2024/09/28

晩秋に落葉した二次林の林床をあちこち掘り返したのはニホンアナグマのしわざ?

 

2023年11月中旬・午後13:45頃・晴れ 

ニホンアナグマMeles anakuma)が営巣する落葉した二次林で、林床のあちこちに落ち葉やその下の土を掘り返した浅い穴が掘られていました。 
立木の根元も浅く掘られています。 
おそらくアナグマが採食した痕跡(フィールドサイン)だと思うのですがどうでしょうか? 
地中のミミズなどを好んで捕食するのだそうです。 
もちろん晩秋にだけこうした採食跡が見つかるのではなく、他の季節でも同様の採食痕があるのですけど、動画ネタが乏しくなってきたこの時期に思いついて撮影してみました。

以前、私は野生動物のフィールドサインを解説した本を読んで、掲載された採食シーンのイラストについて噛み付いたことがあります。 

関連記事(1年前の撮影)▶ 林道を掘り返した採食跡は誰のしわざ?【ニホンイノシシまたはニホンアナグマのフィールドサイン】
果たしてどれだけがトレイルカメラによる証拠写真(または動画)によって裏付けられているのか、気になります。 「採食行動をもっともらしく描いたイラストは、ただの想像図(筆者の仮説、妄想、願望、ファンタジー)ではないのか?」と疑い深い読者が意地悪な質問をしたときに、どのように反論するのでしょう? フィールドあるいは飼育下で採食シーンを直接観察した直後に食痕の写真を記録したのであれば、文句はありません。

今回私が「この動画に写っているのはアナグマの採食痕だ」と断定的に言った場合、過去に抱いた疑念がブーメランのように返ってきます。 
採食シーンを直接見てませんから、例えば「タヌキの採食痕ではないと言い切れるのか?」と詰問されると困ってしまいます。 

今のところ、私はアナグマの撮影を無人カメラに任せて、この二次林にはなるべく立ち入らないようにしています。 
理想を言えば、私もこの二次林の樹上にツリーハウス(観察小屋)を建てて何日間も中に篭り、アナグマの採食行動を直接観察してみたいものです。 
採餌シーンをこの目で見た直後に採食現場へ急行し、フィールドサインを確認すれば、それ以降に自信をもって見抜くことができるでしょう。 
しかし、広い林床のどこでアナグマが採食するのか予想できないため、待ち伏せできないのが問題です。 
よく通ってくるお気に入りの餌場があれば、そこにトレイルカメラを仕掛けてもよいでしょう。 
人工的に餌場を設けて(給餌して)採食シーンが撮れたとしても、私が知りたいことからずれてしまいます。 
宝くじにでも当たって莫大な予算(財力)があれば、監視カメラの数を増やして林内で格子状にくまなく設置するのが近道かもしれません。

エゾタヌキと違ってホンドタヌキは真冬でも元気に活動することが分かっています。 
ニホンアナグマは厳冬期に冬ごもりするだけで冬眠はしないとされています。 
しかし冬の雪国(豪雪地帯)で野生のアナグマの行動を観察した記録はあまりないようです。
冬は絶食して秋に蓄えた皮下脂肪で生き延びるのでしょうか?
ここ雪国でもアナグマが真冬の巣外でときどき採餌する(深い雪を掘り返して地中のミミズを捕る?)とは素人には信じがたい話です。
この点をフィールドサインおよびトレイルカメラによって突き止めるのが次の目標です。 
もしもアナグマが冬ごもりした時期(厳冬期)にも林床に掘り返した採食痕があれば、それはタヌキなどアナグマ以外の野生動物のしわざであると言えそうです。 


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川の堤防にオニグルミの堅果をこっそり埋めて貯食するハシボソガラス(野鳥)

 

2023年11月中旬・午後14:25頃・くもり 

街なかを流れる川で上流から飛来したハシボソガラスCorvus corone)が、川面から何か小さな物を器用に掬い上げて右岸に着陸しました。 
(映像はここから。) 

コンクリートブロックで護岸された堤防を歩き回るカラスが嘴に咥えていたのは、オニグルミの堅果でした。 
直前の行動を想像すると、ハシボソガラスが運搬中のクルミを川にうっかり落としてしまい、それを取り戻したのかもしれません。 
オニグルミの木は水辺に自生していますから、枝から川に落ちた堅果が川上からドンブラコと流れてきて、それをカラスが拾ったのでしょうか? 
(オニグルミの堅果は水に浮きます。) 

コンクリートブロックの上に長い年月を経てわずかに堆積した土壌の中にカラスはクルミを浅く埋め込みました。 
次に、周囲の落ち葉を穴に詰め込んで隠蔽しました。 
食料の乏しい冬に備えて、秋のうちからせっせと蓄えているのです。 
貯食作業を終えたハシボソガラスは、辺りをキョロキョロ見回してから堤防をトコトコ歩いて登ると、どこかに飛び去りました。 
後日お腹が空いたら、埋めたクルミを掘り出して回収し、投げ落とし法で硬い殻を割り、美味しい中身を食べることになります。

