2025/03/25

春の刈田で落穂拾いするドバト♀♂(野鳥)

 

2024年4月中旬・午後15:20頃・晴れ 

早春の田んぼで♀♂ペアと思われる2羽のカワラバト(=ドバト;Columba livia)が採食していました。 
田んぼに水を入れる前の刈田を歩き回りながら、あちこち啄んで落穂拾いをしているようです。 
ペアが互いに少し離れていたので、同じ画角で撮れませんでした。 
1羽に注目して動画を撮影していたらパートナーが先に飛び立ち、その羽音に反応してこちらの個体も飛び去りました。 

1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:21〜) 
飛び立つ直前にピョンと跳んで90°向きを変えてから、力強く羽ばたいて飛び去りました。 


関連記事(8、9年前の秋に撮影)▶  

早春の溜め糞場で小便するニホンカモシカ♂【トレイルカメラ】

 



2024年4月上旬〜中旬

シーン0:4/3・午後15:23・くもり(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の状況です。 
雑木林に覆われた里山の斜面でニホンカモシカCapricornis crispus)の溜め糞場sr2を自動撮影カメラで見張っています。 
画面の中央付近に古い糞塊が残されています。 
基本的に画面の奥から手前に向かって斜面が登っていますが、溜め糞場sr2付近は、ほぼ平坦になっています。 
画面の右端および奥の林床に残雪がわずかに見えます。 


シーン1:4/6・午前5:33・(@0:03〜)日の出時刻は午前5:14。 
早朝に右奥の獣道から単独で来たカモシカの成獣が、アカマツ(右)とスギ(左)の間で溜め糞場sr2の匂いを嗅いでから立ち止まると、腰を少し落として膀胱に溜まった小便を長々と排泄しました。 
音量を上げても、小便の音は聞き取れませんでした。 
排尿姿勢を真横からしっかり撮れたおかげで、性別が♂と判明しました。 
カモシカの♀は、もっと深くしゃがんで排尿するらしい。 
【参考】平田貞雄『ニホンカモシカ・ミミの一生』p80写真 


用を足したカモシカ♂は、左奥に行くと立ち止まって高いスギ枝葉の匂いを嗅ぎました。 
顔を擦りつけて眼下腺マーキングするかどうか見届けたかったのですが、録画が1分間で打ち切られました。 
後ろ姿の股間に睾丸は見えませんでした。 
実はスギ立木の左下にも、カモシカの糞塊が複数あります。 

ニホンカモシカ♂の排尿シーンを1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@1:03〜) 
お尻付近をよく見ても、排尿しながらついでに糞粒を肛門からポロポロと排泄することはなかったようです。 
後日に現場検証しても、その地点に新鮮な糞粒は残されていませんでした。 

関連記事(1年前に別の地点で撮影)▶ 溜め糞場で排尿するニホンカモシカ♂【トレイルカメラ】 


シーン2:4/11・午後16:46・(@1:51〜)日の入り時刻は午後18:14。 
5日後の夕方に、カモシカが奥から手前へと獣道を登って来ました。 
今回は溜め糞場sr2を素通りしています。 
落枝をまたぎ、手前の斜面を登って監視カメラの死角に消えました。 

前後半で同一個体のカモシカ♂かどうか、個体識別できていません。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

2025/03/24

早春の池で獲物を吸汁(共食い?)するマツモムシ

 

2023年3月下旬・午後13:45頃・晴れ 

山麓で沢の水(雪解け水)が溜まった池の岸辺でヤマアカガエルRana ornativentris)の卵塊を観察していると、マツモムシNotonecta triguttata)が背泳ぎしながら現れました。 
背泳しながら何か獲物を前脚と中脚で抱えて捕食(吸汁)しています。 
背泳ぎしながら腹端を水面の上に少しだけ出しているのは呼吸のためでしょうか。

獲物の正体が気になるのですが、映像をいくら見直してもよく分かりません。 
ヤマアカガエルの胚を捕食してるとしたら面白いのですが、そうではなさそうです。 
なんとなく、脱皮や羽化に失敗した仲間を共食いしているような気がします。 
しかも獲物の体が一部食いちぎられているようです。 
(マツモムシの口器は吸汁専門で、噛むことはできません。)
アングルが変わると、どうやら獲物は表面に空気の層をまとっているようで、白っぽく見えました。 

