2020/11/14

喉を震わせて体温を冷やす炎天下のカワウ(野鳥)

 

2020年8月上旬・午後14:50頃・快晴 

川岸の倒木に計5羽のカワウPhalacrocorax carbo hanedae)の群れが止まって休んでいました。 
各々が羽繕いしたり、代わる代わる液状便を排泄したり、止まり木でのんびり過ごしています。 

よく晴れているのに、翼を広げて羽根を乾かす日光浴の行動をしていませんでした。 
翼を閉じてたままで弛んだ白い喉をブルブルと震わせている個体が気になりました。  
カワウの群れに私が少し近づいて対岸から撮ってみても、やはり複数の個体が白い喉を膨らませ、ブルブルと震わせ続けています。 
嘴は半開きの状態です。 
私を警戒している行動なのでしょうか? 
川の流れる音や草刈り機の騒音のせいで、カワウが喉を震わせながら鳴き声を発しているかどうか聞き取れませんでした。 
黒い羽毛を身にまとっているカワウは、日向にじっとして居ると体感温度がもっと暑いはずです。 
なんとなく、炎天下で体温を冷やすため(体温調節)の行動ではないか?と予想しました。 
イヌが口を開けて舌を垂らしてハァハァ呼吸するように、カワウも喉をブルブルさせて唾液の気化熱で体温を下げようとしているのでしょう。 
しかし、そんなに日向が暑いのなら日陰に移動すれば良いのに…と思ってしまいます。 
群れの全員が喉を震わせている訳ではなく、一部の個体がやっていました。 
川から止まり木に早く上がった個体から順に、炎天下で暑くなってしまうのでしょう。 
この喉震わせ行動をサーモグラフィカメラで動画に撮ってみたいのですが、高嶺の花です…。 
肝心の気温を測り忘れてしまいました。 
川面からの照り返しがカワウの黒い羽毛に映り、なかなかフォトジェニックですね。  

ネット検索で調べてみると、私の予想は当たっていました。
口を開ける 
干潟のような日影のない環境で、ま夏の暑い日中に鳥を観察していると、口を開けたままでじっとしている姿がよく見られます。いかにも暑さにあえいでいるような、このしぐさは、口を開けることで口の中からの水分の蒸発を増し、体温を下げるための行動なのです。鳥は汗をかかないので、この行動が大切な体温調節のしくみになっています。カワウなどが口を開けたまま、喉をぶるぶる震わせているのも、同じ意味を持った行動と考えられています。平塚市博物館HPより引用)

▼関連記事(2年前の撮影)


昨年はカワウを真夏に観察してなかったので、この行動を見逃していたようです。

カラスはカワウと同じく黒装束ですし、餌を運ぶための喉袋も発達しているのに、喉を震わせて暑気払いする行動がカラスで見られないのは不思議です。 
鳥類でも特定の系統でしかこの行動は進化しなかったのかな?




オオイタドリの花蜜を吸うコガシラアブの一種♂?【名前を教えて】

 

2020年8月上旬・午後15:05頃・晴れ 

堤防路に沿って咲いたオオイタドリの群落で小さな見慣れないアブが訪花していました。 
たまたまマクロレンズを装着していたので、そのまま接写します。 
黒い口吻を伸ばして吸蜜しています。 
オオイタドリの花穂から飛び立つと、ホバリング(停空飛行)で次の花を探索します。 
吸蜜中は羽ばたきを止めているものの翅を開いたままなのが、アブにしては珍しく思いました。 
全身が黒光りしていて、複眼も黒色でした。 
アブに疎い私には、果たしてハナアブ科かどうかも分かりません。 

