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2025/02/10

笹薮のタヌキ溜め糞場に生えたキノコを調べる:オオキヌハダトマヤタケ?

 

2023年6月中旬・午後16:25頃・晴れ 

河畔林でオニグルミ大木の真下にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が残した最大級の溜め糞場rpを定点観察に来ました。 
周囲の笹藪は、ヒトの背丈よりも高く伸びていました。(>175cm) 
タヌキの新鮮な糞は追加されておらず、糞虫などの活動も見られませんでした。 
糞塊に集まっていた虫は、目視した限りではハエ類とアリ類だけでした。 





溜め糞の横の地面から生えた黄土色のキノコに注目し、引っこ抜いてみました。 
傘の中央部が突出しています。 
傘の裏面にはクリーム色のヒダが発達しています。 
柄にはツバもツボもありません。 
柄を裂いて見せればよかったですね。 
キノコの分類において、柄が中空か中実(柄の内部に菌糸が詰まっている状態)かというのは、重要な識別点なのだそうです。 






もう1本、同種と思われる別のキノコを採取しました。 
傘が大きく開いていて、私が触れると湿った傘の縁がボロボロとちぎれてしまいました。 




タヌキの溜め糞場で見つけたということは、いわゆるアンモニア菌の仲間なのか?と期待しました。
撮れた写真をGoogle画像検索してみると、どうやらアセタケ科のオオキヌハダトマヤタケという種類のようです。 
ムスカリンを含む毒キノコです。
ムスカリンは、あるタイプのアセチルコリン受容体(ムスカリン性アセチルコリン受容体)に結合し、神経伝達物質アセチルコリンの作用を模倣する、副交感神経作用薬である[2]。 ムスカリン中毒は、キノコの摂取後15-30分後に、涙と唾液の分泌増加、発汗が見られることで特徴づけられる。 (wikipediaより引用)
キノコに疎い私は聞き馴染みがなかったのですが、キノコにはアセタケ科やアセタケ属があります。
アセタケの名は、毒性物質ムスカリンを含み、滝のように汗をだすという異常な中毒症状によるとされる[3]。(wikipedia:アセタケ属より引用)

「オオキヌハダトマヤタケは夏〜秋にブナ科の樹木の下に生える」としか図鑑に書いておらず、ごく普通の毒キノコらしい。 
つまり、溜め糞場の近くに生えていたのはたまたま、という残念な結論でした。

遅々とした歩みですが、苦手なキノコも少しずつ種類を覚えていくしかありません。


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2025/02/02

スギ倒木横のタヌキ溜め糞場に集まる虫たち:オカダンゴムシ♂、ワラジムシ、クロボシヒラタシデムシの幼虫および成虫、サビハネカクシ、糞虫など

 

2023年6月下旬・午後14:55頃・晴れ 

ホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が平地のスギ防風林に残した溜め糞場phを定点観察しています。 
すぐ横に風倒木が転がっているのが目印です。 
新鮮な糞が追加されていて、
糞の一部には未消化の獣毛が混じっています。 
換毛期に毛繕いしたタヌキが自分の体毛を飲み込んでしまったのか、それとも動物の死骸を食べた(腐肉食)のか、野ネズミなど小型哺乳類を捕食したのでしょうか? 
糞をDNA解析すれば、たちどころに分かるはずです。 

糞食性の様々な虫が集まっていました。 
動画に登場した虫たちを列挙してみます。 

1匹のオカダンゴムシ♂(Armadillidium vulgare)が溜め糞の匂いに誘引されて来ました。 
背中に斑点が無くて真っ黒(黒光り)なので、♂と判明。 

ワラジムシPorcellio scaber)も何匹かいました。 

クロボシヒラタシデムシOiceoptoma nigropunctatum)の成虫だけでなく幼虫もいました。 
写真にはオオヒラタシデムシNecrophila japonica)の成虫も写っていました。 

小型の糞虫が糞塊に潜りかけていたのですが、全身を見せてくれず、種類を見分けられませんでした。(センチコガネではない) 

サビハネカクシOntholestes gracilis)と、別種のハネカクシ(種名不詳)もいました。 
肉食性のハネカクシ類がダンゴムシやワラジムシを襲って捕食することはありませんでした。 
もっぱらハエの幼虫(蛆虫)を捕食するのでしょう。 

ショウジョウバエのような微小なハエも来ていたのですが、真面目に同定していません。

2025/01/29

ハクモクレンの樹上で半壊したコガタスズメバチの古巣は鳥のしわざ?

 



2024年1月下旬・午後15:30頃・晴れ 

道端で落葉したハクモクレンの樹上で見つけたコガタスズメバチVespa analis insularis)の古巣を定点観察しています。 
野鳥が外皮を横からつついたらしく、半分が壊されていました。 
中身がほとんどくり抜かれ、最上段の巣盤だけが残っていました。 厳冬期で餌がなくなり、飢えた鳥が蜂の子の死骸を捕食したのでしょう。 
強風が吹いて古巣が激しく揺れ、隣の枝に繰り返しぶつかって壊れたという可能性は、この場合は考えられません。

西日が当たって、露出した巣盤が午前中よりもよく見えるようになりました。 (以下の写真は同じ日の午前中に撮影)
ちなみに、撮影のため私が営巣木のハクモクレンに近づいたら、1羽のメジロZosterops japonicus)が飛んで逃げました。 
スズメバチの古巣をつついて壊したのがメジロの仕業とは考えにくいのですが、近くの庭木ナンテンで赤い実を採食していたのかな? 


