2024/07/27

スギ防風林の林床で雨が降っても夜に餌を探し回る野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年10月中旬 

シーン0:10/12・午後14:00・晴れ(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
画面の中央に風倒木の朽ち果てた切株があります。 
この切株の周囲には、野ネズミが食べた後のオニグルミの殻がたくさん散乱していました。(食痕つき) 
その手前を左右に走る溝(水路の跡)に古い手押し車のフレームが錆びたまま放置されています。 
これを目印として、ニホンアナグマMeles anakuma)専用の溜め糞場stmpがあり、黒っぽい軟便が残されています。 

平地のスギ防風林で夜な夜な出没する野ネズミ(ノネズミ)の探餌活動を以下にまとめました。 


シーン1:10/12・午後20:47(@0:04〜) 
ある晩、切株の真下に野ネズミが登場しました。 
アナグマの溜め糞場stmpをピョンと飛び越えて、スギ落葉層の下に潜り込みました。 


シーン2:10/13・午前1:56(@0:19〜) 
日付が変わった深夜に、野ネズミがスギ落枝の上に乗ってじっとしています。 
しばらくすると林床を徘徊し始めました。 


シーン3:10/14・午後18:39(@0:37〜) 
翌日の晩に、手押し車のフレームの直下のスギ落葉層から野ネズミがひょっこり顔を出しました。 
林床少し右に移動してから、すぐにまたスギの落ち葉の下に潜り込みました。 
警戒を解くと、右下へ走り去りました。 


シーン4:10/16・午後19:27(@0:58〜) 
翌日の晩もちらっと登場しました。 


シーン5:10/16・午後22:22(@1:06〜) 
夜が更けると、雨が降り始めました。 
鬱蒼としたスギ林では枝葉で雨がほとんど遮られます。
林床でこれほど降っているということは、実際にはもっと雨の勢いが激しいはずです。

野ネズミが切株から手前に下りてきて右へ向かいました。 


シーン6:10/16・午後22:40(@1:24〜) 
雨が降る夜でも野ネズミは林床で元気に餌を探し回っています。 


シーン7:10/19・午前3:01(@1:56〜) 
3日後の未明にも野ネズミが探餌徘徊していました。 


シーン8:10/19・午前3:41(@2:17〜) 
前回とほぼ同じ探索ルートを何周もしています。 


シーン9:10/19・午前4:15(@3:16〜) 
シーン2と同じく、左奥に転がっているスギ落枝の上に野ネズミがじっとしていました。 
しばらくすると活動を始め、切株に乗りました。 


※ 画面の左手前に立つスギの幹がトレイルカメラの赤外線を反射して、全体的に白飛びしてしまいました。 
動画編集時に逆光補正を施したら、だいぶ見やすくなりました。 


【アフィリエイト】 


ママコナの花蜜を舐めるセスジハリバエ

 

2023年9月中旬・午後12:25頃・ 晴れ

低山の尾根道に沿って咲いたママコナの群落でセスジハリバエTachina nupta)が忙しなく訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
あまりにも忙しなく飛び回るので、吸蜜シーンをしっかり撮れませんでした。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 (@0:10〜)

蝶やマルハナバチなどと比べて口吻が短いハエでもママコナ(ハマウツボ科)の唇形花から花蜜や花粉を摂取できるとは、ちょっと意外でした。


【アフィリエイト】

2024/07/26

旧営巣地を訪れるニホンアナグマの諸活動:10月中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年10月中旬 

二次林の旧営巣地(セット)にときどき戻ってくるニホンアナグマMeles anakuma)の記録です。 


シーン0:10/12・午後14:38・晴れ気温28℃(@0:00〜) 
シーン1:10/12・午後16:58・晴れ(@0:04〜)日の入り時刻は午後17:10 
夕方に出巣Rしたばかりと思われるアナグマ(♀?)が巣口Rでくつろいでいたのですが、急に何かに怯えて慌てて巣穴Rに潜り込みました。 
しばらくすると巣口Rに顔だけ出して、外の様子をうかがっています。 
ようやく外に出てきても、巣口Rからあまり離れず、風の匂いを嗅いでいます。 
日が暮れて暗くなってからようやく隣の巣穴Lに入り直しました。 
すぐに出巣Lすると、二次林へと立ち去りました。 