胸背が顕著に盛り上がっていることから、過去の記憶が蘇りました。 
もしかするとコガシラアブ科の仲間でしょうか? 
しかし6年前に撮ったセダカコガシラアブ♂(Oligoneura nigroaenea)とは顔つき(白紋)が違いますし、口吻もそれほど長くありません。 
今回の個体は発達した左右の複眼が接しているので♂かと思ったのですが、コガシラアブ科だとすればそうとは決めつけられないのだそうです。 
コガシラアブ科は頭部が非常に小さいことに由来するが、複眼は大きく、♂♀共に左右が接している。頭部の幅は通常胸部の半分以下で、胸部は一般に強く隆起し、頭部はその前下方についている。翅基部の胸弁は非常に大きく、頭部より広い。幼虫は寄生性で、各種のクモ類につくという。全世界に45属450種以上が知られ、国内には13種が分布している。(「カタツムリの自然観撮記」サイトより引用) 

動画撮影を優先した結果、同定用の写真を撮ったり採集したりする前に、逃げられてしまいました。 
マクロレンズを外して普通に撮った方が良かったかも知れません。 
一期一会の虫撮りではなかなか思い通りに行かなくても仕方がありません。
 動画からこのアブの名前を見分けられる方がいらっしゃいましたら、教えて下さい。

2020/11/13

八重桜の樹洞内の巣から飛び立つモンスズメバチ♀

 

八重桜の樹洞に営巣するモンスズメバチ:#3

▼前回の記事 
モンスズメバチの巣がある樹洞内を夜に覗いてみると…【暗視映像】

2020年8月上旬・午後16:40頃・晴れ 

久しぶりに昼間の様子を見に来ました。 
ヤエザクラ(八重桜)の樹洞を外皮で塞ぐ範囲が下に広がってきていました。 
無人カメラを設置して樹洞閉鎖の過程を微速度撮影したいところですが、人目につくと通報されて巣が駆除されてしまうので、通りすがりにスナップショットを撮るしかありません。
もし、この外皮の一部を壊すと、モンスズメバチVespa crabro)のワーカー♀は修復するでしょうか? 
今後、巣口の樹洞が外皮で完全に塞がれたら、暗視カメラによる撮影もスネークカメラ(内視鏡カメラ)の導入が必要になりそうです。 

西日が当たる暑い昼間なのに、巣口で扇風行動をするどころか門衛の姿もありませんでした。 
外役のワーカー♀がたまに巣口から出入りしていました。 
樹洞の右上の幹から樹液が滲み出していますが、桜の樹液を好む昆虫は(私の知る限り)いません。 
周囲でミンミンゼミ♂およびアブラゼミ♂が鳴く♪蝉しぐれが聞こえます。 
モンスズメバチはセミを好んで狩るらしいので、セミの多い環境に営巣するのは納得です。
いつか狩りの現場を観察してみたいものです。 
樹洞の底を見ても、セミなど獲物の死骸は転がっていませんでした。 
よく考えると、スズメバチは狩った獲物をその場で肉団子にしてから巣に持ち帰るので、たとえ落としたとしても獲物の原型を留めていないはずですね。
写真を拡大して見直すと、大量の木屑が溜まった樹洞の底にモンスズメバチの死骸が転がっていることに気づきました。 
白い幼虫のような物も多数見えます。 
(ただし、巣から遺棄されたモンスズメバチの幼虫とは限らず、何か甲虫の幼虫かも知れません。)
現場でもっとしっかり調べるべきでしたね。
定点観察しているスズメバチの巣を駆除されると困るので、昼間の巣の観察は人目を避けて短時間で済ませないといけません。 
なんでこんなにコソコソしないといけないのか、情けなくなります。 
蜂の駆除業者や殺虫剤メーカーが毎年マスコミを使って蜂の恐怖を無闇に煽る宣伝工作を大々的に繰り広げるので、蜂にも蜂好きにも世知辛い世の中(受難の日々)です。 


ヒマワリ畑で種子を食べるスズメの群れ(野鳥)

 

