2020/09/19

アップルミントの花蜜を吸うフタモンアシナガバチ♀



2020年7月中旬・午後16:00頃・くもり

道端の花壇に咲いたマルバハッカ(別名アップルミント)の群落でフタモンアシナガバチPolistes chinensis antennalis)のワーカー♀が訪花していました。
この組み合わせは初見です。

クロヤマアリFormica japonica)のワーカー♀がガードしている花穂では、吸蜜する蜂は追い払われ、隣の花に飛んで逃げました。





川岸でリンゴを食べるハシボソガラス(野鳥)



2020年3月中旬・午後13:10頃・晴れ

街中を流れる川で橋の方から飛来したハシボソガラスCorvus corone)が川岸で採食を始めました。
何か赤い物を啄んでいたので、小動物の血まみれの死体かと初めは思いました。
しかし、よく見ると食べていたのはリンゴの熟した実で、おそらく落果が川にドンブラコと流され、川岸に漂着したのでしょう。
少し酸味のあるリンゴの実をカラスが食べるとは知りませんでした。
私は果樹園でリンゴの樹上で果実を直接食害するカラスを未だ見たことがありません。

冬に庭のカキノキで甘い熟柿を食べるカラスはよく見かけます。
▼関連記事(7年前の撮影)
川で冷やしたメロンを食すハシボソガラス【野鳥】

対岸から私に見られているのを嫌がったのか、カラスはすぐに食事を止めてしまいました。
川の水を飲んだような気もしますが、溝の死角でよく見えませんでした。
食後の嘴を地面で拭ったのかもしれません。
雑草の生えた川岸を徘徊し始めました。
川に入ってぬかるみを歩き回るものの、胴体の羽根が水に濡れるほど深い所には入らず、岸に引き返しました。
やがて川から飛び立つと、真上のコンクリートブロック護岸に止まりました。
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイすると、濡れた脚から水が滴り落ちています。


リンゴ落果の食痕を確認

2020/09/18

吸蜜後にヤブガラシの花から飛び立つスズバチ【ハイスピード動画】



2020年7月中旬・午後16:00頃・くもり

河原の土手に蔓延るヤブガラシスズバチOreumenes decoratus)が訪花していました。
意外にもこの組み合わせは初見です。

飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
離陸直後に右へ急旋回しています。
次に高画質のFHD動画でも記録しようとしたら、蜂に逃げられてしまいました…。
うーむ、一期一会。


オオキンカメムシを見つけた!:マサキ訪花、捕獲からの飛翔【HD動画&ハイスピード動画】



2020年7月中旬・午後16:10頃・くもり

河川敷のマサキの生垣に花が咲いていました。
そこに見たことのない巨大で派手なカメムシを発見。
オオキンカメムシEucorysses grandis)という南方系(熱帯系)の種類でした。
近年の温暖化の進行で分布を北に広げているのでしょうか?
毒々しい色合いですが、子供の頃も図鑑でしか見たことのない憧れのカメムシでした。

マサキの花で吸蜜しているのか花柄での吸汁なのか、口吻の状態を横から接写しないと分かりません。
(花の上でただ休んでいるだけかもしれません。)
私がカメラのレンズを近づけたら、オオキンカメムシは警戒して花序の裏側に急いで隠れてしまいました。
仕方がないので捕獲を試みると、擬死落下で緊急避難。

地面に落ちたオオキンカメムシを摘んで拾い上げました。
仰向けで手に乗せるとすぐに起き上がり、指先まで歩いて登ると翅を広げて飛び去りました。

着陸地点までしつこく追いかけて再捕獲しました。

繰り返し手掴みにしても、特に何も悪臭を放出しませんでした。
今度は飛び立つ瞬間を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみましょう。(@1:00〜)
驚いたことに、前翅は閉じたままで後翅を広げ、羽ばたいていました。
前翅を閉じたままで飛ぶ甲虫のハナムグリ類を連想したのですが、スーパースローで見直すと、発達した小楯板の下から前翅および後翅が伸びてきて羽ばたいていますね。
昆虫の飛翔シーンを同一個体で繰り返して撮影すると、やがて疲れて飛ばなくなってしまうのが普通です。
ところがこの個体は意外にも飛翔力が強く、またもや驚かされました。
最後は広い河川敷を横断すると河畔林のニセアカシア樹上まで数十mも一気に飛び去り、呆気にとられました。(映像なし)
セミでもなかなかこれほど長くは飛びません。

