2025/07/07

山中の水溜りでヌタ打ちするニホンイノシシ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月中旬

シーン0:6/17・午後12:50・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:6/17・午後12:25・晴れ(@0:04〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林の中に少し開けた湿地帯があります。
野生動物や野鳥が来て水場として利用する、湧き水や雨水が溜まった水溜りを2台の自動センサーカメラ(旧機種)で見張っています。 


シーン1:6/19・午後21:41(@0:07〜) 
晩にニホンイノシシSus scrofa leucomystax)が単独で水場に現れ、浅い水溜りSに入っていました。 
鼻面で泥を掘り起こしながら前進しています。 
イノシシ観察歴の浅い私には股間を見ても外性器が分からず、腹面に乳首も見当たりませんでした。 
牙が小さいので♀でしょうか。 

身震いして顔の泥を軽く落としてから、右上奥にある別の泥水溜まりNへと移動しました。 
その動きに反応して、別アングルで設置した監視カメラが起動しました。 
イノシシは警戒心が強いので、トレイルカメラの存在に気づくとすぐに逃げてしまうと思っていたのですが、今回は別に気にしていないようです。 
トレイルカメラに慣れてくれたのかな? 

鼻面で浅い水溜まりの底の泥を掘り返して深くすると、腹面全体を泥水に浸して、気持ち良さそうにしばらくじっとしています。 
立ち上がると、身震いして軽く泥を落とし、左奥の岸に上陸しました。 


シーン2:6/19・午後21:40(@1:37〜) 
別アングル(反対側)に設置した監視カメラの映像に切り替えます。 
右から来たイノシシが泥水溜まりNに入っていました。 
鼻面を使って水底の泥濘を掘り起こし、水溜りを深く広くしています。 
水底を掘る時は、目に泥が入らないようにつぶっています。 
ヌタ場作りの土木工事が終わるとして向きを変え、ほぼ全身を泥濘に浸しました。 
背中だけは泥で濡らしませんでした。 
鳥の水浴とは違って、背中に泥水を積極的にかけることはしませんでした。 
泥濘の中でもっと激しく転げ回るかと期待したのですけど、意外におとなしかったです。 
立ち上がると身震いしてから、右へ歩いて上陸。 


シーン3:6/19・午後21:42(@2:37〜)
泥浴びを終えたイノシシが、左の緩斜面を登って林道の方へ立ち去りました。 

ヌタ打ち直後はもっと激しく身震いして全身の泥を周囲にぶち撒けて行くと思っていたのですが、私の予想は外れました。 

トレイルカメラ1台が照射する赤外線では遠くまで充分な光量が届かず、暗くて粗い映像です。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ ヌタ打ちの水音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
悲願だったイノシシのヌタ打ち(泥浴び)シーンがようやく撮れて、感無量です。 
録画時間を60秒間から90秒間に延長しておいてよかったです。 
手前Sよりも奥の水溜りNの方が水底を深く掘れて、イノシシが泥浴びしやすいのでしょう。 
あるいは泥質に微妙な違いがあるのかもしれません。 
水飲み場Sとヌタ打ち場Nを使い分けている可能性もあります。

イノシシは、水溜りが浅くなったら定期的に浚渫工事をしてくれる生態系エンジニアとしての役割を果たしていると言えそうです。
ここは元々、山の湧き水が滲み出してくるただの湿地帯だったのに、イノシシが掘り返してくれるおかげで水溜りが常設され、他の生き物も水を飲んだり浴びたり産卵したりできる貴重なハビタットになったのかもしれません。



つづく→

0 件のコメント:

コメントを投稿

ランダムに記事を読む