実は貯食作業の一部始終を別個体のカラスが近くで見ていました。(映像なし) 
直後にその別個体が貯食物(隠したオニグルミ堅果)をちゃっかり盗むかな?と予想したものの、何も行動を起こしませんでした。 
おそらくこの2羽は縄張りを共有する♀♂つがいで、貯食物を盗み合うような関係ではないのでしょう。 
もしもライバルのカラスに見られていると気づいた場合は、貯食作業を中断して、別な場所にこっそり隠し直すはずです。 

オニグルミの種子は重力散布、水流散布、貯食型の動物散布と何段階も経て母樹から遠くに散布され、分布を広げます。 
今回カラスは半分に割った食べかけのクルミではなく丸ごと地中に埋めたので、もし食べ忘れたらオニグルミの種子散布に貢献したことになります。 
しかし土壌が貧弱(浅い)な場所ですから、発芽してもしっかり根付いて成長するのは難しそうです。 
ハシボソガラスがオニグルミ堅果を丸ごと隠す貯食行動を観察したのはこれが初めてです。


関連記事(3、10年前の撮影)▶  

 

2024/09/27

ニホンアナグマの越冬用巣穴に侵入するホンドタヌキのペア【トレイルカメラ】

 



2023年11月下旬・午前7:40頃・気温1℃ 

平地の落葉した二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の越冬用営巣地(セット)にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が2頭連れ立って明るい朝にやって来ました。 
私には外見でタヌキの性別を見分けられませんが、♀♂つがいなのでしょうか? 

アナグマの巣穴Rに1頭が潜り込んで念入りに内見している間に、もう1頭が外で待っています。 
最後は、もう1頭も巣穴Rに入りました。 
巣穴の主であるニホンアナグマに撃退されなかったということは、アナグマは留守にしていたのでしょう。 
もしも同じ巣穴で2種が仲良く越冬するとなると、まさしく「同じ穴のむじな」になります。 


晩秋に咲いたノジスミレの花(狂い咲き・返り咲き)

2023年11月上旬

晩秋の殺風景な田んぼの畦道で、季節外れに咲いたスミレの花をあちこちに見つけました。 
「山形県の平地に咲くスミレの仲間で、花が紫色で葉が細長い種類」という条件で調べると、どうやらノジスミレのようです。 
ノジスミレの分布の北限は秋田県で、本来の花期は春(3月~5月)らしいのですが、これは狂い咲きなのでしょうか。 












ネット検索すると、森林インストラクター東京会による「晩秋のスミレ…」と題した記事がヒットしました。
 御存知のようにスミレの種類は春に咲く花の代表です。其れが11月という、秋も終わりの此の時期に咲いていました。   
此の現象は俗に言う”狂い咲き”ではありません。”返り咲き”と言います。   
返り咲きは夏に干ばつが続く等の環境の悪化、あるいは温暖な天候が続くと咲きやすくなります。今回のスミレ達は何れも陽当りは良い環境でした。しかも、今年の夏は猛暑、返り咲きが起こり易い条件が揃っていたのかもしれません。(2002年11月13日)
確かに2023年の夏は記録的な酷暑で降水量も少なかったです。 


関連記事(7年前の撮影)▶ 農道の枯草に産卵するウラギンヒョウモン♀ 

実はこの農道で以前、ヒョウモンチョウの仲間♀が秋の枯草に産卵していました。 
ヒョウモンチョウ幼虫の食草はスミレなので、この農道には必ずスミレが自生しているはずです。 
当時(9月下旬)は農道や畦道にスミレの花が咲いておらず、食草の有無を確認できませんでした。 
7年ぶりに謎がようやく解けて、すっきりしました。 

個人的なフィールドノートを遡ってみると、2021年の11月上旬にも返り咲きのスミレの花を一輪だけ見つけていました。 
このときはスミレの葉が泥で埋もれていたせいで、スミレの種類を同定できませんでした。
スミレの返り咲きが毎年のように見られるということは、「地球温暖化は一時的な異常気象ではなく、常態化しつつある」ということの傍証になるかもしれません。 
まだ観察例数が少ない(n=2)ので、これから地道に増やしていく必要があります。 


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八重咲マリーゴールドの花でクロホウジャク(蛾)が吸蜜ホバリング【ハイスピード動画】

 

2023年11月上旬・午後15:10頃・晴れ 



道端の花壇でホトトギスに訪花するクロホウジャクMacroglossum saga)をハイスピード動画に撮っていたら、同一個体が隣に咲いていたマリーゴールド(八重咲きの品種ボナンザ・オレンジ)に浮気しました。 
マリーゴールドの花の手前で停空飛翔(ホバリング)しながら口吻を伸ばして吸蜜しています。 

クロホウジャクは蜜源植物なら何でも良い、つまり同じ種類の植物を連続して訪問する「定花性」が低いことを示しています。 
植物側にしてみれば、定花性の高いハナバチ類が送粉者として好ましいことになります。