そこへ、別個体のマツモムシが近寄ってきました。 
捕食中だった個体は、獲物を横取りされないように全速力で逃げて行きました(水中に潜った)。 
逃げ遅れたら、逆に共食いされてしまう危険があるのでしょう。

獲物の正体をしっかり同定するために、マツモムシごと一時捕獲しようか私が迷っていたら、見失ってしまいました。 
早春の時期でも池の定点観察には手網タモを持参するべきですね。


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ハシブトガラスが何度も来て覗き込む巣穴の奥には死骸が埋まっている?【野鳥:トレイルカメラ】

 

2024年4月上旬 

シーン1:4/3・午前9:10・くもり・気温10℃(@0:00〜) 
平地の二次林で死んだニホンアナグマの営巣地(セット)を監視し続けると、ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が登場しました。 
アクセストレンチから巣口Rの奥を覗き込み、細根(落枝?)を嘴で咥えて巣口から引っ張り出そうとしています。 
咥えた小枝を持ち去らなかったので、これは巣材集めの行動ではなさそうです。 
以前、この巣穴を乗っ取って住み着こうとしたタヌキが戸締まりのためにバリケードとして置いた落枝をカラスが撤去しているようです。 

下半身の麻痺が進行した「いざりタヌキ」が巣穴の奥で餓死しているのではないかと私は疑っているのですが、カラスも死臭を嗅ぎ取って(※追記参照)侵入を試みようとしているのかもしれません。 
やがて別個体のハシブトガラスが飛来し、セットの広場に舞い降りると、巣口Rに近づきました。(@0:29〜) 
更に別個体がセットを見下ろすマルバゴマキの樹冠に飛来して止まったようです。 

※【追記】
カラスは嗅覚が鈍く、専ら視覚で餌を探すのだそうです。


シーン2:4/3・午前9:12・くもり・気温11℃(@1:00〜) 
別アングルで設置した監視カメラでも撮れていました。 
左から歩いて来たハシブトガラスが巣口Lの奥を覗き込んでから、左上に飛び去りました。 
好奇心旺盛なカラスも、さすがに巣穴の中に潜り込む度胸はないようです。 


シーン3:4/3・午前9:12・くもり・気温12℃(@1:47〜) 
2羽のハシブトガラスが巣口Rから落葉灌木の樹上に飛び上がりました。 
止まり木で右を向いてカー♪と一声鳴きました。 
耳を澄ますと、少し離れた別個体と鳴き交わしているようです。 
樹上のカラスが、目の前にブラブラしていた細い枯れ枝を嘴でポキンと折って捨てました。 
巣材集めでも威嚇行動でもなさそうです。 
死骸があることは分かっているのにそれを食べることが出来ないフラストレーション(欲求不満)からきた転移行動なのかもしれません。
木から木へ次々と飛び移り、右へ飛び去りました。 


シーン4:4/3・午前10:25・くもり・気温12℃(@2:47〜) 
またもやハシブトガラスが巣口Rの奥をしつこく覗き込んでいます。 
カーカー♪と澄んだ声で繰り返し鳴き、左に少し歩いてから、今度は早いリズムでカーカー♪鳴きました。 


シーン5:4/7・午前7:14・晴れ・気温12℃(@3:47〜) 
3日後の朝にもハシブトガラスがセットに降り立ち、巣口Lの奥を覗き込んでいました。 
そのカラスが急に慌てて飛び去ったので、巣穴の主が飛び出してくるかと期待したのですが、その予想は外れました。
仲間の警戒声♪に反応したのかな? 
その後もカラス同士で鳴き交わす声だけ聞こえます。 


【考察】 
カラスは死骸(腐肉)を食べるスカベンジャーです。 
そのカラスが巣穴の奥を繰り返し覗き込んでいることから、中に死骸が埋まっていることが強く示唆されます。
 
死骸の素性について、2つの可能性が考えられます。 
(1)この営巣地で越冬中に死んだニホンアナグマ。 
巣外(営巣地の端)で見つかったアナグマの死骸は、カラスやタヌキによって食べられている最中に引きずって運ばれ、行方不明になりました。 
タヌキが食べ残しの死骸を巣穴の中に隠した可能性が考えられます。(貯食) 
しかし、死骸を巣内に搬入するシーンがトレイルカメラによって撮れていない点がネックです。
(2)下半身の麻痺が進行した「いざりタヌキ」が巣内で餓死した。 
巣口Lで長時間日光浴した後で行方不明になりました。

