2019/01/05

田んぼで羽繕いする冬羽のノビタキ♀♂(野鳥)



2018年9月下旬

黄金色の稲穂が実る田んぼに見慣れない野鳥が2羽来ていました。
こういうラッキーな日に限って望遠レンズを忘れがちです…(後悔)。

この鳥の名前を調べるのに手こずりましたが、手元にある『フィールドのための野鳥図鑑:野山の鳥』p77に掲載された写真にそっくりでした。
冬羽のノビタキSaxicola torquata)の♀♂ペアと判明。


ノビタキという鳥を私は初めて見ました。
夏鳥として渡来、繁殖した後、秋になったので冬羽に衣替え(換羽)し、南方に渡る途中なのでしょう。
稲刈り前の田んぼに来たということは、スズメのように稲穂を食害するのかな?と思いながら撮影したのですが、食事シーンは見られませんでした。
ノビタキの食性は、種子食ではなく昆虫食らしい。

田んぼで稲穂に交じって生えたイヌビエの枯れた茎に止まっていました。
♀が飛び立った後も♂は羽繕いを始めました。
撮影中に鳴き声は聞き取れませんでした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


【追記】
水野仲彦『野鳥のくらし―卵から巣立ちまで』によれば、

子育てを終えた数多くのノビタキたちは、秋になると、稲穂が波打つ広々とした水田地帯で採食をしながら南下して行く。稲を干した杭の上で休むもの、地上で虫を食べるもの、三々五々、遠いインドやアフリカを目指して旅を続ける。(p36より引用)






ノビタキ♀♂冬羽(野鳥)@田んぼ:イヌビエ
ノビタキ♀冬羽(野鳥)@田んぼ:イヌビエ
ノビタキ♂冬羽(野鳥)@田んぼ:イヌビエ+羽繕い

ヨトウガ(蛾)幼虫の徘徊・探索

ヨトウガ(蛾)幼虫の飼育記録#1


2018年9月下旬

川沿いの堤防のガードレールにアサガオの蔓が巻き付いて育ち、花盛りです。
赤紫色に咲いた花の一つに見慣れないイモムシが潜り込んでいました。

「頭隠して尻隠さず」の状態で正当訪花していますが、まさかイモムシが吸蜜しているのでしょうか?!
幼虫が排泄した糞が下の花弁に一粒残されています。
現場で一応、動画を撮ってみたのですが、幼虫は摂食している動きもなく、じっとしているだけでした。
単に隠れ家で昼寝しているだけかもしれません。
ヨトウムシ(夜盗虫)はその名の通り、夜行性と言われています。
動きの無い動画は面白くないので、写真を掲載するだけにします。

ヨトウガ(蛾)幼虫@アサガオ訪花吸蜜/睡眠
ヨトウガ(蛾)幼虫@アサガオ訪花吸蜜/睡眠
ヨトウガ(蛾)幼虫@アサガオ訪花吸蜜/睡眠
ヨトウガ(蛾)幼虫@アサガオ訪花吸蜜/睡眠・全景

幼虫を採集して持ち帰り、飼育してみることにしました。
尾角が無いのでスズメガ科ではなさそうです。
帰ってから調べてみると、どうやら広食性の害虫として悪名高いヨトウガMamestra brassicae)の幼虫(俗名ヨトウムシ:夜盗虫)のようです。
調べ物でいつもお世話になっている「みんなで作る日本産蛾類図鑑」サイトでヨトウガを参照すると、幼虫食餌植物のリストに「ヒルガオ科:サツマイモ、アサガオ」という記述も含まれていました。






2018年9月下旬・室温23.1℃

採集してきた翌日、ビニール袋から取り出した幼虫の動きを動画で記録します。
割り箸を差し出すと登ってきました。
背中には申し訳程度に剛毛が生えているものの、毛虫と呼べるほど密生してません。
徘徊運動中の幼虫を側面から接写すると、胸脚は3対、腹脚は5対(尾脚も含む)あることが分かります。
ヤガ科幼虫の特徴で腹脚が多いので(退化していない)、歩行はいわゆる「尺取り虫」の運動ではありません。
割箸の縁を登り切り、天辺に達すると上半身を反らし次の足場を探索しています。
行き場所が無いと分かると、割箸を下に引き返します。