2024/09/26

みぞれが降る夜に二次林内をうろつく「背黒」ニホンアナグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月下旬

平地の落葉した二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の越冬用営巣地(セット)を見張っていると、みぞれが降る晩に見慣れないアナグマが2回現れました。 


シーン1:11/25・午後18:55頃・気温1℃ 
なぜか背中だけ黒い毛の、背黒アナグマです。 
こんな個体を私は今まで見たことがありません。 
一時的な泥汚れだとすると、どこか別の場所で越冬用の巣穴を掘っているのかもしれません。
(それにしても、トンネル内で穴掘り中に背中だけ汚れる状況が想像できません…。) 
越冬用の巣穴を必死で探し求め、狭い穴に無理やり潜り込もうとして、背中が汚れたのでしょうか?
倒木の下の狭い隙間をくぐり抜けようとしたときに、背中が汚れたのかもしれません。
個体識別に使える生まれつきの特徴なのかどうか、もう少し長期間の観察を続けないと分かりません。
とりあえず、明るい自然光下で背中の色を見たくなります。 

巣穴Lには入らず、獣道をゆっくり通り過ぎました。 


シーン2:11/25・午後21:55頃・気温1℃ 
3時間後も同一個体の背黒アナグマがやって来ました。 
今回も巣穴に入らず、獣道を徘徊しているだけです。
どうやら二次林内をぐるぐる徘徊しているようです。


 ※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


溜池で獲物を捕る練習をしたり枯茎を甘噛みしたりするダイサギ若鳥の群れ(野鳥)

 

2023年10月上旬・午後14:30頃・くもり 

溜池で2羽のダイサギArdea alba)が浅い岸辺を歩き回り、あちこちで嘴を素早く水中に突き刺していました。 
そんな闇雲に突いても狩りに成功するはずがありませんから、おそらく経験の浅い若鳥が獲物を捕る練習をしているのでしょう。 

まるでマングローブ林の気根みたいに泥濘から何本も突き出ているのは、ヨシの枯れた茎ですかね? 
その枯れ茎をダイサギが試しに咥えて引き抜こうとしているのは、遊びのようにも見えます。 

捕食練習の合間に、嘴で羽繕いしました。
遠くの里山から猿害対策の空砲が鳴り響くと、ダイサギは頭を上げて警戒しました。

2024/09/25

晩秋の昼間にニホンアナグマが留守中の巣穴に再侵入するニホンイタチ【トレイルカメラ】

 



2023年11月下旬・午前7:05頃・くもり・気温10℃ 

平地の落葉した二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の越冬用営巣地(セット)を見張っていると、明るい朝からニホンイタチMustela itatsi)がアナグマの巣穴Lにするりと忍び込みました。 
イタチの素早い入巣Lシーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 
 6分後に同一個体のイタチが外に出てきたようですが、出巣Lの瞬間を撮り損ねました。 
セットで右往左往してから立ち去りました。 

アナグマの留守中に空き巣の中でイタチが6分間も何をしていたのでしょう? 
巣穴に同居している(越冬している)虫や野ネズミを次々に捕食していたのでしょうか? 
イタチも越冬用の安全な巣穴を物色・内検しているのかもしれません。 

ホンドテンよりも短足で、尻尾が短いのがニホンイタチの特徴です。 
(私もまだじっくり見ないと見分けられません。) 


イチョウの種子(銀杏)を拾い集める

野生動物の糞に含まれる未消化の内容物を丹念に調べて食性を調べるのを糞分析といいます。 
種子散布、特に動物によって被食散布(周食散布)される植物の戦略に興味を持ち始めると、糞分析を避けて通ることはできません。 
手法としては単純で、糞塊を水で洗い流しながらザルで濾せば、消化されなかった種子や虫のクチクラ断片や小動物の骨などが得られます。 
次に、得られた種子の種類をひとつずつ同定するのが大変です。 
そのために実体顕微鏡を買う必要があります。
種子の図鑑も出版されているのですが、参照用として種子の標本を自前で用意する必要があります。 
予め、生息地の環境に自生する植物の種子を片っ端から集めなくてはいけません。 

タヌキは複数個体で溜め糞場を共有するので、大量の糞を一気に調べることができて好都合です。 
溜め糞場に通うタヌキの行動をこれまでトレイルカメラで監視してきたのですが、やはり糞分析も自分でやってみたくなります。 
動画の撮影と整理で手一杯の私はなかなか余力がなくて、糞分析は後回しになっています。 
それでも片手間で、身近な植物の種子を少しずつ集めることにしました。 



まず手始めに、イチョウの種子(銀杏)を拾い集めることにしました。 
子供の頃はそこら中にイチョウの木があり、秋になれば落果(銀杏)が取り放題でした。 
ところが銀杏の果肉が悪臭(糞便臭)を放つために人々から嫌われ、街路樹のイチョウ雌株は次々に伐採され、気づけば実をつけない雄株ばかりになりました。 


