2023/09/02

中州横の雪原を夜にうろつく冬毛のニホンノウサギ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年2月中旬・午後21:06 

中洲横の雪深い河畔林に残されたタヌキの溜め糞場wnを自動センサーカメラで見張っていると、ある晩に冬毛のニホンノウサギLepus brachyurus angustidens)が通りかかりました。 
雪面から近くの立木に伸びたまま枯れているクズの蔓の匂いを嗅いだものの、ぶら下がっている豆果を採食しませんでした。 

その後は河畔林を下流に向かってゆっくり立ち去りました。 
凍結した雪面にうっすらと新雪が積もっていて、ノウサギが雪原を跳ね回っても足は潜りません。 

実は、捕食者テンの登場からわずか12分後のことでした。
ノウサギの天敵であるテンの匂いが辺りに残っていると思うのですが(残り香)、ノウサギは特に警戒している素振りはありませんでした。

同じ川に沿って下流に数百m行った地点でノウサギの採食活動が記録されています。


雪国のニセアカシア河畔林を飛び回り餌を探すシジュウカラの群れ【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年2月中旬・午後14:15頃・晴れ・気温16℃ 

平地の雪深い河畔林で溜め糞場bLを見張っているトレイルカメラに、ある日の午後シジュウカラ♀♂(Parus minor minor)が写りました。 
少なくとも2羽以上の群れが、ニセアカシア(別名ハリエンジュ)灌木の落葉した枝から枝へ忙しなく飛び回っています。 
灌木の根際に降りて落ち葉をめくったり樹皮をつついたりして、獲物となる虫を探しているようです。 
最後は急に賑やかに鳴いてから飛び去りました。(@1:15〜) 

1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:24〜) 
見下ろすアングルではシジュウカラの背側しか写らず、スロー再生しても性別を見分けられません。


2023/09/01

晩冬のスギ林道で雪に埋もれかけたスギの根元を通りすがりにチェックするホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年2月中旬〜下旬

雪深い里山のスギ林道で溜め糞場sを監視する自動撮影カメラの設置アングルを逆向きにしてみました。 
同じ地点ですが、これまでよりも広角で撮れるようになりました。 
ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が通りかかった映像をまとめました。 

画面の中央に写っているのが、以前カメラを固定していたスギの木です。 
林道脇の法面(斜面)でスギの苗が育ったために、根本が強く湾曲しています。 
これは多雪地帯の山地に特有の樹形です。
ヒョロヒョロの稚樹は深い積雪に埋もれて強く押し付けられます。
春になって雪が完全に溶けるまで氷河のように斜面をゆっくりずり落ちますから、木々は持続的な強い雪圧を受けるのです。
倒された稚樹は春になると雪が溶けるのを待ちかねるように重力屈性と光屈性で幹は真上に向かって成長しようとします。
しかし、冬が来る度に再び雪圧で潰され曲げられてしまいます。 
幹が充分に太くなって剛性が増す頃には根本が強く湾曲してしまうのです。
その一方で、豪雪地帯でも平地に植林されたスギは根元からまっすぐ伸びます。


シーン1:2/19・午前1:50・気温0℃(@0:00〜) 
どうやら雪ではなく雨(みぞれ?)が降っているようです。 
深夜に雪道を右から登場したタヌキが対面のスギの根元に立ち寄りました。
その辺りはちょっとした崖(法面)のようになっているのです。
匂いを嗅いだだけで、マーキングなどはしませんでした。 
林道上の深い雪に埋もれた溜め糞場sは素通りしたようです。 

雨のために雪面の状態は湿雪で、タヌキが一歩踏み出す度にズボズボと潜っています。(腐れ雪) 


シーン2:2/25・午前3:36・気温0℃(@0:41〜) 
6日後の小雨が降る未明にタヌキが再登場。 
この6日間で雪が少し溶け、ホオノキの幹に固定したトレイルカメラの設置アングルも自然に少しずれてしまいました。 

