2024/04/20

昼間の旧営巣地で走り回って独り遊びするニホンアナグマの幼獣【トレイルカメラ】

 




2023年8月上旬 

ニホンアナグマMeles anakuma)の家族が転出した後の旧営巣地に、元気いっぱいの幼獣が明るい昼間に単独で戻ってきて独り遊びをする様子を示した動画です。 


シーン1:8/5・午後12:12・晴れ・気温33℃(@0:00〜) 
暑い昼下がりに巣穴Lから外に出た幼獣が右へ走り去りました。 
…と思いきや、しばらくすると右から走って戻ってきました。 
巣口Lで立ち止まり、辺りの様子を伺っています。 
巣口Lを飛び越えて左へ行ったり来たりしました。 
林床の落枝の匂いを嗅いでから、右へ駆けて行きます。 


シーン2:8/6・午後12:13・晴れ・気温34℃(@0:32〜) 
翌日も同じ時間帯に、幼獣が獣道を右奥へ駆けていく後ろ姿が写っていました。 

しばらくすると、左からまた幼獣が現れました。 
同一個体の幼獣がぐるっと一回りしてきた可能性もありますが、別個体かもしれません。 
広場や獣道の匂いを嗅ぎながら、仲間(兄弟姉妹)の後を追います。 


シーン3:8/6・午後12:20・晴れ・気温34℃(@1:04〜) 
巣口Lの手前から幼獣が左へ駆け抜けました。 
林冠からハラリと落ち葉が舞い散りました。 


シーン4:8/6・午後12:20・(@1:10〜) 
別アングルで設置したトレイルカメラで続きが撮れていました。 
幼獣が広場から右へ駆けました。 


シーン5:8/6・午後12:21・晴れ・気温33℃(@1:19〜) 
左上奥の(ヒメアオキ?の)茂みの奥で単独活動していた幼獣が広場に猛然と駆け戻ってきました。 
とにかく独りではしゃぎ回り、また左へ走り出しました。 


シーン6:8/6・午後12:43・晴れ・気温33℃(@1:36〜) 
右から帰ってきた幼獣が素早く巣穴Lに入りました。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】
この幼獣は迷子になって(家族とはぐれて)パニックになっているとか仲間外れにされているというよりも、仮想敵と追いかけっこを繰り広げる「独り遊び」に熱中しているようです。 
ヒトの幼児でも「いるいる、こういう子(男子)が居るよなぁ」と微笑ましく思います。
同腹から生まれた4頭の兄弟姉妹の中でもどうやら「性格の違い」があるようです。 
他の幼獣3頭と違って単独行動を好み、空想力豊かで、元気があり余っている個体が1頭だけいます。
野生のニホンアナグマにもイマジナリーフレンドと遊ぶ幼獣がいる、と解釈するのは擬人化の行き過ぎでしょうか?



ホンドタヌキの溜め糞場に集まるキンバエを襲って狩るキイロスズメバチ♀

 

2023年7月下旬・午後14:30頃・晴れ 

東北地方南部が梅雨明けを宣言した日、スギ防風林の倒木横に残されたホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞場phを見に行きました。 
タヌキの新鮮な糞が追加されていた中に黄色い顆粒状の糞が大量に含まれていたのは、未消化のトウモロコシですかね?(真面目に糞分析をしていません。) 
タヌキの溜め糞場phから生えてきた実生は、常緑低木のヤブコウジかもしれません。 
だとすれば、ヤブコウジの赤い実を食べる種子散布者はヒヨドリだけでなく、タヌキになります。 

キイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー♀1匹が低空で溜め糞上を飛び回り、獲物を探しています。 
何度も繰り返し通ってきていました。 
キンバエの仲間やニクバエの一種が糞塊に多数群がって吸汁していましたが、キイロスズメバチ♀が低空で飛来すると素早く飛び去ってしまいます。 
たまたま溜め糞phに来ていたザトウムシの一種が目の前のキイロスズメバチ♀を牽制するように立ち向かった(ように見えた)のが意外でした。 
あんなヒョロヒョロの歩脚で勝ち目はあるのでしょうか? 

キイロスズメバチ♀の探餌飛翔を粘って動画に撮り続けると、逃げ遅れたキンバエに襲いかかり、見事仕留めました。 
溜め糞場で獲物を待ち伏せするキイロスズメバチ♀はこれまで何度も見てますが、狩りの成功シーンを観察できたのは初めてで興奮しました。

関連記事(2、10、11年前の撮影)▶  

捕らえたキンバエを抱えてすぐに飛び去ったので、キイロスズメバチ♀が肉団子を作るシーンは撮れませんでした。 
どこか近くに止まり直して獲物を噛みほぐしながらじっくり肉団子を作り、それを自分の巣に持ち帰って幼虫に給餌したはずです。 

狩りの様子を1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。(@0:44〜1:34) 
キンバエの方が圧倒的に敏捷で反射神経も優れているのに、鈍臭い個体が慌てて逃げ損ね、キイロスズメバチ♀の目の前に落ちてしまったのが運の尽きでした。 