2020年8月上旬・午後16:20頃・晴れ 

ヒマワリ(向日葵)畑でスズメPasser montanus)が群がって採食していました。 
花に止まって種子を啄んでいます。 
未熟な種子を1つずつ嘴で引っこ抜いて食べる姿は、まさに種子捕食者です。 
スズメはときどき種子の食べ残しを足元の葉に落としていますが、それはもう食べませんでした。 
食事の合間に嘴を足元の茎に擦りつけて拭っています。 
ヒマワリの種子を食べに来た群れには、成鳥だけでなく少なくとも1羽の幼鳥が含まれていました。 
幼鳥も自力で採食しています。 

ヒマワリの頭花が逆を向いているのが残念です。 
私が粘って長撮りしても、こちらを向いたヒマワリの花でスズメは採食してくれませんでした。 
おそらく、私に対して背を向けて採食したくないのでしょう。
ただでさえ逆光で撮りにくいのですが、スズメは警戒心が強いので、私が順光側に移動すると逃げられてしまうでしょう。

一方、スズメの賑やかな群れから少し離れたところでは、同じ種子食性のカワラヒワ♂が単独で食事していました。

2020/11/12

アブラゼミ♂:間奏中♪の木登りと飛び立ち【HD動画&ハイスピード動画】

 

2020年8月上旬・午後12:55頃・晴れ 

川沿いの堤防路に立つニセアカシア(別名ハリエンジュ)の幹にアブラゼミ♂(Graptopsaltria nigrofuscata)がしがみついて鳴いていました。 
ジリリリ、ジリリリ…♪と節を付けて繰り返し鳴きながら、幹をどんどん上に登って行きます。 
やがて鳴き方のテンポが早まり、立ち止まると途切れなく本格的に鳴くようになりました。

同一個体が飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:37〜) 
セミが木から離陸する前後に排尿する様子を私はなぜか未だ見たことがありません。 
今回も空振りでした。 
驚いて飛び立つ(緊急避難)ときにしかオシッコしないのかな?

実際はもっと長々と暑苦しく鳴いていたのですが、編集でばっさりカットしました。

飼育下で折り紙の上を徘徊するヤマトシミ【暗視映像】

2020年7月下旬 

▼関連記事(4年前の撮影) 
部屋の壁を登って隙間に隠れるヤマトシミ【暗視映像】


室内の剥がれかけた古い壁紙を夜な夜な徘徊するヤマトシミCtenolepisma villosa)の捕獲にようやく成功し、飼い始めました。 

プラスチックの円筒容器(直径7.5cm、深さ8cm)に閉じ込め、隠れ家として折り畳んだコピー用紙を入れておきました。 
容器の蓋に空気穴を開けておきます。


 

2020年8月上旬・午後21:40頃・室温31.3℃・湿度58%  

捕獲から2週間が経ち、新しい環境にも慣れてくれたようです。 
どうやら夜行性らしく、明るい昼間は紙片の隙間に隠れています。 
暗くなると活発になります。 
撮影のために室内を消灯し、赤外線の暗視カメラでヤマトシミの徘徊運動を記録してみました。 
長い触角で周囲を探りながら素早く這い回ります。 
「紙魚」と名付けたのは上手いですね。
実際はじっと静止して休んでいる時間も長いのですが、編集でカットしました。
プラスチック容器の底面や側面よりも折り畳んだ紙の上を歩き回る方が断然好きなようです。
プラスチックの垂直壁面を登るのを一度も見たことがないので、ヤマトシミの脚では滑って登れないのかも知れません。
もしそうなら、容器の蓋を開けても脱走の心配は無さそうです。 



2020/11/11

川岸の枯枝に止まったカワセミ♂(野鳥)

 