 赤外線の暗視映像で顔を正面から見ると、目の大きさが左右均等なので、ここで春に出産・育児した母親♀とは別個体のようです。 
(繁殖期が終わって過労から回復すると左右非対称の目つきが正常に戻った、という可能性もありますが、「オッカムの剃刀」の原則に従って、なるべく余計な仮定を重ねないようにします。) 

シーン2:10/14・午前4:59・気温5℃(@4:53〜)日の出時刻は午前5:43。 
2日後の夜明け前に現れたアナグマ♀は、巣穴LRには入らず、地面の匂いを嗅ぎながら旧営巣地(セット)を右往左往しています。 
この個体は両目をしっかり見せてくれませんでした。 


シーン3:10/16・午後18:14・気温15℃(@6:14〜) 
2日後の晩にやって来たアナグマ♀が巣口Lを点検しただけで立ち去りました。 

この後で穴掘りをしたのですが、別の記事にまとめました。 

夜も遅くなると雨が激しく降り始めました。 
巣穴Lに入って雨宿りするかと思いきや、巣口Lの匂いを嗅いだだけで二次林内の獣道を足早に立ち去りました。 


シーン4:10/17・午前4:18・気温10℃(@7:10〜)日の出時刻は午前5:46 
日付が変わった未明になると雨はほとんど止んでいました。 
再び来たアナグマ♀の毛皮が濡れていて、腰には落ち葉?が付着しています。 
巣口Lの匂いを点検しただけで立ち去りました。 


シーン5:10/18・午後20:40(@7:55〜) 
晩に来たアナグマが珍しく入巣Rしました。 

約40分後に出巣Rしたアナグマは、巣口LRの中間地点で地面の匂いを嗅いでいました。 
その場で丸くなったのですが、寝ているのか毛繕いなのか、手前に生えた灌木(マルバゴマギ)が邪魔でよく見えません。 
ようやく立ち上がると、巣口Rの匂いを軽く嗅いでから、奥の二次林に入って行きました。 


シーン6:10/19・午前4:54(@10:26〜) 
 未明に来たアナグマは、巣口Rの匂いを頻りに嗅ぎ回ってから、立ち去りました。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】
秋の夜は気温がかなり下がり、アナグマの活動が見るからに低下してきました。 
じきに冬ごもりに突入するのでしょうか? 

登場したアナグマ成獣(♀?)の個体識別がうまくできていません。 
冬ごもりに備えて秋は脂肪を蓄えるため、♀も♂のようにずんぐりむっくりな体型になるのかな? 

夏にあれほど元気にはしゃぎ回っていた幼獣たちが全く姿を現さなくなりました。
無事だと良いのですが、子別れ・分散したのでしょうか?
幼獣の体格が一気に成長して、素人目には成獣と見分けがつかなくなったのかもしれません。


スギ防風林で朽ちた切株をつついて虫を捕るトラツグミ【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年10月中旬 

シーン1:10/12・午後14:00・晴れ(@0:00〜) 
平地のスギ防風林で、明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
画面の中央で風倒木の切株が朽ち果てています。 
切株の手前を左右に走る溝(涸れた水路)に古い手押し車(一輪車)のフレームが錆びたまま放置されていて、その中にあるニホンアナグマMeles anakuma)専用の溜め糞場stmpに黒い軟便が残されています。 


シーン2:10/16・午前6:07(@0:04〜) 日の出時刻は午前5:45 
早朝から地味な鳥が切株の上に乗っていました。 
右を向いて静止しています。 
見事な迷彩模様のトラツグミZoothera aurea)が静止していると、どこにいるのか見失いそうになります。 
やがて警戒を解くと、トラツグミは朽ちた切株の上を右へ渡り歩き、ギザギザの断面を嘴でつついて何か虫を捕食しました。 
飛び去るまで見届けられなかったのが残念です。 
アナグマの溜め糞場stmpには近寄りませんでした。

