2021/10/02

アベリアの花で穿孔盗蜜するセイヨウミツバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年7月中旬・午後16:25頃・晴れ 

庭の生垣に植栽されたアベリア(別名ハナツクバネウツギ、ハナゾノツクバネウツギ)でセイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀がブンブン♪羽音を立てて何匹も訪花していました。 
この組み合わせは初見です。
小さなラッパ状の花筒にセイヨウミツバチ♀は正当訪花せずに毎回、穿孔盗蜜するので、後脚の花粉籠が空荷なのは当然です。 
セイヨウミツバチ♀は花の雄しべや雌しべに全く体が触れずに吸蜜するだけで、アベリアの受粉に全く役立っていません。

盗蜜シーンおよび花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:18〜) 
複数個体を撮影。

 

夕方の山林で樹上を移動するニホンザルの群れ

 

2021年7月中旬・午後17:30頃・くもり 

夕方に私が里山から下山していると、麓の里から野生ニホンザルを追い払う爆竹(空砲)の爆音が聞こえてきました。(猿害対策) 
しばらくすると、山に逃げ帰って来たニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れと遭遇しました。 
群れの間で静かに鳴き交わすコンタクトコール♪(クーコール♪)や枝がポキポキ折れる物音が近づいてきたので、私は山道で立ち止まって待ち伏せすることにしました。 

雑木林で木に登り降りする複数個体(若い子ザルたち)の様子をまとめてみました。 
私がカメラを向けると警戒して逃げてしまいます。 
樹上で採食したかもしれませんが、すぐに見失ってしまい、採食シーンは撮れていません。 

また別の子ザルが木に巻き付いた太い蔓の上に腰掛けて体をボリボリ掻きました。 
2本の蔓が互いに螺旋状に巻き付いています(二重螺旋!)。
蔓が左巻きなのでフジ(藤)ですね。 
やがて立ち上がると樹上を遊動再開。
※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 
動画の画質が粗くてピントが甘いのは、夕方のしかもかなり薄暗い森の中という悪条件で撮ったからです(手持ち夜景モード)。 
現場の森は里山の東斜面なので、太陽が山の陰に隠れると日没時刻よりもだいぶ早く暗くなります。 
前半部は更に逆光という三重苦でした。 
写真派のヒトはストロボを焚けば簡単に解決しますけど、動画で行動を記録したい私は薄暮時の撮影にいつも苦労します。 
強力なライトなんか山中で持ち歩けませんし、急に眩しい光で照らしたら野生動物は怖がって逃げてしまいます。 


2021/10/01

タヌキの溜め糞にオシッコをかけて吸い戻しをするキバネセセリ♂


2021年7月中旬・午後15:20頃・晴れ 

里山の山道にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が残した新鮮な溜め糞を見つけました。 
周囲はスギ林で、ちょうど溜め糞のある位置が日だまりになっていました。 

ハエ類に混じって1頭のキバネセセリ♂(Bibasis aqulina chrysaeglia)も来ていました。 
「うんちレストラン」の常連客です。 
(キバネセセリの)♂は吸水性が強く、路上や川原、崖などの湿った場所で集団で吸水するほか、樹液や獣糞などにも集まる。( 『フィールドガイド日本のチョウ』p275より引用)
翅を閉じたまま茶褐色の口吻をチロチロと小刻みに動かして、獣糞の表面をひたすら舐めています。 
性成熟に必要なナトリウムイオンやアンモニウムイオンなどのミネラル成分を摂取しているのだそうです。
関連記事(13年前の撮影@ツキノワグマ?の糞)▶ 獣糞に集まるキバネセセリ
獣糞がときどき動くのは、溜め糞の下に潜り込んだ糞虫の活動によるものです。 
(糞をほじくって確認すべきでしたね。) 
足元が地殻変動しても、吸汁に夢中のキバネセセリ♂は逃げようとしません。 