※ 動画編集時に音声を正規化して羽音の音量を強制的に上げています。

安永智秀、前原諭、石川忠、高井幹夫『カメムシ博士入門』を読むと詳しい解説があり、私の疑問に全て答えてくれました。

・キンカメムシやマルカメムシは半翅鞘をあえて退化させ、小楯板を極端に発達させた。背面後半部を完全に覆うことで強度がより増す。この形状は、速く、より遠くへ飛ぶ能力を強化した。
・(キンカメムシ類は)前・後翅とも小楯板の下部に収まっているから、飛翔時も見かけは変わらない。
・西日本の温暖な海岸部に生息するオオキンカメムシの移動力にも定評があり、果敢にアルプス越えにチャレンジすることが知られている。こうした事実は、キンカメたちの高い移動・分散能を如実に物語っている。(p21より引用)




野澤雅美『カメムシ:おもしろ生態と上手なつきあい方』によれば、
 オオキンカメムシは、25mmに達する日本産では最も大きなキンカメムシで、関東から南の海岸の暖かな地域の照葉樹林で生活している。(中略)飛翔力が強く、北海道や東北でも採集されている   (p60より引用)




達人は腹端から性別が見分けられるのかな?



2020/09/17

ヨウシュヤマゴボウの花で採餌するクロマルハナバチ♀



2020年7月中旬・午後16:40頃・くもり

堤防路の道端に咲いたヨウシュヤマゴボウの群落でクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が訪花していました。
この組み合わせは初見です。
吸蜜する蜂の後脚をよく見ると、花粉籠に微量の白い花粉団子を付けていました。




花上のニホンアマガエルに乗るシタキモモブトスカシバ(蛾)


2020年7月中旬

住宅街の民家の庭に咲いたキクイモモドキシタキモモブトスカシバMelittia inouei)が訪花していました。
いつものように動画で記録しようとしたつもりが、カメラの録画開始ボタンの押し間違えで、写真(静止画)1枚しか撮れていませんでした。
カメラを構えた私が無造作に近づいたら、蛾はすぐに飛んで逃げてしまいました…。
痛恨のミスです。

撮れた写真を見直すと、蛾は花の上で休息して(翅を休めていた)いたようです。
吸蜜ホバリング中なら激しく羽ばたき続けているはずで、高々1/800秒のシャッタースピードでは翅が止まって見えないはずです。
もう一つ驚いたことは、シタキモモブトスカシバは大胆にも緑色のニホンアマガエルHyla japonica)の上に居座っていました。
カエルは訪花昆虫を捕食しようと待ち伏せしていたはずなのに、獲物として大き過ぎたのでしょう。

※ この記事は、動画無しの写真ネタです。



【追記】
有田豊、池田真澄『擬態する蛾スカシバガ』という名著によると、
シタキモモブトスカシバでは、後脚の脛節外側に黄色や橙黄色の長毛が密生して膨らんでおり、身体の一部分や色彩模様が擬態しているだけでなく、まるでミツバチ類やマルハナバチ類が後脚脛節の花粉バスケットに黄色の花粉を集めて膨らんでいる状態によく似ている。形態だけでなく、花粉を集めた状態に似せているという非常に特異な擬態である。 (p72より引用)

もしかすると、アマガエルはシタキモモブトスカシバのベイツ型擬態に怖気づいて手出しをしなかったのですかね? 


これらの蛾類(スカシバガ科:しぐま註)のハチ擬態の効果のほどは実験的に確かめられているわけではない (p69より引用)




スズメ♀♂の交尾(野鳥)



2020年7月中旬・午後18:40頃・晴れ

夕方の市街地でスズメPasser montanus)の♀♂ペアが電線に止まり、交尾を繰り返していました。
スズメの交尾を目の当たりにするのは初めてです。
焦った私がカメラの起動に手間取りましたが、2回連続の交尾行動を観察することが出来ました。
幸い夕日を浴びた順光のアングルでよく見えました。
♂は♀にマウントする際に翼を小刻みに激しく羽ばたいてバランスを保っています。
その間、♀は完全に受け身で、電線上に身を伏せてじっとしています。

