2011/01/22

ホウジャク?(蛾)の吸蜜ホバリング




2010年10月下旬

野菊の群落で忙しなく飛び回り、ホバリング(空中静止)しながら蜜を吸っている蛾がいました。
後翅の黄色(オレンジ色)が目にも鮮やかです。
残念ながら、同定用の写真を撮る前に逃げられてしまいました。
ハイスピードカメラではないので、30fpsの映像をコマ送り再生してもよく分かりません。
ホウジャクの仲間でしょうか。
もし種類を絞り込めるようでしたら教えて頂けると助かります。
 



イブキヒメギス♂の鳴き声♪



2009年7月下旬

翅先が丸いのでイブキヒメギスEobiana japonica)でしょうか。
超望遠レンズを使っている訳でもないのに、鳴き声と翅の動きが同調していないのは何故だろう?…と思ったら、映像編集で手ブレを補正した際に1秒の音ズレが生じているだけでした。
 


渓流のシマアメンボ



2009年7月下旬

渓流の水面をシマアメンボMetrocoris histrio)がすいすい泳いでいました。
水温16℃、気温25℃。
偏光フィルターが欲しい・・・。



 


ビロウドカミキリ♀



2009年7月下旬

ススキの葉に止まっているカミキリムシを発見。
ビロウドカミキリAcalolepta fraudatrix fraudatrix)の♀と教えて頂きました。
産卵管が見えてる?


【追記】
松原始『カラス先生のはじめてのいきもの観察』という本を読んでいると、著者が専門とするカラス以外の生き物に対する薀蓄が楽しく書かれてあります。

甲虫の中には、体がビロード状の毛に覆われたものがある。これには様々な理由が考えられるが、一つの仮説は、対コウモリ・ステルスだ。命中した超音波を柔らかい毛で受け止め、跳ね返されないようにしている、というものである。コウモリも聞き取れないほど小さな反射音しか帰さなければ、コウモリには「見えない」。もし探知できたとしても「こんな弱い反射は取るに足らない小さなヤツだ」と判断を誤ってくれるかもしれない。これは軍事におけるステルスと全く同じ役割である。 (p125より引用)
ビロウドカミキリが本当にコウモリ対策しているかどうか知りませんが、他に適切な甲虫(ビロウドコガネなど?)の記事が無かったので、覚書としてここに記しておきます。



 


エゾウズグモ♀(蜘蛛)と幼体の団居



2009年7月下旬

軒下に造網していたエゾウズグモOctonoba yesoensis)の卵嚢から遂に幼体が出嚢しました。
卵嚢ガードを終えた♀は腹部の盛り上がりが復活しつつあります。
せっかくなので息を吹きかけて蜘蛛の子を散らす様子を撮ればよかったですね。
 


オニヤンマ♀の連続打水産卵



2009年7月下旬

林道の轍に沢の水が流れ込んでいます。
トンボの♀が単独で飛びながら産卵中でした。
動画をコマ送り再生してみるとオニヤンマ♀(Anotogaster sieboldii)だろうと確認できました。
水深の浅い泥の同じ場所に繰り返し産卵していました。(打底産卵)




【追記】
挿泥飛翔産卵は泥中に産卵する方法で、例えば、オニヤンマは後方に伸びた太い産卵管をもっていて、これを浅い流水の砂底や湿った泥に突き刺して産卵する。そのときは、頭を上にして体を垂直に保ちながら飛び、そのまま落下して産卵管を砂や泥の中に突き入れ、この動作を繰り返す。
『トンボの繁殖システムと社会構造』第6章:雌の繁殖戦略と産卵様式の適応進化 p225 より引用
 

卵嚢を保護するアズマキシダグモ♀(蜘蛛)



2009年7月下旬

ヨモギの葉裏で見つけたアズマキシダグモ♀(Pisaura lama)。
卵嚢を口に咥えて持ち歩き、常にガードしています。
歩脚を2本欠損(-L1R4)しているように見えます(死角になっているだけ?)。
幼体の孵化が近付くと、草叢に簡単な住居網を張って卵嚢を吊るして出嚢まで見張るのだそうです。
 