2024年1月中旬 
あちこち探し歩いて、銀杏が落ちているイチョウの街路樹をようやく見つけたのは、年が明けてからでした。 
歩道に植栽されたイチョウは完全に落葉しています。 
今年は暖冬で雪が積もらず、誰かがうっかり踏み潰したイチョウ落果は、例の異臭を放っています。 
昨今では、銀杏を拾う物好きが誰もいないのですね。

銀杏の匂いについて、昔から気になっていることがあります。
もしも銀杏の悪臭が糞便に化学擬態しているのだとしたら、食糞性のハエ類や糞虫などが集まってくるのではないか?と予想できます。
イチョウの落果を舐めたり産卵したりするハエ♀がいるでしょうか?
ところが、銀杏に集まるハエを私は今まで見たことがありません。
鋭い嗅覚をもつハエにとって、銀杏の匂いと糞便臭はまったく別物なのでしょうか?
それとも、銀杏に含まれる毒を虫が忌避しているのでしょうか? (※ 追記参照)
気温が下がって虫が活動を止める前の暖かな秋の日にイチョウの落果を重点的に見て回りたいのですが、前述のように銀杏を見つけるだけでも一苦労です。(絶滅危惧?)

閑話休題。
銀杏の果肉(正しくは外種皮)に素手で触れるとかぶれるので、注意が必要です。
手袋の代わりとして、持参したビニール袋を手に被せてから落果を掴み、袋を裏返しながら採集しました。 
持ち帰ってから果肉を洗い落とし、よく乾燥させました。 
イチョウ種子の標本として保管します。


山渓ハンディ図鑑5『樹に咲く花:合弁花・単子葉・裸子植物』でイチョウの種子について調べると、 
銀杏と呼ばれる。10〜11月に熟すと外種皮は黄色くなり、悪臭がする。中種皮は白くてかたく、2〜3稜がある。(p553より引用)


野ネズミやリスにイチョウの堅果を給餌してみて、殻を割って中身を食べたり貯食したりするのかどうか調べるのも面白そうです。 
野ネズミがイチョウの種子捕食者だとしたら、銀杏に含まれる毒に対する耐性があるのでしょうか?


イチョウの果実(堅果)が枝に実った状態の写真も過去に撮っていたので、ついでに掲載しておきます。
2018年11月中旬
 





















※【追記】
Copilotに質問してみたところ、以下の回答を得ました。 

銀杏(イチョウの種子)が臭いのは、進化的にいくつかの理由があります。 
 1. **外敵からの防御**: 銀杏の強烈な臭いは、他の動物に食べられないようにするための自衛手段です。この臭いは「酪酸」と「エナント酸」という物質によって引き起こされ、腐ったバターや足の臭いに似ています¹²。 
 2. **種子の拡散**: 一方で、臭いに惹かれる動物も存在し、その動物たちが銀杏を食べることで種子を遠くに運び、拡散する役割を果たします¹。 
 3. **恐竜との関係**: 銀杏の臭いは、かつて恐竜が食べていた時代からの名残とも言われています。恐竜が銀杏を食べ、そのフンを通じて種子を広げていたと考えられています²。 

このように、銀杏の臭いは進化の過程で生き残るための重要な役割を果たしてきたのです。 

ソース: Copilot との会話、 2024/10/2 
(1) 銀杏が臭いのはなぜ?イチョウ並木のにおいの原因と理由とは?. https://neirof.com/5083.html. 
(2) 銀杏が臭い理由は?恐竜と人間のおかげで生き延びた?チコちゃん. https://tmbi-joho.com/2023/10/13/chiko229-gin/. 
(3) 素朴な疑問 銀杏はなぜ臭い?強烈な香りの成分は? - ハルメク365. https://bing.com/search?q=%e9%8a%80%e6%9d%8f%ef%bc%88%e3%82%a4%e3%83%81%e3%83%a7%e3%82%a6%e3%81%ae%e7%a8%ae%e5%ad%90%ef%bc%89%e3%81%8c%e8%87%ad%e3%81%84%e3%81%ae%e3%81%af%e9%80%b2%e5%8c%96%e7%9a%84%e3%81%ab%e3%81%a9%e3%82%93%e3%81%aa%e6%84%8f%e5%91%b3%e3%82%84%e7%9b%ae%e7%9a%84%e3%81%8c%e3%81%82%e3%82%8b%e3%81%ae%e3%81%8b%ef%bc%9f. 
(4) 素朴な疑問 銀杏はなぜ臭い?強烈な香りの成分は? - ハルメク365. https://halmek.co.jp/qa/1444. 
(5) 銀杏(ぎんなん)の栄養や効果効能、食べ過ぎの中毒、殻の処理 .... https://horti.jp/7756.

雪虫が飛ぶ晩秋:ケヤキフシアブラムシの有翅虫?