今回もホンドタヌキは雪深い林道を右から左へ通り過ぎました。 
雪面の状態は締まっている(やや凍っている)ようで、タヌキが歩いても足が深く潜りません。 
オーバーハングしたスギの根本に近寄ったものの、風の匂いを嗅いだだけでした。 
何の匂いをチェックしているのか分かりませんが(カモシカの眼下腺マーキングの匂い?)、前回よりもおざなりです。 
もしかして、「ここにヒトの匂いがする怪しい装置(トレイルカメラ)がずっとあったのに無くなってる…」とタヌキは不審に思っているのでしょうか。

今回もやはり溜め糞場sを素通りしたようですが、画角をもう少しだけ左に向けてカメラを設置するべきでした。 

つづく→

雪国の川面で羽繕いするキンクロハジロ♂(冬の野鳥)

 

2023年1月中旬・午前11:20頃・晴れ 

平地を流れる川に集まった多数のカルガモAnas zonorhyncha)の群れに混じって、1羽だけ冬鳥のキンクロハジロ♂(Aythya fuligula)が居ました。(混群?) 

やがてキンクロハジロ♂は上流を向いて川面を遊泳しながら羽繕いを始めました。 
羽繕いの合間に嘴を水で軽くゆすぎました。(@0:57〜) 
水を飲んだのかもしれません。 
羽根を整えると、身震いしながら伸び上がり、尾羽を左右に震わせます。 
背伸びしながら翼を広げて羽ばたかない点がカルガモとは異なります。 
(カルガモの行動については別の記事で映像公開予定?) 
以前の観察では、水浴の後にはキンクロハジロ♂も背伸びしながら翼を広げて羽ばたき水気を切っていました。

関連記事(2年前の撮影)▶ 小雪が降る川で水浴びするキンクロハジロ♂(冬の野鳥)


しかし、その行動の頻度はカルガモより低いようです。
キンクロハジロは潜水ガモに属しますから、そうでないカルガモよりも羽根の撥水性が高いのか、あるいは水気を切る必要性が低いのかもしれません。


撮影中は気づかなかったのですが、キンクロハジロ♂の手前に地味な♀もちらっと写りました。(@0:47〜)  

2023/08/31

雪山のスギ林道で厳冬期も活動するニホンリス【トレイルカメラ】

 



2023年2月上旬・午前7:11・気温-3℃ 

雪深い低山のスギ林道を見張っている自動センサーカメラに、ある朝ニホンリスSciurus lis)が写りました。 
林道を挟んで反対側に立つスギ大木の幹は、深い積雪でほとんど見えなくなりました。 
画面上端の雪面をリスがうろちょろしています。 
おそらくスギの樹上から雪面に飛び降りたのでしょう。 
ニホンリスは冬眠せず、厳冬期の雪山でも昼間は元気に活動を続けます。

手前の雪面にはカモシカが歩いた足跡が残っています。 


雪山でニホンノウサギの糞粒に産卵するフユユスリカ♀?

 

2023年1月中旬・午後14:10頃・くもり 

スノーシューを履いて雪深い里山を探索していると、林内の雪面にニホンノウサギLepus brachyurus angustidens)が残した糞粒を見つけました。 
初めて歩く場所ですが、前後にピンクのリボンが目印として木に結び付けられていたので、おそらくスギ植林地の斜面を抜ける林道が雪に埋もれた地点のようです。 
7個の丸い糞粒がポロポロとまとめて排泄された中には、形がやや歪な糞も混じっています。 
雪面に足跡が無いのにアカマツの木の下に糞だけがまとめて残っているということは、明け方など雪面が固く凍結していた時間に排便したのでしょう。 

現場では全く気づかなかったのですが、動画の直前に撮った写真を見直すと、1匹のフユユスリカ♀?が糞粒の表面に腹端を付けて産卵していました。 
私が動画を撮ろうと無遠慮にズカズカと近づいたら、フユユスリカ♀は糞粒から雪面に降りてしまいました。 
翅があるのに気温が低くて飛べないようです。 


