は警戒して池に飛来することはありませんでした。

キュウリの花で採餌するクロマルハナバチ♀

 

2022年8月上旬・午前10:05頃・晴れ 

民家の家庭菜園の蔓棚で育ったキュウリクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が忙しなく訪花していました。 
吸蜜する蜂の後脚を見ると、花粉籠は空荷でした。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

実は昼行性の蛾もキュウリに訪花していましたが、送粉者の本命はクロマルハナバチでしょう。

2022/11/27

夕方の休耕田で上昇気流の風待ちをする2羽のトビが飛び立つまで(野鳥)

 

2022年8月上旬・午後16:30頃・くもり(やや風が強い) 

山麓に広がる休耕田の原っぱで休んでいるトビMilvus migrans)を見つけて撮り始めたら、左からもう1羽が低空で飛来しました。 
農道の側に潜んで居た個体が低く飛んで私から離れ、仲間と合流したようです。 
♀♂つがいなのかな? 
2羽とも横目で私の方を油断なく見ています。 

原っぱのあちこちには刈った干し草が点々と集められています。 
トビのペアの背後ではハシボソガラスが採食しています。

地上にこれほど長く居座っているトビを見るのは初めてかもしれません。 
不思議に思い、長撮りしました。 
飛び立つ瞬間に翼の裏面を見ないと猛禽を同定できない、という理由もあります。
なかなか飛ばない理由をいくつか考えてみました。 

・トビは樹上で営巣しますから、地上で抱卵しているはずがありません。 

・蟻浴なら地面で翼を大きく広げるはずです。
関連記事(6年前の撮影)▶ トビ(野鳥)の蟻浴?
・休耕田で狩りを行い、獲物を捕食した直後なのでしょうか? 

・幼鳥が親鳥による巣外給餌を待っているのかな?
(トビの性別や幼鳥の見分け方を私は知らなかったのですが、たぶんこれは成鳥です。) 

・夕方の上昇気流が強まるのを待って、ただ休んでいるだけなのでしょうか?(風待ち) 
今のところ私は、この説を推しています。
曇り空で上昇気流が発生しなければ、猛禽は帆翔できないことになります。 

・怪我して飛べないのか?と心配しましたが、2羽とも最後は飛び去りました。 

私がしつこくカメラを向けていると、左の個体Lが堪りかねて左に飛び去りました。 
飛翔能力に問題はなく、怪我は無さそうです。 
そのまま流し撮りすると、強風に煽られながら羽ばたきと滑空を繰り返し、近くの電線に止まりました。 

休耕地に居残った個体Rは原っぱに居座ったままで、ときどき上空を見上げて何かを気にしています。 (雲の動きで風を読んでいる?)
私が油断していたら、2羽目のトビRが休耕地から飛び立つ瞬間を撮り損ねてしまいました。 
強い風に煽られながら滑翔と羽ばたきを繰り返し、高度を上げるのに苦労しています。 
最後は急降下して山麓の電柱に止まりそうだったのに、機材トラブルで尻切れトンボに終わりました。 

風切り音がうるさくて、トビの鳴き声が録音されていませんが、現場では飛びながらピーヒョロロ♪とかすかに鳴く声を私の耳で聞き取りました。 

トビL(野鳥)@飛翔
トビR(野鳥)@飛翔


イタチ?の糞に集まり吸い戻しをするコチャバネセセリ【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2022年8月上旬・午後15:5頃・くもり 

里山の林道上に残された黒い糞塊に2頭のコチャバネセセリThoressa varia)が群がって吸汁していました。 
現場は麓に近く、最近の集中豪雨による増水で沢から流出した大量の土砂で林道が覆われています。 
周囲ではヒグラシ♂とアブラゼミ♂の鳴き声♪が聞こえます。 
砂防堰堤が連続する渓流に沢の水が合流しています。

コチャバネセセリは翅をしっかり閉じ、黒い獣糞に口吻を伸ばしてその表面を舐めながら、定期的に腹部を強く前屈させて排尿しています。 
透明な液体を腹端からポタリと排泄し、糞を溶かしてミネラル成分を吸い戻しています。
関連記事(6年前の撮影)▶ コチャバネセセリ♂の吸い戻し(吸水と排尿)
(コチャバネセセリは)特に吸水を好み、路上に集団で給水する姿もよく見られるほか、獣糞にも集まる。(『フィールドガイド日本のチョウ』p293より引用)
糞塊には少なくとも2匹のハネカクシの仲間(種名不詳)が徘徊していましたが、コチャバネセセリの成虫を襲うことはありませんでした。 
途中でハネカクシはなぜか糞塊から離れて行きました。 
獲物となる蛆虫(ハエの幼虫)が糞塊に居なかったからでしょうか? 
他には微小なアリ(種名不詳)も獣糞に来ています。 

2頭のコチャバネセセリは決して仲良しという訳ではありません。 
隣の個体が近づき過ぎたら、翅を素早く開閉して威嚇牽制していました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
近くにいるハエ(種名不詳)を追い払う際にも翅の高速開閉による威嚇牽制が見られました。
餌資源を巡る軽い占有行動なのでしょう。
ハネカクシやアリに対しては発動しなかったのが、興味深く思いました。 

このハエの種名や科名を見分けられる方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えて下さい。 
胸背の縦線が2本なので、ニクバエ科ではなさそうです。 

同種間の小競り合いで飛び去ったコチャバネセセリが、すぐに歩いて獣糞へ戻って来ました。
口吻を伸ばして地面を探りながら慎重に近づき、ようやく糞塊に到達すると吸い戻しを再開。
このとき翅を少し開いてくれたおかげで、翅表の斑紋が初めて見えました。 
後半になると、2頭のコチャバネセセリは翅を半開きにして吸い戻しに熱中しています。 

私が引きの絵で動画を撮り続けながらゆっくり近づくと、1頭が素早く飛び去りました。 
最後まで残った個体が飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@4:55〜) 
羽ばたきが速過ぎて、1/8倍速のスーパースローでもよく見えません。
糞塊の右の砂利に居たハエもコチャバネセセリから少し遅れて飛び立ちました。 

細長い糞の形状と内容物から、ホンドテンではなくニホンイタチMustela itatsi)が残した糞だと思います。 
鳥が未消化物を吐き出したペリットの可能性は低いと思うのですが、どうでしょうか? 
タヌキやアナグマのように同じ場所に繰り返し通って排便する溜め糞ならば、トレイルカメラを設置して糞の主の正体を突き止めたいところです。 
しかしその後定点観察に通っても、新しい糞は二度と見つかりませんでした。 
ここに脱糞したのは偶々たまたまだったようです。 

熊谷さとし、安田守『哺乳類のフィールドサイン観察ガイド』という本を紐解いて、イタチの糞について調べると、
フンはイタチ科特有のねじれがあり、先が細い。フンの大きさでイタチなのかテンなのか区別する目安になる(イタチ<テン:しぐま註)。また古いフンの場合、テンは衣類用防虫剤(ナフタレン:しぐま註)に似たニオイがするが、イタチは機械油のニオイがする。 (p64より引用)
フィールドワーカー見習いとして、次回は忘れずに糞の匂いを嗅いでみることにします。

 

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