秋の林床に来るトラツグミは様々な方法で採食することが分かります。 

関連記事()▶  


※ 旧機種のトレイルカメラは変な癖があって、昼間に動画を撮るとピンク色のフィルターがかかり、しかもそれが点滅して目障りです。 
仕方がないので、動画編集時に自動色調補正(モノクロ化)を施しています。 


2024/07/25

秋にニホンアナグマの空き巣を覗き込むニホンザルの母子ほか【トレイルカメラ】

 



2023年10月中旬・午後12:10頃・晴れ・気温24℃ 

ニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地(セット)を自動撮影カメラで見張っていると、真っ昼間からニホンザルMacaca fuscata fuscata)の小群が次々にやって来ました。 
2番目に獣道を右上奥から歩いてきた個体(@0:07〜)は口をモグモグと咀嚼していて、口から何か食べ物(咀嚼物)がこぼれ落ちました。 
アナグマの巣口Lの横で立ち止まり、体の痒い部位を右後脚で掻きました。 
巣口Lを覗き込んだものの、タヌキやテンとは違って巣穴の中に潜む虫を捕食することはありませんでした。 

後続の子猿が追いついてきました。 
この2頭はおそらく母子なのでしょう。 
母親♀は左へ通り過ぎる際に、ちらっとカメラ目線になりました。 

別アングルで設置した監視カメラに続きが撮れていました。 
ニホンザルの母子は、アナグマの巣口Rも通りすがりにちらっと覗き込んだだけで、立ち去りました。 

最後に登場した個体(成獣♀?)は黒い首輪を装着していました。 
猿害対策として群れの現在地をリアルタイムで把握するために、一時捕獲した個体にGPSの首輪を装着しているのではないかと推測しています。 
この個体はアナグマの巣口Rには興味がなく、林床をのそのそ歩いて素通りしました。 



ここは平地の二次林で、ニホンザルの群れを養えるだけの充分な食料があるとは思えませんが、パッチ状に分布する二次林や農地を「緑の回廊」として遊動しているのではないかと予想しています。 
里山で暮らす群れとは独立した別部隊なのかな? 
首輪を装着した個体のGPSが記録した軌跡を私も見てみたいのですけど、問い合わせたら素人にも教えてくれるものでしょうか? 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


ホトトギスの花でホシホウジャク(蛾)が吸蜜ホバリング【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年10月中旬・午後16:10頃・晴れ・日の入り時刻は午後17:01 

郊外の道端の花壇に咲いたホトトギスの群落で薄暗い夕方にホシホウジャクMacroglossum pyrrhosticta)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
横の車道を車が走ると怖がって逃げるものの、すぐに花壇へ舞い戻って吸蜜を続けます。 
蜜源植物としてホトトギスにかなり執着していて、同じ花壇に咲いたシュウメイギクのピンクの花には見向きもしませんでした。 

ホシホウジャクの吸蜜ホバリングを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:10〜) 
停空飛翔しているホシホウジャクは激しく羽ばたいているのに、空中で頭部がほとんど揺れていないことに驚嘆します。 
わずかな揺れ(ズレ)が生じても、しなやかな口吻でサスペンションのように吸収しています。 
ホトトギスの花から口吻を引き抜くと先端がゼンマイ状にクルクルと丸まり、次の花の手前に来ると長い口吻を伸ばして探り当て、奥に差し込みます。 
停飛中は脚を胴体に沿わせるように畳んで空気抵抗を減らしていました。 
次の花へ向かうために方向転換する前の動作として体をひねっています。 

同一個体が花壇に結構長い時間留まってくれたので、高画質のFHD動画、ハイスピード動画、同定用のストロボ写真と必要な素材を全て撮ることが出来ました。 
しかし写真のシャッタースピードが1/125秒では全然遅くて、高速羽ばたきをきっちり止めて撮ることができませんでした。 
(写真撮影を後回しにしたので、シャッタースピードを上げようとしたら飛び去ってしまいました。) 
それでも写真からホシホウジャクとなんとか同定することが出来ました。
シュウメイギクの花がホトトギスの隣に咲いている。

2024/07/24

スギ林床で野ネズミの残り香を嗅ぎ回るホンドテン【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年10月中旬 