雪山で獣糞に産卵するユスリカの一種♀を見つけたのは、これが2例目です。 
獣糞の種類は特に選り好みしないようです。
いよいよ面白くなってきました。
ハエ類などライバルとなる虫は越冬中なのに、寒さに強いユスリカだけが獣糞を独り占めしているようです。
今回も謎のユスリカを採集してないので、しっかり同定できていません。 
雪国の冬(積雪期)に見かけたからと言って、フユユスリカ属の一種とは限らないかもしれません。
次回は気温もしっかり測りたいものです。

雪山登山中に便意を催したら、しばらくは埋めずに放置しておいて、ユスリカが人糞トラップに誘引されるかどうか調べてみるのも面白そうです。

関連記事(11ヶ月後の積雪前に撮影)▶ タヌキの溜め糞にガガンボが産卵?

ユスリカに気づかず、ピントが甘くて残念

2023/08/30

晩冬の雪山でスギ林道を夜に駆ける冬毛のホンドテン【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年2月上旬および3月上旬

雪深い里山のスギ林道を見張るトレイルカメラの設置アングルを逆向きにしてみました。 
これまでよりも広角で撮れます。 
画面の中央に写っているのが、以前カメラを固定していたスギの木です。 
冬毛のホンドテンMartes melampus melampus)が登場したシーンをまとめました。 

シーン1:2/9・午後21:17・気温-5℃ 
軽く吹雪いている晩に、テンが右から左へ跳ねるように駆け抜けました。 
スギ樹上からの落雪のため、林道の雪面は凸凹しています。 
走行シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:08〜) 


シーン2:3/3・午後18:47・気温-1℃(@0:18〜) 
約1ヶ月後にも、同様にテンが雪道を右から左へ軽快に走って横切りました。 
後半、ちょっとだけ立ち止まって雪面の匂いを嗅ぎました。 
雪面は固く凍結しているようで、テンの足が潜らず、足跡も残りません。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:25〜) 

つづく→

ケカビの生えていない新鮮なタヌキ溜め糞に集まる晩秋のハエ類:ベッコウバエ♂、ハクサンベッコウバエ、キバネクロバエ

 

2022年11月中旬・午後13:15頃・晴れ 

里山のスギ林道で定点観察しているホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞場sを見に行くと、大小の糞塊が2個残されていました。 
気温の低い晩秋には、溜め糞に集まるハエ類はめっきり少なくなっていました。 
来ている少数の昆虫も低温のせいで動きが非常に緩慢です。 

古い糞塊には白いケカビが発生しています。 
その上に追加された泥状の新鮮な糞(下痢便)にベッコウバエ♂(Dryomyza formosa)とハクサンベッコウバエNeuroctena analis)が1匹ずつ同じ向きに乗っていました。 
手前の別な小糞塊にはタヌキが食べた果実の種子が未消化のまま大量に含まれていました。 
そちらの小糞塊にキバネクロバエMesembrina resplendens)が1匹で来ていました。(@0:57〜) 

興味深いことに、ケカビの生えた古い糞塊にハエ類は集まっていませんでした。 
これが偶然の事象なのかどうか、今後も注意して見ていくつもりです。 
溜め糞を長期間のインターバル撮影したタイムラプス動画で記録すれば、分かりそうです。
ケカビが生えると獣糞の匂いや味、栄養価も変わるはずですから、ハエ類が来なくなっても不思議ではありません。 
糞の表面にモサモサのケカビが生えると、ハエが物理的に着陸しにくくなるのでしょうか?
その一方で、ケカビの生えた獣糞を好む糞虫もいます。 

関連記事(別地点で同年の秋に撮影)▶ ケカビの生えたタヌキの溜め糞を食べるセンチコガネ 

蓼食う虫も好き好きというか、ニッチの棲み分けが見事です。 
数日経つとケカビは自然に消滅し、溜め糞の生物分解は次の遷移段階へ移ります。 

2023/08/29

雪山でニホンカモシカの塒(ねぐら)を見つけるまで【アニマルトラッキング】

 