 

2023年11月上旬・午後14:35頃・晴れ 

公園内の街路樹が色とりどりに黄葉・紅葉しています。 
空中を無数の微小な虫が飛び回り、よく晴れた逆光に透かすと翅がキラキラと光って見えます。 
これは雪虫とか雪迎えと呼ばれる季節の風物詩です。 
雪虫の群飛をハイスピード動画でも撮ればよかったですね。 
個々に(ランダムに?)飛び回っているので、群飛とは呼べないかもしれません。 

たまたま私の左腕に着地してうろうろと歩き回る雪虫を接写してみると、有翅の黒っぽいアブラムシでした。 
生憎この日は本格的なマクロレンズを持ってこなかったので、微小な雪虫をしっかり接写できませんでした。 
透明な翅を広げても、私の腕毛が邪魔なのか、なかなか飛び立てません。 

雪虫で最も有名なのは、北海道のトドノネオオワタムシと呼ばれるアブラムシです。 (※ 追記参照)
しかしこのアブラムシの2次宿主となるトドマツを私は当地(東北地方の山形県)で見たことがありません。 
東北地方で見られる雪虫の正体は、おそらくケヤキフシアブラムシだと思われます。 
アブラムシ入門』という図鑑で調べると、 ケヤキヒトスジワタムシParacolopha morrisoni)にはケヤキフシアブラムシ、ケヤキヒトスジタマワタムシという別名もあるらしく、
晩秋の小春日和の日に腹部が綿状物で覆われた有翅虫がケヤキに戻る。 (p122より引用)
とのことでした。 
ケヤキの葉に形成される独特の虫こぶ(ケヤキハフクロフシ)の中で成長すると初夏に虫こぶから羽化脱出し、次はササ類の根に移住し、秋には再びケヤキに戻って卵で越冬する、という移住性の生活史(寄主転換)を送るのだそうです。 
ケヤキの木を探して飛び回っていたのだと分かりました。
結婚飛翔をする昆虫の群飛とは飛び方が違うのも納得です。
撮影現場は街路樹が多い公園で、ケヤキの木や笹薮も探せばありそうです。(※ 追記2参照) 



断片的な観察でもケヤキフシアブラムシの暮らしぶりの全体像が少しずつ繋がってきて、俄然面白くなってきました。 
私の腕に止まった個体は体が黒く、白い綿状の物質に覆われてはいませんでした。
飛んでいる間に白いワックスが落ちてしまったのかな?
それともケヤキフシアブラムシとはまた違う別種のアブラムシなのでしょうか?
(サンプル数が1匹だけの観察で結論を出すのは危険です。) 

私はこの日、買い物に行く急ぎの用事があって、近道として公園を横切っていました。 
気が急いていた私は、雪虫をじっくり観察する余裕がありませんでした。 
また来年に続きを観察するのが楽しみです。


※【追記】
北海道では「雪虫(トドノネオオワタムシ)が大量発生してから約1週間~10日で初雪が降る」という俗説(虫の知らせ)があるそうです。
天気予報でおなじみのウェザーニュース社が市民科学の手法で情報を広く募ると、興味深い結果が得られたそうです。
奇しくも、当地(山形県の平地)で初雪が降ったのも雪虫(ケヤキフシアブラムシ?)の大量発生を見てからちょうど22日後でした。
このデータを毎年記録して関連を調べるのも面白そうです。


※【追記2】
2024年9月下旬に遅まきながら公園を現場検証すると、動画奥の左に写っている大木がまさしくケヤキでした。
葉にはケヤキハフクロフシの虫こぶが形成されていました。
他にも多数のケヤキ街路樹が公園の敷地内に植栽されていました。
笹薮は伐採されてしまったのか、見つかりませんでした。
ケヤキフシアブラムシはどのぐらい遠くから宿主のケヤキを目掛けて飛来するのでしょうか?



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2024/09/24

初雪が降る明け方に帰巣したニホンアナグマ♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月下旬・午前5:35頃・気温-1℃(最低気温を更新)日の出時刻は午前6:26 

平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の越冬用営巣地(セット)を監視しています。 

みぞれが降る夜明け前に、奥の二次林から♀がセットに戻ってきました。 
脂肪を蓄えて太っていますが、左右の目が不均等な(右目<左目)顔馴染みの♀個体でした。 
春にこの営巣地で出産・交尾・育児した母親♀です。 
こんな悪天候の夜でも採食に出かけていたのでしょう。 
林縁で身震いしてから回り込んで、巣穴Rに潜り込みました。 

平地ではこれが初雪でした。
雨は夜更けすぎに〜雪へと変わるだろう〜♪
アナグマは冬眠しないらしいので、雪国で冬の行動を観察するのがこれから楽しみです。 


山中の水場で泳ぐ晩秋のカエル【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年11月下旬・午前1:05頃 

里山の湧き水が溜まった水場を自動撮影カメラで見張っていると、晩秋の木枯らしが吹く度に周囲の雑木林から落ち葉がどんどん降ってきます。 
旧機種のトレイルカメラは風揺れや落ち葉による誤作動が多くて困るのですが、撮れた映像を丹念に見直すと、たまに意外な副産物が写っていることがあります。 
変温動物の両生類がいくら活動してもトレイルカメラの熱源動体検知センサーは本来反応しないはずなのに、誤作動で撮れた映像に小さなカエル(種名不詳)が写っていました。 