獣糞を吸汁しているキバネセセリ♂の腹端の動きに注目して下さい。
ときどき腹部を前方に曲げて腹端から透明な液体をポタリと排泄しています。 
自分のオシッコで獣糞の表面を溶かすと、口吻を伸ばしてその溶液を吸汁するのです。 
この行動はセセリチョウ科に特有の「吸い戻し」です。 
蝶の成虫の口器(口吻)は固形物のミネラルをそのまま摂取できませんから、液体に溶かす必要があるのです。

たまに飛び立っても、キバネセセリ♂はすぐに溜め糞に舞い戻って来ます。 
あちこち徘徊しながら獣糞を長々と舐め続けています。 
溜め糞の場所によって、お目当てのミネラル成分に濃淡があるのでしょう。 


柳の樹上で警戒声を発するモズ♀(野鳥)

 

2021年7月上旬・午後14:40頃・くもり 

冠水した氾濫原で私がアメリカザリガニを撮っていると、背後でモズLanius bucephalus)が喧しく鳴き騒いでいました。 
何事かと私が振り返ると、横枝に止まったモズ♀が尾羽をグルグル回しながら、キチキチキチ…♪と鋭く鳴いていました。 
ときどき素早くお辞儀するのは、飛びかかるぞ!という威嚇(ブラフ)なのかな? 
私が動画を撮り続けると、モズは枝葉の茂みの陰に隠れて鳴き続けます。 
周囲のヨシ原からオオヨシキリ♂がさえずる鳴き声♪も聞こえます。 

たまたま同じ時期に餌乞いするモズ幼鳥を撮影したばかりだったので、今回の個体も幼鳥なのかと迷いました。
関連記事(同時期に別の場所で撮影)▶ 餌乞いで鳴く♪モズの幼鳥(野鳥)
今回の個体は下嘴の根元が橙色(黒ではない)で、嘴の内部が赤っぽく見えたのですけど、改めて比較すると、餌乞いした幼鳥は口内がもっと真っ赤で嘴が鮮やかな橙色で縁取られていました。 
したがって、今回の個体はどうやら成鳥♀のようです。 
縄張り内に侵入した私に対して警戒声を発していたのでしょう。 
近くに営巣木がありそうですが、巣を見つけられませんでした。 

日本の野鳥さえずり・地鳴き図鑑』によると、
地鳴き:ギチギチギチなどと鳴く。 他の鳥よりも春早い時期に繁殖に入る。巣立ちビナがいるあたりに人やネコ、カラスが近づくと、ギチギチとうるさく鳴き騒ぐ。(p34より引用)

モズ♀の警戒声を声紋解析してみる?

2021/09/30

ネムノキで訪花・採餌するキムネクマバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年7月中旬・午後13:55頃・晴れ 

堤防の土手に自生するネムノキの灌木で多数のキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が忙しなく訪花していました。 
ネムノキの花粉を全て採り尽くした後なのか、どの個体も後脚の花粉籠は空荷でした。 
つまり、クマバチ♀たちは吸蜜に専念している事になります。 
隣の花には飛ばずに歩いて移動しています。 
夏の青空を背景にピンクのネムノキの花と黄色のクマバチの組み合わせは、なかなか絵になります。 

この組み合わせは撮影済みですけど、今回は間近でクマバチ♀の採餌行動をじっくり観察することが出来ました。 
以前の撮影ポイントは民家の庭木なので、近づけないのです。
関連記事(3年前の撮影)▶ ネムノキの花で採餌するクマバチの群れ
やり残していた宿題の240-fpsハイスピード動画も今回は撮ることができました。(@1:57〜) 
花から飛び立つ瞬間を狙って撮影します。 
風揺れに悩まされる日でも、スーパースローで見ると気にならなくなります。 

クマバチ♀はネムノキに訪花しかけても着陸をためらい飛び去ったり、花に軽く足を掛けただけで吸蜜せずに飛び去ることがありました。 
優秀なハナバチ類は、花の芳香などで花蜜の流量が予測できるのかな?