つづく→

2025/01/28

防風林で秋に落雷を受けたスギの木

 

2023年10月中旬・午後・晴れ 

平地のスギ防風林で、ホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が通う溜め糞場phを久しぶり(17日ぶり)に定点観察しに来ました。 
新鮮な糞は追加されていませんでした。 
どうやら最近は使われていないようです。 

それよりも、このスギ林に大きな異変が起きていました。 
植林地(防風林)の真ん中で、新たにスギの倒木が増えて林床に散乱していたのです。 
以前、溜め糞場phを監視するためにトレイルカメラを設置したスギ大木の上半分が縦に裂け、幹が真っ二つに折れていたのです。 
このような状態を「中折れ」と呼ぶのだそうです。 
スギの朽木や枯木ではなく、緑の葉が茂る健康な生木が被害に遭っていました。 

秋は台風のシーズンですから、嵐による強風で折れたのでしょうか? 
それなら1本だけが倒れるのではなく、広範囲で何本もスギの木がなぎ倒されているはずです。 
防風林の中央部で他のスギに囲まれた1本だけ風倒するのは不自然です。 

幹の途中で縦に裂け目が入って折損したという状況からも、おそらく落雷したのでしょう。 
しかし、その木が焦げたり燃えたりした形跡はありませんでした。
(落雷木に必ずしも焼け焦げ跡が残るとは限らないのだそうです。) 
スギの防風林は樹高がほぼ揃っているはずなのに、なぜ中央の1本の木だけに落雷したのか、不思議です。 
「出る杭は雷に打たれる」のでしょうか?
その木がたまたま他の木よりも少しだけ高かったり、何らかの理由で他の木よりも電気を通しやすい状態にあった可能性があります(水分含有量が高いなど)。 
落雷は必ずしも最も高い木に起こるわけではなく、電荷の分布や樹木の状態など、複数の要因が関係するのだそうです。 

その杉の木にもしトレイルカメラを設置したままなら、落雷の過電流で壊れたり燃えたりしたはずなので、助かりました。 
初めて入る防風林なら、同じ光景を見ても「倒木の多い荒れたスギ林だなー」と思うだけでしょう。 
定点観察に通っていたからこそ、落雷木に気づくことができました。 

林業家にとってみれば落雷木は天災による痛い損失でしかありませんが、森林生態学的には良い面もあります。
鬱蒼と育ったスギ林の中には日光がほとんど射さず、他の植物はあまり育つことができません。 
落雷でスギ林の中央部に林冠ギャップができたので、ここだけ林床の日当たりが良くなり、新たに植物が育って森の更新が進むことが期待できます。 
また、新たなスギ倒木を餌としてキノコなどの分解者が長い年月をかけて腐朽させます。 
それまでの間、林床に放置された倒木は小型の哺乳類(野ネズミなど)に隠れ家や餌場を提供してくれます。 
落雷(の轟音)にキノコの発生を促進する効果がある、という面白い説があるのですけど、スギ林でも見られるのか楽しみです。


さて、落雷がいつ起きたのか、正確な日時を突き止められるでしょうか?
私が定点観察した9月下旬から10月中旬までの17日間のどこかで落雷したはずです。
今回、Perplexity AIに相談して初めて知ったのですが、気象庁は落雷の詳細なデータを記録しており、過去に遡って落雷の有無を調べることが可能です。 
気象庁は雷監視システム(LIDEN: LIghtning DEtection Network system)を使用して落雷を観測しています。 
このシステムにより、落雷の場所や時間を5分単位で記録しています。 
気象庁のウェブサイトでは、過去の気象データを検索することができます。 
少しやってみたのですが、忙しくて調べ切れていません。 



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落雷による林冠ギャップ

中折れしたスギ落雷木

真下に散乱する中折れの破片




以下は、タヌキの溜め糞場ph:倒木横の様子を撮った写真です。
糞に未消化の種子(銀杏およびリンゴ?)が含まれているのですが、落雷木に気を取られた私は、真面目に調べていません。







2025/01/25

アナグマの溜め糞に集まり求愛と交尾拒否を繰り広げるベッコウバエ♀♂

 

2023年10月下旬・午後13:45頃・くもり 

平地のスギ防風林に残されたニホンアナグマMeles anakuma)の溜め糞場stmpを定点観察しています。 
秋になると、ベッコウバエ♀♂(Dryomyza formosa)が下痢便(軟便)状の糞塊に群がるようになりました。 
ベッコウバエの求愛・交尾拒否については、タヌキの溜め糞場でこれまで何度も(毎年のように)観察していますが、アナグマの溜め糞では初見です。 

ベッコウバエの性別を見分けるのは簡単で、配偶行動を観察するのに適しています。 
体長は♀<♂で、♀の腹部は黒いのに対して、♂の腹部は黄金色の剛毛で覆われています。 

泥状の糞塊の中を夥しい数のウジ虫が徘徊していました。 
ベッコウバエの幼虫も含まれているはずですが、キンバエやニクバエなど他種の幼虫も混じっているはずです。 
(私には幼虫の種類を見分けられません。)