つまり、この巣穴はアナグマとタヌキが続けざまに死んだ、いわくつきの事故物件ということになります。
巣穴を発掘調査して死体の有無を確かめたいのですが、繁殖期が始まる春に巣穴を破壊したくありません。 
ちなみに、私の鼻では巣口で死臭を感じたことはありません。

穴居性の野生動物が巣穴の奥で死んだ場合、その死骸を誰が処理するのでしょう?
スカベンジャーのカラスが狭いトンネルの中に潜り込んでまで死骸を食べることはないようです。 
暗くて狭いトンネルの中でカラスは目が見えず、不安なのでしょう。 
普通ならハエ類が死臭をいち早く嗅ぎつけて集まり、産卵するはずですが、巣穴の奥には侵入できないようです。 
ハエは暗闇で飛べませんし、巣口から長い距離を歩いて巣穴の奥にある死骸へ向かう行動は知られていません。 
巣穴の奥に横たわる死骸は、おそらくアリなどの土壌生物によって少しずつ食べられて分解されると推測しています。 

複数個体の野生動物が同居している巣穴の場合はどうでしょうか?
誰か1匹が巣内で死んだら、仲間(家族)がその死骸を食べてしまうのでしょうか? 
それとも巣内の衛生環境を保つために、死骸はその場に埋葬されたり、巣外に運び出されて捨てられたりするのかもしれません。 
(社会性免疫行動として、アリなどで有名です。)
巣内の様子を隅々まで長期観察するのは困難なので、こうした問題はほとんど調べられていないようです。

2025/03/23

早春の雨夜にニホンアナグマ♂が死んだアナグマの営巣地で♀を探索【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年4月上旬・午前1:05頃・気温13℃ 

越冬中に死んだニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)がある二次林に今季初の夜這い♂がやって来ました。 
アナグマは普段、成獣の♀と♂は別々に暮らしています。
アナグマの交尾期は春で、近隣の♂たちが♀の巣穴へ夜這いに来て交尾を試みるのです。
♀が発情するずっと前の早春から♂は近隣を精力的に歩き回り、♀の住む巣穴を探り当てると、巡回するようになります。 



雨夜に獣道を右から来たらしいアナグマ♂は、通りすがりに立ち止まって巣口Lを見下ろしています。 
アクセストレンチを辿って慎重に匂いを嗅ぎながら巣口Lに近づきました。 
しかし、生きたアナグマ♀の巣穴ではないと判断したようで、獣道を左に走り去りました。 
むしろ、最近ここに住み着いたタヌキの匂いを嗅ぎ取ったのかもしれません。 
(交通事故に遭って?)下半身の麻痺した「いざりタヌキ」が巣穴Lの奥で餓死したのではないか?と私は疑っていて、アナグマ♂はその死臭を嗅ぎ取ったのかもしれません。 

上半身の筋肉が隆々としていることと、顔つき(鼻面が寸詰まり)から、このアナグマ個体は♂と分かります。 
この巣穴で越冬していたアナグマ個体とは明らかに違います。 
たとえ別個体でも、このトレイルカメラに生きたアナグマが写るとホッとします。
私の喪失感(アナグマ・ロス)も少し解消されました。 
監視を打ち切ろうかと迷っていたのですが、次のアナグマが住み着いてくれるまで、トレイルカメラによる定点観察を続けることにします。
アナグマの新しい営巣地(セット)を他所で見つけたら、そちらの観察に切り替えるかもしれません。

つづく→

トリアシショウマの花で吸蜜する夏型のサカハチチョウ

 

2023年7月中旬・午後12:10頃・くもり 

昼下がりでも薄暗い鬱蒼とした山林を抜ける山道に沿っトリアシショウマの群落があり、夏型のサカハチチョウAraschnia burejana)が訪花していました。 
私が近づいたら警戒して逃げたのですが、ほとぼりが冷めるとトリアシショウマの群落に舞い戻ってくれました。 
半開きの翅をゆるやかに開閉しながら吸蜜しています。 

花穂から飛び立つ瞬間をハイスピード動画に撮りたくて、しつこく長撮りしてみたのですけど、なかなか飛んでれず諦めました。 




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