2023年1月下旬・午後12:15〜12:45頃・晴れ 

スノーシューを履いて雪深い里山を探索し、アニマルトラッキングするのが雪国の冬のささやかな楽しみです。 
夏の山は藪で覆われるために決められた山道しか歩けませんが、積雪期の雪山は自由度が一気に増します。 
また、野生動物が雪面に残した足跡を辿って体力が続く限り追いかけることができます。 
今季の目標は、ニホンカモシカCapricornis crispus)の糞塊を見つけてトレイルカメラを設置し、本当に溜め糞場として同じ場所に通って排便しているのかどうか確かめることです。 

よく晴れたせいで、この日の雪質は、やや重い湿雪でした。 
私が息を切らせて斜面を登っていると、前方を雪煙を蹴立てながら右から左へ横切って走り去るカモシカを目撃。 
残念ながら動画に撮り損ねてしまいました。 

シーン1(@0:00〜) 
早速、新鮮な蹄跡を辿ってカモシカを追跡開始。 
スギ植林地の斜面をカモシカが駆け下りたばかりの足跡を辿って行きます。 
せっかく苦労して登ってきた斜面を下ることになりました。 
逃げたカモシカはスギ山林をぐるっと回り込み、私がさっき付けたばかりのスノーシューの足跡をしばらく逆行していました。 




シーン2(@1:57〜) 
谷を下り、雪に埋もれていない細い沢を渡りました。 
渡河直後は足跡の雪が泥水で汚れています。 

その後、カモシカの足跡はカラマツ倒木の下をくぐっていました。(映像なし) 
しんどいラッセルをするほどの深雪ではないので、逃げたカモシカになかなか追いつけません。 
私にしつこく追われているのに気づいたのか、カモシカは追手をまくような動きをするようになりました。 
カモシカの古い足跡の上をわざとクロスしながら歩いたり、別の動物の足跡の上を歩いたりして、追手の混乱を誘っています。 
縄張り内で親子(母子)2頭が行動を共にしている可能性も考えたのですが、残念ながら2頭が一緒に逃げる姿を直接観察(目撃)できませんでした。 
結局、この日は二度とニホンカモシカと再会できませんでした。 


シーン3(@2:20〜) 
カモシカの足跡を辿って、崖のような急斜面を登ります。 
斜面があまりにも急なのでスノーシューを脱ぎ、壺足で直登します。 
壺足のキックステップでもあまり雪に潜らずに登れました。 

急斜面の途中に立つ落葉樹(樹種不明)の下で、カモシカが排尿した跡を見つけました。 
立ち止まって小便を排泄したようで、雪面を黄色く染めながら尿の体温で丸く溶かしていました。 

関連記事(1年前の撮影)▶ 雪山で排尿するニホンカモシカ♂




シーン4(@2:40〜)
雪山の急斜面を更に登ると、落葉高木(樹種不明)の下にカモシカが雪面に長時間座った跡を見つけました。 
雪面はカモシカの体温で少し溶けた後、再び凍っています。 
カモシカは夜行性でもあり昼行性でもあるので、いつ寝るのかはっきりと言えませんが、睡眠を取るためのねぐらまたは休憩所なのでしょう。 
反芻しながら何時間も座位休息していたのかもしれません。
外敵(捕食者)が容易に近づけないよう、崖のような急斜面の上部の狭いテラスを塒として選んでいました。 
塒の上には、降ってくる雪を遮るものが全くなかったことが意外でした。
雪が降る日にここで寝るカモシカは、そのまま雪に埋もれてしまうことになります。


関連記事(10年前の撮影@川原の木陰に塒)▶ ニホンカモシカの溜め糞と小便跡@雪面


テラス状のねぐらを採寸すべきでしたが、その余裕がありませんでした。 
斜度がきつくて、私はふくらはぎの筋肉が攣りそうになりながらも立っているのがやっとでした。 





木の根元には氷柱がぶら下がっています。 
塒の周囲に少し見える常緑の葉は、おそらく大木に巻き付いた蔓植物のツルマサキだと思います。 
カモシカが休憩所にどっかり座り込みながら、口が届く範囲のツルマサキの葉を食べたのかもしれません。 