溜め糞に居座る大型のベッコウバエ♂に注目して、その行動を動画撮影してみました。 
まるで「お山の大将」ですけど、実際には交尾できていない「あぶれ♂」です。 
交尾相手の♀を虎視眈々と待ち伏せしているのです。 
あぶれ♂は探雌求愛行動に忙しくて、獣糞を吸汁する暇がありません。 
溜め糞上でせかせかと歩き回り、ときどき立ち止まって身繕いします。 

ひっきりなしに翅を素早く開閉して斑点の斑紋を見せつけているのは、♀を誘引・誘惑するための求愛ディスプレイ(誇示行動)ではないかと思います。 
♂の翅を除去したり翅の斑紋(水玉模様)を改変したら、交尾の成功率が落ちるかどうか、実験したら面白そうです。

あぶれ♂は、近くに来る同種の個体に次々と飛びかかるものの、振られてばかりです。 
飛びつく相手の性別は問わず、とにかく誰にでも挑みかかります。 
ベッコウバエ♀♂の交尾は、早い者勝ち(スピード勝負)なのでしょう。 

♀の多くは既に交尾済みらしく、♂に求愛されても交尾を拒否し、振られた♂はあっさり諦めて離れます。 
一旦離れてから同一個体♀にすぐ再アタックすることもあり、また玉砕しました。 
近くで動くベッコウバエを見つけたら、♂はとにかく反射的に飛びついてしまうようです。 

ベッコウバエ♀による交尾拒否の意思表示が具体的に何なのか、私の知る限りでは解明されていません。 
おそらく胸部の飛翔筋を振動させるのではないかと、勝手に想像しています。 

ベッコウバエの♀は色気よりも食い気で、溜め糞上で吸汁や産卵に専念しています。 
ただし、ベッコウバエ♀の産卵行動を私はまだ実際に観察できていません。 
今回は時期が遅いのか、特徴的な形(扁平)をしたベッコウバエの卵は、アナグマの溜め糞上に見当たりませんでした。 
15日前に同所で定点観察した際には、ベッコウバエ♀が産み付けた大量の卵がニホンアナグマの糞の表面にまぶされてしました。(映像公開予定)

独身♂が他のあぶれ♂にも飛びついているのは、同性愛的な誤認求愛のように見えて、実はライバル♂を一番良い餌場から追い払っているのかもしれません。(闘争による占有行動) 

首尾よく交尾に成功した♂は、交尾後も♀にマウントしたまま配偶者ガードを続けて、ライバルのあぶれ♂から♀を奪われないように守っています。 
交尾中(あるいは交尾後ガード中)の♀♂ペアに対しても、あぶれ♂は構わず飛びかかります。 
しかし横恋慕しても♀の強奪に成功して交尾に至った例を私は見たことがありません。 

体格の小さなベッコウバエ♂は、♀を巡る♂同士の争いで不利なはずですから、サテライト戦略やスニーカー戦略を発達させても不思議ではありません。 
次回は小柄なベッコウバエ♂に注目して、その繁殖戦略をじっくり観察するのも面白そうです。


余談ですが、今回の記事を書くために調べ物をしているときに、ベッコウバエの学名がNeuroctena formosaではなく正しくはDryomyza formosaだとPerplexity AIから教えてもらい、訂正しました。
Neuroctenaという属名自体が後発異名で無効らしい。

2025/01/17

ホンドタヌキの溜め糞に群がる虫たちの活動【10倍速映像】

 



2023年5月下旬・午前11:30〜午後13:10頃・ 

平地のスギ防風林に残されたホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の大きな溜め糞場wbc1を定点観察しています。 
実際ここに複数個体のタヌキが代わる代わる通って排便していることをトレイルカメラで確認済みです。 

多種多様な食糞性の昆虫(および捕食者)が糞塊に群がっています。 
私が横に立っている間は警戒して隠れてしまう虫もいるので、三脚を立てて微速度撮影で長撮りしてみました。 
(その間、私は現場を離れていました。) 
鬱蒼としたスギ林の林床は、晴れた昼間でもかなり薄暗いので、予めカメラの設定でゲインを上げてから撮影します。 
「うんちレストラン」に集まる魑魅魍魎が正午前後(1時間40分間)に活動する様子を10倍速の早送り映像でご覧ください。 

最も目についたのは、クロボシヒラタシデムシOiceoptoma nigropunctatum)の成虫および幼虫です。 
多数の成虫が溜め糞上で活発に徘徊し、配偶行動(求愛および交尾)を繰り広げていました。 
その恋愛ドラマだけ注目しても、交尾(マウント)中の♀♂ペアにあぶれ♂がしつこく横恋慕したりして、なかなか面白いです。 
♂は♀の産卵まで交尾後ガード(配偶者ガード)しているのかもしれません。 
クロボシヒラタシデムシの幼虫は三葉虫のような形ですが、幼虫よりも成虫の方が動きが素早い(歩行速度が早い)です。 


途中から1匹のヨツボシモンシデムシNicrophorus quadripunctatus)が糞塊の中央部から表面に現れて徘徊を始めました。(@6:03〜) 
最後はタヌキの溜め糞場wbcから離れて行きました。 
もしかして産卵を済ませた♀なのかな? 