体をU字形に曲げて頭部をコードに擦り付ける奇妙な動きをしました。
口から絹糸を吐いて体を固定しているのかと初めは思ったのですが、頭部の剛毛に付着したゴミを取り除こうとしているのでしょう。(身繕い行動)
頭楯は褐色でした。
胸脚と腹脚は薄い褐色(薄い黄土色)。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

餌の好き嫌いがほとんど無い(植物はほとんど何でも食べる)らしいので、飼育するのは楽そうです。

つづく→#2:シュウカイドウの蕾を食べるヨトウガ(蛾)の幼虫【30倍速映像】


ヨトウガ(蛾)幼虫:側面@コード/方眼紙
ヨトウガ(蛾)幼虫:背面@コード/方眼紙
ヨトウガ(蛾)幼虫:顔@コード/方眼紙

2019/01/04

カワセミの飛び込み漁と脱糞(野鳥)



2018年9月下旬

池の中に突き刺さったままの落枝がゴイサギなど水鳥たちの格好の止まり木になっています。
ゴイサギの定点観察に来てみたら、この日は成鳥も幼鳥も全く見つかりませんでした。
その代わりに、幸せの青い鳥が止まっていました。
カワセミAlcedo atthis bengalensis)です。
逃げられそうで近づけず、性別を見分けられませんでした。


カワセミは池にボチャンと飛び込み、すぐまた落枝に戻りました。
漁の成否は不明です。
もし小魚を取ったなら、獲物を止まり木の枝に叩きつけて殺すはずですが、手前の枝が邪魔でよく見えません。
ひょっとして、夕方にさっと水浴びをした可能性もありますかね?


尾羽を上げたと同時に白い糞を後方にポトリと排泄しました。(@0:32)
すっきり軽量化したカワセミは落枝から飛び立つと、池の水面スレスレを低空で飛び去りました。
この池でまさかカワセミに会えるとは、とても意外でした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


カワセミ(野鳥)@池畔:落枝

ヒミズ死骸の肉片をクロヤマアリから守るクロオオアリの群れ



2018年9月下旬


▼前回の記事
ヒミズの腐乱死体に飛んで集まるヨツボシモンシデムシ

腐乱したヒミズUrotrichus talpoides)の死骸から少し離れた路上に小さな肉片が転がっていました。
死骸から食い千切った肉片を4匹のクロオオアリCamponotus japonicus)のワーカー♀が巣に運ぶ途中のようです。
肉片を大顎で噛んで引っ張り、更に細切れにしようとしています。
肉片には数匹の白い蛆虫(ハエの幼虫)が蠢いているのですが、アリは蛆虫を獲物とはみなしていないのか、肉片に夢中です。


▼関連記事
猿の死骸からウジ虫を運ぶアリ

2匹のクロヤマアリFormica japonica)も物欲しそうに肉片に近寄って来ました。
しかし、体格に勝るクロオオアリ♀が撃退しました。
クロヤマアリ♀は追い払われてもすばしこく逃げ回り、横取りするチャンスをしつこく狙っています。

もし仮に、クロヤマアリが援軍を呼び寄せてクロオオアリを数で圧倒したら、勝機はあるのでしょうか?