その後も溜め糞場phで私がしばらく待っていると、キイロスズメバチ♀が再び飛来しました。 
おそらく狩りの成功体験を得た同一個体が学習して同じ狩場に戻ってきたのでしょう。 
再びキンバエに襲いかかっても、素早く逃げられてしまいます。 
オオヒラタシデムシNecrophila japonica)の成虫・幼虫やワラジムシPorcellio scaber)、オカダンゴムシArmadillidium vulgare)など体が硬い外骨格で守られている虫には決して襲いかかりませんでした。 
溜め糞に着地したキイロスズメバチ♀は、ちょっと身繕いしてから再び飛び立ちます。 
動画素材の順序を編集で入れ替えて、狩りの失敗シーンを成功シーンの前にもってきました。

2024/04/19

夜のスギ林で倒木を高速道路(獣道)として利用する野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年8月上旬〜中旬 

スギの防風林にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が残した溜め糞場phを自動センサーカメラで見張っていると、野ネズミ(ノネズミ)が夜な夜な登場しました。 


シーン0:8/4・午後12:07・晴れ(@0:00〜) 
たまたま明るい日中に撮れた現場の様子です。 
真夏のスギ林床はシダ植物が繁茂しています。 
真っ直ぐなスギの倒木が林床に放置され、その左横で立木の下に黒々としたタヌキの溜め糞場phがあります。 
ちなみに、この倒木は人為的に間伐したのではなく、なぜか幹が低い位置でバキバキに折れたまま放置されていました。 
風倒だとしたら、どうして林縁ではなくスギ林内の木が1本だけ折れたのか、不思議でなりません。
幹の内部が穿孔性昆虫に食い荒らされていたのでしょうか?






シーン1:8/4・午後19:33(@0:04〜) 
晩に野ネズミがスギ倒木の上を伝い歩いて奥へ向かっています。 
倒木から右に跳び下りたようで、右上の林床をウロチョロする野ネズミの白く光る目が動いています。 


シーン2:8/6・午前3:21(@0:16〜) 
2日後の未明に、野ネズミが再びスギ倒木を伝って奥へ走り去りました。 
画面の上端からなぜか手前に戻って来かけたものの、結局は奥に姿を消しました。 


シーン3:8/7・午前2:23(@0:29〜) 
翌日の未明、野ネズミがいつものようにスギ倒木上を伝って一旦奥へ行ってから、なぜか途中で方向転換して手前へ引き返して来ました。 

余談ですが、スギ立木の幹に止まっている黒い2匹の虫が何なのか、気になります。 


シーン4:8/10・午前2:59(@0:42〜) 
3日後の未明にトレイルカメラが起動したときには、野ネズミはスギ倒木に乗ってじっとしていました。 
倒木上を右往左往してから手前に向かって来ます。 
珍しく倒木から左の林床に飛び降りると、溜め糞場phへ慎重に近づきました。 
約1時間45分前にタヌキが排便しに来たばかりなので、新鮮な糞便臭で嗅ぎ当てたようです。(匂いによる定位) 
それと同時に、黒い糞虫(種名不詳)がスギ立木の根本から溜め糞phに誘引されています。 
すぐ目の前を黒い糞虫が歩いているのに、野ネズミは見えていないのか、捕食しませんでした。 
暗闇では虫がヒゲに触れないと野ネズミは気づかないのかな?
新鮮な溜め糞phの匂いを嗅いで点検しただけで、野ネズミは左下に立ち去りました。 


シーン5:8/11・午前3:28(@1:40〜) 
画面中央の林床を左から来た野ネズミが、右のスギ倒木の上にピョンと身軽に飛び乗りました。 
そのまま倒木上を伝い歩いて奥へ向かいます。 
奥から少し戻ってくると、右の林床にピョンと飛び降りて、右上に立ち去りました。 

ところで、手前の空中に斜めに張られたクモの糸に大きな粘球が2つの連なり、暗視カメラの赤外線を反射して白く光っています。 
ピンぼけで人魂のように見えますが、静止しているので全く怖くありません。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
野ネズミにとって、シダ植物などの下草が繁茂し落葉落枝が散乱する林床は歩きにくいのか、それとも捕食者が潜んでいる危険性があるのかもしれません。 
スギ倒木を見通しの良い安全な高速道路として、野ネズミはよく利用していることが分かりました。 
自然界でこれほど真っ直ぐな獣道は他にありません。
倒木という高速道路から下道に降りるのも、高速道路に戻るのも自由自在です。 
まるで川に架けられた丸木橋のように、陸地でも頻繁に倒木を渡り歩いています。 


倒木とは樹木の遺体です。
林業の観点からは、植林地内で倒木を放置しておくのは良くないことなのでしょう。
今回の倒木ぐらいの太さだと跨いで歩けますが、巨大な倒木があると我々ヒトは歩きにくくなりますし、様々な作業の妨げになります。
「手入れが行き届いていない荒れた山林」と呼ばれて問題になっているのをよく耳にします。
しかし、生態学の観点からは、菌類の分解力によって長い年月をかけて朽ち果て土に還っていく倒木もまた森を構成する一つの重要な要素である気がします。
倒木自体がさまざまな生きものに餌や隠れ家や道などを提供しています。



林内で朽木や倒木をありのままに残しておく方が生態系のバランスが保たれ、長い目で見たときに森の健康が守られるのではないでしょうか?
ただし、住宅地にすごく近い森の場合は、朽ちた倒木からシロアリが発生するとトラブルの元になりそうですし、理想論などは言ってられないかもしれません。
原生林ではシロアリの捕食者が何種類もいますから、シロアリの数が増えすぎることはありません。