糞塊を時計盤と見立てたときに、3時の位置から青紫色の金属光沢があるセンチコガネPhelotrupes laevistriatus)が1匹、溜め糞の表面に顔を出てました。(@1:51〜) 
幼虫の餌として自分の巣穴にタヌキの糞を搬入するかと思いきや、すぐに奥へ引っ込んでしまいました。 
その後もときどき巣口に出入りしているものの、頭隠して尻隠さずの状態です。 
どうやら巣穴を奥に掘り広げているようです。 
周囲を徘徊する他の虫たちも、隙あらばセンチコガネの巣穴に潜り込もうとしています。(穴があったら入りたい) 


ハネカクシ類の成虫も溜め糞上をうろついていますが、肉食性で動きが素早いために、早回し映像では分かりにくいです。 
アカバトガリオオズハネカクシ(旧名アカバハネカクシPlatydracus brevicornis)かな? 


食糞性のハエ類は、メタリックな青色や緑色に輝くキンバエ類が少数ながらも来ていました。 
地味なハエ(ニクバエの仲間?)は種類を見分けられませんでした。 
他には微小なハエが多数、溜め糞上で翅を開閉誇示しています。 
溜め糞に産み付けられたハエの卵から孵化した幼虫(蛆虫)が多数、蠢いているはずですが、この映像では小さくてよく見えません。 
ウジ虫は油断していると、ハネカクシの成虫に捕食されてしまいます。 

ときどき黄色のハエが溜め糞の上を低空で飛び回っていますが、糞塊に着陸することはありません。 
ベッコウバエかもしれませんが、おそらくキイロコウカアブPtecticus aurifer)でしょう。 


微小なアリ(種名不詳)も集まっていました。 


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2025/01/11

雪山でニホンイノシシの採食痕があるスギ林に来た野生動物たち:ニホンノウサギ・ホンドテン・ホンドタヌキ・ニホンカモシカ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年1月下旬〜2月上旬 

シーン0:1/30・午後14:10・くもり・気温14℃(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたま撮れた現場の様子です。 
雪が積もった里山のスギ植林地でニホンイノシシSus scrofa leucomystax)がスギの根元の雪や地面を掘り返して採食していました。 
イノシシは近づく私を警戒して一目散に逃げてしまったのですけど、その直後にトレイルカメラを現場に設置しました。 
同一個体のイノシシが戻ってきて、スギ林床で採食を再開してくれるのではないかと期待したからです。 
もしかするとイノシシはねぐらを掘っていたのかもしれない、という疑いもありました。 

 画面の手前から奥に向かって緩斜面が下っています。 
左端が雪に埋もれた林道になっていて、私が奥に向かって下山したスノーシューの足跡が雪面に残っています。
つまり、林道の横に生えたスギの根元に掘られた最大の採食痕を監視しています。 

夜な夜なやって来る野生動物たちを一気にまとめてご覧ください。


シーン1:1/31・午前3:05・気温-3℃(@0:04〜) 
現場にまず現れたのは、冬毛のホンドテンMartes melampus melampus)でした。 
未明に雪の緩斜面を奥から手前へ登り、歩き去りました。 
雪面に足跡が残らないということは、凍結していているようです。 
手前の雪面は、トレイルカメラの赤外線照射で白飛びしてしまっています。


シーン2:1/31・午後21:52・気温2℃(@0:11〜) 
次は、同じ日の晩に冬毛のニホンノウサギLepus brachyurus angustidens)がひょこひょこと手前に来ました。 
やはりスギ林床の雪面はクラスト状態で、ノウサギの足跡が残りません。 


シーン3:2/2・午前5:02・降雪・気温-6℃(@0:22〜) 
2日後の雪が降る未明にも真っ白なノウサギが登場しました。 
しかも2羽が同時に写りました。 
交尾期が始まる頃なのに、2羽のニホンノウサギがニアミスしても喧嘩や追いかけっこにはならなかったのが不思議です。 
すでに♀♂ペアを形成していたのでしょうか?
2羽の性別も行動から読み取れませんでした。 

ノウサギは、イノシシが掘り返したスギの根元には近寄りませんでした。 


シーン4:2/2・午後18:53・降雪・気温-4℃(@1:04〜)日の入り時刻は午後17:05。 
同じ日の日没後に、♀♂ペアと思われるホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が手前からやって来ました。 
 先行個体が、イノシシが掘り返したスギの根元で匂いをじっくり嗅ぎ回っています。 
その間に後続個体は、近くでおとなしく待っています。 

雪が降り続き、雪面に薄っすら積もった新雪に、タヌキの歩いた足跡が残ります。 
後続個体は先行個体を追い越し、真っ直ぐに斜面を下りました。 
しかし先行個体は、少し先のスギの根元でもイノシシの掘り返した採食痕が気になり、寄り道して調べています。 
ようやくパートナーの後を追って立ち去りました。 

1.5倍に拡大した上で、リプレイしてみましょう。(@1:49〜) 
タヌキは新雪に鼻面を突っ込んで餌を探していますが、何も食べなかったようです。 


シーン5:2/6・午後20:32・気温-4℃(@2:35〜) 
4日後の晩に、ニホンカモシカCapricornis crispus)が緩斜面を登って手前に向かって歩いて来ました。 
監視カメラの真下を通ったのに、カメラの存在には全く気づいていないようです。 
新雪の雪面にカモシカの蹄跡が残りました。 


