2013年11月下旬・気温12℃
里山の尾根道の道標(標高〜630m)に登山客の忘れた木綿の白い手拭いが巻かれていて、そこに無翅の冬尺蛾♀が産卵していました。
地上からの高さは〜140cmで、東面に産卵していました。
周囲の環境は雑木林の潅木。
産卵後に卵塊を断熱保護するために植毛しているようです。
ときどき体を左右に揺すり、腹端に発達した毛束を卵塊に擦り付けています。
通常であればこんな目立つ場所ではなく樹皮に産卵するので、地味な灰褐色の毛で覆うことにより偽装(カモフラージュ)効果もあると思われます。
前の年に飼育下で同様の植毛行動を観察しましたが、野外で観察するのはこれが初めてです。
▼関連記事▼
シロオビフユシャク♀?(冬尺蛾)の産卵【15倍速映像】
側面から接写したり採寸するのをうっかり忘れてしまいました。
同じ手拭いで産卵していたチャバネフユエダシャク♀にすっかり気を取られていました。
この個体はシャクガ科フユシャク亜科でAlsophila属もしくはInurois属の♀だと思うのですが、どうでしょうか?
無翅の♀単独では同定が難しいらしいので、次回は交尾中の♀を採集してから産卵行動を観察するか、あるいは孵化した幼虫を飼育して成虫♂を得る必要があります。
暫定的に(当てずっぽうで)クロテンフユシャク♀(Inurois membranaria)?としておきます。
クロバネフユシャク♀(Alsophila foedata)にしては時期が早い?
前日の天気は一日中雨。
この日は晴れたが、翌日からまた天気が崩れる予報。
2013年9月下旬
平地の用水路脇に咲いたベニバナボロギクの花でオオトビサシガメ(Isyndus obscurus)を見つけました。
動きに乏しい(動画のネタにしにくい)虫ですが、花に居るのは珍しいかな?と思い撮りました。
獲物を待ち伏せしているのでしょう。
2013年8月上旬
平地の川沿いの道端に生えたヤブガラシでコアシナガバチ(Polistes snelleni)のワーカー♀が2匹、訪花していました。
映像の冒頭で2匹が小競り合いになりました。
小雨が降ってきても蜂は気にせず吸蜜活動を続けています。
『昆虫の集まる花ハンドブック』p68でヤブガラシについて調べると、驚きの事実を知りました。
ほとんどの株はタネができず、繁殖は長い根から出る芽に頼っているため、花は昆虫に餌を提供するだけ。
2014年1月下旬
マダラスジハエトリの飼育記録5
マダラスジハエトリ♂亜成体(Plexippoides annulipedis)の生き餌としてヒメフンバエ?を投入してやりました。
ところがこの日のクモは食欲が無いのか、獲物を追尾・定位する行動が緩慢な印象を受けました。
目の前でハエが身繕いしても無反応で、ハエがクモのすぐ横を通り過ぎたりもしました。
跳びついて狩りに失敗する瞬間を240-fpsのハイスピード動画に撮れました。
ハエは容器の底で身繕いしたり歩き回ったりしています。
壁面の上部で見下ろして(待ち伏せして)いるクモが獲物に狙いを定めて跳び降りたものの、獲物を捕り逃がしました。
弘法にも筆の誤りというか、目測を誤ったのでしょうか?
クモに食欲がなく、遊んでいるだけなのかな?
目障りなハエを追い払う行動なのかもしれません。
ハエはひっくり返って擬死しています。
獲物が近くに居るのにクモは気づかないのか、とどめを刺そうとしません。
それでも夜になって様子を見ると、いつの間にか獲物を捕食していました。
翌朝になったら食べ残しを捨てていました。
つづく→シリーズ#6
2014年2月下旬
街中を流れる浅い川の中にハシボソガラス(Corvus corone)が入っています。
雪解け水に足を浸しても冷たさが気にならないようで、元気に歩き回っていました。
映像の冒頭(@0:23)および後半で(@1:40)嘴を川面に浸して水を飲みました。
雪が残る岸の水底からゴミを拾い上げるも採食せず、その場に捨てました(@1:12)。
食べられる水生昆虫でも探しているのでしょうか。
天気は曇り空で、雪は降っていません。
最後は飛び上がって堤防に止まりました。
足の冷たさが限界だったのかな?と、どうしても擬人化して見てしまいます。
水鳥のように水掻きのある鳥類は脚に奇網(怪網、ワンダーネット)と呼ばれる特殊な血管系が発達しているおかげで、凍傷にならずに済んでいます。
カラスの足に奇網は無いはずですよね?