竹筒内のオオフタオビドロバチ幼虫R2a-d




2010年8月中旬

(承前)
次に開いた竹筒R2はオオフタオビドロバチ♀(Anterhynchium flavomarginatum)の営巣活動を実際に観察し動画に記録していた重要な竹筒です。
入口(内径7mm)は泥で閉鎖済。
泥の隔壁は入口も含めて7枚。
わざと空室を作るのは寄生者対策なのだそうです(特に巣口付近に多い)。
中には4匹の幼虫が居ました(奥から産卵順にa-d)。
貯食物は食べ尽くした後のようです。
4匹とも頭部は竹筒の入り口を向いていました。
幼虫の蠕動運動が見られます。
内臓の動きも透けて見えます。
幼虫bは壁面に口を付けていますが、摂食ではなさそう。
結繭の準備だろうか。
ナイフで竹筒を割ったときの衝撃で幼虫bがずれてしまい、泥の隔壁を跨いでいます。
つづく


マツモムシの共食い



2009年7月下旬

マツモムシNotonecta triguttataが棲んでいる、とても小さな溜池。
この日は不思議な光景を目にしました。
脱皮中なのかと初めは状況がよく分かりませんでした。
落ち着いてよく見ると二匹いて、片方が捕食中と判明。
餌食となった白い方は脱皮直後の幼虫でしょうか。
大きな赤い複眼が印象的です。
これを「子殺し」「共食い」と表現するのは大袈裟なのかもしれません。
獲物を選り好みせず弱肉強食で吸汁するだけなのかも。
マツモムシの捕食シーンを撮ったのもこれが初めてでした。
こちらが少しでも動くと警戒して得意の潜水で逃げるものの、しばらく待つと浮いて来ます。

関連記事(12年後に撮影)▶ 早春の池で共食いするマツモムシ


ヤブキリ♂とヤブカンゾウの花



2009年7月下旬

あまり自信無いのですけど、ヤブキリTettigonia orientalisの♂でしょうか。
ヤブカンゾウの花に止まっていました。
いかにも夏らしい爽やかな光景です。
花弁を食べていたのかどうか、確認できませんでした。
口元を撮るために回り込もうとしたら、跳んで逃げられてしまいました。

コガタスズメバチのコロニー



2009年7月下旬

軒下に営巣するコガタスズメバチVespa analis insuralis)の定点観察記録。
この日もワーカーが巣の外被を追加していました。
コロニーは順調に育っているようで、巣口を守る門衛の他に、外役ワーカーが次々と出入りしていました。
(帰巣3匹+出巣1匹、出巣2匹)

つづく
 


クルミの葉を食すヒメスジコガネ



2009年7月下旬

ヒメスジコガネMimela flavilabris)でしょうか(余り自信なし)。
オニグルミの葉を食害していました。
風で揺れて接写し難いので、葉ごと切り落とそうとしたら不注意で枝に触れてしまい、擬死落下しました(行方不明)。
 


ガードレール上のシマヘビ



2009年7月下旬

林道のガードレールの上に鎮座していたシマヘビElaphe quadrivirgata)です。
ゆっくり近付いたら接写しても逃げませんでした。
ヘビも緊張しているのか、チロチロ舌の出し入れも見られませんでした。
すぐ下を徘徊するカメムシ(サシガメ?)も無視しています。
 


キイロケブカミバエ♀の踊り



2009年7月下旬

見慣れない蝿がヨモギ(キク科)の葉で歩き回っていました。
模様のある翅を左右別々に捻るように動かし、周囲に誇示しているようです。
複眼の色が蛍光緑です。
口吻を伸ばし葉の表面を舐めています。※
いつもお世話になっている「一寸のハエにも五分の大和魂」BBSに問い合せたところ、キイロケブカミバエ♀(Xyphosia punctigera)と教えて頂きました。
ヘラ状の尾端は産卵管らしい。
キク科植物に産卵するそうなので、もう少し粘って観察すればよかったかもしれません。 