スズメは交尾中にヒヨヒヨヒヨ…♪と甘い鳴き声を発するらしいのですが、やや遠くて風切り音しか聞き取れませんでした。
※ スズメの鳴き声が遠くて聞き取りにくいので、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に挙げています。

自然カラーシリーズ26『スズメ』によると、

♂は、これぞと思う♀をみつけると、しきりにそのあとを追いかけます。つばさや尾羽をふるわせながら、ピイピイ、コロコロとスズメとも思えないきれいな声で鳴きます。 (さえずり:しぐま註) エンマコオロギのようにすんだきれいな声です。

つがいになると、♂は♀とならんで止まり、♀の羽毛をやさしく、つくろってやります。しかし、仲のよい夫婦ばかりとはかぎりません。♂が飛びのって、交尾しようとしたとたん、ぱっと飛び立って、どこかへいってしまう♀もいます。

♀が、からだをかがめると、その上に♂が飛びのり、またすぐに飛びおります。同じような動作が、4〜5回くりかえされます。これが交尾です。


大田眞也『スズメ百態面白帳』によれば、

交尾すると♀はすぐ身ごもり産卵するので、巣を先に用意しておかなければならない(中略)。
巣造りが一段落すると、♂は♀に付きまとうようになる。しかし、まだその気にならない♀は勝手気ままに行動し、その後を見失うまいと必死に追いかける♂の姿はけなげである。♀が立ち止まると、すぐその周りを、全身の羽毛を膨らませて大きく見せ、気取ったような格好で気ぜわしく歩きまわり、ヒヨヒヨヒヨ…と、これがスズメの鳴き声かと思うような甘く優しい声で愛をささやく。♀が移動すると、すぐその後を追い、止まると、また同じことをする。こんなことを何度も繰り返しているうちに♀もしだいにその気になってくるようで、体を低くして背を反らせ気味にして尾を上げ、下げた両翼の先を小刻みに震わせるとOKである。♂はすかさず♀の背に飛び乗り、羽ばたいてバランスをとりながら腰を低めて慎重に尾を交差させたかと思ったら、もう一回の終わりで、飛び下りている。この間ほんの数秒で、実にさばさばしており、こういうことを普通三、四回繰り返す。♀が羽繕いを始めたらもう終わりで、その後は♂がどんなに誘ってもだめである。 (p69より引用)

交尾。ヒヨヒヨヒヨ…と独特の甘い鳴き声で気づかされることが多い。 (p70より引用)


交尾直後の♂は隣の電線にピョンと飛び移り、嘴を足元の電線に擦り付けました。
鳥の交尾直後には♀の総排泄孔に付着した♂の精子が見えるものなのでしょうか?
映像では何も見えませんでした。

松原始『鳥類学者の目のツケドコロ』によると、

鳥の場合、総排泄口(哺乳類意外の脊椎動物の場合、排泄物も精液も卵もすべて出口がおなじなので、こう呼びます)を接触させて交尾するため、♀の協力がないと交尾は極めて難しくなります。


交尾中の♂は終始、羽毛を逆立てた「ふくら雀」の状態で、いかにも興奮していることが分かります。
そんな♂が交尾後に羽繕い。
最後は♂、♀の順に飛び去りました。
そろそろねぐら入りして寝る時刻です。

ちなみに、すぐ横の電線に止まっていたムクドリSturnus cineraceus)若鳥?は、スズメ♀♂の交尾に無関心でした。

この電柱の水平アーム(腕金)は端が塞がれているため、その中にスズメが営巣することは出来ません。


▼関連記事(3年前の撮影)
電柱の角パイプ内の巣に出入りするスズメ♀♂【野鳥:HD動画&ハイスピード動画】


次に機会があれば、求愛(囀りさえずり)からの交尾とスズメの配偶行動の一部始終を見届けたいものです。
求愛給餌するのかな?