シーン1:10/20・午後14:45・くもり(@0:00〜) 
平地のスギ防風林で、明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
画面の左上で風倒木の切株が朽ち果てています。 
 切株の手前を左右に走る溝(涸れた水路)に古い手押し車(一輪車)のフレームが錆びたまま放置されています。 
このフレームの中にニホンアナグマMeles anakuma)専用の溜め糞場stmpがあり、黒い軟便が溜まっています。 


シーン2:10/20・午後21:20(@0:04〜) 
晩に単独で現れたホンドテンMartes melampus melampus)が林床に堆積したスギ落ち葉の匂いを頻りに嗅ぎ回るものの、アナグマの溜め糞stmpには近寄りませんでした。 

その辺りには野ネズミの巣穴があるのですが、広葉樹の落ち葉を数枚被せて巣口を隠してあるおかげか、天敵のホンドテンに巣穴を発見されずに済んだようです。 



野ネズミを狩れなかったテンは、朽ちた切株にも立ち寄らず、身を翻して右下に立ち去りました。 


つづく→

路上で車に轢かれたオニグルミの落果を拾い食いする3羽のハシブトガラス若鳥(野鳥)

 

2023年10月上旬・午前11:50頃・晴れ 

郊外で三羽のハシブトガラスCorvus macrorhynchos)若鳥が林縁の道端に集まっていました。 
車道の左は雑木林、右は田んぼになっています。
三羽烏は何か路上に散乱した黒っぽい物を嘴でこそげ取って食べています。 
車に轢き殺されたカエルの死骸でも食べているのかと初めは思ったのですが、よく見るとクルミの破片を拾い食いしていました。 
1羽のハシブトガラスが路肩で見つけたオニグルミの落果を丸ごと咥えて奥に飛び去りました。 
軽トラが通りかかると慌てて飛んで退避します。 

現場検証すると、緑色のオニグルミ落果が車に踏み潰されて中の殻ごと粉々に砕けていました。 
近くの路肩には無傷のオニグルミ落果が転がっています。 
見上げると、雑木林に自生するオニグルミの木の枝先に奇数羽状複葉と果実がついていました。 
この木から風で落ちたオニグルミの落果が車に轢かれたと分かりました。

クルミ堅果の美味しい中身を食べるには、硬い殻をなんとかして割る必要があります。
クルミの硬い殻を車に踏み潰してもらうために、ハシブトガラスがオニグルミの落果をわざと路上のわだちに置いていたとしたら非常に面白いのですが、私の知る限り、当地のカラスにそこまでの知能はありません。 
路上に何か落ちていたら、運転者は普通、避けて通るはずです。 
地域によっては、信号機のある交差点で停車した大型車のタイヤのすぐ前にクルミを置いて、車にクルミの殻を踏み潰して割ってもらうカラスがいるのだそうです。
今回は車に轢かれたオニグルミの破片を運良く見つけたハシブトガラスが食べているだけだと思います。 
カラスの若鳥は成長すると、見様見真似で硬いクルミの殻を空中から投げ落として割り、中身を食べるようになるのですが、そのための学習段階なのでしょう。

2024/07/23

秋の夕方にアナグマの空き巣を交互に調べる3頭の若いホンドタヌキ【トレイルカメラ】毛繕い、遊び

 



2023年10月中旬・午後16:25〜16:36・日の入り時刻は午後17:01 


シーン0:10/12・午後14:38・晴れ・気温28℃(@0:00〜) 
シーン0:10/12・午後16:59・晴れ(@0:04〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで録画された現場の状況です。 
平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の家族が転出した後の旧営巣地(セット)を新旧2台のトレイルカメラで監視しています。 


シーン1:10/18・午後16:25(@0:08〜) 
夕方に1頭のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)aがアナグマの巣口Rまで来ていて、念入りに匂いを嗅いでいました。 
その間に、左奥の二次林内からさらに別の2頭b,cが間隔を開けてセットにやって来ます。 
巣口Rで合流したのは、おそらく獲物となる穴居性の昆虫が居るかどうか、チェックしに来たのでしょう。 

2番目に来た個体bは♂だったようです。 
巣口Rの横に自生するマルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)の細い灌木の根元に排尿マーキングする際に、左後足を上げました。(@1:02〜) 