2020年8月上旬・午後14:20頃・晴れ 

川を挟んで対岸のヨシ群落から突き出た止まり木(枯れた灌木の枝)にカワセミ♂(Alcedo atthis bengalensis)が止まって休んでいました。 
ピョコピョコと首を上下させながら、川面を見つめています。 
私が望遠レンズを装着しようとしたら、カワセミ♂に逃げられてしまいました。 
この流域でカワセミの鳴き声♪はよく耳にするのですが、姿を記録できたのは初めてかもしれません。 
辺りを見渡すと、絶好の撮影ポイントを見つけました。 
構想と準備から1ヶ月後、会心の動画が撮れました。 
乞う御期待下さい。

オオイタドリの葉の上で身繕いするルリイロハラナガハナアブ♀

 

2020年8月上旬・午後15:00頃・晴れ
▼前回の記事:オオイタドリの葉を舐め回すルリイロハラナガハナアブ♀の謎
オオイタドリの葉を忙しなく舐め回していたルリイロハラナガハナアブの一種(Xylota sp.)がようやく立ち止まり、身繕いを始めました。  
前脚同士、後脚同士も擦り合わせて爪先(跗節)に付着したゴミを落としています。 
中脚は後脚と擦り合わるのが意外でした。 
前脚で顔(複眼)を擦り、後脚で腹背を拭いました。
「やれ打つな蠅が手をすり足をする」一茶
化粧が済むと再び謎の摂食行動を再開します。


つづく→

2020/11/10

オレガノの花蜜を吸うハラアカヤドリハキリバチ

 

2020年8月上旬・午後16:15頃・晴れ 

農村部の庭先の花壇に咲いたオレガノ(別名ハナハッカ)の群落でハラアカヤドリハキリバチ(旧名ハラアカハキリバチヤドリ)Euaspis basalis)が訪花していました。  

吸蜜および飛翔シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
この花の名前が分からなかったので、園芸関係の掲示板で問い合わせてみたところ、オレガノと教えてもらいました。 
私はどういう訳かオレガノを何度聞いても忘れてしまい、見分けるのが苦手です…。 
今回もシソ科のミントの仲間だろうとは思ったものの、葉先を少し千切っても爽やかなミント臭がしませんでした。

干上がった小川の土手に巣穴を掘って隠れるアメリカザリガニ

 

2020年8月上旬・午後15:20頃・晴れ 

川の本流に注ぐ用水路が梅雨明けすると、すっかり干上がっていました。 
昼間も薄暗い河畔林を横切る小川(出水樋門の下流)の底を私が歩くと、靴が辛うじて沈まない程度に泥が締まっていました。 

泥まみれのアメリカザリガニProcambarus clarkii)が1匹、干上がった川底を横断していました。 
4対の歩脚で歩いています。 
歩行運動に大きなハサミ脚は使わず、少し持ち上げています。 
やがて水路の横の土手の急斜面に達すると、難なく登り始めました。 
登攀時はハサミ脚も少し使っていました。 

土手に小さな穴を見つけると、ハサミ脚を使って入り口の泥をかき出し始めました。 
どうやらこのザリガニは、「穴があったら入りたい」ようです。 
穴が浅いと土手の探索をやり直します。 
土手に大き目のえぐれた窪みを見つけると、再び水平坑を掘り進めます。 
掘り出した土砂と一緒に急斜面を少し滑落したものの、再び登り直して穴に潜り込みました。 
穴掘り作業に疲れると、「頭隠して尻隠さず」の状態で一休み。 
アメリカザリガニの穴掘り作業を微速度撮影したいところですが、三脚を持ってこなかったので、手持ちカメラで作業を見守ります。  
どうやら掘った穴の奥に空洞があったようで、アメリカザリガニは巣穴にスルリと潜り込み、姿を消しました。 
涸れ水路の土手のあちこちに開いている小さな穴もザリガニの巣なのかもしれません。 