山林で聞こえたサンコウチョウ♂のさえずり♪(野鳥)

 

2021年7月中旬・午後16:45頃・晴れ 

里山を歩いていると(標高約430m地点)、山林の奥(やや遠く)から憧れのサンコウチョウ♂(Terpsiphone atrocaudata)がさえずる鳴き声が聞こえました。 
スギ林の奥は雑木林のようですが、残念ながら鳴き声の主の姿は見つけられませんでした。 
山形県でサンコウチョウは絶滅危惧種Ⅱ類(VU)に指定されています。 
美しい鳴き声だけでも証拠として録音しておきます。 
実はもっと前から鳴いていたのに私は聞き流していて、「サンコウチョウだ!」と気付くまでに時間がかかってしまいました。 

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。  


サンコウチョウの囀りを声紋解析してみる?  

(サンコウチョウの)地鳴きは、「ギィギィ」と地味だが、囀声は、「ツキヒーホシ、ホイホイホイ」月・日・星、と聞えることから、三光鳥と呼ばれている。(wikipediaより引用)
日本の野鳥さえずり・地鳴き図鑑』でサンコウチョウの鳴き声を調べると(p66)、
さえずり: ピーチャポイ、ホイホイホイとさえずる。 地鳴き: ギィギィと地味な声で鳴く。


暗い森でひっそりと暮らすサンコウチョウの姿を撮るのは至難の業です。 
関連記事(9年前の撮影:警戒の地鳴き)▶ サンコウチョウ♂の鳴き声【野鳥】
最近『所さんの目がテン』というテレビ番組を視聴していたら、プロのバードウォッチャーがサンコウチョウの写真(動画)を撮る裏技として、プレイバック実験を紹介していました。 
予め録音しておいたサンコウチョウの鳴き声を野外で流すと、縄張り意識の強い♂が対抗して鳴きながら近づいて来るのです。 
私もいつか試してみたいのですが、一般論として、繁殖期の野鳥に対してプレイバック実験を繰り返すと♂に大きなストレスを与えてしまう(撹乱)らしいので最小限に留めるべきです。 
その点について番組で一言、配慮を呼びかけた方が良かったかなと思いました。 
番組に対して揚げ足を取ったり何でもかんでも苦言を呈するクレーマーにはなりたくないのですけど、これは気になりました。

2021/09/29

アベリアの花で穿孔盗蜜するクロマルハナバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年7月中旬・午後16:20頃・晴れ 

民家の庭の生垣として植栽されたアベリア(別名ハナツクバネウツギ、ハナゾノツクバネウツギ)の白い花が満開に咲いています。 
そこにクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が訪花していました。 
複数個体がブンブン♪と羽音を立てて飛び回っています。 
吸蜜法をよく観察すると、花筒の入り口から顔を突っ込んで口吻を差し込んではいません。 
つまり、正当訪花する個体は1匹もいませんでした。 
ラッパ状の花筒の根元に外側から蜜腺を狙って口吻を突き刺す穿孔盗蜜を毎回繰り返していました。 
雄しべや雌しべに体が全く触れませんから、アベリアの花の受粉に寄与しません。 
したがって、クロマルハナバチ♀の後脚の花粉籠は当然ながら空荷でした。 
アベリアにしてみれば、せっかく送粉者への報酬として用意した花蜜が盗まれ損になります。 

クロマルハナバチの盗蜜行動自体は既にFHD動画で撮影済みです。
関連記事(4年前の撮影)▶ アベリアの花で盗蜜するクロマルハナバチ♀
今回は240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:34〜) 
アベリアの花筒の根元には盗蜜痕が残り、傷口が薄い褐色に変色しています。 
花筒に小さな盗蜜痕が既にある場合、クロマルハナバチ♀は目敏く見つけてそこに口吻を差し込んでいます(二次盗蜜者)。 
無傷の花筒に一番乗りで盗蜜する場合は大顎で噛み傷を付けるのではないかと推察されるのですが、そのような一次盗蜜者の行動を私は未だしっかり観察できていません。 
隣の花へ移動する際は、わざわざ飛ばずに歩いて行きます。 
次の花へ向かう途中、空中でホバリングしながらなぜか左右の後脚を互いに擦り合わせていました。 