※【追記】
『日本動物大百科9昆虫II』p137によると、
ミバエの成虫の食物として重要なものの1つは甘露である。(中略)この甘露が付着していなくても、ミバエが植物の表面をなめているのは天然酵母を食べているのである。



2011/01/21

竹筒内のオオフタオビドロバチ幼虫R1ab




2010年8月中旬

竹筒トラップを仕掛けてオオフタオビドロバチ♀(Anterhynchium flavomarginatum)の営巣活動を観察してきました。
営巣完了した竹筒4本を回収して中を調べてみます(8月上旬)。
この竹筒R1は蜂が最後まで使用していたもので、入り口(内径7mm)は閉鎖されていません。
ナイフで割ってみると、中には蜂の幼虫が2匹居ました。
奥の独房から入り口方向に向かって産卵順にa, bと呼ぶことにします。
母蜂が貯食してくれた青虫の糞で幼虫aの体が汚れています(獲物は毒針で麻痺していても生きており、排泄可能です)。

頭部は竹筒の奥を向いています。
幼虫bは摂食中でした。

貯食物はもうほとんど残っていません。
頭部は竹筒の入り口を向いています。
独房を仕切る泥の薄い隔壁(5枚)を観察すると、本で読んだ通りに表面が湾曲しています(奥が凹、入口側が凸)。

羽化した蜂は暗黒の独房内で泥壁の湾曲を頼りに入り口方向を知り脱出するのだそうです。
つづく


ノブドウの蜜を吸うフタモンベッコウ♂



2009年7月下旬

大型の黒い蜂がノブドウの花を吸蜜して回っていました。
見慣れない蜂だったので撮影後にネットインし写真を蜂屋さんに見てもらったところ、フタモンクモバチ(旧名フタモンベッコウ;Parabatozonus jankowskii)の♂だろうと教えて頂きました。
♀は主にオニグモを狩るのだそうです。

複眼の内側に黄紋がある。

 


墓地の野生ニホンザル



2009年7月下旬

墓地に野生ニホンザルMacaca fuscata)が二頭いました。
墓石に座っているのは子猿のようです。
近くのオニグルミの枝が大きく揺れたので見ると、樹上にもう一頭いました。
こちらの存在に気づいたのか、するすると木から下りて姿を消しました。
小さな群れが採食中だったのでしょうか。

蛙を食すイオウイロハシリグモ♀(蜘蛛)



2009年7月下旬

飼育中のイオウイロハシリグモ♀(Dolomedes sulfueus)はすっかり食欲が戻りました。
水辺に生息する本種がアマガエルを食べるとの記述を本で読み、本当かな?と試してみました。
小さなニホンアマガエルHyla japonica)を二回与えてみたら、難なく捕食しました。
実はこのクモが幼体の時期にも一度試してみたのですけど、一晩同居させても食べませんでした。
たまたま食欲の無い時期だったのか、大きなカエルで勝ち目が無いと思ったのか分かりません。
残念ながらカエルに飛びかかる狩りのシーンは撮れませんでした。
予測不能の持久戦なので、監視カメラで長時間撮り続けないと物に出来ないみたいです。
クモの消化液は余程強力なようで、噛まれている部位が見る見る黒ずんでいきます。
鋭い牙で咀嚼しながらカエルの骨まで溶かしてしまいます。
真っ黒の小さなペレットだけが最後に残りました(食べ滓)。 



威嚇して鳴くシモフリスズメ(蛾)



2009年8月上旬

シモフリスズメPsilogramma incretumに触れると耳障りな威嚇音を発します。
夜の灯火下で見つけた際にはカメラを持参していなかったので、証拠の動画を撮るために採集して持ち帰りました。
一晩飼育容器に入れて落ち着いたところを撮りました。
鳴き声はシューシュー♪と高周波成分の多い音です(超音波?)。
どうやって(どこで)発音しているのだろう?