シーン2:10/18・午後16:26・気温18℃(@0:08〜) 
別アングルで設置した新機種のトレイルカメラに続きが撮れていました。 

タヌキ♂bが地面の匂いを嗅ぎながら左から登場しました。 
続けて左下にちらっと写ったのは、巣口Rに向かう別個体cです。 
タヌキ♂bは、アナグマの巣口Lを塞いでいる細い木の根の匂いを嗅いでから、体をよじって自分の腰を舐めました。 

すれ違う際に2頭間で体格差がありました。(a>♂b) 
これは性差なのでしょうか? 
タヌキは♀の方が少し大柄だと言われています。

後から来たタヌキaも、アナグマの巣口Lに顔を突っ込んで点検しています。 
2頭とも、左に戻って行きました。 


シーン3:10/18・午後16:26(@2:06〜) 
別アングルの監視カメラ(旧機種)で続きをご覧ください。 
アナグマの巣穴Rの内部を内検していた個体が外に出て来て、左に向かいました。 
もう1頭のタヌキは巣口Rを覗き込んでいるだけです。 
3頭のタヌキが巣口Rに勢揃いすると、顔を突き合わせて軽く挨拶したり、対他毛繕いしたりしました。 

左から戻って来た個体がアナグマの巣穴Rに頭だけ突っ込みました。 
タヌキの3兄弟(姉妹)は、巣穴に居候している小さな虫(カマドウマの幼虫?)を捕食しているようです。 
巣穴の主であるアナグマは不在らしく、中から飛び出してきて訪問者を撃退することはありませんでした。 


シーン4:10/18・午後16:29・気温19℃(@3:06〜) 
アナグマの巣口Lを点検し終えた個体が左に行こうとしたら、背後の個体がじゃれつき(相手の背中に両方の前脚で乗った!)、小競り合いの末に相互毛繕いが始まりました。 
毛並みも茶色が濃くて若々しく、こうした遊び好きな行動からも、若いタヌキ(幼獣?)ではないかと思います。 

3頭目のタヌキが左下にちらっと登場しました。 


シーン5:10/18・午後16:28・気温19℃(@4:06〜) 
アナグマの巣口Rに戻った2頭のタヌキが並んで巣穴Rを覗き込んでいました。 
巣口Rに頭を突っ込んで、「頭隠して尻隠さず」状態になった個体の腰に別個体がふざけて跳び乗りました。 
(順番待ちで痺れを切らしたのかな?) 
そのまま背中をグイグイ押して遊びに誘い、左へ走り去りました。 
追いかけっこが始まるかと思いきや、迷惑そうに巣口Rから顔を出した個体は相手の挑発には乗らず、巣内の虫に夢中です。 
ようやく奥の林縁へ移動しました。 


シーン6:10/18・午後16:30・気温20℃(@5:06〜) 
アナグマの巣口Lに居た2頭の一方が、背中を伸ばすストレッチ運動をしてから手前に立ち去りました。 
もう1頭は、後脚を伸ばすストレッチ運動をしてから、左へ移動しました。 

画面にタヌキが写っていないときでも、セットに転がっている落枝が動いているので、タヌキがカメラの死角を歩き回って落枝を踏んでいることが想像できます。 
自宅の玄関先にこんな落枝が散乱していたら歩くのに邪魔ですし、我々ヒトの感覚ではきれいに片付けたくなります。
しかし、侵入者の接近を知らせる防犯装置として、アナグマは落枝をわざと放置している気がしてきました。


シーン7:10/18・午後16:36(@5:34〜) 
最後までアナグマの旧営巣地(セット)に残っていたタヌキ個体も、身震いしてから右下へ立ち去りました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


ゴマナの花蜜を吸い身繕いするシナヒラタヤドリバエ

 

2023年10月中旬・午後13:45頃・晴れ 

里山の林道脇に咲いたゴマナの群落で丸っこい体型の見慣れないハエが忙しなく訪花していました。 
花蜜や花粉を舐めていますが、ようやく落ち着いてくれた後半のシーンはただの休息や日光浴かもしれません。 
食事の合間に花から少し飛ぶと、近くのゴマナの葉に止まり直し、化粧していました。 