▼関連記事▼
カルガモの羽繕い【冬の野鳥:ハイスピード動画】
2013年11月上旬
道端に咲いたセイタカアワダチソウの花でフタモンアシナガバチ♂(Polistes chinensis antennalis)が多数のハナアブに混じって吸蜜していました。
♂は触角の先がカールしており、顔が黄色いのですぐに見分けられます。
毒針を持たないので刺される心配はありません。
2013年8月上旬
ハシボソガラス(Corvus corone)の群れが単線の線路に集まっています。
悪戯好きのカラスが線路に置き石する現行犯の証拠映像が撮れたらJRに通報しなければ…、と内心ドキドキしながら見守りました。※(追記参照)
幸い私の予想は外れました。
親子?のカラスが遊んでいるだけで、別に悪さはしていないようです。
ヤブカンゾウの花が咲く線路横の茂みに何故か出入りしています。
線路の砂利から陽炎が立ち上るほど暑い日でした。
【追記】
『銀座のツバメ』p84によると、
(ハシボソガラスは)たいへん器用な鳥で”知的行動”と呼ばれる高度な習性をもつ。(中略)マスコミで話題になった線路に置き石をした犯人も、このハシボソである。置き石は線路下に隠した餌の目印だったようだ。
2013年6月中旬
道端のガードレール沿いに咲いたキバナコスモスでモンキチョウ♂(Colias erate poliographus)が花蜜を吸っていました。
花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
別個体の翅が白っぽい♀ですが、吸蜜シーンを通常のHD動画でも同じ日に撮っています。
2013年8月下旬
山間部の道端に咲いたツリフネソウの群落でトラマルハナバチ(Bombus diversus)のワーカー♀が忙しなく訪花していました。
後脚の花粉籠に白い花粉団子を付けています。
複数個体を撮影。
『日本産マルハナバチ図鑑』p166によれば、
ツリフネソウなどの食物は蜜腺のある長い距を発達させ、長舌種のみが吸蜜できるように花形態を特化させている。
『日本産マルハナバチ図鑑』p168によると、
(ツリフネソウは)花の距の先端に蜜があり舌の長いマルハナバチが訪花する。中に体を入れると花の入口にある雄しべと雌しべが背中に触れるしくみになっている。マルハナバチ相が貧弱な場所では群落を形成することもなく、せいぜい散在するか、あるいは植物そのものをみることができないのが普通である。
2013年10月下旬
里山の雑木林でコゲラ(Dendrocopos kizuki)が木登りしながら幹をつついて餌となる虫を探していました。
樹種はミズナラかな?
2013年8月上旬
里山の尾根道の脇の潅木で見慣れないハエが木の葉に止まって身繕いしていました。
ジガバチの営巣地に近いこともあり、ほっそりした体形から一瞬ジガバチかと思いました。
全身黒で顔だけが鮮やかな黄色です。
前方に長く突き出している(ように見える)口吻も特徴的。
「メバエ科」で画像検索してみると、素人目にはオオマエグロメバエ(Physocephala obscura)と似ている気がしました。
別アングルを撮ろうと私が少し動いたら、飛んで逃げられました。
腰(腹部の上部)の色が赤いかどうか、よく見えなかったのが心残りです。
顔が白いジガバチの♂に擬態しているつもりかな?と想像を逞しくしてみました。
メバエの仲間はどうやら社会性ハチに寄生するらしいのですが、オオマエグロメバエの寄主は何か非常に興味があります。
もしジガバチ(似我蜂)に寄生したメバエがジガバチそっくりに擬態しているのだとしたら凄く面白いです。
ジガバチは社会性ハチではありませんけど。
【追記】
『日本動物大百科9昆虫II』p135によると、
メバエ類は、体表の色や模様が寄主のそれに類似している種が多い。これは寄主に接近しやすくするための一種の擬態と思われる。
ネット検索してみると、オオマエグロメバエはトラマルハナバチなどに寄生するらしい。(参考サイト)
「トラマルハナバチ成虫に寄生したオオマエグロメバエPhysocephala obscuraの囲蛹」と題した写真が『日本動物大百科9昆虫II』p135に掲載されていました。
ただし一般にメバエの寄主特異性は低いらしいので、「ジガバチに寄生するのではないか?」という個人的な仮説の望みは捨てずにおきます。
2014年1月下旬・室温17℃
マダラスジハエトリの飼育記録4
室内の天井隅に見つけたキンイロエビグモ(Philodromus auricomus)幼体を捕獲し、マダラスジハエトリ♂亜成体(Plexippoides annulipedis)に給餌してみました。
狩りの瞬間を記録したくて、240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
獲物は容器内を間欠的に駆け回っています。
待ち伏せしているマダラスジハエトリが掴みかかったものの、捕り逃がしました。
少し離れた位置から跳び付いて狩るスタイルの方が得意なのでしょう。
ハイスピード・モードで撮り始める前にゲイン設定(露出?)を上げれば光量不足の条件でも上手く行くことを遅ればせながら知りました。
残念ながら狩りの成功シーンは撮り損ねました。
この直後に獲物が再びパニックで走り回り、ハエトリグモの方へ勝手に飛び込み一巻の終わり。
つづく→シリーズ#5
2013年8月上旬
おそらくヒメスジコガネ(Mimela flavilabris)と思われる甲虫が里山でリョウブの葉を食べていました。
食事シーンを微速度撮影で記録するために、ジオラマモードで動画撮影してみました。
これで10倍速の早回し映像が簡単に得られます。
映像の冒頭で脱糞していますね。
クロアリが枝葉を活発に探索徘徊しています。
撮影アングルがいまいち良くないですけど、三脚を目一杯高く伸ばしてもあと少し足りないのです。
再生スピードを更にアップした30倍速の早回し映像をブログ限定で公開します。
お時間のない方、せっかちな方はこちらをご覧下さい。
▼関連記事▼
・リョウブの葉を蚕食するヒメスジコガネ?【微速度撮影】
・リョウブの葉を食すヒメスジコガネが脱糞
2013年11月上旬
民家の庭に咲いたヤナギハナガサ(別名サンジャクバーベナ)でヒメアカタテハ(Vanessa cardui)が訪花・吸蜜していました。
日差しが強く、肝心のきれいな翅の色が白飛びしてしまいます。
そこで動画編集時に自動色調補正を施してあります。