【追記】
『日本動物大百科9昆虫II』p90によると、
シモフリスズメの成虫の♂も「ギィーギィー」と発音し、尾端の把握器表面の硬いやすり状の部分と、これを摩擦する2本のキチン質の鈎(かぎ)からなる発音装置があるという。
 

コガタスズメバチ門衛とのキス



2009年7月下旬

6日ぶりの定点観察。
軒下に営巣したコガタスズメバチVespa analis insuralis)のコロニーは順調に大きくなっています。
一匹のワーカーが外被作りの作業を終えて巣内に戻りました(このシーンは3倍速再生)。
出巣した別のワーカーがなぜかすぐに帰巣しました。
巣口で見張っている門衛とキスしているのは栄養交換でしょうか。
結局、外役に追いやられました。
ときどき門衛は巣口から半身を乗り出して睨みを利かせています。

つづく
 


ゴマダラカミキリの飛び立ち



2009年8月上旬

林道沿いのススキの葉の上から飛び立つゴマダラカミキリAnoplophora malasiaca)。
最後に1/10倍速のスロー再生で離陸シーンをもう一度。
 


草叢を探索するジガバチの一種



2009年8月上旬
林道沿いの地面(標高500m地点の草叢)をジガバチの仲間(ヤマジガバチ/サトジガバチ)が徘徊していました。
標高の高い場所では山、低地では里と言われているそうですが、「ヒゲおやじの投稿掲示板」に問い合せたところ写真による同定は無理なのだそうです。
狩りを目撃できるかと期待してしつこく追ってみたのですけど空振りでした。




【追記】
未だ私にはジガバチの性別を見分けられないので、この個体が♀かどうか確信はありません。



狩りをするジガバチの♀は先ず地面を徘徊するらしい。
獲物の尺取虫が食草の下に落とした糞を元に、獲物を探し当てるのだそうです。
(『ファーブルが観た夢』第一章:本能の美しき迷宮―ジガバチより)





ミヤマカラスアゲハ夏型♂の集団吸水



2009年8月上旬

集団吸水と呼ぶ程の規模ではありませんが、ミヤマカラスアゲハPapilio maackii)夏型の♂(計3頭)が仲良く並んで水を飲んでいました。
飲みながら勢い良くおしっこも排泄しています。
水たまりそのものではなく、湿った砂地や濡れた杉の落ち葉を吸っていました。
 



オオマルハナバチの振動集粉



2009年8月上旬

マルハナバチの仲間を見分けるのは未だ苦手なのですけど、オオマルハナバチBombus hypocrita)のワーカー♀だと思います。
(間違っていたらご指摘願います。)
道端の花(これも不明)から採餌していました。
後脚に大きな花粉団子を付けています。
振動集粉を行っています。
 

ホオノキの葉に乗ったコブヤハズカミキリ



2009年8月上旬

道端でホオノキの葉に乗ったコブヤハズカミキリMesechthistatus binodosus binodosusを発見。
後翅が退化しているそうで、地表性の飛べないカミキリムシらしい。
おまけに捕まえても抗議の鳴き声を発しません。

【追記】
『カミキリムシの魅力』第4章で飛べないコブヤハズカミキリ類の種分化を熱く論じています。
コブヤハズ類の分布概念図(p209)を参照すると、東北地方にはコブヤハズカミキリしか分布していないらしい。



クワゴマダラヒトリ♀(蛾)の集団産卵



2009年8月上旬

桑の葉のあちこちに白い卵塊を発見。
更によく探すと並んで産卵中の蛾がいました。
観察のため葉をそっと切り落としたら、一頭が擬死落下しました。
クワゴマダラヒトリ♀(Lemyra imparilis)だと思います。
翅を捲ると腹部の背側は黄色でした。
産卵中は一心不乱で全く無防備ですね。
 


ムモンホソアシナガバチのコロニー@軒下



2009年8月上旬

鎮守の森にある小さな祠の軒下でムモンホソアシナガバチParapolybia indica)が営巣していました。
隣には古巣が残されています。
今までホソアシナガバチのコロニーを見たことがなかったので、嬉しい発見でした。
場所が遠くて観察に通えないのが難点です。
葉裏に巣を作ることが多いらしいので、軒下で見つかるのは珍しいかもしれません。
育房内に白いキャップで覆われた繭が見つかりました。
在巣の♀は4匹で、ときどき互いにキスしました。
栄養交換なのかそれとも優位行動の一つなのだろうか。
巣作り(育房伸長)に励む♀もいます。
映像の終盤、身繕いする♀の隣で幼虫が育房から身を乗り出して餌の催促をしています。