シーン6:2/7・午前2:25・気温-5℃(@2:46〜) 
日付が変わった深夜に、冬毛のニホンノウサギが画面の右下隅にちらっと写りました。 
気温が低いと、トレイルカメラの起動が遅れがちになります。 
尻尾が長くないので、テンではありません。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正や逆光補正を施しています。 
トレイルカメラの照射する赤外線が手前の雪面に反射して白飛びしてしまい、ちょっと見苦しいからです。 


【考察】 
私とニアミスして逃げたイノシシが採食現場に戻ってこないことがはっきり分かったので、この地点での監視は1週間で打ち切り、トレイルカメラを撤去しました。 
後で調べてみると、イノシシは縄張り意識が薄いらしいです。 
山中でヒトと遭遇して驚いて逃げたら、わざわざ戻ってくることはなく、逃げた先で自由気ままに採食することが予想されるそうです。 
どうしても自分で納得するまで確かめたかったので、たとえ空振りに終わっても満足です。 

副産物として、雪山で暮らす様々な野生動物(お馴染みの面々)が監視カメラに写ってくれたので、退屈することはありませんでした。
イノシシが掘り起こした採食痕に興味を示したのは、タヌキだけ(しかも、ペアのうち片方だけ)でした。

2025/01/08

雪山のスギ林でニホンイノシシが掘り返した採食痕を見つけた!【フィールドサイン】

 

2024年1月下旬・午後13:10頃〜14:30頃・晴れ 

スノーシュー(西洋かんじき)を履いて雪山を探索していた私が下山中に、前方のスギ植林地の林縁から1頭のニホンイノシシSus scrofa leucomystax)が慌てて逃げ去りました。 
あっという間の出来事で、残念ながらその姿を証拠動画に残すことはできませんでした。 
GoProなどのアクションカメラを体に装着してドライブレコーダーのように山中で常時撮影していれば、一人称目線の証拠動画が撮れたはずなので、私も1台欲しくなります。



遅ればせながら動画を回し、イノシシが居た地点を現場検証してみましょう。 
雪で埋もれた林道の横に育ったスギの根元の雪や土が盛大に掘り返されていました。 
どうやら私が来るまでイノシシは採食行動をしていたようです。 
冬でも地中のミミズや虫を捕食したり、植物の根っこを食べたりして飢えを凌いでいるのでしょう。 
林床ならどこでも良いのではなく、スギの根元を重点的に掘り返していました。
雪かき穴掘りの重労働に対して摂取カロリーの収支が見合わない(コスパが悪い、エネルギー収支が赤字)気がするのですけど、秋に溜め込んだ脂肪で春まで乗り切れるかという問題になります。
あるいはもしかすると、寝るためのねぐらを作ろうと常緑樹の下で雪を掘っていたのかもしれません。 
イノシシの足跡を辿って周囲を調べて回ると、計3本のスギの根元が次々に掘り返されて土が露出していました。
これまでにも私は山中で同様のフィールドサイン(掘り返し跡)を見かけていましたが、今回はイノシシの仕業であるという確証があります。 
現場から逃げたイノシシは1頭しか見ていませんが、親子が行動を共にしていた可能性もあります。 



次は、逃げたニホンイノシシが雪面に残した足跡を辿ってみましょう。(アニマルトラッキング) 
穴掘りをした直後なので、雪面に残った蹄跡の一部が土で汚れています。 
しばらくは、歩きやすい林道を辿って麓へと向かっていました。 
林道の中央だけ雪が溶けて地面の落ち葉が露出していました。
イノシシがそこを歩くと足跡が残りません。
やがてイノシシの蹄跡は林道を外れて、雪の積もった急斜面を下っていました。 
さらにしつこく足跡を追跡しようか迷ったのですが、逃げたイノシシを下手に追い回すと二度と戻って来なくなってしまうだろうと判断して、追跡を打ち切りました。 



同一個体のイノシシが戻ってきてくれることを期待して、遭遇地点にトレイルカメラを設置することにしました。 
山中の別の地点(ニホンカモシカのねぐら)に設置してあるトレイルカメラを撤去して、急遽こちらに移しました。 
3箇所ある採食痕のうち、最大の穴を監視することにしました。 
イノシシの雪山での採食行動やねぐら入りの行動が撮れたら嬉しいです。 




山形県で一時期イノシシは絶滅していたのですが、再び戻ってきたようです。
多雪地帯でイノシシは冬を越せないだろうと言われていたのですけど、積雪がそれほど多くなければ、雪山でも自力で掘り返して採餌できることを確信しました。
今季は異常な暖冬で、積雪量が少ないです。
山形県では冬の豪雪がイノシシやシカの進出を阻んできたのに、このまま地球温暖化が進行すれば、イノシシの分布域はさらに北上し、当地でも越冬するイノシシの個体数が増えるはずです。
そうなれば、他の地域(暖地)と同様に農作物の食害が深刻になる、と予想できます。
このまま手をこまねいて温暖化を食い止めなければ、将来は獣害対策という形でも莫大なコストを払う羽目になりそうです。(しっぺ返し)



【アフィリエイト】 

2024/12/19

霧のたちこめる深夜に雪山でニホンカモシカの溜め糞場を通り過ぎるホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年1月中旬 