この個体は、用水路が干上がるとともに川(本流)へ逃げ遅れたのかな? 
それとも採餌のあとに帰巣しただけでしょうか?
川底の泥に残されたザリガニの足跡を逆に辿れば、どこから来たのか突き止められたかもしれません。 
特定の決まった巣穴と採餌場を往復しているようには見えませんでした。 
適当に掘った穴に隠れただけのような気がします。 
あるいは異性が潜んでいる巣穴を探し当てて、同棲のため潜り込んだのだとしたら面白いですね。(ザリガニの配偶行動はそうではないと後に本で知りました。また、冬越しの巣穴には複数個体が同居することもあるそうです。)
  

そもそも、水生動物だと思っていたザリガニが陸上でも呼吸できることに驚きました。 

▼関連記事(3年前の撮影) 

小田英智、大塚高雄『ザリガニ観察ブック』という本(見事な生態写真集)を読むと、私が抱いた疑問への回答がほとんど書いてあり、とても勉強になりました。
ザリガニは、エラがじゅうぶんに湿っていれば、陸の上でも呼吸できます。空気中の酸素がエラの表面をぬらす水分にとけ、この酸素をエラから吸収することができるのです。 
 あなたは、水辺からはなれた陸の上を、どろまみれになって歩くザリガニをみたことはありませんか。きっと、新しい水辺をもとめて冒険にでかけるザリガニでしょう。(p8より引用)

ザリガニはある意味で、両生類なのですね。

ザリガニは冬がくると、水田や川岸の土手に深い穴をほって、もぐりこみます。地下の水がしみだしてたまった深い穴のなかは、凍りつく心配もありません。この穴のなかで、ザリガニは寒さの冬をねむってすごすのです。そして春がくると、穴からはいだし、ゆたかなえさがある水辺をもとめて移動します。(p6より引用)
今回私が真夏に見た行動が冬越しのための穴掘りとは思えませんが、ザリガニは水が干上がると巣穴に潜り込んで、再び小川の水が満ちてくるまで夏眠するのかもしれません。

湿地に穴を掘って生息し、夜になると出歩いて餌を探す。雨天では日中もしばしば活動し、岸辺に上陸して動き回る姿も見られる。冬は穴に潜んで冬眠する。(wikipediaより引用)


夜になるまで待って、アメリカザリガニが巣穴から再び出て来て採餌を始めるかどうか確認すべきでしたね。 

野生のザリガニの観察も面白そうです。


関連記事(1年後の撮影)▶ 雨上がりの堤防路に上陸したアメリカザリガニ♀と遊ぶ:威嚇・起き上がり運動・一時捕獲など



【追記】

若林輝『武蔵野発 川っぷち生きもの観察記』を読んでいたら、少し違った記述を見つけました。

(川辺りの) 湿った場所の穴は、のちにアメリカザリガニの巣穴と知った。深く掘られた穴の奥には水が溜まっていて、ザリガニが潜んでいるのだ。穴の周囲を足でギュッギュッと踏みしめると、振動に驚いてザリガニが顔を出すことがわかった。 (p197より引用)


2020/11/09

ヒメシジミ♀♂の求愛飛翔

 

2020年8月上旬・午後13:45頃・晴れ 

河川敷の草むらでヒメシジミ♀♂(Plebejus argus micrargus)らしきペアが求愛飛翔を繰り広げていました。 
♀がイネ科の葉に着陸すると、背後から♂が交尾を迫ります。 
♂は曲げた腹端を♀の腹端と付けようとしているようなのですが、私のカメラは背景がこういう草むらの場合、オートフォーカスAFが小さな被写体を見失ってしまうので、フラストレーションがたまります。 
そのせいで、♀による交尾拒否行動はよく分かりませんでした。(実は脈ありかも?) 
♀が飛んで逃げる度に♂がしつこく追いかけ、低空で目まぐるしい乱舞を繰り広げます。 
求愛飛翔中の♀♂を見分けられませんでした。 

ヒメシジミ♀♂の求愛飛翔を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
ハイスピード動画で記録できなかったのが心残りです。

オオイタドリの花蜜を吸うコアシナガバチ♀

 