本当に面白いのは、この先の話です。 
つづく→


【追記】
石井博『花と昆虫のしたたかで素敵な関係 受粉にまつわる生態学』という本のp190に「アベリアの花のつけ根に穴を開けて強奪型の盗蜜をするクロマルハナバチ」と題した見事な生態写真が掲載されていました。
花の破壊を伴わないタイプの盗蜜行為を「窃盗型盗蜜(または泥棒型盗蜜)」というのに対し、花筒の横に顎(または嘴)を使って穴を開け、そこから花蜜を吸うタイプの盗蜜を「強盗型盗蜜(または略奪型盗蜜)」といいます。(p189より)

雨上がりの堤防路に上陸したアメリカザリガニ♀と遊ぶ:威嚇・起き上がり運動・一時捕獲など

 

2021年7月中旬・午後12:15頃・くもり 

堤防路から水辺に降りる緩やかなスロープの舗装路を散歩する大型のアメリカザリガニ♀(Procambarus clarkii)を見つけて驚きました。 
雨上がりに湿地帯から上陸して、こんな上までスロープを自分の脚で登って来たようです。 
ザリガニは鰓呼吸ですが、鰓が濡れていれば陸上でも呼吸が可能なのです。
関連記事(1年前の撮影)▶ 干上がった小川の土手に巣穴を掘って隠れるアメリカザリガニ

私がカメラを持って近づくと、左右のハサミを同時に高々と振り上げて威嚇してきます。 
持っていたビニール傘の先で突こうとすると、ザリガニはハサミで反撃してきます。 
しかし反応がいまいち遅いので、怖くありません。 
アメリカザリガニはハサミで私を牽制しながら、じりじりとスロープを後退し始めました。 

アメリカザリガニを仰向けにひっくり返す度に、ジタバタ暴れてから5対の脚および尾を使って自力で起き上がりました。 
起き上がった後は威嚇姿勢(ファイティングポーズ)を続けています。 

隙を見てザリガニの頭胸甲の側面を左手で摘んで一時捕獲しました。 
ハサミで指を挟まれないように注意しながら、腹面や側面を接写。 
腹面の腹肢をよく見ると、この個体は♀と判明しました。 
囚われたアメリカザリガニ♀はハサミが使えなくても腹肢を背側に回して私の指を払いのけようとしています。 

左右のハサミを高々と持ち上げて威嚇誇示した際に、バランスを崩して自ら転ぶことがありました。 
それでもすぐに自力で起き上がります。 
15cm定規を横に置いて採寸しました。 
ザリガニの目の前に私が薄い定規を差し出しても、なかなかしっかり挟んでくれず、挟む力も弱いです。 
武器としては見掛け倒しでした。 
ハサミを閉じた状態で隙間ができるのが♀の特徴の1つなのだそうです。 

私がしつこく構ったせいで、アメリカザリガニ♀は顔の左側からブクブクと白い泡を吹き始めました。 
この位置に鰓があるのかな? 
撮影後はスロープの下に広がる湿地帯に戻してやりました。
(今後、外来種のアメリカザリガニは駆除の対象となりそうです。)

2021/09/28

柳の樹液を吸いながら片足を上げて排尿するカブトムシ♀【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年7月中旬・午後14:20〜15:05・晴れ 

湿地帯に生えた柳の木(樹種不詳)の幹から樹液が滲み出していて、カブトムシ♀(Trypoxylus dichotomus)が来ていました。 
柳の樹液酒場にカブトムシが来るとは意外でした。 
幹に残るカミキリムシ♀の産卵痕(地上〜2mの地点)から樹液が出ています。 
その後にスズメバチ類が更に樹皮を齧り取って樹液の分泌を促したかもしれません。 
私の鼻では樹液の発酵臭を何も感じませんでした。 
(風向きの問題なのか、それとも最近になって樹液が出始めたばかりなのかな?) 

