2015/09/12

キボシアシナガバチ:誇示行動と成虫間の栄養交換



キボシアシナガバチ巣の定点観察@柳#8

2015年7月中旬

キボシアシナガバチPolistes nipponensis)の創設女王と思われる♀が巣盤の下面に陣取り、断続的に羽ばたいて誇示行動を続けています。
羽ばたきながら他の蜂に対して軽くつっかかるような仕草も見られました。
他のコロニー・メンバー(特に娘のワーカー♀)に対する一種の威嚇や優位行動のようです。

女王の近くに居たワーカー♀が一度だけ同様の誇示行動をやりました。(@0:38)
それを見ても女王は逆上して攻撃を加えない点が興味深く思いました。
個体標識してしっかり見分けられたら順位制の詳細など面白い社会関係が見えてきそうです。

夕方でかなり薄暗くなってきても、誇示行動を続けています。

育房内の幼虫と栄養交換していた♂(早期羽化雄)が急に向き直って女王とくちづけを交わしました。(@5:43)
空腹の女王が♂に催促した結果、成虫間で栄養交換したのか、それとも怒りっぽい女王を宥める行動なのでしょうか。
この後、その♂は別の幼虫と栄養交換しました。

つづく→#9:キボシアシナガバチ♂の誇示行動【暗視動画】


団子を食すスズメ(野鳥)の群れ



2015年7月中旬

お寺の境内でスズメPasser montanus)の群れ(最大5羽)が採食していました。
透明のビニール袋に入った白い団子のような物を啄んでいます。
お寺の人が慈悲の心で給餌しているのかな?
墓地の横なので、お供え物が落ちたのかもしれません。

右端に居た幼鳥が羽根を広げて細かく震わせ、親鳥に餌を催促する行動をしました。
自力で採食するかどうか興味があるのですが、映像では団子の辺りをウロウロするだけでした。
親鳥も給餌していません。



2015/09/11

ノブドウの花蜜を吸うセグロアシナガバチ♀



2015年7月中旬

河川敷に蔓延るノブドウの群落でセグロアシナガバチPolistes jokahamae)のワーカー♀が訪花していました。
吸蜜しながら身繕いしています。



2015/09/10

誇示行動として巣上で羽ばたくキボシアシナガバチ♀



キボシアシナガバチ巣の定点観察@柳#7

2015年7月中旬

柳(樹種不詳)の枝先に作られたキボシアシナガバチPolistes nipponensis)の巣には創設女王とワーカー、および♂(早期羽化雄)が居ます。
個体識別のマーキングを施していないので、女王蜂をワーカー♀とを確実に区別できていないのですが、いつまで経っても警戒を解かずに(翅を半開き)巣盤の下で常にピリピリ(緊張)しているのがおそらく創設女王だと思います。
他の蜂は神経質で怒りっぽい女王を恐れて「触らぬ神に祟りなし」とばかりに巣盤の上部に避難し、のんびり休息したり身繕いしたりしています。
巣が風で少し揺れたり、他の♀が帰巣する度に女王は半開きの翅を震わせて威嚇しています。
アシナガバチの女王は娘たち(ワーカー♀)を力で押さえつけないとコロニーの秩序が乱れてワーカーが産卵を始めたりクーデター(反乱)を起こしたりしてしまうのです。
ワーカー同士でも力関係の順位制があり、通常は早く羽化した者から順に優位になります。
常に攻撃される劣位のワーカーほど卵巣が萎縮した状態になるのだそうです。

巣盤の下面に陣取っている女王がその場で羽ばたき始めました(@4:51〜)。
女王と思われる♀が巣盤下で歩き回りながら短い扇風行動を断続的に繰り返しています。
しかし、このときは雨上がりで気温は25℃→24℃と全く暑くありませんでした。
暑い昼下がりならともかく、なぜ夕方から扇風行動を始めるのか、不思議です。
雨で濡れた(湿った)巣や繭を乾かすためだとしたら、本腰を入れて長時間羽ばたき続ける必要があるでしょう。
他個体への一種の優位行動ではないか?と疑問に思い始めました。

アシナガバチ学のバイブルである『日本の昆虫3:フタモンアシナガバチ』を読み直すと、謎が解けました。
誇示行動の一種と判明。

・通常もっとも優位な個体(たとえば女王)が示すもので、翅を半開きにし、時にはそれを上下に断続的に打ちつつ、他の個体につっかかるように速いスピードで巣上を走りまわる行動である。これは巣上の全個体に示す行動であるから、特定の標的個体はない。(p84)
・これ(誇示)は単に巣上を走り回る、翅のビーティングを伴う駆け回り、腹部をよじるようにして単に打ちながら歩く、などがある。(p150)


ワーカーが2匹帰巣し、これで在巣の蜂は女王も含めて♀4♂2になりました。
いつの間にか♂も巣盤上部に追いやられました。


他に特筆すべき、この映像で見られる成虫間の交渉は次の3つ。

育房内の幼虫と栄養交換していた♂が女王に近づき触角で挨拶しましたが、女王は無反応。(@3:30-3:38)

空荷で帰巣したワーカーと女王が口づけを交わして栄養交換しました(挨拶?)@5:08
近くの柳の葉でアブラムシの甘露(または柳の花外蜜腺)
を舐めてきた個体が女王にお裾分けしたのかもしれません。
▼関連記事
柳の葉を舐めるセグロアシナガバチ♀