Googleレンズで画像検索すると、ヤドリバエ科のシナヒラタヤドリバエPhasia sinensia)と判明しました。 
カメムシに寄生するのだそうです。 


【アフィリエイト】 

2024/07/22

クリ園に残されたツキノワグマの糞塊を調べると…

 

2023年10月中旬・午後14:10頃・晴れ 

里山で砂利が敷かれた林道にクリ(栗)のイガや落果が大量に散乱し、往来する車によって踏み潰されていました。 
山に自生するクリの木から落ちたのではなく、砂利道の左右は栗園になっていて、大規模に植栽されたクリ(栗)の木が大きく育っていました。 

栗園の道端に巨大な獣糞を見つけました。 
タヌキの溜め糞でもなさそうですし、1回分の排泄物だとすると、おそらくツキノワグマUrsus thibetanus)の大便だと思われます。 
採寸代わりに、熊よけスプレー(長さ20cm)を糞塊の横に並べて置いてみました。 
糞の表面はやや乾いていたものの未だ新鮮で、糞虫やハエなどはなぜか来ていませんでした。 

即席で糞分析をしてみることにしました。 
拾った小枝を使って糞塊をほぐしてみると、柔らかい触感で、薄い黄土色のペースト状になりました。 
作業中にクマの糞塊から小型のコオロギがピョンと跳んで逃げたような気がしたのですが、見失ってしまいました。 



どうやらツキノワグマがクリの堅果(落果)をたらふく食べた後に排便したようで、糞の中に未消化の種子は含まれていませんでした。 
本格的に調べるには獣糞を水で洗い流しながらザルで濾す必要があるのですが、少なくともアケビやカキノキの種子のような分かりやすい種子は出てきませんでした。 
クリの実(堅果)を食べたのなら、茶色い果皮の断片が糞に含まれていそうなものですが、ありませんでした。
噛み砕いてから果皮を吐き出すのかな?
糞分析に使った小枝の先端に付着した糞におそるおそる鼻を近づけて匂ってみたのですが、驚くことにほぼ無臭でした。 
なんとも形容し難い生臭さだけで、いわゆる糞便臭はありませんでした。 

関連記事(4年前の撮影)▶ ツキノワグマの糞塊をほぐしてみると… 


ツキノワグマは食肉目特有の単純な構造の消化器官を持っているため、多くの植物質の食物の消化効率はよくはない。そのため、一度に大量に摂取することができる植物を食物として選択し、(中略)できる限り採食効率を高めていると考えられる。(『日本の食肉類: 生態系の頂点に立つ哺乳類』第9章:ツキノワグマp214より引用)


クマはクリの実を噛み砕いて食べるので、排泄した糞からクリが芽生えることはありません。
したがって、クリにとってツキノワグマは種子捕食者になります。
野ネズミがクリの落果を持ち去って冬の食料として貯食しますが、食べ忘れた少数のクリから発芽します。
つまりクリの種子は貯食型の動物散布で分布を広げます。



現場のクリ園は電気柵で囲われていないため、ツキノワグマが自由に出入りして食べ放題になっています。
つまり、現状ではクマを里山で餌付けしていることになります。

2023年10月18日のNHKニュースによると、山形県にクマ出没警報が発令されました。 
「ことしは、クマの好物であるブナの実が凶作」とのことです。 
(なんか、毎年同じこと言ってない?) 


【アフィリエイト】 

アナグマの溜め糞場があるスギ林床で採食するキジバトとヤマガラの混群【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年10月中旬 

シーン1:10/12・午後14:00・晴れ(@0:00〜) 
平地のスギ防風林で、明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
画面の中央で風倒木の朽ち果てた切株があります。 
切株の手前の溝(涸れた水路)に古い手押し車(一輪車)のフレームが錆びたまま放置されています。 
このフレームの中にニホンアナグマMeles anakuma)専用の溜め糞場stmpがあり、黒い軟便が溜まっています。 


シーン2:10/17・午後12:07・晴れ(@0:03〜) 
スギの林床に3羽のキジバトStreptopelia orientalis)が散開し、各々が餌を探し歩いていました。 
種子食性のキジバトが好むような木の実や種子は落ちてないと思うのですけど、一体何を食べに来たのでしょうか? 
スギ防風林に繰り返しやって来るということは、うっかり迷い込んだ訳ではなさそうです。