シーン1:1/9・午後14:01・くもり・気温11℃(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
雪が積もった里山で、スギの木の下にあるニホンカモシカCapricornis crispus)の溜め糞場sr2をトレイルカメラで見張っています。 
周囲はスギと雑木(ミズナラやアカマツ、ハリギリなど)の混交林です。 
画面の左下から右上に向かって山の緩斜面になっています。 
奥には巨大な倒木(落葉性広葉樹)が見えます。 
スギ樹上からの落雪により雪面は荒れていて、落葉落枝も散乱しています。 
カモシカが残した複数の糞塊は、雪で埋もれてしまって見えません。 


シーン2:1/18・午後23:55・気温1℃(@0:03〜) 
夜霧の立ち込める深夜に、ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が単独で現れました。 
右から緩斜面を降りて来て、雪に埋もれた倒木を跨いで乗り越え、カモシカの溜め糞場sr2の匂いを嗅いでから左に立ち去りました。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


元々ここはタヌキの溜め糞場なのかもしれない、という可能性を思いつきました。 
しかしトレイルカメラによる監視を続けたり、夏に現場検証したりすると、それは否定できました。 


つづく→

2024/12/18

雪山の溜め糞場に来て雪面の匂いを嗅ぎ灌木に眼下腺マーキングするニホンカモシカの母子【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年1月中旬 

シーン1:1/9・午後14:01・くもり・気温11℃(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 
雪が積もった里山で、スギの木の下に見つけたニホンカモシカCapricornis crispus)の溜め糞場sr2をトレイルカメラで見張ることにしました。 
周囲はスギと雑木(ミズナラやアカマツ、ハリギリなど)の混交林です。 
画面の左下から右上に向かって山の緩斜面になっています。 
奥には巨大な倒木(落葉性広葉樹)が見えます。
スギ樹上からの落雪により雪面は荒れていて、落葉落枝も散乱しています。 
カモシカの残した複数の糞塊は、雪で埋もれてしまって見えません。 


シーン2:1/11・午後21:56・気温-4℃(@0:03〜) 
晩に左奥から登場したカモシカ成獣が、細い落葉灌木の幹に顔の眼下腺をゴシゴシと擦り付けてマーキング(匂い付け)しています。 
左から幼獣が登場して成獣に寄り添いました。(@0:13〜) 
したがって、この2頭は親子(母子)と分かりました。 

母親♀は早々に左へ立ち去りました。 
残った幼獣は、雪に埋もれた溜め糞場sr2の匂いを頻りに嗅ぎ回っています。 
幼獣が頭を下げると、短い角が見えました。 


シーン3:1/11・午後21:57(@1:03〜) 
結局、長居した幼獣も溜め糞場sr2では排泄しないで、立ち去ってしまいました。 
母親の後を付いていったのかと思いきや、幼獣は単独で少し離れた地点の塒に向かいました。(つづく) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
前季から見張っていた溜め糞場sr1にはカモシカが来なくなってしまったので、全く別の地点にある溜め糞場sr2にトレイルカメラを設置し直すことにしました。 
実は私が監視カメラを設置する前にスコップでスギ立木や倒木の下の雪を掘り返してカモシカの糞塊を確認したので、溜め糞場sr2を荒らしてしまったことになります。 
(雪を埋め戻したつもりですが、それでも不自然でした。) 
次にカモシカが来るまでに新雪が積もれば私の狼藉は隠蔽されたのかもしれませんが、暖冬で雪は降りませんでした。 
せっかく溜め糞場sr2に来てくれたニホンカモシカの母子は異変を感じて警戒し、ここでは排便しなかったのかもしれません。 


つづく→

2024/12/12

暖冬で早く雪が溶けたニホンアナグマの越冬用営巣地で換気口を発見?野ネズミの巣穴?

 



2024年1月上旬・午後14:25頃・くもり 

久しぶりに平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の越冬用営巣地(セット)に現地入りしました。 
異常な暖冬のために、林床に積もった根雪がほとんど溶けて地面が露出していました。 

アナグマの巣口Lから少し南に位置する地面に小さな穴が開口していました。 
その穴は斜め下に掘られています。 
積雪期に見つけたときは、アナグマの換気口(空気穴)かと思ったのですが、野ネズミ(ノネズミ)が出入りする巣穴のような気もしてきました。 
雪が積もったときに、この穴の上だけ雪がきれいに丸く溶けているのが不思議でなりません。 
野ネズミの体温や呼気が雪を溶かすほど暖かいことになってしまいます。 
小さな巣口の周囲の雪面に野ネズミの足跡が付いているのも見たことがありません。 
謎の小さな穴から野ネズミが出入りしているかどうか、トレイルカメラをもう1台追加して監視したかったのですが、限られた数の撮影機材で複数のプロジェクトを同時並行で進めているため、諦めざるを得ませんでした。 

折衷案として、たまたま野ネズミが勝手に掘った巣穴がアナグマの居住区画に合流してしまい、意図せずして換気口になってしまったのではないか、と考えています。 
つまり、野ネズミとアナグマが同居しているという説です。 
隙間風が吹き込んで寒いかもしれませんが、大雪が積もってメインの巣口が埋もれてしまったときには、予備の空気穴がないと巣内で冬眠するアナグマたちは窒息してしまいます。 
アナグマが同じ巣穴に居候する野ネズミに対して寛容なのは、そんなメリットがあるのかもしれません。 


つづく→

2024/11/30

雪で埋もれたニホンアナグマの越冬用営巣地で換気口を発見?