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アナグマの巣穴付近で餌を探すシジュウカラ【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年7月中旬 

ニホンアナグマMeles anakuma)の家族が転出した後の旧営巣地をトレイルカメラで見張っていると、昼間にシジュウカラParus minor minor)が現れました。 


シーン0:7/13・午前16:33・くもり(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の状況です。 
若い二次林の林床にアナグマが掘った巣穴Rが開いています。 


シーン1:7/17・午前9:47(@0:04〜) 
モノクロ映像で被写体のシジュウカラが小さいので、1.5倍に拡大した上でまずはご覧ください。 
後にオリジナルの映像でリプレイします。 (@2:06〜)
アナグマが巣穴を掘った土砂を外に捨てる際にできる特有の斜面や溝をアクセストレンチと呼びます。 
巣口Rから右に伸びたアクセストレンチで、シジュウカラがピョンピョン跳んで移動(ホッピング)しながら地面をしきりに啄んでいます。 
採食しながら巣口Rの縁ギリギリまで行くものの、巣内には決して侵入しませんでした。 


シーン2:7/17・午後12:04(@1:04〜) 
2時間15分後の正午頃に、右手前に生えた灌木の細い枝にシジュウカラが止まっていました。(赤丸に注目) 
周囲の安全を確認すると、少し奥に生えた細い蔓に一旦飛び移ってから、地上に飛び降りました。 

今度は左側の穴Rlに入り、その少し奥でも採食しました。 
巣口Rの周囲に生えたマルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)灌木の根本で嘴を拭ったり、羽繕いしたり、落葉を嘴でめくって虫を探したりしています。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】
アナグマの巣穴(現在はタヌキもときどき出入りしている)にシジュウカラが繰り返しやって来る理由は何でしょう? 
監視映像を見ると、昼も夜もハエやアブが巣穴の回りを常にブンブン飛び回っています。 
アナグマが掘った巣穴の中には枯れ草などの巣材が大量に溜め込まれていて、その寝床は幼獣の糞尿で汚れて堆肥状になっているはずです。(古巣内に残された巣材を実際に見たことはありませんが。)
私の嗅覚では巣口が特に臭いとは感じないのですが、それに誘引される食糞性昆虫や分解者がいるのでしょう。 
実際に現場検証すると、キイロコウカアブPtecticus aurifer)をよく見かけます。 
アナグマの巣口付近に通うシジュウカラは、キイロコウカアブの老熟幼虫や囲蛹を捕食しているのかもしれません。 


【参考文献】
櫻庭知帆; 小林秀司; 髙﨑浩幸. キイロコウカアブはニホンアナグマを対象とした自動撮影カメラの設置適地を教えてくれる. Naturalistae, 2016, 20: 57-60.


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2024/04/18

ニホンアナグマ家族群による獣道を塞ぐスギ倒木への対処法:くぐり抜け、乗り越え、伝い歩き【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年8月上旬〜中旬 

スギ防風林の中で倒木の横にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が残した溜め糞場phにニホンアナグマMeles anakuma)が登場したシーンをまとめました。 

シーン0:8/4・午後12:07・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の様子です。 
スギ立木の根本とスギの倒木の間に黒々とした糞塊がこんもりあります。 
夏の林床にはシダ植物が繁茂しています。


シーン1:8/5・午前0:27(@0:04〜) 
深夜にトレイルカメラが起動すると、アナグマの成獣がスギ倒木の下の隙間をくぐって右へ行く様子がちらっと写りました。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 
続けて左から2頭の幼獣が来たので、先行する個体は母親♀だったようです。 
(計4頭の幼獣が居るはずなのですが、残る2頭はカメラの死角を通ったのか、あるいは単独行動をとっているのでしょう。)
まだ体の小さな幼獣は、倒木を乗り越えるのにひどく苦労しています。 
アナグマ母子の群れはタヌキの溜め糞場phには近寄らずに素通りしました。 


シーン2:8/12・午後20:59(@0:49〜) 
7日後の晩にもトレイルカメラの起動が遅れ、倒木を伝い歩いて右下へ行く獣がちらっと写っただけでした。 
顔が見えませんでしたけど、夏毛のタヌキはこんなに丸々と太っていないはずなので、おそらくアナグマの成獣だと思います。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。
今回のアナグマ個体もタヌキの溜め糞場phには興味を示さずに素通りしました。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。

リョウブの花蜜を吸うイチモンジチョウ♀

 

2023年7月下旬・午後13:15頃・晴れ 

山道の横に咲いたリョウブの灌木でイチモンジチョウ♀(Limenitis camilla japonica)が訪花していました。 
意外にも、この組み合わせは初見でした。 
ゆるやかに翅を開閉しながら吸蜜しています。 
前翅の中室内の白斑が不明瞭ながらもあるので、性別は♀のようです。 
少し飛んで別の花序に移動し、吸蜜を続けます。 
今度は翅裏をしっかり見せてくれました。 

イチモンジチョウ♀がリョウブの花から飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:36〜)

2024/04/17

スギ防風林で倒木横の溜め糞場にホンドタヌキが通って排便【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年8月上旬 

