2024年4月下旬・午後21:55頃・気温13℃
死んだアナグマの旧営巣地(セット)を自動撮影カメラで見張っていると、交通事故に遭ったと思われる「いざりタヌキ」の下半身麻痺が進行して歩行困難となった姿が写っていました。
餌が取れなくなれば、餓死する(あるいは捕食される)しかありません。
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私は原則として、野生動物の生老病死にヒトは一切介入すべきではないという立場なのですが、悩んだ末にキャットフードを持参して給餌してみることにしました。
浅い木箱に少量の乾燥キャットフードを入れて、巣口Lの近くの地面に置いてやりました。
給餌後に真っ先に現れたのは、タヌキではなくイエネコ(Felis silvestris catus)でした。
モノクロの暗視映像では白っぽく見えますが、おそらく茶トラの個体ではないかと思います。
少なくとも、最近よく出没するキジトラ白足袋とはあきらかに別個体です。
キャットフードが入った給餌箱の匂いを嗅ぎつけたのか、林床でいかにも場違いな給餌箱を目ざとく見つけたのか、イエネコは慎重に歩み寄って横に座ると、さっそく食べ始めました。
より近くに設置した監視カメラがなぜか起動しなかったのが残念です。
「せっかく瀕死のいざりタヌキのために給餌したのに、猫が全部食べてしまうと困るなー」と思ったのですが、幸い少量しかキャットフードを食べずに立ち去りました。
いかにも怪しい(不自然な)餌の出現に警戒しているのか、それとも普段からキャットフードを食べ飽きているのかな?
タヌキの群れがセットに近づいてきた(映像公開予定)ので、イエネコは慌てて逃げたのかもしれません。
【考察】
今回はあくまでも緊急措置であり、この営巣地で人工給餌したのは、この一度きりです。
個人的に、餌付けされた野生動物の食事シーンを動画撮影したところで、「撮る方も撮られる方も堕落してるなー」と冷めた目で見てしまい、野生の美しさや魅力を感じません。
野生動物の捕食シーンや採食シーンを自然環境で撮影するのがきわめて困難な場合は、次善の策として止むなく人工給餌することはあるかもしれません。
くれぐれも野生動物が人工給餌に依存しすぎないように注意を払うべきです。
死にかけていた「いざりタヌキ」を救うために(自己満足で)給餌したにしても時既に遅しで、再びその姿が監視カメラに写ることはありませんでした。
ライブカメラでリアルタイムに監視している訳ではないので、どうしても対応が後手に回ってしまいます。
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