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


クロオオアリ♀4 vs クロヤマアリ♀2@ヒミズ死骸:肉片

2019/01/03

逃げたニホンカモシカと再会



2018年9月下旬
▼前回の記事
鼻息を荒げ蹄を踏み鳴らして威嚇するニホンカモシカ

野生ニホンカモシカCapricornis crispus)と一触即発の睨み合い(メンチ切り対決)を制した興奮も醒めやらぬまま、つづら折れの峠道を数百メートル下ると、おそらく同一個体と思われるカモシカと再会しました。

別れてから3分後のことです。
先程のカモシカが藪に覆われた谷を駆け下りスギ林を走り抜け、先回りして私を待ち構えていたようです。

スギ林から車道に出て来たカモシカは私に対してフシュフシュ♪と鼻息を荒げて威嚇しながら車道を走り去りました。
今度はもう私に対して向かって来ませんでした。
山道のカーブの死角に消えたカモシカを慌てて追いかけたのですが、見失ってしまいました。

どうもカモシカという動物の性格は、臆病なだけでなく実は好奇心も旺盛な気がしてなりません。
逆に私のことをどう思ったのか、カモシカに聞いてみたいものです。
「せっかく巻いたはずなのに、あのおかしな人間がしつこく追いかけてきやがった」と思ったかもしれません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

三部作のシリーズ完。


ニホンカモシカ@再遭遇+対峙+

シャグマユリの花から離着陸を繰り返して縄張り占有するアキアカネ成熟♂【HD動画&ハイスピード動画】



2018年9月下旬

農村部の物置小屋の前に咲いたトリトマ(別名シャグマユリ)の花穂の天辺にアキアカネSympetrum frequens)成熟♂が止まっていました。
腹部が赤く色づいて「赤とんぼ」になっているのは性的に成熟した証です。
花穂からときどき飛び立っても、またすぐに舞い戻って来ます。
見晴らしの良いここを縄張りの拠点として、交尾相手の♀や獲物が飛来するのを待ち構えているようです。


(アキアカネの)成熟♂は朝方に草地や樹上で探雌飛翔するほか、日中は水辺の植物や地面に止まって縄張り占有し、♀を見つけると捕えて交尾する。(『日本のトンボ』p389より引用)

止まったまま時間が経っても、翅を深く下げた休息姿勢になりません。
翅を水平よりやや持ち上げた姿勢のままで、いつでも飛び立てる臨戦状態を保っています。
大きな複眼のある頭部がときどきグリグリと動き、辺りを油断なく見張っています。

ちなみに、ときどきバーン!と聞こえるのは、銃声ではなく近くの田んぼに設置されたスズメ追いの爆裂音です。

▼関連記事
収穫前の田んぼからスズメ(野鳥)を追い払う爆音機♪
この爆裂音が鳴ってもアキアカネ♂は驚いて逃げたりしませんでした。
もうすっかり慣れてしまって気にならないのか、それともトンボは聴覚があまり発達していないのでしょうか。

アキアカネ♂の離着陸や飛翔シーンを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:11〜)
離陸シーンでは、前方に飛び出すだけでなく、いきなり急上昇することも斜め後方に飛び上がることもありました。
縄張りを軽く一回りした後、シャグマユリの花穂に近づいてホバリング(停空飛翔)しながら畳んでいた脚を広げて着陸します。
花穂に止まる向きが決まっているせいか、着陸時はいつも同じ方向からアプローチしています。
戻ってきたアキアカネ♂をよく見ても、獲物は何も捕らえていません。

渡辺守『トンボの生態学』によると、

ノシメトンボの採餌飛翔の経路は、静止場所の上空を通過しようとする小昆虫に向かってほぼ一直線に飛翔し、捕獲成功の有無にかかわらず空中で反転し、もとの静止場所に戻ってくるという8の字型である。(p48より引用)

今回のアキアカネ♂の行動も採餌飛翔(捕獲失敗)の繰り返しなのかもしれませんが、もう少し引きの絵で撮らないと飛翔経路が8の字型になっているかどうか分かりませんね。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

余談ですが、この園芸植物の「トリトマ」という呼称は旧属名から来ているらしいので、そのうち使われなくなりそうです。
現在の分類体系ではユリ科Tritoma属ではなくツルボラン科Kniphofia属とのこと。