カブトムシ♀は柳の幹の同じ場所に居座ってひたすら樹液を吸汁しています。 
アングルを変えても口吻の伸縮などは見えませんでした。
カブトムシ♀の鞘翅の表面はうっすらと土で汚れていたので、羽化直後なのかもしれません。 
やがて、透明な液体を腹端から排泄しました。(@0:13) 
初回は分かりにくいので、まずは1/5倍速のスローモーションでご覧ください。 
直後に等倍速でリプレイ。 
腹端の排泄孔がよく見えず、透明な液体がジュワッと滲み出た感じです。 
初回は排尿時に片足を持ち上げていません。 
そのため、おしっこが幹に直撃して自分の体に跳ね返ったようです。 
排尿直後に後脚で腹端を拭いました。 
これ以降、カブトムシ♀は学習したようで、自分の体を汚さないように片足を持ち上げてからオシッコするようになりました。 

排尿シーンをしっかり記録するために、後半から三脚を立ててカメラを固定し、長撮り監視しました。
右後脚の先で再び腹端を拭いました。(@1:06) 
先程の排尿失敗で濡れてしまった腹端を気にして拭いたようです。 (この尻拭き行動はその後二度と見られなくなりました。) 

しばらくすると、ようやくまた排尿しました。(@1:21) 
今度は右後脚を軽く持ち上げてから、透明な液体を勢いよく後方に噴射しました。 

次は側面から撮ってみます。 
前回と同じく右後脚を軽く持ち上げて体を傾けながら、犬の小便のように排泄しました。(@1:33) 
毎回決まった足を持ち上げるのは、この個体の利き足なのかな? 
それとも、たまたま止まった幹の形状(凹みなど)などから決まってくるのかもしれません。 

次は240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:42〜) 
排尿シーンは(@1:47、2:03、2:22)。 
オシッコし終わった後に腹端に残った最後の雫は、幹に付くと吸い込まれるように無くなりました。 

排尿間隔は? 撮り損ねた回がある?

私は以前、ノコギリクワガタ♀の排尿シーンを飼育下で観察したことがあります。
関連記事(6年前の撮影)▶ ノコギリクワガタ♀のおしっこ噴射【ハイスピード動画】
ノコギリクワガタ♀も腹端を少し持ち上げてピューッと排泄します。 
しかしカブトムシ♀とは異なり、排尿の瞬間にノコギリクワガタ♀は一度も片足を持ち上げませんでした。

撮影後にカブトムシ♀を採寸すべきだったのに、この日はとにかく暑くて、熱射病気味の私はすっかり忘れてしまいました。
気温も測ってません。
 
私はヤナギの種類を見分けるのが苦手です。 
この柳の枝葉や幹の映像・写真から樹種を見分けられる方がいらっしゃいましたら、教えて下さい。
つづく→樹液酒場でカブトムシ♀を襲うモンスズメバチ♀【ハイスピード動画】

水辺の獣道を深夜に歩くニホンイタチ【トレイルカメラ】

 

2021年7月中旬・午後23:31・気温16℃ 

タヌキが利用していると思われる水辺の獣道に無人のセンサーカメラ(トレイルカメラ)を仕掛けると、意外な哺乳類が写っていました。 
これはニホンイタチMustela itatsi)ですかね? 
イタチの仲間について勉強不足な私は、テン(ホンドテン)と迷っています。 
赤外線による暗視映像(モノクロ)なので、動物の体色が分かりません。(※ 追記参照) 
体長についての情報も、この映像からは不明です。 
比較対象として、画角内に長さ1mの棒などを予め置いておくべきでしたね。 
現場は山地ではなく平地の湿地帯周辺なので、テンを除外しました。 

深夜にニホンイタチはトレイルカメラの前を右から左へ横切りました。 
遊歩道の匂いを嗅ぎながら、跳ねるように移動します。 
走る際は左右の両足を揃えて跳ぶので、細長い体幹と相まって尺取虫のような動きになります。 
短い映像を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

泥だらけの路上にアメリカザリガニの死骸が1匹転がっているのですが、イタチは特に興味を示しませんでした。 
おそらく腐敗臭を嫌ったのでしょう。 
野上宏『街の水路は大自然』という素晴らしい写真集を拝見していたら、イタチが昼間に生きたザリガニを捕食する見事な生態写真が掲載されていました。(p18) 