スギの防風林の中に溜め糞場phを新たに見つけ、ときどき定点観察しています。 


おそらくタヌキの溜め糞場だと思うのですけど、自動センサーカメラを設置して確かめることにしました。
限られた台数のトレイルカメラで複数のプロジェクトをやり繰りするのは大変なのですが、 なんとか1台確保しました。


シーン0:8/4・午後12:06(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の状況です。 
スギの木の根本に黒々とした糞塊がこんもり残っています。 
すぐ横に放置されているスギの倒木が目印です。 
真夏の林床にはシダ植物(種名不詳)が繁茂しています。 
カメラをもう少し下に傾けて設置すべきでしたね…。 


シーン1:8/8・午前3:24(@0:04〜) 
溜め糞場phに単独で来たホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が右を向いて排便していました。 
用を足すと、そのまま右下に立ち去りました。 


シーン2:8/10・午前1:13(@0:13〜) 
カメラが起動したときには既にタヌキが単独で溜め糞に跨り、左下(南西)を向いて排便中でした。 
排泄後は左下に立ち去りました。 

尻尾の先の少し下に黒毛の部分(滴状の黒斑▼?)がある個体でした。 
垂れ尾ではなく、排便中もカールした尻尾を上げていました。 




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キジバトは有毒植物ナニワズの赤い実を食べるか?【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年7月下旬・午後12:50頃・ 

二次林の中にあるニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地をトレイルカメラで監視していると、とある昼下がりにキジバトStreptopelia orientalis)が登場しました。 
林床をトコトコ歩き回り、あちこちで地面を啄んでいます。 
種子食性のキジバトは夏の森で何を食べているのでしょうか? 

後半はミズキの根本に回り込んで採食を続けています。 
その辺りには冬緑性の小低木ナニワズ(別名エゾナニワズ、エゾナツボウズ)が群落を形成していて、この時期には落葉が始まり赤い実がなります。 
有毒植物ナニワズの赤く熟した果実をキジバトが食べたかどうか、気になります。 
毒をものともせずナニワズの熟果を食べたとしても、キジバトは種子捕食者ですから、ナニワズの種子散布には貢献しません。
むしろ、そのような種子捕食者に対抗する防衛戦略としてナニワズは毒を溜め込んでいると考えられます。
追加したトレイルカメラでナニワズの群落を監視して種子散布者を調べるのも面白そうです。 
ナニワズの含む有毒物質daphninは鳥類に対して毒性が無いらしく、果実食性のヒヨドリが赤い実を丸呑みして未消化の種子を含む糞をすることで種子散布を助けていることが予想されます。




※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


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2024/04/16

ニホンアナグマの諸活動:7月下旬〜8月上旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年7月下旬〜8月上旬

二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の巣穴LRを新旧2台のトレイルカメラで監視しています。 
何か特筆すべき行動があれば個別の記事にするのですが、とりとめもない残り物の行動シーンをまとめました。 
全て夜の活動です。
転出した後の旧営巣地(セット)に一時帰還してうろついたり、巣穴に出入りしたり、など。 
観察歴の浅い私が見落としている行動がありそうですし、念の為に撮れた動画を全て残しておきます。 (我ながら貧乏性ですね…)


シーン0:7/22・午後13:19・晴れ・気温38℃?(@0:00〜) 
シーン1:7/22・午後14:07・晴れ・(@0:04〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 


シーン2:7/22・午後21:52・(@0:07〜) 右下へ 


シーン3:7/22・午後21:59・気温24℃(@0:16〜) 左へ 


シーン4:7/22・午後21:58・(@0:22〜) 
二次林の林縁を右往左往し、最後は足早に右へ。
腹面に乳首が見えるので、母親♀のようです。 


シーン5:7/24・午後20:01・気温27℃(@0:58〜) 
2日後の晩にニホンアナグマ幼獣が単独でうろついています。 


シーン6:7/24・午後20:01(@1:22〜) 
別アングルの広角映像でも撮れていました。 
左奥の林内を左へ走り去りました。 
その後、左から登場しかけたのに、引き返してしまいました。 


シーン7:7/24・午後20:07・(@1:39〜) 
左へ。


シーン8:7/24・午後20:06・(@1:39〜) 
別アングルの広角映像でも撮れていました。 
奥の灌木林を右から左へ。 
途中でぶつかった灌木が揺れています。 


シーン9:7/26・午前2:59(@1:56〜) 
2日後の未明に登場した成獣は、左右の目のサイズが同じぐらいなので、母親♀ではなくヘルパー♂のようです。 
巣口Rに顔を突っ込んで匂いを嗅ぎ、中を点検してから右へ立ち去りました。 


シーン10:7/28・午後20:41・気温27℃(@2:29〜) 
2日後の晩。 
もしかすると、巣穴Lから外に出てきたばかりなのかもしれません。 
獣道を通って右上奥へ。 
幼獣かな? 