大量の落ち葉が降り積もった晩秋の泉で、深夜にカエルが突然左にスーッと泳ぎました。
水面に浮上するとカエルの目が赤外線に反射して白く光ります。 
後半は5倍速に早回し加工すると、カエルが瞬きする様子がよく分かります。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 

実は翌日の夜からみぞれが降り始め、吹雪となりました。 
山中のカエルが未だ冬眠しないということは、晩秋でも獲物となる虫がまだ捕れるのでしょうか? 
この時期に現場入りすると水場に生き物の気配を感じられないので、捕食シーンを実際に観察しないことには信じられません。 




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2024/09/23

イチョウの種子(銀杏)散布者としてのホンドタヌキ

 

2023年11月上旬・午後12:40頃・晴れ 

平地のスギ防風林でホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が残した溜め糞場wbcをトレイルカメラなどで定点観察しています。 
秋も深まり気温が下がったせいか、食糞性の昆虫が集まって来なくなりました。 

タヌキの溜め糞場には様々な種子が未消化のまま含まれていて、雑食性のタヌキが何を食べたのか旬のメニューを推理することができます。 
たとえば、柿の種は形が分かりやすく、素人にも一目瞭然です。 
(ちなみに、糞塊に混じっていたカキノキの種子も1個だけ動画に写っています。)
今回は銀杏(イチョウの種子)が糞塊に多数含まれていました。 
現場はスギ林ですから、溜め糞場の横にイチョウの木はありません。
スギ林の外から銀杏が大量に持ち込まれたことになります。

タヌキの糞塊を棒の先でほぐして、銀杏をほじくり出してみました。 
 硬い殻で守られたイチョウの種子(銀杏)は噛み砕かれておらず、臭い果肉(正確には外表皮)と一緒に丸呑みされたようです。 
イチョウの種子は未消化のまま、糞と一緒に丸ごと排出されていました。 
養分が豊富な溜め糞の中からイチョウの種子が発芽したら、種子散布に成功した(分布を広げた)ことになります。 
ただし、この地点は鬱蒼としたスギ林の暗い林床なので日照が乏しく、イチョウの芽生えは育たないでしょう。 
もしも強風の嵐が吹き荒れてスギの木が風倒すれば、林冠ギャップができて日光が射すようになり、イチョウが育つチャンスも生まれるかもしれません。 







撮影後、周囲にイチョウの木が生えているかどうか、探索してみました。 
次の課題として、イチョウの木の下にトレイルカメラを設置して、銀杏を食べに来るタヌキの証拠映像を撮ってみたくなります。
神社の境内に植栽されたイチョウの大木を見に行ったのですが、地面に落ちているのはイチョウの黄色い落ち葉だけで、銀杏は全く見つかりませんでした。 
近年は悪臭を放つ銀杏が嫌われ、街路樹のイチョウ雌株は次々に伐採されて雄株ばかりになっています。
他には某施設の敷地内で黄葉したイチョウの木を見つけたのですが、部外者は立ち入ることができません。 
おそらくタヌキは夜な夜なそこに忍び込んで、イチョウの落果を食べているのでしょう。 
次に掲載するのは資料用の写真で、11月上旬に全く別の地点で撮影したイチョウの落果(銀杏)です。




関連記事(2ヶ月後)▶ イチョウの種子(銀杏)を拾い集める


イチョウは「生きた化石」と呼ばれ、太古の昔には草食性の恐竜によって被食型種子散布されていたと考えられています。 
恐竜の糞の化石から、銀杏が発見されたからです。 

それにしても不思議なのは、イチョウの外種皮には悪臭(不快な糞便臭)があり、種子にはさまざまな有毒物質が含まれていることです。 
大切な種子が成熟するまで草食動物に果実を食べられないようにイチョウは防御しているのでしょう。
どうしてタヌキなどの野生動物が銀杏を好き好んで食べるようになったのか、不思議でなりません。 
鋭い嗅覚をもつタヌキにとって、銀杏は食欲をそそる匂いなのでしょうか?
wikipediaでイチョウの記事から銀杏の毒に関する記述を引用します。
イチョウの種子が熟すと肉質化した種皮の外表皮が異臭を放ち[128]、素手で直接触れるとかぶれやすい[119]。異臭の主成分は下記の皮膚炎の原因となるギンコール酸である[128]。異臭によりニホンザル、ネズミなどの動物は食べようとしないが、アライグマは食べると言われている[129]。

 

種皮の外表皮には乳白色の乳液があり、それにはアレルギー性皮膚炎を誘発するギンコールやビロボールといったギンコール酸(ギンゴール酸)と呼ばれるアルキルフェノール類の脱炭酸化合物を含んでいる[44][111]。これはウルシのウルシオールと類似し、かぶれなどの皮膚炎を引き起こす[128]。

 