2020年8月上旬〜中旬・午後・晴れ 

堤防路の横に咲いたオオイタドリの群落でコアシナガバチPolistes snelleni)のワーカー♀が訪花していました。 
6日後にも同じ群落で吸蜜していたので、同じ動画にまとめました。 

最後に、オオイタドリの葉の大きさを左手の掌と比べています。 
葉の根元がハート型になり、葉裏が白いのもオオイタドリの特徴です。
(ピッキオ『花のおもしろフィールド図鑑:夏』p119より) 
 

この夏はオオイタドリに訪花する送粉者を調べています。 
子供の頃はそこら中に自生していたように記憶しているのですが、現在ではイタドリが優占しています。 
珍しくなったオオイタドリを見るには、ようやく探し出した数カ所の自生地にわざわざ通わないといけません。
身長の低かった幼少期には、自分よりも背の高いオオイタドリが強烈な印象に残っていたのかも知れません。
道端のオオイタドリが草刈りされるんじゃないかと気が気でなくて、必死に通いました。 

 

2020/11/08

水たまりでミギワバエを捕食するハクセキレイ♀とホオジロ♂(野鳥)

 

2020年8月上旬・午後13:15頃・晴れ 

河川敷の舗装路が水浸しになっていて、浅くても大きな水溜りになっていました。 
そこで2羽のハクセキレイ♀(Motacilla alba lugens)および1羽のホオジロ♂(Emberiza cioide)が走り回り、水面をピョンピョン跳ねる多数の小虫を捕食していました。 
ハクセキレイはもしかすると♀成鳥ではなくて、今年巣立ったばかりの若鳥の兄弟姉妹かもしれません。  

撮影後に私も獲物の正体をしっかり確認すべきだったのに、先を急ぐ用事があって怠りました。 
アメンボ類かもしれませんが、1ヶ月前に同じ河川敷の水溜りで跳びはねるミギワバエの大群を見ているので、おそらくこれでしょう。
▼関連記事:水たまりに集まり跳ねるミギワバエの一種
道の向こうから女性が歩いて来ると、ホオジロ♂は真っ先に気づいて飛び去りました。
 一方、近くにいたハクセキレイは、ホオジロにつられて飛び立つかと思いきや、もうしばらく粘ってから逃げました。 
やはり、未だヒトをあまり恐れていない若鳥なのかもしれません。 

捕食行動および飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
3羽の行動を眺めていると、捕食効率は良くありません。 
素早く跳びはねて逃げるミギワバエ?の反射神経に鳥はなかなか太刀打ち出来ないようです。
採餌経験の浅いハクセキレイの若鳥が闇雲に虫を追い散らして遊んでいるだけのような気もしてきました。

モンスズメバチの巣がある樹洞内を夜に覗いてみると…【暗視映像】

 

八重桜の樹洞に営巣するモンスズメバチ:#2

▼前回の記事 
八重桜の樹洞に営巣するモンスズメバチの門衛♀が近寄るアリやハエを撃退

2020年8月上旬・午前2:00頃・晴れ・外気温23.6℃・湿度78% 

2日後の深夜(草木も眠る丑三つ時)にモンスズメバチVespa crabro)が営巣するヤエザクラ(八重桜)の木をそっと見に来ました。 
モンスズメバチは夜行性とされているのに、外役ワーカー♀がなぜか1匹も活動していませんでした。
巣口を守る門衛役のモンスズメバチ♀の姿もありません。 
動画の冒頭で、樹洞の上縁からゲジが外の幹に這い出てきました。(@0:06) 
門衛のモンスズメバチ♀が不在の代わりに、樹洞付近の幹には多数のワラジムシPorcellio scaber)が徘徊しています。 
昼間にモンスズメバチの巣が駆除されてしまったのか?と嫌な予感がします。

