2012/09/15

アカハライモリが菜食?




2012年7月上旬

山中の池でアカハライモリ(別名ニホンイモリ:Cynops pyrrhogasterを発見。
腹面が鮮やかな紅色なので、繁殖期の♀でしょうか。
イモリはこんちゅーぶ!初登場になります。

水面の水草(浮草? 種名不詳)をアカハライモリ♀が水中から採食していました。
口で葉を咥えたまま水中でスピンします。
確か両生類に歯は無いはずですが、食い千切るための動きだとしたら、動物番組でよく登場するワニやウナギのdeathrollを連想しました。
イモリは肉食性のはずですけど、ベジタリアンがいる(水草も食べる)とは知りませんでした。

たまたま水生昆虫などの獲物を捕食したついでに水草も口に入ったのかもしれません。
食べかけを咥えたままあちこち泳ぎ回ります。
水草の葉の下に潜り、姿が見えなくなりました。
結局最後まで水草を飲み込めていません。

両生類にはまるで疎い私は撮影しながら「イモリは水草を集めて水中に巣を作るんだっけ?」とあらぬ妄想までしてました。


【追記】
『日本動物大百科5:両生類・爬虫類・軟骨魚類』でアカハライモリについて調べると、

・おもにミミズ、昆虫、カエルの幼生などの小動物を食べる。(p27より)
・♀は、水中の落ち葉や草の根などを後ろ足でたたみ、そのなかに1個ずつ卵を産みつけていく。(p24より)




【追記2】
小林朋道『先生、大型野獣がキャンパスに侵入しました!: 鳥取環境大学の森の人間動物行動学』を読むと、イモリの食性をどうやって調べたか書いてありました。
アカハライモリについては、一個体ごと容器に入れて一昼夜過ごさせ、その間に排泄した糞を顕微鏡で見てもらった。糞をほぐすと消化されなかったものが見えるのだ。(中略)イモリは陸上のクモや昆虫を食べていた。 (p208より引用)



【覚書】
アカハライモリの腹の模様は人間の指紋のように個体ごとに異なるらしく、一匹ずつ捕獲して写真に撮れば個体識別が可能。
(『先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!:鳥取環境大学の森の人間動物行動学』p48より)





クロバナヒキオコシの茎を食すキスジアシナガゾウムシ




2012年6月上旬

クロバナヒキオコシの茎にゾウムシのペアを発見。
♂が♀の背中に乗っているものの、交尾器は結合していません。
交尾後ガードなのかな?
体長は♂<♀。
いつもお世話になっている虫我像掲示板にて質問したところ、蛾LOVEさんよりキスジアシナガゾウムシだろうと教えて頂きました。

♀は頻りに長い口吻をクロバナヒキオコシの茎にグサグサと突き刺しています。
茎の側面に生じた裂け目から中の黒い口吻が覗いて見えます。
茎の髄に穿孔して産卵しようとしているのか、それともただの採食行動でしょうか。
ちなみにシソ科の茎は断面が四角形(正方形)です。

本種の幼虫はイラクサ科のヤブマオやキク科アザミの茎の中に棲み、そこで蛹になる
らしい。
♀はヤブマオの茎を切断して産卵するとの記述もありました。
クロバナヒキオコシ(シソ科ヤマハッカ属)は科も違いますし、産卵目的ではなさそうです。
茎のかなり広範囲が傷ついていた(食痕)ので、産卵口を開けていたのでは無いように思います。
♀は色気より食い気なのでしょう。

警戒した♀が茎から口吻を抜きました。
(抜く瞬間は撮り損ねました。)
茎の裏側にゆっくり回り込みながら口吻を前脚で拭います。
背側を接写しようとレンズを向けると茎の裏側にくるりと回り込んでしまいます。
最後はうっかり草むらを乱してしまい、擬死落下して見失いました。



恋人とキスする前にミントを噛んで口臭ケア?
【追記】
茎の傷から出る匂いが、交尾相手の♂を惹き寄せるのかもしれません。(『カラー自然シリーズ47:ゾウムシ』p12より)

2012/09/14

コガラの行水と羽繕い【野鳥】




2012年7月上旬

山中にひっそりと佇む沼で水浴する野鳥を待ち構えて、こっそり撮影しました。
混群で飛来した中のコガラ篇です。

浅瀬で素早く行水すると岸の潅木に戻って羽繕い。
鳴きながらこれを何度も繰り返します。




2012/09/13

毒虫アオバアリガタハネカクシを捕食したトノサマガエルが嘔吐




2012年7月上旬

池から岸に上陸したトノサマガエルPelophylax nigromaculatus)を何気なく撮っていたらスクープ映像が撮れました。
スギの落ち葉に乗り、こちらを向いて静止しています。
その場で方向転換すると、たまたま目の前を横切った虫を電光石火の早業で捕食しました。
ところがすぐに舌を出して吐き出しました。


岸辺の日当たりが良過ぎて白飛び気味ですが、映像を何度も見直すと獲物の正体はアオバアリガタハネカクシPaederus fuscipes)のようです。
この甲虫(ハネカクシ科)の体液にはペデリンという強力な有毒物質を含むことで有名です。


※アオバアリガタハネカクシ1個体の抽出物の半量がハツカネズミのLD50で,皮膚に接触させると特有の壊疽を生じる。(『最新医学大辞典』より)
アオバアリガタハネカクシの分泌する体液が皮膚につくと,体液中の毒物質ペデリンにより痒みが起こり,発赤,水疱を生ずる.虫を払いのける際,こすった部分が線状に“みみず腫れ”になるのが特徴(線状皮膚炎).眼に入ると激痛,結膜炎,角膜潰瘍,虹彩毛様炎などを起こす.