《追記》
12月に再訪すると、コロニー解散後の最終的な育房数は50室でした。
 


2011/01/20

キタキチョウのセイヨウタンポポ吸蜜【マクロ動画】





2010年11月上旬

キタキチョウEurema mandarina mandarina)がセイヨウタンポポの花蜜を吸っていました。
翅を立てて止まるので、翅裏しか見えません。

マイマイガと二次寄生蜂



2009年8月中旬

(つづき)
マイマイガLymantria dispar japonica)の幼虫と脱出した寄生蜂の繭塊をリョウブの葉ごと採集して持ち帰り、密閉容器に隔離しました。
すると10日後に繭から小さな蜂が羽化しました。
その間にマイマイガ幼虫は斃死しました(採食、移動、脱皮など一切なし)。



蜂類情報交換BBSにて専門家に写真同定をお願いしたところ、「ヒメバチ科トガリヒメバチ亜科の仲間で、触角の形状からAcrolytaの一種だろう」と教えて頂きました。

本件のストーリーをまとめると次のように考えられます。 
  1. マイマイガ幼虫(ドクガ科、別名ブランコケムシ)の体内にコマユバチ♀(ブランコサムライコマユバチ?)が産卵。
  2. 内部寄生で育った蜂の子が毛虫の体外に脱出したのち営繭。 
  3. その繭を狙ってトガリヒメバチ♀(Acrolyta sp.)が産卵して二次寄生が成立。寄主を殺して羽化。

リョウブの葉上に見つけた際に繭塊の近くでウロウロしていた小さな蜂(当初は蝿かと思いました)も今思うと気になります(パート1の動画参照)。

羽化した蜂はざっと見てどれも同じ感じだったので、代表して数匹を撮っただけで全て処分してしまいました。
繭塊の二次寄生率が100%とは限らないでしょうから、羽化した蜂を一匹ずつ丹念に調べるべきでした。
寄生蜂の世界の弱肉強食も熾烈ですね。 
もしマイマイガ幼虫が寄生蜂(コマユバチ)にマインドコントロールされていて(行動操作)、蜂の子が脱出した後も死ぬまで繭塊をガードするとしたら面白いと思ったのですけど、コマユバチの繭を全然ガード出来ていないことが判明しました。
繭の傍で死ぬまで居座り、まるで保護者のように威嚇するかのように見えたのは思い過ごしだったのでしょう(パート1の動画参照)。

参考:『寄生バチをめぐる三角関係』講談社選書メチエ
 

マイマイガ(蛾)幼虫から脱出した寄生蜂の繭



2009年8月上旬

林道沿いでリョウブの葉にマイマイガLymantria dispar japonica幼虫が止まっていました。
多数の白い繭の塊の上に乗っており、内部寄生蜂の幼虫が寄主から脱出した後のようです。
近くに小さな蜂がうろうろしていたのは偶然でしょうか。
観察しやすいようにリョウブの葉を切り取って路上に置きました。
マイマイガ幼虫は刺激しても決してその場を離れず、歩行能力が奪われているようでした。
毛虫を繭塊から離して置いた時に元の場所に戻ろうとするか、実験してみればよかったですね。
ときどき頭を左右に振って威嚇します。
もし寄生蜂にマインドコントロール(行動操作)されていて死ぬまで蜂の繭をガードするとしたら面白いと思ったので、辺りを徘徊中のアリに対する反応を見てみました。
しかし繭塊や毛虫にアリが乗った時に必ず頭を振って追い払うとは限りませんでした。
他の寄生蜂や寄生蝿が来たらもっと明瞭にガードするのだろうか。
今思うと、真夏の路面が熱くて暴れていた可能性も否定できません。
葉ごと採集して持ち帰り、繭塊から寄生蜂が羽化するのを待ちます。
この時点ではマイマイガ幼虫(ブランコケムシ)に体内寄生するブランコサムライコマユバチなのかと予想していました。
つづく