関連記事(10年前の撮影)▶  

今回、私から逃げたカモシカがこの塒に戻ってきたということは、毎晩同じ場所で寝るのでしょうか? 
予定を変更して、ここにトレイルカメラを設置することに決めました。 
後日、他の場所に設置しているトレイルカメラを外して持ってこないといけません。 
ところが、携行していたGPSロガーがこの日に限ってGPS衛星の電波を正常に受信していなかったことが、帰宅後に判明しました。 
せっかくカモシカの塒を雪山で初めて見つけたのに、正確な位置座標をGPSで記録できておらず、二度と再訪できなくなってしまいました。 
痛恨のミスです…。
アクションカメラを自分の体に装着して雪山でのアニマルトラッキングの一部始終を動画に撮り続けていたら、その映像を元にしてカモシカの塒まで再び辿り着けたかもしれません。
しかし今回は、断片的にしか動画を撮っていませんでした。
カモシカ安住の塒に私がずかずかと踏み込んだ足跡が雪面に残っていますから、警戒したカモシカはもう二度とここでは寝なくなったかもしれませんね。

それから、今回は雪山でカモシカの糞塊を見つけられませんでした。 
私が追いかけたせいかもしれませんが、前回の山行で見つけた溜め糞場?にカモシカは向かいませんでした。 




余談ですが、雪山の森をスノーシューで歩くとき、木の根元はスカスカの空洞になっていることがあり、積もった雪で隠された落とし穴をうっかり踏み抜くと非常に危険です。 
この空洞を指す「ツリーホール」という専門用語があることを雪山遭難事故の記事で最近知りました。 
これまで私はツリーホールを踏み抜いたせいで、スノーシューの金具やフレームを毎年のように計何足も壊してしまいました。 
山スキーやスノーボードでバックカントリーを滑走するときも同じなのですが、木の根元をなるべく避けて歩きましょう。 
気温の低い厳冬期は未だ大丈夫なのですけど、晩冬から初春にかけて雪が緩んでくると危ないです。

【関連サイト】 

 

市街地の上空を帆翔するトビ(冬の野鳥)

 

2023年1月下旬・午後14:55頃・晴れ 

白い雲がかかった青空にトビMilvus migrans)がくるりと輪を描いていました。 
鳴き声は発していません。 

スカベンジャーのトビが市街地の上空を飛んでいるということは、餌があれば街なかにも降り立つことがあるのでしょうか?
トビが集まる「ゴミ投棄場(埋立地)」が近くに無いか探してます。

2023/08/28

晩冬に中州横の河畔林で雪に埋もれた溜め糞場を夜にチェックするホンドタヌキ♀♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年2月中旬および3月上旬

中州横の雪深い河畔林に残されたホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞場wnを自動撮影カメラで見張っています。 
明るい日中は横の堤防路から丸見えなのでタヌキは活動してないはずと判断し、夜間のみ監視する設定にしました。

シーン1:2/17・午後19:32・(@0:00〜) 
カメラを設置したその日の晩に、タヌキが♀♂ペアで現れました。 
私がスノーシューで踏み荒らした雪面をうろついています。 
溜め糞場wnの雪面を少し掘って匂いを嗅いでいます。 
溜め糞が埋もれた場所というよりも、私が昼間にザックを置いた地点の残り香が気になったのかもしれません。 
結局は排便せずに、画面手前に相次いで立ち去りました。 


シーン2:2/17・午後22:41・(@0:29〜)
約3時間10分後、小雪が降る中を単独のタヌキが登場。 
私や先行タヌキが雪原に残した足跡の匂いを嗅ぎ回っています。 
溜め糞場wnにちょっと立ち止まりましたが、排便シーンは確認できませんでした。 
脱糞したなら、尻尾が上下に動くはずです。 
そのまま河畔林を左に立ち去りました。 


シーン3:2/19・午前0:30・(@0:58〜) 
2日後の深夜、夜霧が立ち込める中をうろつく2頭の白い目が爛々と光っています。 
この♀♂ペアは常に行動を共にしているようです。 
1頭が途中で身震いしました。 
排便しそうだったのに、無念の尻切れトンボで録画が中断されました。 
低温による電池の電圧低下だと思いますが、この旧機種では気温のデータが動画撮影時に取得されません。 