シーン11:7/29・午前4:14・気温22℃(@2:58〜) 
幼獣2頭が巣口Lに並んで匂いを嗅いでいました。 
1頭が身を翻して左へ走り、別の兄弟(姉妹)と遊び始めたようです。 
もう1頭も巣口Lから左へ駆け出しました。 


シーン12:8/1・午前2:39(@3:20〜)
長い落枝がアナグマに踏まれて動くことで、左端の死角でうろついているアナグマの動きが、予想できます。 
巣口Rの手前まで来たのに、急に何かに驚いて身を翻し、左へ走り去りました。 
股間に睾丸が見えたので、ヘルパー♂のようです。 


シーン13:8/1・午前2:40・気温24℃(@3:20〜) 
別アングルの監視カメラで続きが撮れていました。 
左から来て巣口Rの匂いを嗅いだヘルパー♂が、左へ戻って行きました。 
落枝に股間が触れたのはたまたまなのか、それともスクワットマーキング(匂い付け)したのか、よく分かりません。 
しばらくすると、何かに驚いたアナグマ♂が全力疾走で左から右へ横切りました。 
よほど慌てていたのか、獣道の途中で細い灌木の枝にぶつかりポキッと折れる音が聞こえました。 


シーン14:8/3・午後19:23・(@4:00〜) 
2日後の晩に、はしゃぎ回る幼獣3頭の群れが写りました。 
1頭は巣口Rの匂いをクンクン嗅いでいます。 
右へ次々と駆け出しました。 


シーン15:8/3・午後19:33・気温29℃(@4:27〜) 
やんちゃな幼獣2頭が巣穴Lへ戻ってきたと思いきや、再び追いかけっこしながら獣道を走り去りました。 


シーン16:8/3・午後20:01・気温26℃(@4:27〜) 
幼獣?の単独個体が出巣Lしたばかりのように見えますが、走って巣口Lに戻ってきて中を点検しただけかもしれません。 
右へ。 


シーン17:8/4・午前0:53・気温23℃(@4:51〜) 
翌日の深夜に幼獣が単独で左へ。 
どこから現れたのか不明です。(出巣L直後なのか?) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 




ネジバナの花から飛び立ち獲物を捕食するナツアカネの未成熟♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年7月下旬・午後14:30頃・曇りときどき晴れ 

山麓の水路沿いの小径に咲いたネジバナ花序の天辺に未成熟のナツアカネ♀(Sympetrum darwinianum)が止まっていました。 
翅を深く下げて休んでいます。 
右中脚の先(跗節)が欠損している個体でした。 
狩った獲物に必死で反撃されて足先を噛み千切られたのかもしれません。
今回初めて知ったのですが、図鑑『日本のトンボ』によると、ナツアカネ♀は翅の基部に橙色斑が現れる個体もいるとのこと。 

頭部をグリグリ動かして大きな複眼で上空を油断なく見張り、何か他の昆虫が飛来すると直ちに飛び立ちます。 
獲物を待ち伏せする上でこのネジバナはお気に入りの止まり場らしく、飛び立ってもすぐに同じ花序に戻って来ます。 
ネジバナに訪花すると言っても、花蜜や花粉が目当てではありません。
花に止まる向きにはこだわらないようです。 
ちなみに、この株は右回りにねじれて咲く螺旋花序でした。 (野生のネジバナで螺旋の向きは、右回りと左回りの株が1:1で見つかるらしい。) 

この個体がネジバナの花序に離着陸する瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:17〜1:13) 
ナツアカネ未成熟♀は、左上を見上げてから飛び立ちました。 
離陸直前にフェイントをかけるように、スクランブル発進の角度を変えたのが興味深く思いました。 
上空を高速で通り過ぎる獲物に対応して、軌道を先読み(高速軌道計算)したのでしょう。 
すぐに同じネジバナに戻ってきて着陸。 
前回とほぼ同じ方向に止まりました。 
しっかり横を向いてくれたときにトンボの口元に注目すると、獲物を咥えてなかったので、狩りには失敗したようです。 

狩りに成功したシーンは高画質のFHD動画で撮れていました。 
ネジバナの天辺から飛び立って戻ってきたナツアカネ♀は、口に何か小さな黒っぽい昆虫を咥えていました。 
その場でムシャムシャと獲物を咀嚼して捕食します。 
食事に脚を使うことは全くありません。 
この獲物を食べ終える前に、ナツアカネ♀が再び飛び立ちました。 
今回の狩りは失敗したようです。 (獲物に逃げられた)
食べかけの獲物を咀嚼し続けて、完食しました。 
捕食中に、手足を使わずに口の動きだけで、獲物の食べられない翅を落としました。 
この食べ残しを拾ってじっくり調べたら、獲物の正体が大まかにでも突き止められたかもしれませんね。 
後半は、狩りの成功シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:19〜) 

このナツアカネ♀個体は観察の後半になると、ネジバナの花から移動して近くの下草(イネ科)に止まり直しました。 
後ろ向きでは口元が見えず、狩りの成否が不明です。 
それでも背側から撮れたので、順番を入れ替えて冒頭シーンに採用しました。 
周囲の林からミンミンゼミ♂(Hyalessa maculaticollis)♂の鳴く声♪が聞こえます。 


【アフィリエイト】 

2024/04/15

夏の夜に渓谷をペアで渡る野生動物の正体とは?【トレイルカメラ:暗視映像】

 

 2023年7月上旬・午前0:20頃・ 




里山の渓谷(沢の源流部)が厳冬期に雪崩で埋もれると、そのスノーブリッジを野生動物が恐る恐る渡っていました。 
春以降も引き続き定点観察したかったのですけど、運用しているトレイルカメラの台数が足りなくなり、泣く泣く撤去しました。 
他所のプロジェクトがようやく一段落ついたので、夏の渓谷を再び無人センサーカメラで監視することにしました。 
低山なので、谷底の万年雪が雪渓として夏まで残ることはありません。
夏には両岸の切り立った崖を登り降りして沢を渡る野生動物の足跡や蹄跡が獣道に残っています。(フィールドサイン) 
有蹄類のニホンカモシカやニホンイノシシが渡る場合は、「義経の鵯越の逆落し」のような迫力のある動画がトレイルカメラで撮れるのではないかと期待しました。 