アキアカネ成熟♂@シャグマユリ花序天辺+縄張り占有
アキアカネ成熟♂@シャグマユリ花序天辺+縄張り占有
アキアカネ成熟♂@シャグマユリ花序天辺+縄張り占有

2019/01/02

鼻息を荒げ蹄を踏み鳴らして威嚇するニホンカモシカ



2018年9月下旬
▼前回の記事
スギ林の急斜面を下りながら眼下腺マーキングするニホンカモシカ

山林の獣道から車道に下りてきたニホンカモシカCapricornis crispus)は私に気づき、じっと凝視しています。
カモシカは目が悪い(近視)らしいのですが、濡れた鼻をヒクヒクさせて私の匂いを嗅ごうとしています。
角や耳介には個体識別の特徴となるような欠損などは見当たりません。

実はカモシカとの遭遇に備えて、車道に立っていた私はそっと姿勢を低くして片膝立ちになって待ち構えていました。
警戒心の強い野生ニホンカモシカにどうしたらより近づいて撮れるか、という私なりの試行錯誤のひとつです。
カモシカが見ている前で姿勢を低くしてもあまり効果が無いことが分かっています。


▼関連記事(4年前の撮影)
ニホンカモシカ(左角欠け)の鼻息威嚇♪と逃走

やがてニホンカモシカは、いつものようにフシュ、フシュ♪と鼻息を鋭く吐いて私に威嚇し始めました。
濡れた鼻から鼻水が垂れています。
騒ぎを聞きつけた野次馬のカケスが近くの樹上でけしかけるようにジャージャー♪と警戒声を発し始めました。
私がじっと動画を撮り続けていると、ニホンカモシカは意を決したように舗装された車道に出て来ました。

鼻息威嚇に効果が無いことに業を煮やしたカモシカが数歩ずつ前進して近づいて来るようになりました。

見慣れない無礼な侵入者を縄張りから追い出そうとしているのでしょう。
揃えた前脚を高く跳ね上げてから振り下ろし、左右の蹄を舗装路に同時に打ち付けてカッ♪と鳴らします。
突進する素振りはただのブラフだろうと分かっている私は、落ち着いて撮影を続けます。
カモシカが居丈高に蹄を踏み鳴らす威嚇の示威行動を実際に見るのは初めてで、内心とても興奮しました。

路上でしゃがんで片膝立ちをしていた私の足が痺れてきたので、撮りながらゆっくり体勢を変え、両膝立ちになりました。 
現場は勾配のある峠道で、私の方がカモシカよりも少し高い位置に居ます。
両膝立ちでも見かけの身長はカモシカより低く保っています。
今回の個体が強気で私を恐れず威勢が良いのは、おそらく私が姿勢を低くしているからだと思います。

尻尾を左右に振っているのは、体に集る吸血性の昆虫を払っているのでしょう。 
興奮状態を表しているボディランゲージなのかもしれません。

強気のカモシカが調子に乗ってどんどん私に近づいてくるので、状況が緊迫してきました。
正直に言うと、このまま野生のカモシカに角で小突かれてみたいという密かな願望は少しありました。
しかし怒ったカモシカの鋭い角で本気で突かれたら大怪我しそうです。
これ以上カモシカとチキンレース(度胸試し)を続けるのは危険と判断し、私もカモシカの鼻息威嚇を真似して応戦することにしました。


▼関連記事(6年前の撮影)
野生ニホンカモシカと鼻息で鳴き交わしてみる

カモシカがフシュフシュ♪と鼻息威嚇をしてきたら、そのすぐ直後に私も応戦します。
私がただ鼻息を吐いても大きな音が出ないので、口から気迫を込めた歯舌音でシュッ♪と鋭く発するようにします。
すると効果てきめんで、カモシカはそれ以上近寄らなくなりました。
さっきまでの強気が嘘のように、神経質そうに横を向き(視線を逸らし)がちになりました。
これは弱気のサインです。
戦意喪失したカモシカは遂に完全に体を横に向けると、腹立ち紛れに鼻息威嚇しながら路肩のガードレールをひらりと飛び越えました。
ススキの茂みに隠れながらも、負け惜しみのようにしつこく鼻息を荒げ続けています。
ここでようやく私が立ち上がると、驚いたカモシカは藪に覆われた斜面を慌てて駆け下りて行きました。
この対決を見守っていたカケスがやんややんやと囃し立ててくれました。
幸い車が1台も通りかからず、誰にも邪魔されずに野生動物と1対1の濃厚な遭遇を体験をすることができました。
迫力のある映像が撮れて大満足です。