関連記事(9日前に現場近くで撮影)▶ スギ防風林に迷い込んだキジバト【野鳥:トレイルカメラ】 


同時に朽ちた切り株の陰に来ていた小鳥はヤマガラSittiparus varius)でした。 
ヤマガラの採餌行動に注目するために、1.5倍に拡大した上でリプレイしてみましょう。(@0:43〜) 
切り株に飛び乗って獲物となる虫を探してから、右に飛び去りました。 

余談ですが、アナグマの溜め糞stmpの周辺で飛び回っているハエはおそらくベッコウバエ♀♂(Dryomyza formosa)と思われます。 
後日、現場入りした際に求愛行動を観察しました。(映像公開予定) 

秋風が吹くと、防風林でスギの幹が左右にゆっくり揺れます。 
その風揺れのせいでトレイルカメラが頻繁に誤作動するので、厄介です。 


シーン3:10/17・午後12:11・晴れ(@1:08〜) 
画面の左奥から1羽のキジバトが再び歩いて登場しました。 
スギの落ち葉が堆積した林床をあちこち啄んでいます。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
ヤマガラは他のカラ類(シジュウカラやヒガラ、コガラなど)と行動を共にしながら採食することが知られています。 
しかし今回のようにキジバトと混群を形成するのは、かなり珍しく思いました。 
たまたまなのかな? 
キジバトの群れの動向が気になって、ヤマガラが偵察に来たのかもしれません。

今回登場したキジバトもヤマガラもアナグマ専用の溜め糞stmpに興味を示しませんでした。
すぐ近くにあるタヌキの溜め糞場wbcと比べてアナグマは排便に通う頻度が低いために、食糞性の昆虫もあまり集まらず、鳥にとって魅力がないのでしょう。 
アナグマは主にミミズを食べるらしく、未消化のまま排泄された種子なども溜め糞stmpには含まれていません。 


【アフィリエイト】 

2024/07/21

アナグマの空き巣に侵入して中に潜む虫を捕食する秋のホンドテン【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年10月中旬〜下旬

シーン0:10/12・午後14:38・晴れ・気温28℃(@0:00〜) 
シーン0:10/12・午後16:59・晴れ(@0:04〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで録画された現場の状況です。 
ニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地(セット)がある平地の二次林を新旧2台のトレイルカメラで監視しています。 


シーン1:10/17・午後17:04(@0:08〜)日の入り時刻は午後17:03。 
ちょうど日没前後にホンドテンMartes melampus melampus)が現れました。 
毛皮が白っぽく見えますが、旧機種による動画撮影では夏毛か冬毛か見分けられないのが残念です。 
アナグマの巣口Rの奥を覗き込んでしばらく匂いを嗅ぎ回ってから、巣の主(アナグマ)が留守だと判断したようです。
遂に意を決して巣穴Rの奥に侵入しました。 
巣内で方向転換したようで、しばらくすると頭から外に出てきました。 
その後は、巣口R付近の林床を逃げ回る小さな虫を捕食しようとしています。


シーン2:10/26・午後22:29・気温9℃(@1:08〜) 
9日後の晩に登場したテンがアナグマの巣口Lを覗き込んでいました。 
アナグマが3時間前に掘り出した(映像公開予定)ばかりの新鮮な土の匂いをアクセストレンチLで嗅ぎ回り、慎重に巣穴Lへ侵入しました。 
しばらくすると慌てて外に飛び出したホンドテンが何か虫を捕食していました。 
巣穴Lに潜む穴居性の昆虫を狩ったようです。 
映像では小さな獲物の正体を見極められませんが、例えばカマドウマの幼虫ではないかと予想しています。 
狩りの成功体験に味をしめしたテンは、再び入巣L。 
残念ながらここで1分間の録画が終わり、出巣Lの瞬間まで見届けられませんでした。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


