2023年11月中旬〜下旬
平地の二次林でニホンアナグマ(Meles anakuma)の越冬用営巣地(セット)を2台のトレイルカメラで見張っています。
シーン1:11/15(@0:00〜)
冒頭シーンは明るい時間帯に撮れた現場の様子です。
日が暮れるとアナグマがうろつきます。
シーン2:11/21(@0:29〜)
晩に現れたアナグマが2つの巣口L、Rの匂いを嗅ぎ回っています。
実は同じ日(2時間前)にタヌキが来ていたので、その残り香を気にしているようです。
巣口Rで尻を地面に擦り付けたのは、スクワットマーキングでしょうか。(臭腺・肛門腺による匂い付け@1:44、@2:10〜)
その後に巣穴Rにゆっくり潜り込みました。(@2:20〜)
約8分後に、おそらく同一個体が巣穴Rから外に出てきたようですが、出巣Rの瞬間を撮り損ねたようです。
同一個体だとしたら、巣穴Rに長居はせずに内検しただけのようです。
アナグマの体脂肪および毛皮の断熱効果が優れていると、トレイルカメラのセンサーが体温を検知しにくいのかもしれません。
ゆっくりとした足取りで右に立ち去りました。
2時間25分後、奥の二次林からまっすぐセットに戻ってきました。
巣口Rの匂いを嗅いでから左へ少し移動し、巣口LRの中間地点で腹ばいに座り込みました。
そのまましばらく左の方を凝視しています。
シーン3:11/22(@3:22〜)
翌日も日没後の晩に登場しました。
左から来たアナグマが、巣口Lの匂いを嗅ぎ回ってから、獣道を右上奥へ。
4時間25分後にアナグマがセットに戻ってきました。
巣口Lの手前でスクワットマーキングしました。
身震いしてから、巣口Lを点検しただけで右へ立ち去りました。
※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。
【考察】
いつまで経ってもアナグマの個体識別ができない(見分けられない)のが悩みの種です。
今回単独で登場した個体は左右の目の大きさが均等なので、ここで出産・育児した母親♀(右目<左目)でないことは確かです。
複数個体が単独で代わる代わるやって来ている可能性もありますが、とりあえず、登場したのは1頭だけだと思って話を進めます。
この丸々と太った個体がここで越冬するのでしょうか?
夏から秋にかけて、アナグマ幼獣があれほど元気に走り回ったり格闘したりしていたのに、この時期のアナグマは動きがめっきり鈍くなりました。
幼獣が大きく育って遊びの行動が影を潜めたのでしょうか?
それとも別な成獣♂(例えばヘルパー♂)なのかな?
気温の低下した(4℃以下)晩秋の林床ではミミズなどの餌もあまり取れないはずですし、無駄なカロリーを消費したくないのでしょう。
アナグマは「冬ごもり」するだけで冬眠はしないので、寒いから眠くなり、動きが鈍くなったという訳ではありません。
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