冒頭のシーンは明るい昼間に撮れた現場の様子なのですが、サイケデリックなモアレが生じてしまいました。 
こんな症状は初めてです。 
古いトレイルカメラを騙し騙し使い続けてきたのですけど、いよいよ寿命なのかも知れません。
 (トレイルカメラのmicroSDカードを挿し直して電源を再起動すると症状が直ることが分かりました。) 
カメラを設置しながら試写したつもりなのに、夏の日差しが眩しすぎてカメラの液晶画面がよく見えず、ほとんど勘だけでアングルを決めました。 
こういうときの対処法として、液晶画面を覆う日除け(液晶サンシェード)を後に自作することになります。 
幸い、夜の暗視映像には影響を及ぼしませんでした。 

7月上旬の深夜にカメラが起動したときには、謎の野生動物が2匹、V字状の渓谷(高低差約4〜5m)を渡る途中でした。 
此岸(右岸)の崖を下りて谷底の沢を渡河する様子は撮れていませんでした。 
対岸(左岸)の急な崖を2頭の獣が前後して直登しています。 
先行して崖をよじ登っている個体が途中で振り返り、後続個体と鼻を突き合わせて励ましたようです。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
旧機種のトレイルカメラは赤外線LEDの光量が弱くて、あまり遠くまで届きません。 
強引に明るく加工したので暗視映像の画質が粗くなってしまいました。 
そのため、動画を何度見返しても、謎の野生動物の正体が分かりません。 
ほとんど白く光る目しか見えません。
ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の♀♂つがいか、あるいはニホンカモシカCapricornis crispus)の母子かもしれません。
タヌキは険しい崖の途中でわざわざ立ち止まったり引き返したりしないような気がします。 

画質があまりにも酷い動画なので、個人的な備忘録としてブログ限定の公開としておきます。
いつか新機種のトレイルカメラを設置し直して再チャレンジするつもりです。 
冬はまだしも草木が生い茂る夏は特にトレイルカメラをきわめて設置しにくい場所なので、何か斬新な作戦を考えないといけません。

林床のヘビに対してモビングするシジュウカラなど小鳥の群れ【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年7月下旬 

ニホンアナグマMeles anakuma)の家族が転出した後の旧営巣地(セット)を自動センサーカメラで見張っていると、ある日に大事件が勃発しました。 

シーン0:7/22・午後14:10頃・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 
古いトレイルカメラの変な癖で、これ以降はなぜかフルカラーで録画してくれなくなります。


シーン1:7/25・午前9:40頃・晴れ(@0:03〜) 
二次林に多くの小鳥が集まり、耳障りな警戒声を発しながら忙しなく飛び回っています。 
何事かと思って動画をよく見直すと、アナグマの巣穴Rから2匹のヘビ(種名不詳)がニョロニョロと外に這い出て来ました! 
林床の地面を手前に向かってゆっくり蛇行します。 
ヘビの動きが緩慢で分かりにくいので、5倍速の早回し映像でリプレイします。(@1:03〜1:15) 

そもそも林内で2匹のヘビが一緒にいること自体が珍しいです。
(私はこれまで単独行動のヘビしか見たことがありません。) 
アナグマ家族が転出した後の空き巣にヘビの群れが住みついたというよりも、よく出入りしている野ネズミ(ノネズミ)の匂いを嗅ぎ取って巣穴に潜り込んでいたのでしょう(探餌行動)。 

アオダイショウElaphe climacophora)など木登りが得意なヘビは鳥の巣を襲い、卵や雛鳥を捕食しますから、野鳥の天敵です。 
したがって、天敵のヘビを見つけると野鳥は特有の警戒声を発して仲間を呼び寄せ、騒ぎ立てます。 
これはモビング(擬攻撃)と呼ばれる行動です。 
鳥たちは警戒して集まるだけで、ヘビを嘴でつつくなど直接的な攻撃をすることは一度もありませんでした。 
安全な樹上から地面のヘビを見下ろして鳴き騒ぎ、止まり木から止まり木へ忙しなく飛び移っています。 
縄張りからヘビが居なくなるまで、森に住む鳥たちは協力して、その動向を見張るのです。 
野鳥にしてみれば、自分たちの巣やねぐらをヘビにこっそり奇襲されるのが一番困ります。
ヘビに対して直接攻撃しなくても、「そこに居るのは知ってるぞ!」としつこくアピールするだけで抑止効果があります。 

動画内でジャージャー♪と耳障りな声で何度も鳴いているのは、シジュウカラがヘビに対して発する典型的な警戒声です。 (※ おまけの動画を参照) 
ヘビに対するモビングに参加する鳥の群れは同種だけとは限らず、異種の鳥も集まってくるのが特徴です。 
つまり、各種の鳥が発する「ヘビがいるぞ! 集まれ! 気をつけろ!」という種固有の警戒声を他種の鳥も理解した上で適切に振る舞っていることになります。
今回集まってきた小鳥はシジュウカラParus minor minor)がメインのようですが、白黒映像では種類をしっかり見分けられません。 