尾が交わると書いて「交尾」

2020/09/16

イタドリの花で吸蜜ホバリングするシタキモモブトスカシバ(蛾)【HD動画&ハイスピード動画】



2020年7月中旬・午後15:35頃・くもり

河川敷の水際近くに咲いたイタドリの群落でシタキモモブトスカシバMelittia inouei)が訪花していました。
停空飛翔(ホバリング)しながら吸蜜しています。

よく似たシタキモモブトカシバとオオモモブトスカシバとの見分け方にいつも悩んでいたのですが、インターネット検索で遂に解決しました。
青森の蝶たち::Web図鑑」というサイトによると、シタキモモブトスカシバは

オオモモブトスカシバ M. sangaica と長い間混同されていたが、1987年に分離された。2種は同所的に見られる地域が多いものの、本種の方が北方系(東北地方では本種のみ確認されている)。
見事な生態写真を添えて、近縁二種の見分け方も詳細に記述されていました。

吸蜜ホバリングの高速羽ばたきを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:38〜)
風揺れに悩まされたものの、スーパースローで見るとあまり気にならなくなります。
1/8倍速のスーパースローでも羽ばたきが速過ぎて、翅脈は残像しか見えませんでした。
吸蜜中は前脚を花に掛けて停飛しています。
中脚が黒いので、やはりオオモモブトスカシバではなくシタキモモブトスカシバで良さそうです。
次の花へ飛んで向かう途中に、長い口吻を空中でクルクルと丸めてゼンマイのように収納していました。
また、次の花へ向かう際は後脚を後傾して空気抵抗を減らしていました。


『擬態:だましあいの進化論〈1〉昆虫の擬態』という本によると、
(オオモモブトスカシバやシタキモモブトスカシバは訪花の際に)前脚を花にかけて空中で翅をはげしく動かしてホバリングしながら、セイヨウミツバチやマルハナバチ類のように後脚を「く」の字に曲げて交互に動かして吸蜜しながら花から花へと移動していく。飛翔しながら後脚を「く」の字に曲げて交互に動かす行動は、ミツバチ類とまったく同じである。 (p68〜69より引用)



今回の個体は怪我でもしたのか、左側だけ毛深い後脚の末端が欠損していました。
そのため、停飛中に後脚を左右交互にくの字に曲げる動きが、右側しか動かしていないように見えます。
空気抵抗が左右非対称になってもホバリングなどの基本的な飛翔能力に影響は無さそうです。

▼関連記事(ともに7年前の撮影)
汗を舐めるシタキモモブトスカシバ(蛾)の停空飛翔【ハイスピード動画&HD動画】
オカトラノオの花でシタキモモブトスカシバ(蛾)が吸蜜ホバリング【ハイスピード動画】





キクイモモドキの花蜜を吸うハラアカヤドリハキリバチ



2020年7月中旬・午後14:45頃・くもり

民家の花壇に咲いたキクイモモドキの群落で労働寄生蜂のハラアカヤドリハキリバチ(旧名ハラアカハキリバチヤドリ)Euaspis basalis)が訪花していました。
この組み合わせは初見ですし、今年になってハラアカヤドリハキリバチを見かけるのも初めてでした。
赤と黒のツートンカラーが鮮やかで結構好きな蜂です。

この日の撮影は風揺れに悩まされました。
私を警戒して飛び去ったと思いきや、私がじっとしていると、すぐにまた戻って来てくれて吸蜜を再開。

本種の性別の見分け方を知りたいと長年思っているですが、『日本産ハナバチ図鑑』を参照しても分かりません。
どなたかご存知の方がいらっしゃいましたら教えていただけると助かります。
普通のハキリバチ科の蜂ならスコパの有無で簡単に見分けられるのですが、労働寄生種のハラアカヤドリハキリバチは♀でもスコパが無いのです。




2020/09/15

ナツメの花を舐めるニクバエの一種



2020年7月上旬・午後15:40頃・くもり

農家の庭に植栽された落葉樹が昨年の晩秋に見たことのない奇妙な果実をつけていて、ずっと気になっていました。
樹種を知りたくて春から定点観察に通っていたところ、ようやく蕾(※)から黄色い小さな花が咲いてナツメと判明しました。



花の正体が分かると、次に気になるのは訪花昆虫です。
生憎この日は今にも雨が降りそうな天気で、虫はあまり来ていませんでした。
ようやく撮れたのは、ニクバエの一種です。
口吻を伸縮させて花粉や花蜜を舐めています。
食事の途中でナツメの花から離れ、葉の上で後脚を擦り合わせ身繕い。






※【追記】
6月中旬に撮影した蕾(花芽)の写真です。
夏になると芽が出ることから、ナツメなのだそうです。
風揺れがひどいのにストロボを焚かなかったので、ブレブレですね…。




小鳥を解体し幼鳥4羽に巣外給餌するハシブトガラス親鳥(野鳥)