何年前か忘れましたが、実はこの現場近くで昼間に1度だけ茶色のイタチを目撃したことがあります。 
農道を素早く走って横断し、草むらに消えました。 
イタチの糞と思われる特徴的な形状の獣糞をあちこちで見かけます。(状況証拠、フィールドサイン) 
この辺りでイタチが生息することを示す証拠映像が撮れたのは初めてで、嬉しい収穫でした。 

※ 動画編集時に映像を正規化して(equaliz0r)明るく補正しています。


【追記】 
できれば夜もカラー動画に撮りたいのはやまやまです。 
動体検知センサーと連動して、夜間に白色光の照明を点灯してから動画を撮ったり、ストロボを焚いて証拠写真を撮ったりする手法もあります。 
しかし私としては(どうしても必要に迫られない限り)あまりやりたくありません。 
私の興味関心は夜行性哺乳類の自然な行動にあるので、強い光で警戒させたくないのです。 
野生動物が無人カメラを恐れてこの獣道を二度と使わなくなってしまったら、それこそ本末転倒です。 
長期間放置すれば野生動物も徐々にカメラの発する光に慣れてくれるらしいのですが、フィールドに設置した無人カメラが夜な夜な光ると、その存在を誰かヒトに知られて悪戯や盗難のリスクも高まりそうです。 
私はむしろ、画像処理技術の進歩に期待しています。 

2021/09/27

オカトラノオの花蜜を吸うスジグロシロチョウの一種

 

2021年7月中旬・午後16:10頃・晴れ 

里山の山腹(林床)に咲いたオカトラノオの群落で スジグロシロチョウPieris melete)またはヤマトスジグロシロチョウPieris nesis)が訪花していました。 
左後翅がボロボロに破損している個体でした。 
常に翅をしっかり閉じたまま吸蜜するので翅表が見えず、私には種類を見分けられません。 
それでも、この組み合わせは初見でした。


キジバトの散歩・採食【トレイルカメラ:野鳥】

 

2021年7月中旬・午後19:00頃(日没時刻は午後19:01)・気温23℃ 

水辺の獣道に設置した無人センサーカメラ(トレイルカメラ)の監視映像にキジバトStreptopelia orientalis)がちらっと写っていました。 
こんな小さな被写体でも熱源の動体検知できるとは優秀です。 

日没直前、画面右端に登場したのに、残念ながらすぐに引き返してしまいました。 
まさか、トレイルカメラのかすかな起動音に気づいて警戒したのでしょうか? 
冠水していた遊歩道(元々は舗装路)はほぼ乾いたものの、泥が一面に残っています。 
その地面をあちこち啄みながらキジバトは歩き回っていました。 
路上(画面中央下部)にアメリカザリガニの死骸が2匹転がっているのですが、種子食性キジバトは興味を示しませんでした。(近づかず) 

ちなみに、この日は気象庁が東北地方南部での梅雨明けを平年より8日早く宣言しました。 

2021/09/26

モンキチョウ♀♂の求愛飛翔:持久力テストに落ちたスタミナ不足の♂

 

2021年7月上旬・午後15:20頃・くもり 

ススキやヨシの群落が生い茂る川沿いの草むら上空で モンキチョウColias erate poliographus)の♀♂ペアが求愛飛翔していました。 
モンキチョウは翅色が性的二型で、白い翅の個体が♀で、黄色が♂です。(例外あり) 
一見すると2頭は互いにもつれ合ったり、ただやみくもに乱舞しているようですが、♂は♀の目の前を遮るようにホバリングし、♀に着陸を促して交尾に持ち込もうとしています。 
過去に撮ったスローモーションの映像を見るとよく分かります。
関連記事(1、5年前の撮影)▶  
モンキチョウ♀♂の求愛飛翔と交尾拒否:マリーゴールドの花畑にて【HD動画&ハイスピード動画】 
モンキチョウ♀♂の求愛飛翔【ハイスピード動画】
やや風が吹く中を延々と求愛飛翔が続いたものの、結局は交尾に至らず、♂は♀を諦めて離脱しました。 