関連記事(同所でほぼ同時期の撮影)▶ 


他にはヒヨドリHypsipetes amaurotis)やカラス類が鳴き騒ぐ声が聞こえるものの、姿は写っていません。 
ヘビに対する鳥の集団モビング行動を実際に観察したのはこれが初めてで、とても感動しました。
フルカラーで録画できなかったのが、つくづく残念です…。 


シーン2:7/25・午後12:40頃・晴れ・気温32℃(@1:17〜) 
約3時間後の暑い昼下がりにトレイルカメラが再び起動すると、森はすっかり静まり返っていました。 
ヘビに集団モビングしていた鳥たちは既に解散したようです。

1羽の猛禽(種名不詳)が飛来したようで、林縁の低い灌木に止まってキョロキョロと辺りを見回しています。(画面の赤丸) 
私にはモノクロ映像から猛禽の種類を見分けられなくて残念ですが、後日にもまた登場します。(映像公開予定) 

やがて、ヘビ(種名不詳)が1匹アナグマが掘った古い巣穴Rlから外に這い出てきたのでびっくりました。 
どうやら、さっき鳥たちに集団モビングされて逃げ出した蛇のうち1匹がいつの間にか戻ってきたようです。 
ヘビは変温動物の爬虫類ですから、ヘビが単独でいくら活発に動き回ってもトレイルカメラのセンサーは反応しません。
温血動物(恒温動物)の鳥や哺乳類と同時に現れたときにしかヘビの行動は記録されないことになります。 
(実際、このヘビが木から降りるシーンは撮れていませんでした。)

等倍速ではヘビの動きが緩慢で分かりにくいので、まずは5倍速の早回し映像でご覧ください。(@1:17〜1:30) 
セットの広場を蛇行して横切ると、林縁に生えた細い灌木(樹種不明)をスルスルとよじ登り始めました。 
樹上に鳥の巣を探して求めているのかな? 
木登りする蛇を見るのは、これが2回目です。 
関連記事(11年前の撮影)▶ アオダイショウの木登り 


こんなに低い止まり木にじっとして居る猛禽を見るのは、珍しい気がします。
この猛禽はおそらく、カラスの大群にモビング(擬攻撃)されて林内に逃げ込み、ほとぼりが冷めるまで身を潜めているのでしょう。 
枝葉が鬱蒼と生い茂った二次林の低層に隠れると、上空を飛ぶカラスの目からは見えなくなるようです。
この猛禽が近くで動き回るヘビに飛びかかって捕食しないのが不思議でした。 
おそらくヘビは猛禽の死角に入り、見えてないようです。
それともカラスに追われる身の猛禽にしてみれば、ヘビを狩るどころではないのかもしれません。 (下手に動くとカラスに居場所がばれてしまう。)
あるいは、ニホンマムシGloydius blomhoffii)など危険な毒蛇を忌避しているのかな? 
もし森の小鳥たちがこの猛禽を見つけたら、ヘビに対するのとは別の鳴き方で警戒声を発して猛禽への激しいモビングを始めるはずですが、まだ誰にも見つかっていません。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳥の鳴き声が聞き取れるように、動画の一部は編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


 

↑【おまけの動画】
『【永久保存版】シジュウカラ語を一撃で理解できる最強の動画』by ゆる言語学ラジオ 

シジュウカラの言語研究で名を挙げた鈴木俊貴先生が一般人にも分かりやすく直々に解説してくれています。 
シジュウカラがジャージャー♪と鳴くのは、「天敵の蛇だ!」という意味です。 
これを聞くと仲間の鳥は(シジュウカラに限らず)一斉に集まって地上のヘビを探します。 
ちなみに、シジュウカラの雛は親鳥の警戒声「蛇だ!(ジャージャー♪)」を聞くと巣内から慌てて飛び出すらしい。 
これは学習によらない本能行動なのだそうです。 


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2024/04/14

夏の夜に延々と追いかけっこや取っ組み合いをして遊ぶニホンアナグマの幼獣3頭【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年7月下旬〜8月上旬 

旧営巣地に戻って来たニホンアナグマMeles anakuma)の幼獣3頭が、元気いっぱいで互いに追いかけっこしたり格闘遊びしたりしてはしゃぎ回る微笑ましい様子をまとめました。 
疲れを知らぬ 724+29+803 


シーン0:7/22・午後13:19・晴れ・気温38℃?(@0:00〜) 
シーン1:7/22・午後14:07・晴れ・(@0:04〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 


シーン2:7/24・午後20:00(@0:07〜) 
2頭の幼獣が奥の二次林内で駆け回り、取っ組み合いを始めました。 
右下に居た別個体の幼獣も参戦しようと駆け出したら、暗闇で細い灌木に頭から衝突しました。(@0:51〜) 
ぶつかった立木がしばらく左右に揺れています。 
慌てていたのかもしれませんが、 夜行性でもアナグマは目が悪いことを示しています。 
灌木の隙間をすり抜けられると思ったのかな?  
鈍臭い幼獣は幸い脳震盪を起こすこともなく、無事だったようです。 