2020年7月上旬・午後16:35頃・晴れ

川沿いに建つ2階建ての民家の赤いトタン屋根でハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の群れがやかましく鳴き騒いでいました。
何事かと思いカメラでズームインしてみると、親鳥が獲物の死体を解体している周囲で4羽の幼鳥がやかましく餌乞いしています。
嘴の中が赤いのがカラスの幼鳥の特徴です。(成鳥の口内は黒くなる。)
親鳥は解体した獲物を独り占めにはしないで、1羽の幼鳥に口移しで給餌しました。
残り物の内臓を自力で拾い食いしている逞しい幼鳥もいます。

トタン屋根に白っぽい羽毛が散乱しているので、親鳥が解体した獲物はネズミ類ではなく小鳥(スズメやドバト、ハクセキレイ?)だったようです。
親鳥が生きた小鳥を襲って狩ってきたのか(捕食)、それとも死骸を運んできたのか(屍肉食)、どちらでしょう?
ハシブトガラスの場合は前者の可能性が高いらしいのですが、見逃したのが残念です。

幼鳥への巣外給餌を済ませた親鳥がトタン屋根から飛び立つと、近くの電線に止まりました。
獲物の血や脂で塗られた嘴を足元の電線に擦りつけてきれいにしています。
屋根に居残った幼鳥群を親鳥は近くから見守ります。

しばらくすると再び親鳥が屋根に戻り、幼鳥に給餌しました。(先程とは別個体の親鳥かもしれません。)
その際に何か白っぽい破片(パン粉?)が屋根に落ちたり嘴に付着したので、今度の給餌メニューはパンかもしれません。
物足りない幼鳥は餌乞いを続け、トタン屋根に散らばった小鳥の肉片を拾い食いしています。

屋根の上に最後まで残っていた幼鳥が、屋根に登る梯子の天辺に飛び乗り、親鳥の帰りを待っています。
屋根に再登場した親鳥の喉袋が餌で膨らんでいます。
それを見た幼鳥が親鳥の横にフワリと舞い降り、餌をねだりました。
給餌後に親子のハシブトガラスが相次いで屋根から飛び立つと、隣接するヒマラヤスギ並木の方へ飛んで行きました。
先に飛び去った幼鳥は、肉片を嘴に咥えたまま飛び立ちました。




2020/09/14

ヒヨドリバナの花蜜を吸うナミツチスガリ♀



2020年7月中旬・午後17:00頃・くもり

道端(民家の庭先)に咲き始めたヒヨドリバナの群落でナミツチスガリ♀(Cerceris hortivaga)が訪花していました。
未だ咲いていない蕾が多いので、吸蜜してもすぐに飛んで別の花序に移動してしまいます。

後半からはマクロレンズを装着して接写しました。(@2:44〜)
黒光りする体表の点刻が見事です。
ナミツチスガリの顔は愛嬌があって好きです。

私にはナミツチスガリの性別の見分け方が分からず、ネット検索でも苦労しました。
おそらく頭楯に分かりやすい性差が出るはずだと思うのですが、私は♀の顔写真しか撮れていません。
交尾シーンを顔正面から撮った写真があれば一目瞭然なのですけど、ネット上に見当たらないのです。
狩蜂の生態写真を得意としておられる「裏庭観察記 外伝」ブログでナミツチスガリ雄蜂♂の見事な顔写真が掲載されていました。

華奢な体格。オレンジ髭。
この特徴的な口髭が雄蜂♂の特徴のようです。
さて、今回私が撮った個体はどちらでしょう?
吸蜜シーンを接写しても、蜂の動きが忙しない上にヒヨドリバナの長い雌しべが邪魔で、肝心の口元がよく見えません。
スロー再生してもオレンジ色の口髭は見えなかったので、おそらく♀だと思うのですが、どうでしょうか?
そもそも私は、ナミツチスガリの訪花シーンを見たのは今回が初めてです。

重い腰を上げて「ツチスガリ属の種の検索表」を紐解いてみると、「腹部は6節の可視節からなる。触角は12節からなる」のが♀で、「腹部は7節の可視節からなる。触角は13節からなる」のが♂と記述されていました。
寺山守氏のホームページ内で公開されている「フシダカバチ亜科の種検索」および「フシダカバチ亜科 カラー画像」のPDFファイルを参照。)
同定用の生態写真をしっかり接写するか、採集して標本を精査しない限り、動画派の私にはツチスガリの性別を見分けるのは困難だと分かりました。