ここまではよく見かけるシーンですが、今回は飛び去った♂を撮り続けると、ちょっと面白いことが分かりました。 
私が立っていた堤防路の道端に咲いたムラサキツメクサ(=アカツメクサ)に訪花すると、吸蜜を始めたのです。 
激しい求愛飛翔を続けていたモンキチョウ♂は、どうやらガス欠で体力の限界だったようです(スタミナ不足)。 
「肉体疲労時の栄養補給に。ムラサキツメクサ!」 

羽化直後に交尾を済ませることが多いモンキチョウ♀は、基本的には受精に必要な精子を既に充分蓄えています。
♀にとって2回目以降の交尾は、栄養源としての精包(♂が交尾の際に与える分泌物)が目当てなのだそうです。 
つまり、♀はしつこく言い寄ってくる♂に持久力テストを課して篩いにかけ、強い♂とだけ(仕方なく)交尾して精包をもらうのです。 
今回の♂はおそらく老齢で、♀が課す厳しい持久力テストに落第したことになります。 
詳しくは、以下の名著2冊をおすすめします。

渡辺守『モンキチョウの交尾行動』によると、
 一頭の♀に数頭の♂という飛翔の群れが形成されることもまれではありません。しかし、ほとんどの♂はしばらくして求愛飛翔をあきらめてしまい、♀はさらに高空へ、♂はつぎつぎと地上へ降下し、求愛の群れは解消するのです。  交尾を経験した♀がつぎの交尾を受け入れる場合、どの♂を選ぶかは求愛の熱心さによることがわかってきました。求愛に熱心な♂はたいてい若く、それは交尾時に大きな精包を注入できることを意味しています。年寄りの♂は大きな精包をつくることができませんので、体内の精包を吸収して、いずれは自らの栄養にしようとする♀の思惑からみると、どうせ交尾するなら大きな精包をもらったほうがよいに違いありません。 (『動物たちの気になる行動〈2〉恋愛・コミュニケーション篇』p61〜62より引用)
渡辺守『チョウの生態「学」始末』によれば、
 交尾を経験したモンキチョウの♀が次の交尾を受け入れる場合、特に白翅型♀の場合、自分を巡っての求愛集団の中からどの♂を選ぶかは、最後まで諦めずに自分につきまとった♂であった。求愛集団における激しい飛翔は、その集団内に留まろうとする老齢の♂を振るい落とす役割ももっていたようである。最後まで求愛を行なうことのできた♂はたいてい若かった。若い♂は交尾時に大きな精包を注入でき、年寄りの♂は(少なくとも1回は交尾経験があるとしたら)大きな精包を作れない可能性が高い

子連れのカルガモが雨上がりの早朝に散歩【トレイルカメラ:野鳥】

 

2021年7月上旬・午前5:41・気温18℃ 

タヌキが往来していると予想される水辺の獣道に無人のセンサーカメラ(トレイルカメラ)を仕掛けてみました。
関連記事(1月前の撮影)▶ 泥の獣道に残るホンドタヌキの足跡
初めに写っていたのは、意外にもカルガモAnas zonorhyncha)の親子群でした。 
大雨が降ってレンズが水滴で曇っても防水のトレイルカメラはきちんと作動していました。 
こんな悪条件下でもしっかり動体検知できることに感心しました。 
レンズの水滴は晴れたら自然に乾きます。

右から登場した3羽のカルガモはトレイルカメラの前を横切り、左へ歩き去りました。 
隣接する湿地帯が大雨で氾濫し、舗装された遊歩道が冠水しています(赤茶色の泥水で水浸し状態)。 
腹を空かせた2羽の幼鳥は、浅い水でも元気に遊泳しながら採食しています。 
最後に道草を食ったのも幼鳥らしくて微笑ましいですね。
それを見守るように、1羽の親鳥が水かきの付いた足でペタペタとゆっくりついて歩きます。 

※ 動画編集時に自動色調補正(equaliz0r)を施したら、ぼやけた映像がだいぶ改善しました。

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