食用とする種子にはビタミンB6の類縁体4'-O-メチルピリドキシン (4'-O-methylpyridoxine, MPN) が含まれている[128][131][132] が、これはビタミンB6に拮抗して(抗ビタミンB6作用)ビタミンB6欠乏となりGABAの生合成を阻害し、まれに痙攣などを引き起こす[128]。銀杏の大量摂取により中毒を発症するのは小児に多く、成人では少ない[115]。大人の場合かなりの数を摂取しなければ問題はない

私はてっきり、タヌキが銀杏の外側の臭い果肉(正確にはイチョウの外表皮)を食べるために種子ごと丸呑みしているのかと思っていました。 (周食型種子散布)
種子散布者のタヌキは種子を噛み砕かずに丸呑みするので、種子に含まれる中毒物質には影響されないのでしょう。
もしもタヌキがイチョウの外表皮を忌避して(取り除いて)種子だけ食べるのだとしたら、硬い殻を噛み砕かないと栄養豊富な仁を消化できませんし、一体なんのために銀杏を丸呑みしているのか、意味が分かりません。
タヌキに銀杏を給餌して食べ方を実際に観察してみないといけません。 

私は飲んだことがありませんが、コピ・ルアクと呼ばれる高級なコーヒーがあります。
ジャコウネコがコーヒーの果実を食べると、種子は消化されないまま糞と一緒に排泄されます。(ジャコウネコによるコーヒーの種子散布)
それをヒトがわざわざ拾い集めて洗浄してから、コーヒー豆として焙煎すると、すばらしい香りがするのだそうです。
(コピ・ルアクを最初に試飲した勇者を尊敬します。)
タヌキの溜め糞から回収した銀杏も、もしかしたら意外な風味が加わり、希少価値のある食材として高級料亭に売りつければ商売になるかもしれませんね。(ビッグ・ビジネスの予感!)
ぜひ誰か勇者が味見してみてください。
タヌキの糞が臭くて駄目だとしても、別の野生動物ならどうでしょう?

つづく→ 


※【追記】
2023年12月上旬
少し離れた別の溜め糞場ph:スギ倒木横で撮った写真に、未消化のまま排泄されたイチョウの種子(銀杏)および黄色い外表皮が写っていました。


ソバの実も溜め糞に含まれていました。




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シロツメクサの花蜜を吸うキアゲハ夏型♂

 

2023年9月下旬・午前11:55頃・くもり 

田園地帯の農道に咲いたシロツメクサの群落でキアゲハ♂(Papilio machaon hippocrates)が訪花していました。 
この組み合わせは初見のため、興奮して動画を撮り始めました。 
キアゲハ♂は羽ばたきながら口吻を伸ばして吸蜜しています。 
花蜜の量が少ないのか、キアゲハはシロツメクサの花から花へ忙しなく飛び回るのでズームインが間に合わず、すぐに飛び去ってしまいました。 

短い吸蜜シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。


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2024/09/22

越冬用の巣穴近くに設置したトレイルカメラを警戒して倒すニホンアナグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月下旬・午後22:35頃・ 

休耕地(枯野)でニホンアナグマMeles anakuma)の越冬用営巣地をローアングルの至近距離からトレイルカメラで見張ってみました。 
すると早速、夜霧の立ち込める晩にアナグマが登場しました。 

おそらく出巣直後と思われるアナグマが、地面の匂いを嗅ぎながらカメラに近寄って来ました。 
野生のニホンアナグマをこれほど超至近距離から撮影できたのは初めてです。 
左右の目の大きさは同じ個体でした。 
つまり、顔馴染みの母親♀(右目<左目)ではありません。 
遂にトレイルカメラの存在に気づくと、鼻を近づけて匂いを嗅ぎまくります。 
アナグマの顔がレンズに近づき過ぎて、何が写っているのか分からくなりました。
やがてアナグマがカメラをひっくり返したようで、地面の枯草しか写らなくなりました。 
コンクリートブロックの重りにカメラをベルトでしっかり固定してなかったら、アナグマに持ち去られたかもしれません。 
その後もアナグマは、邪魔なコンクリートブロックをぐいぐい押しているようです。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ アナグマが立てる物音や鼻息が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】
せっかくトレイルカメラの設置場所を新しく試してみたのですが、1回の試行で駄目だと分かりました。 
まず第一に、毎晩気温が下がると霧が発生し、朝になっても夜露で下草(枯草)がびっしょり濡れる環境でした。 
地面にローアングルで設置したトレイルカメラのレンズが結露して、なかなか乾かないために、鮮明な映像がほとんど撮れずにフラストレーションがたまります。 
レンズの結露を自動的に拭いてくれるワイパーが欲しくなります。 

もう一つの問題は、設置場所がアナグマの巣穴に近すぎて露骨に警戒されたことです。 
興味津々でカメラの匂いを嗅ぐアナグマの迫力ある映像が至近距離で撮れたところまでは良かったのですが、トレイルカメラを乱暴にひっくり返されてしまいました。 
重りとしてコンクリートブロックにくくりつけておいたので、幸いカメラをどこかに持ち去られずに済みました。 
カメラを壊されることもありませんでした。