【追記1】
モンシロチョウの幼虫に寄生するアオムシコマユバチの場合、寄主を行動操作して繭塊をシルク膜で覆わせ高次寄生蜂から身を守るのだそうです。
(『糸の博物誌』第5章:寄生蜂とチョウと糸より)
 

【追記2】
参考動画@動物行動の映像データベース
サムライコマユバチに操作されボディーガードとして振る舞うマイマイガ幼虫



アブラゼミの木登り



2009年8月上旬

アブラゼミGraptopsaltria nigrofuscata)がひっそりと少しずつケヤキの幹を登って行きました。
手前の枝が邪魔で撮り難い・・・。

ツヅミミノムシ(蛾)の移動



2009年8月中旬

庭に面したコンクリート壁面を徘徊するマダラマルハヒロズコガGaphara conspersa幼虫(別名ツヅミミノムシ)。
鼓の形の蓑を背負って歩きます。
話には聞いていたものの、初めて見ると感動しますね。
中に引っ込んだ幼虫が逆側から顔を出すこともあり、蓑の開口部は一つだけではないようです。
ときどき蓑がパタンと引っ繰り返ります。
幼虫が蓑の中に引っ込んた状態でも垂直の壁から蓑が落ちないのはどうしてだろう。
蓑表面の摩擦に頼っているだけとは思えません。
目に見えない細い糸で体を固定しながら移動しているのだろう。
採集して持ち帰りました。
つづく
 


網戸で鳴くミンミンゼミ♂♪



2009年8月中旬

暑苦しく鳴くミンミンゼミ♂(Hyalessa maculaticollis)。
網戸を透かして腹部の膨張・収縮運動が見れました。
さすが腹式呼吸の声量は天晴れ。
鳴き終わると、少し横歩きしてから飛び去りました。
 


シモフリスズメ(蛾)の口吻を伸ばしてみた



2009年8月上旬

先日捕獲したシモフリスズメPsilogramma incretumの死骸を少しでも有効に活用するため、口吻の長さを測ってみました。
ゼンマイ状に丸まった口吻をピンセットで伸ばしてみると約6cm以上で、体長(約4cm)の1.5倍ぐらいはありそうです。
死骸は撮影後にスタッフが美味しく頂きました。
(ダンゴムシ/ワラジムシ/ミールワーム連合軍の飼育容器に投入して土に還しました)

クロスズメバチ♀の肉団子作り



2009年8月中旬

山中の下草で肉団子を丸めているクロスズメバチVespula flaviceps)のワーカー♀を発見。
獲物は既に原形を留めていませんでした。
途中で作業場所を変更して木の幹へと飛び移りました。
咀嚼中の顔をマクロレンズで拡大してみると、識別点である頭楯の黒い錨状の斑紋からクロスズメバチと判明。
肉団子が完成すると身繕いしてから飛び立ちました。
巣の在り処は突き止められませんでした。
 


アカツメクサとモンキチョウ



2009年8月中旬

ムラサキツメクサ(別名アカツメクサ)の花でモンキチョウColias erate poliographus)が吸蜜していました。
途中でもう一頭が飛来すると、翅を小刻みに震わせて追い払いました。
性別不明ですが、交尾拒否なのだろうか。

キアゲハ夏型の吸蜜@リョウブ



2009年8月中旬

夏型のキアゲハPapilio machaon hippocratesリョウブの花で蜜を吸っていました。
 

センチコガネ



2009年8月中旬

頭楯の前縁が半円形なので多分センチコガネGeotrupes laevistriatus)だと思います。
林床で休んでいました。
慌てたように朽木の上から歩いて下に落ちました。
金属光沢に輝く腹側もついでに撮ろうと朽ちた丸太の上に仰向けに置いたらあっという間に起き上がり、朽木の隙間に潜り込んでしまいました(映像無し)。
 