私の撮影スタイルはカメラの液晶ディスプレイを見るのではなく、カメラを顔の正面に構えてファインダーを覗いているため、カモシカと視線を直接合わせませんでした。
カモシカから見ると私はカメラで顔(目)を隠していたことになります。
野生動物をじっと直視(凝視)するのは敵意の現れと解釈されるので、例えばニホンザルを相手にするときなどは特に注意が必要です。
今回のカモシカが私を恐れず(舐めてかかり)近づいてくれた理由として、視線を隠し低姿勢だったことの他に考えられるのは、私が全身迷彩服を着ていたことです。
アスファルトの路上に居たので周囲に溶け込む迷彩効果はありませんが、見慣れない模様にカモシカは戸惑った(興味を持った)のかもしれません。

一触即発のにらみ合いになっても長年の経験と知識を活かして我ながら冷静に対処できました。
もしかすると結構危ない状況だったのかもしれません。
しかし私には切れるカードがあともう2枚ありました。
カモシカが迫ってきても逃げずに急に立ち上がりカメラで隠していた顔を見せて睨みつければ、私はカモシカよりも身長が高いので怯むはずです。
もしそれでもカモシカの突進が止まらなければ、最終手段として、クマも撃退できる強力な催涙スプレーを噴射するつもりでした。
(夏山に入る時は必ず熊よけスプレーを腰のホルスターに携帯するようにしています。)
以上ノウハウみたいなことを書いてみましたが、カモシカの気性には個体差がありそうですから、これを読んだ人が真似して襲われても私は責任を負えません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



つづく→再会篇


ニホンカモシカ:顔@車道+対峙
ニホンカモシカ@車道+対峙
ニホンカモシカ@車道+対峙
ニホンカモシカ@車道+駆け寄り威嚇

 

↑【おまけの動画】 
"Utah mountain goat wants to fight!"  by Kevin Slider
北米の氷河を登山中に好戦的なシロイワヤギに絡まれたときの対処方とは?

セイヨウタンポポの花蜜を吸うイチモンジセセリ



2018年9月下旬

川原の堤防に咲いたセイヨウタンポポの群落でイチモンジセセリParnara guttata)が訪花していました。
普通種同士ですが、意外にもこの組み合わせは初見でした。

翅がかなり擦れた個体です。
その翅を半開きにして吸蜜しています。
ようやく翅を閉じてくれたときに、翅裏の紋様が一直線に並んでいるのを確認できました。
閉じた翅を小刻みに震わせているのは、いつでも飛び立てるように準備運動しているのでしょう。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2018/12/31

農道を横断するコカマキリ♀



2018年9月下旬

舗装された農道で昼下がりにコカマキリ♀(Statilia maculata)と出会いました。
初めは私を見上げて警戒し、路上で静止していました。
卵が詰まっている腹部が重そうです。

やがて警戒を解くと農道をゆっくり横切り始めました。
胸の前に鎌を構え、一歩ずつ体を前後に揺すりながら優雅に移動します。(4本脚歩行)
急ぐ時は前脚(鎌)の先も地面に付いて歩きます。(6本脚歩行)
ときどき一時停止し、辺りを警戒しています。
ツユクサの花などが咲いている道端の草むらを目指しているようですが、途中で動かなくなりました。
先を急ぐ用事があった私は、コカマキリ♀が農道を渡り切るまで待ち切れませんでした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