派手なツートンカラーの体色は、毒虫であることをアピールする警戒色(警告色)なのでしょう。
幸い飲み込む前だったようで、トノサマガエルが胃を洗う行動(※)は見られませんでした。
ひどい目にあったこの蛙は二度とアオバアリガタハネカクシを捕食しないでしょう(学習)。
解放されたアオバアリガタハネカクシは何事もなかったかのように逃走。



カエルが獲物を狩る瞬間を撮れたのは初めてです。
どうせなら、スローモーションでリプレイして見せればよかったですね。




【参考映像】
※ 懐かしの某番組で紹介されたネタ「カエルは異物を飲み込むと胃袋ごと吐き出す」。



2012/09/12

メジロの行水と羽繕い【野鳥】



2012年7月上旬

山中の沼で行水する野鳥を待ち伏せして隠し撮り。
混群で飛来したなかのメジロ篇です。
素早く行水すると岸に生えた潅木の枝に戻って羽繕いしています。
目白押しという程ではありませんが、少なくとも2羽が繰り返し水浴びしていました。





2012/09/11

アカショウマの花で吸蜜するホソオビヒゲナガ♀(蛾)




2012年7月上旬

アカショウマの花蜜を吸うホソオビヒゲナガ♀(Nemophora aurifera
)を接写してみました。
側面から撮ると、伸ばした口吻が見えます。
触角の根元側に黒い羽毛状の毛が密生する♀は初見かも。




植物はトリアシショウマと迷ったのですが、アカショウマだと思います。
(あまり自信がありません…。)
『野草見分けのポイント図鑑』p157によると、トリアシショウマの花序は下部の枝が更に分岐するはず。
ヤマブキショウマ雌株かも?(科が違う)







スギ倒木を徘徊するアリモドキカッコウムシ



2012年7月上旬

朽ちたスギの倒木上で見慣れない変な虫が歩き回っていました。
帰ってから調べてみると、アリモドキカッコウムシというカッコウムシ科の甲虫のようです。
どうやら肉食性のようです。


本種はマツ類の倒木に集まり、樹皮下にいるキクイムシ類を捕食するらしい(『日本動物大百科10昆虫Ⅲ』p129より)。



2012/09/10

ヒガラの水浴と羽繕い【野鳥】



2012年7月上旬

山中の沼で水浴びする野鳥を観察しました。

シジュウカラにしてはなんか変だなと思ったら、ヒガラPeriparus ater insularis
でした。
白い後頭部が目に付きます。
岸に近いところで水浴と羽繕いを何度も繰り返しています。
混群で沼に飛来した中の1羽です。




2012/09/09

ヤサアリグモ♂(蜘蛛)




2012年7月上旬

山中の池の畔に立つスギの根元でやけに細長い、得体の知れない黒い虫がいるなと思ったらアリグモでした。
ヤサアリグモ♂はこんちゅーぶ!初登場になります。
予備知識がなければ絶対にハエトリグモ科とは分からないでしょう。

歩き始めると結構素早い動きです。
アリに擬態していると言われていますが、私はそれほど似ているとは思いませんでした。
(こんな蟻いるかな?)
林床を徘徊してすぐに葉裏に隠れてしまいます。

撮影後に同一個体を採集してみました。
クモの体長は糸疣や上顎を含めないらしく、この個体は約4mmでした。
とてにかく頭胸部が巨大で、いかにも重心がアンバランスに見えます。






アカシジミの飛び立ちハイスピード動画



2012年6月下旬

雑木林のフィールドを歩くと下草でアカシジミJaponica lutea lutea)が休んでいました。
飛び立つ様子をハイスピード動画(220 fps)に撮影してみました。
休む際は常に翅を立てて(閉じて)いるため、翅表の紋様を拝むには飛び立つ瞬間を捉えるしかありません。
翅表の前翅頂は焦げ茶色。

夥しい数のアカシジミがいるので選り取り見取りです。
午後になると樹冠を飛ぶようになるため、撮るのは難しくなります。

飛び立ってもそれほど遠くには行かずすぐに着陸するのですが、至近距離に止まっても互いに没交渉です。
近くを飛んでも乱舞や求愛行動を始めないのが少し不思議でした。
たまたま同性なのか、それとも午前中は全く求愛しないのだろうか(賢者モード)?






【おまけ】
後翅の破損した個体がいました。
鳥に捕食されそうになり、命からがら逃げてきたのかもしれません。
シジミチョウは休む際に後翅を擦り合わせるように動かして尾状突起を自らの触角に擬態しているとの説があります。
捕食者に体の前後を逆に錯覚させ、頭部に致命傷を受けるのを避けるためだ、というもっともらしい説明がなされます。
このようなビークマーク(捕食痕)の証拠写真を撮り貯めれば面白いかもしれません。




しかし、視覚に頼らずに狩りをする造網性クモにはそのような擬態作戦は通用しません。


クサグモ幼体の棚網にかかり、餌食になったアカシジミ


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