シーン3:7/29・午前4:13・(@1:07〜)日の出時刻は午前4:36。 
5日後の夜明け前にも幼獣が3頭だけで旧営巣地に来て遊び呆けていました。 
地面の匂いを嗅いでいる別個体の尻に突進してわざとぶつかり、喧嘩を仕掛けました。 
それをきっかけに3頭が急に荒ぶり始め、1頭がもんどり打って巣穴Rに転がり落ちました。 
その際にマルバゴマキの樹冠に伸びている長い蔓にぶつかって、上の枝葉が激しく揺れました。 


シーン4:7/29・午前4:15・気温28℃?(@2:07〜) 
続きが別アングルの監視カメラで撮れていました。 


シーン5:7/29・午前4:16(@2:57〜) 
2頭の幼獣が激しい追いかけっこをしている途中で、もつれ合うように巣口Lに転がり落ちました。(@3:30〜、@3:48〜) 
格闘中に互いに甘噛みしているのか、短い唸り声♪も聞こえます。 


シーン6:7/29・午前4:18(@3:58〜) 
幼獣2頭が左で格闘遊びをしている間、別個体が巣口Lから顔を出してその様子を伺っています。

辺りは未だ真っ暗ですけど、目覚めたヒグラシ♂(Tanna japonensis)が林内でカナカナカナ…♪と鳴き始めました。 (@4:38〜) 
時刻は午前4:19。(日の出時刻の17分前) 


シーン7:7/29・午前4:17(@4:48〜) 
別アングルの広角カメラでも撮れていました。 
2頭が対峙して、ひたすら格闘遊びを繰り広げています。 


シーン8:7/29・午前4:19(@5:24〜) 
巣口Lを半ば塞ぐように生えた木の根を甘噛みしたり、はしゃいで跳びはねたり、幼獣が独り遊びしていました。 
巣穴Lから外に出てきた別個体が左へ行くと、それを追いかけて対決が始まりました。 
ガゥッ♪と吠える声が聞こえました。 


シーン8:7/29・午前4:22(@6:05〜) 
巣口R付近で幼獣3頭がはしゃぎ回っていると、左から4頭目の成獣が登場しました。 
成獣は落ち着いていて、幼獣が「遊ぼう遊ぼう!」と挑発するように目の前で飛び跳ねても、遊びには付き合いません。 
腹面に乳首が見えたので、母親♀のようです。 
カメラを振り返ったときに、左右の目が不均等であることが確認できました。(右目<左目) 
母親♀が近くに居た幼獣を毛繕いしてやろうと試みるも、元気いっぱいの幼獣は逃げてしまいました。 


シーン9:7/29・午前4:22(@7:03〜) 
別アングルの監視カメラでも撮れていました。 
巣口Lを点検していた母親♀が振り返って左に行くと、出迎えた幼獣2頭が♀にまとわりついて遊びに誘います。 
仲間との追いかけっこで逃げてきた幼獣が入巣Lしたものの、すぐに出巣Lしました。 


シーン10:7/29・午前4:23(@7:40〜) 
腕白盛りの幼獣2頭が疲れを知らず、はしゃぎ回っています。 
獣道に泰然と佇んでいた母親♀に突進しても、成獣はうんざりしたような顔で(?)、誘いに乗りません。 
母子の群れは獣道を右上奥へ立ち去りました。 
元気が有り余っている幼獣は、無駄に走って何度も往復しています。 


シーン11:7/29・午前4:24(@8:27〜) 
しばらくすると、幼獣2頭が追いかけっこしながら獣道から駆け戻ってきて、巣穴Lに入りました。 
少し休んでから、幼獣2頭ともまた外に出てきて走り去りました。 


シーン12:8/3・午後19:24・(@9:01〜) 
5日後の晩にも、同様の光景が見られました。 
ニホンアナグマの幼獣だけが3頭現れ、林内でふざけて追いかけっこしています。 
母親♀の姿は見えませんが、おそらく近くで採食しているはずです。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。


【考察】 
この巣穴で今季アナグマ♀から生まれた同腹の兄弟姉妹は4頭いたはずなのに、最近は3頭しか見かけません。 
まさか3頭が結託して仲間外れにしているのでしょうか?
それとも残りの幼獣1頭は死亡したのか?と心配になります。 
来季のヘルパー候補♂はあまり幼獣同士では遊ばずに母親とべったりなのかもしれない、と想像したものの、母親♀が旧営巣地に現れたときも同行していませんでした。 
前回の記事で紹介したように、足りない幼獣1頭は家族群からはぐれて迷子になったのか、それとも独り遊びが好きな個体なのかもしれません。(親離れや独立が早い個体?) 


オレガノの花蜜を求めて飛び回るウラギンスジヒョウモン♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年7月中旬・午後12:00頃・晴れ 

民家の裏庭に咲いたオレガノ(別名ハナハッカ)の群落でウラギンスジヒョウモン♂(Argyronome laodice japonica)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
半開きの翅を開閉しながら吸蜜しています。 
前翅の翅表には性斑(性標)の黒条が2本あります。 

オレガノの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:50〜) 
晴れていても風が強く吹く日でした。 
スーパースローにすると、悩ましい風揺れも気にならなくなります。 
ウラギンスジヒョウモン♂は味見して蜜量が少ないと、少し飛んで隣の株の花序へ移動します。 
探餌飛翔中のキイロスズメバチ♀(Vespa simillima xanthoptera)や採餌飛翔中のクロマルハナバチ♀(Bombus ignitus)もカメオ出演してくれました。


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