アナグマにストレスを与えてしまっては元も子もないので、早々に監視カメラおよびコンクリートブロックを撤収し、元の設置場所(営巣地を遠くから見下ろす樹上)に戻しました。 
巣穴の横に見つけた溜め糞場に通ってくるのがアナグマなのかタヌキなのか、トレイルカメラで確かめたかったのですが、それは不可能になりました。 
やや遠くから営巣地全体を旧機種のトレイルカメラで監視するとなると、赤外線が弱くて溜め糞場まで届かないのです。 
センサーで点灯する赤外線投光器を別に買い足せば解決するかもしれません。

トレイルカメラは設置してしまえばあとは「果報は寝て待て」(あとは野となれ山となれ)というお気楽な撮影法ですけど、それでも野生動物との知恵比べや試行錯誤が必要になります。 



萎れかけたウメの葉を食べ漁るヒヨドリの謎(野鳥)

 

2023年11月中旬・午後14:45頃・雨・室温18℃ 

夕方まで雨が断続的に降り続く日の午後、裏庭のウメ(白梅)樹上に止まったヒヨドリHypsipetes amaurotis)が採食を始めました。 
てっきり虫を捕食しているのかと思いきや、梅の葉そのものをちぎり取って食べたので、驚愕しました。 

晩秋になっても、ウメの枝に残った葉は未だ緑色です。 
今年(2023年)の夏は記録的な酷暑・雨不足のため、梅の葉はよれよれにカールしたまま、一部は黄変(黄葉?)しています。 
夏の間に完全に枯れて落葉してしまうのではないかと心配したのですが、なんとか秋まで持ちこたえました。 
このような葉の症状を「水枯れ」というのだそうです。
秋雨が降るようになっても、水枯れした葉の症状は改善しませんでした。 

ヒヨドリは萎れかけたウメの葉を啄んで、ちびちびと食い千切っています。 
特定の葉には拘らず、目の前にある梅の葉をあちこち啄んでいます。 
横枝を横歩きで移動して、次の葉をつつき始めました。 

ヒヨドリの食性は本来、甘党の果実食です。(虫も食べます。) 
ヒヨドリが木の葉を食べる行動なんて、初めて見ました。 
鳥害の防ぎ方』という本を読むと、餌が不⾜する冬期を中⼼にヒヨドリが畑でアブラナ科の葉菜類を食害することがあるそうです。 (雪国でも観察できるのかな?) 
今回は、嵐の日の非常食なのでしょうか? 
隣のカキノキにオレンジ色の果実がなっているのに、未熟で渋いのか、このヒヨドリは好物の柿の実に見向きもしませんでした。 

食後にヒヨドリは尾羽根を持ち上げて脱糞しました(@5:19〜)。 
便秘気味のときは食物繊維の多い木の葉を意識的に食べるのですかね? 
そもそもヒヨドリはセルロースを消化できないとされています。
鳥は排便(軽量化)直後に飛び去るのが普通ですが、このヒヨドリは同じ横枝に留まり、周囲をキョロキョロ見回しています。 

今思うと、カールしたウメの葉には微小なアブラムシの群れが潜んでいて、ヒヨドリは獲物を葉と一緒に捕食したのかもしれません。
現場検証すべきだったのですが、撮影当時はこの仮説を思いつきませんでした。
アブラムシ入門』という図鑑で調べてみると、ウメコブアブラムシがウメの葉に寄生すると、葉身に特徴的な縮葉(ウメハチヂミフシという虫こぶ)を作るらしいです。
p125に掲載された縮葉の写真を見ると、私が見た白梅の葉のカールした症状よりも酷いので、アブラムシ捕食説は否定できそうです。

ネット検索してみると、「ヒヨドリの餌(えさ) - 梅(うめ)の葉芽(ようが)を食べる」と題した興味深いブログがヒットしました。
 スギやクスノキなどの高木が立ち並ぶ一隅に梅(うめ)の木がありました。 花はわずかに残っていたものの、ほぼ散り、葉が出はじめています。 そこへヒヨドリ数羽が飛来して採餌していました。 食べていたのは花ではなく、葉へと展開しはじめた葉芽(ようが)です。 葉芽をくわえ取ってはそのままのみ込んでいました。
ヒヨドリがウメの葉を食べるのは、それほど珍しいことではないのかもしれません。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
カメラのオートフォーカス(AF)が被写体を見失いがちで、ピントがひどく不安定な映像になってしまいました。 (奥ピンになりがち)
言い訳すると、雪国に特有の二重窓を通して室内から隠し撮りしたせいです。
窓ガラスの表面が汚れている上に、茂みの隙間から斜め下に見下ろす撮影アングルだったので、カメラのオートフォーカスにはかなり不利な条件でした。 
もちろん、窓を開ければヒヨドリを鮮明に撮影できたでしょう。
しかし、窓を開ける物音で警戒したヒヨドリが止まり木から飛び去ってしまうだろうと予想できたので、我慢してスクープ動画の撮影を続けました。 


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