巣盤の上部右に居た♀に♂が下から近づき、キスしました。(@7:09〜7:20)
口移しの栄養交換を成虫間でも頻繁に行うのでしょうか。

つづく→#8:キボシアシナガバチ:誇示行動と成虫間の栄養交換


ノブドウの花蜜を吸うエントツドロバチ♀



2015年7月中旬

河川敷に蔓延るノブドウの群落でエントツドロバチ♀(Orancistrocerus drewseni)が吸蜜のために訪花していました。



2015/09/09

蛾を捕食するシオカラトンボ♂



2015年7月中旬

河川敷で何か大きな獲物を抱えたトンボが飛び回っていました。
砂利道の雑草に着陸してようやく落ち着いて食べ始めたところを撮影すると、シオカラトンボ♂(Orthetrum albistylum speciosum)でした。
トンボに疎い私は、シオカラトンボ♂にしては側面から見た黒紋が違う気がしたのですけど、腹部が上下に平べったいのはシオカラトンボの特徴なのだそうです。

風が吹いてイネ科の草が大きく揺れても必死にしがみ付き、食餌を続けます。
餌食となった蛾はなんとなくマイマイガですかね?(自信なし)
獲物の頭部から食べています。
大顎で咀嚼する動きが恐ろしや。
横を歩行者が通り過ぎたときは警戒して咀嚼を中断しました。
撮りながら少しずつ近づいたら、最後は獲物を抱えたまま飛んで逃げられました。
土手の茂みの上へ飛んで行き、見失ってしまいました。

後で思うと、食べ終わるまでじっくり長撮りすべきでしたね。
忍び寄って採集できるかな?と途中から欲が出てしまいました。
獲物の翅は食べ残して捨てるはずなので、慌てなくても同定できたのに…。
トンボを撮り慣れていないのです。



2015/09/08

雨で濡れた巣から排水するキボシアシナガバチ♀



キボシアシナガバチ巣の定点観察@柳#6

2015年7月中旬

梅雨時に紙製の巣から排水する行動を観察したかったのですが、現場に付いた頃には雨が止んでしまいました。
柳(樹種不詳)の枝先に営巣したキボシアシナガバチPolistes nipponensis)の巣は、上に生い茂った枝葉に守られて雨が直接かかりません。

巣で育房を点検していた(おそらく創設女王と思われる)♀が口から水滴を一滴だけ排水しました。(@1:40)
直前の行動を振り返ると、黄色の繭キャップを舐めて巣に沁み込んだ雨水を吸い取っていたようです。

つづく→#7:誇示行動として巣上で羽ばたくキボシアシナガバチ♀


ノウゼンカズラの花で獲物を探すコガタスズメバチ♀



2015年7月中旬

民家の庭に咲いたノウゼンカズラの花でコガタスズメバチVespa analis insuralis)のワーカー♀が飛び回っていました。
花弁に止まって中を覗き込みつつ身繕いしています。
花蜜が目当てというよりも、獲物(訪花する他の昆虫)を探索している様子です。

園芸植物が好きではない私にしては例外的にお気に入りの花の一つがノウゼンカズラです。



2015/09/07

板塀のトタン板を齧って遊ぶスズメ幼鳥(野鳥)



2015年7月上旬

民家の板塀の上にスズメPasser montanus)の巣立ち雛が並んで親鳥が給餌に来るのを待っています。
板塀を支える木柱の上端は雨水による腐食を防ぐためにトタンで綺麗に覆われ、釘で固定されています。
どうやらお気に入りの場所らしく、そのトタン板に幼鳥が代わる代わる座りに来ます。
もしかすると晴れた日は太陽でトタン板が熱せられ、暖かいのかもしれません。

幼鳥は好奇心旺盛で、このトタン板を頻りに齧っています。
嘴でペンチのように挟みトタン板を曲げようと力試ししているようです。
退屈しのぎの遊びなのかな?
あるいはトタン板の裏側(隙間の奥)に虫が潜んでいるのかもしれません。
また別なシーンでは、板塀からトタン板に飛び乗ろうとして着地の際にスリップした幼鳥が八つ当たりするかのようにトタン板をつつくことがありました。
近くで別個体の幼鳥が親鳥から給餌されるのを横で見ていた幼鳥が直後にトタン板をつつき始めるのは、欲求不満を解消しようとしているように思いました。

一方、成鳥がこのような行動(遊び)をするのは一度も見かけませんでした。
待っている間の幼鳥は他にも羽繕いや居眠りをして過ごしています。



2015/09/06

ノブドウの花蜜を吸うクマバチ♀



2015年7月中旬

河川敷に蔓延るノブドウの群落でキムネクマバチXylocopa appendiculata circumvolans)♀が訪花していました。
後脚の花粉籠は空荷でした。



稲妻のハイスピード動画



2015年7月下旬

よく晴れて酷暑の日でした。
夕方から遠雷の雷鳴がずっとゴロゴロ♪聞こえるようになりました。
の稲妻も頻繁に光って見えます。

240-fpsのハイスピード動画でも落雷を撮ってみました。(@1:51〜)
一度落雷すると、わだちのようにその通り道に沿って繰り返し落ちる傾向があるようです。
本格的に放電現象を解明するにはたかが1/8倍速のスローモーションでは太刀打ち出来無いのですけど、それなりに楽しめました。

ついでに風で落ち葉が降って来る様子や、波打つような独特の飛び方で画面を横切るヒヨドリ?(@3:35〜4:03)もスローモーションで撮れました。

カメラを雷雨で濡らしたくなくてヒヤヒヤしながらの撮影でした。
やがて雨が降り始めたのですけど、雨雲が逸れてくれたようです。
幸い小雨で済み、激しい夕立にはなりませんでした。






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