【アフィリエイト】


【考察】
近所のホンドタヌキだけでなく、ホンドテンもニホンアナグマの空き巣に通って虫を捕食していることが分かりました。

関連記事(同所同時期の撮影)▶ 


エビガラスズメ(蛾)の幼虫を仰向けにすると…

 

2023年10月上旬・午前11:35頃・晴れ 

田舎の郊外では畑や家庭菜園で栽培されたニラが逸出・野生化し、道端で普通に生えています。 
そんな野良ニラの群落で茶色の見慣れないイモムシを見つけました。 
ニラの白い花の下で頭を上にして垂直な茎にしがみついていました。 
尾角があるのでスズメガ科の幼虫と分かります。 
黄土色と焦げ茶色の迷彩?模様がありますが、緑の草むらでは保護色にはなっておらず、目立っていました。 
Googleレンズ(画像検索)で調べると、エビガラスズメAgrius convolvuli)の幼虫だろうと判明しました。 

いつもお世話になっている「みんなで作る日本産蛾類図鑑」サイトにてエビガラスズメ幼虫の食草を調べてもヒルガオ科がメインで、ニラはリストに含まれていません。
食草: サツマイモ(薩摩芋),ヒルガオ(昼顔),アサガオ(朝顔),ヨルガオ(夜顔)などヒルガオ科の植物のほか,フジマメ(藤豆),アズキ(小豆)などのマメ科,ツルナ科などの植物も。
もしもニラを食べていたら意外な大発見なのですが、食事中ではなく、静止していました。

ただじっとしている虫を撮っても、動画ブログのネタになりません。
動画に撮りながらエビガラスズメの幼虫を手掴みで一時捕獲してみました。 
茎にしがみついた胸脚や腹脚を左手でそっと外しても、ほとんど抵抗しなかったのが意外でした。 
掌に載せると、体をC字状に曲げた姿勢のままで、暴れたりしません。 
擬死状態(死んだふり)なのでしょうか? 
腹面を見るために仰向けに裏返すと、まるでレスラーのようにカウントスリーの前にくるっと素早く寝返りを打って起き上がります。 
面白がって何度も繰り返してしまいました。 
これは何か反射運動なのでしょうか?
無重力状態では、この反射は消失するはずです。 
いつでも逃げられるように歩脚を接地しておきたいのかもしれませんが、この個体は逃げようとしませんでした。
脊椎動物と比べると昆虫は体内の構造が背腹軸に関して逆転しています。
つまり、昆虫は腹側に中枢神経系があり、背側に消化管や心臓(背脈管)があります。
致命的な弱点(急所)となる腹面を守るために、仰向けにしても素早く起き上がるのかもしれません。
それとも、威嚇用の尾角を常に見せつけたいのでしょうか?

これだけいじっても、脱糞したり消化液を吐き戻したり噛み付いたり(反撃)、逃げようと(逃避)したり、一切しませんでした。 
不活発ということは、脱皮するためにニラの茎にしがみついていたのかもしれません(眠状態?)。 
あるいは体内寄生されている可能性もありますが、飼育してみないことには分かりません。 

撮影後は道端のニラ群落に戻してやりました(キャッチ・アンド・リリース)。

関連記事(13年前の撮影)▶ エビガラスズメ♂(蛾)の飛翔準備運動 


昔(12年前)に夜の路上で見つけたエビガラスズメ終齢幼虫の写真をついでに載せておきます。 
同じく褐色型で、体長は91mmでした。 
2011年10月上旬

私はまだスズメガ科の幼虫を飼育したことがないので、いつか成虫まで育ててみたいものです。


【アフィリエイト】

ランダムに記事を読む

  • 川の水を飲み行水する2羽のハシボソガラス(野鳥)23/03/2020 - 0 Comments
  • 池で泳ぎ潜るミシシッピアカミミガメ13/07/2019 - 0 Comments
  • 雄蜂♂が出入りする巣の入り口でニホンミツバチ♀の群れが匂い扇風【HD動画&ハイスピード動画】02/09/2020 - 0 Comments
  • ササコナフキツノアブラムシの群れ(兵隊アブラムシ、有翅型)25/12/2013 - 0 Comments
  • 休耕地の枯野を横切る茶トラのイエネコ【トレイルカメラ】12/09/2024 - 0 Comments