ブロック塀で蛹化したキアゲハの帯蛹に触れると暴れて威嚇



2020年7月上旬および下旬

車道に面したブロック塀にキアゲハPapilio machaon hippocrates)の帯蛹を見つけました。
蛹の色は地味な白黒の斑点模様で、背景のコンクリート・ブロックに対して見事な保護色になっています。
ちなみにキアゲハの終齢幼虫が緑地で蛹化すると、蛹は周囲の色に合わせて緑色になることが知られています。
蛹化地点は、地面からの高さ100cm。

接写しながら指でキアゲハの蛹にそっと触れると、暴れて威嚇しました。
腹端が壁にしっかり固定されているため、唯一動ける上半身を捩って暴れるしかありません。


▼関連記事(7年前の撮影:飼育個体の自発的な蠕動)
キアゲハ帯蛹aの胎動【10倍速映像】

どこで育ったのか、周囲を見渡してもキアゲハ幼虫の食草となるセリ科植物は見当たりませんでした。
蛹を採集して飼育しようか迷ったのですが、色々と忙しくて手が回りそうもないので、諦めました。
いつ蛹化したのか分からないため、成虫の羽化日が予想できないのです。
アゲハヒメバチなどの寄生蜂に体内寄生されている可能性もあります。


▼関連記事(7年前の撮影)
キアゲハに寄生したアゲハヒメバチ♀の羽化



14日後に現場を再訪すると、ブロック塀にきれいな羽化殻(抜け殻)が残されていました。
寄生や鳥の捕食を免れて無事に成虫が羽化してくれて一安心。

記念に抜け殻を採集してコレクションに加えようと思いました。
ところが、この日はナイフを持参し忘れてしまい、帯蛹の糸を切るのに苦労しました。
横着して鉛筆の先端で強引に糸を切ったら、羽化殻が破損して台無しになってしまいました…。




2020/09/13

スイートピーの花で盗蜜するフタモンアシナガバチ♀



2020年7月上旬・午後15:15頃

民家の庭に咲いたスイートピーの群落でフタモンアシナガバチPolistes chinensis antennalis)のワーカー♀が訪花していました。

驚いたことに、スイートピーの蝶形花に正当訪花で吸蜜するのではなく、盗蜜行動をしていました。
花弁の根元、萼との境界付近を外側から長々と舐めています。
花弁の根元を食い破って(または口吻を突き刺して)蜜腺を外から直接舐める穿孔盗蜜だと思うのですけど、残念ながら肝心の口元がよく見えません。
アブラムシの甘露を舐めている可能性も頭によぎりましたが、スイートピーの群落にアブラムシのコロニーは見当たりませんでした。
スイートピーに花外蜜腺があるという話は聞いたことがありません。

やがてフタモンアシナガバチ♀はスイートピーの花から花へ次々に渡り歩き始め、ようやく蝶形花の開口部を見つけて潜り込みました。(正当訪花)
つまり、フタモンアシナガバチ♀はスイートピーで吸蜜するために盗蜜行動と正当訪花を自在に切り替えることが可能と分かりました。


▼関連記事(7年前の撮影)
ユリズイセンに訪花するフタモンアシナガバチ♀2つの採餌戦略(正当訪花/盗蜜)

最後は身繕いしてから飛び立ちました。
スイートピーのすぐ横には、狩蜂が大好きな蜜源植物として知られるノブドウの花も咲いているのに、なぜかこの蜂はスイートピーの花に夢中でした。



▼関連記事(6年前の撮影)
スイートピーの花蜜を吸うクマバチ♀

クマバチは盗蜜行動の常習犯なのですが、マメ科の蝶形花を攻略することに長けているので、正当訪花していました。


水田に飛来したアオサギが獲物を次々と捕食(野鳥)



2020年6月上旬・午後16:25頃・晴れ

田園地帯で畦道を乗り越えて来たアオサギArdea cinerea jouyi)が飛び立つと低空で飛び、私から少し離れた水田に降り立ちました。

田んぼの中を歩き回ると、目ざとく獲物を見つけたようです。
素早く歩み寄り、何か小動物を続けざまに捕食しました。
小さ過ぎて、メニューは不明です。(小魚?)




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