コカマキリ♀@舗装農道横断

スギ林の急斜面を下りながら眼下腺マーキングするニホンカモシカ



2018年9月下旬

私が山道を下っていると、前方横のスギ林の斜面からパキパキと林床の枝を踏みしめる音が聞こえました。
クマか?と焦りながら辺りを探すと、ニホンカモシカCapricornis crispus)でした。
急斜面の獣道を下りながら、ときどき灌木の枝やクズの葉に顔の眼下腺を擦り付けて縄張りをマーキングしているようです。
スギ木立に隠れてよく見えないので、もしかすると道草を食っていた(採食)のかもしれません。
シナノキの未熟な青い実が手前に見えます。
スギの幹とカモシカの体は色が似ていて、保護色のようになっています。
もしカモシカが動かずにじっとしていれば、見つけるのは至難の業でしょう。
ゆっくり車道まで降りて来たカモシカが頭を上げ、遂に私の存在に気づきました。

つづく→気の強い野生カモシカに威嚇され一触即発!

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。




2018/12/30

性フェロモンを放出するオビガ♀(蛾)のコーリング行動



オビガ(蛾)の飼育記録2018年#12


2018年9月下旬・室温22.9℃、湿度55%

▼前回の記事
羽化後に蛹便を排泄するオビガ♀e【蛾:HD動画&ハイスピード動画】

羽化したオビガ♀e(Apha aequalis)の初飛行を動画に撮りたくて何度もつついてみたのですけど、止まり木から無様に落ちたり下でバタバタと暴れたりするだけなので、体力の消耗を避けるために諦めました。

しばらくすると、卓上のティッシュペーパーの上に静止していたオビガ♀がコーリングを始めたことに気づきました。
翅を開いて、腹端が露出した姿勢になっています。
その腹端から性フェロモンを放出する誘引腺と呼ばれる袋を出し入れしていました。
しかしヒトの嗅覚では何も匂いは感じません。
オビガ♀の誘引腺は、腹部に密生する毛と同じく濃い黄色でした。

▼関連記事
クワコ♀(蛾)の羽化と性フェロモン放出


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


つづく→#13:オビガ♀(蛾)のコーリング行動:性フェロモン放出【10倍速映像】


オビガ♀e(蛾)腹端:誘引腺@コーリング:性フェロモン放出
オビガ♀e(蛾)腹端:誘引腺@コーリング:性フェロモン放出
オビガ♀e(蛾)腹面@コーリング:性フェロモン放出

日没後の刈田に出没したホンドタヌキ



2018年9月下旬・午後18:01〜18:02(日没時刻は17:35)

稲刈りが終わった山麓の田んぼ(刈田)を横目に見ながら夜道を歩いていると、暗い刈田で動き回る1頭の野生動物を発見。
落ち穂が目当てなのか、ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が山から里に降りてきたようです。
(昼間でも)目が悪いタヌキは初め私には気づいておらず、田んぼの畦道に沿って採食しながらこちらに向かって歩いて来ました。
やがてタヌキは頭を上げ私の存在に気付くと、刈り残された隣の田んぼの稲穂の茂みの中へ慌てたように逃げ込み、姿を消しました。

現場は肉眼で辛うじて見えるぐらいの暗がりでした。
ストロボを焚いて写真に撮ろうか一瞬迷ったのですが、カメラ内蔵のストロボではタヌキに光が届くか分かりません。
野生のタヌキは閃光に驚いてすぐ逃げてしまうはずなので、チャンスは一発勝負になってしまいます。
なるべく行動を記録したい私は、駄目元で動画に撮ってみました。
赤外線の暗視カメラを荷物から取り出して準備する余裕はとてもありませんでした。
(被写体までやや遠いので、赤外線投光器を使っても暗くて写らなかったと思います。)
手にしていた通常のカメラのいつものお任せモードで撮りました。
カメラのファインダーで覗いたときにはかなり粗い画質でも辛うじて写っていたのに、撮れた動画は真っ暗になっていました。
後々思えば、「夜景を手持ちカメラで撮るモード」に切り替えて動画撮影すれば良かったかもしれません。
漆黒の映像を動画編集で強引に明るく加工してみたら、暗視カメラ風にタヌキの姿が辛うじて写っていました。
「失敗だ」と動画を削除しないで良かった!
本来タヌキは夜行性らしいので、一瞬でも夜の活動を撮れたのは嬉しかったです。


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