 



2023年12月下旬・午後・晴れ 

平地の落葉した二次林でニホンアナグマMeles anakuma)が越冬する営巣地(セット)を定点観察しています。 
トレイルカメラ2台の電池やSDカードを交換したついでに、根雪で埋もれかけた2つの巣口L、Rの様子を動画に撮りました。 
今季は異常な暖冬で積雪量が少ないです。
雪面の雪質は湿雪(いわゆる腐れ雪)のため、獣道に残る足跡は不鮮明でした。 
巣口付近の雪面は、アナグマが出入りするために黒い土で汚れています。 

巣口Lから2〜3m南の地点の雪面に開口している小さな丸い穴が気になりました。 
謎の穴の横に私の右手を並べて、大きさの比較対象としました。 
動画では眩しい雪面とのコントラストの差が大き過ぎて、穴の奥は真っ暗で何も見えません。 
肉眼で見ると、穴の奥に地面が露出していて、地中に小さな丸い穴が開いていました。

野ネズミの巣穴かと初めは思ったのですが、巣口に出入りする野ネズミの足跡や尻尾の跡が雪面に全く残っていません。
トレイルカメラをもう1台設置して、謎の小穴から野ネズミが出入りしているかどうか監視したかったのですが、限られた数の撮影機材をやり繰りして複数のプロジェクトを同時進行しているために、実現できませんでした。

野ネズミの仕業ではないとすれば、ここだけ地熱が高い理由は何でしょう?
もしかするとアナグマの巣穴の換気口(空気穴)かもしれない、と思いつきました。 
中で冬眠・越冬するアナグマ家族の吐く息が暖かいために、換気口の周囲の雪だけが早く溶けたと考えれば説明できそうです。 
地面の黒い土が雪原に少しでも露出すれば、昼間の太陽光で温められて周囲の雪が更に急速に溶けるでしょう。
雪国では冬に巣口が積雪で埋もれてしまうことがありますから、換気口を別に開けておかないと、巣内のアナグマは窒息してしまいます。 
アナグマが意図的に作った換気口とは限らず、トンネルが地中の浅いところに掘られている場合は、天井の薄い部分がたまたま崩落して小さな穴が開いてしまった可能性もあります。 
寒い冬に謎の小さな穴から白い湯気が立ち昇っていたら換気口だと確信がもてるのですけど、それはまだ見たことがありません。
精密に測定できるサーモグラフィカメラは高嶺の花ですが、もしそれで謎の巣穴を撮ったら、穴居性動物の暖かい呼気を検出できるでしょうか?

謎の穴にファイバースコープを突っ込んで調べてみたいのはやまやまなのですが、越冬中のアナグマ家族を怖がらせたり邪魔したくありません。 
高性能の長いファイバースコープは高嶺の花なので、翌年(2024年)の秋に、一脚の先端に取り付けたハンディカメラを巣口Lにそっと差し込んで巣内を初めて撮影してみました。(映像公開予定) 
一脚の長さが短いために、奥の居住区まで見れませんでしたが、少なくとも巣口Lからトンネル(巣坑)は南に向かって真っ直ぐ伸びていることが確かめられました。 
つまり、雪深い厳冬期に見つけた謎の穴はアナグマの換気口だろうという仮説を私はまだ信じています。






【追記】
実は5日前にもアナグマの越冬用営巣地(セット)に現場入りしていて、このとき初めて換気口らしき謎の小穴を雪面に見つけていました。
写真だけ撮っていたので、載せておきます。
このときも穴の周囲の新雪に小動物の足跡は残っていませんでした。








2024/11/29

畦道に残る謎の巣穴と爪痕【フィールドサイン】

2023年12月上旬

平地の水田が減反でソバ畑となり、ソバの実の収穫も終わりました。 
関連記事(同所で4ヶ月前の撮影)▶ ソバ畑に集まり芽生えを食べるキジバトの群れ(野鳥)

私が畦道を歩いて探索すると、野生動物が残した奇妙なフィールドサインを見つけました。 
古い畦道には、コケのたいが一面に生えていました。 
用水路から水を引いている訳でもないのに、見るからにジメジメした土壌です。 
枯れたソバ畑の周囲は、スギの防風林に囲まれています。 

畦道にときどき小さな穴が開けられているのは別に珍しくないのですが、今回は周囲の黒土に爪痕がくっきり残っていて気になりました。 
小さな穴は、畦道を貫通していました。 
これはモグラが巣穴を掘った跡なのでしょうか? 
それとも、もう少し大きな肉食獣(ネコなどの捕食者)が例えば野ネズミを狩ろうとして巣口を掘り広げた爪痕なのでしょうか? 
アナグマやタヌキがミミズや土壌昆虫を捕食しようとして穴を掘った跡なのかな? 
写真を撮るときに、大きさを伝えるために定規を置いて写し込むのを忘れてしまいました。

トレイルカメラを設置して誰の仕業か突き止めたら面白そうです。
しかし、謎の野生動物が同じ場所に通ってくるとは限らず、次に畦道のどこに穴を掘るのか、予想がつきません。 