クロスキバホウジャク(蛾)の吸蜜ホバリング@リョウブ



2009年8月中旬

リョウブの花を次々に訪れホバリング(停空飛翔)しながら蜜を吸うクロスキバホウジャクHemaris affinis
何頭か集まっていました。
 

 


2011/01/19

手乗りヨツモンカメムシ




2010年11月上旬

道端のアシの葉にヨツモンカメムシUrochela quadrinotata)が止まっていました。
随分久しぶりの出会いです。

風による揺れを抑えるため葉先を摘みながら撮ったら、のこのこ手に登って来ました。
地面に落ちると走って逃げました。



【追記】
ニレ類のみに依存する北方系のクヌギカメムシの仲間
なのだそうです。
北方系の虫と聞くとなぜか嬉しくなります。
 


シオヤアブ♀♂の交尾



2009年8月中旬

草叢でシオヤアブPromachus yesonicusが交尾していました。
近付くと結合したまま一度は飛んで逃げたものの、すぐ近くに降りて交尾を続けました。
尾端に白い毛が生えている方が♂なのですけど、結合した状態では判り難いですね。
どっちなんでしょうか?
 


ヒメバチを捕食するイシアブ



2009年8月中旬

ヨモギの葉に止まって虻が食事中でした。
「一寸のハエにも五分の大和魂」BBSにて問い合せたところ、ムシヒキアブ科イシアブ亜科の一種と教えて頂きました。
カタナクチイシアブかもしれないが口吻がよく見えないので種までは確定できない、とのことでした。
刺す口器が隠れてしまうアングルで残念でした。
虫の息の獲物は翅が四枚あるので蜂の仲間ですね。
ヒメバチの一種だそうです。




ウツボグサの花蜜を吸うスジグロシロチョウ夏型



2009年8月中旬

夏型の(エゾスジグロシロチョウウツボグサの花に来ていました。


イオウイロハシリグモ♀(蜘蛛)の産卵事故



2009年8月上旬

イオウイロハシリグモDolomedes sulfueus)の卵嚢は半球状になり、口がすぼまり始めました。
卵嚢中心に回るのを止め、糸も出さなくなると、いよいよ注目の産卵です(前回見逃した)。
上に口の開いた半球状の卵嚢を作ってから跨って中に産み付けるのかと思いきや、予想外の産卵法でした。
網にぶら下がって仰向け状態のまま、下向きに開いた卵嚢の穴に産卵孔を押し付けて産んだのです。
白い卵嚢を透かしてオレンジ色の卵が中に見えます。
産卵が済むと腹部を卵嚢から離し、開口部を糸で塞ぎ始めました。 
♀が卵嚢の穴を糸で塞いでいる途中に卵の一塊がボトッと零れ落ちました。
♀は気にせず作業を続けます。
前回の産卵ではこのような致命的なミスは犯しませんでした。
卵に粘り気のあるおかげで全部落ちずに済んだようです。
木の葉に落ちた粒々の未受精卵は粘液(卵白?)に覆われていたものの、翌日にはすっかり乾いていました。
一体どうして重力を無視してこんなリスキーな姿勢で産卵するのか理解に苦しみます。(※ 下記参照)
狭い飼育容器内ゆえの事故でしょうか。 
後半は前回観察した通りでした。
完成すると作業用の網から卵嚢を毟り取り(糸を引き千切る)、地上に降りました。
水場へ一目散に向かい、卵嚢ごと中に入りました。
水を飲んではいないようですけど、ここが一番安心するのでしょうか。
地上で作業を続行します。
卵嚢に跨った姿勢で糸を追加し仕上げます。
卵嚢が卵で汚れても水に濡れても気にしないようです。
 

【参考】
※ 『ファーブル写真昆虫記12:糸をつむいであみづくり』p22によると、ナガコガネグモ♀(コガネグモ科)の卵嚢も同様の作り方です。
卵を包む白い粘液の玉を出し、その中に産卵する。予め糸で作った蓋に卵塊を押し付けるらしい。


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