赤外線の暗視カメラで樹洞の中を覗いてみると、在巣の蜂は無事でした。 
カメラを樹洞内に差し込むまで多少ガサゴソと物音を立ててしまったのに、蜂は意外と落ち着いていて、暗視カメラを目掛けて飛びかかってくることはありませんでした。 
昆虫の目に赤外線は見えませんから安全です。 
対スズメバチ専用の防護服は高嶺の花ですが、万一、撮影中に蜂が飛びかかってくることを用心して、白い服を着用してきました。 
後半は赤外線投光器2台を樹洞の底に置いて上の巣盤を照射しながら撮影しました。 
私はかなり慎重派なので、もしモンスズメバチが夜中も活発に巣から出入りしていたら勿論、刺される危険を冒して巣内を撮影することはなかったでしょう。 

樹洞は幹の内部で更に上まで侵食されており、その天井に多層の巣盤が吊り下げられていました。 
地面から巣口までの高さは約92cm。 
巣盤はほぼ剥き出しの状態で露出していましたが、これから天井部から下に向って巣盤全体が球状の外皮で覆われつつあるようです。  
樹洞の開口部を上から一部塞いでいる外皮に何の意味があるのか不明です。 
巣内の温度調節や外敵侵入防止にしても中途半端な気がします。 

樹洞内を覗くと、剥き出しの巣盤(大小2段構造)上で多くの成虫♀が覚醒していました。 
巣内で寝ている成虫♀もいます。 
在巣の成虫は計14匹ぐらい見えました。 
巣盤の隙間に隠れている個体も含めればもっと多くなりそうです。 
巣盤に居る♀のうちどれが女王蜂(創設女王)なのか、私には見分けられませんでした。 
体格が明らかに大きいはずですが、巣盤の奥に隠れて寝ているのかも知れません。  
上段の巣盤の中央付近の育房にはまるまると太った老熟幼虫が見えます。 
起きているワーカー♀同士がキスを交わして栄養交換しました。

ワラジムシは樹洞内でも活動していました。 
モンスズメバチの巣に同居(居候)する「好雀蜂性」の虫と呼べるかな? 

蜂が意外に落ち着いていますし、赤外線による暗視映像は色味が無いので、補助照明を白色LEDに切り替えて撮ろうか迷いました。 
しかし夜行性のモンスズメバチを刺激したくないので、暗視映像だけで我慢します。 

私が野外でモンスズメバチの巣を見つけたのはこれで2例目になります。 

▼関連記事のまとめ(6年前に撮影した定点観察シリーズ) 
モンスズメバチの巣(クヌギ樹洞):2014年

6年前に山中のクヌギ樹洞で見つけたコロニーでは、
  1. 夜も外役ワーカーが忙しなく出入りしていました。
  2. 気温が下がっても昼夜を問わずに門衛が巣口付近で扇風行動をしていました。
▼関連記事(6年前の撮影@気温16℃) 
涼しい夜も巣口で扇風行動するモンスズメバチ♀【暗視映像】

軒下や樹上の開放空間に営巣する(吊り下げ型)コガタスズメバチの場合、外気温が30℃を越えると巣内温度を下げるためにワーカー♀が外皮上で扇風行動を始めます。
これは教科書通りで理解できるのですが、外気温16℃なのに扇風行動するモンスズメバチが不思議でなりませんでした。
今回は6年越しの謎を解き明かしたくて、確かめに来たのです。 
ところが樹洞の入り口付近をガードする門衛は1匹も居ませんでしたし、巣内でも扇風行動は見られませんでした。 
未だ観察例が少ないので、どちらが正常なのか結論は出せません。 
6年前の巣では温度調節(過熱防止)以外に何か特殊な必要に迫られて(例えば過密状態で酸欠の危機? 発酵した樹液を飲み過ぎて酩酊?)巣内に日夜送風していたのではないかと現時点では考えています。 
図鑑や書物に書いてあるほど現実のモンスズメバチの生態は決まりきっておらず、コロニーによって個性があるのかもしれません。 



 

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