シーン4:3/2・午後20:42・(@1:24〜) 
カメラの起動が遅れ、タヌキが手前に歩き去る下半身がちらっと写っただけでした。 
(ここだけ1/3倍速のスローモーション。) 
溜め糞場wnを素通りした後のようです。 
晴れた晩で雪面はガリガリに凍結して見えます。 
このようなクラストした雪面だと、タヌキは深雪よりも足早に移動できますし、足跡は残りません。 



2023/08/27

真冬の河畔林で夜に枝先を採食する冬毛のニホンノウサギ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年2月上旬・午後21:10頃・気温-3℃ 

平地の河畔林でニセアカシア(別名ハリエンジュ)大木の真下にあるタヌキの溜め糞場bLを狙ってトレイルカメラを設置したら、いつの間にかカメラの向きがなぜか横に大きくずれてしまいました。 
レンズの目の前にきた枝が邪魔になり、至近距離で赤外線を反射するために画面全体が白飛びしてしまっています。 
そんなトラブルがあっても思いがけない嬉しい収穫がありました。 

ある晴れた晩に冬毛のニホンノウサギLepus brachyurus angustidens)が登場したのです。 
ニセアカシアの根元で何か植物(樹種不明)の細い蔓または枝先を食べていました。 
新たに枝先を噛み切るシーンも撮れていました。(@0:34〜) 
枝先に残った数枚の葉が目当てのようです。
赤外線の暗視映像はモノクロなので、ニホンノウサギが食べた葉の色が分かりません。 
落葉しないで枝先に残っていた枯れ葉なのか、それともツルマサキなど常緑の葉なのかもしれません。 
切れ味鋭い門歯でスパッと斜めに枝先を切り落としたノウサギの食痕を冬のフィールドでよく見かけますが、警戒心の強い野生ノウサギの採食シーンを実際にこんな間近で撮れたのは初めてです。 

食事が済むと、白兎は雪面の匂いを嗅ぎながらゆっくり移動し、下の死角に姿を消しました。 
雪面は固く凍っているのか、ノウサギの足跡が残りません。 



白銀の雪原を歩くキジ♀3羽の群れ(冬の野鳥)

 

2023年2月上旬・午前10:25頃・晴れ 

雪で埋もれた刈田の端をキジ♀(Phasianus versicolor)の群れが一列で歩いていました。 
体重が軽いせいか、雪面が凍っているのか、雪原を歩く足がほとんど潜っていません。 
少なくとも3羽の群れが右から左へ次々に歩いて行きます。 
最後の個体は、雪に埋もれた溝をピョンと飛び越えました。 

気づいた私が撮影を始めるまでもたついたせいで、キジ♀はすぐに民家の陰に隠れてしまい、姿を見失いました。 
それならと反対側にぐるっと先回りしてキジ♀が出てくるのを待ち伏せしても、二度と出会えませんでした。 
竹林に隠れたのかもしれません。

冬のキジは地味な♀だけの群れと派手な♂だけの群れと別々に暮らします。

関連記事(16年前の撮影:♂2羽の群れ)▶ 雪の日のキジ♂2007(冬の野鳥)


繁殖期になると、良い縄張りを持つ♂は複数の♀とハーレムを形成します。 


 

雪深い河畔林でニセアカシアの枝に飛来したジョウビタキ♂【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年2月上旬・午後13:15・晴れ・気温17℃ 

雪深い平地の河畔林でタヌキの溜め糞場bLを監視するトレイルカメラに冬鳥のジョウビタキ♂(Phoenicurus auroreus)が写りました。 
落葉したニセアカシア灌木の枝で一休みしてから、すぐに右へ飛び去りました。 
飛び立つ瞬間を1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 

よく晴れた穏やかな昼下がりとは言え、この時期に気温が17℃にまで上昇するとは驚きました。 
暗色のトレイルカメラ本体が直射日光で温められて、高目の測定値が出るのかな? 

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