2013年7月中旬
山間部の道端に咲いたオカトラノオの群落でホバリング(停空飛翔)しながら訪花しているスカシバガ科の蛾がいました。
得意のホバリングで花の周りを回りながら長い口吻で吸蜜する様子を240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
スローモーションで見ると、夏の強い日差しで影の羽ばたきも綺麗に写っていますね。
動画を優先したら同定用の写真を撮る暇もなく逃げられたのですが、
関連記事→「シタキモモブトスカシバの吸蜜」(3年前の丁度同じ時期に撮影)
『擬態:だましあいの進化論〈1〉昆虫の擬態』という本によると、
(オオモモブトスカシバやシタキモモブトスカシバでは)後脚の脛節外側に黄色や橙黄色の長毛が密生して膨らんでおり、身体の一部分や色彩模様が擬態しているだけでなく、まるでミツバチ類やマルハナバチ類が後脚脛節の花粉バスケットに黄色の花粉を集めて膨らんでいる状態によく似ている。単に形態が類似しているというだけでなくミツバチ類やマルハナバチ類が花粉を集めた状態に似せているという、非常に特異な擬態である。(p67-68)
(オオモモブトスカシバやシタキモモブトスカシバは訪花の際に)前脚を花にかけて空中で翅をはげしく動かしてホバリングしながら、セイヨウミツバチやマルハナバチ類のように後脚を「く」の字に曲げて交互に動かして吸蜜しながら花から花へと移動していく。飛翔しながら後脚を「く」の字に曲げて交互に動かす行動は、ミツバチ類とまったく同じである。(p68-69)今回の映像を見直すと、確かに後脚をそのように動かしていますね!(行動擬態)
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