水田だった頃は、水を張る前に毎年きれいに畦塗り(畦作り)をして、水漏れしないようにする必要があります。 
野ネズミやモグラが水田の畦に穴を掘ると、水漏れが発生して稲作に深刻な影響が出ます。 
米農家は畦に穴を開けられないように、様々な防除対策を求められるのだそうです。
(この部分はAIのCopilotに調べてもらいました)
・物理的バリア: ネズミやモグラが通れないような細かい金網や防獣ネット、鉄板などを畦道に設置する。 
・防除植物の植栽: モグラが嫌う香りを持つ植物(タイムやローズマリーなど)を畦道に植える。 
・超音波装置: 超音波で小動物を追い払う装置を設置する。 
・電気柵の設置 
・天敵の導入: 野生の捕食者(ヘビやフクロウなど)が活動しやすい環境を作る。
言うは易しで、実際にきっちり対策しようとするとコストが大変そうです。 
例えば流行りの超音波装置を設置すると、当然ながらフクロウやヘビなどの天敵にも忌避効果が出てしまうらしい。
そもそも土壌の中で超音波は伝播しにくく、地中のモグラや野ネズミへの効果は薄いと考えられます。
ちなみに、この農地では周囲のスギ防風林のてっぺんにノスリが止まっているのをよく見かけますし、フクロウもよく鳴いています。
野ネズミなどの小動物を狙って猛禽が狩りに来ているのだろうと予想しています。
(捕食シーンは未見です)


2024/11/28

落葉したハクモクレンの樹上に見つけたコガタスズメバチの古巣



2023年12月下旬・午後15:10頃・くもり 

やや郊外の住宅地で、落葉した庭木の樹上にコガタスズメバチVespa analis insularis)の丸い古巣がぶら下がっているのを見つけました。 
冬芽(つぼみ)の特徴から、営巣木の樹種はおそらくハクモクレンだと思われます。
(春に咲いた白い花で確認できました。) 
ちなみに、ハクモクレンの隣にはシダレザクラが植栽されています。 

気温の低いこの時期(初冬)はコガタスズメバチのコロニーがとっくに解散した後ですから、落ち着いて古巣をじっくり観察することができます。
巣口があったと思われる面の外皮が削ぎ落とされたように壊されていて、中の巣盤の構造がよく分かります。
おそらく蜂の子を捕食した野鳥の仕業だと予想されます。


現場では気づかなかったのですが、撮った写真を拡大すると、興味深い発見がありました。
巣内の巣盤の下に何か謎の昆虫が潜り込んで隠れていたのです。
コガタスズメバチの新女王が古巣で越冬している可能性もありますが、謎の虫は体型が扁平です。
おそらくコガタスズメバチと同居していたゴキブリの一種(ヤマトゴキブリ?)ではないかと予想しています。

関連記事(3、8年前の撮影)▶ 



 

2023年12月下旬・午後14:40頃・晴れ 

2日後に晴れたので、古巣の動画を撮りに出かけました。 
完全に落葉したハクモクレンの枝先に吊り下げられたコガタスズメバチの古巣が風に揺れています。
雨や雪が降ると巣の外皮の上面は濡れる訳ですが、日陰では薄氷のまま溶けずに残っていました。

古巣を下から見上げると、育房の白い繭キャップが破れています。
これはコガタスズメバチの成虫が羽化した痕跡です。
巣盤の隙間に潜んでいた謎の虫の姿は居なくなっていました。
外皮の破損(鳥による食害?)が前回よりも明らかに拡大しているので、今後もときどき定点観察に通うことにします。


現場は交通量の多い車道(子供の通学路)の道端です。
スズメバチの巣が駆除されずに無事にコロニーが解散するまで営巣を全うできたのが奇跡です。
私も夏に何度も横を歩いて通り過ぎていたのに、樹上に生い茂った葉が散るまではコガタスズメバチの巣の存在に全く気づきませんでした。
コガタスズメバチのコロニーは通行人を刺したりしないで、ひっそりと暮らしていたようです。
ヒトとコガタスズメバチが「知らぬが仏」で共存できているという実例がまたひとつ増えました。
夏に大きくなる巣を放っておいても刺傷事故は起きなかった、ということです。
少なくとも当地(雪国の街なか)では、このぐらいの巣(コロニー)の大きさが限界で、これ以上は大きくなれないと分かってきました。
蜂嫌いの人々がすぐ感情的に反論してくるのが予想できるので、観察に基づいた私の主張は注意深く限定され、安易な一般論にしてないことにご注意下さい。
過去にスズメバチに刺された経験があり、次に刺されたらアナフィラキシー・ショックで死ぬと恐れている人は、エピペンを常に携帯していれば安心できます。

庭木のハクモクレンにコガタスズメバチが巣を構えたことで、周囲の様々な昆虫を日々大量に狩って捕食したはずですから、庭や家庭菜園に発生する害虫の数の抑制に貢献してくれたはずです。
益虫、天敵農薬生物的防除生態系サービスなどと様々な言い方に変えても、社会性のスズメバチ類を殲滅してはいけない理由を一般の人になかなか分かってもらえません。
生態系ピラミッド(食物連鎖)の上位に位置する捕食者が絶滅してしばらくすると、初めてその役割やありがたみが身にしみることになります。
ニホンオオカミを安易に絶滅させたせいで現代の山林でニホンシカなどが爆発的に増え、生態系に破壊的な打撃を与えています
年々悪化するシカ問題への対応(駆除や防除など)に未来永劫膨大なコストがかかり、日本経済への負担となっています。
これを教訓として、スズメバチ問題にも活かしてもらいたいものです。




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